この記事のまとめ
- 大学で学んだことは3ステップで誰でも見つけられる
- 大学で学んだことを考える際は2つの落とし穴に注意しよう
- 学部別に選考で使える13例文を紹介
選考で「大学で学んだことは何ですか?」と質問する会社がありますが、回答が思いつかなかったり、伝え方がわからない人は多いと思います。特に「大学で勉強を頑張ってこなかった」という人は、回答に苦戦してしまうでしょう。
企業が大学で学んだことを聞くのは、単に学習内容を知りたいからではありません。企業の意図を踏まえたうえで、ステップにのっとって考えれば、誰でもアピールになる回答を作ることができますよ。
記事では、キャリアアドバイザーの富岡さん、遠藤さん、永田さんとともに、大学で学んだことの回答の考え方や伝え方を解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
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大学で学んだことを伝えるなら2つの落とし穴に注意
大学で学んだことを聞かれた際は、単に大学での学習内容を伝えれば良いと考える人もいるかもしれませんが、それでは企業へのアピールにはなりません。特に、大学で学んだことを伝えるには陥りがちな2つの落とし穴があるので、留意して企業に自分をPRできる回答を作成しましょう。
記事では、まず企業が大学で学んだことを聞く理由を解説します。これを把握することで、回答の方向性を定めることができるので、まず前提として押さえましょう。
そのうえで、大学で学んだことを考える方法を3ステップで解説します。誰でも簡単に回答すべき内容を見つけられるので、参考にして一つひとつ段階を踏んで考えましょう。
ただし、3ステップを踏まえても大学で学んだことが特に思いつかない人もいると思います。そこで、悩みのタイプ別に学んだことを見つける方法を解説するので、内容を考えるのに苦戦している人はぜひ参考にしてください。
最後に選考で使える例文13選を学部別に紹介しているので、自分の所属している学部の例文を参考にして回答を作成し、選考を突破しましょう。
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大学で学んだことを企業が聞く理由
大学で学んだことを聞く企業は、単に学生の学びに関心を持っているだけではありません。それを踏まえていなければ、企業に刺さる回答を考えることは不可能です。
ここからは、企業が大学で学んだことを聞く理由を解説するので、参考にして回答を考える方向性をつかみましょう。
企業で再現できる能力や知識の有無を確認するため
企業は、将来自社で活躍できそうな人材を採用したいと考えています。そこで活躍できる素質があるかを確かめるために、学生の能力や知識を、大学で学んだことから把握しようとしていると考えられます。
たとえば国際法の知識がある学生は、貿易会社や商社などで活躍するための素地があると考えられます。
具体的な専門分野の知識がなくても、たとえば研究を通して論理的思考力が身に付いている学生であれば、入社後も課題解決に活かせる論理的な思考力があり、活躍しやすそうだという好印象につながるのです。
学業への向き合い方を通し人柄を知るため
学業への向き合い方からわかる人柄が、組織にマッチするかを把握したいという狙いもあります。
たとえば難易度の高い分野にもひるむことなく励んだ学生は、入社後も、難しい課題からも逃げずにチャレンジしそうだとイメージすることができ、チャレンジ精神を重視する会社でマッチしていると判断されやすくなります。
日本の採用活動はポテンシャル採用と呼ばれ、知識やスキルの有無よりも、入社後に活躍できる素地があるかを見極める傾向にあります。学業への向き合い方からその人の人柄がわかり、たとえ専門的な知識を身に付けていなくても、仕事にもしっかり向き合ってくれそうだということがわかれば、企業の採用意欲が高まりやすいのです。
チャレンジ精神がある人は自己PRでアピールしましょう。チャレンジ精神の自己PRの方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
例文22選|チャレンジ精神の自己PRは4つのポイントで敵なし!
アドバイザーコメント
富岡 順子
プロフィールを見る大学で学んだことから学生のアンテナをチェックしている
企業は「大学で学んだこと」を通して、高校時代から今までどのような思いを持って過ごしてきているのか、会社を志望する動機に自分らしい一貫したストーリーがあるのか、しっかりとした意志がある人なのかを、他の質問と照らし合わせながら見ています。
大学には学部学科があり、どうしてその学問を専攻したのか、また大学で学んだこと(どうしてゼミでそのテーマを研究していたのか)を聞くことで、高校時代からの目的意識であったり、学生の現在の興味関心がどこにあるか、自分自身の経験から世の中に対してどんなアンテナを張っているかを聞きたいと思っています。
入社後に活躍するポテンシャルが見極められると捉えよう
さらに学びの中でどういった問題意識を持ち、アクションを起こしてきたか、どんな力を身に付けてきたのかも併せてチェックしています。
今は大学進学率が上がりなんとなく大学に進学する人も多くいます。それは悪いことではありませんが、そのような思いで入学した後、大学でどんな意識を持ち、時間を使ってきたのかを聞くことによって、今後なんとなく就職してしまわないかどうか、入社後に活躍できるかどうかも見極めているのです。
3ステップ! 大学で学んだことを考える方法
大学で学んだことが思いつかないという人もいるかもしれませんが、そのような人は伝えるべきことをしっかり整理していないと考えられます。
ここからは、大学で学んだことを誰もが考えられる方法を3ステップに分けて解説します。この方法にのっとり一つひとつ丁寧に考えていけば誰でも回答を作ることができるので、ぜひ参考にしてください。
①勉強した内容を一覧にする
何も学んだことがないと考えている人も多いかもしれませんが、これまで取り組んできた授業の中には何かしらアピールできる材料があるはずです。まずはこれまで勉強した内容を一覧にしましょう。
履修登録の履歴や成績表などを印刷して、これまでの学習履歴が一目でわかるようにすると、次のステップ以降で整理しやすくなります。
②4つの内容別に学習内容を整理する
これまでの学習履歴を一覧にしたら、4つのカテゴリーに分け、アピールに使う学習内容を整理します。
ここからは、その4つのカテゴリーを解説します。ノートに4つのカテゴリーを書いて、その下にそれぞれ該当する科目を書き並べてみましょう。
以下のいずれにも含まれない学習内容は、選考でアピールしにくい傾向にあるので、いったん欄外に書いておきましょう。
- 大学1年生のときの学習内容もピックアップする必要がありますか?
その後の学びと体系づけてアピールできるのでピックアップしよう
1年次の教養科目でも、その後の専門課と同程度の学びにつながる内容であれば思い出しておく価値はあります。
また、1・2年次で参加できるゼミの経験なども、早い段階からしっかりと学問に取り組んできたことの証になるので、ぜひ振り返っておいてください。
そのうえで、3・4年次の学習・研究内容を説明すると、体系的に深く学んできたことが伝えられますよ。
力を入れて取り組んだ学習
「知識を深めよう」「良い成績を取ろう」と、力を入れて取り組んだ学習はありますか。力を入れるということは、その内容に何らかの関心があったということになり、嗜好をアピールしやすくなります。
また、力を入れて取り組んだ学習は成績が良い傾向にもあるので、高い成果を出す力があると伝えることもできます。
さらに、力を入れたということは自分なりに試行錯誤をしたということになり、物事への取り組み方も伝えやすいのです。
このようにあなたの多くの魅力をアピールできるので、まずは力を入れて取り組んだ学習をピックアップし並べてみましょう。
価値観の変化があった学習
「今まで知らなかった価値観に触れ影響を受けた」「挫折を経験し考え方を改めた」など、価値観の変化があった学習も選考のアピールに効果的です。
企業は大学で学んだことを通して学生の人柄を把握したいと解説しましたが、人柄を知るうえで、特に根本的な価値観を知ろうとする傾向にあります。
そこで、現在持っている価値観と、それが形成されるまでの過程を伝えることで、企業に人柄を深く理解してもらうことにつながります。
価値観に影響を及ぼした学習内容があればそれをピックアップしてまとめておきましょう。
チームで取り組んだ学習
会社では、多くの人と協力して仕事を進める必要があり、チームワークが不可欠です。チームワークを発揮して活動した経験がある学生は、入社後も社員と協力しつつ仕事を進められるポテンシャルがあると見込まれます。
そこで、チームで取り組んだ学習経験があればアピールになります。ゼミや実験、グループワークなど、チームで取り組んだ学習内容をまとめてみましょう。
大人数で進めた授業でなくても、2人以上で意見を出し合いながら共同して進めた仕事であればアピールとして広げやすくなります。
印象深かった学習
ここまで解説した3つ以外にも、印象強く残っている学習があればそれをピックアップしてみましょう。印象に残っているのは何かしら理由があり、自身の価値観に影響していたり、多くの学びがあった可能性があります。
ピックアップした後に、なぜ印象に残っているのかまでそれぞれ深掘りしておくとベストです。深掘りした結果、仕事に求める価値観がわかり、選考でのアピールにつなげることもできます。
印象深かった学習を深掘りする例
- 英語の授業が印象深かった
→隣の人と英会話をする時間が必ずあり、ただ聞く授業よりも楽しいと感じたから
→人とのコミュニケーションがある時間が楽しいと感じる
→一人でコツコツ進める仕事よりも、人とのコミュニケーションを通した仕事の方が前向きに取り組めるのではないか
印象深い学習を伝えることで、自身の直感的な関心の対象を示すこともできるので、印象深かった学習はいくつかピックアップしてまとめておきましょう。
コピペで使えるガクチカがChatGPTでかんたんに作れます
「学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)が志望動機や自己PRと被る…」と悩む人は多いです。ガクチカのネタがなくて困っている人こそ、ツールを活用して悩みを解消しましょう。
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③企業での再現性や人柄をアピールできる学習内容を選ぶ
ここまで学習内容をそれぞれのカテゴリに分けて整理しましたが、それを参考にし、志望企業と関連度が高かったり、アピールにつなげやすい学習内容を選びましょう。
たとえば企業が求める人材像が「挑戦をいとわない人」であれば、力を入れて取り組んだ学習の中で、難易度が高かったり未知の領域であったりと自分にとって挑戦と感じられる学習内容を選びます。
企業が求める人材像は、企業ホームページ(HP)に掲載されています。求める人材像だけでなく、事業内容や業務内容も調べ、企業に関連付けられる学習内容を選びましょう。
業務内容の調べ方がわからない、各部署の業務内容を知りたい人は、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
業務内容は事業内容や職務内容とは違う? 関係性や具体例を解説
アドバイザーコメント
永田 修也
プロフィールを見る思いや価値観を見つけられるよう学んだことを深掘りしよう
大学で学んだことを考えるうえで大事になってくるのは、自分の「思い」や「価値観」です。
そういったことを探るためにはやはり自己分析が必要になってきます。これまで自信を持って何かに取り組んできた経験がある人は、少し考えただけで頭の中だけでパッと思いつくと思うのですが、アピールできるようなことが思いつかない人は、一つひとつ紐解いて整理して考えていくことが大切です。
そうすることで、これまで自分がどんなことに取り組んで何を大事にしていたかが明らかになってくるかと思います。
「大学で学んだことチャート」でどんな学びに満足感があったか振り返ろう
PORTキャリアの記事でも自己分析の方法としていくつか紹介されているものがありますが、その中でも私がおすすめなのは「ライフラインチャート」です。
この方法では、過去の自分を振り返って考えることで、どの時期において幸福度が高く、どの出来事が自分に影響を及ぼしていたのか、その傾向がよくわかります。
これを応用して「大学で学んだことチャート」を作ってみると良いかもしれませんね。自分がどの授業やゼミ、学びで、どのように幸福感を感じていたのかが明確になれば、企業が求める人材像への的確な答えを出すことができますよ。
ライフラインチャートの作り方はこちらの記事で解説しているので、併せてチェックしてくださいね。ライフラインチャート以外の自己分析に使えるシートも紹介しています。
簡単15分! 自己分析シートのフォーマット6選
タイプ別! 内容が思いつかない人向けの大学で学んだことの見つけ方
タイプ別! 内容が思いつかない人向けの大学で学んだことの見つけ方
- 学業に関心がなかった人向け
- どの科目も成績が振るわなかった人向け
- 企業との関連性がない学習をしていた人向け
大学時代勉強に注力できなかった、大学時代の勉強内容を就職に活かせないなどで、就活でアピールする大学で学んだことが思いつかない人もいると思います。
ここからはそのような、大学で学んだことの回答に苦戦する傾向にある人に向けて、大学で学んだことを見つける方法を解説します。
タイプ別に解説するので、自分にマッチするタイプを選び、考え方をチェックしてください。
学業に関心がなかった人向け
楽に単位を取れる授業ばかりを取っていたなど、そもそも学業にまったく関心がなかった人もいると思います。そのような人は、力を入れて取り組んだ授業などがなく、回答に苦戦してしまいますよね。
関心を持てなかった人は、科目を選択した動機を改めて振り返ってみましょう。「楽そうだから」「友人と一緒に受けられるから」などの理由だけでなく、内容そのものに興味を惹かれたこともあったのではないでしょうか。
科目を選択した動機を深掘りすれば、アピールできる人柄も見えてきます。たとえば「漠然と海外に興味があって異文化理解ができる授業を選択したが、その理由を考えると、多様な価値観を知りたいという欲求から来ていたのだろう」と深掘りできれば、多くの価値観に触れられる仕事にやりがいを感じるとアピールすることができます。
どの科目も成績が振るわなかった人向け
熱意はあったものの、どの科目も成績が振るわなかった人もアピールすべき内容に困るのではないでしょうか。
ただ、成績が振るわなかったからといってそれだけではマイナスな評価をつけない企業も多くあります。まずは成績を考えずに注力した科目をピックアップし、勉強を頑張ったエピソードを思い出してみましょう。
ただ、面接では成績が良くない理由を問われることがあるので、成果がともなわなかったことの原因も整理しておくと無難です。
さらに、成果がともなわなかったことを踏まえて、成長するために努力したことも考えておくと、失敗から軌道修正できる人材であるアピールにもつながります。たとえば関連する授業を取って知識を深めたなど、成績が振るわなかったことに対して次に取った具体的な行動も明確にしてみましょう。
- 実際成績が悪くてマイナスな印象になることはありますか?
弱点を克服するための工夫がアピールできれば問題ない
学業に力を入れてこなかったのかなという疑問は持たれてしまうかもしれませんが、成長や理解のスピードは人それぞれ違います。
自分なりに弱点を克服するためにこんなことを工夫して、このくらいプラスの変化があったと説明できれば、諦めずに取り組める人であることを理解してもらえるでしょう。
一方で成績が悪くなる要因として欠席や遅刻などがあります。そういった理由であれば、時間やルールを守れないというマイナスの印象を持たれてしまうので注意してください。
就活で成績が見られる程度や、成績に自信がない人のアピール方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
「就活で成績は関係ない」は古い! どんな成績でも好印象を残す秘訣
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企業との関連性がない学習をしていた人向け
勉強には注力していたものの、企業との関連性が低く、アピールできないと悩んでいる人もいるかもしれません。たとえば理系の学部にいたものの、文系就職したいと考えているケースなどが挙げられます。
そのような人の中には、その学業での挫折を感じ将来の方向を転換した人もいるかもしれません。一生懸命勉強したうえで限界を感じたのであれば挫折経験として伝え、そこから軌道修正して努力した経験をアピールすることで、困難にも自分なりに考えて立ち向かえる人柄が伝わりアピールになります。
なお、こちらの記事では挫折経験の伝え方を解説しているので、併せてチェックしてください。
例文7選! 挫折経験をESや面接で魅力的にアピールする方法を伝授
大きな挫折がなくとも、学習している内容以上に関心を持てる事柄に出会ったのであれば、それを素直に伝えることで関心の対象を示すことができます。
また、学習内容自体は企業との関連性が低くても、そこで身に付いた力は汎用性があるかもしれません。たとえば実験をしていたのであれば、分析力や論理的思考力が身に付き、それは多くの仕事で活かすことができます。企業との関連性がない学習をしていた人も、まずはそこで身に付けたアピールできる要素がないか考えてみましょう。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る学業は学生の本分! アピールできるようにしっかり振り返ろう
大学は学費を払って学問を修める場所であり、学業にまったく興味関心がなかったということでは、大学をどういう場所と捉えていたのか、学生時代は単なる社会に出るまでの猶予期間であったのか、と企業も首をかしげてしまいます。
もちろん、部活・サークル活動やアルバイトなど学業以外に頑張ったこともあって良いのですが、少なくとも必修科目やゼミなどで講義に出席したり試験勉強をしたりする中で、少しでも「頑張った」「おもしろかった」というものがなかったか改めて思い出してみてください。
入学案内やシラバス、ノートを振り返るとアピール内容が見つかることも
大学の入学案内を読むと、自分の学部学科で学べる内容がわかりやすくまとまっています。
高校時代には具体的にイメージできなかった内容も、大学生の視点で眺めると「そういうことか」と理解でき、何かしら身に付いた知識や考え方があることに気付けるのではないでしょうか。
また、講義のシラバスも各科目で学んだ内容を思い出す手掛かりになります。講義の目的や到達目標、授業計画として、教授や講師の先生が皆さんに伝えたいものを凝縮してまとめてあります。すでに単位を取り終えた科目でも、講義のノートや教科書を見返すと新しい学びがあるかもしれませんよ。
ESや面接で大学で学んだことを伝える構成
ESや面接で大学で学んだことを伝える構成
- 大学で学んだことは何かを端的に伝える
- 学習内容の概要を伝える
- 得た学びを抽象化して伝える
- 入社後にどう活かすかを伝える
選考でアピールする大学で学んだことを考えた後は、企業に伝わりやすいよう整理しましょう。
どんなに良い内容を伝えてもわかりにくければ理解してもらうことができず、評価の対象になりにくいです。
大学での学習を頑張ってきた人ほど内容を盛り込み過ぎてわかりにくくなってしまう傾向にあり、せっかくの努力が理解されずもったいないことになってしまいます。
ここから解説する内容を参考に、初めて聞く人でもわかるよう整理しましょう。
①大学で学んだことは何かを端的に伝える
「大学で学んだことは何ですか?」という質問に対し、まずは端的に結論を伝えます。たとえば「私が大学で学んだことは国際法です」などと、一言で伝えましょう。
結論から伝える方法はPREP法と呼ばれ、ビジネスでは基本的なコミュニケーションとされています。
PREP法とは
「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」の頭文字をとった、相手にわかりやすく伝えるためのコミュニケーションの手法
結論から伝えなければ、採用担当者は最も聞きたい情報を得られるまで待つことになり、若干のストレスになります。場合によってはコミュニケーションが上手くできない学生と判断され、マイナスの評価をつけられてしまうかもしれません。まずは大学で学んだことは何かという結論を端的に述べましょう。
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ガクチカ作成が進まず、焦っていませんか?ガクチカは、自己PRや志望動機と並ぶ重要なアピールポイントですが、作成に苦戦する人もいます。
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②学習内容の概要を伝える
結論で伝えた学習内容は、その分野を勉強したことのない人にはイメージしづらいため、補足をする必要があります。
採用担当者はその分野を一切知らない可能性もあるので、誰にでもわかるよう説明しましょう。専門用語は使わず、一般的に理解できる単語にかみ砕いて伝えます。
ただし、だらだらと長く伝えるのは避けましょう。企業は単に学習した内容を知りたいのではなく、企業で活躍できる素質があるのかを見極めようとしているので、学習内容の細かい情報は不要です。大学のシラバスなどを参考に、学習内容の概要を伝えるようにしましょう。
- 大学での学習内容を伝える際のコツを教えてください。
専門用語は使わずに伝えたいこと一点に絞ってアピールしよう
まず一番大事にして欲しいことは「専門用語は使わない」ということです。
先方の担当者がどのような学歴なのかこちらにはわからず、そもそも大学にすら行っていないかもしれません。
自分が専門的に学んでいる内容の中には伝えたいことが山ほどあるかもしれませんが、自分が一番伝えたい箇所以外は捨てて、一点に絞って伝えるようにしましょう。
その際、小学校5〜6年生でも理解できる言葉を選んで簡潔に伝えることを心掛けてくださいね。
③得た学びを抽象化して伝える
ここまで学習内容を具体的に伝えてきましたが、その内容を踏まえて、そこから学んだことを抽象化して伝えましょう。
同じ授業であっても、人によって得る学びは異なります。たとえば同じ生物学の研究でも、生物そのものの知識が学びとして強く印象に残ったという人もいれば、仮説を立てて物事を検証する方法を身に付けたことが成長になった人もいるでしょう。
志望する企業に併せて、その学習内容からどのような学びを得たのか、汎用性のある一言に抽象化しましょう。
抽象化が難しい人は、具体的な学習内容を「つまりどういうことだろう?」と深掘りすると考えやすくなります。たとえばマスマーケティングやダイレクトマーケティングの方法を勉強したのであれば、つまり「マーケティングの手法を身に付けた」と抽象化できます。
④入社後にどう活かすかを伝える
繰り返しになりますが、企業が求めるのは自社で活躍できる人材です。そのため、学んだことを企業でどのように活かせるのかを伝えて、活躍できることをアピールしましょう。
たとえばマーケティングの手法を学んだのであれば、マーケティング部門でそのスキルを活かしたり、他の職種であっても、かかわる人のニーズを察知し、期待に応えるための分析をして、良いパフォーマンスができるとアピールすることができます。
学んだことを活かして入社後活躍し成果を残せることを伝えて、好印象を残しましょう。
入社後やりたいことの考え方、回答方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?
大学で学んだことを伝えるときの2つの注意点
大学で学んだことを伝える際にはついやりがちな失敗があります。特に、企業が聞きたい意図と逸れる回答には注意が必要です。
ここからは、大学で学んだことの回答を考える際の注意点を解説するので、参考にしてマイナスな印象を残さないようにしましょう。
企業でまったく再現性のない内容はアピールしない
たとえば英語が不要な企業で英語力がついたとアピールをするなど、まったく再現性のない内容を伝えるのは避けた方が無難です。
選考は自分を売り込む場であり、企業で働くにふさわしいとアピールすることが重要になります。再現性のないアピールをしてしまうと「自社でなくても良いのではないか」と思われてしまうため、企業の特徴に関連付けた内容を伝えましょう。
企業での再現性のない内容に最も注力して勉強していて、その内容をどうしてもアピールしたい場合は、「なぜ関連性のない自社を受けるのか」などの深掘り質問をされることが想定されるので、学習内容と関連性がない企業を志望する根拠を明確にしておきましょう。
学生時代の経験が社会人になってまったく役に立たないということはありません。学んだ知識が業務に直結していないとしても、初めてのことへのアプローチ方法や学ぶ姿勢は必ず仕事にも活かせるはずです。そういう切り口でアピールしてみてください。
志望する根拠を明確にした志望動機の作り方・伝え方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG
ガクチカで悩んだらまずは作成ツールを使ってみよう!
「学生時代、何も頑張ったことがない…」と悩む人でも、簡単にガクチカを作れます。
「ガクチカ作成ツール」は、簡単な質問からあなたの強みや経験を引き出し、魅力的なエピソードへとブラッシュアップします。
ツールを活用して、自分の強みや経験を再発見し、自信を持って選考に挑みましょう。
・強みや経験別に作れる
・1回で3パターン作れる
できるだけ課外活動は伝えない
大学で学んだことは何かという質問では、言葉通り大学で得た学びを聞いているため、課外活動となるサークルやアルバイトなどのエピソードは伝えず、あくまで大学内での活動を伝えましょう。
もしサークルやアルバイトなどに注力して学業が疎かになってしまっていたのであれば、学業の中で頑張ったことは伝えつつも、ほかの取り組みにより多くの時間を使って、活動の幅を広げていた旨を伝えましょう。
サークルやアルバイト経験は、「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」でアピールしてください。ガクチカの作り方、伝え方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
例文13選|誰でも「刺さるガクチカ」が完成する4ステップを解説
アルバイト経験をガクチカでアピールする方法はこちらの記事で説明しています。アルバイトを頑張った人は参考にしてください。
例文15選|アルバイトのガクチカの作り方と印象に残すコツ
- 授業で学んだことがまったく思いつきません。サークルなどの話をしても良いのでしょうか?
友人と振り返るなどして大学で学んだことを話すようにしよう
面接官は大学のカリキュラムの中でどのようなことを学んだかを聞いているため、サークルやアルバイトの話はしない方が良いでしょう。
今は大学でもリーダーシップやアントレプレナーシップといった特色のある学びを展開しているため、学生は何を学んできているのか聞きたいという側面もあります。
なかなか思いつかなくて苦しいかもしれませんが、1人で考え込まず友人と授業を振り返って何を学んだか考えてみてください。他人の視点をもらうことで気づくことも多くありますよ。
学部別! 大学で学んだことを伝える際の例文
ここからは、学部別に大学で学んだことを伝える際の例文を解説します。これまでの学習内容を思い出す意味でもぜひ参考にして、回答を考えてみてください。
文系
まずは文系の例文です。文系の人は特に学習内容を企業にどうアピールするか悩むかもしれませんが、ここで紹介する例文を参考に、企業で活躍できる人材であることをアピールしましょう。
文学部
文学部で学んだことを伝える例文
文学部で多様な地域の歴史や文化を研究し、先入観を持たずに相手に接することの大切さを学びました。
ゼミ活動では、人が何を考えて、どのように行動してきたかをあらゆる観点から分析し、グループで発表をしました。分析は多角的に考える必要があり、ゼミのメンバーと意見が対立してしまうこともありましたが、その都度話し合ったり、今までとは違う視点で考えてみたりと試行錯誤して研究を進めました。
この経験により、多角的な視点を持つことによって、物事の多様な側面に気がつけることや、先入観が本質にたどりつく妨げになることを学びました。
御社に入社後は、先入観を持たずに顧客に接することで、ニーズを正確に捉え、最適な提案をして顧客の課題解決に貢献したいと考えています。
こちらの例文は「対立してしまった時はその都度話し合い違う視点を取り入れた」という点で高評価だと思います。仕事上での他者との意見の食い違いは日常茶飯事なので、柔軟に対応できる人物だという印象を受けます。
ゼミでの経験はガクチカでアピールすることもできます。こちらの記事でゼミ経験をアピールするべき人の特徴や注意点を解説しているので、参考にしてくださいね。
例文8選|ガクチカでゼミ経験を魅力的にアピールする8ステップ
柔軟性を強みに持つ人は、面接でアピールしてみましょう。こちらの記事では柔軟性の自己PRの作り方・伝え方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
13例文|柔軟性の自己PRで理解必須の注意点と伝え方のコツ
法学部
法学部で学んだことを伝える例文
大学では刑法を専攻し、判例に基づいた討論を通して問題を解決するプロセスを学びました。
討論ではチームのメンバーと法解釈が異なり、意見が対立してしまうこともありました。しかし授業で習った問題解決プロセスを意識して、身に付けた知識をもとに各自で解決策を考え、原因や状況を整理しながら意見を出し合うことで、スムーズに結論を導き出せるようになりました。
社会人になってからも、学生時代に身に付けた問題解決能力を活かし、常に課題を見つけ改善するために行動することで、業務効率向上や事務ミスの削減に貢献したいと考えています。
仲間とともに、討論にしっかり取り組んできたことがうかがえます。一方で、まとめの文の「常に課題を見つけ改善するために行動する」ことは学生時代の経験の再現とは少し異なる気がします。意見の異なる人と最善の結論を導き出したいというような方向性でまとめてはいかがでしょうか。
経済学部
経済学部で学んだことを伝える例文
大学で地域経済について専攻し、ニーズを捉えて行動することの大切さを学びました。
私はゼミナールにて、過疎化傾向にある商店街再生について研究しました。なぜ過疎化してしまったのかを調査した結果、共働き世帯の増加や環境意識の高まりなどニーズの変化に対応できていないことがわかりました。
それを踏まえて、商店街関係者に向けたまちづくりの提案発表会で、小学校と連携して商店街のお仕事体験企画、賞味期限間近などで通常販売できない商品をまとめて販売するフードロス削減企画を提案したところ好評で、早速施行することになりました。
現在も試行錯誤しながら運営している段階ですが、徐々に客足が戻りつつあり、実際に地元の人の役に立てたことをうれしく思っています。
御社でも、顧客のニーズを正しく捉えて、実現するためには自分が何をすべきか考えて積極的に行動することで、顧客満足度向上や御社の売り上げの向上に貢献したいと考えています。
地域経済を専攻し、過疎化傾向にある商店街を活性化するという具体的な活動からどんな気づきを得たか、またそれを仕事にどう活かしていくのかをうまく説明できています。
調査した結果や、運営によって起こった変化などの部分に定量的な表現も加えるとさらに良くなるでしょう。
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商学部で学んだことを伝える例文
大学でマーケティングを専攻し、消費者の購買行動について学びました。
所属するゼミでは、人がどのようなタイミングで購入を決断するのかや、どのようなときに購買意欲が上がるかなどについて研究しました。実際に企業や自治体などに訪問したり、ビジネスコンテストに参加したりして現場を知ることにより、知識を活用して課題を解決する実践力を磨くことができたと考えています。
また、大学で学んだことを活かしたいと考えて、アルバイト先の飲食店のSNS運用を担当し、5,000人以上のフォロワー数を獲得できるようになりました。
入社後は、この経験を活かして、御社の商品の魅力を効率的に顧客に伝えて、購買につなげる方法を常に考え、売り上げや認知度向上に貢献できればと思います。
大学でのマーケティングの学びが実際の仕事の現場で活かせることが説明できている良い事例だと思います。行動して成果が出せているのは最大のアピールになりますね。
社会学部
社会学部で学んだことを伝える例文
社会学部で、日常のさまざまな出来事が、どのような「社会のしくみ」から生じたのかを学びました。
ゼミナールでは社会調査実習を通して、さまざまな事象に対して、仮説立案、調査票作成・配付、データ集計・分析、報告書執筆など社会調査に必要とされる⼀連の作業を習得しました。
最初に立てた仮説通りに進められずに苦戦することもありましたが、その都度状況変化を察知して軌道修正していくことで、柔軟に物事を考えられる思考力を身に付けられたと考えています。
新入社員や外国籍社員に向けての研修を担当する御社の人事部の仕事でも、思うようにいかないこともあるかと思いますが、大学生活で学んだ思考力やアプローチ方法を活かして、最適な研修方法やかかわり方を模索していきたいと考えています。
社会学部での学びを一言で言い表すのは難しいのですが、実際に学んできたことがコンパクトによくまとまっています。社会に出てからも、大学で学んだ思考力やアプローチ方法をしっかり活かせそうですね。
教育学部
教育学部で学んだことを伝える例文
教育学部では、子どもとのかかわりを通して、信頼関係を構築することが良好なコミュニケーションを取るうえで重要であると学びました。
所属する初等教育のゼミナールでは、2年間を通して、小学生の子どもたちとともに遊びを通じて社会性を育む取り組みを企画し実施しました。
はじめは警戒心を抱く子どもや無関心な子どもが多く、私たちの活動に積極的に参加してもらえませんでした。
遊びを提案しても受け入れてもらえずに挫けそうになりましたが、諦めずに一人ひとりと目線を合わせて丁寧に向き合ったり、アプローチ方法を変えて繰り返し試したりするうちに、信頼関係が芽生えました。そして回を重ねる度に子どもたちからの発言や挙手が増え、積極的に参加してくれるようになりました。
この経験を活かし、生徒一人ひとりの個性に合わせた学習方法を取り入れている御社で、生徒や保護者と丁寧に向き合い、信頼関係を構築しながら学力向上や人間力育成を目指していきたいと考えています。
教育学部に所属し、遊びを通して社会性を育むという大変興味深い活動をしていたことがうかがえます。
信頼関係はどうすれば構築できるのかという部分が肝になるので、丁寧に向き合うということは具体的にどのようなことなのか、どんなふうにアプローチ方法を変えたのかが想像できるように、解像度を上げて説明できると良いですね。
教育学部の人が就活を成功させる方法や、教育学部におすすめの就職先はこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
教育学部におすすめの就職先17選|民間の就活も成功させる3箇条
国際系学部
国際系学部で学んだことを伝える例文
私は国際学部で語学力だけでなく、多種多様な人種や文化について学びました。
私は、海外出張の多い仕事に就いていた父の影響で、英語を使って仕事をしたいと考えるようになり、実践的な英語を学ぶために大学のカリキュラムを利用してカナダに1年間交換留学に行きました。
留学先ではせっかくのチャンスを無駄にしないために、日本人以外の生徒に話しかけたり、演劇サークルやボランティア活動に参加したりと、積極的に行動しました。さまざまな人と会話をし、意見を交わすことを意識して取り組んだ結果、多様な価値観や文化があることを身を持って感じました。
この学びは、御社の百貨店でさまざまな顧客の対応をしていく際に、それぞれの価値観や考え方を理解する力につながると考えています。また、海外事業にも積極的に取り組んでいる御社で、将来的には身に付けた語学力や知識を活かして、海外拠点で働きたいと考えています。
語学力向上のために積極的に行動してさまざまな経験値を得ることができた点はとても良いですね。プラスアルファとして、英語を使って仕事をしたいと考えるに至った経緯を、もう少し具体的に自分の価値観を交えて伝えられると良いかもしれません。
英語力に自信のある人は、就活でアピールしてみましょう。こちらの記事では、就活での英語力の影響を解説しています。
英語力は就活への影響大! 求められるケースとレベルを徹底解説
家政学部
家政学部で学んだことを伝える例文
大学では栄養学を専攻し、ライフステージ別の栄養管理について学びました。
ゼミナールでは病院に実習にいき、安全でおいしく適切な食事を提供するための献立作成や調理の技術を学びました。
病院にはさまざまな年代や疾病をかかえる患者様がいるため、一人ひとりに合わせた細やかな栄養管理が必要です。データ上で患者様を把握して献立を考えるのではなく、一人ひとりの趣味嗜好や季節感などを反映させた味や、見た目もこだわった料理を提供することで、とても喜んでいただき、やりがいを感じました。
また、食の影響力を感じ、将来は食にかかわる仕事がしたいと強く思うようになりました。
幅広い人に寄り添ったオーダーメイドの食事サービスの提供を掲げている御社で、大学時代に学んだ栄養管理の知識や調理技術を活かして、多くの人に、栄養バランスとおいしさが両立している心のこもった食事を提供したいと考えています。
大学での座学や実習を通じて、栄養管理について教科書の知識以上のものを身に付けてきたことが伝わってきました。仕事でも顧客に向けてどのように貢献したいかが説得力を持って表現できています。
スポーツ学部
スポーツ学部で学んだことを伝える例文
大学ではスポーツ栄養学を専攻し、パフォーマンスを最大限向上させるためには、何を、いつ、どれだけ、どのように摂取するのかについて学びました。
ゼミナール活動では、甲子園球児の寮で食事のサポートをしました。調理室で食事のサポートをしながら、球児がどのようなものを食べているのかや、どのようなコミュニケーションを取っているのかなど、プロの現場で実際に学ぶことができ、大変貴重な経験でした。
また、球児たちをサポートするためには、栄養の知識だけでなくコミュニケーションを細かく取ることも重要であると学びました。
御社に入社後は営業職として、スポーツ栄養の知識やコミュニケーション能力を活かし、御社の商品の魅力を販売店にわかりやすく伝えることで、食の面でアスリートやスポーツを楽しむ人の手助けをしたいと考えています。
良い学びを得たということは伝わってきますが、主体性にやや欠けるので、自分からチャレンジしてみた行動とそこからの気づきや学びがあったということも織り交ぜてみると、受け身ではなく自発的に活動していたことを伝えることができます。
理系
理系の人は、企業で得た知識を活かしたい人、まったく異なる分野に挑戦したい人などがいると思いますが、いずれの場合も企業で活躍できる素質があるとアピールできると効果的です。ここで紹介する専攻別の例文を参考に、文系の採用担当者にも学んだことが伝わりやすい回答を作成しましょう。
理工学部
理工学部で学んだことを伝える例文
大学ではバイオテクノロジーを専攻し、微生物学や遺伝子組み換え技術が食品化学や医薬品化学、産業にどのように利用されているのかを学びました。
所属する学科では実験科目が多く、グループに分かれて実験し、結果を解析してまとめ、プレゼンテーションやディスカッションを繰り返しました。
始めは実験内容や結果は理解できていても、相手にわかりやすく伝えられずにいましたが、発表者に立候補したりプレゼンテーションが得意な人を参考にして練習したりと主体的に取り組んだ結果、自分の考えを理解しやすい言葉にして簡潔に説明できるようになりました。
自分の知識や考察をわかりやすく伝える力は、異なる知識や専門分野を持つ周囲の人と円滑なコミュニケーションを図るうえで今後も役立つと自負しています。御社に入社後は、自分の専門分野を活かして有効性と安全性の高い化粧品を開発したいと考えています。
プレゼンにおいて上手に伝えられなかったという課題をしっかり捉え、立候補して数を重ねた行動力と、得意な人の真似をすることで自身のスキルアップにつなげたことが評価できますね。
情報学部
情報学部で学んだことを伝える例文
大学ではプログラミングを専攻し、継続して努力することの大切さを学びました。
大学入学当初は、想定通りに開発が進まずに、学ぶ分野への難しさを感じることもありました。しかし、原因を考えて改善し、検証するといったプロセスを繰り返し、毎日最低2時間欠かさずに勉強に取り組んだ結果、スキルを身に付け基本情報技術者試験に合格しました。
また、大学で学んだことを活かしたいと考えて、所属しているサッカーサークルのためのスケジュール管理アプリを開発し提供すると、非常に使いやすいと好評いただき、現在も利用してもらっています。
仕事においても、継続して知識を習得する力や、失敗を検証し改善を試みる力を活かして、思うように開発が進まないときでも、諦めずに仮説・検証を繰り返し、多くの人の生活の土台となるシステムを構築したいと考えています。
情報学部で学んだことがストレートに伝わってきました。プログラムを1つ仕上げるにも忍耐力が必要ですね。基本情報技術者試験に合格し、アプリ開発もおこなっているということでSEなどとして現場での活躍が期待できる印象です。
薬学部
薬学部で学んだことを伝える例文
大学では薬科学を専攻し、知識を活かすためには、説明力が必要だということを学びました。
薬学を学んでから臨んだ病院実習は自信がありましたが、実際に患者様に薬について説明する際に苦戦し、知識のアウトプットの難しさを感じました。
このままでは知識を役立てられないと考え、わかりやすく伝える力を養うためにセミナーに参加したり、イラストを用いて説明したりと工夫して取り組んだ結果、患者様にスムーズに理解していただけるようになりました。
また、新しい薬で病気が改善したという話を患者様から聞くことも多く、MRという仕事に興味を持つきっかけにもなりました。
御社に入社後は、常に学び誰にも負けない知識量を身に付け、それを医療現場で働く人に受け入れていただける表現で伝えることを意識して、営業活動に取り組みます。そして、御社の新技術を広めて医療の進化に貢献していくことが目標です。
最初の「薬学部であるが説明力が必要だと学んだ」という結論の部分で、いったいどういうことだろうと聞き手の興味を引く入りができていて良いですね。
その後も自身の苦戦した経験から感じた課題を解決するためにどのような行動を取ってきたかがわかりやすいです。また、経験が志望動機にうまくつながっていて好印象です。
薬学部の学びを活かせる就職先は、実はさまざまにあります。こちらの記事で就職先11選と就活のコツをまとめているので参考にしてみましょう。
薬学部ならではの就職先11選! 就活を成功させるマスト準備も解説
農学部
農学部で学んだことを伝える例文
大学では、酵素の構造や機能を解明する研究を通して、諦めずに試行錯誤を繰り返すことの大切さや、一つずつ問題を解明する楽しさを学びました。
研究は、新しい酵素を見い出すところから始まりますが、なかなか思い通りに進まずに失敗の連続でした。しかし教授の「研究はほとんどの時間が失敗で、失敗から学びを活かせる者だけが成功する」という言葉を胸に、試行錯誤を繰り返し、新規酵素の機能を活かして製品化する方法を提案しました。
御社に入社後も、研究が思い通りにいかないことも多々あるかと思いますが、御社の理念である「お酒を通して豊かさを提供する」を心に刻み、諦めずに地道に研究に取り組みます。
そして、大学で学んだ知識を活かして、より高品質で美味しいビールを作り、たくさんの人に喜んでもらいたいと考えています。
失敗をたくさん経験したことがあるというのは、企業からしても評価に値するポイントであると思います。
ビジネスにおいて顧客の新規開拓や新商品(新サービス)などは挫折の連続なので、自身の「負けても立ち上がる」という粘り強さをもっとアピールできると良いですね。
粘り強さを強みに持つ人は就活でアピールしてみましょう。こちらの記事では、粘り強さの自己PRの作り方・伝え方を解説しています。
例文11選|粘り強い性格の自己PRで知らないと損する注意点
農学部の人におすすめの就職先や、農学部ならではの就活の成功方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
農学部におすすめの就職先11選|選択肢を広げる秘訣を徹底解説
大学で学んだことが思いつかない人は3つの視点で振り返り選考突破を狙おう
大学で学んだことが思いつかない人は多くいると思いますが、3つの視点を持てば誰でもアピールになる学習内容にまとめることができます。
企業はあくまで学習内容そのものというよりも、学んだことを活かして活躍できる人材なのかという点に重点を置いて選考をしているので、それを意識してアピールになる回答を作成しましょう。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る仕事に活かせる学びを言語化してアピールしよう
「大学で学んだこと」を聞かれたら、基本的には学業について答えましょう。
その学部学科出身ではない面接官に伝わるよう、どのようなことを学んだかを具体的に伝えるべく、学んだ内容を思い出してください。
大学での学びが志望業界や志望職種に直結しないことを心配する人もいますが、たとえば金融機関に就職するのは経済・商・法学部の人ばかりではありません。
膨大な資料から必要なものを抜き出したり比較検討したりするアプローチ方法、チームで研究を進めていく力、専門的なテーマをわかりやすく説明したり展示したりする力など、専門知識以外にも学ぶ過程で身に付けた力や姿勢がアピールできます。仕事で再現できそうなものを言語化してみましょう。
大学で学んだことの切り口を明確にし表現を工夫しよう
「教養学部〇〇専攻」といった区分をする大学や、この記事で紹介した学部以外の学部学科もたくさんあります。どういったことを学んだのかという切り口や、その中でも特に力を入れて勉強した科目・ゼミについてなど、表現の仕方はさまざまです。
大学生として身に付けた知識や考え方をしっかり伝えてくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Junko Tomioka〇南箕輪村のキャリア教育推進コーディネーターに就任後、独立。現在は地方中高生やベトナム人留学生の就活支援、企業内キャリアコンサル、地方就職のサポートをおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー
Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう
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