この記事のまとめ
- 通信制大学を卒業したら学歴は大卒になる
- 通信制大学卒業の学歴が企業に評価されることもある
- 通信制大学の学歴を転職に活かそう
通信制大学の卒業は、キャリアにおいて意外な強みとなる可能性があります。しかし、「通信制大学は学歴にならない」という誤解も根強く存在しています。実際のところ、通信制大学を卒業すれば立派な「大卒」学歴となるのです。
働きながら学べる柔軟性や入学のしやすさなど、通信制大学には多くのメリットがあります。一方で、卒業までの道が厳しかったり、対面授業が少なかったりするデメリットもあるのです。
この記事では、キャリアアドバイザーの板谷さん、柴田さん、永田さんのアドバイスを交えつつ、通信制大学の特徴や、そこで得られる学歴の価値について詳しく解説します。通信制大学への進学を考えている人や、すでに卒業した人が自身の学歴をどのようにキャリアに活かせるか、ぜひ参考にしてくださいね。
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通信制大学卒業の学歴はキャリアで強みになりえる
通信制大学の卒業は、一般的に思われているよりもキャリアにおける強みとなる可能性があります。通信制大学で学ぶことは、自己管理能力や学習意欲の高さを示すだけでなく、仕事と学業の両立経験という貴重なスキルを身に付けることにもつながるのです。
この記事では、通信制大学の特徴や、そこで得られる学歴の価値について詳しく解説します。まずは通信制大学の基本的な特徴や、メリット・デメリットを理解することが重要です。そのうえで、通信制大学の学歴が企業からどのように評価されるか、また自身の学歴をキャリアにどのように活かせるかを探っていきます。
通信制大学への進学を考えている人や、すでに卒業した人が自身の学歴を最大限に活用できるよう、具体的なアピールポイントや注意点も紹介します。キャリアアドバイザーの意見も交えながら、通信制大学の学歴を強みとして活かすための方法を詳しく説明していくので、ぜひ参考にしてください。
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通信制大学を卒業したら学歴は「大卒」になる
通信制大学を卒業すると、れっきとした「大卒」の学歴を得ることができます。これは法律上も社会的にも認められた事実です。1950年に通信制大学は、正規の大学教育課程として文部省(現在の文部科学省)に認可されました。
学校教育法で、通信制大学もほかの大学と同様に高等教育機関として位置づけられているので、卒業すれば学士号が授与されます。多くの人が「通信制大学は学歴にならない」と誤解していますが、実際には通学制の大学と同等の学歴として認められているのです。
ただし、通信制大学の学歴に対する社会の認識はまだ発展途上にあります。そのため、自身の学歴をアピールする際には、通信制大学で学んだことの意義や獲得したスキルを具体的に説明できるよう準備しておくことが重要です。
- 通信制大学の卒業生は、通学制大学の卒業生と比べて就職市場でどのように評価されていますか?
評価はほとんど変わらない! 自分自身でも比べないことが大切
通信制大学の卒業生であっても、近年の就活市場では通学制とほぼ同様に扱われると考えて良いでしょう。しかしごく一部の採用担当者には、通信制と通学制を区別する人もいないわけではありません。
そのような場合でも、「通学制と同様の知識や専門性を身に付け、その企業を志望してきた」と前向きにアプローチすることが大切です。
自身が通信制大学の出身だからと引け目を感じること自体が評価を下げる要因にもなりかねないので、自信を持って就活に向き合ってください。
まずはここから! 通信制大学の特徴
まずはここから! 通信制大学の特徴

通信制大学は、通学制大学とは異なる特徴を持っています。学習方法や卒業までの期間・学費・授業の種類など、さまざまな面で独自の特徴があるので、これらを理解して自分に合った学習環境を選択していきましょう。ここでは、通信制大学の主要な特徴について詳しく解説していきます。
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通信制と通学制の違い
スクーリング
対面授業のこと
通信制大学と通学制大学のおもな違いは、講義の受け方です。通学制大学では、決められた時間割に沿って大学に通学し、対面で講義を受けます。一方、通信制大学では、インターネットや郵便を通じて教材を受け取り、自宅や好きな場所で学習を進められるのが特徴です。
通信制大学では、学生自身が学習のペースや時間を管理する必要があるため、仕事や家事と両立しながら学ぶことが可能です。ただし、スクーリングが必要な科目もあるため、完全に通学が不要というわけではないことを覚えておきましょう。
単位を取るという点においては、学力の差はさほどないと思われます。
ただ、通信では対面での授業が極端に少ないため、先生へ質問がすぐにできなかったり、友人と確認し合うなどの会話ができない点で、差がつくこともあるかもしれません。
卒業までの期間
通信制大学の標準的な卒業年限は4年間ですが、学生の状況に応じて柔軟に調整できます。最短で2年間で卒業できる大学もあれば、最長10年以上かけて卒業することが可能な大学もあります。
このように、通信制大学で学ぶなら、仕事や家庭の事情に合わせて学習ペースを調整できるのです。ただし、卒業までの期間が長くなると、モチベーションの維持が課題になることもあるので、自分のライフスタイルに合わせて、適切な学習計画を立てることが重要です。
学費
通信制大学の学費は、一般的に通学制大学よりも安価です。これはキャンパスの維持費や教職員の人件費などが抑えられるためです。なお多くの通信制大学では、入学金と授業料に加えて、教材費やスクーリング費用がかかります。
ただし、大学によって学費の内訳は異なります。単位制の場合は、取得する単位数に応じて学費が変動することもあるので注意しましょう。また、奨学金制度を設けている大学も多いので、経済的な支援を受けられる可能性もあります。
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授業の種類
通信制大学の授業は、おもに以下の3種類で構成されています。
通信制大学の授業の種類
- テキスト学習
- レポート提出
- スクーリング
まずテキスト学習では、送付された教材やオンライン教材を使って自主学習を進めます。レポート提出では、学んだ内容をまとめて提出し、評価を受けます。
スクーリングは、大学に通って受ける対面授業で、科目によっては必須です。最近では、チャット機能を活用した意見交換や、学生同士のディスカッションができるオンラインでのスクーリングを導入する大学も増えています。
これらの授業形態を組み合わせることで、通信制大学では柔軟に学習しやすくなっています。自分の学習スタイルや生活スタイルに合わせて、効果的な学習方法を選択することが大切です。
事前に理解しよう! 通信制大学のメリット・デメリット
通信制大学を選択する前に、そのメリットとデメリットを十分に理解しておくことが重要です。通信制大学には、従来の通学制大学にはない独自のメリットがありますが、同時に考慮すべき課題もあります。
ここでは、通信制大学のおもなメリットについて詳しく解説していきます。これらを理解して、自分のニーズや目標に合った選択へつなげていきましょう。
通信制大学のメリット
通信制大学のメリット
- 働きながら学べる
- 入学しやすい
- 資格が取れる
通信制大学には、従来の通学制大学にはないメリットがあります。メリットを理解することで、より通信制大学での充実した学習の実現につなげられます。
ここでは通信制大学のメリットを解説するので一通りチェックしたうえで、通信制大学への入学を検討してくださいね。
働きながら学べる
通信制大学は、通学制大学のように決まった時間に通学する必要がないため、自分のペースで学習時間を確保できます。たとえば、平日は仕事に集中し、休日や夜間に学習時間を設けるなど、柔軟なスケジュール管理が可能です。また、通勤時間を利用して学習教材に目を通したり、昼休みにオンライン講義を視聴したりすることもできます。
このような柔軟性により、キャリアを中断することなく学位取得を目指せるため、転職や昇進を考えている社会人にとって特に魅力的な選択肢となります。
入学しやすい
通信制大学は、一般的に通学制大学よりも入学のハードルが低いのが特徴です。多くの通信制大学では、書類審査や小論文、面接などの比較的簡単な選考方法を採用しています。中には、高校卒業資格または同等の学力があれば、ほぼ無条件で入学できる通信制大学もあるのです。
また、年齢制限が緩やかなため、社会人や主婦・シニア世代など幅広い年齢層の学生が学んでいます。入学時期も年に複数回設けられていることが多く、自分のタイミングで学習をスタートできるのも魅力です。
このように通信制大学は入学しやすいため、「学び直し」や「キャリアチェンジ」を考えている人にとって大きなメリットとなります。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、通学制の大学でもオンライン授業を取り入れることが増えました。
それにより通信制大学も一つの選択肢として注目を浴び、入学を考える人が増えたことから、最近では一般的な大卒者と同じように扱われます。
また通信制大学で単位を取得し卒業することで、計画性や自己管理能力が評価されるのも利点の一つです。
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資格が取れる
多くの通信制大学では、学位取得と同時にさまざまな資格取得を目指せます。特に教員免許や社会福祉士、精神保健福祉士などの国家資格は、通信制大学でも取得可能な代表的な資格です。
また、心理学や経営学など、特定の分野に特化した専門的な知識を身に付けることで、関連する民間資格の取得にも有利になります。たとえば、心理学を学ぶことで、認定心理士の資格取得を目指すことが可能です。
資格取得を通じて専門性を高めることは、キャリアアップや転職の際に大きな強みとなります。通信制大学で学びながら資格を取得することで、より効率的にキャリア目標を達成できる可能性があります。
これからのキャリアに役立つ資格を取ろうとしている人には、こちらの記事がおすすめです。就職に有利な資格や資格の選び方を解説しています。
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- 通信制大学で取得でき、その後のキャリアに活かせる代表的な資格は何ですか?
教員免許や司書資格が代表的だがキャリアへの活かし方はさまざま
通信制大学で取得でき、キャリアに活かせる代表的な資格といえば、教員になるための小学校・中学校・高校の教員免許や司書などの資格が挙げられます。
中には通学制の大学を卒業した後に、資格取得に必要な科目を通信制大学で取得し、資格が必要な職業に就く人や、通学制の大学に在学しながら通信制大学の科目等履修生として授業を履修し、通学制の大学だけでは取得できない資格を取得する人もいます。
たとえば大学卒業資格を得た後に通信制大学に入り、大卒資格を活かして保育士の国家試験を受験したり、実務経験を経てから社会福祉士の資格を得たりなどです。
ほかにも高校卒業後、最初から通信制の大学に通い、さまざまな資格を取得し卒業するという人もいます。
通信制大学のデメリット
通信制大学には多くのメリットがある一方で、考慮すべきデメリットも存在します。デメリットを事前に理解しておくことで、より良い学習計画を立てたり、適切な対策を講じたりしやすくなります。
ここでは、通信制大学のおもなデメリットについて解説するので、デメリットも理解したうえで入学を検討しましょう。
卒業が難しい
一般的に通信制大学を卒業することは、通学制大学よりも難しいと言われています。まず、通信制大学では、自己管理能力が強く求められます。通学制大学と異なり、決まった時間に授業に出席する必要がないため、学習のペースや進捗を自分で管理しなければなりません。この自己管理が苦手な学生にとっては、学習の継続が課題です。
また、仕事や家庭との両立が必要な学生が多いため、学習に充てる時間の確保が難しくなることがあります。残業や家事、育児などで予定していた学習時間が取れず、課題の提出が遅れたり、試験の準備が不十分になったりするケースも考えられます。
さらに、孤独な学習環境も卒業を難しくする要因の一つです。通学制大学のようにクラスメイトと日常的に交流する機会が少ないため、モチベーションの維持が困難になることがあります。
なお、通信制大学の卒業率は、以下のように50〜70%が多くなっています。
学校名 | 卒業率 |
産業能率大学 通信教育課程 | 72.8%(2023年3月度) |
早稲田大学 eスクール | 約60%(2022年3月まで) |
自由が丘産能短期大学 通信教育課程 | 58.4%(2023年3月度) |
東京未来大学 | 55.2%(2021年3月まで) |
東京福祉大学 大学学部通信教育課程 | 51.6%(2023年度から過去5年間) |
大学によって卒業率に幅がありますが、卒業率が50%台の大学が多いため、それほど難しいということを理解しておきましょう。
卒業までには強い意志と継続的な努力が必要となるので、各大学の卒業率を参考のうえ、入学前に自身の決意と学習計画を十分に吟味することが重要です。
- 働きながら通信制大学を卒業するのはどれくらい大変ですか?
簡単ではないが隙間時間を活用して学びを重ねていけば問題ない
働き方にもよると思いますが、しっかりと学業をこなしていけば卒業は可能であると思います。というのも私自身、社会人になって働き出してから、大学卒業の資格を取るために通信制の大学へ通っているからです。
私の場合はフリーランスのため、比較的自由に勉強の時間を取ることができています。しかし仮に勤めていたとしても、通勤中や寝る前の時間など、仕事以外の時間を活用することによって勉強を進めることも可能ですよね。
このように自分のペースで学びを進められる点は魅力だと思います。そうして着実に単位を積み重ねていくことで、卒業が見えてくるでしょう。
対面授業が少ない
通信制大学は、スクーリングの機会が限られているため、教員やほかの学生との直接的なコミュニケーションの機会が少なくなります。これにより、疑問点をその場で解消したり、ディスカッションを通じて理解を深めたりする機会が限られます。
特に、実践的なスキルや知識を必要とする分野では、この点が課題となるかもしれません。
次に、大学生活特有の経験が得られにくくなります。サークル活動や学園祭などの課外活動、友人との交流を通じた人間関係の構築など、キャンパスライフならではの経験が限定的になります。これらの経験は、社会性やコミュニケーション能力の向上に寄与する重要な要素であるため、その機会の少なさはデメリットの一つです。
また、実験や実習が必要な科目では、設備の利用や実践的な学習の機会が限られる可能性があるので、特に理系の学部や実技をともなう分野で学習の障壁となることがあります。
ほかの大学に、あまりないような専攻の分野について学ぶとき、対面授業が少ない通信制だと、「通学はとても無理」という地域に居住していても入学できるのがメリットです。
一方で、実習や実験などをともなう分野については、やはり通信だと履修や単位取得が難しくなる場合が多々あります。
誤解されている? 通信制大学が学歴にならないと思われやすい理由
誤解されている? 通信制大学が学歴にならないと思われやすい理由
- 「誰でも入学できる=学力が低い」と思われているから
- 学習の質に疑問を持たれているため
- 社会的認知度が低いため
- 通信制大学の学歴に対する企業の見方
通信制大学は正式な高等教育機関として認められているにもかかわらず、「学歴にならない」という誤解が根強く存在していることは否定できません。
この誤解の背景には、通信制大学の特性や社会的認識に関するいくつかの要因が根底にあると考えられます。ここでは、通信制大学が学歴にならないと思われやすい理由について解説します。
「誰でも入学できる=学力が低い」と思われているから
通信制大学は、入学のハードルが比較的低いことが特徴です。書類審査や面接だけで入学できる大学も多く、一般的な大学入試のような厳しい選抜がないことから、「誰でも入学できる」というイメージがあります。
このイメージが「入学者の学力が低い」という誤った認識につながりやすいといえます。しかし実際には、入学のしやすさと卒業までの道のりの難しさは別問題です。通信制大学では、自己管理能力や学習意欲が強く求められるため、卒業までには相当の努力が必要となります。
入学のしやすさは、むしろ多様な背景を持つ学生に学習機会を提供するという通信制大学の役割を反映しているのです。しかし、この点が正しく理解されていないことが、学歴としての評価を低下させる一因となっています。
- 入学しやすい通学制大学を卒業すると企業から学力が低いと思われてしまいますか?
通学制だという理由だけで能力を判断されることはまれ
一部の企業では大学のブランド力や偏差値を重んじる傾向は依然として残っていることも否めません。
ただ、大学入試の制度自体も推薦などの割合が増え、学力そのものの判断が見極めにくくなっているという実態もあります。
そのため必ずしも、入学しやすい大学を卒業したことで学力が低いという判断につながることはなく、企業は出身大学よりも個人の経験やスキルを重視する傾向が強くなってきています。
新卒採用の場合、入社後の成長可能性を見られていることが多いです。就職活動をするなかで、大学での学びや課外活動などと併せて、学習意欲や成長意欲をアピールすることができれば、きちんと評価してくれる企業と出会えるでしょう。
学習の質に疑問を持たれているため
通信制大学では、おもに自宅学習やオンライン授業が中心となるため、学習の質に疑問を持たれることがあります。対面授業が少ないことや、実験・実習の機会が限られていることから、「十分な教育がおこなわれていないのではないか」と懸念が生じているのです。
また、教員やほかの学生との直接的なコミュニケーションの機会が少ないことも、学習の質に対する疑問につながっています。ディスカッションや質疑応答の機会が限られていると、深い理解や批判的思考力を高めることが難しいのではないかという見方があるのです。
しかし、多くの通信制大学では、チャット機能の活用やビデオ会議システムを使った双方向授業の導入など、学習の質を高めるための工夫をおこなっています。そして、これらの取り組みが十分に認知されていないことが、学歴としての評価に影響を与えていると考えられます。
社会的認知度が低いため
通信制大学は、通学制大学と比べて歴史が浅く、社会的な認知度がまだ低いのが現状です。多くの人々にとって、「大学」といえば通学制の大学をイメージすることが一般的で、通信制大学の存在やその教育システムについての理解が十分に広まっていません。
また、通信制大学の卒業生が社会で活躍する姿や成功事例が、まだあまり知られていないことも認知度の低さにつながっています。
通信制大学で学び、その経験を活かしてキャリアアップを果たした人々の事例が広く知られれば、社会的な評価も変わってくる可能性があります。この認知度の低さが、通信制大学の学歴に対する誤解や偏見を生み出す一因となっているのです。
通信制大学の学歴に対する企業の見方
企業の採用担当者の中にも、通信制大学の学歴に対してさまざまな見方が存在します。一部の企業では、通信制大学の卒業生に対して積極的な評価をおこなっているケースもありますが、慎重な姿勢を示す企業もありそうです。
肯定的な評価としては、「働きながら学ぶ意欲と能力がある」「自己管理能力が高い」のような点が例として挙げられます。特に、社会人経験を経て通信制大学で学び直した人材に対しては、その経験と学びを評価する企業も増えています。
一方で、「実践的なスキルや経験が不足しているのではないか」「対人コミュニケーション能力に不安がある」といった懸念を持つ企業も存在するのです。これらの懸念は、先述した通信制大学に対する一般的な誤解と関連しています。
ただし、近年では多くの企業が「学歴よりも能力」を重視する傾向にあり、通信制大学の卒業生も自身の能力や経験をしっかりとアピールすることで、十分に評価される可能性があります。そのため、企業の選考では、通信制大学で学んだことをどのように活かせるか具体的に説明することが重要です。
- 通信制大学の卒業生は、従来の大学卒業生と比べて就職市場でどのように評価されていますか?
さほど変わらないが「なぜ通信を選んだのか」は企業も気にする
当然ながら企業によりその評価は異なると思いますが、どんな学びを得たのかしっかりとアピールできれば、さほど影響はないのかなと感じます。
ただ「なぜ通信の大学を選んだのか」というのは、一番気になる点でもあります。通信制の大学に通ったことがなければ、なかなかその実態を把握することは難しいため、その点をしっかり伝える必要がありますね。
とはいえ、国公立大学並みに有名な教授陣が名を連ねて講師として参加している場合もあります。その点から見れば、通学制の大学にも決して引けを取らないといえるでしょう。
実は評価される! 通信制大学卒業で企業にアピールできる強み
実は評価される! 通信制大学卒業で企業にアピールできる強み
- 自己管理能力の高さ
- 学習意欲と向上心
- 仕事と学業を両立した経験
- 専門知識やスキルの高さ
通信制大学の卒業は、一般的に考えられているよりも企業から高く評価される可能性があります。通信制大学で学ぶ過程で身に付けたスキルや経験は、ビジネス環境で役立つことが期待できます。
ここでは、通信制大学卒業で企業にアピールできる強みについて詳しく解説するので、卒業後の就活に活かせるように目を通しておきましょう。
自己管理能力の高さ
通信制大学で学ぶには、高い自己管理能力が不可欠です。決まった時間に授業に出席する必要がない分、自分で学習のスケジュールを立て、計画的に課題をこなしていくことが求められます。この経験は、職場での時間管理や業務の優先順位付けなど、実際の仕事現場で求められるスキルと直結します。
たとえば、締め切りのある複数のプロジェクトを同時に進行させる能力や、長期的な目標に向けて着実に進捗を積み重ねていく力は、通信制大学での学習を通じて培われるものです。このような自己管理能力の高さは、企業にアピールしやすい強みです。
学習意欲と向上心
通信制大学で学位を取得するには、強い学習意欲と向上心が必要です。仕事や家庭生活と両立しながら学業を続けるには、相当な努力と忍耐がなくてはなりません。この姿勢は「学び続ける意欲がある」ことの企業へのアピールにつながると考えられます。
通信制大学での学習経験は、新しい知識やスキルを積極的に吸収する姿勢の表れとして評価されます。トレンドが移り変わるビジネス環境において、常に学び続ける意欲を持った人材は評価されやすいです。自己啓発や業務改善に積極的に取り組む姿勢をアピールすることで、企業からの評価を高められます。
こちらのQ&Aでも、学習意欲や向上心をアピールする方法についてキャリアコンサルタントが解説しています。併せてチェックして理解を深めましょう。
仕事と学業を両立した経験
多くの通信制大学生は、仕事や家庭生活と学業を両立させています。この経験は、マルチタスキング能力や時間管理スキルの高さを示す強力な証拠となります。複数の責任を同時にこなす能力は、現代のビジネス環境で重要視されているのです。
また、仕事や家庭生活・学業を両立した経験は、ストレス管理能力や問題解決力の高さも示唆します。仕事の締め切りと学業の課題提出が重なったときなど、プレッシャーのかかる状況下でも冷静に対処できる能力は、企業にとって大きな魅力となりえます。
通信制大学での学習と仕事を両立するための時間管理能力や、計画性の高さ、計画を実行していく遂行力をアピールすることができるでしょう。
大学の試験やレポートの締め切りと、仕事の納期が重なった場合など、ストレスに対しての耐性もアピールポイントとして有効です。
専門知識やスキルの高さ
通信制大学では、特定の分野に特化した専門知識やスキルを習得できます。多くの通信制大学が提供するカリキュラムは、実務に直結する内容が多く、即戦力となる人材の育成を目指しています。
たとえば、IT・経営学・心理学などの分野で最新の知識を学び、それを直接仕事に活かすことが可能です。また、資格取得と連携したプログラムも多く、専門性の高さを客観的に証明することができます。
さらに、通信制大学で学んだ内容を実際の仕事に応用した経験があれば、それは非常に強力なアピールポイントです。理論と実践の両面から専門性を示すことができ、企業にとって即戦力となる人材であることのアピールにつながります。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る「仕事をしながら学び続ける」能力は社会人として大きく評価される
社会に出てからのリスキリングなどではなく、特に学齢期で通信制の大学を選んだ人には、さまざまな理由があるはずです。おそらくたいていの人は働きながら学ぶという状況にあったと考えられます。
それを全うし、卒業が間近になってきたということは、仕事と学習の両立を4年以上継続できているはずです。
社会人になったら学びはおしまい、というわけではありません。これからの長い仕事人生、ずっと学び続けなければならないのです。その入口に立とうとしている時点ですでに「働きながら学ぶ」習慣ができているというのは、企業が大きく評価するポイントです。
自己管理能力や継続力など個人で学びを進める能力も貴重
また通信での学習は遠隔コミュニケーションが中心なため、気軽に質問や相談ができるわけではありません。それを自分なりに工夫して不明点を解消してきたことも、多様な人材が一堂に会する職場において、いち早く業務になじむことができるという点で、企業から期待されることでしょう。
さらに、一般的に通信制大学の学生には、通学生にはない自己管理能力、継続力、忍耐力、コミュニケーション能力がすでに備わっていることが多いです。いずれも企業からは高く評価されるポイントです。自信を持ってアピールしていきましょう。
後悔しないために! 通信制大学を選ぶポイント
後悔しないために! 通信制大学を選ぶポイント
- カリキュラムと学びたい分野の一致
- 学習サポートの充実度
- 費用と奨学金制度
- 卒業率とスクーリングのしやすさ
- 就職支援があるか
通信制大学を選ぶ際には、自分のニーズと大学の特徴がマッチしているかを慎重に検討することが重要です。適切な選択をすることで、充実した学習経験を得られ、将来のキャリアにも良い影響を与えられます。ここでは、通信制大学を選ぶ際の重要なポイントを5つ紹介します。
①カリキュラムと学びたい分野の一致
通信制大学を選ぶ際の最も重要なポイントは、提供されるカリキュラムが自分の学びたい分野と一致しているかどうかです。各大学の公式サイトや資料を詳細に確認し、以下の点を考慮しましょう。
提供されるカリキュラムで確認すべきポイント
- 開講されている科目が自分の興味や目標に合っているか
- 専門性の深さは十分か
- 実践的なスキルを身につけられるプログラムがあるか
- 資格取得のサポートがあるか
また、シラバスを確認し、各科目の内容や学習目標が自分のニーズに合っているかも確認しましょう。将来のキャリアプランを念頭に置きながら、最適なカリキュラムを提供している大学を選ぶことが大切です。
キャリアの目標が定まっていない人は、以下の記事もチェックしておきましょう。キャリアビジョンを描く必要性や自分らしいキャリアビジョンを描く方法を5ステップで解説しています。
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②学習サポートの充実度
通信制大学では、自己学習が中心となるため、大学からの学習サポートの充実度が重要になります。おもに以下のようなサポートがあるか確認しましょう。
通信制大学の学習サポート
- オンラインでの質問・チャット対応の有無
- 教員とのコミュニケーション手段
- オンライン上の学習コミュニティや討論の場があるか
- 学習進捗を管理するシステムの有無
通信制大学の充実した学習サポートは、モチベーションの維持や学習効果の向上に大きく貢献します。特に仕事と学業を両立させる場合、オンラインと対面で自身に必要なサポートがあるかどうかをチェックするのが大切です。
③費用と奨学金制度
通信制大学は通学制に比べて一般的に費用が安いとされていますが、大学によって費用構造は異なります。入学金や授業料・教材費・スクーリング参加にともなう交通費・宿泊費・パソコンやインターネット環境の整備費用などを考慮して、総合的な費用を計算するのが大切です。
そのうえで、利用可能な奨学金制度や教育ローンについても確認しましょう。通信制大学には、独自の奨学金制度を設けているところが多くあります。また、日本学生支援機構の奨学金制度も利用できる場合もあります。
ただし、各奨学金制度によって申込資格や返済・利子の有無などが異なるので、事前にチェックしたうえで利用を検討しましょう。
④卒業率とスクーリングのしやすさ
通信制大学の卒業率は、その大学の教育の質や学生サポートの充実度を反映しています。卒業率が高い大学は、学生の成功をサポートする体制が整っている可能性が高いです。
また、スクーリングの実施方法や頻度も重要なポイントです。通信制大学への入学を検討する際は、スクーリングの頻度や期間・開催場所・オンラインスクーリングの有無・スクーリング日程の柔軟性などを確認しましょう。特に仕事をしながら学ぶ場合、スクーリングの参加のしやすさは、無理なく卒業するための重要な選択基準となります。
通信制大学は卒業が難しいため、卒業率とスクーリングのしやすさを踏まえて慎重に選びましょう。
単位を取るための要件がレポートなのか試験なのかなど、どのように単位取得するのかは事前にチェックしておいたほうが良いでしょう。
自分の環境と照らし合わせて、働きながらこなせるかどうかイメージすることが重要です。
⑤就職支援があるか
通信制大学を卒業した後、キャリアチェンジや転職を考えている場合、就職支援の有無が重要になってきます。具体的には、以下の就職支援があるか確認しましょう。
就職支援の種類
- キャリアカウンセリングサービス
- 就職セミナーやワークショップの開催
- インターンシップ情報の提供
- OB・OGとの交流会
- 求人情報の提供
また、過去の就職実績やおもな就職先なども参考になるはずです。大学の就職支援体制が充実していれば、学んだことを活かしたキャリアアップの可能性が広がります。
これらのポイントを総合的に検討し、自身の目標を達成するために最も適した通信制大学を選ぶことが大切です。慎重に選択することで充実した学習経験を得られ、将来のキャリアにつながる有意義な時間を過ごせるのではないでしょうか。
- 通信制大学卒業生が陥りやすい就活の失敗例はありますか?
通信制であることをマイナスと思えば本来の魅力を伝えられない
通信制大学だから通学制と同じように扱ってもらえない、と思い込まずに就活を進めましょう。
確かに通信だと一般入試組よりも入学しやすかったかもしれません。しかし、学ぶ内容やそれに対する評価基準は大差ないはずです。大学によっては通信制のほうが単位取得が難しいところもあるほどです。
通信制の強みである自己管理能力や継続力などを加味しながら、大学で学んだスキルや専門性に自信を持ってアピールしていきましょう。
キャリアの専門家に聞く! 通信制大学の実態
実際に通信制大学で学ぶことがキャリアにどのような影響を与えるのか、具体的にイメージできない人もいるのではないでしょうか。「通信制大学の学歴が就職や転職にどう影響するか」「企業からどのように評価されるのか」などを疑問に思う人も多いはずです。
ここでは、多くの求職者を支援し、教育業界や人事採用に詳しいキャリアコンサルタントに通信制大学の実態と、それが就職市場でどのように評価されているかについて聞きました。
実際に通信制大学への入学を検討する前に、企業側の視点に立って、通信制大学の卒業生がどのように評価され、どんなキャリアの可能性があるのかを考えてみましょう。
アドバイザーコメント
板谷 侑香里
プロフィールを見る企業にもよるが基本的にそれだけで不利になることはない
履歴書に通信制大学卒と書いて不利になるかどうかに関しては、応募先企業の考え方に基づく部分もあります。ただ、学歴自体よりも、応募者の人柄や意欲、成長力、学生時代の経験やスキルが重視されるようになってきているのが最近の傾向です。
育ってきた家庭環境はそれぞれ異なり、不登校、結婚、子育て、介護など、人生にはさまざまな出来事が起こります。通信制大学で学ぶことを選択するに至った理由や、大学での経験が自分にどんな影響を与えたのかについて、きちんと言語化して伝えることができれば不利に働くことはほとんどありません。
学びを仕事で発揮した経験や今後への活かし方をアピールしよう
もし通信制大学と仕事を両立させることができていたのであれば、具体的なエピソードとともに、自己管理能力や計画性の高さ、意志の強さ、ストレス耐性などをアピールしていきましょう。
大学での学びが学生時代に働いていた職場で活きた実例などを伝えることも効果的です。通信制大学での学びを自分の成長や今後のキャリアにどのように役立てていきたいのか伝えていくことで、就活で良い結果を得ることができるでしょう。
入学後が大事! 通信制大学で学ぶ際の注意点
入学後が大事! 通信制大学で学ぶ際の注意点
- 標準の修業年限以上かかる可能性がある
- レポート作成や試験対策を徹底する
- 資格取得において実習機会が少ないことがある
通信制大学へ入学してからは、充実した学習生活を送ることが重要です。しかし、通信制大学での学習は通学制とは異なる特徴があり、学習をスムーズに進めるためにも、その特徴を把握しておく必要があります。
ここでは、通信制大学で学ぶ際の注意点について詳しく解説します。これらの点を理解し、適切に対策することで、より効果的な学習につなげていきましょう。
標準の修業年限以上かかる可能性がある
通信制大学の標準修業年限は通常4年ですが、実際にはこれ以上の時間がかかることがあるのです。
まず、多くの学生が仕事や家庭と両立しながら学んでいるため、必然的に学習に充てられる時間が限られています。フルタイムで働きながら学ぶ場合、1年間で無理なく取得できる単位数が少なくなりやすいと考えられます。
また、自己学習が中心なのでモチベーションの維持が難しく、学習のペースが落ちるかもしれません。特に、長期的な計画を立てて継続的に学習を進める必要があるため、途中で挫折してしまう可能性もあります。
なお、大学によってはスクーリングの日程が限られていることも、修業年限が延びる要因の一つです。必要なスクーリングに参加できない場合、その科目の単位取得が次年度以降に持ち越されることがあるので注意しましょう。
- 通信制大学の卒業に時間がかかったら、履歴書の学歴欄に影響はありますか?
仕事などきちんとした理由があれば大きな影響はない
働きながらの在籍であれば、印象にさほど悪影響はないでしょう。私が通っている放送大学では、最長10年在籍することができます。
これは通信制の大きなメリットといえます。働きながら学ぼうとして通学するとなると、さすがにそこまでゆっくり大学に時間をかけることは難しいはずです。
履歴書に記載する際には、「仕事をしながら着実に単位を取るために時間がかかった」という旨の記載で理解されると思います。
卒業が長引いてしまうことが不安な人には、こちらの記事がおすすめです。留年した人の就職活動の実態や就職活動に向けた準備の仕方まで解説しています。
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レポート作成や試験対策を徹底する
通信制大学では、レポート作成と試験が学習評価の中心となるため、それぞれ徹底的な準備が不可欠です。
レポート作成においては、締め切りを厳守し、課題の要件を正確に理解することが重要です。また、適切な引用と参考文献の記載など、アカデミックな文章作成のルールを学び、実践することが求められます。
添削指導を有効に活用し、返却されたレポートのフィードバックを次回に活かすことで、レポート作成スキルを向上させることが可能です。
試験対策については、計画的な学習が鍵となります。試験日程を確認し、十分な準備期間を設けることが大切です。多くの大学が公開している過去問を活用して出題傾向を把握し、効率的な学習を心がけましょう。
またオンライン上の学習コミュニティを活用してほかの学生と情報交換することも、効果的な学習方法の一つです。可能であれば試験直前に休暇を取得するなどして、集中的に学習時間を確保することも検討してください。
資格取得において実習機会が少ないことがある
通信制大学で教員免許や社会福祉士などの資格取得を目指す場合、実践的な経験を積む機会が限られていることがあります。
通学制大学では、カリキュラムに組み込まれた形で定期的に実習がおこなわれることが多いですが、通信制大学では集中的な期間での実習や、学生自身が実習先を見つけなければいけないケースもあります。
そのため、仕事や家庭との両立を図りながら実習の時間を確保することが難しいかもしれません。
また、実習の質や量が通学制大学と同等であっても実習期間が短いため、じっくりと経験を積み重ねるのが難しいこともあります。しかし、オンラインでの模擬実習をおこなっている通信制大学もあるように、実践的な経験を積めるように対策が進められています。
資格取得を目指す学生は、入学前に実習に関する情報を十分に収集し、自身の状況に合わせて実習をこなせるかどうかを慎重に検討することが重要です。
転職に備えよう! 通信制大学の学歴を活かすためのポイント
転職に備えよう! 通信制大学の学歴を活かすためのポイント
- 履歴書に記載できる内容を整理する
- 通信制大学を選んだ理由を整理する
- 学んだことやスキルを整理する
- 面接での質問を想定して回答を考える
通信制大学を卒業して転職を控えた人の中には、自身の学歴をどのように活かせばいいか悩む人もいるのではないでしょうか。通信制大学での学びは幅広い可能性を秘めているため、自分の強みを適切にアピールすることが大切です。
ここでは通信制大学の学歴を転職に活かすためのポイントを解説していきます。どのように自身の経験や学びをアピールできるか理解することで、希望するキャリアへの道筋を描きやすくなりますよ。
履歴書に記載できる内容を整理する
履歴書に記載できるような通信制大学で学んだことや自身のスキルを整理することは、転職活動の第一歩です。
まず、おもな履修科目や研究テーマを記載します。特に志望職種に関連する科目を中心に選び、そこで得た専門知識をアピールすることが大切です。
また、通信制大学での学習を通じて取得した資格があれば、それも忘れずに記載しましょう。さらに、仕事と学業の両立経験やオンライン学習で培ったデジタルスキルなど、通信制大学ならではの強みも盛り込むことで、自身の特徴をより際立たせられます。
- 通信制大学卒業生特有の強みとは何でしょうか?
通信制大学は卒業すること自体が自己管理能力などの証明になる
毎日通学をするわけではなく、自分で学習するタイミングを決め、一定の期間で卒業を目指すのは並大抵のことではありません。
通信制大学の卒業生は、いずれの大学も1割程度とも言われているほど、途中で脱落する人は多いのです。
そのため、通信制大学を卒業した、あるいは卒業予定であるということは、それだけでも継続力や自己管理能力があることのアピールになります。
いかに計画的に履修し、単位を取得していったのか、その努力を改めて整理してみてください。
履歴書に記載するアピールポイントを考えるときは以下の記事もチェックしておきましょう。アピールポイント別の例文や書き方のコツを解説しています。
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履歴書の学歴欄の記載例
通信制大学を卒業したら「大卒」になるので、通学制の大学と同じように学歴欄を記載しましょう。
履歴書の学歴欄の記載例
2023年4月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科入学(通信制課程)
2025年3月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科卒業(通信制課程)
なお、通信制であることを記載しなければ、学歴詐称となる可能性があります。大学名や学科名から通信制であることがわかりづらいなら(通信制課程)のように、わかりやすく記載しましょう。
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通信制大学を選んだ理由を整理する
通信制大学を選んだ理由を明確に説明できることは、面接官に前向きな印象を与えます。
たとえば、「仕事と学業の両立を目指したかったこと」や「特定の分野の専門知識を深めたかったこと」などが挙げられます。
また、将来のキャリアチェンジを見すえて学び直しを決意したという理由も説得力が高いです。重要なのは、これらの理由を自身の経験や目標と結びつけて説明できるよう準備することです。通信制大学での学びが、どのように自己成長やキャリア形成につながったのかを具体的に述べられるようにしておきましょう。
学んだことやスキルを整理する
通信制大学で学んだ内容や身に付けたスキルを整理すれば、面接での質問に的確に答えやすくなります。まず、専門分野の知識を明確にしましょう。たとえば、データ分析ツールの使用法やプロジェクト管理手法のような、実践的なスキルも整理します。
さらに、仕事と学業の両立で培った時間管理能力や、オンラインディスカッションでの意見交換能力など、通信制大学ならではの自己管理能力やコミュニケーションスキルも取り上げるべきポイントです。
これらのスキルや知識を、具体的な例を交えて説明できるよう準備しておくことで、面接官に自身の成長と能力を効果的にアピールしやすくなります。
- 通信制大学の学歴が評価されにくい業界はありますか?
金融や研究開発職などでは通信制大学は評価されにくい
金融業界や大手製造業の研究開発職などは、特定の有名大学が優遇されるケースや、出世に影響するケースもあると言われていて、通信制大学の卒業生は、相対的に評価されにくい場面が出てくる可能性があります。
また、大学教員や研究職などのアカデミックなキャリアを追求する場合、通学制大学での研究実績や人脈などが評価につながる傾向が強いといえます。
大学で学んだことを整理する前に、こちらの記事もチェックしておきましょう。大学で学んだことを見つけて就活でアピールする方法や、その注意点を解説しています。
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面接での質問を想定して回答を考える
通信制大学の卒業生ならではの面接で質問されやすい内容を事前に想定し、適切な回答を準備することは重要です。面接官は、通信制大学での学習経験やそこで得たスキル、さらにはその経験をどのように仕事に活かせるかについて、詳しく聞いてくる可能性が高くなります。
これらの質問に対して、具体的かつ説得力のある回答を用意することで、自信を持って面接に臨みやすくなります。また、通信制大学を選んだ理由や学習過程での苦労、そこから得た学びなどについても、自身の経験を踏まえた誠実な回答を準備しておくことが大切です。
想定される質問とその回答例をいくつか紹介します。これらを参考に、自分なりの回答を考えてみましょう。
なぜ通信制大学を選んだのですか?
仕事を継続しながら専門知識を深めたかったからです。通信制大学なら柔軟に学習時間を設定できるため、私の状況に最適だと考えました。
通信制大学での学習で最も難しかったことは何ですか?
仕事と学業の両立が最も難しかったです。しかし、この経験を通じて時間管理能力が大幅に向上しました。
通信制大学での学習を通じて、どのようなスキルが身に付いたと思いますか?
自己管理能力、情報収集力、そしてオンラインコミュニケーション能力が特に向上したと感じています。
面接の質問対策をしたい人は、こちらの記事もチェックしておきましょう。面接の具体的な準備方法や70の質問例を紹介しています。
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通信制大学が学歴にならないのは誤解! スキルを証明してキャリアに活かそう
通信制大学の学歴は、従来の大学と同等の価値があります。むしろ、仕事と学業を両立させた経験や自己管理能力の高さなど、通信制大学ならではの強みを持ちえるといえます。これらのスキルや経験を適切にアピールし、キャリアに活かすことが大切です。
記事では通信制大学の特徴や、企業からの評価、学歴を活かすためのポイントまで解説したので、通信制大学での学びが十分にキャリアの武器になることを理解したうえで、転職や就職活動に臨みましょう。
履歴書の書き方や面接での対応方法が決まったら、解説した通信制大学の学歴を活かすためのポイントや、想定される質問への回答例を参考に、就職・転職を成功できるよう準備を進めてくださいね。
アドバイザーコメント
永田 修也
プロフィールを見る場所や時間の制約がある人でも専門的に学べるのが通信制の魅力
個人的な話で大変恐縮ですが、私は社会人になり、34歳になってからキャリアアップのために通信制の大学で学び始めました。
子育てや仕事のこともあり通学では難しかったため、通信で単位の取れる大学という選択をしたのです。その中で感じていることとして、通学と遜色なく知識を習得できるという点に驚いています。
どこの大学でもカリキュラムなどは当然しっかりしていると思うのですが、リモートで自由に勉強できる時間を保ちながら、きちんとした専門的な学びができるのはとても魅力的です。また自分の環境を優先に考えていきたい人にとっては、ベストな選択であるように思います。
通信制/通学制それぞれのメリットを比較して自分に合うほうを選ぼう
若い10代のうちならば、周りの仲間とともに進学・就職していくことが半ば義務のように感じるものですが、通信制であればそもそも周囲の人間を気にする必要がありません。そのため自分のタイミングで次のステップへ進むことができる点も良いですね。
いずれの場合も一長一短あるとは思いますが、自分の人生においてどちらがプラスになりそうか、この記事だけでなくあらゆる情報を収集してしっかりと比較検討し、じっくり考える時間を持つことをおすすめします。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー
Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう
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