この記事のまとめ
- 文系の就職先は多様! 8業界・人気90社とともに解説
- 文系の就職先選びではおもな5職種の特徴も押さえておこう
- 就職先に迷う文系に向けて失敗しない仕事選びのコツも紹介
文系の就職先というと、営業職や事務職が思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。「文系の就職先は少ないのかな」と不安に感じている人もいれば、ほかにどんな就職先があるのか気になっている人もいるかもしれません。
実は文系の就職先は幅広く、そのうえ近年ではトレンドにも少し変化があります。そのためどんな選択肢があるのか、全体像を把握しておくことが重要なのです。この記事ではキャリアコンサルタントの小関さん、渡部さん、小西さんとともに、文系の就職先を業界や職種を交えて解説します。
人気企業ランキングや理想の就職をかなえるポイントも解説するので、この記事で文系の就職先の理解を深めて、良いスタートダッシュを切りましょう。
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「文系の就職先はない」は嘘! 幅広い選択肢があることを知ろう
「文系の就職先は少ない」「文系は理系よりも就職が不利」などと聞いて、不安な人もいるかもしれません。しかし文系の就職先は幅広く、文系だから、理系だからという理由で不利になることもないので安心してください。
ただ、文系と理系で就職面に違いがあるのも事実です。記事ではまず両者の新卒採用の特徴を解説するので、なぜ「文系の就職先は少ない」と言われるのかを理解しましょう。
後半では、文系の具体的な就職先を業界別の人気企業ランキングとともに紹介します。職種や近年のトレンドも解説するので、文系のキャリアの全体像を把握できますよ。
最後に、文系の多様な就職先の中から自分に合った仕事を見つけるためのポイントも解説します。この記事で文系ならではの選択肢をつかんで、最適なキャリア選択をしてください。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
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まず大前提から! 新卒採用では専攻内容よりも人物像が重視される
「文系だから就職に不利になるのでは……」と不安を感じる学生は多いものですが、そもそも新卒採用において、企業は学生の専攻分野をそれほど重視していません。
リクルート就職みらい研究所の就職白書2023データ集によると、企業が採用基準で重視することの第1位は「人柄」です。その後も熱意や今後の可能性など、専攻とは関係のない項目が続き、「大学/大学院で身に付けた専門性 」は9位の23.2%とあまり多くはありません。
企業が専門性よりも人柄を重視するにはさまざまな理由がありますが、一つは日本の新卒採用がポテンシャル採用だからです。
ポテンシャル採用とは
すでに持っているスキルや知識よりも、入社後にどれくらい成長・活躍していきそうかという可能性を重視して採用すること。日本の新卒採用の大きな特徴の一つ
学校を卒業したばかりの新卒は吸収力が高く、まだまだこれから成長していきます。そのため専攻してきた内容よりも、入社後に学ぶ意欲があるか、自社でうまくやっていけそうかという人物面を企業は重視しているのです。
もちろん面接で専攻内容について聞かれることはありますが、そこで企業が興味を持っているのはあくまでも「どのように学んできたか」であり、学ぶ姿勢や努力など、人柄が表れる部分を見ているといえます。
したがって、「文系だから」「実務に直結する分野ではないから」などと過剰に心配する必要はないでしょう。
- 文系の場合は志望業界で専攻内容を活かせる場合でも、あまりアピールにならないのでしょうか?
アピールすることはできる! 真剣に取り組んだ姿勢を伝えよう
アピールにならないことは決してありませんが、理系ほど専攻内容が評価につながらないというのが実情です。
新卒学生であってもほぼ即戦力と見なされる理系就職と比べると、その点で劣るというのは間違いないでしょう。
では、どのようにアピールするべきか。採用側としては、しっかりと勉強してきた学生を欲します。専攻した内容というよりも、どれくらい学問に真剣に取り組んできたかという尺度を重視するのです。
たとえば「卒論を書くにあたり、〇人から話を聞いた」、「ゼミ代表として、運営に取り組んだ」などは十分アピール材料になり得ます。
なぜ文系の就職先は少ないと言われている? 理系との比較
文系 | 理系 | |
---|---|---|
就職率 | 97.1% | 98.1% |
採用方法 | 総合職採用がメジャー | 専門職採用がメジャー |
職種の幅 | 職種は少ないが業界は広い | 職種は多いが業界は狭い |
文系だからといって就職に不安になる必要はないものの、「文系の就職先は少ない」と噂されることがあるのも事実です。なぜなのか気になる人も多いですよね。
その背景には、文系と理系との採用の違いがあります。ここでは両者を比較しながら、文系が理系より就職先が少ないと言われるわけを解説していくので、実態を正しくつかめるようになりましょう。
就職率:実はほぼ変わらない
文部科学省が発表した令和4年度大学等卒業予定者の就職状況調査によると、2023卒の就職率は文系が97.1%、理系が98.1%でした。文系と理系の差はわずか1%です。
文系は理系よりも就職で不利と言われることがありますが、実際にはほとんど変わらないということがわかります。就職できるかどうかという点では、文系か理系かは関係ないのです。
就職率はさほど変わりませんが、理系の専門知識や研究経験が重宝されるIT関連、研究開発職、エンジニア、医療系などへの就職は、理系が有利に働く場合があります。
とはいえ、このような分野で文系の学生が活躍することももちろん多いですよ。
採用方法:文系は総合職採用/理系は専門職採用
採用方法に関して、文系は総合職採用がメジャーです。職種や配属先を限定せずに、コミュニケーション力や協調性、目標達成能力など企業が求める総合的なスキルや人間性をもとに合否が判断されます。
募集する際は大学での専攻分野や知識なども特に指定せず、「4年制大学を卒業予定の者」などとして、あらゆる学部の人から採用する企業が多いです。一般的な営業や事務、販売などの仕事であれば特に専門的な知識や技術は必要なく、入社してから知識を身に付けていけば良いためです。
一方、理系の採用では専門職採用がメジャーです。理系の専門職の場合は、基本的な知識がないと難しい業務が多く、入社後に一から教えるとなると企業に大きな負担がかかってしまいます。そのため以下のように、学部や学科をあらかじめ指定して、特定の知識や技術がある人を募集する企業が多いのです。
理系の専門職種の例 | 学部や知識の要件例 |
---|---|
金融専門職(データサイエンティスト/アクチュアリー/アナリストなど) | 理学部/数理学部/データ分析や統計の知識を持つ人など |
電気系専門職(機械設計/エンジニア/電気工事士など) | 工学部/電気や機械設計の知識を持つ人など |
研究・開発職(食品・医薬品・化粧品などの研究・開発職) | 農学部/薬学部/工学部など |
建築系専門職(建築家/土木技術者/測量士など) | 建築学部/環境学部/工学部など |
文系の就職先でも、語学や法律などのテクニカルスキルが必要な業界もあります。
また芸術系の仕事や編集関係の職種などニッチな業界の商品やサービスでも、専門性とまではいかなくとも特定分野の知識がないと難しい場合があるように、文系だからといって、必ずしも専門性が必要ないわけではありません。
職種の幅:職種の選択肢は狭いが業界は広い
採用方法の違いからもわかるように、文系は職種こそ少ないものの、自分が応募できる業界や企業が専攻内容によって限定されず、幅広い選択肢があります。一方の理系は専門的な職種が多くあるため、一見文系よりも就職先が多いように見えますが、自分の専攻分野から応募できる職種や業界は限定的です。
また文系の場合は、たとえば営業職を経験したらほかの業界の営業職にも転職しやすいですが、理系の専門職の場合は専門性が高い分、ほかの分野に応用が効きにくいという特徴もあります。
総じて、文系は理系と比較すると職種の選択肢は狭いものの、就職先は多様にあるといえます。「理系より就職先が少ない」というのは、新卒の時点での職種の数が少ないということであり、正しくは就職先は無限にあるのです。
同じ文系でも、活かせる強みや進路は学部によって少しずつ異なります。以下の記事では文系の学部ごとの強みや就職先を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
文学部
文学部は就職で不利なのか|文学部の強みや就職先を徹底解説
法学部
法学部におすすめの就職先は? 主な進路や法学部必須の対策を解説
教育学部
教育学部におすすめの就職先17選|民間の就活も成功させる3箇条
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文系の就職先一覧! 各業界の特徴と人気90社を紹介
ここからはさっそく、文系の就職先を具体的に解説していきます。8つの業界別に仕事の特徴や働き方、求められる力などを解説するので、どのような就職先があるのかを見ていきましょう。
ジャンルごとの人気企業ランキングも全90社分紹介するので、どのような選択肢があるのかイメージしながら、就職先の参考にしてみてください。
①メーカー
メーカーは製造業とも呼ばれ、モノを作る業界です。食品・化粧品・自動車・インテリアというように、何を作るかによってさまざまなメーカーがあります。
仕事内容は以下のように分かれているのが一般的で、研究・開発などの技術部門は理系の人が多くても、文系の人が活躍するフィールドも実は幅広いです。たとえばMRと呼ばれる医薬品メーカーの営業職は、医薬品の知識がなくても目指せることから文系出身者も多くいます。
メーカーのおもな仕事内容
- 研究/開発/設計:理系の出身者が多く、新商品開発に向けた研究や設計を担う
- マーケティング:市場調査や消費者のニーズの分析などをおこなう
- 商品企画:マーケティング部門の分析をもとに商品を企画する
- 広報/宣伝:商品の認知度を高めるための広告施策や広報活動をおこなう
- 営業:小売店に商品を置いてもらうための新規営業や顧客企業への販売促進をおこなう
働き方の特徴としては、比較的勤続年数が長く、給料も年功序列式で段階的に上がっていく傾向にあります。
大手企業は毎年人気で選考の難易度は高く、海外展開や海外との取引をしている企業も多いため、英語力も必要です。もしメーカーに興味があれば、気になる企業の募集要項を早めに調べてみて、どの程度の英語力が求められるのかチェックしておきましょう。
住宅・インテリア | 電気機器 | 食品 |
①ニトリ ②一条工務店 ③積水ハウス | ①ソニーグループ ②アイリスオーヤマ ③キヤノン | ①味の素 ②アサヒ飲料 ③サントリーグループ |
医薬・化粧品 | 繊維・化学・アパレル | 自動車 |
①資生堂 ②コーセー ③イプサ | ①ファーストリテイリング ②富士フィルム ③花王 | ①トヨタ自動車 ②日産自動車 ③本田技研工業 |
エンタメ・ゲーム | 鉄鋼・金属・鉱業 | 印刷 |
①セガ ②バンダイ ③任天堂 | ①日本製鉄 ②神戸製鋼所 ③JFEスチール | ①凸版印刷 ②大日本印刷 ③大阪シーリング印刷 |
メーカーに必要な力は、一にも二にも営業力です。
新規顧客を開拓し、従来顧客をつなぎ止めるためには、自社製品への愛だけでなく、指摘された生の声を受け止める力、顧客先に足しげく通う軽快なフットワークなどが求められます。
そのため新卒学生の若さは力になるでしょう。一生懸命に仕事に取り組む姿勢や熱意は、社会の第一線に立ち続ける顧客相手にもしっかり伝わりますよ。
倍率が高いメーカーの選考では、志望動機で印象付けることが重要です。以下の記事で志望動機の作り方や分野ごとの特徴を解説しているので。併せて活用しましょう。
メーカーの志望動機
16例文付き! メーカーの志望動機が誰でも作れる5ステップを解説
製造業の志望動機
例文5選! 製造業の志望動機を魅力的に書く3ステップ
食品業界の志望動機
例文9選|食品業界の志望動機でやりがちなNG例と高評価のコツ
自動車業界の志望動機
自動車業界に特化した志望動機が作れる5ステップ|職種別例文8選
鉄鋼業界の対策
就活で鉄鋼業界を視野に入れないのは損! 業界知識まで完全解説
就活で求められる英語力のレベルについては、こちらの記事で詳しく解説しています。メーカーを志望する人は早めにチェックしてみてください。
英語力は就活への影響大! 求められるケースとレベルを徹底解説
こちらのQ&Aでは、「メーカーは文系でも就職できるか?」という質問にキャリアコンサルタントが回答しています。不安な人は併せて確認しましょう。
②商社
商社もメーカーと並び、文系の学生に人気が高い業界です。商社とは原料を売る企業とその原料を買いたいメーカーとの間に立ち、事業や輸出入を成立させる役割を担う存在です。
扱う商品の分野は食品や金属、石油・石炭など非常に幅広く、「ミネラルウォーターから通信衛星まで」とたとえられることもあります。分野を限らず何でも扱うのが総合商社で、得意分野に特化しているのが専門商社です。
商社は世界を舞台に活躍できるのが魅力ですが、その分海外転勤も多いのが特徴です。特に総合商社であればなじみのある地域や好きな国に赴任できるとも限らないため、海外で生活したいという理由から目指すのであれば少し注意が必要です。
商社は選考の難易度も高く、また選考が早く始まることもあるので、興味があれば早めに情報を調べてインターンシップや説明会に積極的に参加しましょう。
商社の仕事は、国内と海外の取引先や顧客の間に立ち、取引や交渉をおこなうことです。
さまざまな人たちと幅広く付き合う力、コミュニケーションで人をつないでいく力や課題解決力が求められます。人と人をつなぎ、関係をスムーズに進ませていくことが楽しさの一つです。
商社の中でも5大商社と呼ばれる総合商社は選考の難易度が非常に高いです。こちらの記事で事業や社風の違いを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
5大商社を徹底比較! 事業や社風の違いから内定への道筋まで解説
こちらの記事では商社の志望動機例文を10選紹介しています。選考を勝ち抜くには工夫が不可欠なので、ぜひ併せて活用しましょう。
総合商社・専門商社別の志望動機例文10選|必須の対策4選も解説
商社以外にも、海外に行ける仕事は多数あります。こちらの記事で海外に行ける仕事29選と就職のポイントを解説しているので、確認してみてください。
海外に行ける仕事29選! 就職の可能性を高める秘訣も公開
中小の商社については、実態がわかりにくいですよね。こちらのQ&Aではキャリアコンサルタントがわかりやすく解説しているので、併せて参考にしましょう。
就活は、適職診断から始めてください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶことが大事です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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③小売
メーカーが作った商品を仕入れて、消費者に向けて直接販売するのが小売業界です。
接客のイメージが強い人が多いかもしれませんが、仕事内容はほかにも以下のように分かれています。新卒であれば販売部門からスタートするのが一般的で、その後は昇進して店長などを目指すか、本部に異動して人事やマーケティングなどに挑戦するパターンもあります。
小売業界のおもな仕事
- 販売:店舗で商品を展開して接客・販売を担当する
- 店舗運営:店舗の責任者として売り上げの管理やスタッフの採用などをおこなう
- バイヤー:売れる商品を目利きして新たな取引や発注の判断をする
- コールセンター:「お客様センター」などと呼ばれ、顧客からの問い合わせやクレームに対応する
- 法人営業:企業向けのまとまった注文を請け負ったり高価格帯の商品の営業をしたりする
- 本部:人事や広報などのバックオフィスや、新店舗の立ち上げなど会社の根幹を担う
小売業界はシフト制で平日休みが多いものの、その分「リフレッシュ休暇」などとしてまとまった休みを取れる制度を導入している企業もあるなど、意外にも休みは取りやすいといえます。またネットでの買い物が普及している現在、自分たちの手で売り場を作って消費者の反応を直接見られるというのも大きな魅力です。
必要な知識や有利な学部・学科はあまりなく、接客業やサービス業のアルバイト経験があるとアピールになりやすいです。興味がある人はぜひアルバイトから始めてみましょう。
小売業の楽しさは、仕事の成果がすぐに数字で確認でき、手ごたえを感じやすいことです。
対人関係力がある人は特に仕事に活かせます。また商品に精通すれば、店舗運営だけでなく買い付けや商品開発など、メーカーや商社のような仕事を任される場合もありますよ。
小売業界の中でもスーパーやアパレルは特に人気です。以下の記事で志望動機で差別化するコツを解説しているので、興味がある人は併せて活用してください。
スーパーの志望動機
例文8選|スーパーの志望動機で周囲と差別化する4つの秘策
アパレルの志望動機
例文11選|アパレル業界の志望動機に必須の準備と書き方を解説
④金融
金融業界は、お金という人々の暮らしや社会と切り離せないものを扱う業界です。その知的なイメージや比較的高年収を目指しやすいことなどから、文系の学生に毎年人気です。
一口に金融業界といっても幅広く、おもに「銀行・証券」「クレジット・信販・リース」「生命保険・損害保険」の3つの領域に分けることができます。仕事内容は営業や窓口業務などをイメージする人が多いかもしれませんが、ほかにも以下のようにさまざまあります。
金融業界のおもな仕事
- アセット分野:商品開発・運用・投資・調査・分析など
- セールス分野:法人営業・個人営業・代理店営業・加盟店営業など
- バックオフィス分野:事務・管理・企画など
開発や運用にかかわるディーラーやファンドマネージャー、アナリストなどの専門職種は投資や数学の高度な知識が求められ、文系には難易度が高めです。一方、営業職や事務系のバックオフィスなどは学部・学科不問とされるのが一般的です。ただ、それでも経済への関心や知識がある方が有利になりやすいといえます。
働き方として、初任給は平均的で勤続年数は長めなので、長く働いて段々と給料を上げていきたい人に向いているかもしれません。ただし外資系の証券会社などであれば20代で数千万円稼げることもあり、同じ金融業界でもかなり差があります。どんな環境でどんな商品を扱いたいのかを考えることが大切です。
銀行・証券 | クレジット・信販・リース | 生保・損保 |
①三菱UFJ銀行 ②みずほフィナンシャルグループ ③三井住友銀行 | ①JCB ②楽天カード ③アコム | ①東京海上日動火災保険 ②日本生命保険 ③明治安田生命保険 |
大学で学んだ経済学や商学、経営学の知識は、実践的な面において役立つことがあるでしょう。直接役立つかどうかはともかく、何らかの形で下支えになります。
金融業界を目指すなら、国内外の経済・財政、国際金融情勢についてもしっかりと把握しておけば、必ずや仕事に結びつくはずです。
金融業界の就活対策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。最近のトレンドも解説しているので、金融業界志望者は必見です。
金融業界を徹底調査! 押さえておくべきトレンドや対策まで大解剖
金融業界に興味がある人は、以下の記事も併せてチェックしておきましょう。各分野の志望動機の書き方や例文をまとめています。
金融業界の志望動機全般
金融の志望動機の書き方! 難関企業も狙える構成4パターンを解説
銀行の志望動機
例文14選|銀行の志望動機がスラスラ書ける簡単6ステップ
信用金庫の志望動機
例文5選! 信用金庫の志望動機で厚みが出る2つの秘策
こちらのQ&Aでは、「金融業界に有利になる資格は?」という質問にキャリアコンサルタントが回答しています。通過率を高めたい人はぜひ参考にしましょう。
信用金庫に興味がある人はこちらのQ&Aも参考にしてみてください。信用金庫の将来性をプロが回答しています。
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就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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⑤広告・出版・マスコミ
広告・出版・マスコミは、人々に価値のある情報を届けることで利益を生み出す業界です。華やかでクリエイティブなイメージから、文系の学生に非常に人気があります。
仕事内容は広告・出版・マスコミのそれぞれでまったく異なりますが、大きく共通するのは紙媒体からデジタルなど、新しい社会様式への対応が求められている点です。サービス提供のあり方が大きく変化してきているため、トレンドや課題について調べて、現状を理解しておくことが求められます。
広告・出版・マスコミのおもな変化やトレンド
- 広告:SNSを使った広告やインフルエンサーマーケティングの増加など
- 出版:電子書籍や電子コミックの拡大など
- マスコミ:新聞の電子版やニュースアプリの拡大、動画配信サービスの強化など
またトレンドの変化にともない、かつてのように大手出版、大手マスコミであれば安泰という時代ではなくなってきました。業界全体的に激務にもなりやすいため、楽しそうというイメージだけで目指すのは少し危険です。
選考の難易度は高めですが、特定の学部・学科が有利になることはあまりありません。主体性や行動力、バイタリティーなどが重視される傾向にあるので、アルバイトやサークル、留学など気になるものに積極的に挑戦しておくのがおすすめです。
①ソニーミュージックグループ ②ポニーキャニオン ③講談社 |
私は出版の仕事もしていますが、文系が得意とする「イメージをふくらませて創造する能力」が役に立つと感じています。
新しいものを生み出したり、多くの人を感動させたり、結果的に世界を変えていくことができるのが大きな魅力でしょう。
テレビ局に興味がある人は、高倍率の選考を勝ち抜くための早めの対策が不可欠です。こちらの記事で6つのポイントを確認しましょう。
テレビ局への就職を有利にする6つの方法|志望動機例文も紹介
同じく出版社の選考も難易度が高いです。こちらの記事で対策のポイントを解説しているのでぜひチェックしてみてください。
出版社への就職を叶える5つの必須準備|トレンドや選考対策も解説
広告業界の選考を突破するには志望動機が重要です。こちらの記事で差別化のコツを解説しているので、併せて参考にしましょう。
例文7選|広告業界で勝ち抜く志望動機の書き方と差別化のコツ
⑥サービス・インフラ
サービス・インフラ業界は、簡単に言えば形のない商品やサービスを提供する業界です。8つの業界の中でも特に幅が広く、以下のようにさらに細かく分類することができます。
サービス・インフラ業界に含まれるおもな分野
- 不動産
- 人材
- 教育
- コンサルティング
- サービス・フードサービス
- ホテル・旅行
- アミューズメント・レジャー
- 電力・ガス・エネルギー
- 交通・運輸
当然、仕事内容や働き方、年収などの条件も分野によってさまざまです。
たとえば若いうちから高収入を実現したいならコンサルティングや不動産、人を直接喜ばせる仕事がしたいなら人材やホテル・ブライダルなどのサービス全般、生活を裏から支える仕事がしたいならエネルギーや物流など、同じサービス・インフラ業界といえども社会での役割はまったく異なります。
裏を返せば「こういうふうに働きたい」という自分の希望に合った仕事を見つけやすい業界ともいえるので、気になる人はサービス・インフラ業界にはどんな仕事があるのか、さらに詳しく調べてみましょう。
不動産 | フードサービス | 人材 |
①三井不動産 ②三菱地所 ③オープンハウス | ①グリーンハウス ②日清医療食品 ③あきんどスシロー | ①アルプス技研 ②AKKODiSコンサルティング ③グロップ |
ホテル・旅行 | ブライダル | 教育 |
①JTBグループ ②Plan・Do・See ③ミリアルリゾートホテルズ | ①アイ・ケイ・ケイホールディングス ②ディアーズ・ブレイン ③トリート | ①ベネッセコーポレーション ②公文教育研究会 ③小学館集英社プロダクション |
アミューズメント・レジャー | コンサルティング・調査 | 医療・福祉 |
①オリエンタルランド ②バンダイナムコアミューズメント ③東京ドーム | ①アクセンチュア ②レイスグループ ③野村総合研究所 | ①国立病院機構 ②日本調剤 ③ベネッセスタイルケア |
鉄道・航空・運輸・物流 | 電力・ガス・エネルギー | |
①JAL ②JR東日本 ③ANA | ①関西電力 ②九州電力 ③中国電力 |
サービス業は扱うサービスの幅が広く、総合的なヒューマンスキルを活かせる業界です。自由度が高く工夫次第で成果を出せるので、主体的に考え、行動できる人に向いています。
若いうちに裁量権を持って仕事ができることが多いのも魅力です。
サービス・インフラ業界についてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。分野ごとに特化して仕事の特徴や選考対策をまとめています。
建設
建設業界の全貌がわかる! 課題・動向から仕事内容まで徹底解説
不動産
例文5選|不動産業界の志望動機を書く3つのコツと注意点を解説
ディベロッパー
ディベロッパー大手6社を徹底比較! 人気業界を突破する5つの正攻法
人材
例文6選|人材業界の志望動機を作る3ステップとやりがちなNG例
コンサルティング
例文12選|コンサルの志望動機で必須のアピール内容とNG例を解説
旅行
旅行業界の全貌が丸わかり! 課題・動向・選考対策のコツまで解説
ブライダル
ブライダル業界の実態に迫る! 仕事の内容や7つのトピックを解説
ホテル
例文8選|ホテルフロントの志望動機は原体験で深みを持たせよう
所要時間はたったの3分!
受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
- 自分に合う職業がわからない人
- 入社後のミスマッチを避けたい人
- 自分の強みを活かせる職業を知りたい人
⑦ネット・通信
ネット・通信業界は理系のイメージがある人もいるかもしれませんが、文系からも目指すことができます。コンピューターのプログラムやWeb上の商品・サービスなどを作ったり、ネットワークを構築・運用したりするのがこの業界です。
IT技術を通じて世の中を便利にするシステムや、人々を喜ばせる商品を実現できるというのがこの業界の魅力でしょう。おもに以下のような職種があり、新卒採用では文系や未経験からでも応募できる企業が多いです。
ネット・通信業界のおもな職種
- 営業:顧客から課題やニーズを聞き出してシステムの導入を提案する
- システムエンジニア(SE):顧客の要望をさらに細かくヒアリングして商品の設計書を作る
- プログラマー:SEが作った仕様書をもとにプログラムを作成する
- インフラエンジニア:システムが正しく動くためのネットワークの構築・保守をする
ただし未経験から応募できるといっても、選考ではITや技術への興味は求められます。ITパスポートという資格はIT分野の仕事の入口となる資格なので、気になる人はぜひ挑戦しましょう。1〜3カ月程度の勉強で合格できる人が多く、基本知識や意欲の証明になります。
通信 | ソフトウェア・ネット |
①NTTドコモ ②NTT東日本グループ ③NTT西日本グループ | ①Sky ②NTTデータ ③楽天グループ |
文系からこの業界を目指す場合は、当然ながら、理系の人が持っていない特徴を打ち出すことで際立つ存在になれます。企画の構想力や実現力、相手のことを考えたうえでの提案力などは営業職やSE職に活かせます。
また組織を見渡し、運営・統率する力を持つ文系学生は、理系が多い業界だからこそ、人のうえに立つリーダーの役割を果たせる可能性も高いです。
ネット・通信業界についてのさらなる情報は以下の記事で解説しています。文系の学生が選考を突破するには工夫が必要なので、併せて確認しておきましょう。
ソフトウェア業界
ソフトウェア業界のすべてがわかる! 選考を突破する方法も解説
Web業界
Web業界の全貌を徹底調査|選考突破の秘訣や自己PR例文も解説
IT業界
IT業界を徹底解剖! 押さえておきたい将来性やトレンドまで解説
上記で紹介した3つの職種は、以下の記事でそれぞれ詳しく解説しています。技術を身に付けて活躍する仕事に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
システムエンジニア
システムエンジニアとは? 仕事内容から未経験の就職方法まで解説
プログラマー
プログラマー志望は最初に読みたい! 仕事内容から適性まで完全網羅
インフラエンジニア
インフラエンジニアを目指す学生必見! 仕事内容や魅力を解説
⑧公社・団体
最後に、文系の就職先としては公社や団体も挙げられます。公社・団体とは、公的な事業を担う法人や地方公共団体のことで、公立の学校や病院、独立行政法人などが当てはまります。
公社・団体に就職するには大きく分けて2種類の方法があり、一つは公務員試験を受けて警察や自衛官、公立学校の教員などの公務員を目指す方法です。そしてもう一つ、独立行政法人や公益財団法人などの法人ごとの就職試験を受けて、公務員以外の公社・団体に就職するという道があります。
公社・団体とは民間と国の間のような存在で、公共性の高い事業に携われるのが魅力です。仕事内容がイメージしにくいかもしれませんが、基本的に文系なら事務が多く、組織によっては営業のような仕事もあります。
事業内容は組織ごとに大きく異なるので、興味がある人はまずどのような公社・団体があるのか調べることから始めてみてください。
①日本年金機構 ②日本中央競馬会 ③全国農業協同組合連合会 |
公社・団体では公共性の高い事業に携わるケースが多いため、顧客が一般市民であること、さまざまな立場の人とかかわる業務が多いこと、社会貢献の意義を感じられることなどが魅力です。
文系が得意とするコミュニケーション力や問題解決力、文章表現力を活かしましょう。
公務員に興味がある人は、以下の記事も併せて確認してみてください。試験の特徴や志望先ごとの対策について詳しく解説しています。
公務員の応募書類の書き方
公務員を目指す理由が必ず伝わるエントリーシートの書き方|12例文
公務員面接の対策
公務員面接の頻出質問15選|意図を汲み取った回答で好印象を残そう
市役所の志望動機
例文7選|市役所の志望動機が誰でもスラスラ書けるコツ! 注意点も
教員の志望動機
教員の志望動機で自分らしさを出すコツとは? 小中高の例文も紹介
養護教諭の志望動機
理由別6例文|養護教諭の志望動機が誰でも書ける6ステップ!
公社・団体のような社会貢献性の高い組織で働きたい人は、こちらの記事もおすすめです。漠然となりがちな「社会貢献」を志望動機に効果的に盛り込むコツをまとめています。
業界別5例文! 志望動機に「社会貢献」を効果的に盛り込むコツ
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る文系が就職先を選ぶポイントは「どんな人たちに何を提供したいか」
理系に比べて専門性に偏りが少ない文系学生は、専門職よりも総合職で職に就くことが一般的です。つまり職種よりも、業種・業界が企業選択の基準になることが多いように思われます。
業種・業界を軸とした企業選択の基準は、一言でいえばどのような商品・サービスを扱いたいか、つまりどのような人たちに何を提供したいのかということになるでしょう。
そう考えると、必然的に自分が好きなもの・よく知っているものが優先されます。
シンプルに興味の湧くものを絞り込んでいこう
総合職の場合、就職後は商品・サービスにかかわるあらゆる業務をしなければなりません。その中で扱うものが好きでなかったり、よく知らなかったりすると、仕事がうまくいかないことは容易に想像できますよね。
このことを逆に考えれば、扱いたくないもの・よく知らないもの(興味が湧かないもの)を除外していけば、業界を明確に絞れない場合でも、消去法で選んでいくことができるはずです。
文系学生の中には、これまであまり専門性や分野を意識せずに大学や学部を選んできた人も多いと思います。今はあえて、選択肢を絞って活動することを意識してみてください。
各業界のさらなる特徴を知りたい人は、こちらの記事がおすすめです。仕事内容や動向を業界別に解説しています。
就職活動で役立つ業界一覧|仕事内容から動向まで各業界を徹底解説!
文系が選べる職業については、こちらの記事でも詳しく解説しています。見落としがちな職業も紹介しているのでぜひ併せて確認しましょう。
文系の職業一覧|見落としがちな職業と希望の就職を叶えるコツを伝授
ESで悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!
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職種も重要! 文系のおもな5職種と仕事内容
職種も重要! 文系のおもな5職種と仕事内容
文系が就職先を考える際には、業界だけでなく「職種」も重要になります。職種とは、その企業に入社してから自分が具体的に担当する役割のことです。
同じ業界や企業でも職種が違うと仕事内容もまったく異なるので、自分がどの職種で働きたいかも併せて考えましょう。ここでは文系のおもな5職種を解説します。
①総合職
文系が選べる職種として、特に多いのが総合職です。総合職は職種というよりも、「働き方」として考えた方がイメージしやすいかもしれません。
総合職は入社後にさまざまな部署を経験し、社内全体に精通した管理職を目指していくような働き方です。たとえば営業を経験してリーダなどに昇格した後、企画に異動し、最終的に人事として採用を担当するなどです。
ゆくゆくは会社の根幹を担うことを期待される立場なので、配属先や勤務地などは選べないことも多く、幅広い経験を積んでいきます。
また文系の職種として人事や広報が浮かぶ人もいるかもしれませんが、そうした「バックオフィス」と呼ばれる管理系の仕事は総合職に含まれます。新卒からいきなり挑戦できることはあまりなく、現場で活躍した人から抜擢されるのが一般的です。
ポテンシャル採用の大きな特徴がこの「総合職」という区分です。職種を限定することなくいろいろな仕事をこなす必要があるので、その都度適応するのが大変な面といえます。
しかしその分経営全般について理解でき、幅広いスキルが身に付くのが魅力です。
総合職の特徴はこちらの記事でも詳しく解説しています。総合職にすべきか悩んでいる人は、後悔しないためにもぜひ参考にしてください。
総合職と一般職の7つの違いを解説! 将来後悔しない選択の秘訣とは?
②営業職
営業職は文系の新卒採用で特に多い職種です。会社の売り上げを作る役割を担い、新しい顧客を獲得したり、顧客から新たな契約を得たりするのが営業職の仕事です。
営業職と聞くと「ノルマがきつい」「飛び込みがある」というようなハードなイメージが浮かぶ人も多いかもしれませんが、一口に営業職といっても以下のようにいくつかの種類があり、それぞれ働き方や求められる能力もさまざまです。
営業職のおもな種類 | 仕事内容や特徴 | 求められる能力 |
---|---|---|
新規開拓 | まだ自社と契約のない企業や個人に営業をかけて、新しい契約を獲得する役割。 外回りのいわゆる飛び込み営業もあれば、電話やメールを使った内勤の新規開拓もある | ・粘り強さ ・相手の懐に入る気さくなコミュニケーション力 |
ルート営業 | すでに契約を結んでいる企業や既存顧客に対して、追加の営業をしたり受注金額を交渉したりして売り上げに貢献する役割 | ・関係構築力 ・顧客のニーズを汲み取る傾聴力 ・提案するための分析力 |
反響営業 | 自社に問い合わせをしてきた企業や個人にのみ、営業をして契約を獲得する。 賃貸不動産の営業担当がわかりやすい例 | ・商品・サービスの豊富な知識 ・契約を後押しする説得力 |
営業職は文系の中でもインセンティブなどで特に稼ぎやすい職種なので、大変そうというイメージだけで避けずに検討してみると、新しい可能性が開けるかもしれません。
- コミュニケーションに苦手意識がある人でも活躍できる営業職ってありますか?
話すよりもよく聞くことを意識すればどの営業職でも問題ない
営業は「流暢に話すこと」が大事だと思われがちですが、実は「相手の話をじっくり聞くこと」の方が重要です。
コミュニケーションが苦手だと感じる人は、まず相手の話をよく聞くことに徹し、どんな問題を抱えているかを理解して誠実に対応してみましょう。
すると、どの営業職でもたいていはうまくいくものです。
自分が営業職に向いているか気になる人は、こちらの記事もおすすめです。向いていない人の特徴16選を解説しているのでぜひチェックしましょう。
営業に向いてない人の16の特徴|不向きな人におすすめの道も解説
営業といっても種類や働き方はさまざまです。より明確なイメージを持ちたい人は、以下の記事で詳しい仕事内容を確認してくださいね。
反響営業
反響営業とは? 入社後のイメージを膨らませるポイントを徹底解説
リテール営業
リテール営業とは? 仕事内容や5つの必須スキルを専門家と解説
代理店営業
代理店営業が丸わかり! 隠れた3つの魅力や適性の見極め方も紹介
BtoB営業
BtoB営業ってどんな仕事? 魅力から大変な部分までまるごと解説
③事務職
事務職は営業のように第一線で活躍する存在ではないものの、会社を裏から支える重要な職種です。
おもに資料作成やメールチェック、電話対応などの事務処理がメインの業務ですが、事務職の中にも種類があり、どのタイプに就職するかによって日々の業務内容は異なります。
事務職のおもな種類 | おもな仕事内容 |
---|---|
総務事務 | 電話対応や来客対応、メールや郵便物の処理、社員の個人情報管理、備品の発注など |
経理事務 | 経費や給与の計算、領収書や伝票の管理、帳簿の作成など |
営業事務 | 営業部門のメールや電話の対応・引継ぎ、商談用の調査や資料作成、営業の補佐や同行など |
貿易事務 | 商社・メーカーなどの貿易部門や貿易会社での事務。海外とのメールや電話の対応、輸出入に必要な書類の作成など |
それぞれの事務職の特徴は、以下の記事で詳しく解説しています。選考のポイントや向いている人の特徴をまとめているので参考にしてみましょう。
総務事務
例文付き|総務事務の志望動機に大事な4要素と注意点を解説
経理事務
新卒で経理職を目指すなら2つの戦略で勝負|必要な資格も解説
営業事務
営業事務に向いてる人の特徴5選! 意外な魅力や日々の仕事も解説
貿易事務
例文6選|貿易事務の志望動機でスキルを活かして熱意を伝える方法
上記のように事務職が活躍する場は広くありますが、共通するのは丁寧で早い仕事が求められる点です。事務職の仕事は会社全体にかかわっているため、ミスや仕事の遅れがあると他部署にまで影響することがあります。また社内外とのやり取りが多く、スムーズなコミュニケーション力も必要です。
事務職は「楽そう」というイメージから志望する学生もいるものの、事務処理や文書作成はAI(人工知能)が得意とする分野であり、事務職の需要は減っていくとの見方もあります。そのため事務職で活躍していくには、会社に必要とされるような独自の強みや成長意欲も重要だと認識しておきましょう。
- 事務職に興味がありますが、将来性って実際どうなんでしょうか……?
自主的に勉強して担当業務に精通すれば市場価値は上がる
まず事務職がどこまでの役割を担うのかという定義は、実は会社によってまちまちです。
伝票処理や金銭管理などの定型業務に留まる場合もあれば、情報管理やDX(デジタルトランスフォーメーション)、知財、法務なども含め、事務職の役割が複雑化・高度化している会社もあります。また「営業事務」などの名称で、実態はほぼ営業をしている場合さえあります。
その中で将来性の高い事務職を目指すなら、与えられた仕事や定型業務だけでなく、関心のある分野の専門的な知識を深め、得意分野を磨いていくことが必須であると感じます。
たとえば電話応対のような基本の業務でも、突き詰めればプロの領域があるように、社内におけるその道のプロを目指せるかどうかが、事務職としての将来性を左右するでしょう。
事務職は総合職や営業職に比べて求人数が少なく、丁寧な選考対策が不可欠です。以下の記事で事務職に必要なスキルや志望動機のポイントを詳しく解説しているので、気になる人はぜひチェックしてください。
事務職の仕事内容
事務職の仕事内容が丸わかり! 必要なスキルや就職のコツも
事務職の志望動機
例文20選|事務職の志望動機を職種別・業界別に徹底解説
本当にAIによって仕事が奪われるのかどうか気になる人は、こちらの記事を参考にしましょう。なくなる仕事15選と今からできる対策を解説しています。
AIによってなくなる15の仕事|残る仕事の特徴と今できる安全策も
④接客・販売職
接客・販売は文系が新卒から目指しやすい職種です。商品を消費者に届ける役割を担い、発注や品出しなどの店作り、顧客対応やレジ接客など幅広い業務があります。
販売する商品の価格帯 | 接客・販売の種類の例 |
---|---|
低(数百~数千円) | コンビニ、スーパー、日用品、ドラッグストア、書店 |
中(数千~数十万円) | アパレル、化粧品、携帯、電化製品、インテリア、家具 |
高(数十万円~) | ジュエリー、車、高級ブランド |
上記のように、同じ接客・販売職でも、扱う商品の種類やブランド、立地や客層などによって雰囲気がまったく異なります。そのため目指すのであれば、どのような相手にどんな商品を届けたいのかを考えてみましょう。
学生の中には「アルバイトでもできるからつまらない」と考える人もいるかもしれませんが、社員として働くとなると別物です。自分が提案した企画やフェアが実施されたり、アルバイトの採用をおこなったりと、自分が理想とする店舗を作っていけるのがこの職種の大きな魅力といえます。
- 接客・販売職のキャリアパスを知りたいです!
販売力を磨いてトップセールスになる道もあればジョブチェンジも可能
顧客と接し、トークや提案を重ねながら販売につなげていく力は、どんな仕事に取り組むうえでも活かされる能力です。
価格や顧客の違いこそあれ、人と接してモノを売るわけなので、大変な労力を要します。
そのため接客・販売職を極めようと思えば、「年商〇億円のセールスパーソン」、「顧客〇万人」などと実績をもとに社内外でアピールが可能です。またその実績を用いて、別の会社や職種に転じることも視野に入ってくると考えられます。
販売職の仕事内容はこちらの記事で詳しく解説しています。隠れた魅力や就職のポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
販売職の仕事内容や魅力を徹底解剖! 就職するために必要な対策とは
販売職を志望している人は以下の記事を参考にしてみてください。志望動機の書き方や注意点をまとめています。
販売職の志望動機例11選|差別化できる書き方とよくあるミスを解説
接客業に就きたいと考えている人は以下の記事をチェックしてください。接客業の志望動機でのアピールポイントをまとめています。
接客業の志望動機はどう書く? 効果的なアピールポイント5つを解説
⑤企画・クリエイティブ職
文系の職種には企画やクリエイティブ系の仕事もあり、そのかっこいいイメージから毎年学生に人気です。有利な学部などは特になく、誰でも目指すことができますが、企画力や発想力、思考力などが求められるため、選考の難易度は高めです。
企画・クリエイティブ職の例 | おもな仕事内容 |
---|---|
企画職 | ・商品企画:市場調査や消費者のトレンドの分析などをもとに、自社の新商品を考案してヒット商品を生み出す ・事業企画:自社の新事業や経営戦略など立案する。企業が存続/成長するために新しい分野を開拓する役割 |
マーケター | 自社や顧客企業の売り上げを伸ばすために、広告やSNSなどさまざまな媒体を使った集客や、ターゲット像や課題を明らかにするためのデータ分析などをおこなう |
編集者 | 書籍や雑誌の編集をして作品を完成に導く。作品の編集だけでなく、企画の立案や営業、著者のサポートなども担う |
記者・ライター | 新聞や雑誌、Web上の媒体などに文章を書く。記者のように情報を発信するのが目的のライターもあれば、Webライターのように自社の商品やサービスを広げるのが目的のライターもある |
いずれも仕事の目標やゴールが明確に決まっていないのが共通点で、自分なりに考えて最善を目指すことが求められます。そのため自ら考えて何かに挑戦した経験がある人は、選考でアピールしてみましょう。逆に言えば、毎日決まった業務を淡々とこなしたい人には向かないかもしれません。
- 新卒から企画職を目指すにはどうすれば良いですか?
アルバイトなどで企画職の業務に近い経験を積むのがおすすめ
基本的に新入社員が企画職に就くことはなかなかなく、あったとしても希少だと思います。
そのうえで企画職を目指すなら、大学時代に出版社や新聞社のアルバイトをする、SNS発信をして多くのフォロワーを得る、イベントを企画開催するなど、実際の企画職に近いことを経験しておくと良いでしょう。
つまり入社してから経験することをすでに学生時代に積んでいれば、企業側も企画職としての姿勢が整っている人、どんな能力や知識が必要かわかっている人、企画にアンテナが立っている人だと見てくれます。
とはいえ、入社してすぐには希望の職に就けないかもしれません。それでものちのち、異動などの可能性はあるといえます。
企画・クリエイティブ職の仕事内容や選考の秘訣は、以下の記事でさらに詳しく解説しています。新卒から目指すポイントも紹介しているのでぜひチェックしてみてください。
企画職
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?
マーケティング職
新卒でマーケティング職に就くには? 仕事内容から対策まで徹底解説
ライター
新卒でライターになるには? 学生のうちにやるべき3つの準備を紹介
Webデザイナー
Webデザイナーになるには? 仕事内容から将来性まで徹底解説
アドバイザーコメント
小関 珠緒
プロフィールを見る文系のキャリアは職種を選ぶというより任されたポジションで頑張るもの
入社して実際に働くとなると、文系出身者は総合職、営業職、事務職、接客・販売職、企画・クリエイティブ職の5つの職種のいずれかを担当することが多いです。
とはいえ、選考でその中から希望の職種を聞かれたとしても、実際には自分が望む職種を思い通りに選べるわけではありません。企業側から職種を割り当てられ、その仕事を担当することになります。
また最初に希望する職種に就けたとしても、異動などで別の職種になることもあります。正直なところ、「仕事は選ぶものではなく、仕事から選ばれるもの」なのです。
興味のある職種があれば必要なスキルを習得しておこう
しかし就職活動では、自分がどの職種に合っていそうか、どういう能力を高めておいた方が良いかなど、自己認識を深めておくことは重要です。
まずはこの5職種でどれが自分に合っていそうか、考えてみましょう。各職種の説明文を読んで、「自分にできそうな気がする」「自分に向いているかも」「学生時代に似たようなことをしていた」などピンとくるものがあるかと思います。
もちろん複数あってもかまいません。そうしたピンとくるものが自分に合った仕事である可能性が高いです。その仕事に必要なスキルや知識を身に付けておくと良いでしょう。
ほかにもどんな職種があるか気になる人は、こちらの記事も確認しましょう。職種一覧と、業種などの似た言葉との違いを解説しています。
職種の種類一覧を徹底解説! 業種・業界・職業との違いも押さえよう
文系の就職は変化している! 近年のトレンドを押さえよう
ここまでで文系の就職先の全体像がざっくりとつかめたかと思いますが、近年は少し変化もあるので最新の動向を押さえておきましょう。
文系の学生に知っておいてほしい2つのトレンドを解説します。どのような変化があるのかしっかり把握して、就活に活かしてくださいね。
ジョブ型雇用の動きを受けて「職種別採用」が広がっている
近年、かつてのような総合職採用ではなく、「ジョブ型雇用」で人材を採用する動きが広がっています。
ジョブ型雇用とは
応募者を特定の業務に限定して採用すること。応募者側は企業が求める職務経験やスキルを満たす必要がある。欧米では一般的
ジョブ型雇用により、応募者は入社前と入社後のギャップが少なくなり、企業も専門性の高い人材を確保できるというメリットがあります。この動きを受けて、最近は新卒採用でも「職種別採用」を実施する企業が増えているのです。
ヒューマネージが2023年に実施した企業の採用動向調査では、約4割の企業が新卒を「すべて職種別採用で採用する」と回答しています。「一部を職種別採用で採用する」と回答した企業と合わせると、約6割もの企業が職種別採用を新卒採用に取り入れているのです。
つまり、学生側も総合職採用を前提とせずに、自分がどんな職種で働きたいかを就活時にしっかりと考える必要があります。
「大企業や有名企業に入りたい」と企業名だけで就職先を選ぶ人もいますが、今後はこれまで以上に、自分が何をやりたいか、そのポジションでどのように活躍できるかをアピールすることが求められるといえます。
学生にとってのメリットとしては、自分で決めた職種を経験できるので、いわゆるスペシャリストとしてその道を極められる点が挙げられます。仕事に対するモチベーションは一段と向上するでしょう。
その逆でデメリットもあります。何らかの理由でほかの職種を経験したくなったときに、一つの職種しか経験がないと、一定の足かせがかかってしまいます。
IT職種は文系を募集する企業が増えている
IT市場が世界中で大きく拡大している中で、日本ではIT人材の不足が叫ばれています。
経済産業省が2016年に発表したIT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。この調査結果を受けて、IT業界の各社は文系人材の採用にも積極的に乗り出すようになりました。
ITの職種にはプログラミングやネットワークなどの専門的な知識が必要で、文系には難しいと感じる学生も多いかもしれません。しかし実際は技術だけでなく、以下のような文系も得意とする能力が求められます。
IT人材に必要な力の例
- 顧客の要望を正しく引き出すコミュニケーション力
- チームと協力して仕事を進める協調性・チームワーク
- 「ドキュメンテーション」と呼ばれる資料作成のための言語化能力・国語力
上記のほかにも文系が能力を発揮できる場面はたくさんあるので、ITの知識や文理に関係なく新卒採用をおこなう企業が増えているのです。興味がある人は文系だからと諦めず、積極的に挑戦してみましょう。
プロゲートなど無料の学習サイトを活用して、あらかじめ技術についても勉強しておくと選考でも効果的なアピールになりますよ。
- エンジニアとかのIT職種は難しそうなのですが、本当に文系から活躍できますか?
コードを書くだけがエンジニアではない! 文系も多数活躍している
私が研修講師を担っている某大手IT企業グループでは、各社のSEにも、文系出身者が3割から4割くらい在籍しています。
プログラミングのスキルは入社してからでも身に付くということ、実際にコードを書いている人ばかりがエンジニアではないということもあり、むしろ顧客とのやりとりや公共事業の入札などでは、論理的思考やプレゼンテーションなど、文系のスキルが重要ともいわれているのです。
ほかにも要件定義や情報のグルーピング、スケジュール管理など、理系でなくても活躍できる余地は世間のイメージよりは多いのではないかと感じています。もちろん文系出身者の管理職も多いですよ。
IT職種は具体的に何をするのかよくわからない人もいますよね。こちらの記事で詳しい仕事内容や魅力を解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
ITの仕事って何があるの? 仕事の種類や働く魅力を詳しく解説!
こちらのQ&Aでは、「文系からIT業界を志望するのは良くない?」という疑問にキャリアコンサルタントが回答しています。不安な人は併せて確認しましょう。
「文系の就職先が多すぎて悩む……」後悔しない仕事選びのコツ
「文系の就職先が多すぎて悩む……」後悔しない仕事選びのコツ
- 自己分析でやりたいことや将来像を明確にする
- 興味のある業界を研究して求められる力を把握する
- 自分の能力や希望にマッチした仕事を見極める
文系の就職先はIT分野まで広がり、職種別採用も増えているとなると、選択肢が多すぎてどのように仕事を選べば良いのかわからなくなる人もいますよね。
ここでは就職先が幅広い文系だからこそ、後悔しないための仕事選びのコツを3つ解説します。順に実践して、自分に合った仕事を見つけてくださいね。
自己分析でやりたいことや将来像を明確にする
まずはいきなり仕事について調べるよりも、自分自身を正しく理解するための自己分析から始めましょう。
一度就職したら「週5日×1日8時間」と、自分の時間の多くを仕事に割くことになります。そのため自分の性格や能力、やりたいことと合った仕事を選ばないと、強いストレスを感じることになりかねません。興味だけで仕事を選ばないためにも、自己分析は不可欠です。
以下のように、自分の性格やこれまでの経験、将来像など、さまざまな角度から自分に質問をしてみてください。そこで出た答えから、やりたいことや活かせる強みなどが見えてくるはずです。
自分の能力や性格について考える例
・自分の強みや得意なことは何か
・自分の弱みや苦手なことは何か
・周りからどんな性格だといわれるか
・どんな環境でどんな人たちと働きたいか
過去について分析する例
・今までの人生で頑張ったことや夢中だったことは何か
・今まで一番努力したときはなぜ頑張れたのか
・過去にモチベーションが下がっていたのはどんなときか
・挫折したときはなぜ挫折してしまったのか
将来について考えを深める例
・どんなことに興味があってその理由は何か
・やりたいことを通じて何を実現したいのか
・プライベートも含めてどんな毎日を送りたいか
・理想の将来像を実現するには自分にどんなことが足りないか
まず、あなたはどんなことに興味・関心があり、どんなことが好きですか? 何に夢中になれるでしょうか? またどんなことが得意で、その能力は何に活かせそうですか?
自分の心が動くこと、また自分の得意を活かせる先を明らかにすることから始めましょう。
自己分析をしたことがない人は、こちらの記事も参考にしてください。詳しいステップと内定につながるコツを解説しています。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
興味のある業界を研究して求められる力を把握する
自己分析ができたら、今度は仕事について分析していきます。気になる業界をいくつかピックアップして、その業界を研究していきましょう。
業界について詳しく調べないまま選考を受けると、的外れなアピールや志望動機になってしまい、うまくいかない可能性が高いです。また運良く就職できた場合でも、「思っていたのと違った」と後悔するかもしれません。そのため業界研究は就活に不可欠です。
業界研究には以下のようなやり方があるので、自分がやりやすい方法で積極的に情報を集めましょう。
業界について調べる方法
その際は業界でどのような人が活躍しているのか、どのようなキャリアパスがあるのかなどを明らかにしていくと理解が深まります。どのような学部・学科出身の人が多いかまで調べれば、必要な知識がわかって早くから勉強できたり、反対に自分には向いていないと気付いたりするかもしれません。
就活では選考を進める中で自分の興味が変わることもよくあるので、調べてわかったことはノートなどにまとめて、後から見返せるようにすると便利です。
文系の総合職は、長い目で見ると多くの人がマネジメントをする立場になります。そのため、まずその業界のビジネスモデルを理解することが重要です。
マクロ分析ではPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)やPEST(Politics:政治、Economy:経済、Society:社会、Technology:技術)などのフレームワークで、情報を整理するのも良いかもしれません。
業界研究にはほかにもポイントがあります。こちらの記事でおすすめの方法を詳しく解説しているので、業界研究を深めたい人は併せて確認しましょう。
業界研究のやり方|業界全体を捉えたうえで気になる業界を研究しよう
業界の絞り方はこちらの記事でも解説しています。失敗を防ぐにはコツがあるので、ぜひ参考にしてください。
業界の絞り方で就活失敗? 後悔しない絞り方7選と必須の準備を解説
自分の能力や希望にマッチした仕事を見極める
興味のある業界で求められる力を把握できたら、本当にその仕事で自分の強みや能力が発揮できるか、長く活躍していけそうかなどを見極めていきましょう。
その際は以下のような項目をチェックすると、より正確な判断ができます。同じ業界でも職種や企業によって必要な力や働き方は異なるので、何となく仕事を選ぶのではなく、どれが自分に合うのかを考えることが大切です。
仕事と自分のマッチ度を見極めるポイント
- 求められる能力と自分の強みはマッチするか
- 活躍している人の特徴に自分も当てはまるか
- 必要とされる知識やスキルに対して勉強する意欲が湧くか
- 自分が理想とする働き方ができそうか
- キャリアパスの選択肢が自分の将来像とマッチするか
ここまで確認ができたら、多数の仕事の中から自分に合いそうな仕事をかなり絞り込めているはずです。もし反対に、興味のある仕事には合わないかもしれないという判断になったら、また自己分析や業界研究を繰り返すことで、最適な仕事を見つけていきましょう。
- 全然違う2つの業界に興味があって、どちらが本当に合うのかわかりません……。
最初から適性を見極めるのは難しい! 人に相談してみよう
社会で実際に働いている人たちの中には、「この仕事は自分に向いていない」と絶えず思いながらも、日々の仕事に取り組んでいる人が相当数いると思われます。
つまり、就職の段階で本当に合う業界・仕事を見極めるのはそもそも難しいことなのだと、一旦気を楽にして考えてみてください。
そのうえでの話になりますが、自己分析や業界分析を終えた段階で、ほかの人に話を聞いてみてはいかがでしょうか。自分ではわからない適性を見出してくれるかもしれません。
ゼミの担当教授や、社会人になった先輩など、経験豊富な人生の先輩、あるいは友人・知人を頼ってみましょう。
就職先に迷ったときのポイントは、こちらの記事でも詳しく解説しています。注意点を押さえてスムーズに就職先を決めましょう。
就職先の決め方決定版|学生が見落としがちな視点と注意点を徹底解説
こちらの記事では自分に合った仕事の見つけ方を4ステップで解説しています。悩んでいる人はぜひ早めに確認してくださいね。
自分に合った仕事を簡単4ステップで発見! 後悔しない方法を解説
文系が理想の就職をかなえるために今すぐできる4つのアクション
文系が理想の就職をかなえるために今すぐできる4つのアクション
- 語学や資格取得などのスキルアップに取り組む
- アルバイトで実際の仕事を経験する
- 就活経験者や社会人に積極的に話を聞く
- 時間があればインターンシップに参加する
ここまで読んで希望の仕事に就くために頑張ろうとワクワクしている人もいれば、「本当に希望の就職先に行けるのかな……」と不安になっている人もきっといますよね。
文系の就職は理系のように専門性だけで勝負するのは確かに難しいですが、その分ほかの取り組みによって、就職を有利に進めるための力を付けることもできます。
ここでは文系の学生がすぐに取り組める4つのアクションを解説するので、理想の就職をかなえるために今から行動していきましょう。
①語学や資格取得などのスキルアップに取り組む
専門的な知識や華々しい経験がないという人でも、自分が希望する仕事に役立つ資格や語学を勉強して、実践力を上げることは可能です。
以下のような資格は特に文系の就職に活かしやすいので、参考にして自分にも必要なものがあればぜひ挑戦してみましょう。
なかでも英語力はあらゆる業界で評価されやすいため、「就活に向けて何かアピールできるものがほしい」と不安な人は、とりあえずTOEICの勉強をして高得点を目指すというのもおすすめです。
文系の就職に活かしやすいおもな資格
- TOEIC:業界や企業によって異なるが、一般的に730点以上が高得点とされる
- 実用英語技能検定:2級以上が就活に有利とされるが、総合商社や外資系企業を目指すなら準1級以上が望ましい
- 簿記:3級でも勉強のアピールになるが、経理職を目指すなら2級以上がおすすめ
- マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS):パソコンの基本的なスキルのアピールになる。事務職に限らずデスクワークがある仕事では活かせる
- ITパスポート:IT分野の基礎知識のアピールになる。エンジニアを目指すなら特に重要
- 宅地建物取引士:不動産業界を目指す人におすすめ。資格手当が付く企業もある
- 秘書検定:ビジネスマナーや一般常識のアピールになるため、秘書以外を目指す人にも有効。就活に向けて取得するなら2級以上が目安
- 普通自動車免許:地方企業への就職では特に重要。都市部でも営業職など外回りがある求人では、入社までの取得が求められることもある。
ほかにも興味のある業界で活かせる資格がないか調べてみて、自分にも挑戦できそうであれば勉強してみてください。
履歴書やESの資格欄を空欄にするのは、避けた方が無難です。
書類の項目は、すべて埋めるのが望ましいとされています。そのため資格欄に何も書いていないと、疑問に思ったり、取り組んできたことを掴みきれなかったりする面接官もいるかもしれません。
ただ、それだけでマイナス評価になることはないので安心してください。資格がなければ「何もない」と正直に伝えるためにも、「特になし」などと記しましょう。
TOEICはどれくらいのスコアから就活で有利になるのか、こちらの記事で目安を確認しましょう。選考に活かすコツも解説しています。
TOEICのスコアは就職活動に影響大! 目安の点数を大公開
就職に有利な資格はこちらの記事でも33選紹介しています。業界や状況別のおすすめも解説しているので併せて活用しましょう。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
簡単に取れる資格を知りたい人はこちらの記事がおすすめです。取りやすい資格25選と、取得後の就活への活かし方も解説しています。
取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説
秘書検定を取得している人は以下の記事を参考にしてみてください。履歴書への書き方とアピール方法をまとめています。
秘書検定は何級から履歴書に書ける? 正しい書き方とアピールのコツ
②アルバイトで実際の仕事を経験する
資格の勉強は苦手という人や手っ取り早く何か実績がほしいという人は、アルバイトがおすすめです。
アルバイトは従業員として実際の業務を経験したり、顧客の対応にあたったりするため、基本的なビジネスマナーや接客など、就職後にも活かせる力がたくさん身に付きます。すでにアルバイトをしている人でも、興味のある業界があれば、その業界に関連したアルバイトがないか調べてみましょう。
興味のある業界がまだなくても、自分が気になるアルバイトや近場で働きやすそうなアルバイトでもかまいません。いくつかのアルバイトを経験してみることで、自分の好きなこと・やりたくないことなどの適性がわかったり、こんな仕事をしてみたいという興味が湧いてきたりすることもありますよ。
- 就職に有利になりやすいアルバイトってありますか?
人を喜ばせる仕事やリーダー経験などはどの仕事でも活かせる
業務に直結しなくても、就職に有利になりやすいアルバイトがいくつかあります。リーダーシップを発揮した経験、接客経験、専門スキルを身に付けた経験、ボランティアなどの貢献活動です。
たとえばファストフード店でリーダー職になった、飲食店で顧客の対応をした、ITスキル・語学スキルを活かした仕事をした、地域の清掃ボランティアをしたなどが挙げられます。
人を動かす、顧客を喜ばせる、専門スキルを活用する、人の貢献につながる……といった経験は、どの職種に就いても活かせますよ。
③就活経験者や社会人に積極的に話を聞く
文系の学生だからこそ重要なのが、先輩や周りの社会人に積極的に話を聞くことです。
理系で専門職に応募するなら自分の専門内容をそのまま活かすことができ、働いている人も同じような学部・学科出身の人が多いので、入社後のイメージがしやすく仕事内容のギャップもあまり感じません。
対して文系の場合は、業界も企業も選択肢が広いので、すべてを詳しく正確にリサーチするのは困難です。そこで就活を経験した先輩や、実際に働いている人に話を聞くのが効果的になります。
先輩たちには、就活で後悔していることや、仕事をどのように選んだかなどを聞いて就活の参考にしてみましょう。親しい人であれば、自分に向いている仕事のアドバイスももらえるかもしれません。
社会人に話を聞く際は、知り合いや家族以外にもOB・OGを訪問するという手もあります。
OB・OG訪問のおもな手段
- 大学のキャリアセンターや就職課などで、興味のある業界に就職した先輩がいないか調べる
- 企業の採用担当部署に直接連絡してみる
- マッチャーやビズリーチ・キャンパスなどのOB・OG訪問アプリを使う
- 志望業界で働く知人がいないか、周囲の伝手を頼る
上記のようにいくつかの手段があるので、ぜひ社員に話を聞いて、自分に合う業界や仕事を見極めていきましょう。OB・OG訪問は志望企業で実施すれば、選考でのアピール材料にもなりますよ。
OB・OG訪問は緊張する人も多いものです。こちらの記事で詳しい手順をまとめているので、ミスなく進めてくださいね。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
こちらの記事ではOB・OG訪問で聞くのにおすすめな質問を100選紹介しています。質問次第で有意義な時間にできるので、必ず実施する前に確認しましょう。
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介
④時間があればインターンシップに参加する
時間に余裕がある人は、さらにインターンに参加しましょう。インターンに参加することで、以下のように多くのメリットを得られます。
インターンで得られるおもなメリット
- 業界研究・企業研究を深められる
- 企業の雰囲気を実際に感じ取れる
- プログラムによっては業務の力試しができる
- 企業や業界と本当に合うかどうかを確かめられる
- 社員やほかの応募者と交流して情報を得られる
- 志望企業の場合は選考で熱意のアピールになる
インターンに参加するメリットはこちらの記事でも解説しています。おすすめの選び方も紹介しているので、参加する人は併せて確認しておきましょう。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
文系の就職では選択肢が幅広い分、自分が何をしたいのかわからなかったり、やりたいことをうまく絞り切れなかったりすることがよくあります。そのため現場を体験できるインターンは、納得のいく就活にするために非常に有効なのです。
サマーインターンを逃してしまった人でも、10〜2月頃に実施される秋冬インターンや、3〜4月に実施される春のインターンに参加できます。インターン情報サイトやリクナビ・マイナビなどの就活情報サイトで、どんなインターンがあるかぜひ調べてみてください。
アドバイザーコメント
小西 一禎
プロフィールを見る視野を広くして文系ならではの選択肢の多さを活かそう
理系の学生をスペシャリストと位置付けるのであれば、文系の学生はゼネラリストといえます。大学・大学院で学んだ知識を活用して就職先を選ぶ理系の学生とは異なり、良い意味で融通が利く・応用が利くという強みがあるのです。
自分の潜在能力や今後の伸びしろを踏まえれば、業界も職種もかなり自由度を高くして選択することができます。それゆえに、絶対に就きたい仕事や職種があったとしても、必要以上に先入観を持つことなく、間口を広くして就活に臨む必要があるでしょう。
決め打ちをすることなく、あらゆる業界に興味や関心を抱くことも成功につながる秘訣の一つだと考えます。
学生のうちにさまざまな世界を見ていろいろな人の話を聞くことが鍵
そのためにも、アルバイトに励む、インターンに参加する、社会人に話を聞くなどして、幅広い業界を垣間見ることが重要です。あえてまったく興味も関心もないような世界に首を突っ込んでもかまいません。そんなことができるのは学生のうちだけです。
自分の考えや興味だけに凝り固まることなく、いろんな人と会って、話を聞く。そうしたことを通じて、何事も即実行に移す行動力も身に付きます。脳内を柔軟にして、成功をつかんでください。
文系は就職に失敗したら終わり? 不安な人へ送るキャリアの考え方
「文系は就職に失敗したら終わり」などとささやかれることもあり、「うまくいかなかったらどうしよう……」と不安を抱えている人もいますよね。
そんな人に知っておいてほしいのが、文系は専門職が少ないからこそ、業界や職種をまたいだ転職をしやすいということです。一度の就職ですべての希望をかなえられなくても、その後に希望のキャリアを実現していくことができます。
そもそも希望の業界に入れたとしても、最初は希望の配属や職種でない人もたくさんいます。たとえばマーケティングを志望していて営業職の内定しか取れなかったとしても、マーケティングにはどんな知識やスキルが必要なのかを調べて勉強して、営業職で力を付けてから転職するのも十分可能です。
もちろん転職ありきで就活すれば良いということでもありませんが、「就活で失敗したら終わり」というわけではないことを認識しておきましょう。自信を持って堂々と就活に臨んだ方が、良い結果にも近付きます。
仕事で成果を上げられるかどうかの根本は、どの仕事でもほぼ同じです。そのためファーストキャリアでは、まずは与えられた仕事に全力を尽くしてください。自分の仕事のベースを作る気持ちで取り組むと良いでしょう。
その経験は、次のキャリアやその先のキャリアでも必ず活きてきます。
文系は無数の就職先があるからこそ実現したい姿を明確にして選ぼう
文系にはどんな就職先があるのか、業界や職種をもとに解説しました。文系には多様な選択肢があることが理解できたかと思います。分野ごとの人気企業ランキングも紹介したので、興味を持った仕事をぜひ調べてみましょう。
また記事では多数の仕事から自分に合った仕事を選ぶコツや、希望の就職を実現するためにできるアクションも解説しました。
文系だからこそ、専攻分野に捉われずにさまざまな挑戦ができます。今からできることに早めに取り組んで、ぜひ納得のいくファーストキャリアを実現してくださいね。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る文系の就職先は十分にある! ヒューマンスキルで勝負しよう
一つの会社にさえ多種多様な仕事がある中で、どんな業種であっても、ほとんどの企業で文系・理系どちらの人材も必要としています。
まして労働力人口が年々減っていく日本では、文系だから就職先が少ないというほどの明確な差はないといえるでしょう。
かなり古い研究ではありますが、ハーバード大学のロバート・カッツ教授が管理職に求められる能力を「テクニカルスキル(業務遂行能力)」「ヒューマンスキル(対人関係能力)」「コンセプチュアルスキル(概念化能力)」という3つに分類した、「カッツ・モデル」というものがあります。
階層によって求められる比重が変わってくるというのがその主旨ですが、ヒューマンスキルについては、組織で働くうえでのあらゆる階層において重要とされています。文系人材はそこで十分勝負ができるはずです。
キャリアを長い目で見れば文系でも理系でもあまり関係ない
理系の場合は技術的な経験や資格要件などで理系限定の募集があるため、一般的に有利とされていますが、長い目で見れば、文系と理系との差はそれほど重要ではありません。
階層が上がれば上がるほど、ヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルといった、より抽象的な能力が求められます。そのため文系だからといって不安になる必要はないのです。
特に総合職であれば、実際に仕事をしてみると、文系と理系の差などほかの要素に比べれば微々たるものであることがわかるはずです。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/ヒトノビ代表
Tamao Koseki〇就職時は準備不足で苦労するも大手企業に入社。転職して実用書の編集者を10年経験し、独立。キャリアコンサルタント資格を取得し、現在は強みを引き出して活かす人材育成をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細ジャーナリスト/キャリアコンサルタント
Kazuyoshi Konishi〇大手メディア政治記者を経て、配偶者の海外転勤に伴いキャリアを一時中断。現在は大学院でキャリア形成を研究する一方、プロの文章力を活かし各メディアで幅広く記事を執筆。
プロフィール詳細