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システムエンジニアへの就職を検討する女性のなかには、「働きやすい環境があるのだろうか」「女性もやっていける仕事なのだろうか」と不安に思う人もいると思います。
この記事では、元システムエンジニア・エンジニアであるキャリアコンサルタントの3人とともに、女性のシステムエンジニアの割合、働きやすさ、キャリアを紐解きます。
システムエンジニアを目指す学生はぜひ参考にしてください。
※近年、ダイバーシティ&インクルージョンやジェンダー尊重の考え方が重視されています。PORTキャリアも、就職・転職活動においてこれらを大切にしています。
本コンテンツで紹介するノウハウやマナーは、特定の価値観を押し付けるものではありません。あくまで情報や選択肢の一例として、ご自身の考えやスタイルに合うものを参考にしてください。
システムエンジニアとは
IT業界を支えるシステムエンジニアに、華やかなイメージがある一方で、「きつい」といった噂を耳にすることもあるかもしれません。
まずはシステムエンジニアの具体的な仕事内容から、働くうえでのリアルなやりがい、そして直面する大変なことまでをわかりやすく解説します。
やりがい
システムエンジニアには他の職種では味わえない独自の魅力があります。
システムエンジニアのやりがい
- 自分がかかわったシステムで社会を動かせる
銀行のアプリ、コンビニのレジ、物流の管理システムなど、システムエンジニアが作るものは人々の生活に直結する。携わったシステムが世に出て多くの人が使っていることのやりがいがある。 - ものづくりの達成感がある
ロジックを組み立てて思い通りのシステムを作ることに面白さがある。課題に対して最適な解決策を導き出せた瞬間も達成感を感じられる。 - キャリアパスが豊富にある
IT人材の不足が続く現代、経験を積むことで、プロジェクトマネージャーやITコンサルタント、フリーランスなど、さまざまな選択肢がある。
大変さ
システムエンジニアには仕事内容の難しさなど、高い壁も存在します。
システムエンジニアの大変さ
- 納期直前のプレッシャー
システム開発には厳格な「納期」がある。進捗が遅れている場合や、システムに重大な不具合が見つかったときは、残業や休日出勤が発生することがある。精神的プレッシャーも小さくはない。 - クライアントと開発現場の板挟み
プロジェクトの途中で、クライアントからと急な要望が出ることは日常茶飯事。予算やスケジュールの都合上、現場のプログラマーからは反発されることもある。両者の間に立ち調整するスキルが必要。 - 日々のキャッチアップ
IT業界の技術の進化は凄まじく、AIやクラウドなど、新しい技術やトレンドが次々と登場するため、休日や就業後も一生勉強を続ける覚悟が求められる。
システムエンジニアの女性の割合
システムエンジニアとして働く女性はどれほどいるのでしょうか。まずはシステムエンジニアに占める女性の割合を見て、職場環境をイメージしてみましょう。
女性労働者の割合

厚生労働省の賃金構造基本統計調査を確認すると、システムエンジニアに該当するシステムコンサル・設計者やソフトウェア作成者の女性割合は20%台となっています。
全体平均が45.3%であるため、システムエンジニアの女性割合はやや低いといえます。
参考
システムコンサルタント・設計者/ソフトウェア作成者の男女比率:令和7年賃金構造基本統計調査
全体平均:令和4年就業構造基本調査
元システムエンジニア杉原さんが語るリアル
IT業界は理系・文系を問わず学生に門戸を開いています。しかし、理系に進学する「リケジョ」は少数です。
また多くの女子学生は、結婚・出産・育児を意識して、安定して働き続けられる会社を選ぶ傾向が強いです。技術進歩の早さも、敬遠要因と思われます。
女性正社員の割合

システムエンジニアが所属する情報通信業の女性正社員割合を見ると、全体よりも高く、67.6%となっています。
これは企業のIT化推進による慢性的な人材不足や、情報漏洩を防ぐために責任の所在が明確な正社員に仕事を任せる傾向にあることが理由として考えられます。
参考:令和4年就業構造基本調査
女性管理職の割合

システムエンジニアが所属する情報通信業の女性管理職割合は、全体と比較するとやや高く15%となっています。
実力が評価されやすい職種
IT業界は実力主義が比較的強く、スキルが素直に評価されます。また在宅勤務等の柔軟な働き方もしやすく、ライフイベント後もキャリアを継続しやすい環境が多いです。
私がシステムエンジニアとして過去働いていた職場でも管理職8人中3人が女性で、実力はもちろん、子育てと両立している方もいました。このような理由から女性管理職が多いのではないでしょうか。
システムエンジニアの女性の働きやすさ
システムエンジニアの女性の働きやすさ
長期的な働きやすさを確かめるには、平均勤続年数、残業時間、育休取得率などをチェックするのがおすすめです。居心地の良さや私生活との両立、柔軟性などを確かめる材料となります。
ここから各指標をチェックしていきましょう。
平均勤続年数

賃金構造基本統計調査によれば、システムエンジニアに該当するシステムコンサル・設計者やソフトウェア作成者の女性の平均勤続年数は有業者の女性全体と比べて短く、長期的に働くのが難しい可能性も考えられます。
突発的な業務の多さで働き続けるのが難しく感じることも
エンジニアの仕事には、システムの切り替えや更新、突発的な障害対応があります。
システムを止めないことが大前提ですので、深夜作業や休日出勤、緊急呼び出しなどの対応が必要です。
そうなると家庭や子供を持つ女性にとって、働き続けることが難しい場合が多いのだと思います。
平均残業時間

同じく賃金構造基本統計調査によると、システムコンサル・設計者やソフトウェア作成者はいずれも全体よりも平均残業時間が長く、仕事がハードである可能性が考えられます。
参考
システムコンサルタント・設計者/ソフトウェア作成者の平均時間:令和7年賃金構造基本統計調査
全体平均:令和6年賃金構造基本統計調査(同年度調査にはなし)
育休取得率

同じく賃金構造基本統計調査では、システムエンジニアが含まれる情報通信業の女性の育休取得率は全体と比べてやや高く、出産や育児を見越しても働きやすい環境である可能性が考えられます。
マタハラ等ハラスメント防止対策の状況

妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント防止の取り組みをおこなっている企業割合を確認すると、全体に対しシステムエンジニアが属する情報通信業は96.6%となり、やや高い割合で対策がなされていると見ることができます。
元エンジニア・霞さんが語る働きやすさのリアル
情報通信業界では人材確保競争が激しく、専門人材の離職防止が重要視されています。
働き方改革やリモート勤務との親和性も高く、多様な人材活用を進める中で、マタハラ等ハラスメント対策が他業界より先行したと考えられます。
実際私がいた企業でも子育て支援が男女問わず進んでおり、子育てと仕事の両立がしやすい環境だったと思います。
システムエンジニアの女性のキャリア例
システムエンジニアの女性は長期的にどう活躍できるのでしょうか。ここからは、システムエンジニアが所属する企業の女性のキャリア例を紹介します。
各社HPにより各社員の背景や思いも詳しく語られているので、ぜひチェックして自分の理想の働き方が叶うか確認してみてください。
NTTデータ
| 所属 | 第一公共事業本部(2017年度入社) |
| 現在の仕事 | 官公庁向けの大規模システムでSIベンダーとして複数プロジェクトの影響分析やリスク未然防止など、横断的なマネジメントを担当。また、ビジネスコンテストの制度設計・運営もおこなう |
| 働き方・今後のキャリア | 開発経験を積んで理解を深める段階にあり、将来的にはUI/UXデザイナーや新規ビジネス創出領域のコンサルティング業務で活躍し、新たなサービスや体験価値創出を主導する人材を目指す |
富士通
| 所属 | Manufacturing事業本部 システムエンジニア(2022年キャリア入社) |
| 経歴 | 専業主婦→派遣の事務職→子育ての傍ら職業訓練校でプログラミングを学び、夫の転勤に合わせて転職を繰り返しつつERPパッケージ導入などのSE経験を積む→富士通に入社 |
| 現在の仕事 | 大手家電メーカーのECサイト構築プロジェクトに参画し、DX変革の一環である物流改革を進める。商談活動など企画の初期段階から携わる |
| 働き方・今後のキャリア | 2児の母・夫が単身赴任中の環境で、フルリモート前提・コアタイムなしのフレックス勤務を活用し、家事や学校行事に合わせて柔軟にスケジュールを組む。今後は他部署や管理職への挑戦も検討 |
SCSK
| 所属 | SCSK SCシステム事業本部 課長(2004年入社) |
| 経歴 | これまでに1年以上の長期の育児休業を2回取得。復帰後は9時〜16時の短時間勤務を活用 |
| 働き方・今後のキャリア | 2回目の育休復帰時に、時短勤務でありながらプロジェクトマネージャーという重要な役割を任される。 コアタイムのないスーパーフレックス制度や在宅勤務を利用し、子どもの学校行事などに柔軟に対応しながら、ライフステージの変化に合わせた成長を続ける |
参考:SCSKの働き方を語る
また、元システムエンジニア杉原さんのキャリアも聞いてみました。リアルな経験をぜひ参考にしてください。
アドバイザーのリアル・アドバイス!頭脳・能力・意欲・努力があれば活躍できる!
私がシステムエンジニアに就職したのは、最先端という理由です。まだコンピュータが一般的でない時代に、文系出身だったので、マイナスからのスタートでした。
ですが、仕事のすべてが「できない」わけではありません。できる仕事を一生懸命にやっていました。
3年目までは悩むことも多かったのですが、理系・情報系出身のエリートたちにもまれるうち、私は開発の仕事よりPMや設計など上流工程が向いていることに気が付き、そこからは俄然精力的に取り組むようになりました。
女性も存分に力を発揮できる! ぜひチャレンジしてほしい
設計部門との信頼関係も生まれ、今でも交流があるくらいです。
ITの世界に男女差は一切なく、事実、一番優秀だった同期の女性は日立グループの執行役員です。
必要なのは頭脳と能力、そして意欲と努力です。女性が存分に実力を発揮できるこの仕事に、もっと多くの人に挑戦してほしいと思います。
各指標を参考にシステムエンジニアを目指すか検討しよう
システムエンジニアの女性は正社員や管理職割合が全体と比べて高く、また育休取得率も高い環境にあるため、柔軟な働き方ができると考えられます。
一方で残業時間は長くなる傾向にあり、仕事の難易度が高い・量が多い可能性もあります。
また、育休を経て管理職として活躍する社員も実在することがわかりました。これらを参考に、自分の理想とする働き方が実現できそうかぜひ考えてみてください。
本コンテンツにおける編集方針
近年では「ダイバーシティー&インクルージョン(D&I=多様性と社会的包摂)」およびジェンダー尊重の重要性が増しており、PORTキャリアでは、就職活動・転職活動においてそうした取り組みを推進する立場をとっています。
本コンテンツでご紹介する就職活動、転職活動に関連するノウハウ、マナー、対策等の情報は、特定の価値観を押し付けたり個性を損なわせる目的でなく、情報提供及び選択肢の提示であることをご理解いただき、情報の取捨選択については、あくまでそれぞれの価値観ないし個性に基づいて判断いただければ幸いです。
※PORTキャリアのダイバーシティ&インクルージョンな 就活を推進する取り組みについてはこちらにて詳しく説明しています
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi





3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士
Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント
Takuya Takahashi〇人材系スタートアップ企業で採用支援・D&I推進に従事。その後、SIer企業でエンジニア兼研修講師として新人育成に参画。現在はNPOで若者の居場所支援やケアに取り組む
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/両立支援コーディネーター
Shiho Kasumi〇人事ビジネスパートナー、人事コンサルタントとして企業や官公庁の採用活動を支援。採用戦略の設計や面接プロセスの構築などをおこないながら、採用のプロとして内定者フォローにも携わる
プロフィール詳細