Q
大学4年生
女性
やはり「文学部の就職は悲惨」なのでしょうか?
就活を控えているのですが、インターネットの情報を見ると「文学部の就職は悲惨だ」と書かれていて、就職活動がとても不安です。理系学部のように専門分野がはっきりしているわけではなく、資格も持っていないため何をアピールすれば良いかわかりません。
ガクチカで話しているゼミの文学研究についても、ビジネスでどう役立つかがうまく説明できずに困っています。ほかの学部の人たちは仕事で役立つ専門知識や資格をアピールしてくるのかと思うと、自分だけ武器を持たず面接を受けて大丈夫なのだろうかと心配です。
専門性のない文学部の学生が就職活動を成功させるのはやはり難しいのでしょうか。この状況を乗り越えるために取り組めることや考え方についてアドバイスをいただきたいです。
※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています
文学部の就活は悲惨ではない! 言葉と構造で動かす力が武器になる
文学部卒のキャリアコンサルタントより回答します。結論からお伝えすると、文学部が特段就活面で悲惨なわけではありません。
文学部で培った力は、言葉と構造で物事を動かす多くの仕事に直結しますし、ゼミなど研究で培った課題改善や仮説検証の能力は仕事にも役立ちます。
研究内容を「プロセス」で語ると、一気に評価される
面接で伝わりにくいことがあるとすると、研究の語りが「作品名や固有名詞の紹介」に偏り、ビジネスの現場での再現性に翻訳されていないからです。
たとえば、作品比較の議論は「曖昧な問いを定義し、一次情報を集め、仮説と反証を経て結論を出すプロセス」です。これは要件定義や調査設計、提案書の骨子づくりと同じ構造です。
ガクチカでは「何を問いにしたのか」「どう情報を集め整理したのか」「どの基準で結論に至ったのか」を、固有名詞よりプロセス中心で語ってみてください。
文学部からの志望職種としては、営業、CS、採用人事、編集進行、広報、リサーチなどが学習の内容とも親和的です。
実務に活かすイメージにつなげられると説得力アップ
加えて、2週間で良いので実務に寄せたアウトプットを3本作ると一気に通りやすくなります。
たとえば、ある商品のFAQを10項目に要約する、架空クライアントへの提案骨子を1枚にまとめる、長文記事を目的別に要約する、といった書いて伝える実績を残せると、「文学を学んだ私だから、抽象を言語化し、他者が使える形に落とせる」という説得材料になります。
学んだことを実務に活かすイメージを付けることさえできれば、文学部の経歴は強い武器になります。
文学部だからと気にする必要はない! 学びの過程が重要
文学部だからといって就職が悲惨ということはありませんし、そこを気にする必要はありません。 というのも、海外と日本とでは就職のあり方が違うからです。
海外では専攻と職種が直結することが多いですが、日本の場合は理系専門職などを除くと、自分の専攻をそのまま就職へ直結させるケースばかりではありません。
焦って無理に仕事と結びつける必要はない
「文学部は専門スキルがないから不利だ」と不安になる学生さんもいますが、それは文学部に限らず文系全般に言えることです。企業側も「文学部だから」という理由で評価を下げることはありません。
無理に学んでいる内容を仕事に直結させようと焦る必要はないのです。
重要なのは「何を学んだか」よりも「どう学んだか」
学ぶ内容そのものよりも、ゼミ活動などで「事前にどのような準備をしたか」「周囲とどう調整を図ったか」といった、学ぶ過程に目を向けてみてください。
実際に社会に出た方からも、学問の中身そのものより、そのプロセスで培った経験のほうが仕事に活きていると聞きます。 ご自身の頑張ったことを振り返ってみましょう。
以下の記事では文系におすすめの就職先や選び方などを解説しています。「文系出身でどこに就職すべきか迷っている」と悩みを抱えている人は、視野を広げるためにもぜひ参考にしてください。
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