大卒フリーターの末路とは? 現状から脱出するための4ステップ

大卒フリーターの末路とは? 現状から脱出するための4ステップ

この記事にコメントしたアドバイザー

  • 永田 修也

    永田キャリアコンサルタント事務所代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号17078719)/メンタル心理カウンセラー SNS:YouTube/ブログ  

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  • 柴田 登子

    libero firm代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号16034907)/2級キャリアコンサルティング技能士(第21S17401472号)/公認心理師(登録番号:55348)/トーストマスターズインターナショナル日本語スピーチコンテスト全国1位(2013、2019年) SNS:Facebook

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  • 平井 厚子

    Officeまいとれいや代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号18050998)/2級キャリアコンサルティング技能士(第13S17405190号)/産業カウンセラー(第S0801178号)/教員免許 SNS:X(旧Twitter)/Instagram

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この記事のまとめ

  • 大卒フリーターは大卒全体の2割程度と少数派である
  • 大卒フリーターは4つのステップで正社員へ就職可能
  • いきなり正社員はきついという人におすすめの道3選を紹介
  • この記事を読んでいる人におすすめ

  • 適職診断

    たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!

大卒でフリーターをしている人の中には、「このままでいいのか不安……」「正社員に就職した方がいいのかな……」とモヤモヤ悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

フリーターは、自由で融通が利くなどのメリットがあります。しかし、フリーター期間が長引いてしまうと、給与アップが望めなかったり、正社員として就職することが難しくなったりするなどのデメリットがあることを理解しておく必要があります。
 
記事では、キャリアアドバイザーの永田さん、柴田さん、平井さんのアドバイスを交えつつ、大卒フリーターで居続けるデメリットや、大卒フリーターから抜け出すコツを解説します。現在大卒フリーターで将来について悩んでいる人は、ぜひ本記事を参考にしてくださいね。

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大卒フリーターは早めの動き出しがキャリアの明暗を分ける

大卒フリーターからでも、理想の企業の正社員として就職することは十分可能です。そのためには、フリーター期間を長引かせないように、早めに動き出すことが重要になります。

この記事では、はじめに大卒フリーターで居続けるデメリットを解説します。大卒フリーターで居続けるデメリットを知ることで、将来への危機感から就活を始めようという意欲が湧きます。

そのうえで、大卒フリーターから抜け出すコツや、大卒フリーターが正社員として就職するための4ステップも解説します。正社員として就職したい人は、必ずチェックしましょう。

また、正社員がきつい人向けのおすすめの道3選も紹介するので、「いきなり正社員になるのは不安……」と悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

大卒フリーターになる人の4つの理由

大卒フリーターになる人の4つの理由

  • 就活中に希望の内定が取れなかったため
  • 一度就職したけど早期退職したため
  • そもそも就活をしていなかったため
  • 叶えたい夢があるため

大卒でフリーターになる理由は、人によってさまざまです。それでは、大卒フリーターになる人にはどのような理由があるのでしょうか。

ここでは、大卒フリーターになる人の4つの理由を解説していきます。

①就活中に希望の内定が取れなかったため

「新卒のときに就活はしていたけれど、行きたい企業から内定をもらえなくてそのまま卒業してフリーターになってしまった……」という人は多いのではないでしょうか。

この場合、志望企業からの内定がもらえなかったケースと、たくさんの企業にエントリーしていたのにどこからも内定をもらえなかったケースがあると考えられます

②一度就職したけど早期退職したため

新卒で志望企業に就職できても、業務内容や職場環境が合わなければ、早期退職してフリーターになってしまうケースもあるでしょう。また、パワハラや会社の倒産などのやむを得ない理由から早期退職してフリーターになってしまうケースもあります。

「早期退職をしてしまった……」という負い目から働く自信を失ってしまい、次の就職先を探すことに前向きになれない人が多く見られます

職場が合わず適応障害になってしまい、新卒3ヵ月で早期退職しました。今後どう行動すれば良いかなど、アドバイスをいただけると嬉しいです。

永田 修也

プロフィール

まずは治療に専念してから就労訓練などをおこなおう

職場が合わずに適応障害になってしまったのですね。

一概にこうすると良いという助言が全ての人に当てはまるわけではないので難しい問題ですが、個人的に思う部分として「焦ってすぐに次の職を無理に探そうとしないこと」が挙げられます。

自身の精神面が不安定な状態で障害を抱えている状況なので、仮に面接を受けたとしても、離職からの日が浅い場合だと「この人大丈夫かな」と思われてしまう確率が高いかと思います。

そのため、一旦休養期間を設けて就労に対する訓練をしたり、メンタルクリニックで治療をしてみたり、何かしらワンクッションを置いたうえで再度就職活動をすることで先方の理解も得られやすいのではないでしょうか。

③そもそも就活をしていなかったため

働かなくても養ってくれる存在がいる場合など経済的に困っていない人は、そもそも正社員として働く意欲が低く、新卒時に就活をしないままフリーターになるケースも多くあります

また、「そもそもやりたいことが見つからない……」「自分に合った仕事がわからない……」という理由から、就活をどのように進めれば良いかがわからず、フリーターをしている人もいます。

就活を全然やらないまま大学を卒業して、現在フリーター4年目です。最近になってようやく将来に対する危機感を抱き始めたのですが、今から就活しても手遅れですか?

平井 厚子

プロフィール

手遅れではないのですぐに動き始めよう

まずは今の自分をしっかり確認しましょう。大学時代からフリーター生活の4年間を振り返って、整理してみてください。

プラスになった経験、視野を広げた経験には、どんなことがありますか。それを今後にどう活かせそうでしょうか。

逆に就活をしなかったこと、フリーターをやったことでまずかったなと思う経験も振り返ります。そのことが今のあなたの働く意識にどんな危機感をもたらしたかを、まとめてみます。

この数年間の過ごし方のプラス面もマイナス面も、あなた自身です。自分を正しく理解して、いまの気持ちを把握することが出発点です。1人で考えるのが難しければ、地域の若者サポートステーションなどに相談してみましょう。

④叶えたい夢があるため

「役者になりたい」「芸人になりたい」「アーティストになりたい」などといった夢があり、大学卒業後にフリーターを選ぶ人もいます。叶えたい夢があり、正社員ではなくあえてフリーターという働き方を選んでいるケースです

もし急に稽古や舞台などが入ったとしても、フリーターの仕事はシフトを柔軟にずらしたり、休みを取ったりすることが可能です。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

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大卒フリーターの割合は?

大卒の雇用・就業形態

大卒フリーターはどのくらいの割合でいるのでしょうか? 厚生労働省の平成30年若年者雇用実態調査によると、大卒の中で正社員以外の労働者は全体の2割ほどになります。

大卒の8割近くが正社員なので、大卒フリーターは少数派だということがわかります。

アドバイザーコメント

以前よりも大卒フリーターの経験を評価する企業が増えている

大卒フリーターの人がいざ正社員になりたいと決意しても、以前はその軌道修正はかなり難しいものでした。

日本の企業は長い間新卒至上主義で、できるだけ社員は生え抜きでそろえたいという意向が続いていたこともあり、そのような流れに乗らずにいた人材はどこか「避けるべき」であると捉えていた節もあります。

しかし、近年は価値観の多様化により、フリーター期間が大学新卒後にしばらく続いていたとしても、その経験を評価する傾向が出てきました。

フリーターだからこそ得られたスキルや経験などをアピールできるようにしよう

経営体制が硬直化し、商品開発も陳腐化してしまった老舗企業は、これまでに求め続けていた「大学卒業後にレールから外れることなく就職した人材」以外にも、さまざまな経験をしてきた人材が旧態依然とした社内の空気を変えてくれることを期待するようにもなりました。

そのため、大卒後フリーターとして数年アルバイトを続けていたとしても、希望した時期に正社員を目指すことは可能になってきたと言えます。

一方で、フリーターなら誰でもウェルカムという訳ではありません。フリーターだからこそ得られたスキルや経験、多様な人脈構築など、独自のキャリア形成などを明確にし、面接でアピールできるようにしておくのは必須です。

柔軟に働けるところは魅力的! 大卒フリーターでいるメリット

大卒フリーターでいるメリット

  • 時間を自由に使うことができる
  • 自分が働きたいタイミングで働ける
  • 正社員と比べて仕事の責任が軽い

フリーターは、自分が働きたいタイミングで柔軟に働けることが大きなメリット。

叶えたい夢がある人や、子育てや介護などで忙しい人にとっては、フリーターは働きやすい働き方と言えるでしょう。

これから、大卒フリーターでいるメリットを解説していきます。

時間を自由に使うことができる

完全週休2日制の企業で働く正社員は、週5日で8時間働かないといけません。さらに、通常勤務の8時間労働に加えて、残業がある企業もたくさんあります。

一方でフリーターは、「1日4時間だけ」といった時短勤務が可能なので、正社員よりも1日を有意義に使えるのが大きなメリットです

「夜に稽古があるから朝早くから働こう」「午前中に家事を終わらせて夜に働こう」などと、1日の時間を自由に使えます。

自分が働きたいタイミングで働ける

フリーターはシフト制が多く、働きたいと思ったタイミングにシフトを増やして一気に稼ぐことができます。

また、社員に相談してシフトを調整すれば、正社員勤務では難しい長期休暇を取得することも可能です。

働くタイミングを自分で決めることができるので、「海外旅行好きで、まとまった休みが定期的にほしい」など、長期休暇を望む人にとってはぴったりな働き方でしょう

正社員と比べて仕事の責任が軽い

フリーターの仕事は、誰にでもできる簡単なものが多いのが特徴です。

責任の重い仕事をまかされることがほとんどなく、仮にミスをしてしまっても最終的な責任は社員や会社が負うことになります。

プレッシャーに極端に弱い人や、働く自信がない人にとっては、フリーターという働き方は合っていると言えるでしょう

永田 修也

プロフィール

今やネットの時代になり、フリーターと言えどもアルバイトやパートで働く事ばかりではなくなってきています。

WEBデザイナーやシステムエンジニアなどのスキルを持ち、フリーランスとして働く人もたくさんいます。そういう意味では稼げる金額に上限がないというのは、フリーターの大きなメリットの一つではないでしょうか。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

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このままじゃまずい? 大卒フリーターで居続けるデメリット

大卒フリーターで居続けるデメリット

  • 社会的信用が上がらない
  • キャリアアップや給与アップが望めない
  • フリーター期間が長いと正社員就職が難しくなる

働き方は個人の自由なので、金銭的に困っていない人や、支えてくれる家族がいるうちはフリーターという働き方でも問題ありません。

しかし、長期間フリーターでいることにより、さまざまなデメリットが生じることをしっかりと認識しておく必要があります。

ここでは、大卒フリーターで居続けるデメリットを解説していきます。

社会的信用が上がらない

人の価値は、職業だけで測ることはできません。しかし、社会的信用に関しては、仕事で判断されることが多いのが現状です。

一般的に、フリーターの人は「定職に就いていないから責任能力が低そう」「お金をあまり持っていなさそう」などといった理由で社会的信用度があまり高くありません

たとえば、「物件を借りるときの審査が通らない」「クレジットカードの審査が通らない」「住宅ローンが組めない」などといった場面で、フリーターの社会的信用度の低さが現れてしまいます。

大卒フリーターで居続けるとできないことの例

  • 物件を借りるときの審査が通らない
  • クレジットカードの審査が通らない
  • 住宅ローンや自動車ローンが組めない

キャリアアップや給与アップが望めない

雇用形態間の賃金格差

フリーターの仕事は、マニュアル内容を習得すれば誰にでもできるものが多く、長く続けても専門的なスキルが身につかないのでキャリアアップにつながりません。

厚生労働省が発表した令和4年賃金構造基本統計調査によると、フリーターを含む正社員以外の賃金の平均は、20〜24歳で約20万、25〜29歳で約21万円、30〜34歳で約22万円となりそれ以降35~59歳までほとんどアップしません。

対して正社員の平均は20〜24歳で約22万円、25〜29歳で約26万円、30〜34歳で約29万円、35~39歳で約32万円というように着実に賃金は引き上がっていきます。このことからわかるように、年齢を重ねるごとに正社員とフリーターの収入格差は大きくなります

柴田 登子

プロフィール

当然のことながら、新卒や未経験の人の給料は低めに設定されています。経験が積みあがるからこそ昇給したり、より年収の高い会社に転職できたりします。

フリーターでずっといることは、ずっとプロにならないのと同じです。そのため、就職を思い立ち正社員になった時点がスタートラインです。

このタイミングが他の人より遅ければ遅いほど、新卒で就職した人との生涯年収の差は埋められなくなります。

フリーター期間が長いと正社員就職が難しくなる

いざ就活をしようと思っても、フリーター期間が長引けば長引くほど、正社員として就職することが難しくなります。

なぜなら、書類選考の時点で「この人はなぜ長期間フリーターなのか?」「働く意思が弱いのではないか?」と採用担当者に懸念を与えてしまうからです

納得できるような理由がなければ、長期間フリーターだった人を雇うメリットがないのが現実です。

永田 修也

プロフィール

企業にもよりますが、必ずしも大卒フリーターという経歴がマイナス要素になるとは限りません。フリーターの間も前向きな理由による空白期間かもしれませんし、それは本人にしかわからないことです。

そのため、書類選考の書き方一つで先方の捉え方は大きく変わってしまうので、応募の時点で書き方の知識をしっかりと頭に入れておきましょう。

アドバイザーコメント

この先フリーターで5年、10年過ごした場合の未来年表を書いてみよう

大卒フリーターで居続けるデメリットは、長期的な人生の見通しが立てにくいことです。この先フリーターで5年、10年過ごしたときの自分の人生はどんな展開になるか、未来年表を書いてみませんか。

横軸に西暦で年を記入します。その下には自分の年齢と、家族の年齢欄を作ります。現在自分が24歳、父が55歳、母が53歳、両親と同居中とします。10年後は自分が34歳、父65歳、母63歳です。父は定年退職の可能性が高いですね。

両親が定年退職を迎えても今の生活レベルを維持できるか考えよう

年金受給は70歳になる公算が強く、定年退職で再雇用になると収入は半分以下になることが多いです。父が定年退職したあとも自分がフリーターだとすると、家族の世帯収入はいくらになるでしょうか。その金額で家族3人が今の生活レベルを維持できるでしょうか。

それとも、結婚して家を出ますか。総務省統計局の2022年次家計調査 世帯人員別(表3-1)によると、同棲・夫婦などの2人暮らしの生活費の平均は約25.5万円です。

一方で30〜34歳のフリーターを含む正社員以外の収入平均は、月額約21.6万円(厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』より)なので、生活設計は楽ではなさそうです。

このように具体的に自分の未来年表を書いてみてください。今の延長線上に、あなたの望む人生が描けましたか。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

早めに行動しよう! 大卒フリーターから抜け出すための4つのコツ

大卒フリーターから抜け出すための4つのコツ

  • 卒業してから3年以内なら新卒枠を検討する
  • いつまでに就職するか明確な目標を設定する
  • 就職しなかった場合の将来を想像してみる
  • 大卒フリーターにおすすめの相談先を頼る

大卒フリーターで居続けると「社会的信用が上がらない」「キャリアアップや給与アップが望めない」などのさまざまなリスクがあることがわかっても、大卒フリーターからなかなか抜け出せない人が多いのではないでしょうか。

ここでは、大卒フリーターから抜け出すための4つのコツを解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

①卒業してから3年以内なら新卒枠を検討する

厚生労働省の青少年雇用機会確保指針によると、卒業後3年以内の既卒は新卒として応募できるように厚生労働大臣が各企業に協力を仰いだため、卒業後3年以内なら既卒でも新卒採用枠にエントリーすることが可能になりました。

新卒枠を使えば、大手や有名企業へ就職できるチャンスがあります。卒業してから3年以内で正社員経験が一度もない人は、新卒枠にエントリーすることを検討してみましょう。

既卒とは?

内定のないまま大学・大学院・短大・専門学校・高校などを卒業して、正社員経験が一度もない人を指す。

柴田 登子

プロフィール

新卒枠は採用人数が既卒者よりも多く、門戸が広いのも魅力ですが、入社後にビジネスマナーや仕事のスキルなど、社会人として基本的なことを同期と一緒に研修で教えてもらえるのでおすすめです。

職務経歴の始めにそのような基本的なスキルをしっかり指導してもらえば、その後のキャリア形成のうえで貴重な財産になります。

②いつまでに就職するか明確な目標を設定する

大卒フリーターの人の中には、「このままではまずい」と思いつつも、就活を始める一歩をなかなか踏み出せずに、ズルズルとフリーター期間が伸びていってしまっている人も多いのではないでしょうか。

そのような人は、たとえば「半年後に正社員として就職する」などと、具体的にいつまでに就職するか具体的なゴールを決めることをおすすめします。

明確なゴールを決めたうえで就活を始めることで、「〇月までに自己分析をしよう」「〇月までに履歴書・職務経歴書を作成しよう」と計画的に就活を進められます。さらに、期限が決まっていることにより途中で挫折しづらくなるというメリットもあります。

1月に就活をスタートし、半年後(6月)に就職することを目標にする場合のスケジュール例

  • 1~2月:自己分析・仕事選び
  • 3~4月:履歴書・職務経歴書作成、エントリー
  • 5~6月:面接対策、選考

永田 修也

プロフィール

自分で計画を立てるのが苦手だったり、誰かにアドバイスしてほしいと考える人は、転職エージェントを利用するのが良いでしょう。

面接に関するアドバイスや日程調整もおこなってくれるので、内定が決まるまでの具体的な計画を立てられます。

③就職しなかった場合の将来を想像してみる

大卒フリーター期間が長引いて、就職しなかった将来を想像してみたことはありますか。金銭的に頼れる家族は、いつまでも健康でそばにいてくれるとは限りません。

もし怪我や病気で働けなくなったとしても、正社員なら健康保険の制度の一つである傷病手当や失業手当を申請すれば、働けなくても当分生活していくことができます。

しかし、フリーターが怪我や病気になってしまった場合、休んでいる間の収入が0になるだけでなく、次の職場への就職も難しくなってしまいます。このような将来的なリスクを想像すれば、フリーターという働き方は堅実ではないと感じ、一歩を踏み出すきっかけになるでしょう

大卒フリーターのまま就職しなかった場合に考えられるケース

  • 40代~50代になっても年収が20代と同じ
  • 働けなくなったときに福利厚生を受けられない
  • 家族を養える自信がないので結婚に踏み出せない
  • 両親が歳を取ったら金銭的なサポートが難しくなる

④大卒フリーターにおすすめの相談先を頼る

新卒のときは、身近に就活の進め方などを相談できる人が多かったかと思います。

しかし、大卒フリーターの人は、周りに就活をしている人が少ないので、進め方がわからずに困ってしまう人も多いのではないでしょうか。

ここでは、大卒フリーターの人におすすめの相談先を紹介します。1人で就活を続けると、ブラック企業を選んでしまったり、途中で挫折してしまったりとデメリットが大きいので、これから紹介する相談先に頼りながら就活を進めていきましょう

新卒応援ハローワーク

ハローワークは仕事を辞めた人が行くところだと思い込んでいませんか。新卒応援ハローワークは、高校・専門学校・短大・大学・大学院などの学校を卒業して3年以内の人向けのハローワークです。

担当者が個別について、企業紹介や書類作成のサポート、面接対策などを個別にサポートしてくれるだけでなく、臨床心理士による心理的なサポートも受けられるので、1人で就活を進めるのが不安な大卒フリーターの人におすすめです

各都道府県に1箇所以上あるので、自分の住んでいる地域の新卒応援ハローワークをぜひ活用してみてくださいね。

わかものハローワーク

わかものハローワークとは、35歳未満の若者向けのハローワークです。全国22か所に設置されています。

就職支援ナビゲーターが一人ひとりに合った正社員就職に向けた支援プランを作成し、早期就職に向けてサポートをしてくれるハローワークです

企業探し、書類作成、面接対策のサポートはもちろん、採用された職場で長く働けるように職場定着支援もおこなっています。

ジョブカフェ

ジョブカフェとは、46の都道府県に設置されている若者の就活支援を無料で受けられる施設です。中にはハローワークを併設しているジョブカフェもあります。

就職に関する相談ができるだけでなく、各地域に特化した就活セミナーや企業紹介をおこなっています。「カフェ」とある通り気軽に寄れるので、就職へのハードルが高いと感じている大卒フリーターの人は、ぜひ一度立ち寄ってみてください。

地域若者サポートステーション

地域若者サポートステーションとは、働くことに悩みを抱えている15歳〜45歳までの人が利用できる厚生労働省から委託された就職支援機関です。この機関は、全国どこに住んでいても利用できるように全ての都道府県に設置されています。

実践的なパソコン講座やビジネスマナー講座、ジョブトレーニングなど、自分に合った就労プログラムを受けることができます

「向いてる仕事がわからない」という人や、「まず何から始めればいいかわからない」という人におすすめです。

民間のエージェントサービス

民間のエージェントサービスとは、就職希望者と企業との間にコンサルタントが介入し、企業紹介から選考対策まで幅広い就職支援が受けられるサービスのことです。

エージェントと共に自己分析をおこない、自己分析の結果からあなたの希望と適性にマッチした企業を紹介してくれます。また、書類の添削や面接対策も万全におこなうため、1人で就活を進めるよりも選考通過率が高いのも特徴です。

エージェントサービスはさまざまな種類がありますが、中でも既卒に特化したキャリアパーク! For20’sがおすすめです。

大卒フリーターの相談先の選択肢が多すぎます。結局どこに相談すれば一番良いのでしょうか……? 専門家の意見を聞かせてください。

柴田 登子

プロフィール

ある程度のスキルがある人は民間エージェント、スキルに自信のない人は地域若者ステーションがおすすめ

フリーターをしている間にさまざまな経験ができて、ある程度の社会常識やマナーなどが身に付いている、コミュニケーションが万全であると自負している人は、民間エージェントの利用をおすすめします。

今の自分の適職をプロの目で見極めてもらえて、フリーターとして働くうちにやりたいことが決まったけれどその入口がわからないときに企業を紹介してくれます。

一方で、フリーターをやってみたものの、大した経験やスキルが積み上がらず、コミュニケーションにも自信がない人は、地域若者サポートステーションをおすすめします。

まずは、就職するための基本的なスキルを身に付けることから指導してもらえます。

大卒フリーターが正社員として就職するための4ステップ

大卒フリーターが正社員として就職するための4ステップ

  • やりたい仕事を明確にする
  • エントリーする企業を探す
  • 履歴書・職務経歴書を作成する
  • 面接対策をおこなう

ここでは、大卒フリーターが正社員として就職するための4ステップを解説します。この4ステップの流れに沿って行動することで、正社員への就職がぐっと近づきます。

「フリーターから正社員になりたいけど、どう行動すればいいかわからない……」という人は、ぜひ参考にしてくださいね。

①やりたい仕事を明確にする

まずは、自分が正社員としてやりたい仕事を明確にしましょう。

やりたい仕事を明確にしておかないと、エントリーする企業が定まらないので、ただやみくもにエントリーしてしまうことにつながります。そして、やみくもにエントリーしてしまうと、仮に就職できたとしてもミスマッチをおこして早期離職につながる恐れが出てきます。

したがって、エントリーする企業を探す前に、やりたい仕事をしっかりと明確にするところから始めましょう。

やりたい仕事を明確にするためのヒント

  • 自己分析をおこなう
  • 就職した人から話を聞いて参考にする
  • 民間のエージェントに相談する

以下の記事で、自分に合った仕事を探す具体的な方法を解説しています。やりたい仕事が明確でない人は、こちらを参考に考えてみましょう。
自分に合った仕事を簡単4ステップで発見! 後悔しない方法を解説

また、自分に合った仕事を探すためには自己分析も必須です。以下の記事で、自己分析の具体的なやり方を解説しているので、こちらも要チェックです。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

平井 厚子

プロフィール

やりたい仕事を明確にすることは、就職の目的を明確にすることです。目的が明確だと、就活も頑張れます。自分はどんな強みを発揮して、どんな人の役に立ちたいのか、じっくり考えてみてください。

②エントリーする企業を探す

やりたい仕事が明確になったら、エントリーする企業を探しましょう。企業を探す方法は、既卒・第二新卒・フリーター向けのナビサイトを活用するのがおすすめです

大卒フリーターにおすすめのナビサイト

または、ハローワークや民間のエージェントに希望する条件の企業を紹介してもらうという方法もあります。1人で企業を探すことが難しい人は、ハローワークやエージェントを頼りながら企業探しを進めていきましょう。

エントリーする企業を探す方法

  • 既卒・第二新卒・フリーター向けのナビサイトから探す
  • 卒業後3年以内で正社員経験がなければ新卒のナビサイトから探す
  • ハローワークやエージェントから企業を紹介してもらう

永田 修也

プロフィール

大卒フリーターの人は、責任ある立場での社会人経験が少ないかと思います。

同じ年代ですでに働き始めているライバルに遅れをとらないように、ビジネススキルやビジネスマナーを独自で学んだり、セミナーや講座などを受けておくこともおすすめです。

③履歴書・職務経歴書を作成する

エントリーする企業を見つけたら、履歴書・職務経歴書を作成しましょう。履歴書も職務経歴書も書き方にはルールやマナーがあります。記載ミスをしてしまうと、それだけで企業に悪印象を与えてしまい、選考で不利になってしまうので注意しましょう。

書類通過率を高めるためには、就活のプロであるエージェントに履歴書・職務経歴書を添削してもらうのがおすすめです

履歴書の書き方は、既卒も新卒も基本的に同じです。以下の記事で履歴書の書き方を解説しているので、詳しく知りたい人はこちらを確認してみてください。
新卒用履歴書の書き方完全版|よくある失敗や受け渡しのマナーも解説

「アルバイト経験を職務経歴書に書きたい」という人は、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね。
アルバイト経験を職務経歴書に書く方法|すぐ書けるフォーマット付き

また、以下の記事で、職歴がない人向けの書類の書き方を紹介しています。「職歴がないけど就職したい……」という人は、ぜひこちらも参考にしてくださいね。
職歴なしでも就職できる! ビハインドを脱却して成功を収める方法

柴田 登子

プロフィール

仮に大卒フリーターの人が新卒と同じような履歴書・職務経歴書を提出しても、企業はあまり魅力を感じないでしょう。あえて新卒ではない人を採用するのは、経験やスキルなど何らかの期待があるからです。

正社員としての積み重ねがなかったとしても、アルバイトなどで社会に揉まれてどう成長したかを具体的にアピールできるように、ポイントをプロに伝授してもらった方が良いでしょう。

④面接対策をおこなう

大卒フリーターの面接対策

  1. フリーター経験を整理する
  2. 頻出質問の回答を考える
  3. 逆質問を考える

エントリーする企業を探すことと並行して、面接対策もおこないましょう。いくら意欲が高くても面接を攻略できなければ、内定を獲得することはできません。

フリーター経験の整理や頻出質問対策、逆質問対策は、面接を受ける前に必ずやっておきましょう

フリーター経験を整理する

面接では、「フリーターになった理由」や「正社員を目指そうと思ったきっかけ」は必ず聞かれると考えておきましょう。

フリーター経験を整理することで、「なぜフリーターになったのか」「フリーター経験で何を得られたのか」といったことを深掘りできるので、面接でそれらを質問されてもスムーズに回答できるようになります

「面接対策、何から始めればいいんだろう……」という人は、フリーター経験を振り返って整理する時間を作るところから始めましょう。

フリーター経験の中で整理しておきたいことの例

  • なぜ新卒の就活時に内定が取れなかったのか
  • なぜフリーターになったのか
  • なぜフリーター期間が〇年(〇ヵ月)になったのか
  • なぜフリーターから正社員を目指そうと思ったのか
  • なぜフリーター期間にその仕事を選んだのか
  • フリーターを経験したことによって学んだこと
  • フリーターを通して身につけられたスキル・経験
  • フリーター経験の中での失敗談・成功談

柴田 登子

プロフィール

大半の人が当たり前におこなう「卒業後即就職」をせずにフリーターを経験したことに何らかの意味を見出していなければ、就活は順調に進みません。

あえてフリーターをやってみてわかったこと、成長したことを伝えられるように、フリーター期間の経験はしっかり整理しておきましょう。

頻出質問の回答を考える

フリーター経験を整理できたら、頻出質問の回答を考えましょう。どの企業でも聞かれる質問に対する回答を準備しておけば、安心して面接に臨むことができます

自己紹介、志望動機、自己PRなどはどの面接でも共通して聞かれますが、大卒フリーターになった理由や正社員を目指そうと思ったきっかけなども必ず聞かれるので、回答内容をメモに残しながら考えましょう。

また、新卒でもフリーターでも面接での頻出の質問は基本的に同じです。以下の記事で、就活における面接で頻出の質問をまとめているので、必ず確認してくださいね。
就活の面接の質問70選! 完全攻略できる準備や回答方法を解説

大卒フリーターが面接でよく聞かれる質問の例

  • 自己紹介
  • フリーターになった理由
  • 正社員を目指そうと思ったきっかけ
  • 志望動機
  • 自己PR
  • フリーター期間の仕事内容
  • フリーター経験中の成功談・失敗談

永田 修也

プロフィール

上記以外で、大卒フリーターが面接でよく聞かれる質問は「逆質問」が挙げられるかと思います。大卒フリーターに限りませんが、これまで企業勤めを選ばずフリーターとして働いているわけなので、なおさら逆質問の重要性は注目されるでしょう。

意欲的だという印象を与えられるように、きちんと考えておきたいポイントですね。

逆質問を考える

面接の最後に、企業へ自由に質問ができる逆質問の時間があります。逆質問は、入社に向けた疑問を解消できるだけでなく、面接官に入社への意欲や前向きな姿勢をアピールする絶好のチャンスです。事前に聞きたいことを考えておきましょう。

具体的には、「入社までにどのような勉強をしておけば良いでしょうか」といった質問をすることをおすすめします。このような逆質問は、これから前向きに正社員として働いていくことをアピールできるので、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。

大卒フリーターの人におすすめの逆質問の例

  • 入社までにどのような勉強をしておけば良いでしょうか
  • 入社までに読んでおいた方がいい本があれば教えていただきたいです
  • 御社で活躍する人に共通する特徴について教えていただきたいです

柴田 登子

プロフィール

大卒フリーターの人を積極採用する会社は、既存の枠にとらわれず新しい風を社内に取り入れてくれることを期待していると言えます。

そのため、逆質問するのなら「御社が求める今後の従業員像はどのようなものでしょうか」などと、会社側のフリーター経験者に対する期待感を測ってみるのも良いでしょう。

フリーターから正社員になる方法は、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
フリーターから正社員になる7つのコツ! おすすめの職種も紹介

また、以下の記事では、面接で逆質問を求められた際の回答例を紹介しています。こちらも併せて確認してみてくださいね。
面接で「質問はありますか」と聞かれたら? 回答例66選を大公開

対策必須! 大卒フリーターが面接で聞かれやすい質問4選

大卒フリーターが面接で聞かれやすい質問4選

  • フリーターになった理由
  • 正社員を目指そうと思ったきっかけ
  • フリーター期間の仕事内容
  • フリーター経験中の成功談・失敗談

面接では、志望動機や自己PRに加えて、大卒フリーターだからこそ面接で聞かれやすい質問があります。とっさに質問をされても答えられるように、回答内容をそれぞれ考えておきましょう。

ここでは、大卒フリーターが面接で聞かれやすい質問4選を解説していくので、事前にしっかりと対策して希望の企業の面接に備えましょう。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

①フリーターになった理由

面接官はフリーターになった理由をただ知りたいのでなく、「今は前向きに正社員として働きたい」という姿勢があるかどうかをこの質問から判断しようとします。

フリーターになった理由は、嘘をつかずに正直に伝えましょう。嘘をついてしまうと、後に経歴詐称として内定を取り消されてしまう恐れもあるので注意してください。

フリーターになった理由を話す場合の例

私がフリーターになった理由は、役者になるという夢を叶えたかったからです。

大学卒業後は、平日の午前中にアルバイト、夜から稽古という生活を3年続けました。

永田 修也

プロフィール

大卒フリーターが面接で「フリーターになった理由」を話す場合、注意すべきこととして「見栄を張らない」というのは重要です。

フリーターであったことを前向きに話すことは大事です。しかし、会社員になるためにフリーターになったというのはあまり理由として現実的ではないですよね。

マイナスな要素がある場合はそれを包み隠さずさらけ出していくとプラスに働く可能性もあるので、無理やりアピールしないことが肝心ですね。

②正社員を目指そうと思ったきっかけ

面接官はこの質問を通して、応募者の意欲や志望度の高さを判断しようとします。

たとえば、「安定したいから正社員を目指した」と言っても、意欲や志望度の高さを判断できませんね。

「御社の〇〇職で〇〇のスキルを身につけたいと思ったから」などと、志望動機と絡めて話すと意欲や志望度の高さをアピールできます

正社員を目指そうと思ったきっかけを話す場合の例

私が正社員を目指そうと思ったきっかけは、役者になるという夢を現実的に叶えることが難しいと判断したからです。ただ、役者を目指した3年間は後悔していません。この悔しさをバネに、これからは御社の営業職でトップの成績を出せるように努力していきたいと考えております。

平井 厚子

プロフィール

大卒フリーターの人が面接で「正社員を目指そうと思ったきっかけ」を話す場合、会社目線のポイントをいれることが大切です。

上記の例では、きっかけは役者になる夢が破れたことですが、その悔しさをバネにして会社に貢献したいとの意欲まで述べられています。ここがないと、自分の都合しか考えていない応募者と受け取られてしまいます。

③フリーター期間の仕事内容

面接官はこの質問を通して、「仕事内容を具体的に簡潔に伝えられるか」を見ています。一般的に話の長い人は要領を得ないため、「何を言いたいのかがわからない」というような悪印象を与えます。

一方で、業務内容を簡潔に話せる人は、「話の要約が上手い」「コミュニケーション能力が高い」と就職後に活躍できそうな好印象を与えられます。さらに、仕事を通して得たことも併せて述べられると、日々の経験から前向きな学びを得られることをアピールできます。

仕事内容を相手にわかりやすく伝えるためには、「①仕事の種類→②具体的な仕事内容の説明→③仕事を通して得たこと」の順序で話す内容を考えましょう

仕事内容をわかりやすく伝える際の話す順序

  1. 仕事の種類
  2. 具体的な仕事内容
  3. 仕事を通して得たこと

フリーター期間の仕事内容を話す場合の例

フリーター期間は、カフェでアルバイトをしていました。主にホールを担当し、それ以外でもレジや備品発注など、さまざまな業務をおこないました。

個人経営の店舗だったのでマニュアルがなく、新人教育をする際も自分がまとめたメモを共有しながらおこないました。その経験により、マニュアルのない環境でも柔軟に行動する力を身につけることができました。

平井 厚子

プロフィール

大卒フリーターの人が面接で「フリーター期間の仕事内容」を話す場合、担当した業務内容だけでなく、そこから何を学んだか、何を習得したか、それを応募先でどのように活かせるかなどを必ず盛り込んでください。

特に経験業務と応募先業務が異なる場合は、経験から習得したことと活かし方を、応募先の面接官に伝わるように工夫してください。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

④フリーター期間中の成功談・失敗談

面接官はこの質問を通して、フリーター経験から得たことや学びについて知ろうとします。

フリーター期間中の成功談・失敗談を経て、「どのように成長できたのか」や「学びやスキルを今後どのように活かしていきたいか」を述べると、入社後の成長イメージにつなげることができます

フリーター期間中の成功談を話す場合の例

フリーター期間の成功談は、アルバイト先でバイトリーダーとして新人教育を任されたことです。

マニュアルがない中で新人を指導する難しさはありましたが、とてもやりがいを感じていました。バイトリーダーの経験で培ったリーダーシップを御社でも活かしていきたいと考えております。

フリーター期間中の失敗談を話す場合の例

フリーター期間の失敗談は、忙しい日に連続してオーダーを間違えてしまったことです。オーダーを間違えたことにより、お客様を待たせてしまっただけでなく、オーナーや周りのアルバイトにも迷惑をかけてしまいました。

この失敗談から、「忙しいときこそ確認を徹底する」ということを意識するようにしています。

平井 厚子

プロフィール

大卒フリーターの人が面接で「フリーター期間の仕事内容」を話す場合、成功談は「再現性」、失敗談は「学習」を話すと良いでしょう。

成功談はその勤務先でたまたまうまくいったのではなく、スキルとして身に付いていることを、失敗談はその失敗を二度と起こさないために何を学んだかを伝えましょう。

いきなり正社員はきつい! という人におすすめの道3選

いきなり正社員はきつい人におすすめの道3選

  • 職業訓練校に通ってスキルを身につける
  • 派遣社員や契約社員からスタートする
  • 就職に必要な資格を勉強して取得する

大卒フリーターの人の中には、「いきなり正社員で働く自信がない……」という人も多いのではないでしょうか。そのような心理状況のままだと、いざ正社員として就職できたとしても早期退職につながってしまい、さらに自信を失ってしまうことにもつながりかねません。

ここでは「いきなり正社員はきつい」という人におすすめの道3選を解説します。「正社員として働きたいけど、まだ働く自信が持てない」という人はぜひ参考にしてみてください。

①職業訓練校に通ってスキルを身につける

正社員に就職しようとしても、スキルや経験がないからと諦めている人も多いかと思います。そのような人は、国が支援している職業訓練校に通うことをおすすめします。

無料でスキルを身につけられるだけでなく、卒業後の就職先まで支援してくれるのが、職業訓練校に通う大きなメリットです

職業訓練校は、地域によって申し込みの流れや受けられるプログラムが異なるので、実際に自分の住んでいる地域のハローワークを訪れて確認してみましょう。

職業訓練校の申し込みの流れ

  1. ハローワークに行く
  2. 応募手続き
  3. 入学選考
  4. 訓練開始

職業訓練校で受けられるプログラムの例

  • PC事務スキル
  • 簿記会計
  • WEBデザイン
  • プログラミング
  • 医薬品登録販売
  • 介護
  • 調理
  • 農業

※地域によって異なります

②派遣社員や契約社員からスタートする

「いきなり正社員はきつい」という人は、派遣社員や契約社員からスタートして、正社員登用を目指すのも一つの手です。

派遣社員や契約社員は、アルバイトより専門性が高く、正社員と比べると責任の少ない業務が多いことが一般的です。

派遣や契約から徐々に経験を積んでから正社員登用制度を使えば、将来的に正社員のキャリアを手に入れることができます

派遣社員とは?

派遣社員とは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先(派遣元とは別の企業)で働く人のことを指す。

契約社員とは?

契約社員とは、企業と雇用期間に定めのある労働契約を結んで働く人のことを指す。

契約社員として就職したいと考えています。ゆくゆくは正社員登用を狙いたいのですが、正社員になれない場合はありますか?

柴田 登子

プロフィール

大手企業は正社員登用の実績がなければ難しい

契約社員として入社した会社で正社員になれるかどうかは、その会社に登用制度があるかどうかがカギです。どんなに業績アップや業務改善に貢献したとしても、契約社員が正社員になるシステムや前例がなければとても難しいと言えます。

中小企業やベンチャーなど経営者の意向がすぐに採用される企業風土があれば別ですが、大手企業では既存のルールを変えるのはとても大変なことです。

契約社員として入社するときには正社員登用制度や実績があるかをしっかり調べておきましょう。

③就職に必要な資格を勉強して取得する

フリーターは、シフトを調整すればまとまった時間を作ることができます。このまとまった時間を利用して、就職に必要な資格を勉強して取得するのもおすすめです

フリーター期間に資格取得のための勉強に取り組んでいれば、面接で「なぜフリーターだったのか?」という質問をされても、「資格取得のための勉強をしていた」と空白期間の説明をすることができます。

また、いろいろな資格がある中で、「どの資格を取ればいいかわからない……」と悩む人も多いのではないでしょうか。そのような人は、これから目指す仕事で役立ちそうな資格を勉強することをおすすめします。

たとえば、IT業界の事務職を目指すなら、マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(MOS)やITパスポートなどの資格が就職で役に立つでしょう。

上記以外にも、就活で役に立つ資格はたくさんあります。以下の記事で、詳しく解説しているのでぜひチェックしてみてください。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説

フリーターが就職しやすい企業や業界・職種

フリーターが就職しやすい企業や職種

  • 業界・職種未経験者歓迎の企業
  • 急成長で人手不足の企業
  • 人手の足りない職種

大卒フリーターの人の中で、「なかなか内定がもらえない……」という人や「正社員で受けられそうな企業が見つからない……」という人は、フリーターが就職しやすい企業や職種をチェックしてみましょう。

大卒フリーターを歓迎する求人はたくさんあるので、不安にならないでくださいね。

業界・職種未経験者歓迎の企業

ナビサイトで企業を探す際は、「業界・職種未経験者歓迎」や「ブランクOK」のような条件で絞って探してみましょう。

このような条件で募集している企業は、すぐに新人を受け入れる体制が整っている企業であったり、未経験でも習得しやすい職種を募集している企業の場合が多いです

業界・職種未経験でも就職できる理由

  • 研修制度や教育体制が整っているため
  • 未経験でも習得しやすい業務のため

急成長で人手不足の企業

急成長で人手不足の企業は、成長できそうな人材であれば未経験者でも採用したいと考えています。また、すぐに働ける人を採用したいとも考えているので、早めに働き出せる大卒フリーターは魅力的な人材と言えるでしょう。

急成長中の企業は「会社の成長と共に自身も成長していきたい」と考える人材とマッチ度が高く、成長意欲の高い人におすすめです。自分の裁量で仕事をしたい人は、ぜひチェックしてみましょう。

急成長で人手不足な企業の例

  • スタートアップ企業
  • ベンチャー企業

平井 厚子

プロフィール

急成長企業を探したい人は、応募先の求人情報の業界に注目すれば、その企業が成長業界かどうかでわかります。

どの業界が成長するかは、書籍やネットで調べられます。自分が興味を持てて、かつ業界が成長市場にあるところを選んでください。

また、以下の記事では、急成長で人手不足が考えられるメガベンチャー企業について解説しています。メガベンチャー企業を詳しく知りたい人はぜひチェックしてみてください。
人気のメガベンチャー20社紹介! 特徴や選考難易度などを解説

人手の足りない業界・職種

高齢化により若手の足りない業界・職種はたくさん存在します。これらの業界・職種は、過去の経験よりも人柄や意欲を重視する企業が多いので、大卒フリーターの人を歓迎する企業が多くあります

大卒フリーターの人は、ぜひ以下の業界・職種もチェックして、今まで見ていなかった業界・職種も選択肢に入れていきましょう。

人手不足の業界の例

  • IT業界
  • 小売業界
  • サービス業界
  • 飲食業界
  • 運送業界
  • 福祉業界
  • 建設業界

人手不足の職種の例

  • 接客業
  • 営業職
  • 販売職
  • 介護職
  • 製造職
体力的に自信がないため、大学を卒業してからもフリーターを続けています。こんな私でも、正社員として働きやすいおすすめの職種があれば教えてください。

平井 厚子

プロフィール

事務職やWEBデザイナー、ECサイト構築などのIT関係の職種がおすすめ

事務職やIT関係がいいかもしれませんね。事務職は競争率が高く、一般事務や営業事務では厳しいので、簿記の資格を取って専門性の高い経理を目指してはどうでしょう。無料の職業訓練でも勉強できます。

WEBデザイナーやECサイト構築なども良いでしょう。こちらは特に資格はありません。採用にあたっては「ポートフォリオ」といわれる作品集が大きく影響します。こちらも職業訓練で学べます。近くのハローワークで相談してみてください。

その他、いわゆる士業と呼ばれる資格をとるのもおすすめです。資格をとって専門士業事務所で働くことができます。いずれにせよ、体力に自信のない場合は、専門性の高い知識ワーカーを目指すのが良いでしょう。

現状維持は黄色信号! 大卒フリーターは今すぐ行動をおこそう

大卒フリーターはメリットもありますが、デメリットの方が大きいです。なぜなら、フリーターのままで居続けると、将来的なキャリアアップや給与アップが難しく、年を重ねれば重ねるほど正社員への就職が難しくなるからです。

現在大卒フリーターの人は、今すぐ就職に向けて動き出しましょう。本記事にある大卒フリーターから抜け出すコツや、大卒フリーターが正社員になるステップを参考にしてくださいね。

アドバイザーコメント

理想のキャリアは自分の行動次第で見えてくる

フリーターとしての自分を考えると「本当にこのままでいいのだろうか」という焦りや不安が出てきますよね。自分が何をすべきなのかという人生における課題や使命のようなものは、いきなり見つかる人もいれば、長い時間をかけて見つける人もいます。

しかし、大事なこととして、行動をおこさなければ今後どんなキャリアを歩んでいきたいかが見えてきません。

私の知り合いはコーヒーショップに勤めていて、ある出来事をきっかけに僧侶(お坊さん)になった人もいます。こんなふうに、一旦就職して会社員の経験を経ても「自分にはこんな道があったのか」と気づかされることも多くあります。

自分がワクワクするものや気になるものがあればチャレンジしてみよう

「どんな業界に行けばいいのか」「何の職種を選べばいいのか」「フリーターから抜け出したいけれど自分には全然わからない」という人は、とにかくたくさん情報をインプットしましょう。

そして、その中から自分がワクワクするものやなぜか気になるものを、直感を信じてチャレンジしてみることで意外な扉が開くかもしれません。

自分が信じて進んだその一歩が不安を自信に変えてくれるはずです。気が向いたらまずは就職活動をしていきましょう。少しでもあなたのキャリアが良い方向へ進んでいきますよう願っています。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了
全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-220824001-02942)
国家資格キャリアコンサルタント

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