公務員と民間企業の併願で共倒れ? 状況別で両立のコツを解説

公務員と民間企業の併願で共倒れ? 状況別で両立のコツを解説のサムネイル

この記事にコメントしたアドバイザー

  • 渡部 俊和

    合同会社渡部俊和事務所代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号16029675) SNS:Facebook

    続きを見る
  • 隈本 稔

    職りんく運営者 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号19041711)/性格応用心理士1級/キャリア・デベロップメント・アドバイザー SNS:Facebook

    続きを見る
  • 木村 千恵子

    Koyori キャリアワールド代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号16050754)/キャリア・デベロップメント・アドバイザー SNS:X(旧Twitter)/Facebook

    続きを見る

この記事のまとめ

  • 公務員と民間企業の併願は可能! 「相違点」と「共通点」を押さえることで効率化できる
  • 公務員と民間企業の併願ではスケジュール管理が就活成功の肝
  • 公務員と民間企業の併願を成功させるためは自分に合った対策が大切

公務員と民間企業を併願するべきか否か迷う学生も例年少なくありません。「公務員と民間企業の併願ってできるのかわからない」「公務員と民間企業を併願する場合は何社くらいの選考を受けられるのだろう……」と学生から疑問の声がよく寄せられます。

「公務員が第一志望」「公務員と民間企業で迷っている」「民間企業が第一志望」とさまざまな考えがありますが、併願をするのであればコツを押さえなければ、両立はおろか共倒れという結果になってしまいます。

この記事では、キャリアアドバイザーの渡部さん、隈本さん、木村さんのアドバイスを交えつつ解説します。公務員と民間企業の併願を考えている人はぜひ参考にしてみてくださいね。

【完全無料】
就活生におすすめ!
本選考前に必ず使ってほしい厳選ツールランキング

適職診断
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

ChatGPT 自己PR作成ツール
ChatGPTを活用すれば、企業に合わせた自己PRが簡単につくれます

ChatGPT ガクチカ作成ツール
特別なエピソードがなくても、人事に刺さるガクチカを自動作成できます

志望動機作成ツール
ツールを使えば、企業から求められる志望動機が完成します

面接力診断
39点以下は要注意!面接を受ける前にあなたの面接力を診断しましょう

【本選考を控えている就活生必見】
選考通過率を上げたいなら以下のツールを活用しよう!

内定者ES100選
大手内定者のESが見放題!100種類の事例から受かるESの作り方がわかります

WEBテスト対策問題集
SPI、玉手箱、TG-Webなどの頻出問題をこれ1つで効率的に対策できます

公務員と民間企業の併願を成功させるには「優先順位」と「効率化」が重要!

結論からいうと、公務員と民間企業の併願は可能です。公務員就職と民間就職の相違点と共通点を押さえたうえで、優先順位をつけて効率的に対策をすることで自分の可能性を最大限広げた就活をすることができます。

記事では、まず公務員と民間企業を併願する人の3つのケースを解説。自分の状況を正しく把握したうえで優先順位をつけるために、公務員と民間の選考スケジュールと併願するメリット・デメリットを押さえていきましょう。

さらに、それぞれの状況に合わせて併願を成功させるコツを徹底解説していきます。忙しい併願就活を効率的にするためのヒントが盛りだくさんのため、希望の就職先の内定を勝ち取るためにもスケジュール管理を意識して対策をしていきましょう。

あなたが受けない方がいい職業を確認してください!

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

就活で公務員と民間企業の併願は可能!

公務員には公務員試験があることや就活スケジュールが異なることなど、さまざまな相違点が挙げられます。このようなことからも、公務員と民間企業を併願した状態で就活を進められるのか気になる学生も多いもの。

一見難しそうに聞こえる公務員と民間企業の併願ですが、ちょっとしたコツを押さえることで併願をした状態で就活を進めることは十分可能です。併願についてのルールや周囲の学生がどれくらい併願しているのかを確認していきましょう。

併願禁止のルールはない

公務員試験は民間企業との併願を禁止していないため、併願が可能です。各公務員のホームページ(HP)などで募集要項の受験資格欄を見ても「20〇〇年〇月〇日以降に出生した方」や「大学卒業見込みの方」などとしか記載がありません。

つまり「併願禁止」という規則を設けている自治体でない限り、公務員試験と民間企業の併願ができるということです

公務員試験の日程と民間企業の選考の日程が被ってしまうと、物理的に両方の選考を受けることは不可能ですが、比較的民間企業の選考の日程は融通が利くこともあるため基本的には併願可能という認識で問題ありませんよ。

併願している人は8割を超える

周囲の学生がどれくらい公務員と民間企業の併願をしているか気になりますよね。

マイナビのマイナビ2024年卒公務員イメージ調査によると、公務員を志望する2023年卒の学生では86.4%が民間企業と併願をしようとしています。

卒年割合
23年卒86.4%
22年卒83.2%
21年卒85.3%
公務員志望の学生が民間企業と併願する割合

民間企業を併願する理由としては、以下のような理由が挙げられます。特に公務員試験に落ちた場合の保険として民間企業を併願すると考えている人も多いことがわかりますね

併願する理由割合
公務員試験に落ちた場合の保険として69.2%
さまざまな仕事を見ておきたいため47.3%
公務員の結果通知が遅いため36.1%
面接や試験練習のため28.1%
特定の職業に就くため7.9%
公務員と民間企業を併願する主な理由

木村 千恵子

プロフィール

公務員と民間企業の併願の場合、それぞれタイプの異なる活動を同時に進めていく必要があり、基本的にそれぞれ対策の内容と取り組み方が異なります。

両方とも真剣に準備して計画的に対策に取り組まなければどちらも失敗してしまう恐れがあるため、気持ちを引き締めて取り組みましょう。

大学3年生におすすめ!
就活準備は適職診断からはじめてください!

今すぐ診断する(無料)

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

あなたはどれに当てはまる? 公務員と民間企業を併願する3つのケース

公務員と民間企業を併願する3つのケース

  • 公務員が第一志望
  • 公務員と民間企業のどちらにも興味がある
  • 民間企業が第一志望だが公務員にも興味がある

一口に公務員と民間企業を併願するといっても、人それぞれ志望度や状況は異なりますよね。今から解説する公務員と民間企業を併願する3つのケースのうち、自分はどれに当てはまるのかを整理していきましょう。

自分の状況を整理することによって、対策をする優先順位をつけることができ効率的に併願をした就活を進められますよ。

①公務員が第一志望

「公務員試験に落ちたときの保険として民間企業の選考を受ける」という理由で公務員と民間企業を併願する学生は多くいます。

具体的なスケジュールは後述しますが、一般的に公務員試験の方が民間企業の選考よりも遅く実施される傾向にあり、内定を獲得する時期も遅いです。

このようなスケジュールの関係からも、公務員が第一志望の人は万が一公務員試験に落ちてしまったときのリスクヘッジとして民間企業を併願しています

公務員の中でも市役所を志望している人は、こちらの記事もぜひチェックしましょう。市役所の志望動機の書き方と注意点をまとめています。
例文7選|市役所の志望動機が誰でもスラスラ書けるコツ! 注意点も

②公務員と民間企業のどちらにも興味がある

公務員と民間企業のどちらにも魅力を感じて決め切れずに併願をするケースがあります。これは、まだ自分の就活の軸が明確になっていない人や自分の視野を広げたい人に多い傾向です

このケースは、公務員と民間企業のどちらに力を入れて対策をするべきか判断に迷うことも多いでしょう。

公務員と民間企業のどちらにも興味があるからこそ、フラットな視点でそれぞれの機関や企業を見ることができるため、就活を通して新しい自分の価値観に気付いたりより自分に合った就職先を選ぶことも可能となります。

③民間企業が第一志望

あまり多くないケースですが、民間企業を第一志望とするものの自分の可能性を最大限広げるためにも公務員を併願する人もいます。

民間企業も公務員もどちらも合格したら民間企業に就職すると決めているものの、公務員の道も視野に入れて就活を進めている人ですね

また、大手企業など安定した企業を第一志望としつつも、万が一そのような企業に不合格となってしまった場合は公務員への就職をしようと考えていることもあります。

渡部 俊和

プロフィール

五月雨式におこなわれる民間企業の採用試験と違い、公務員試験は日程が決まっています。

公務員と民間企業の両方の対策を同時進行でおこなうと長期にわたる可能性があり、時期によっては対策が間に合わないこともあるため注意しましょう。

かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

併願するなら押さえるべき! 公務員就職と民間就職の違い

公務員は「営利を目的とせず社会への奉仕をすることが仕事」であり、民間企業は「営利を目的として企業の利益を求める仕事」という違いがありますが、こうしたイメージをなんとなく抱いている人も多いでしょう。

とはいえ、「就活」といった視点で公務員就職と民間就職の具体的な特徴や違いについては詳しく理解できていないかもしれません。併願をするなら押さえておくべき違いを確認していきましょう。

公務員就職の特徴

公務員試験は一次試験で筆記試験が課され、一次試験に合格した人が二次試験の面接を受けることができます。

公務員就職では、民間就職と比較して学生が入手できる仕事についての情報量が少ない傾向にあります。たとえば、具体的な業務内容についての情報を入手しようと思ってもなかなか手に入らなかったり、試験から採用までのスケジュールについての情報も少ないと感じる人も多いかもしれません

このように情報が少ないと感じる理由には、公務員は民間企業とは異なり決算発表をすることがなかったり、採用のために大きなお金をかけていないことが挙げられます。つまり、公務員に関する情報があまり開示されていないということです。

また公務員就職の方が民間就職と比較して情報公開時期が遅いこともあり、スピーディーな情報収集の難しさが公務員就職の特徴だともいえます。

公務員試験でもエントリーシート(ES)の提出を求める企業が増えています。しかし、どのように書くのか不安な人もいると思います。以下の記事では公務員のESの書き方を解説しているので参考にしてみてください。
公務員を目指す理由が必ず伝わるエントリーシートの書き方|12例文

公務員の種類

公務員は「国家公務員」と「地方公務員」に2つに大別されます。同じ公務員であっても国家公務員と地方公務員では試験の種類や実際の仕事内容が異なります。

国家公務員とは?

国の政策立案をするなど国全体に関する行政サービスを提供する職業。

「総合職」・「一般職」・「専門職」の3つに大別される。

国家公務員の種類

  • 国家公務員総合職:政策の企画立案などの高度の知識、技術または経験などを必要とする業務に従事する職員。省内での異動を繰り返しながら政策立案、法案作成、予算編成などに携わる。
  • 国家公務員一般職:おもに事務処理などの定型的な業務に従事する職員。企画立案を支える立場であり、国家総合職とともに国の政策立案に携わる。
  • 国家公務員専門職:国税専門官や財務専門官、労働基準監督官などの特定の分野に従事する職員。それぞれの専門分野に特化した職務をおこなう。

地方公務員とは?

地方機関で地域住民の生活に密着した業務に携わる職業。

「行政職」「資格免許職」「技術職」「公安職」の4つに大別される。

地方公務員の種類

  • 地方公務員行政職:地域に必要な各方面における施策の企画・立案から、予算編成、執行など地域の生活全般に携わる。
  • 地方公務員資格免許職:資格や免許が必要であり、おもな職種として看護師、保健師、栄養士、保育士、教員、社会福祉士、臨床心理士、助産師、理学療法士などがある。
  • 地方公務員技術職:土木・建築・電気・機械・農業・化学などの業務に携わる。
  • 地方公務員公安職:警察官や消防吏員など治安をつかさどる、または治安維持に携わる。

公務員を志望している人の中には資格を取得して有利にしたいと考えている人もいるかもしれません。しかし希望する職種とミスマッチな資格だと評価につながらない場合があります。以下の記事では公務員で有利になる資格を職種別にまとめているので参考にしてみてください。
公務員で有利な資格って? 職種別の資格とアピールのコツも解説

公務員試験の種類

国家公務員にしろ地方公務員にしろ、公務員試験に合格しなければ就職することができません。

国家公務員になるための試験は、大きく分けると「国家公務員試験(総合職)」「国家公務員試験(一般職)」「国家公務員試験(専門職)」「国家公務員試験(その他)」の4つに大別されます。

国家公務員の試験の種類

  • 国家公務員試験(総合職)
  • 国家公務員試験(一般職)
  • 国家公務員試験(専門職)
  • 国家公務員試験(その他)

国家公務員試験のなかでも、「国家公務員試験(総合職)」と「国家公務員試験(一般職)」を受験する学生が多い傾向にあります。大卒の場合、国家公務員試験(総合職・一般職)は一次試験と二次試験にわかれています。

地方公務員になるための試験は難易度ごとに「上級」「中級」「初級」の3つに大別されます。上級は大学卒業程度、中級は短大・専門学校卒業程度、初級は高校卒業程度のレベルを想定して試験が設けられています。

地方公務員試験の種類

  • 上級
  • 中級
  • 初級

多くの大卒学生が受験する上級は、一次試験と二次試験にわかれています。また、3種類の中で上級は最も難易度が高く、国家公務員試験の一般職と同じレベルと言われています。

公務員試験は、受験対策に時間がかかるのが一般的です。国家公務員試験であれば、地方公務員試験以上に対策が必要になります。

また志望する公務員職によって適性も変わってくるため、面接試験も対策なしでは合格が難しいことが多く大変だといえます。

民間就職の特徴

一口に民間企業といっても、さまざまな業界や企業があります。また、ビジネスモデルはもちろん、取り扱っている商品やサービスも異なります。

民間就職は「採用基準が企業によって異なる」ということが前提にあり、新卒の場合一般的にはポテンシャルを評価されることによって内定に至るという特徴があります

そのため企業のことを詳しく分析し、自分を適切にアピールをする必要があるといえるでしょう。

民間企業の種類

おもな業界

  • メーカー:モノを作って販売している業界
  • 商社:メーカーからモノを仕入れて、小売りに販売して、仲介手数料を得る業界
  • 小売:メーカーや商社からモノを仕入れて、消費者に販売する業界
  • 金融:「お金」にさまざまな形でかかわり、経済を支えている業界
  • サービス・インフラ:情報や環境など無形商材を取り扱う業界
  • 広告・出版・マスコミ:インターネットやテレビ、ラジオ、新聞など、さまざまなメディアを通じて情報を届ける業界
  • ソフトウエア・通信:システムやソフトウエアを提供する業界
  • 公社・団体:公益社団法人、公益財団法人と独立行政法人などが含まれる業界

民間企業ではさまざまなビジネスモデルがありますが、上記の8つの業界に大別することができます。

民間就職における業界とは、企業を産業や商業で分類したものです。業界ごとにビジネスモデルは異なり、それぞれの業界はかかわり合っていることも多いです。

たとえばメーカーが製造した商品を商社が仕入れ、小売が販売するなどのかかわりがありますよ。

民間試験の種類

民間就職の試験の種類の例

  • 書類選考
  • 筆記試験・適性検査
  • グループディスカッション
  • 面接

もちろん企業によって異なりますが、民間就職をするための試験としてはまずESと履歴書などを提出することで書類選考がおこなわれます。同時、もしくは書類選考通過後に筆記試験や適性検査を受験し、その後グループディスカッションや面接を経て内定を得ることになります。

面接は2~5回程度おこなわれ、民間就職では学生の人柄やポテンシャルを重視した採用活動をおこなっています

なお、適性検査は企業ごとに違う種類を設けていることも多く、以下が代表的な筆記試験の種類です。必ずしもすべての項目の試験が設けられているとは限らず、英語がなかったり、性格検査だけのときもありますよ。

適性検査の種類の例

  • SPI:言語、非言語分野、英語、性格検査
  • 玉手箱:言語、計数、英語、性格検査
  • GAB:暗算、法則性、命令表、暗号、性格判断
  • CAB:言語、計数、性格判断

性格適性の対策を見落としがちな学生は多いです。こちらの記事でポイントを解説していますよ。
性格適性検査マニュアル|問題例付きで選考を有利に進める対策を解説

性格適性検査も含めて、適性試験全般の対策方法をこちらの記事で解説しています。
適性試験完全ガイド|試験内容から合格必至の勉強方法まで解説

併願を効率的に進めるためにも、比較的簡単に内定が取れそうな業界や企業ってなにかあるのでしょうか?

人手不足の業界や知名度の低い中小企業

人手不足の業界である介護などの「医療福祉業」や宿泊・飲食系などの「サービス業」などは比較的内定が取りやすい傾向にあります。また知名度が低く、応募者数が少ない中小企業は比較的内定は取りやすいでしょう。

ただし、内定が取りやすそうという理由だけで併願先を決めるのはおすすめしません。せっかく内定を取れたとしても、そもそも興味がない仕事では継続的に働き続けるのは難しくなってしまいます。

就職に際しての自分軸を見定めたうえで、公務員試験で希望している職種と関連性の高い業種を選ぶなど、トータルとしてのリスクを減らすことも重要です。

併願の全体像をつかもう! 公務員と民間の選考スケジュール

併願するとその分対策をする時間も必要になりますよね。また、忙しい時期が被ってしまったら両立できないのではないかと考える人もいるでしょう。

このようなことからも、公務員と民間企業を併願するにあたって最も気になるのがスケジュールだという人も多いのではないでしょうか。今から公務員と民間企業の選考スケジュールを押さえ、併願をする就活の全体像をつかんでいきましょう。

木村 千恵子

プロフィール

公務員と民間企業を併願する場合は、試験日や面接日など物理的な参加が必須の日を先に確認してスケジュールを押さえる必要があります。

それらの日程を軸にして、それぞれの準備のための勉強スケジュールやイベントへの参加予定を組んでいくことが大切です。

公務員の選考スケジュール

公務員の選考スケジュール

公務員の選考スケジュールは上記の画像のとおり、大学4年生の4月から国家公務員と地方公務員のどちらの公務員試験も始まります。このことを考えると、遅くとも大学3年生の12月までには情報収集や試験対策の勉強を進めておきたいものです。

公務員への就職をしようと考えたら、自己分析をして自分が働きたい機関はどこかを押さえる必要があります。インターンの応募が3年生の4月〜6月にあることを踏まえると、3年生になった4月時点で就活を進められれば出遅れないで済むでしょう

最新の情報を各機関のHPなどで確認しつつ、一次試験にむけて逆算して勉強をしてくださいね。

民間企業の選考スケジュール

一般的な就活スケジュール

民間企業の就活では、多くの場合大学3年生の6月~8月に「サマーインターン」、12月〜2月に「ウィンターインターン」が開催されます。参加は必須ではありませんが、選考が有利になることもあります。そのため、併願をする人は公務員試験までまだ時間のあるサマーインターンに参加してみるのもおすすめです

一般的に大学3年生の3月に「就活情報解禁」があり、企業説明会への参加ができたり書類選考が始まります。とはいえ、大学3年生の3月以前から選考を進める企業や内定を出す企業もあるため、大学3年生の3月以前の早い時期から情報収集を怠らないようにしましょう。

選考が早い企業の特徴としては、マスコミ・広告業界や外資系企業、ベンチャー企業などがあげられます。また、サマーインターンを募集しているような企業は早めに選考がおこなわれることもあるため、どんな企業がサマーインターンの募集をしているか企業HPや就活情報サイトで見てみましょう。

一般的な内定時期についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
就活の内定時期はいつ? 早く内定を得るために必要なことを解説

公務員と民間企業を併願するメリット・デメリット

公務員と民間企業を併願するメリット

メリット①選択の幅と視野が広がる
メリット②SPIや時事問題などそれぞれの対策をお互いに応用できる
メリット③全落ちのリスクを減らせる

公務員と民間企業を併願するデメリット

デメリット①時間が分散されてどっちつかずになる
デメリット②精神的に負荷が重い
デメリット③対策とスケジュール管理が大変

「とりあえず内定0の可能性を下げたい」といったリスクヘッジのために、深く考えずに公務員と民間企業を併願しようとすると、就活を進める中で苦しい思いをして挫折してしまうかもしれません。

逆に、「自分には併願する余裕はなく、手に負えないだろう」となんとなくの考えで公務員だけに集中をしたとしても、自分の可能性を狭めて後悔する原因となることも。

今から解説する公務員と民間企業を併願するメリット・デメリットを押さえたうえで、併願をするか否か考えていきましょう。

メリット①選択の幅と視野が広がる

最初から「公務員だけ」と絞らないことによって、民間企業に触れる機会を手に入れられます。そのため、就活を始めたばかりのころはあまり気付けなかった自分の可能性などを発見することにもつながります

「公務員に就職する」は将来の人生の目的やありたい姿を実現するための手段にすぎません。公務員になることでなにを求めているのか、何を成し遂げたいのか考えてみましょう。

「公務員だけ」に縛られると、自分が本来臨む方向性からズレてしまう可能性があります。

メリット②SPIや時事問題などそれぞれの対策をお互いに応用できる

公務員試験の勉強内容は、民間企業の筆記テストなどにも応用することができます。そのため、必ずしも公務員就職と民間就職の両方のために別々の対策をしなければならないというわけではありません

筆記試験では共通する対策が多く、公務員試験対策で勉強していれば、民間企業のSPIなどのWebテストや筆記試験は問題なく通過できることもあります。

また、一般的に民間企業の面接の方が公務員試験の面接よりも早くおこなわれる傾向にあります。そのため、民間企業で面接の場数を踏み、公務員試験の面接でそれまでに培った面接力を発揮することもできるでしょう。

渡部 俊和

プロフィール

公務員試験の方が勉強をする内容の種類の幅が広いため、能力試験、適性検査、面接については公務員試験の対策だけで民間の試験対策もカバーできるといえます。

専門試験や性格・心理検査などは民間では実施されていないこともありますよ。

メリット③全落ちのリスクを減らせる

公務員試験よりも先に民間企業の内定を確保できれば、全落ちのリスクを減らすことが可能です。

万が一公務員試験に不合格となってしまった場合でも、民間企業の内定を持っていれば民間企業への就職という道があるため安心できますよね。

また、内定を1社持っていることによって心に余裕が生まれ、安心して公務員試験に臨むことができ100%の力を発揮しやすくなるかもしれません

デメリット①時間が分散されてどっちつかずになる

一方併願で考えられるデメリットとして、スケジュール管理がうまくできてなかったり、対策の時間を十分確保できていなかったりするとどちらも中途半端な状態になってしまう危険性があります

希望の就職先から内定をもらうためには、公務員就職も民間企業就職もどちらもしっかりとした対策が必要です。何を優先すべきかが判断できないと、一つの対策に集中できない分どっちつかずとなってしまいますよ。

デメリット②精神的に負荷が重い

民間企業の面接を受けて、公務員試験の対策もするとなると、なかなか就活を休む時間が取れないかもしれません。そのため常に就活と向き合っている状態ともいえ、精神的な負荷が重くのしかかってきます。

また、公務員が第一志望だったとしても、滑り止めのつもりで選考を受けた民間企業の結果が不合格となると「自分は滑り止めでさえ落ちたから、公務員もダメなのではないか」とひどく落ち込んでしまうかもしれません

落ち込んでいるときも一定時間は公務員試験の勉強をする必要があるため、リフレッシュできるタイミングが少なく気持ちが疲れてしまうデメリットがあります。

公務員と民間どちらも興味がある段階ですが、ただでさえ就活に対して不安が大きいのに、精神的な負荷が重い併願をするのはもっと不安です……。どのように捉えたら良いのでしょうか?

渡部 俊和

プロフィール

業種の違う選択肢が増えただけと捉えてみよう

民間企業と公務員を分けて考えれば気が重くなるのもわかりますが、実際は対策の大部分は共通するものが多いですよ。「業種の違う選択肢が増えただけ」と考えれば、あまり不安にならなくても良いといえます。

民間企業だけに絞ったとしてもメリット、デメリットがあり、公務員だけに絞るとむしろデメリット(リスク)が大きくなります。結局、どの選択をしても精神的な負荷はそれぞれ異なる形でかかるのです。

無理をして併願することをすすめるわけではありませんが、あとで後悔する可能性があるのであれば、経験の1つとしてできる範囲で併願にチャレンジしてみても良いのではないでしょうか。

デメリット③対策とスケジュール管理が大変

公務員就職と民間企業就職では、もちろんそれぞれの対策が必要となってきます。たとえば公務員試験では専門性の高い勉強が必要であり、民間企業ではそれぞれの企業にマッチしたアピールを面接でしなければなりません

公務員と民間の双方について「いつ」「どのタイミングで」「なにを」「どれくらい対策をするのか」とスケジュール管理をするのは非常に大変です。

インターンや試験の日程が被らないように調整したり、ある程度区切りをつけて対策をしなければどちらも求める結果は得られなくなってしまいます。

アドバイザーコメント

公務員と民間企業の併願では面接の際に頭の切り替えが必要

公務員と民間企業の併願で困るのは、筆記試験よりもむしろ面接かも知れません。マナーや話し方はどちらも共通です。しかし、公務員と民間企業とでは価値観が違う仕事になるため、民間企業にあるような業績や成長性、営利追及という切り口が、公務員では住民福祉や社会貢献、非営利という切り口に変わります。面接を受ける際には、頭の切り替えが必要です。

職業理解の方法も工夫が求められる

また併願のデメリットとして、職業理解という点でも掘り下げが難しい面があります。民間企業は幅広く、どんな職業なのかを一つひとつ理解していくことは膨大な時間がかかります。

また地方公務員の場合は、OB・OG訪問をしても必ずしも深い業務理解ができるとは限りません。なぜなら、地方公務員の総合職はメンバーシップ型の際たるもので、特定の職種に限定されないことが多く異動も頻繁だからです。興味のある仕事をしているOB・OGに会ったとしても、異動してきたばかりでその仕事に関する深い話が聞けないということもあります。

ある公立大学の学生課の職員(地方自治体の公務員)は、前の職場が福祉事務所だったそうで、3年くらいでまったく畑違いの部署に異動することが多いと語っていました。

併願の大きなメリットは選択の幅と視野が広がること

一方で「選択の幅と視野が広がる」というのは併願の非常に大きなメリットといえます。基本的には、就活の時期にしか各企業や各自治体から直接仕事の話を聞くことはできません。今後は体験できない経験ともいえ、一時的には大変ですが、長い目で見れば併願は非常に頑張る価値のあることでしょう。

公務員と民間企業を併願するための9つのコツ

公務員と民間企業を併願するための9つのコツ

  • スケジュール管理を徹底する
  • 情報収集を怠らない
  • 対策の共通点と相違点を整理する
  • 公務員と似た業界や職種の選考を受ける
  • 「新方式」や「SPI試験」を導入している自治体を受験する
  • 早期に実施される民間の選考を受けておく
  • 学内で開催される講座や予備校に通う
  • オンライン説明会などを活用する
  • 大学のキャリアセンターやキャリアコンサルタントに相談する

公務員と民間企業を併願するメリットとデメリットを正しく押さえたうえで、それでも併願をすると決めたら両立のためのコツを押さえていきましょう。

公務員と民間企業の併願はスケジュール管理が難しいからこそ、コツを押さえなければ時間ばかりが過ぎて自分が苦しい思いをしてしまいますよ。

公務員と民間企業を併願する場合、何社くらいにエントリーするべきか悩む人も多いかもしれませんね。第一志望が公務員ならば、民間へのエントリーは対応できるレベルで5〜6社程度が良いでしょう。

公務員と民間で進路を決めかねているならば、リスクを考慮したうえで10社程度はエントリーをしておくことがおすすめです。

①スケジュール管理を徹底する

公務員と民間の最新のスケジュールを把握して、優先順位をつけたうえで対策を進めましょう。「なにが」「いつ」あるのかを把握して、逆算して動くことが大切です。

たとえば公務員が第一志望の場合、早めに内定が出る民間企業を受けるなどスケジュールをあらかじめ立ててみてください。こうすることで、公務員試験が集中している時期になるべく民間企業の選考が被らないようなスケジュールを組むことが可能です。

「いつ」「どのタイミングで」「なにを」「どれくらい対策をするのか」を明確に決めて、行動に移しましょう

アドバイザーコメント

公務員と民間企業の選考スケジュールを一目でわかるようにしよう

公務員と民間の併願でスケジュール管理する際には、公務員試験と民間のスケジュールをひと目で確認できるようにまとめるのがポイントです。

①スケジュール管理にはガントチャートを使用する
スケジュール管理は就職活動全体の動きがひと目で確認できるように、月単位のガントチャート形式でまずまとめることがおすすめです。「公務員試験の具体的な日程」と「公務員試験対策の日程」、「民間企業の日程」の大きく3つの項目に分けてまとめましょう。

②公務員試験の日程や対策スケジュールを先にまとめる
まずスケジュールがほぼ確定している、公務員試験の日程をカレンダーに記載しましょう。申し込み期限はもちろん、一次試験や二次試験の日程もタスク化して書き込みます。

③民間企業の応募締め切りなどをまとめる
民間企業の場合は、基本的には3月頃から採用情報が公開されます。ただし通年採用をおこなっている企業もあるため、自分が応募したい企業の情報は早めにウォッチしておきましょう。応募先の企業が決まったら、具体的な応募日や試験日程をスケジュールに書き込みます。

②情報収集を怠らない

正しい情報を知らなければ、適切な行動をすることができません。試験日を勘違いしていたら勉強時間が足りなくなることや、そもそも応募できないなんてこともありえます。

公務員は民間企業に比べて、就活に関する情報量が少ない傾向にあるため、意識的に最新情報を各機関の公式HPなどからキャッチアップするようにしましょう

就活に関する情報を収集する方法

  • 学内の就職ガイダンス
  • 公式HP内の採用情報
  • 就職情報サイト
  • 就職情報誌(会社四季報・業界地図など)
  • 学校のキャリアセンター
  • 試験対策本
  • Wスクールや資格のために通う専門学校
  • 民間企業と公務員が共同でおこなう合同説明会
  • 個別におこなうセミナー
  • インターン

③対策の共通点と相違点を整理する

公務員と民間企業を併願する場合、共通する対策と異なる対策を押さえることで何を優先して対策するべきか見えてきます。

たとえば公務員試験の「教養択一試験」と民間企業で実施されることの多い筆記テストの「SPI」の中の一般知能分野の出題範囲には似ている部分があります

難易度は公務員試験の方が高いものの、出題される数学の問題はSPIと似ています。また、公務員試験の現代文とSPIの言語は近い内容で出題されています。そのため、民間企業の筆記テストの勉強時間はそこまで必要なさそうだということがわかりますね。

公務員試験の数的処理(数学)とSPIの非言語分野

  • 公務員試験:数的推理と判断推理、資料解釈、空間把握。
  • SPI:推論や場合の数、確率、損益算。

公務員試験の文章理解(国語)とSPIの言語分野

  • SPI:二語関係や熟語、長文読解。
  • 公務員試験:現代文、英文、古文。

公務員と民間企業の相違点としては、公務員試験の範囲の広さや民間企業の面接で聞かれる想定外な質問の数々などが挙げられます。

そのため、公務員試験勉強や民間企業の面接対策に多くの時間を割く必要がでてきます。

民間企業の面接でされる想定外な質問の例

  • あなたを動物にたとえるとなんですか?
  • あなたが最近やってしまった悪事を教えてください。
  • 最近あった「少しだけいい話」を教えてください。
  • あなたを漢字一文字でたとえるとなんですか?
  • 100万円あったら何に使いたいですか?
  • 弊社にとってあなたを採用するメリットは何だと思いますか?

それぞれの対策の共通点と相違点を整理すれば、併願であっても「これは公務員試験で対策をしたから民間企業向けの対策はしない」など効率的に対策を進めることができます。

また、「ここは公務員と民間企業で異なる対策が必要だ」などと時間を要するであろう箇所を整理することができますよ。

木村 千恵子

プロフィール

公務員と民間企業の対策では共通点と相違点があります。一般論としては、共通点をすべて先に頭に入れておくと相違点の理解がしやすいはずです。

しかし現実には勉強には時間がかかるため、共通点の中でもポイントを絞って全体像を把握し、途中から相違点の勉強を並行して進めることをおすすめします。

④公務員と似た業界や職種の選考を受ける

公務員を志望している理由はなにかしらあるはずです。その公務員を志望する理由を言語化したうえで、公務員と似た業界や職種の選考を受けてみましょう。

公務員と似ている業界や職種であれば志望する理由の根幹が同じことも多いため、選考での志望動機に説得力が生まれ、また一から志望動機などを考え直すよりも効率的に就活を進めることができるでしょう

なお、マイナビのマイナビ 2024年卒公務員イメージ調査によると、2023年卒の公務員と民間を併願している人の中では以下のような業界が併願先の民間企業として人気です。

併願をしている人の志望業界の例

  • 食品・農林・水産
  • 銀行・証券
  • 公社・団体
  • 教育
  • 建設・設備工事

これらの業界は、民間企業の中でも比較的自社の利益だけを求めるのではなく、公共のためになるような事業をやっていることが多いです。ぜひ参考にして、興味が持てる業界か確認してみてくださいね。

業界をまだ絞れていない人は以下の記事を参考にしてくださいね。
業界の絞り方で就活失敗? 後悔しない絞り方7選と必須の準備を解説

公務員と民間企業を併願するにあたってまったく公務員と似ていない業界の選考を受けたいのですが、良くないのでしょうか?

木村 千恵子

プロフィール

明確な理由や確固たる意思があるなら挑戦するのも良い

その挑戦には苦労がともない大変な作業であることを十分理解していて、それでも挑戦したい理由が明確にあるのであれば、あえて挑戦してみるのも良いでしょう。

ただし、あえて両方に同時に応募することを決断する前に、よく自分の本気度を自問自答してみてください。どちらかでは絶対だめなのか、自分自身に説得力のある理由を答えられるのか考えてみましょう。

自分が本気であることを確認できたら、まず併願の全日程を乗り切るための活動計画をできるだけ具体的に綿密に立ててみることをおすすめします。

その計画を具体的に作成できないようであれば、本気度が少し足りないかも知れません。計画を綿密に立てることができたら、計画の実行をどこまで続けられるか試しながら就活を続けてみてくださいね。

⑤「新方式」や「SPI試験」を導入している自治体を受験する

新方式とは?

人物重視の試験であり、一次試験では論文・専門試験に代えてプレゼンテーションシートを作成し、二次試験で面接がおこなわれる方式。

SPI試験とは?

公務員を受験しやすい環境を作るため、民間企業で設けられることの多いSPIを一次試験として課す方式。

公務員試験の一次試験の出題範囲は広いため、一次試験が課されないこれらの「新方式」「SPI試験」を導入している自治体を受験することによって、筆記試験の負担が軽くなり勉強時間を削減できます。

気になる自治体の採用HPを見るなどをして、「新方式」や「SPI試験」という記載がないか確認してみましょう。

ただし、公務員ならではの特別な筆記試験がない自治体は多くの人が気軽に応募をすることもあり、面接の難易度は高くなりがちです。民間企業と併せて入念な面接対策をする必要が出てきます。

⑥早期に実施される民間の選考を受けておく

民間企業は一般的に大学3年生の3月が「情報解禁」と呼ばれ、本格的に説明会や選考が始まるといわれています。しかし、企業によっては大学3年生の6月〜8月におこなわれるサマーインターンなど、早期に内定を出す企業もあります

そのため、民間企業の面接で場数を踏んでおくといった意味でも、内定を早めに1社確保しておくという意味でも、早期に実施される民間の選考を探し受けておきましょう。

これは、公務員試験の勉強が本格化する前に民間企業の選考を受けることも可能ということです。公務員試験の勉強に比較的追い込まれていないため、余裕がある状態で民間企業の選考に臨むことができます。

早期選考までに面接の準備をしておきたい人はこちらの記事を参考にしてくださいね。
面接の準備完全版|あなたを最大限に魅せる17の土台作り

渡部 俊和

プロフィール

早期選考というとIT系企業やベンチャー企業が話題にあがることが多いです。しかし、インターン採用などは業種を問わず大手企業でもおこなわれていますよ。

特に外資系企業はインターン採用を重視する傾向があることを念頭に置いておきましょう。

⑦学内で開催される講座や予備校に通う

公務員試験の勉強は、もちろん参考書などで独学でも可能です。とはいえ独学だとわからないことがすぐに質問できる環境がなかったり、勉強ノウハウ、最新情報なども1人でキャッチアップしなければなりません

そのため、金銭的に許すのであれば学内で開催される講座や予備校に通うことで効率的に勉強をしましょう。

一緒に頑張れる仲間が周囲にいることでモチベーションを高める効果も期待できます。また周囲の就活状況を知るきっかけとなり、視野が狭くなりづらいですよ。

公務員への合格率を高めるなら、講座受講や予備校への通学をおすすめします。試験情報が入手できるのはもちろん、面接対策もできるからです。

ただし、併願の場合は民間企業の採用が始まると時間の調整が難しくなるため、予備校などに申込時に相談しましょう。

⑧オンライン説明会などを活用する

公務員と民間企業の併願をすることによって、単願よりも多くの自治体や企業の説明会に参加する必要が出てくるでしょう。

一つひとつ実際に訪問したいと感じる人もいるかもしれませんが、移動時間や交通費を削減するためにオンライン説明会なども活用してみてください。

浮いた時間を公務員試験や民間企業への就職のための対策に充てることで、時間の無駄なく併願をすることができます。また最近ではオンラインで面接を実施する企業も増えてきているため、どんな選考フローなのかを確認してみてくださいね。

⑨大学のキャリアセンターやキャリアコンサルタントに相談する

効率的な公務員試験対策のために、学内で開催される講座や予備校に通う人も多いでしょう。民間企業への就職も同様に、第三者に頼ることで効率的に進められるようになります。

基本的には、誰もが初めての就活です。進め方や対策の仕方がわからないことだらけであり、正解がわからない状態ともいえます。そのため、大学のキャリアセンターやキャリアコンサルタントに相談することで自分の対策が間違っていないか確認できますよ。

また、公務員と民間企業を併願する学生におすすめな企業や選考スケジュールのアドバイスをもらえることもあるため、ぜひ一度足を運んでみてください

公務員が第一志望の人向け! 併願を成功させるコツ

公務員が第一志望の人向け! 併願を成功させるコツ

  • 公務員試験対策を優先する
  • 公務員の中で併願する

単に公務員と民間企業を併願するといっても、人によってそれぞれへの志望度は異なります。そのため、自分に合った併願を成功させるためのコツを押さえる必要があります。

ここでは、公務員が第一志望の人向けに併願のコツを解説していきます。

「併願をする周囲がSPIの勉強をしているから……」「周りのエントリー数が10社だから自分もそうしよう」などと周囲に合わせるという理由だけで人の対策を参考にするのではなく、公務員が第一志望のあなただからこそするべき対策を確認していきましょう。

公務員試験対策を優先する

公務員が第一志望であるからこそ、最も優先すべきことは公務員試験の対策です。公務員試験は出題範囲も広く、専門知識が求められる場合も少なくありません。

受験する自治体を決め、必要な勉強時間を把握したうえで逆算して勉強を進めましょう。公務員試験の出題範囲の中からも、優先順位を定め、過去問をうまく活用してくださいね。

公務員試験対策の例

①受験する自治体を決める
公務員試験は自治体によってそれぞれ試験制度が異なるため、まずは受験する自治体を決めましょう。筆記試験である一次試験では教養試験がおこなわれるだけでなく、専門試験がおこなわれることもあります。勉強プランを立てる前に、受験する自治体を決めることが大切です。

②必要な勉強時間を把握して勉強プランを立てる
一般的に、公務員試験に合格するための勉強時間は「少なくとも800時間」といわれています。これは1日4時間の勉強で約半年間、1日2時間の勉強で約1年間の計算です。余裕を持ったスケジュールを立てましょう。必要であれば講座や予備校に通うことも検討してください。

③優先順位をつけて勉強する
筆記試験の出題範囲は非常に広いため、まずは配点の高い科目を優先することがおすすめです。教養試験では「数的処理」「文章理解」、専門試験では「憲法」「民法」「行政法」「経済学(ミクロ・マクロ)」の配点が高いとされていますよ。

④過去問を上手に活用する
過去問に早めに取り組むことで、出題側が意図する「押さえておいてほしいポイント」を理解し、優先的に重要キーワードを対策できるようになります。過去問を上手に活用することで、要点を絞り効率的な勉強ができるメリットがあります。

⑤最適なタイミングで復習する
人は記憶したことを忘れていく生き物です。そのため、繰り返し復習をすることで記憶を定着させましょう。翌日、1週間後、2週間後、1か月度などと感覚を伸ばしながら復習をしましょう。

公務員試験に集中して、万が一公務員試験に落ちてしまったとしても、大学4年生の10月以降に募集をしている企業もあるため、就職できる可能性が0になるわけではありません。

木村 千恵子

プロフィール

公務員試験対策を優先したくても、民間対策にも取り組んだ方が良いか迷う事態が必ず発生します。

そのため毎回取り組むかどうかを迷わなくて済むように、あえて「SPI対策はおこなわない」や「毎週2時間だけ取り組む」などの対象を事前に決めておくことがおすすめです。

公務員の中で併願する

公務員と公務員を併願する人は多くいます。希望の仕事に就きやすくするためにも、積極的に併願を検討してみましょう。

公務員試験一つひとつのプレッシャーを軽減したり、本命の公務員試験を受ける前の公務員試験の練習になります

一般的に3~6つ程度の公務員を併願することが適しているとされています。とはいえ、自分のキャパシティを考えたうえで併願しましょう。また、試験がかぶらないかについては要チェックです。

公務員と民間企業で絞れていない人向け! 併願を成功させるコツ

公務員と民間企業で絞れていない人向け! 併願を成功させるコツ

  • 自分の価値観を整理して就活の軸を考える
  • 公務員と似た事業をしている民間企業を調べてみる

併願をすると決めたものの、公務員も民間企業もどちらも魅力的に見えている人もいるかもしれませんね。

優先順位がつけられず、どっちつかずな状態に陥らないためにも、公務員と民間企業で絞れていない人が就活を成功させるコツを押さえていきましょう。

自分の価値観を整理して就活の軸を考える

公務員も民間企業のどちらも魅力的に見えて優先順位がつけられないという人は、自己理解が浅い可能性があります。そのため、自己分析をすることで自分の価値観を整理してみましょう。

自己分析のやり方については、後半で解説するため、そちらを参考にしてくださいね。

自己分析をした結果、自分が思い描く理想の未来はどのようなものなのかを考え、それを実現するためにはどんな就活の軸が必要なのか決めてください。そうすることで、自分の中で公務員と民間企業のどちらに就職をすべきか優先順位をつけられるようになるでしょう。

自分の価値観を整理しても、公務員と民間企業で優先順位をつけられません。どのような点に注意して、就活の軸を考えれば良いのでしょうか?

自己理解だけでなく「仕事理解」も深めて考えよう

自分の価値観の整理は、自己理解に該当します。しかし、就職先を決めるならば自己理解だけでなく仕事理解も非常に重要です。まずは比較的業務内容が調べやすい公務員の仕事について、具体的な仕事内容や自分が果たしたい役割、価値観とのマッチ度をまとめてみましょう。

そのうえで自分が興味のある民間企業についても、同じようにまとめて比較してみましょう。仕事理解を進める中で、自分の価値観についても見直すことができるため、最終的なマッチ度が高そうなものを優先することが大切です。

それだけでも難しい場合は、早い段階で民間企業に応募してみて、実際に自分とのマッチ度を見定めるといった方法も取ってみてくださいね。

公務員と似た事業をしている民間企業を調べてみる

公務員になんとなく惹かれているのであれば、公務員と似た事業をしている民間企業を調べてみましょう。もしかしたら、自分が知らないだけで民間企業の方が自分に合っているかもしれません

たとえば、公務員と似た事業をしているBtoG企業が挙げられます。BtoG企業は特定の企業名ではなく、ビジネスモデルを指します。

BtoGとは?

BtoGとは「Business to Government」の略で、企業と行政の間でモノやサービスを提供するビジネスモデル。B2Gと表記されることもある。

BtoG企業は行政を相手にしたビジネスです。道路工事や公共施設の建設関係はもちろん、最近ではIT化に遅れている行政に対して、テクノロジーの力で業務上の問題解決をするといったこともしています。

自治体の運営するサイトを検索して、小さく名前が出ているパートナー企業や、また窓口や資料の作成者になっている企業を探してみましょう。このような企業などがBtoGにあたります。

なんとなく公共のためになる仕事がしたいという理由で公務員を志望しようとしている人は、民間企業にも公共のためになるビジネスがあると押さえてくださいね。

就職先の決め方がよくわからないという人は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
就職先の決め方決定版|学生が見落としがちな視点と注意点を徹底解説

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

民間企業が第一志望の人向け! 併願を成功させるコツ

民間企業が第一志望の人向け! 併願を成功させるコツ

  • 公務員試験の勉強時間のノルマを固定化する
  • 自分のキャパシティを踏まえたうえで民間のエントリー数を考える

あまり多くない割合かもしれませんが、民間企業が第一志望なものの公務員も併願するという人もいますよね。

中途半端な気持ちで公務員試験対策をしてしまうと、勉強ばかりに時間を取られて苦労が無駄になってしまう危険性もあります。民間企業が第一志望だからこそ、併願を成功させるためにやるべきコツを押さえていきましょう。

公務員試験の勉強時間のノルマを固定化する

自己分析や業界・企業研究は終わりがなく、やろうと思えばいくらでもできてしまいます。そのため、民間企業が第一志望だからこそ、民間企業対策ばかりになってしまう危険性が潜んでいます。

公務員試験は出題範囲も広く、専門性を求められることもあるため一定以上勉強しなければ合格できません。そのため、民間企業が第一志望であっても併願をするのであれば、どの科目を1日に何問解くのかなどと勉強時間を細かく設定しておきましょう

また「何時から何時まで勉強する」などを固定化することも、勉強時間を確保できるため良いでしょう。最低限公務員試験の対策の時間を決めておかなければ、民間企業ばかりの対策になってしまうことがありますよ。

公務員試験によって難度も異なるため、必要な勉強量は人による部分が大きいです。

ただ、公務員試験は試験内容が民間以上にはっきりしているため、民間の筆記試験と関連性が高い科目を中心にして、毎日少しでも問題に触れるようにしましょう。

自分のキャパシティを踏まえたうえで民間のエントリー数を考える

民間企業が第一志望だからこそ、多くの民間企業の選考を受けようとする人もいるかもしれませんね。しかし、公務員との併願をするのであればその分公務員試験の対策も必要になるため民間企業に当てる時間は限られてきます

例年一般的な学生のエントリー数は20社程度です。自分は民間企業対策にどれくらいの時間を割けるのか、公務員試験対策にどれくらい時間を割く必要があるのかを踏まえて、エントリー数を考えましょう。

渡部 俊和

プロフィール

併願の場合、常にアンテナを立てておきたい第一志望群の企業は3~5社(入れ替わりもあり)、第二志望群を2~3社、志望度は低くても戦略的に受ける企業2~3社、を常に持つくらいがエントリーの限界ではないかと思います。

何社くらいにエントリーをするべきか悩んでいる人はこちらの記事を参考にしてくださいね。
就活のエントリー数で間違うと悲惨! あなたに合った選び方を解説

公務員や民間企業の選考のために準備すること5選

公務員や民間企業の選考のために準備すること5選

  • 自己分析
  • 筆記試験・適性検査対策
  • OB・OG訪問
  • インターンシップ
  • 面接対策

公務員と民間企業のどちらの内定も得るためには、対策を入念におこなう必要があります。公務員ならではのポイントや民間企業ならではのポイントを押さえないまま準備をしてしまうと、間違った方向性で対策を進めてしまう危険性が潜んでいます。

公務員と民間企業の併願を成功させるためには効率的に準備をする必要があるため、今から解説する「公務員や民間企業の選考のために準備すること5選」を参考にしてくださいね。

①自己分析

自分史のフォーマット

おすすめの自己分析やり方と難易度

  • 自己分析ツール
    質問に回答するだけで気軽に自己分析ができる

    1.0
  • マインドマップ
    頭の中で考えていることを整理し発想しやすくする

    2.0
  • モチベーショングラフ
    どんな状況や環境で頑張れるかが可視化できる

    2.0
  • 自分史
    自分の過去から現在にかけてのエピソードを洗い出す

    2.5
  • ジョハリの窓
    「自分から見た自分」と「他者から見た自分」を知ることで客観的に自己を判断できる

    4.0

自己分析にはさまざまなやり方があります。どの自己分析も総じて、過去から現在にかけての自分の経験を洗い出すことで、自分の価値観や強みなどを導き出します。

細かく過去の経験を振り返ることができるため、自己分析のやり方として自分史がおすすめです。

自分史の作り方

①ノートとペン、もしくはwordなどまとめられるものを用意する。

②以下の内容を参考に小学校から現在までの出来事を年代別に洗い出していく。
 一番頑張ったこと
 一番辛かったこと
 一番うれしかったこと
 当時、熱中していたこと
 大きな失敗や挫折
 困難を乗り越えたこと
 自分から率先しておこなったこと

③過去の経験を喜怒哀楽などで考え方が似ているエピソードをまとめる。

④まとめた内容が自分の価値観を表す。

「自分を知る」といった意味では公務員と民間企業の自己分析は同じですが、「選考で伝える」といった面で考えると少し異なる部分もあるため確認していきましょう

公務員

公務員の場合は、なぜ民間企業ではなく公務員を志望するのかといった志望理由を自己分析で言語化しましょう

たとえば、公務員を志望する理由に「地域に密着した仕事がしたい」という想いがあったとします。なぜこのように考えるのかと深掘りをしていきましょう。

そうすることで、自分の根底にはどんな価値観があり、公務員を志望するに至ったのかが見えてきます。

自己分析で深掘りをする例

  • 公務員を志望する理由:地域に密着した仕事がしたい

    ↓なぜ
  • 自分の生まれ育った故郷に恩返しがしたい

    ↓なぜ
  • 人に喜んでもらうことが好きでギブの精神があるから

民間

民間企業にはさまざまな業界や企業があるため、自分の職業への適性を知るためにも自己分析をします。深く自己分析をやらずに業界を絞ってしまうと、企業側から「この学生は適性がない」と判断され選考がうまくいかなくなってしまうこともあります。

また、入社後悪いギャップが生まれ早期離職の原因ともなりえますよ。自己分析をおこなう際には、「自分がどんな環境でモチベーションがあがるのか」「困難を乗り越えられたときはどんな環境だったのか」に着目してみましょう

たとえば、「仲間と励ましあえるときにモチベーションがあがる」とします。こちらも公務員の自己分析と同様に「なぜ」と深掘りをしていき、なぜ仲間と励ましあえるとモチベーションがあがるのか考えて、自分の心の奥底にある心理を探っていきましょう。

自己分析で深掘りをする例

  • 仲間と励ましあえるときにモチベーションがあがる

    ↓なぜ
  • チームに少しでも貢献をしたいと感じるため

    ↓なぜ
  • 勝利をしたときなどみんなで笑顔になる瞬間にやりがいを感じるから

自己分析の詳しいやり方を押さえたい人は、以下の記事を参考にしてくださいね。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

アドバイザーコメント

民間企業では明確な志望理由を用意することが必須

公務員が第一志望で、保険として民間企業を受ける人の中には民間企業の選考を甘く見て対策が不十分な人もいるかもしれませんね。民間企業を志望する場合、企業の数は文字通り星の数ほどあります。

そのため企業は自社に合った学生を見極めるため、「我が社の何に興味を持って志望しているのか」「どれだけ理解しているか」をとにかく知りたがっています。

企業側の知りたい想いに適切に答えるためには、あなた自身がその質問に明確で説得力のある答えを用意しておくことが非常に重要です。

そして説得力のある答えをするためには、自分が強く興味を持っていることや仕事を通してやってみたいこと、どんな人たちと仕事をしたいのか、どんなことを大切にしているのか、何が得意なのか、それらはなぜなのかなど、自分のことをよく理解している必要があります。

民間企業には採用に精通した人が多いからこそ浅い答えは見破られる

公務員は異動が多く、採用に精通した職員は少ない傾向にあるため、オーソドックスな質問が多いです。しかし民間企業では、人事担当者も含めて新卒の採用経験の豊富な人が多くいます。そのため学生の自己分析が十分できているかは、すぐに判断されてしまいます。自己分析が浅く、採用担当者の質問に表面的な答えしか言えないような準備では、到底内定をもらうことはできません。

だからこそ、民間の企業に応募する場合は自己分析を重点的におこなっているかどうかがポイントになってきますよ。筆記試験は公務員の方が難しいですが、面接は民間企業の方が難しいと言われているため、必ず力を入れて面接対策をしておきましょう。

②筆記試験・適性検査対策

公務員では一次試験、民間企業ではSPIなどの筆記テストがあります。共通する内容もありますが相違点もあるため、どのように対策をしていくか細かく考えることで無駄なく効率的に勉強できますよ。

公務員、民間企業のどちらでも選考の前半で筆記試験がおこなわれる傾向にあるため、この筆記試験を突破できなければ面接に進むことができません。必ず対策をしてくださいね

公務員

公務員の筆記試験は以下のような内容があります。

公務員の筆記試験

  • 教養択一試験:事務処理能力や基礎知識を試す試験
  • 専門択一試験:4系統・32科目から構成される非常に範囲が広い択一式の試験
  • 教養論文試験:行政課題や時事関連の話題について見解や説明を求められる記述論文試験
  • 専門記述試験:国税専門官や財務専門官など、一部の試験で実施される専門科目の論文試験

教養択一試験は民間企業の就活で必要なSPIの対策にもなるため、民間との併願を考える場合、この試験の学習は一石二鳥です。 専門択一試験は、 自治体により各科目の出題数や傾向が異なるため、必ず自分の受験する試験種に必要な科目を確認しましょう。

教養論文試験では60分〜80分程度、文字数は800〜1,200字程度でおこなわれるため、自分なりの考えを盛り込んだ論理的な文章が書けるように対策を進めてください。

内容を書くための知識を身につけるために頻出用語や専門用語を押さえ、読みやすい文章が書けるように参考答案・模範答案を読むことが大切です。そして予想テーマを踏まえて、自分なりの答案構成を練り論文を書いてみましょう。

民間

民間企業の筆記テストは企業ごとに形式が異なりますが、おおむね「言語分野」「非言語分野」「英語」「構造的把握力」「性格検査」の中から実施されます。

おもな適性検査の形式

  • SPI
  • 玉手箱
  • TG-Web
  • GAB
  • CAB

合格ラインは企業によって異なりますが、具体的な点数は公表されていません。就活の口コミサイトなどを見ておおよその目安を把握しておきましょう。合格ラインが高い企業であれば対策を入念におこなう必要があります。

難易度としては中学校・高校で習うレべルの内容であり、それほど難しくないといえます。

しかし、たとえばSPIでは40分で30問出題され、1問1分程度で回答しなければならないなど回答時間が短いため、すぐに答えられるように参考書などで対策をすることがおすすめです

SPIなどのWebテストの対策を詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてくださいね。
WEBテスト対策完全版|効率重視で準備する方法を徹底解説

公務員試験対策をしていれば、民間企業の筆記試験対策はしなくても良いのではと感じます。実際やらなくても良いのでしょうか?

渡部 俊和

プロフィール

やらなくても問題ない場合もあるが、テストの種類ごとに対策をすることがおすすめ

民間企業の筆記試験対策はやらなくても問題ない場合もあるかもしれません。

しかし、企業が採用しているテストの種類によっては出題形式が独自のものであったりスピードが求められるものもあるため、テストの種類ごとに対策できるに越したことはないと言えます。

市販のテストのバリエーションも年々広がりつつあります。基本的な知識の確認という点では公務員試験対策でカバーできますが、出題形式に慣れるという点だけは、それぞれの企業で実施されるテストの種類に応じた受験対策が多少なりとも必要になる場合があるでしょう。

テストの種類は数年分を比較するため頻繁には変えないのが通常です。OB・OGからの情報などを参考にしてどんな種類のテストが実施されるのか調べてみてください。

③OB・OG訪問

OB・OG訪問は、興味のある自治体や業界、企業で働いている社員を訪ね、実際の仕事内容や職場の雰囲気などの情報を得ることです。OB・OGという呼び名があるものの、自分の出身大学以外の人を訪ねることもあります。

OB・OG訪問をすることによってその職業について詳しく押さえ、自分にマッチしているかを考えたり、選考時の志望動機に活かすことができます

公務員

公務員就職では、民間就職と比較して仕事についての情報量が少ない傾向にあるため、OB・OG訪問でリアルな情報を入手しましょう。何を質問すれば良いかわからないという人は以下の質問例を参考にしてくださいね。

公務員のOB・OG訪問の際にする質問例

  • 公務員の仕事ならではのやりがいや魅力はありますか?
  • 公務員だからこそ仕事をするうえで辛いと感じることはありますか?
  • 公務員は部署移動が多いとお聞きしましたが、希望の部署とは違う部署で働くことになった場合はどのように捉えていますか?
  • 就活をしているとき他の公務員試験はどんなところを受けられていましたか?
  • 数ある公務員の中からなぜ御所を選ばれたのですか?

大学のキャリアセンターやゼミの先生、予備校などのつながりを通じて興味のある勤務先の先輩を紹介してもらいましょう。OB・OG訪問は試験勉強にまだ追い込まれていない大学3年生の10月頃から動き出すと安心です。

なお、国家公務員には、一次試験日が開始するの5月頃から最終合格発表日の翌日である6月末頃までの間が「接触禁止期間」となるため、あらかじめ接触禁止期間を把握し、早めにOB・OG訪問を済ませるようにしましょう。

民間

民間就職のOB・OG訪問のピークは大学3年生の3月〜大学4年生の4月頃といわれています。しかし、大学3年生の3月は「就活情報解禁」であり、企業説明会が開催されたり書類選考が始まるため、非常に忙しくなります。

また、公務員試験の一次試験が4月から始まることもあり、民間企業のOB・OG訪問も大学3年生の10月頃から動き出すと安心です

民間企業は面接時に志望動機について深掘りしてくる傾向にあります。そのため、OB・OG訪問でその企業ならではの特徴などを見つけ出せるような質問をしましょう。

民間のOB・OG訪問の際にする質問例

  • 御社で活躍できる人の特徴はなんですか?
  • 御社が求める人材像はHPには〇〇と書いてありましたが、△△(OB・OG)様はどんな人と一緒に働きたいですか?
  • △△(OB・OG)様は、競合にはない自社の強みをどのように考えていますか?
  • 就活中にどんな業界を志望していて、最終的にこの企業に入社した理由はなんですか?
  • 入社前後でいい意味でも悪い意味でもなにかギャップはありましたか?

OB・OG訪問の準備で何をしたら良いのかわからない人は、以下の記事を参考にしてくださいね。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅

④インターンシップ

インターンは、就業体験を通じて仕事や社会への理解を深めることができる制度のことです。開催期間は数日間の短期、1〜3週間程度の中期、1か月以上の長期などさまざまです

多くの学生は社会人経験がなく、社会を知る機会はアルバイトくらいだったのではないでしょうか。そのため、インターンで社会人とはどのようなものなのか、実際の業務内容を体感しましょう。

公務員

「自治体名 インターン」などと検索をして、気になるインターンを探してみましょう。公務員のインターン情報も民間就職の大手ナビサイトに掲載されていることもあります。

サマーインターンは大学3年生の6月〜8月頃に開催される傾向にあります。応募期間が終わってしまったなんてこともありえるため、大学3年生の5月にはチェックするようにしてくださいね。公務員の実態をつかむ絶好のチャンスです。

自治体によっては募集人数が数名であったり、厳しい選考基準が設けられていることもあるため、なぜ興味があるのかを言語化できるように対策を進めてください。

民間

民間企業は同じ業界であってもそれぞれ特徴や強みがあります。インターンに参加することで業界・企業・職種理解を深め、「その企業ならではの特徴」を見つけるきっかけとなりますよ。

また、公務員と同様多くの場合インターンに参加するためには選考が設けられています。そのため、実際に書類を作成して面接に参加することで、就活本番の予行演習ともなりますよ。

企業によってはインターンで優秀な学生に目星をつけ、早期選考の案内を出すこともあるため積極的に参加していきましょう

木村 千恵子

プロフィール

インターンの選考を通過するためには、その業界と企業にどれだけ関心を持っているかという熱い想いを明確に言語化して伝えることが大切です。

また実施予定のインターン内容に基づいて、想定される受け入れ対象の学生像と自分が一致していることを示すことで選考を通過する可能性が広がります。

⑤面接対策

基本的に面接では、面接官は「学生の経験やスキルを確認したい」という想いや「組織の社風や求める人物像にマッチするかを確認したい」という想いをもっています

公務員と民間企業では面接の特徴が少し異なります。どんな違いや共通点があるのかを確認したうえで対策をしましょう。

面接の流れがわからないという人は、こちらの記事で詳しく解説しています。
直前でも間に合う! 面接の流れを頻出質問6例文付きで徹底解説

面接のマナーが気になる人は以下の記事を参考にしてくださいね。
面接マナーを攻略! 不合格を避ける基本からWeb対策まで完全網羅

公務員

民間企業は人事や採用担当が採用のプロとして長年勤続していることも多いですが、公務員は2〜3年に1度程度の部署移動が当たり前のため、公務員の面接官は面接に慣れていないこともあります。

そのため、面接内容がマニュアル化されている傾向にあります。マニュアル化されているということは、基本的に面接の頻出質問と呼ばれる内容が聞かれる傾向にあるため、意表を突くような質問はあまりされません

どんな質問が頻出質問なのかをよく確認しておきましょう。

公務員試験での頻出質問

  • なぜ民間ではなく公務員を選んだのですか?
  • 自己PRをしてください。
  • 他ではなく弊所を志望する理由を教えてください。
  • 学生時代に頑張ったことはなんですか?
  • 配属先が希望以外の場合はどうしますか?

自己PRや学生時代に頑張ったことは民間企業でもよく聞かれる質問のため、必ず対策をしましょう。

また、民間企業ではなく公務員を選ぶ理由も重視される傾向にあるため、第三者が聞いて納得できるようなエピソードを加えて伝えられるようにしてくださいね。

公務員面接での頻出質問と回答方法について、こちらの記事で詳しく解説しています。これから面接対策をする人や面接を控えている人はぜひ参考にしてください。
公務員面接の頻出質問15選|意図を汲み取った回答で好印象を残そう

公務員の面接は自己PRを重視している可能性が高いです。以下の記事では公務員の面接で評価される自己PRをまとめているのでぜひ参考にしてください。
公務員の自己PRのコツは? 評価される作り方を例文付きで解説

公務員試験では面接カードの提出があり、履歴書や民間企業のエントリーシートとは内容が異なります。以下の記事では面接カードの書き方を解説しているので参考にしてみてください。
面接カードの基本の書き方と一歩リードできるコツ|質問別記入例付き

面接でどんな質問がされるか気になる人は、以下の記事で確認してみてくださいね。
面接の質問150選! 回答例から答え方まで質問対策を完全網羅

自己PRはあなたの魅力を最大限伝えるために入念な準備が必要です。まだ自己PRの回答を作成していない人はこちらの記事を参考にしてください。
例文12選|面接必勝の自己PRはエピソードが最重要!

採用担当者に響く学生時代に頑張ったことの回答を作成したい人は、以下の記事を参考にしてくださいね。
例文13選|誰でも「刺さるガクチカ」が完成する4ステップを解説

民間

民間就職の新卒採用はポテンシャル採用であることが多く、学生の人柄や価値観を面接では深く見られます。そのため、公務員よりも「なぜ」と深掘りをされるような質問となる傾向にあるため、面接対策には力を入れる必要があるでしょう

「なぜ」と深掘りを質問をされるため、自己分析や業界・企業研究がきちんとできていないと話に一貫性がなくなり、面接官に納得感を抱かせられません。

また民間企業では自社に対する志望度の高さを重視するため、その企業でなければいけない理由を用意しましょう。可能であれば企業説明会やインターン、OB・OG訪問に参加しておくと熱意が伝わりやすくなります。

アドバイザーコメント

面接の準備を「自己理解」と「職業理解」に分けて考えよう

公務員と民間企業の選考対策を効率的に進めるためには、面接の準備を「自己理解」と「職業理解」に分けて考えてみましょう。

自己理解の部分はそのまま自己PRになります。これまでの経験やスキルを根拠に、自分自身がどういう人物であるかを伝えましょう。この自己理解の部分は、民間企業でも公務員でも変える必要はありません。なぜなら、仕事に求められるスキルそのものはどちらも大差ないからです。

職業理解の部分は、志望動機やこれからの抱負などになります。この部分が民間企業と公務員で大きく変わる部分となってきますよ。民間企業なら具体的な企業研究を、公務員なら国や自治体の課題や働きたい部署の業務内容を根拠にして職業理解を深めましょう。

スケジュール管理が難しいからこそ早めに情報収集を進めることが大切

スケジュール管理が難しい併願の場合、まだ時間があるうちに自己PRの内容を固めておくことも大切です。そして、情報の少ない公務員の業務内容について、OB・OGなどの人脈も使いながら情報収集を進めておく必要があります。

民間の場合は採用ホームページや資料に情報が多く載っていますが、公務員の場合、課題や業務については漠然としているため、非常に時間がかかり効率も悪くなりがちです。だからこそ、公務員の業務内容に関するリサーチに早めに取りかかることがポイントとなってきますよ。

公務員と民間企業の併願は隠すべき?

公務員と民間企業を併願していることを隠すべきなのか、頭を悩ませる人も少なくありません。併願を伝えることによって志望度を疑われてしまうのは避けたいですよね。

選考中と内定獲得後に分けて併願していることを隠すべきか否か解説するため、参考にしてください。

選考中

結論からいうと、公務員と民間企業を併願していることは選考中に言わなくても問題ありません。とはいえ、公務員の場合と民間企業の場合で少し事情が異なるため、状況に応じた対応をしてくださいね。

まず公務員に対してですが、併願していることを隠す必要はあまりありません。大前提「公務員に受かったら公務員になる」という人が多いため、自治体側は併願していることがあまり気にならないことが多いです。

一方で民間企業の場合ですが、公務員との併願を伝えると「受かったら公務員行くのではないか」っていう目で見られる可能性は十分あります。伝えることのリスクがともなうため、無理に伝えなくても良いといえます。

渡部 俊和

プロフィール

「公務員と併願をしている」と民間企業に伝えると、民間企業は公務員がメインなのか民間がメインなのかが少し気になります。

公務員がメインの場合は公務員試験に受かれば辞退される確率が高いため、志望度が高くない学生という想定で対応します。

民間メインの併願であれば、事情も理解してくれるためあまり面接官は気にならないことが多いです。

内定獲得後の辞退時

選考過程で併願していることを伝えていないのであれば、併願していることを伝える必要はありません。

とはいえ、個々人の良心の問題もあるため、モヤモヤとした気持ちが残るのであれば併願していることを打ち明けても基本的には問題ないでしょう

内定辞退をしたらそこで関係は終わりというわけではありません。社会人になった後にかかわる可能性もあります。横暴な態度で内定辞退をするのではなく、礼儀正しく辞退をするようにしてくださいね。

併願していることを、自分から企業側に伝える必要はないでしょう。企業側も、就活は学生にとって人生を左右することもある重要な局面であり、他社や公務員などと併願していることはわかっています。

相手から質問されない限りは自分から言わないのが、社会人としてのマナーでもありますよ。

就職後もキャリアチェンジは可能!

ファーストキャリアだけで人生は決まらないため安心してください。仮に希望する自治体や企業に入社できなかったとしても、就職後の軌道修正は可能ですよ。

今から解説する民間企業から公務員に転職をするパターンと公務員から民間企業に転職するパターンを解説します。どちらに就職したにせよ、軌道修正は可能なためキャリアチェンジという選択肢を視野に入れておきましょう。

民間から公務員

民間企業に就職したものの、やはり公務員になりたいと感じる人もいるでしょう。民間企業から公務員に転職するにはおもに以下の2つの方法があります。

公務員採用の「一般枠」と「経験者枠」

  • 一般枠:おもに新卒が受ける枠で、専門試験である公務員試験が課される
  • 経験者枠:おもに職務経験がある人が受ける枠で、経験論文が課される
経験者枠一般枠
対象者民間企業などでの職務経験がある人新卒者だけでなく、年齢要件を満たす新卒者・既卒者・社会人
受験資格年齢要件+社会人経験年数+αなどおもに年齢要件のみ
試験形式【1次試験】:教養択一・論文など【2次試験】:個別面接など【1次試験】:教養択一・専門択一・論文など【2次試験】:個別面接・集団面接・集団討論など
「一般枠」と「経験者枠」の違い

一般枠の公務員試験は、年齢条件を満たしていれば誰でも受験可能です。基本的には新卒で受験する人が多い枠のため、民間企業で仕事をしながらその試験勉強をしなければならない転職者にとって採用試験のハードルは高く感じることもあるかもしれません。

経験者枠は、ある程度の年数の職務経験がある人向けの採用です。一般枠に比較して専門試験が課されないため筆記試験の負担が少なく、社会人としてどのようなことを経験してきたのかを問う面接に重きが置かれます。また、経験者枠独自の論文試験があることもありますよ。

木村 千恵子

プロフィール

民間から公務員に転職する場合一概にはいえませんが、営業やマーケティング部門などは転職しやすいといえます。

なぜなら営業やマーケティングなどはいわゆるポータブルスキル(業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキル)であり、働く組織が変わっても力を発揮しやすいため、民間企業でのスキルを活かした公務員への転職がしやすいからです。

公務員から民間

公務員に就職したものの、民間企業に転職をしたいと感じた場合も転職は可能です。しかし、民間企業側は公務員の応募者に対して「安定志向が強い」「利益を追求する姿勢に欠けるのではないか」「スピード感がないのではないか」というネガティブな印象を抱くこともあります。

もちろん採用担当者によって異なりプラスの印象をいだくこともありますが、こうした先入観が公務員から民間企業への転職にはあるということを受け止めることが必要です。懸念されがちなポイントを押さえてそれを払拭し、強みを伝えることを意識して対策ができれば転職の可能性は十分にあります

正しい自己理解をすることで、転職の目的や理由を言語化しましょう。そして、仕事をするうえでの「数字での成果」や「独自に工夫したこと」をアピールすることで民間企業での面接でポジティブな印象付けが可能です。

妥協しないことが大切! しかしきついときは無理せず取捨選択をしよう

公務員と民間企業の併願が、自分のキャパシティやスケジュール的に難しいといった時間的な問題や、両立をすることの負荷が大きいといった精神的な問題があることもあるでしょう。そんなときは、無理せず優先順位をつけて、併願ではなく無理せずどちらか1つに絞るのも1つの方法です

時間が足りなくなれば対策が不十分となり合格率が下がってしまうことや、精神的に余裕がなくなれば就活を続けることが難しくなってしまいます。自分の状況に合った選択をして、就活という長期戦を勝ち抜きましょう。

とはいえ新卒就活は多くの企業や自治体を知るための絶好の機会であるため、単に「併願は面倒くさそうだから」などといった安易な理由で民間就活をやらないということは非常にもったいないといえます。妥協せず、自分の価値観を大切にして公務員と民間企業の併願を成功させるための努力を怠らないようにしましょう。

公務員と民間企業の併願では対策することも増えて、就活がつらいと感じることも多いかもしれません。そんなつらいと感じる人は、以下の記事を参考にしてくださいね。
就活がつらい人必見! 心が軽くなる対処法を原因別に解説

木村 千恵子

プロフィール

就活は自分との闘いです。周囲のアドバイスや指導に影響を受けて自分の考えを妥協したり、自分の気持ちを裏切って無理をすると結局後悔して就活がうまくいかなくなります。

自分の正直な気持ちを大切にして、弱い自分に打ち勝ってくださいね。

公務員と民間の併願のコツを押さえて納得のいく結果をつかもう!

ここまで解説してきたとおり、公務員と民間企業の併願は十分可能であり、メリットも大きいです。併願をするためにはスケジュール調整が重要となってくるため、自分の価値観を整理したうえで優先順位をつけて対策をしましょう。

それぞれの状況に合った公務員と民間企業の併願するためのコツを参考に、どうしたら効率的に進められるのか考え続けてくださいね。

単に併願することを目的とするのではなく、自分にとって最良の道を選ぶための手段として捉えることが必要です。入念な対策をして、最後は自分が納得できる就職先を勝ち取って就活を成功という形で終わらせましょう。

アドバイザーコメント

公務員と民間企業の併願は自分の価値観分析をすることが必須

就活で、公務員と民間企業の併願について悩んでいる学生は少なくないでしょう。どちらを選ぶにしても、まずは「自分が就職して何をしたいか」といった価値観分析は優先的におこなう必要があります。自己分析が不十分だと、公務員と民間のどちらに就職したとしても、価値観とのズレに苦しむ可能性があるからです。

併願に迷ったまま、公務員と民間のどっちつかずの中途半端な対策を進めていては、就職活動自体がうまくいかなくなる恐れもあります。まずは、毎年の受験スケジュールや業務内容がはっきりしている公務員についての仕事理解などを進めて、自分の価値観と一致しそうか確認するようにしましょう。

全体スケジュールを把握することが併願成功の近道

民間企業に就職するには、インターンに参加したり会社説明会に参加したりするのはもちろん、企業に合わせた対策が必要となります。そのため、公務員対策とは別の活動が必要となり、その分時間を要します。併願する場合は全体のスケジュールを把握したうえで、余裕を持って準備を進めなければなりません。

併願は負担も大きいですが、自分が納得できるように、この記事で解説している情報を参考にしながら就活に臨み、納得のいく就職先の内定をつかみましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

> コンテンツポリシー

記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了
全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-220824001-02942)
国家資格キャリアコンサルタント

> メッセージを読む

関連Q&A

カテゴリーから探す

目次

TOP