この記事のまとめ
- 公務員を辞めたい理由を明確にして今の状況を把握しよう
- メリット・デメリットを理解して自分にとって最適な判断をしよう
- 辞めるか迷ったときは判断基準に沿って考えを見つめ直そう
公務員は給料の安定性や雇用が保証されていることから、周囲から羨ましがられる職業です。しかし、就職してみると理想と現実とのギャップに耐え切れず、公務員を辞めたいと考える人もいると思います。
公務員を辞めたいと考える人のなかには、「公務員を辞めるのはもったいないのではないか?」と辞めるべきかとどまるべきか迷っている人もいるのではないでしょうか。
記事では、キャリアコンサルタントの吉野さん、前田さん、平井さんのアドバイスを交えつつ、公務員を辞める人に多い退職理由や、公務員を辞めるメリットやデメリットを紹介しています。
退職以外の選択肢や、辞めるか迷ったときの判断基準についても解説しているので、公務員を辞めるべきかとどまるべきかの判断材料として、ぜひ参考にしてください。
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公務員を辞めたい理由を明確にして転職するべきか判断しよう
公務員を辞めたいと考える人のなかには、退職への一歩が踏み出せない人も多いのではないでしょうか。安定的な給料や雇用が保証されていることから、周囲の人から退職を反対されることもあるかもしれません。
記事では、まず実際に公務員を辞めた人の割合や、公務員を辞める人に多い退職理由を解説します。辞めることに不安を感じている人は、周りの状況を把握したり自分の辞めたい理由を明確にして、退職するべきかとどまるべきかを判断しましょう。
そのうえで、公務員を辞めるメリットとデメリット、辞めたいと思ったときの選択肢を解説します。公務員を辞めることでどのように好転、または影響を及ぼすのかを理解し、退職以外の選択肢があることも併せて把握しましょう。
記事の後半では、公務員を辞めるときの判断基準を解説しているので、退職理由を深掘りしたり退職後の自分を想像したりして適切な判断をするための参考にしてくださいね。目の前の不満だけに気を取られず、後悔のない選択ができるように、現在の状況や将来のことを見つめ直しましょう。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
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公務員を辞めてはいけない? 実際に辞めた人の割合
総務省の地方公務員の退職状況等調査によると、令和4年度に退職した地方公務員は139,159人で、そのうち自己退職は60,784人でした。退職者全体に対して43.7%の人が自己退職を選んでいます。
また、定年退職者は65,665人で全体の47.2%であり、地方公務員の退職理由として定年退職が最も多い割合でした。しかし、定年退職(47.2%)と自己退職(43.7%)の割合に大きな差はないため、定年退職者と同程度の人数が自己退職で公務員を辞めていることがわかります。
ただし、辞める理由は職場や家庭環境など人それぞれの要因があるため、あくまでも目安として参考にしてくださいね。
定年退職と同等の割合で自己退職する人がいる理由は、キャリア設計には多くの不確実性が伴うためです。公務員を目指したときには、転職を前提に選んだわけではないでしょう。そのため、「公務員を辞めたら民間企業に転職し、その会社で定年まで働きたい」と考えたとしても、それが実現するかどうかは予測できません。
退職理由を明確にしよう! 公務員を辞める人の6つの特徴
退職理由を明確にしよう! 公務員を辞める人の6つの特徴
公務員を辞めても良いのか悩む人のなかには、「ただ向いていない気がする」のように、辞めたい理由が明確になっていない場合があります。辞めたい理由を明確にすることで、退職するべきかとどまるべきかを判断する際に役立ちます。
下記では、公務員を辞める人に多い退職理由を解説しているので、自分の状況と照らし合わせて辞めたい理由を明確にしましょう。
①組織の風土が古く相性が合わない
組織の風土が古く相性が合わないことで、精神的なストレスを感じて辞めてしまう人がいます。公務員は年功序列制が強く、昔ながらの規則を重んじているケースが多いことから、時代にあった柔軟な働き方ができないためです。
公務員は勤続年数を重ねることで一定の昇進・昇格がかなうため、成果重視になりにくい環境です。また、紙ベースのやり取りが中心でハンコが多用されるため、民間企業のIT化が進む会社と比較すると非効率的な働き方といえます。
成果や実績を出して若いうちから昇進・昇格を目指したい人や、効率重視で働きたい人には、公務員の仕事は向いていないかもしれません。
公務員の職場では、規則や手続きが厳格である一方、曖昧な指示や責任の所在が不明確な場面もあり、独自の暗黙知が求められることがあります。この点がストレスになったり、住民・市民をお客様と捉える風潮もあったりと、接遇態度に悩む人もいます。
②理不尽な要求の対応にストレスが溜まっている
公務員のなかでも、とくに役所の窓口対応をする人は理不尽な要求に対応する機会が多く、ストレスが溜まってしまう人もいます。公務員に対して世間の目は冷たく、国や地方自治体が提供するサービスに納得を得られない国民・市民により、激しいバッシングを受けることがあるためです。
たとえば、役所の窓口業務を担当した場合、以下のようなことを要求されるケースもあります。
役所の窓口で対応を要する例
- 説明しても納得してもらえない
- 理不尽なクレームを窓口や電話で繰り返す
- 暴言を吐く・暴力を振るう
- 法律・条例に則った措置だとしても拒否される
役所は営利目的ではないため、営業妨害を主張して対応を拒否できず、度が過ぎた要求にも対応しなければなりません。
暴言を吐き、理不尽な要求をする「攻撃的な人」の言動を心に響かせないことが重要です。公務員は必要な職務を執行しているだけですので、誰が対応しても同じです。あなた個人が攻撃されているわけではないという意識で臨むと良いかもしれません。
仕事のストレスが溜まってつらい人は次の記事も併せて読んでみてください。仕事のストレス過多を脱する3ステップや、仕事中にストレスを溜め込まないための3つのアクションを紹介しています。
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③仕事が単調でつまらないと感じる
公務員の仕事は基本的に変化がないため、単調でつまらないと感じやすく辞めたいと考える人もいます。仕事に利益を追求する目的がなく、大きな成果や結果を上げても評価されにくく、仕事にやりがいを見出しにくいためです。
たとえば、サービスを提供する民間企業の場合は、売上が上がれば会社の実績となり、会社の利益のために成果を出した社員は評価されて昇進・昇格へつながるものです。
公務員は日々の業務に変化が見られず、「仕事に飽きてしまった」や「退職まで続ける自信がない」という考えから退職を選択する人がいます。公務員の仕事にもやりがいはあるものの、見出せなかったりモチベーションの低下が続いてしまったりする人は、長く続けるのは難しいかもしれません。
- 仕事にやりがいを見つけるにはどうしたら良いですか?
目的や目標を再認識して日々の業務に意味を見出そう
公務員の仕事にやりがいを見つけるには、「自分の役割の意義」を再確認することが大切です。公共の利益や地域社会のために貢献しているという大きな目的を意識することで、日々の業務にも意味を見出しやすくなります。また、自分で目標を設定し、業務の改善や効率化に取り組むことで、新たな挑戦や達成感を得ることができます。
さらに、同僚や上司と積極的にコミュニケーションをとることで、職場の雰囲気が改善され、モチベーションの維持にもつながります。業務のなかで小さな成功体験を積み重ねることも重要です。それでも解決しない場合は、異動希望を出して新しい業務に挑戦することも一つの手段です。視点を変えることで、思わぬやりがいを見つけられるかもしれません。
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④仕事量や時間外労働が多く疲れてしまった
公務員を辞めたいと思う人のなかには、予想以上の仕事量や時間外労働が多く疲れてしまった人もいます。
総務省の地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果によると、本庁で残業する公務員の5.4%が月60時間以上、そのうちの2.2%が労働基準法であれば原則として違法となる月80時間を超えています。
もし、教員として勤務している場合は、日々の授業に加えて土日の部活動の顧問として出勤が必要です。消防士や警察官なども緊急事態のときは出勤が必要になり、プライベートよりも仕事を優先しなければなりません。
公務員は労働条件に恵まれているという印象が強い一方で、職種や職場によっては拘束時間が多く過酷さに耐え切れず辞める人もいます。
公務員の仕事が向いていないと悩む人は次の記事も併せて読んでみてください。仕事が向いていないと感じる4つのサインや、向いていない仕事を続けた結果を解説しています。
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⑤収入が働きに見合ってないと感じる
公務員は安定した収入があるとはいえ、就職当初から給料が高い訳ではありません。そのため、収入が働きに見合ってないと感じて、民間企業へ転職をする人もいます。
下記では、総務省の令和4年地方公務員給与の実態による全地方公共団体における大卒の一般政職の平均月収と、人事院の令和5年職種別民間給与実態調査の結果による民間企業における大卒の事務係員の平均月収を表にまとめました。
年齢区分 | 地方公務員 | 事務係員 (民間企業) |
---|---|---|
20〜23歳 | 188,235円 | 282,728円 |
24〜27歳 | 207,758円 | 315,667円 |
28〜31歳 | 235,583円 | 348,001円 |
32〜35歳 | 265,252円 | 378,354円 |
36〜39歳 | 298,347円 | 386,482円 |
40〜43歳 | 337,058円 | 390,400円 |
44〜47歳 | 365,913円 | 393,458円 |
48〜51歳 | 387,546円 | 400,685円 |
52〜55歳 | 403,817円 | 422,991円 |
民間の企業によって給与額に差はあるものの、地方公務員よりも比較的平均月収が高いことがわかります。
公務員は年功序列制により、勤続年数を重ねれば年々昇給するものの、民間企業のように若いうちから仕事で成果を出して年収が上がることは少ないです。仕事量と給料が見合っておらず、制度に不満を持つ人のなかには民間企業への転職を希望する人もいるのが実情です。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
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⑥人間関係に悩んでいる
人間関係の悩みは公務員に限らず、あらゆる業種・職種でも退職理由となりうる要因です。職種によっては転勤や中途退職をする人が少なく、環境やメンバーに変化がない状態で長期間働くことが多いため、人間関係の悩みが長期化または悪化するケースがあります。
総務省の令和2年度の状況による地方公務員のメンタルヘルス不調による休務者及び対策の状況より、休職に至った理由として職場の対人関係の60.7%が最も多い割合でした。
休職後の状況は、復帰が最も多い55.5%であるものの、休職が長期化する人が32.1%、そのまま退職に至ってしまう人が12.5%です。ただし、人間関係の悩みは転職先でも生じる可能性があるため、休職や異動なども視野に入れて慎重に検討しましょう。
- メンタルの不調による休職、退職は甘えでしょうか?
自分を守るための選択肢の一つとして考えよう
私はメンタル不調による休職・退職を甘えだとは思いません。そもそも公務員として頑張っている人には責任感が強く、真面目な性格の人が多いという印象です。
公務員は、民間企業と比べて職場の人間関係や業務内容の変化がそれほど大きくない職種です。さまざまな要因からメンタル不調に陥った場合、責任感があり真面目な人であればあるほど必要以上に自分を責め、誰にも相談せずに状況が悪化してしまうことがあります。
状況改善のためにいろいろと手を尽くしたもののなかなか好転しない……。そんなとき、休職・退職も選択肢の一つとして考えて良いと思います。
職場の人間関係はトラブルを放置すると日常生活に影響を及ぼす恐れがあります。次の記事では、人間関係が悪くなる6つの原因や、つらい状況を抜け出す5つの糸口を紹介しています。
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本当に辞めてもいいのか判断しよう! 公務員を辞めるメリット・デメリット
本当に辞めてもいいのか判断しよう! 公務員を辞めるメリット・デメリット
公務員を辞めることにはメリットとデメリットがあり、辞めるかとどまるべきかを判断するためにも理解しておくことが必要です。
下記では、公務員を辞めることで生じるメリットとデメリットをそれぞれ3つずつ紹介しています。仕事をするうえでの譲れない条件と照らし合わせて、自分にとって適切な判断をするための参考にしましょう。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
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メリット①労働環境を改善できる可能性がある
ストライキとは
労働条件の改善を求めて、使用者(会社や組織)に対して団体で労働を拒否する行動のこと。
公務員は年功序列制が強く組織の風土が古いため、労働環境の改善が難しい職種です。民間企業は実績やスキルをもとに評価してもらえたり、新しいシステム導入にも柔軟に対応していたりするため労働条件を改善できる可能性があります。
しかし、公務員はストライキが認められていないため、賃金や労働条件について抗議ができません。そこで、民間企業へ転職すると労働基準法の適用対象になり、残業代が適切に支給されたり法律の規定内で労働時間を確保できたりします。
企業によっては年功序列制の強い職場もあるものの、転職によって労働環境を改善できれば働きやすさを感じられる人もいるかもしれません。
公務員を辞めたい人のなかには、風土の古さから働きにくさを感じている人も多いのではないでしょうか。次の記事では、社風に関する基本情報から、自分に合う社風を知るための3ステップを解説しています。
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メリット②努力次第で収入アップに期待できる
民間企業では個人の成果や貢献度が評価され、給料に反映されるケースも多くあり、努力次第で収入アップに期待できます。対して、公務員は業務に利益を求めないため、成果を重視されにくく結果を出したからといって給料が上がることは少ないです。
公務員で給料を上げるためには、勤続年数を重ねる、もしくはさまざまな業務の中で期待以上の成果を積極的に出して、高く評価される必要があります。また、営利目的の副業も基本的に認められておらず、公務員の仕事以外で副収入を得ることもできません。
成果や実績を評価されて、若いうちから収入アップを目指したい人は民間企業への転職を検討してみると良いでしょう。
「副業」には華やかなイメージが先行しがちですが、実際にはさまざまな形態があります。たとえば、隙間時間で働くUber Eatsのような仕事や、短時間のアルバイト(接客や軽作業など)も副業に含まれます。
メリット③働き方の選択肢が広がる
民間企業へ転職した場合、会社によってテレワークやフレックス制度などがあり、多様な働き方を実現できます。公務員にもテレワークやフレックス制度が導入されているものの、すべての職種が適応されている訳ではなく、実施率が低いのが実情です。
そのため、ワークライフバランスを充実させたい人は、多様な働き方に対応している企業への転職が望ましいでしょう。民間企業のなかでも、とくにIT業界やスタートアップ企業ではテレワークやフレックス制度を積極的に導入し、自由な働き方が推奨されています。
国家公務員ではフレックスタイム制の活用事例が報告されており、育児や介護と仕事の両立を支援する取り組みが進んでいます。
また、市町村レベルでもテレワークの導入事例が増加しており、業務効率化や多様な働き方の推進が期待されています。 今後、デジタル化の進展とともに、これらの柔軟な働き方がさらに広がることが期待されます。
IT業界に興味がある人は次の記事も併せて読んでみてください。IT業界の特徴や主な職種、未経験者が知っておくべきIT企業の4つの選び方を解説しています。
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デメリット①安定的な給料や雇用の保証がなくなる
公務員は懲戒のような事由を除いて解雇されない終身雇用であるため、辞めることで雇用の保証を手放すことになります。また、年功序列制による安定的な昇給がなくなってしまう点も、公務員を辞めるデメリットです。
民間企業では経済状況の悪化や業績の低下により、雇用が不安定になったり減給になったりすることがあります。福利厚生が公務員ほど充実していない企業も存在し、特別休暇や育休制度などが十分に取れない場合もあります。
大手企業や業績を伸ばしている企業であっても、公務員ほどの給料の安定や雇用の保証がある企業は少ないため、本当に辞めても良いのか十分に考えてから転職を検討しましょう。
福利厚生の充実ぶりも人気の理由の一つです。病気やケガなどの医療保障、各種休暇の取得はもちろんのこと、車や住宅購入などのための各種貸付や余暇活動の支援、職員間の親睦を深めるためのサークル活動などにも力を入れている自治体が多いです。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活では、限られた選択肢の中から自分に合った仕事を見つけることが重要です。しかし、本当に自分に合った仕事とは何か、見つけるのは簡単ではありませんよね?
そこでおすすめなのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの個性や強みに最適な仕事、そして、あなたが就活でアピールできるポイントが分かります。
自分に合った仕事を見つけ、自信を持って就活を進めるためにも、 ぜひ就活を始める前に「適職診断」を試してみてください。
デメリット②民間企業への転職がうまくいくとは限らない
公務員を辞めた後、民間企業への転職がうまくいくとは限りません。公務員で培った経験やスキルが、民間企業で求められるものと必ずしも一致する訳ではないからです。
公務員の仕事は営利目的ではないため、転職活動の際に企業への貢献度やスキルを提示しにくく、公務員としての経験はアピールポイントになりにくいと考えられます。業種・職種によっては、スキルが伴っていないと採用されない場合があることも理解しておきましょう。
また、転職できたとしてもこれまで国や地域・住民のために働いてきたため、民間企業の成果主義になじめずに違和感をもつ人もいます。
- 民間企業の視点から公務員にどのような印象を持ちますか?
価値観が合わないと思われないように共通する点をうまく伝えよう
民間で働く人は、公務員の経験がないため、「安定していてうらやましい」という素朴な印象を持っていることが多いでしょう。そのため、「公務員を辞めるなんてもったいない」「どうして辞めたのですか? 」と聞かれるかもしれません。
異なる職場風土や業界カルチャーで働いてきた人だと思われやすいので、共感できる点や価値観が一致する点をうまく伝えられると良いでしょう。
公務員から民間企業への転職を検討している人のなかには、公務員は社会人経験として見なされない風潮に疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。下記では、この疑問に対してキャリアコンサルタントが回答しています。
下記の記事では、公務員から民間企業への転職が難しいと言われる理由を詳しく解説しています。民間企業に転職するメリット・デメリット、公務員から民間企業への転職を成功させるポイントも併せて紹介しています。
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公務員からの転職はなぜ難しい? 実情と後悔しない方法を解説
「公務員から民間企業への転職は厳しい」と言われる3つの理由と実情を解説します。成功に向けたポイントや公務員ならではのアピール項目もキャリアコンサルタントとともに紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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デメリット③周囲から反対される可能性がある
公務員は給料の安定と雇用の保証があるため、辞めることを周囲から反対される可能性があります。また、公務員試験に合格して就職できたのに、退職するのがもったいないと言われることもあるかもしれません。
すでに結婚している人のなかには、配偶者が公務員としての給料・昇給ペース・福利厚生、定年後の退職金を前提として家計管理をしている場合があります。あなたが公務員を辞めてしまったら計画が崩れるため、転職に賛成してもらうのが難しいかもしれません。
周囲から理解してもらうためには、公務員を退職した後のキャリアビジョンを明確にすることが大切です。転職後も現在の生活を維持しつつ、将来に向けた資金確保ができる計画をしっかりと立てて、家族の納得が得られるように伝えましょう。
公務員として定着する人・辞めてしまう人の違いをプロが解説
ここまで、公務員を辞める人に多い退職理由や、公務員を辞めるメリットやデメリットを解説しました。自分が公務員を辞めたい理由を明確にして、辞めた後のメリットとデメリットが自分にとってどのように影響するのかを分析することが大切です。
また、公務員を辞めるか悩む人のなかには、「自分は公務員に向いていないのではないか?」と考える人も多いのではないでしょうか。
下記では、キャリアコンサルタントの前田さんから、公務員として定着する人・辞めてしまう人の違いを解説してもらいます。双方の特徴を理解して、公務員としての適性を今一度確認しましょう。
アドバイザーコメント
前田 恵美
プロフィールを見る仕事との線引きが上手にできるかどうかが大切
公務員として定着する人・辞めてしまう人の違いは、公務員という職業の在り方、仕事そのものの意義をきちんと理解したうえで、自分自身の能力と資質を見極め、良い意味で仕事との線引き・割り切りができるかどうかだと考えます。
公務員として定着する人は、そのような仕事と自分との線引きがうまく、自分を含めた状況を多角的にとらえることができているという印象を受けます。その一方で、辞めてしまう人は逆に状況にとらわれ、視野が狭くなりがちだと感じます。
向いていないと判断する前に視点を変えてみよう
これはどの職業でもいえることですが、そもそもその仕事に向いているかどうかを自分で判断するのは難しいものです。悩みは成長の証ととらえ、一歩引いた俯瞰的な視点を意識してみると良いのではないでしょうか。見方を変えるだけでふっと肩の力が抜けることもあるものです。
あるいは、頭上を吹き荒れる嵐が過ぎ去るまで耐えしのぶイメージを持ってもいいかもしれません。状況は必ず変化しますから、現状に絶望して早まった決断をするのは得策ではありません。
退職だけじゃない! 公務員を辞めたいと思ったときの選択肢
退職だけじゃない! 公務員を辞めたいと思ったときの選択肢
- 民間企業へ転職する
- 休職の相談をする
- 異動希望を出す
公務員を辞めたいと思ったときの選択肢として、退職以外の方法もあります。仕事内容や職場の人間関係に不満があったとしても、別の選択をすることで解消される可能性もあるため十分に検討して判断しましょう。
下記では、公務員を辞めたいと思ったときの3つの選択肢を解説しています。退職以外の選択肢も視野に入れて、自分に合った方法を選びましょう。
民間企業へ転職する
公務員の働き方や仕事内容が合わないと感じた場合、民間企業への転職も一つの手段です。公務員を辞めたい理由が、組織への不満や仕事内容・待遇によるものであった場合、民間企業への転職で悩みが解決できる可能性があるからです。
民間企業への転職が向いている人は、主に以下のような特徴があります。
民間企業への転職が向いている人の特徴
- 公務員ならではの組織風土と合わない人
- 成果や実績を出して評価されたい人
- 利益を求めることに興味がある人
- 仕事にやりがいを求めて活躍したい人
民間企業は公務員のような確実な雇用の安定や昇給の保証がない一方で、実績が評価に反映されやすく、努力次第では公務員の収入よりも高い収入を得られるかもしれません。
公務員から民間企業への転職を検討している人は、転職が可能なのか不安を持つ人も多いのではないでしょうか。下記では、疑問に対してキャリアコンサルタントが回答しています。
休職の相談をする
公務員がつらい・辞めたいと感じている場合、一時的な休職を検討するのも良いでしょう。職場から一定期間離れることで心身を休められ、本当に辞めても良いのかゆっくり決断できます。
公務員の休職については、国家公務員は人事院規則、地方公務員は地方条例で規定され、休職の申請が通るのはハードルが高めです。下記は、国家公務員の休職規定を簡単にまとめたものです。
国家公務員の休職規定
- 公的施設や政府関連の特別な研究に従事する場合
- 災害や交通事故によって出勤が困難である場合
- 病気によって出勤が困難な場合
参照元:e-eov 人事院規則一五ー一四(職員の勤務時時間、休日及び休暇)
地方公務員の場合は地域ごとに条例が複数存在するため、自分の働く地域の休職規定について確認する必要があります。ただし、休職理由がストレスによる心身の不調であるなら、医師の診断書を上司に渡して所定の手続きを踏むことで休職が可能です。
- 同僚や上司が忙しいなか、休職をするのは気がひけるのですが大丈夫でしょうか……?
休職期間でしっかりと休んで復帰後に貢献しよう
休職を申し出ることに気が引ける気持ちは理解できます。しかし、心身の不調を放置すると、状態が悪化し、復職がさらに難しくなる可能性があります。休職は、公務員の制度として正式に認められている権利であり、自分を守るために利用するのは決して悪いことではありません。
同僚や上司に迷惑をかけたくないと感じる場合でも、長期的には自分が元気に働ける状態に戻ることが、職場全体にとってもプラスになります。また、休職の理由が医師の診断書にもとづくものであれば、周囲も理解しやすくなるでしょう。
休職中にしっかりと心身を休め、回復後に貢献することを目指しましょう。そのためにも、まずは職場の相談窓口や上司に状況を伝え、正規の手続きを進めることをおすすめします。
休職希望を検討している人は次の記事も併せて読んでみてください。下記では、休職中の転職はベストタイミングといえない3つの理由や、仮に休職中に転職活動をする際に注意するべきことを解説しています。
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休職中に転職活動をしたいなら? リスクや注意点を徹底解説
休職中に転職活動をしても良いのか。休職中に転職活動を進める場合、応募企業には伝えた方が良いのか。キャリアコンサルタントとともに、休職中の転職活動に関するリスクや注意点を徹底解説します。
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異動希望を出す
職場の雰囲気や人間関係に悩んでいる場合、異動希望を出して職場を変えるのも一つの手段です。職場環境を変えることで、悩みの原因が解消する可能性があります。
公務員は基本的に年に1回、4月に人事異動がおこなわれ、公務員一人あたりの人事異動の頻度は2〜4年に1回が多いとされます。異動は転職よりも労力を軽減し、公務員としての給料の安定性・待遇・保証を保ったまま環境を変えられる点がメリットです。
ただし、異動の希望が必ずしも通るとは限りません。異動により収入が減ったり、異動先でも雰囲気になじめず同じ悩みを繰り返したりすることもあることを踏まえて異動を検討しましょう。
異動先でどのように貢献できるかを具体的に伝えることが大切です。そのためには、異動先の業務について事前にリサーチしておきましょう。希望する部署の人と話す機会を作り、情報を集められると良いですね。
参考にしよう! 公務員の経験を活かせる仕事
公務員の経験は以下のような業界・職種に活かせる場合があります。
公務員職種 | 転職例 |
---|---|
役所職員・事務 | ITエンジニア・民間企業の事務職・ 福祉や介護施設の職員・介護士・販売職 |
教員 | 私立学校の教員・塾や予備校の講師 |
土木・建築などの専門職 | 採用コンサルティング・キャリアアドバイザー・建築業界・不動産業界 |
警察官 | 警備会社の正社員・指導員・営業職 |
法務局職員 | 司法書士・行政書士・法律事務所の職員 |
税務署職員 | 税理士・税理士法人の職員 |
医療機関職員 | 民間医療施設の医師・看護師 |
国家公務員・官僚 | コンサルタント |
公務員での職種に関連する仕事であれば、これまでに培った経験やスキルを活かした転職が可能です。ただし、公務員のなかでも役所の職員・教員のような文系の地方公務員は、経験を活かせる仕事・向いている仕事を探すのは難易度が高いのが現実です。
民間企業にも窓口担当や事務職はあるものの、利益に対しての考え方や仕事のスピード感が根本的に異なるため、環境や企業の価値観になじむまでに時間がかかる可能性があります。
また、公務員と同じ仕事内容だとしても、給料が下がったり資格取得が必要となったりする場合もあります。職場環境を改善して解消する悩みであれば、異なる公務員職への転職や、異動希望を出した方が転職後のリスクを防げるかもしれません。
民間企業への転職では、利益重視やスピード感に慣れる姿勢が重要です。公務員で培った「正確性」や「調整力」を強調し、具体例を挙げてアピールしましょう。たとえば、計画を遅延なく進めた経験や、多部門間での調整力を伝えると効果的です。
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退職を決断をする前に考えよう! 公務員を辞めるか迷ったときの判断基準
退職を決断をする前に考えよう! 公務員を辞めるか迷ったときの判断基準
- 辞めたい理由が仕事内容によるものか
- 公務員を辞めたことを後悔しないか
- 民間企業への転職で悩みを解消できるのか
公務員を辞めるか迷ったときは、退職を決める判断基準に沿って物事を考えると後悔のない判断ができます。
下記では、退職を決断する前に考えるべき3つの判断基準を解説しています。公務員を辞めた後に「やっぱり公務員が向いていたのかもしれない」と思わないためにも、今の状況とかなえたい将来像を比較して適切に判断しましょう。
辞めたい理由が仕事内容によるものか
公務員を辞めるか迷ったときは、辞めたい理由が仕事内容によるものなのかを見直しましょう。公務員としての仕事内容自体に不満がある場合は改善が難しいため、転職によって状況が好転するかもしれません。
しかし、仕事内容以外のものであった場合は、時間の経過や環境の変化、自分が問題解決のために行動に移すことで解決することもあります。たとえば、辞めたい理由が給料の不満であれば、勤続年数を重ねることで理想の収入を得られる可能性があります。
今一度、辞めたい理由を振り返って、辞めないと解決しない仕事内容によるものなのか慎重に考えて、退職するかとどまるのかを判断しましょう。
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公務員を辞めたことを後悔しないか
退職を決断する前に、公務員を辞めたことを後悔しないかを想像することも重要です。現在抱えている不満を転職先で解消できなかった場合、公務員を辞めたことを後悔する可能性があります。
公務員を辞めると安定した昇給制度・待遇の良さ・雇用の保証を手放すことになります。安定を手放しても転職をしたいのか、辞めたあとに後悔しないのかをしっかり考えましょう。
働くうえで何を大事にしていきたいのかを明確にすることで、後悔のない選択ができます。もし、充実した休暇制度や手当がもらえて、ワークライフバランスの取れる仕事に就きたいのなら、公務員を辞めることは踏みとどまった方が良いかもしれません。
公務員は賃金や雇用そのものが経済状況の影響をほとんど受けず、将来にわたって安定していますので、安心して人生設計ができますね。また社会的な信頼度も抜群です。転職後はそのような安定や信頼性は保証されないこともあるため、よく考えて選択をしましょう。
民間企業への転職で悩みを解消できるのか
民間企業への転職で、今抱えている悩みが必ずしも解消できるとは限りません。民間企業にもさまざまな会社があるため、公務員での悩みが繰り返される可能性もあるためです。
たとえば、「堅苦しさから抜け出して風通しの良い会社で働きたい」と考え、民間企業への転職を希望したとしても、公務員のように年功序列制の強い企業は存在します。人間関係のストレスはどの業種・職場へ転職しても生じる場合もあります。
転職してから後悔しないためにも、目指す業界・企業の特徴や実施実績のある制度などをしっかり調べておくことが大切です。
カルチャーギャップには注意が必要です。自分が「普通」や「常識」だと思っていたことが、実は前職だけのローカルルールだった、ということもあります。定年退職後の再就職や大企業から中小企業への転職での失敗談は、非常に参考になります。
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把握しておこう! 辞める前に注意するべきポイント
把握しておこう! 辞める前に注意するべきポイント
- 失業保険がないため転職時期に注意する
- 退職しやすい時期を確認しておく
- 転職先の希望条件を明確にしておく
公務員を辞めると決断したら、辞める前に把握しておくべきポイントがあります。退職時や退職後に「こんなはずじゃなかった……」と後悔しないためにも押さえておきましょう。
下記では、公務員を辞める前に注意するべきポイントを解説しているので、スムーズな退職手続きや転職活動にするための参考にしてくださいね。
失業保険がないため転職時期に注意する
公務員は雇用保険法第六条により「雇用保険の適用対象外」であり、失業保険が受け取れません。そのため、退職してから転職までの期間が長引くと金銭的に苦しくなるケースもあり得るため、転職時期に注意が必要です。
なお、条件を満たしていれば失業保険の代わりに退職手当が支給されます。支給額を決める要素は、退職前の給与額・勤続年数・退職時の年齢・退職理由(自己退職・定年退職など)です。
勤続年数が短い場合や自己退職である場合は、失業保険の相当額より退職手当の支給率が低いことに注意しましょう。退職手当をあてにして退職後のプランを考えていないと、転職活動が長引いたときに生活に影響を及ぼす恐れがあります。
退職手当は勤続年数や退職理由によって支給額が大きく異なり、失業保険の代替として十分でない場合があります。生活費の計画を立て、転職活動の長期化に備えることが重要です。ファイナンシャルプランナーなど、専門家に相談してみるのもいいですね。
退職しやすい時期を確認しておく
上司に退職の意思を伝える前に、退職しやすい時期をあらかじめ確認しておきましょう。退職するためにはさまざまな手続きを要するため、時間がかかって退職時期が長引いてしまう可能性があります。
退職の手続きには、上司への相談・退職願と退職届の提出・同僚への引き継ぎなどが挙げられます。所属長との面談や有給休暇の消化なども要するため、余裕を持って退職の手続きをおこなうことが大切です。
また、繁忙期での退職や急な退職願の提出は同僚へ不安感を与えたり、退職手続きがスムーズに進まなかったりします。退職希望日から逆算して、1〜2ヶ月前に必要書類の準備や上司への相談をするなど、余裕を持って退職手続きを進めましょう。
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転職先の希望条件を明確にしておく
公務員を辞めると決めたら、転職活動をする前に転職先の希望条件を明確にしましょう。転職先へ求める条件が決まっていないと、業界選び・職場選びの軸がブレて入社後のミスマッチが起こりやすいためです。
転職先へ求める条件の例は、以下が挙げられます。
転職先の希望条件の例
- テレワーク・フレックス勤務ができて柔軟な働き方に対応している会社
- 専門知識やスキルを積んでキャリアアップを目指せる会社
- 成果主義でスキルや実績を評価される会社
- 転勤がなく拠点を変えずに出社できる会社
転職先の希望条件を明確にすることで、譲れないポイントが見えてきます。満足度の高い転職を実現させるためにも、仕事をするうえでどのような点を重要とするのか、しっかりと見直しましょう。
公務員を辞めるべきか検討したうえで自分に合った選択をしよう
公務員は給料の安定や雇用が保証されている点から、周囲から羨ましがられる職業です。しかし、年功序列制が強くて古くからの規則が残っていることから、働きにくさを感じたりモチベーション低下につながったりする人もいます。
公務員を辞めるか悩んだ際は、辞めたい理由が公務員特有の問題であるのか、職場環境によるものなのかなどを明確にしましょう。理由によっては時間の経過や環境の変化、自らの行動によって悩みを解消できる場合もあります。
公務員を辞める・辞めないにしても、仕事上で重視するポイントがブレてしまえば今後も同じことでつまづいてしまう可能性があります。まずは、自分のなかにある仕事への価値観を深掘りして、後悔のない選択をしましょう。
アドバイザーコメント
吉野 郁子
プロフィールを見る退職は迷いなく決断できるときにしよう
公務員からの転職は片道切符です。退職の決断は一度しかできないため、そのタイミングが今なのか、もう少し待つべきかをじっくり考えましょう。不安を感じるときには、無理に行動を起こさず、「時間が味方してくれる」と考えてみるのも良いでしょう。人生には波がありますが、運気は必ず変わるものです。
自分の選択を後悔しないように前向きな気持ちで臨もう
また、自分の悩みが本当に仕事についてなのかも考えてみましょう。「さみしい」「認められたい」「退屈」といった感情が、転職の悩みにすり替わっていないでしょうか。さらに、収入額についても冷静に考えることが大切です。転職で「もっとやりたいことに挑戦したい」と思ったら、求人情報を調べ、賃金相場を確認してみましょう。自分が憧れる仕事は、ほかの人も目指していることが多いため、「応募して、選考が順調に進んだら退職を考える」くらいの気持ちでも良いかもしれません。
最終的には「人生は一度きり」「自分の人生だから」という言葉に行き着くのではないでしょうか。「自分の選んだ道を正解にする」という強い気持ちで選択に臨んでください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/公認心理師
Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当
プロフィール詳細行政書士
Emi Maeda〇大学・短大・専門学校などでの「文章力養成講座」や「公務員試験対策講座」において、論文対策から法律系科目まで幅広い分野で講師を務め、おもに公務員を志望する多くの人のサポートに従事
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
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