本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
「SCREENホールディングスはやばい」
主力事業である半導体製造装置で世界クラスのシェアを誇る産業機器メーカーです。しかし、企業について調べてみると、「部署によっては激務」「勤務地が地方に限定」といった噂が目につきます。
そこで、SCREENホールディングスの噂について、具体的なデータを用いて実態を読み解いていきます。また、キャリアコンサルタントからも就活のプロとして専門的な解説をしているので、併せて参考にしてみてください。
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1分でわかるSCREENホールディングス
SCREENホールディングスとは
1943年に設立された、京都市に本社を置く持株会社。グループ会社の経営管理をおもな事業とする。主力の半導体製造装置をはじめ、デジタル印刷機などのグラフィックアーツ機器、ディスプレー製造装置、プリント基板関連機器の開発・製造・販売・保守サービスをグローバルに展開。さらに、ライフサイエンス分野や水素などのエネルギー分野といった新規事業にも取り組む。
| 会社名 | 株式会社SCREENホールディングス (SCREEN Holdings Co., Ltd.) |
| 従業員数(連結) | 6,884名(2026年3月31日現在) |
| 本社所在地 | 京都市上京区 |
| おもな事業 | ・おもに持株会社としてのグループ会社の経営管理業務 ・その他、定款に定めのある業務ならびにそれらに付随する業務 |
| 売上高(連結) | 6,057億4,800万円(前年同期比3.1%減)(2026年3月期) |
| 経常利益(連結) | 1,225億2,200万円(同期9.7%減)(同期間) |
| 企業HP | https://www.screen.co.jp/ |
| 新卒採用HP | https://www.screen.co.jp/recruit/fresh/ |
「SCREENホールディングスがやばい」と言われる4つの理由|プロが読み解く
「SCREENホールディングスはやばい」と言われる4つの理由
SCREENホールディングスがやばいと言われるおもな理由を4つにまとめています。なぜネガティブな話題が挙がるのかについて詳しく説明していき、また、キャリアコンサルタントからも解説をしているので、併せて参考にしてみてください。
①部署によっては激務になるから
SCREENホールディングスは残業時間を公式に発表していません。口コミサイト等ではおよそ20~23時間程度という報告が多いようです。
激務という評判が挙がる理由としては、顧客先で新規に装置を立ち上げたり、製造機器にトラブルがあった際に急遽で対応が必要になったりするといった業務上の特性が考えられます。その対応には、海外の拠点も含まれることから、海外出張などが発生する可能性があることも、原因として考えられます。
激務となる瞬間はあるにしても、同社は初年度から23.0日の有給休暇を付与、有給取得日数や取得率でも製造業界の平均を上回る高水準となっているため、繁閑の差が激しいという点を押さえておきましょう(※1)(※2)。
| SCREENホールディングス | 製造業界の平均 | |
|---|---|---|
| 有給休暇付与日数 | 23.0日 | 18.3日 |
| 有給休暇取得日数 | 18.0日 | 12.9日 |
| 有給休暇取得率 | 82.6% | 70.4% |
※1 SCREENホールディングス 研修制度&福利厚生
※2 厚労省 令和6年就労条件総合調査の概況
プロのアドバイザーはこう分析!イレギュラーな対応は少ない! 緩急のある働き方と言える
「急な対応や海外出張が頻繁にあるのでは」という懸念に対しては、業務の仕組みを正確にとらえる必要があります。
装置の立ち上げは数カ月前から計画的に組まれますし、突発的なトラブルもチームで組織的に対応する体制が整えられています。
若手社員が単独で海外対応を迫られるケースは多くはなく、基本的には先輩とチームで赴く運用です。
最先端を支える仕事ゆえにタフな対応を求められる局面はありますが、同社は業務の負荷に対してしっかり休める制度や仕組みが構築されています。
社員が働きやすい労働環境の整った企業である
実際、同社は経済産業省と東京証券取引所から、優れた健康管理をおこなう企業として「健康経営銘柄」に選定されています。
さらに、優良な上位法人である「ホワイト500」にも連続で認定されており、外部機関の評価からも労務管理の厳格さが示されています。
「常に激務が続く」というわけではなく、有給取得率も8割を超えるなど、「メリハリが明確な働き方」であると認識しておくと良いと考えられます。
あなたが製造業界に向いているか確認してください
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②勤務地が地方に限定されるから
京都府に本社を構え、滋賀県や富山県にも勤務地を展開しています。一部の企業では東京都での勤務も可能となっていますが、全体的には地方勤務の割合が高いのが実情です(※1)。
| 企業名 | 勤務地 |
|---|---|
| SCREENホールディングス | 京都(本社、洛西)、東京(門前仲町) |
SCREENセミコンダクターソリューションズ | 京都(本社、洛西)、滋賀(彦根、多賀)、富山(高岡)、東京(門前仲町) |
| SCREENグラフィックソリューションズ | 京都(久御山)、東京(門前仲町) |
| SCREENファインテックソリューションズ | 京都(本社)、滋賀(彦根、野洲) |
| SCREEN PE ソリューションズ | 京都(本社)、滋賀(野洲) |
| SCREENアドバンストシステムソリューションズ | 京都(本社、洛西)、東京(門前仲町) |
| SCREEN IP ソリューションズ | 京都(本社) |
また、同社はジョブローテーションでの部署異動の可能性があり、配属地が地方でなくても、部署によっては久世事業所(京都府)や野洲事業所(滋賀県)への転勤を命じられることもあるようです(※2)。
さらに、同社は海外にも52箇所もの拠点を設けているため、勤務地希望にこだわりがある人は、どの企業でどの職種を希望しているのかを明確にしたうえで、採用説明会やOB・OG訪問等において詳細を確認をするのが良いでしょう。
※1 SCREENホールディングス 職種を知る
※2 SCREENホールディングス よくあるご質問
アドバイザーのリアル・アドバイス!関西在住の人にとっては安心して働ける企業である
勤務地へのこだわりとは、地元志向なのかどうかを考える必要があります。
SCREENホールディングスは、京都・滋賀在住の人にとっては、地元の企業であり愛着もあるでしょう。転勤リスクが低く、地元で腰を据えて働ける環境として魅力的です。
職種によっては勤務地がほぼ固定されるケースもあり、ライフプランを立てやすいという側面もあります。勤務地へのこだわりが強くても、通勤圏内ととらえて良いでしょう。
転勤や海外への異動に注意! 自分の希望とすり合わせよう
一方でそれ以外の地域に住んでいて、そこから離れたくない人は、難しいと考えざるをえません。特に関西への転勤の可能性は十分にあります。
また、SCREENホールディングスは、52箇所にのぼるグローバル拠点を持つ企業です。職種や配属先によっては海外赴任や出張が発生する可能性は十分にあります。
特にフィールドエンジニアなど顧客対応を伴う職種では、海外への対応も視野に入れておくべきでしょう。
志望する職種と希望する勤務地を事前に整理したうえで、採用情報や社員の声を積極的に調べる姿勢が大切です。
③シリコンサイクルの影響で業績が下がったから
半導体にかかわる企業では、シリコンサイクルと呼ばれる業界特有の景気の波に、業績が影響を受けることがあります。
シリコンサイクル
半導体業界において3~4年周期で繰り返される好況と不況の波。半導体の需要が上がることで投資が拡大され、過剰な供給と価格の下落が起き、その後に回復をするという一連の流れがある。
実際に、SCREENホールディングスの2026年3月期の決算では全体の売上高が前期比で3.1%減少しています。その一因として、半導体製造装置事業においてファウンドリー向けの装置売上が減ったことで、売上高が前期比で6.5%下がったと述べられています(※1)
しかし、同社は2025年3月期までに一時的に下落することがあっても、右肩上がりで業績を伸ばしてきました(※2)。そのため、半導体の需要の影響で業績に波があることを理解しつつ、業界の動向に合わせて売上を伸ばすことのできる企業だと認識しておきましょう。

※1 SCREENホールディングス 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
※2 SCREENホールディングス 決算短期
プロのアドバイザーはこう分析!噂だけでなく企業の実情を確認しよう
半導体業界特有の「シリコンサイクル」を懸念する声はありますが、今後の見通しは客観的な報道から冷静にとらえる必要があります。
日本経済新聞の報道によると、同社が発表した2027年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比20%増の7,250億円、純利益が20%増の1,100億円と、過去最高を更新する見通しです。
背景には、生成AI向けを中心とした最先端ロジックなどの旺盛な需要があります。
また、直近の日経ビジネスの解説記事でも、同社はウエハーの枚葉式洗浄装置で世界シェア約38%を握るトップメーカーであり、台湾のTSMCなど世界的企業にとっても不可欠な存在であると報じられています。
業界の動きに合わせて柔軟に動ける企業である
一時的な業界の波による下落はあっても、需要の波をとらえて再び成長軌道へ戻す地力があることは、こうした報道データからも示されています。
単年の数値だけに一喜一憂せず、業界内での圧倒的なシェアと長期的な成長性という事実に着目すると良いでしょう。
あなたが受けないほうがいい職業を診断しましょう
就活を進めていると、自分に合う職業がわからず悩んでしまうことも多いでしょう。
そんな時は「適職診断」がおすすめです。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強みや性格、価値観を分析して適職や適さない職業を特定してくれます。
自分の適職や適さない職業を理解して、自信を持って就活を進めましょう。
④離職率が高いと言われているから
SCREENホールディングスについて調べると、離職率が高いという情報が出てきます。
同社は新卒3年以内の定着率は95.3%(2022年4月入社者)(※1)と公表されており、製造業界では同年入社の平均定着率は78.8%(離職率21.2%から算出)(※2)となっていることから、離職率自体は低いと見ることができます。
業務の形態上、製造装置にトラブルがあった際に対応が必要になることや、勤務地が地方に集中していること、業績に波があることなどの理由が、辞める人が多いと言われている要因と考えられます。
※1 SCREENホールディングス 数字で見るSCREENグループ
※2 厚労省 新規学卒者の離職状況
プロのアドバイザーはこう分析!市場価値を上げてキャリアアップをするポジティブな離職もある
SCREENホールディングスは定着率のデータを見る限り、離職率が特別に高い企業とは言えません。ただ、離職する人がいる理由を考えることは、入社前の企業理解として大切です。
まずポジティブな側面として、同社で培われる技術力やグローバルな経験が、市場で極めて高く評価される点が挙げられます。
世界最先端の半導体製造装置という高度な専門分野での経験は、市場価値が高いと考えて良いでしょう。
ほかの一流企業や外資系企業から好条件で引き合いを受けることもあります。このように、さらなるキャリアアップを目指して前向きに転進するケースも一定数いると考えられます。
後ろ向きな離職理由もチェックしておこう
一方、ネガティブな面もあります。装置トラブルなど顧客対応に伴う突発的な対応や、頻繁な海外出張による生活リズムの変化が考えられます。
あるいは地方勤務への適応、業績の波に連動した賞与の変動などが、離職につながる要因として考えられます。
やばい理由について自分がどう受け止めるかを考えよう
自分が気になっている企業にやばいという話題が挙がると焦ってしまいますが、大切なのは自分にとってどう感じるかということです。
実際に噂が事実であった場合も、その実態について自分が求めるものと照らし合わせて、企業との適性を見極めましょう。
アドバイザーのリアル・アドバイス!働き方の差と業績の変動について理解しておこう
SCREENホールディングスについて「やばい」と言われる理由のうち、この記事で触れていない点として注目したいのが、「職種・配属先による働き方の格差」と「業績連動リスク」の二点です。
まず、フィールドエンジニア職は装置の据付やトラブル対応が伴うため、繁忙期には休日出勤や急な対応が発生しやすい実態があります。
全社の平均残業時間は月20時間台と標準的な水準に収まっているものの、職種や配属先によって働き方が変わるため、事前にしっかりと実態を確認すべきです。
次に、同社は売上の約4割を中国市場が占めており、地政学リスクや輸出規制の動向によって業績が変動する可能性があります。賞与は業績連動型のため、半導体サイクルの波を受けやすい点も頭に入れておきましょう。
噂だけでの判断はNG! 理想のキャリアとのマッチ度を確認しよう
一方で、平均年収・有給取得率・男性育休取得率はいずれも高水準であり、企業としての地力は十分です。
「やばい」という噂より、自分の希望する職種・勤務地・ライフスタイルと合致するかを軸に選考を進めることが、後悔しない判断につながります。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi






3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
国家資格キャリアコンサルタント/国際コーチング連盟(ICF)ACC
Atsushi Ikarashi〇欧州系日本法人の代表取締役。新卒で日本企業に5年、東南アジア現地法人に12年勤務し、帰国後外資企業に就職。経営者視点でキャリア形成の支援をする。MBA(海外)取得済
プロフィール詳細2級キャリアコンサルティング技能士/全国経理教育協会 社会人常識マナー検定2級
Tomohiro Morita〇理系大学院修了後に企業で勤務。その後、キャリア支援・セミナー講師・文章制作などマルチに活躍。就職・転職に関する情報整理や書類作成、意思決定支援をおこなう
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/国家検定2級キャリアコンサルティング技能士
Yuichi Hirano〇主体的なキャリア形成にて代表取締役を務める。福商実務研修講座にて講師を担当するほか、人材サービス会社などで実践を重ねる。18年間で1万人以上の面談実績あり
プロフィール詳細