この記事のまとめ
- Uターン・Iターン就職が最適な選択かどうかは人によって異なる
- 経験者の声をもとにUターンやIターンの実態を解説
- Uターン・Iターン就職をするなら成功させるコツを知っておこう
- 自己分析ツール
たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!
この記事を読んでいる人におすすめ
就職活動をしていると目にすることもあるUターン・Iターンという言葉。どのような内容かわからず、不安に思う人もいるのではないでしょうか。
Uターン・Iターンとは、就職の際に居住地が変わるケースを指します。言葉こそ似ていますが、意味がまったく異なるため内容をしっかり理解しておきましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの富岡さん、渡部さん、桑田さんとのアドバイスを交えつつ、UターンとIターンの意味や就活を成功させるコツを解説します。自分に合った選択肢に悩む人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
Uターン・Iターンの意味を理解して自分にとって最適な選択をしよう!
UターンやIターンとは、今いる地域と違う場所で就職先を探すことを言います。似ている言葉ではあるものの、内容はまったく違うため事前に違いを理解しておきましょう。
この記事では、はじめにUターンやIターン、Jターンの違いを解説します。それぞれの意味を理解しておくことで、就職活動をスムーズに進められるように準備しましょう。
その後に、UターンやIターンを経て活躍できる人やデメリットになり得るポイントを解説します。良い面以外も知っておくことで、より自分に合った選択ができるようになりますよ。記事を最後まで読めば、Uターン・Iターンの就活を成功させるコツがわかるようになるので、ぜひ参考にしてください。
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知識をつけよう! Uターン・Iターン・Jターンの違い
はじめに、Uターン・Iターン・Jターンの違いをそれぞれ理解しておきましょう。似ている言語が並んでいますが、実際の内容は少しずつ異なります。それぞれの内容を正しく理解していないままでは、どの選択が自分に合っているのか判断できません。
Uターン・Iターン・Jターンの共通点は、今住んでいる場所とは違う場所で就職するという点です。引越しを踏まえた就職先の選択と考えておくと、さらに理解しやすくなりますよ。
Uターン・Iターン・Jターンで現在生活をしている都道府県以外の就職を視野に入れると、企業の選択肢が増えます。
また地方と首都圏ではさまざまな環境が異なるため、働き方・生き方の選択肢も広げることができます。ワークだけでなく、ライフはどのように過ごしていきたいかも考えてみてください。
Uターン就職
Uターン就職
生まれ育った地域とは違う場所で大学生活を送る学生が、地元に戻って就職すること
たとえば、新潟県で生まれ育った人が大学時代は東京都で過ごし、就職の際に地元の新潟県に戻るケースが当てはまります。ほかにも、一度都市部で就職した人が、転職で地元に戻ってくる場合もUターン就職に該当します。
また独身時代は都市部で生活していたものの、結婚を機に子育てのしやすさを考え地元へ戻るというケースも考えられます。都市部よりも物価や家賃が低い地域なら、生活費を減らせる効果も狙えるのです。
どのケースでも、一度地元を離れた人がライフイベントや転職のタイミングで生まれ育った場所に戻ってくる状況が当てはまります。
Uターン就職は、下記の記事でも詳しく解説しています。
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地方や国が推奨しているUターン就職。そもそもUターン就職とは? IターンやJターンと何が違うの? という疑問にキャリアコンサルタントとともに回答します。また、Uターン就職を検討している人にとって有益な情報も。後悔しないために、対策をしながら就活を進めましょう。
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Iターン就職
Iターン就職
生まれ育った故郷とは異なる地域に就職すること
地元に戻るUターン就職と違い、もともと都市部に住んでいる人が地方で就職先を探すことを、Iターン就職と言います。自分の生まれ育った地域ではない場所で働くことで、新しい環境に身をおくことが可能です。
もちろん就職するときは、引っ越す場所の風習や人間関係になじむ必要があります。しかし、移住先は自分が望んだ場所を選べるため、より自分が理想とする暮らしを実現しやすくなります。
また、都市部から地方へ引っ越すため、家賃や物価が下がり生活面に余裕が出る可能性があります。都市部ではストレスになりやすい満員電車での通勤も減り、仕事へ向かうときも快適に過ごせますよ。
Jターン就職
Jターン就職
生まれ育った故郷から進学や就職の際に都会へ引っ越し、その後故郷に近い地方都市で就職すること
Uターンに近い言葉ですが、地元から都市部へ引越し、さらに違う地域へ移住する就職方法のことをJターン就職と言います。
Jターン就職で当てはまるのは、地元の近県や出身県の県庁所在地で就職先を選ぶ場合です。たとえば、もともと北海道の小さな町で生まれ育った人が大学時代に東京都へ引越し、就職とともに北海道札幌市で過ごす場合などです。
生まれ育った地域に近い場所に引っ越すため、家族とも会いやすいメリットがありつつも新しい環境に身を置けます。UターンとIターン、それぞれの良いところを得られる就職方法です。
地元にあまり良い会社がない、地元には居たくないが都会も好きではないなどの場合、Jターンを選択するケースがあります。地方中核都市ならば生活利便性も問題なく、何かあれば地元にも行きやすいので、デメリットの少ない選択肢です。
「良い会社って?」と悩んでいる人はこちらの記事を参考にしてみてください。重視するべき項目をまとめています。
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あなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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実際の声を聞こう! Uターン・Iターンの実態
それぞれの言葉が持つ意味を理解したら、実際にUターンやIターン就職をした人の声を知っておきましょう。何も知らないまま選んでしまうと、自分には合わなかったと後悔するかもしれません。
新卒での就職活動は人生に一度しかなく、大切な機会です。だからこそ、自分に合った就職先を選び後悔のない選択をしましょう。実際にUターンやIターンを選んだ理由やどれくらいの学生がおこなっているのか知識を深め、自分はどのような選択をするのか考えてみてくださいね。
Uターン就職を希望する学生の割合
マイナビのキャリアサーチLabによると、2024年3月卒業予定の大学生や大学院生が地元就職を希望する割合は62.6%となっています。
半数以上が地方での就職を考えており、思ったよりも多いと感じる人もいるのではないでしょうか。経済状況の不透明さや物価高騰が理由の一つと考えられます。
また、近年ではWebを利用した説明会や面接を実施している企業も増加しているため、以前に比べると都心部から地方への就職活動がしやすくなっていることも挙げられます。
忙しい就活時期もオンラインを利用して、離れた地域にある企業への情報収集をおこなえるため、選択肢が広がったといえるでしょう。
Uターンで就職する理由
同じくマイナビのキャリアサーチLabによると、就職先の希望に地元を選ぶ理由は、「両親や祖父母の近くで生活したい」が50%、「地元での生活に慣れている」が38%でした。大学生活で都心部の暮らしを経験し、地元の良さを実感したり貢献したいと考えたりする人もいると推測できます。
もともとは住んでいた地域のため、風習に慣れていて移住時の不安も少ないのでしょう。
また、入社したばかりだと、収入面でも不安を感じる人が多いようです。実家から職場に通えれば生活面の不安を減らして仕事に集中できます。さらにもともとの友人も地もとにいれば、プライベートの面も充実するでしょう。
地元と都会、どちらで働くか悩んでいる人は、こちらのQ&Aコンテンツ参考になります。
Iターンで就職する理由
Uターン・Iターン就活志望状況調査では、地元ではない地域での就職を考える人は「地方の住みやすさなど、暮らしに興味がある・魅力を感じる」が51.3%、「実家を出て自立したい」が48.0%でした。回答者の8割は都市部出身であったことから、地方での暮らしに憧れを感じる人は多いと推察されます。
中には、旅行で訪れた地域に魅力を感じて就職を決める人もいるでしょう。自然豊かな場所で過ごすのは、それだけでもリフレッシュできますよね。
Iターン就職では、今まで住んでいた場所から離れるため環境が大きく変わります。環境の変化をマイナスととらえず、プラスに考えられる人がIターン転職を選択していると考えられます。
Iターンは移住をともなうものです。自治体によっては、移住者に補助金や住居の提供など手厚い補助を用意しているところもあります。自身の意向と移住先の利益がマッチすることで新しい価値が生まれると考えれば、意義のある選択とも言えるでしょう。
自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!
自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。
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就活のプロが解説! Uターン・Iターンを経て活躍できる人の特徴とは
ここまでで、UターンやIターンの詳細やどのような理由で選ばれているのかを解説しました。しかし、実際に自分に合った就職方法なのかわからず悩む人も多いでしょう。
そのためここからは、キャリアコンサルタントの渡部さんにUターン・Iターンを経て活躍できる人の特徴について解説してもらいます。自分が当てはまるのか照らし合わせると、後悔のない選択肢ができるようになりますよ。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見るUターンやIターンを経て活躍するためには精神的な自立が重要
移住をして新しい仕事をすることは、生活が大きく変わるのでそれなりにストレスがかかります。どの土地でも活躍できる人は、精神的に自立していて仕事と私生活の両立ができていることが特徴ではないかと考えています。
私は東北地方で相談に乗ることが多いのですが、IターンやJターンでつまづきやすい人は、仕事以前にその土地での生活がしにくい、気質が合わない、という悩みが多くみられました。
しかし実際は気質や土地柄の問題ではなく、その人たち自身に多様性や大きな変化を受け止めるだけの心の余裕がなかった状況だったと感じます。
新しい環境に飛び込む前に、自身の生活を維持できるかを見直そう
またUターンでも、実家に戻って親の世話になっているケースと、自活しているケースの2つがあります。
実家に戻るのは当初は経済的にも精神的にも楽なのですが、親や親族の干渉が入ったり、生活時間の違いでトラブルが起きたりすることもあり、自立という点では成長の妨げになることもないわけではありません。
どれを選ぶにしても、まず自分自身の生活をコントロールできることが必要です。そのうえで、仕事に集中できる環境を整え、変化対応力を鍛えるつもりで新しい環境に向き合ってください。
Uターン・Iターン就職がおすすめな人の特徴
Uターン・Iターン就職がおすすめな人の特徴
- 生活費を抑えて暮らしたい
- 満員電車での出勤を避けたい
- 地方の習慣や人付き合いが性にあっている
- 自分の価値観や可能性を広げたい
Uターン・Iターンを経て活躍できる人の特徴がわかったら、次にどのような人がUターン・Iターン就職に合っているのかも確認しておきましょう。自分が活躍できる可能性があるとわかっても、育ってきた環境や将来の展望によって向き不向きは異なります。
ここからはUターン・Iターン就職がおすすめな人の特徴を解説するので、自分に照らし合わせて参考にしてくださいね。
生活費を抑えて暮らしたい
UターンやIターンの大きなメリットとして、都市部を離れて就職先を探せる点があります。東京都や大阪府などの都心部は、便利な分家賃をはじめとしたさまざまな物価が高い傾向があります。
しかし、Uターン・Iターンで引っ越す地域の多くは、物価が安いため生活にかかるお金を減らせる可能性が高いのです。野菜を作っている地域であれば、地域で作った新鮮な素材を都心部よりも安価に購入できます。
家賃も都会に比べると安価なため、全体的な生活費を抑えて貯蓄や趣味にお金を回したい人におすすめです。
満員電車での出勤を避けたい
都心部で電車を使って通勤する場合、出勤の時間はほかの利用者も多く満員電車になるケースが多いです。満員電車は圧迫感があるだけでなく、夏ならば汗やにおいで不快感を覚えることも少なくありません。多くの人が、満員電車には苦手意識を覚えるのではないでしょうか。
しかし、地方での出勤は電車を利用しても、都心部に比べると車両に乗っている人数が少なく快適に移動できます。車を持っていれば他者と一緒に通勤する必要がなく、プライベートな空間で移動できるでしょう。
電車と車、どちらで通勤しても都市部より混雑していないため、人混みが苦手な人や通勤時間の快適さを求める人におすすめです。通勤時に嫌な思いをせず、気持ちよく仕事を始められるでしょう。
地方の習慣や人付き合いが性にあっている
住む地域によっては、都市部に比べて人付き合いが必要になる可能性があります。
都市部に住んでいると、同じマンションで顔を合わせても挨拶するだけ、近所の人の名前も知らないというケースは少なくありません。引っ越したときにも挨拶せずにいる人も多いのではないでしょうか。
しかし、地方は地域に住む人は一致団結して生活している場合も多く、すでにコミュニティができています。そのため、自分が住むのであれば同じようにコミュニケーションをとって過ごす必要があるのです。
他者とかかわって過ごすのをストレスに感じない人であれば、地方での生活は楽しいものになるでしょう。他者と一緒に過ごすことが好きな人におすすめです。
現在どこの地方も移住政策に力を入れているところがほとんどです。自治体のWebサイトから、どんな特色のある地域なのか、移住者の声などを知ることができます。
移住相談会やUターン・Iターン・Jターン説明会で市町村の担当者とつながって直接話を聞いてみるのもおすすめです。
自分の価値観や可能性を広げたい
Uターン・Iターン就職をして自分が今まで住んでいた地域と違う場所で生活することで、新たな価値観に触れられる可能性が高くなります。そのため、自分自身の可能性を広げたいと考えている人にもおすすめです。
就職で地元に戻ったとしても、親に育ててもらったころと自分で生活の基盤を築く今では感じ方が変わることも多いのではないでしょうか。家賃や生活費を自分で出すからこそ、今まで見えなかった部分に気づける可能性があるのです。
都市部にいては触れ合わなかった地域の風習やその土地の人とのかかわりは、その土地に住まないと味わえないものであり、ほかでは得られない経験となるでしょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
後悔しないために! UターンやIターンでデメリットになり得るポイント
UターンやIターンでデメリットになり得るポイント
- 都会ほど交通機関が発達していない
- 勤務先の選択肢が少ない可能性がある
- 娯楽や生活に必要な施設が多くない場合もある☆引越し・就活費用がかかる
- 地方になじめない可能性がある
ここまでの説明で多くのメリットがあるように感じるUターンやIターンも、人によってはデメリットになる部分があります。デメリットを知らずに就職先を決めてしまえば、実際に働くとき「こんなはずではなかった」と後悔するかもしれません。
就職するときに過ごす地域は、今後の生活のしやすさを決める重要なポイントです。デメリットも理解したうえで納得していれば、後悔のない選択ができるでしょう。
都会ほど交通機関が発達していない
Uターン・Iターン就職先では、電車やバスが走っていても都市部に比べると本数が少なく、対応していない地域があるケースも多くあります。車での生活が当たり前になっている地域も多く、運転できなければ移動に不便を覚える可能性が高いです。
たとえば都市部では、一つの電車に乗り遅れたとしても数分後には違う電車がきて、遅れずに出勤できる場合が多いです。しかし、地方の電車は本数自体が少なく、乗り遅れると次は1時間後というケースも少なくありません。
都市部の便利さになれていると、不便を感じる場合もあるでしょう。
- 車の運転ができません。地方へIターンで就職するのは難しいでしょうか?
必ずしも運転できないといけないわけではない
地方にもよりますが、不便を感じる場合が多いでしょう。しかし車に頼らなくても暮らしていける可能性はあります。都心では難しくても地方であれば勤務先のすぐ近くに住む場所を確保できる可能性もあります。
また、Iターン就職を機会に運転ができるようになるという選択もあります。
それによってこれまでとは違うライフスタイルが可能になり、行動範囲も拡がるかもしれませんし、新たな出会いにつながるかもしれません。それがその土地の魅力発見につながり定着を助けてくれることもあるでしょう。
就職にはあまり悲観的に考えず、良い機会をもらったと前向きにとらえ、人生何が幸せにつながるかわからない! くらいの楽天的思考も大切ですよ。
勤務先の選択肢が少ない可能性がある
就職先として選んだ地域によっては、都心部に比べて企業の選択肢が少ない可能性があります。
一つの企業が採用する人数が少ない場合や採用していないケースも多く、希望した就職先に勤められない可能性もあります。やりたい仕事内容によっては、就職先自体がなく諦めなければいけないケースもあるでしょう。
実際に転職先を探すときは、やりたい仕事を明確にしたうえで、選んだ地域に募集があるのか調べておくと安心です。限られた選考を突破するためにも、企業研究を入念におこないましょう。
またどうしても希望する職種の募集が見つからないが、「この地域で働きたい!」という気持ちが強いのであれば、選ぶ職業自体を変える必要もあります。自分の優先順位を明確にして、譲れないものは何なのかを考えましょう。
娯楽や生活に必要な施設が多くない場合もある
都市部ではさまざまな地域にある病院やスーパーも、地域によっては数が少ない可能性があります。生活に必須な存在にもかかわらず、車を使わないと行けない場所にあったり取り扱っていなかったりする場合もあるのです。
また、映画館やカラオケのような娯楽施設も都市部に比べると少ないといえます。頻繁に足を運ぶ人でなくても、行きたいと思ったときすぐ行けなければストレスを感じることもあるでしょう。
今まで都市部でしか生活した経験がなく、家の近くで生活に必要な施設がすべて揃うことが当たり前になっていると、生活に不便を感じるかもしれません。
引越し・就活費用がかかる
オンラインでの面接を実施する企業も増えてきていますが、対面での面接の場合は現地に出向く必要があります。
そのため住んでいる地域で就活するときに比べると、交通費がかさむことも多くなります。特に複数の企業で面接する日がずれてしまうと、何度も現地へ向かう費用が発生してしまうのです。
また無事に内定をもらえた場合は、引越し費用もかかります。引越し代だけでなく、新しい住居の初期費用や生活費などまとまった金額が必要です。家賃の金額で初期費用は異なりますが、学生時代のうちに用意しておく必要があるため注意しましょう。
企業からWeb面接を指定されたときの、具体的な対策は下記で解説しています。
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WEB面接は、対面面接と異なる対策が必要です。WEB面接に必要な準備や好印象を残すポイント、トラブル時の対処法をキャリアコンサルタントが解説します。WEB面接の特徴を押さえて選考を勝ち進みましょう。
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地方になじめない可能性がある
都市部に住んでいると近所の人と接する機会は少なく、数年間住んでいても隣人の名前を知らない場合もあるでしょう。しかし、地方に引っ越すと近所の人とかかわりが増え、人付き合いが増える傾向があります。
地域の風習やルールがあれば、今までの生活と違っても合わせる必要があります。都市部より密接な人間関係に、はじめはとまどうかもしれません。人によっては、地方の密接した人間関係に慣れない人もいるでしょう。
住む場所によって異なる風習に慣れるまでは、今までとの環境の違いに悩む可能性を考えておくと安心です。
いち早く地方になじむためには、神経質にならないことです。周囲に気をつかいすぎたり、細かい風習や考え方の違いに敏感に反応してしまったりするとストレスになります。
こんな人もいるんだな、こういう違いもあるんだなと違いを面白がるくらいの感覚で過ごしましょう。
知っておけば安心! Uターン・Iターンの就活を成功させるコツ
Uターン・Iターンの就活を成功させるコツ
ここまでで、UターンやIターンのメリットやデメリットまで理解を深めてきました。今まで都市部に住んでいた人だと、大きな環境変化にはじめはとまどうことが多いでしょう。しかし、UターンやIターンを選ぶのは目的やかなえたい将来像があるからではないでしょうか。
この章では、Uターン・Iターンの就活を成功させるコツを解説します。大きな決断だからこそ、後悔がないようにしっかり準備して臨みましょう。
UターンやIターンを選択した理由を明確にする
UターンやIターンは引越しをともなう就職のため、住んでいる場所で社会人になるよりも多くの環境変化が起きます。あまりの環境変化にとまどい、ターンやIターンを選択したことを後悔してしまうこともあるかもしれません。
しかし、UターンやIターンを選択した理由を明確にしておくことで、初心を思い出して新しい環境で頑張れる可能性が高まります。
また採用担当者としても、学生がUターン・Iターン就職を選んだ理由は気になる部分です。自分のなかで理由を明確にしておけば、面接時に聞かれてもスムーズに答えられるでしょう。
自分がUターンやIターンを考えた理由がわからなければ、自己分析で深掘りしておくのもおすすめです。自己分析の詳しいやり方を知りたい人は、こちらの記事で解説しています。
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スケジュールに余裕を持って行動する
UターンやIターンで就職する場合、住んでいる地域で面接するときよりも余裕を持った行動が必要になります。
面接へ行くたびに交通費がかかっては、複数の企業を受けるときに金銭的な負担がかかります。早めに行動して複数の企業での選考日程をまとめておくことで、時間やお金を必要以上にかけずに就職先を探せるでしょう。
地方で就職する場合、公務員試験を受けて地方公務員を目指す人もいるでしょう。公務員試験は民間企業とスケジュールが違うため、事前にスケジュールを考えて行動しないと希望する就職先の面接に参加できない可能性もあります。
志望している企業の採用スケジュールを確認しておき、綿密なスケジュールを組みましょう。
- Uターン就職するか、都会でこのまま就職するか悩んでいます。両方並行して就活するのは難しいでしょうか?
悩むのであれば並行して取り組んでみよう
都市部の学生を対象に都市で選考を実施してくれる地方企業があります。
また新型コロナウイルス感染症の流行以降オンライン面接を実施する企業も増えたので、地方と都会の就活を並行するハードルが下がりました。まだどちらが言いか悩んでいるのであれば、頑張って並行して取り組んでみてください。
どうしても地方でしか選考をしていない企業を複数受ける場合は交通費がかさんでしまったり、スケジュールが厳しくなってしまったりします。志望する企業の選考方法や交通費支給の有無を調べ、無理のないように計画を立ててください。
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行きたい地域の就活イベントに積極的に参加する
行きたい地域で合同企業説明会やセミナーなどの就活イベントがあるときは、なるべく参加しておきましょう。就活イベントは学生に企業のことを深く理解できるよう実施しているため、参加すると入社後のミスマッチを防ぐ効果があります。
新型コロナウイルス感染症の影響で、近年では説明会をオンラインで実施する企業も増えています。現地へ出向く必要がなく、費用的にも負担が少なく済むのが魅力です。
説明会に参加すれば企業のコーポレートサイト以上の情報がわかり、自分が希望するキャリアや未来に近付ける就職先を選びやすくなるでしょう。
- 地方の就活イベントを探す方法がわかりません。良い方法はないでしょうか?
自治体主催のイベントやハローワークも視野に入れて探そう
大手の就職媒体では、最低でも人口30万人以上の県庁所在地くらいまででしか就活イベントをしていないと思います。
しかも地方開催は回数も少ないので、大手を探すよりは、各地にいるその地域に強い中小の業者の主催するイベントや自治体主催の就活イベントを検索して探しましょう。
自治体は直接主宰しているところもあれば、外郭団体が受託しているところもあるので、自治体HPからリンクをたどっていく必要があります。
また、東京都内であれば各都道府県の移住希望者向けの窓口があり、そこでも定期的に就活イベントやUターン・Iターン希望者向けの情報提供があります。
なじみのない地域を考えているのであれば、新卒応援ハローワークに相談してみるのも良いでしょう。
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自治体が設ける就活支援制度を利用する
地域によっては、Uターン就職を支援するための取り組みとして、企業の就活情報をまとめたサイトを用意している自治体もあります。
またセミナーを実施し、地元企業の探し方や求人情報の紹介などUターンやIターンを考えている人へ必要な情報発信をしていることもあります。うまく使えば大手就活情報サイトには掲載されていない、地元ならではの企業に出会える可能性があるでしょう。
また、奨励金の支給をおこなう自治体もあり、内容はそれぞれ異なりますが、引越しのサポートや補助金の支給をしてくれる可能性があります。希望している地域の自治体で、どのような支援をおこなっているのか自治体のホームページを確認しておくと安心です。
Uターン・Iターン先の企業でインターンシップに参加する
Uターン・Iターン先の志望企業でインターンシップを実施している場合は、積極的に参加しましょう。インターンは企業で働く体験ができるため、業務内容だけでなく職場の雰囲気を知ることができたり、地域で実際に働く人とコミュニケーションを取ったりすることができます。
地域へ足を運ぶ機会にもなり、周辺環境や街の雰囲気など気になる部分も確認できます。
説明会やインターネットで情報収集するよりも自分の肌で雰囲気を感じられ、リアルな状況がわかるでしょう。
企業によっては県外からのインターンの参加者に対して、交通費や宿泊費を負担していることもあります。なるべく金銭的な負担が少ない企業を探している人は、探してみましょう。
新しい土地で新しい仕事に就くということは、生活環境のほぼすべてが変わることになります。少しでも現地と職場の雰囲気、風土、土地柄を知る機会を得て不安を軽減することが大事です。インターンは良い機会なので上手に活用しましょう。
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Uターン・Iターン就職が自分に合っているか知って選択肢の一つにしよう!
Uターン・Iターン就職は、さまざまなメリットがある一方で、就活費用がかかったり地域になじめるかはその人次第だったりと問題点やデメリットも存在します。
UターンやIターンを選ぶときは、自分はなぜUターンやIターンを選択するのかを明確にし、自分に合っているかしっかり確認しましょう。広い視野を持って、後悔のない選択をしてくださいね。
アドバイザーコメント
富岡 順子
プロフィールを見るUターン・Iターン就職は選択肢の一つ! 後悔のない選択をしよう
どこで働くのが自分にとってベストな選択なのか、選択肢がたくさんあるからこそ悩みますよね。
私自身も新潟と東京の会社で内定をいただいたので、どちらで働くかものすごく悩みました。SE職と銀行員というまったく違う職種だったのですが、悩んだポイントは仕事内容よりも働く場所でした。関東から離れたくない気持ちが強かったのですが、祖母の介護をする母が大変そうだったので家族の側にいて力になりたいとUターン就職を選びました。自分で決めた選択に後悔はなく、仕事も趣味も充実する時間を過ごすことができました。
現在は長野県に移住し仕事をしています。地方は人口減少している自治体がほとんどで、学生のUターン、Iターンに力を入れみなさんが来てくれるのを心待ちにしています。就職先の企業での活躍のほかに、若い力で地域を盛り上げるというやりがい、生きがいも感じられるでしょう。
何が自分にとってベストなのかじっくり考えて決断しよう
地方は場所によって地域文化が異なりますし、自然環境なども変わってきます。企業分析だけでなく、どのような土地、暮らしなのかも事前に調べることをおすすめします。
自分にとって就活で一番譲れないものは何か、どんなファーストキャリアをスタートしたいかじっくり考えて決めてみてください。自分で決めた選択は必ずあなたを成長させてくれますよ。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Junko Tomioka〇南箕輪村のキャリア教育推進コーディネーターに就任後、独立。現在は地方中高生やベトナム人留学生の就活支援、企業内キャリアコンサル、地方就職のサポートをおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている
プロフィール詳細