この記事のまとめ
- 自己分析は選考通過率アップにもつながり、就活を成功させるために必須
- 自己分析は自分に合ったやり方で複数回おこなう必要がある
- 自己分析を業界・企業選びや質問の回答に活かす方法も解説
- 自己分析ツール
たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!
この記事を読んでいる人におすすめ
就活中に何度も耳にする「自己分析」。「そもそも自己分析ってなにをするのかわからない」「自己分析ってする必要があるのかな……」という悩みの声が多くの学生から寄せられます。
就活において自己分析は非常に重要ですが、その重要性や有効性を正しく理解しないままでは、選考や今後のキャリアに十分に活かすことができません。就活を成功させ、希望の企業でいきいきとした働き方をするためにも、自己分析のやり方と就活への活かし方を押さえていきましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの柴田さん、富岡さん、隈本さんのアドバイスを交えつつ解説します。自己分析について少しでも興味を持った人はぜひ実践してみてくださいね。
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自己分析は就活の明暗を分けるため超重要! 正しいやり方をマスターしよう
自己分析とは「自分を分析すること」ですが、「自分のことはよく理解している」となんとなく思い込んでしまう人も少なくありません。しかし、自己分析の重要性を理解しないまま、浅い自己分析で就活を進めてしまうと就活で失敗する原因となってしまいます。
記事では、自己分析をする4つのメリットを解説。さらに、今すぐ実践できるように7ステップでできる自己分析の基本のやり方とさまざまな自己分析方法も解説するため、自分に合ったやり方を探してみてくださいね。
さらに、自己分析をただ終わらせるのではなく、業界・企業選びや選考での質問に活かす方法も徹底解説します。希望の就職を叶えるためにも、丁寧な自己分析をして選考に活かせるように対策をしていきましょう。
手っ取り早く自己分析したい! という人は、こちらの記事で、簡単にできる自己分析シートを紹介しているので、チェックしてください。
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自己分析をおこなうなら、自己分析シートの活用がおすすめ。比較的短時間で的確な分析が可能であり、時間がない学生も自己分析を十分におこなうことができます。記事では、キャリアコンサルタントと自己分析シートの作り方や活用方法を解説します。
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自己分析のやり方がわからない時は、自己分析ツールを活用してください
自己分析は就活に必須。ただ、自己分析のやり方が分からず悩んでしまう就活生は多いです。
そんな時は「自己分析ツール」を活用しましょう。簡単な質問に答えるだけで、自己分析が完了し、あなたの強み・弱みを正確に把握できます。
自己分析ツールを活用して効率的に自己分析を終わらせ、あなたの強み・弱みを正確に把握しましょう。
・自分の強み・弱みを理解したい人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
そもそも自己分析とは?
自己分析とは?
自分のこれまでの経験や思考を整理し、自分の価値観などを探っていく作業
自己分析とは自分を分析する作業であり、自分のこれまでの経験や思考にもとづき、自分の能力・性質・価値観・強み・弱み・なりたい将来像を理解することです。自分がどんな価値観を持っていて、これまでどのような考えで行動をしてきたのかを言語化することで、就活における企業選びの軸が定まります。
また自己分析の結果から、自分に向いている業界・企業を分析したり、選考でアピールする自己PRや志望動機を考えることも可能です。
自分の経験に基づくアピールができるため、具体的かつオリジナリティのある発言ができるようになりますよ。
自己分析を怠って、企業の知名度を優先したり人から勧められるままに就職したりしてしまうと、入社した後に自分の価値観との違いを感じると退職につながることがあります。
また、採用面接でも一貫性のある回答ができなくなり、就活そのものがうまくいかなくなる可能性が高いです。
自己分析をおこなう4つのメリット
自己分析をおこなう4つのメリット
- 自分の知らない可能性を見つけられる
- 業界・企業選びに迷いにくくなる
- 選考通過率をあげることにつながる
- 入社後のミスマッチを防ぐことができる
「自分が考えていることや経験してきたことはわざわざ分析するまでもなく理解している」と思う学生もいるかもしれませんね。しかし、それはまだ自己分析のメリットを知らないためそう思っているだけかもしれません。
後悔の残る就活としないためにも、まずは自己分析のメリットを押さえて、自己分析をおこなう必要性を理解していきましょう。
①自分の知らない可能性を見つけられる
自分の考えは自分でわかっているつもりでも、心の奥深くで動いている自分では気づいていない心の動きがあるものです。普段は意識しない、無意識の心理の部分です。自己分析ではそういった無意識の部分も丁寧に洗い出していく作業でもあります。
自分の知らない可能性を自己分析によって洗い出し、自分自身の価値観を明確に言語化できるようになります。無意識のうちに繰り返し取ってきた行動や大切にしている価値観が心の奥底に隠れているかもしれませんよ。
自己分析は就活でアピールする内容を単に探すための手段ではなく、自分の将来の目標やキャリアプランを明確にすることにも役立ちます。
「自分の知らない可能性」としては、「人と話すのが苦手だから営業は向いていない」と自分で思っていたとしても、自己分析をおこなうことで人の話を聴く傾聴力の高さに気づくなどの例が挙げられます。
傾聴力の高さに気付くことで、顧客にとって信頼される営業担当になれる可能性を広げていくことができますね。
大切にしている価値観については面接で聞かれることも多いため自己分析で明確にしておきましょう。以下の記事では大切にしている価値観について質問された時の答え方をまとめているので参考にしてみてください。
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②業界・企業選びに迷いにくくなる
自己分析によって自分の価値観が明らかになるため、就活の軸を見つけることができます。そして明確な軸を定めることで、業界・企業選びに迷いにくくなります。
たとえば自己分析をすれば、自分の強みが発揮できる環境ややりがいを感じやすい環境が見えてきます。
反対に自己分析ができていないと「なんとなく」でしか自分を理解できていないため「あの企業も良いな、この企業も良いな」と選択をすることが難しくなってしまいますよ。
就職はゴールではありません。長い人生の時間の大半を費やす仕事のスタートラインにようやく立っただけなのです。
そのため自分の軸を持たずに何となくで業界や企業を決めてしまうと、そこから何をゴールとして目指せば良いのか見当がつきませんよね。また、働くうえでも就職するうえでもモチベーションが保ちづらくなります。
③選考通過率をあげることにつながる
自己分析は企業選びに迷いにくくなるだけでなく、就活の選考そのものにも大いに役立ちます。繰り返しになりますが、自己分析は自分を理解することによって、自分の過去から現在にかけて一貫してとってきた行動や価値観が明確になり、それを認識します。
そのため、選考でアピールする内容や企業からの質問に対する回答に自分の確固たる軸を持てるようになり、内容に一貫性が出ます。また、アピール内容が具体的になるため選考での説得力が増し、結果として選考通過率を上げることにつながるのです。
選考でのアピールポイントを具体的にすると、あなたの魅力が伝わりやすくなりぐっと内定に近付くでしょう。
自己分析ができていないまま企業に応募していると、たとえ書類選考は通過しても面接で少し想定外の質問をされたときに答えに窮してしまったという学生は多いものです。
軸がはっきりしていないため質問に対する受け答えが曖昧となり、面接官からの評価を下げてしまいますよ。
④入社後のミスマッチを防ぐことができる
自己分析は就活そのものに役立つだけではありません。この先の人生にも影響を及ぼします。自己分析をしていなければ、心の奥底にある価値観を正しく理解できないということも多いものです。
自分の価値観を正しく理解しないまま企業を選び入社をしてしまうと、「こんなはずじゃなかった」と悪いギャップが生じ早期離職の原因となってします。
せっかく頑張って入社をしても自分に合わなかったら悲しいですよね。入社後にいきいきと働くためにも自己分析は必須ともいえます。
就活が始まると自分に合った仕事について考えることがありますよね。以下の記事では自分に合った仕事を見つけ方を解説しているので参考にしてみてください。
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アドバイザーコメント
富岡 順子
プロフィールを見る就職することがゴールではない
就職とは人生のゴールではありません。就職で人生における学生という役割がいったん終わり、職業人としての役割がスタートします。就活で自己分析を癖付けておくことで、今後のキャリア形成にも大きなメリットとなってきます。企業に入社した後もずっと同じ仕事を続けていく人はまれです。
日本は自分のスキルで仕事をおこなうジョブ型雇用ではなく、会社の一員となって雇用されるメンバーシップ型雇用が大半のため、今後社内で部署の異動があったり転勤があったりします。業務内容や求められるスキルが変わったり、住む場所、人間関係が変わるなど働く環境が変化し続けます。また、年齢を重ねていくと結婚して家族ができるなどライフの面でもさまざまな変化が生じてくるでしょう。
自分で何事も決めていく力をつけるためにも自己分析をしよう
変化を通して自分のキャリアについて悩みが出てきたときに、自己分析ができると「自分が本当にありたい姿はどんな自分なのか」「大切にしたいものは何なのか」を理解することができます。それによってモヤモヤしていた気持ちがスッキリしたり、選択をしなければいけないときは自分で納得した選択をおこなえるようになります。
誰かに任せるのではなく、自分で何事も決めていけるようになると人生の幸福度がアップするという研究結果も出ています。幸せな人生を送るためにも、今就活を通して自己分析を身につけてくださいね。
自己分析のやり方がわからない時は
3分で終わる自己分析ツールを活用してください
自己分析は就活に必須。ただ、自己分析のやり方が分からず悩んでしまう就活生は多いです。
そんな時は「自己分析ツール」を活用しましょう。簡単な質問に答えるだけで、自己分析が完了し、あなたの強み・弱みを正確に把握できます。
自己分析ツールを活用して効率的に自己分析を終わらせ、あなたの強み・弱みを正確に把握しましょう。
・自分の強み・弱みを理解したい人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
1回やって終わりじゃない! 自己分析をおこなう時期
自己分析をおこなう時期
- 就活が本格化する前
- 就活中
- 内定獲得後
自己分析をいつするべきものなのかわからないという人も多いかもしれませんね。実は自己分析は、1回やっただけで完結するものではありません。
いつどのタイミングでやるべきなのか、自己分析をおこなう時期について解説します。就活を実りあるものとするためにも、社会人生活を輝かしいものにするためにも、参考にしてくださいね。
自己分析をする時期を考えるためには、就活の流れを把握しておく必要があります。就活に出遅れることがないように、こちらの記事を参考にしてください。
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就活が本格化する前
一般的に大学3年生の3月1日以降から、各企業の広報活動が開始されるいわゆる「情報解禁」と呼ばれ、就活が本格化して企業説明会や書類選考などが始まります。
そのため、大学3年生の3月までにある程度どんな企業に興味があるのか目星を付けるために自己分析を一通り済ませておくことがおすすめです。
また、就活が本格化すると企業説明会などの企業に関係する予定が多く入りやすくなるため、自己分析をじっくりとする時間を確保することが難しくなってきます。
外資系企業やベンチャー企業、IT企業などでは3月以前に募集が始まる企業があるため、希望する学生は乗り遅れないように注意してください。
また、そういった企業はインターンシップに参加することで早期選考に参加できるケースもあります。
最近では就活の早期化で大学3年生から就活を始めるのが一般的になりました。以下の記事では今から準備することと始めなかった場合の注意点を解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。
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就活中
繰り返しになりますが、自己分析は1度やって終わりではありません。自己分析ばかりに時間を割き、選考対策そのものがおろそかになるのは避けたい事態ですが、就活中であっても業界や企業選びに違和感を感じたら再度自己分析をやるべきタイミングです。
また、すべての選考が上手くいく人はなかなかいません。書類選考に落ちてしまったときや面接で落ちてしまったとき、うまく受け答えができなかったときなども自己分析をやり直してみましょう。
たとえば、面接でうまく答えられない個所は自分の経験が具体的に洗い出せていなかったり、自分の価値観が言語化できていない可能性が高いと考えられます。
書類選考で落ちてしまった人は、以下の記事を参考に対策を進めてくださいね。企業が書類選考で見ているポイントを解説しています。
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内定獲得後
就活は内定をもらえたらそれで終わりというわけではありません。たしかに選考対策は終えることになりますが、内定先ではこの先40年以上働く可能性があります。
就活を通して価値観が少し変わることもありえます。本当にその内定先に就職をしたいのか・就職して良いのかを考えるためにも自己分析をしてみましょう。
就活は内定がゴールではなく、入社後いきいきと働くことがゴールであり成功であるということを忘れないでくださいね。
自分の適性や希望に合わない就職先を選んでしまうと、たいていの人は仕事に対してモチベーションを維持できません。
また内定後にその会社の状況を知るにつれ、ここで働いて大丈夫なのかとどんどん不安になります。そうならないように自分に合った職種・業種は何かなどしっかり自己分析をしておくようにしましょう。
仕事に就いたあとにも自己分析は必要です。次の記事では、仕事が怖いと感じたときの解決策について紹介しています。この場合も自己分析が必要になってきます。ぜひあわせて読んでみてくださいね。
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自己分析がうまくできない人3パターン
自己分析がうまくできない人3パターン
- そもそもやり方がわからない
- 自己分析をしているが過去の振り返りをしているだけ
- 本当の自分に向き合えていない
自己分析は自分のことを振り返るだけだから簡単だと感じる人もいるかもしれませんが、案外うまく自己分析ができていない人もいるものです。
適切に自己分析ができないと時間が無駄になってしまうばかりか、選考そのものに悪影響を及ぼします。今から解説する自己分析がうまくできない人3パターンを参考に、自分が当てはまっていないか確認してくださいね。
自己分析がうまくできずに自分の強みがわかっていない人は、こちらの記事もおすすめです。強みの見つけ方を詳しく解説しています。
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自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!
自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。
そんな時は「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば簡単な質問に答えていくだけで、あなたの強み・弱みが簡単にわかります。
無料で使えるので、自分の強みを確かめたい人は今すぐ診断しましょう。
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・自分にあった仕事を知りたい人
①そもそもやり方がわからない
大前提、自己分析のやり方がわかっていないとうまく分析できません。とりあえず自己分析をやってみようとするその行動力は非常に大切ですが、正しい自己分析のやり方を押さえる必要があります。
自己分析のやり方がわからないまま分析を進めてしまうと、どこまで分析できているのかがわからなくなったり、間違えた結果を導き出してしまうかもしれません。
この記事の後半で7ステップでできる自己分析のやり方のほか、さまざまな自己分析方法を解説しているため参考にしてくださいね。
自己流だけで自己分析をすると、自分の過去や経験を明確な意図を持たずに曖昧に振り返ってしまい、具体的な強みや弱みなどを言語化できなくなります。
そのため、面接官が求める明確な「言葉」が出ず、一貫性のない返答をしてしまうことにつながります。
②自己分析をしているが過去の振り返りをしているだけ
自己分析は自分の過去の経験を洗い出して分析していくものです。しかし単に「自分が小学生のときは〇〇をして、中学生のときは△△をして……」などと過去の振り返りをするだけでは分析になりません。
時間をかけて過去を洗い出しただけになってしまう人は、自分の価値観や性格などの自己分析の結果を導き出せていないといえます。
過去の振り返りをしているため、書類選考や一次面接などは突破できるかもしれませんが、深掘り質問をされやすい二次面接以降は不合格となる危険性が高まるパターンです。
二次面接の対策が不安な人は、以下の記事を参考にしてくださいね。一次面接と二次面接の特徴と面接官が見ているポイントをまとめています。
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学生がやりがちな「過去の振り返りをしているだけ」の例としては、年齢ごとにどんな出来事があったかを思い出すだけで、結局自己分析できないという状態です。
大変だったこと、印象に残っていること、うれしかったことなど感情面にスポットを当てないと自分の価値観や大切にしたい軸は見えてきません。
③本当の自分に向き合えていない
過去から現在にかけての自分を振り返るなかで、自分の強みばかりに目がいってしまうなど、本当の自分に向き合えていない人は自己分析がうまくできていない可能性が高いです。
自分と向き合うことは、ときに「しんどい」「辛い」と感じることがあるかもしれません。しかし、誰もが思い出したくない過去や見つめ直したくない自分の欠点、考えたくないことがあるものです。
ありのままの自分を受け止め、正しく把握することが、今の自分にとっても将来の自分にとっても望ましい選択をできるようになりますよ。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る選考ではネガティブ面を聞かれるからこそ振り返りが大切
多くの人にとって短所や挫折経験など、本当の自分に向き合うことは怖いものです。しかし就活の書類選考や採用面接では、強みや長所といったプラス面の情報だけでなく、弱みや短所などのマイナス面についても確認されることがあります。
これは企業側が採用するにあたって、ポジティブな面だけでなく、入社した後に壁に直面したり自分が望まないような業務に携わったりした際に、困難を乗り切るだけの力があるかどうかを知るためという目的があります。
これまでは自分個人の責任を果たすだけで良かったため、ネガティブな面を避けられたかもしれません。しかし、企業に入社して社会人として責任を持って業務に携わる際には、どうしても苦手なことや嫌なことに向き合って乗り越えなければならない局面も出てきてしまいます。
精神的に負担になることについてまでは深掘りする必要はない
就職活動では自分のネガティブな面も含めて、すべてを面接官に自己開示する必要はありません。そのため、本当に精神的に負担になることについてまでは振り返らなくても大丈夫ですよ。しかし、自分が希望する業界・業種において業務レベルで改善が求められそうな弱みなどについては、自己分析の段階で抽出しておきましょう。
弱みや苦手なことについて、完全な改善は難しいかもしれません。しかし、会社に入社した後でも改善できる可能性はあり、仲間に頼ることもできることを心に留めておきましょう。
今すぐできる! 7ステップで自己分析をしてみよう
今すぐできる! 7ステップで自己分析をしてみよう
- 「頑張ったこと」など掘り下げるテーマを1つ決める
- 過去の経験の中からテーマに関するシーンを洗い出す
- それぞれのシーンに対して「なぜ」と深掘りをしてエピソードを具体化する
- 複数のテーマで①~③を繰り返す
- 分析内容を整理して共通点や変化した点を探す
- 過去と現在の自分から将来像を考える
- 他人が抱く印象や強み・弱みを整理する
過去から現在までの自分の経験を振り返り、価値観を導き出すにはどのように自己分析をして良いかわからないと感じる人も多いかもしれませんね。今から7ステップで自己分析をするやり方を解説します。
効率的に自己分析を進めることができ、一貫性のある軸を見つけやすい自己分析方法です。今すぐ簡単にできる内容のため、紙やペン、スマホのメモ機能、wordなどを準備して一緒に自己分析をしていきましょう。
①「頑張ったこと」など掘り下げるテーマを1つ決める
とりあえず過去から現在にかけての経験を思い出そうとすると、分析の方向性が見えずに、網羅的に振り返ることができません。そのため、まずはどんなことを掘り下げていくかテーマを決めましょう。
自己分析で掘り下げるテーマの例
- 頑張ったこと
- 辛かったこと
- 楽しかったこと
- 諦めたこと
- 困難を乗り越えたこと
- 熱中していたこと
- 人間関係に関すること
- 経験を通して学んだこと
- 周囲に貢献したこと
- 反省を活かしたこと
- やり遂げたこと
- 継続しておこなっていること
ここで選んだテーマを深掘りしていきます。自分の感情が動いたことをテーマとして挙げると価値観を見い出しやすくなりますよ。
自己分析はノートでやることもできます。以下の記事では自己分析ノートの効果的なやり方をまとめているので参考にしてみてください。
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自己分析ノートの効果的なやり方4ステップ|就活での活用法も解説
この記事では、ノートを使った自己分析法のやり方がわからない人に向けて、自己分析ノートの種類やメリットを紹介しています。自己分析をノートでやるときは目的に合わせた工夫が重要です。キャリアコンサルタントとともに手順も説明するので、自己分析ノートを就活に役立てたい人は参考にしてくださいね。
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あなたが受けない方がいい職業を確認して下さい
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
②過去の経験の中からテーマに関するシーンを洗い出す
①で選んだテーマから、過去の経験を洗い出していきましょう。時期としては、小学生のころから現在にかけてを振り返ることがおすすめです。
シーンの例
- サークル活動
- アルバイト
- 部活
- ボランティア
- 学業
- ゼミ・研究
- 習い事
- 留学
- 趣味
たとえば①で「頑張ったこと」を挙げたら、どんな場面でどんな頑張りをしてきたのかを考えます。
「頑張ったこと」のシーンの洗い出しの例
- 小学生時代:レギュラーに入るためにサッカークラブの練習を4年間頑張った
- 中学時代:サッカー部での活動も頑張ったが、高校受験に力を入れて頑張った
- 高校時代:バンドにハマり、校外でのバンド活動を頑張った
- 大学時代:軽音楽サークルに入ったが、どちらかというとアルバイトを頑張った
③それぞれのシーンに対して「なぜ」と深掘りをしてエピソードを具体化する
経験をただ洗い出すだけでなく、その経験をした理由を考えるために自分の行動や感情に対して「なぜ」を繰り返しエピソードを掘り下げていきましょう。エピソードを掘り下げることによって、過去の状況での行動や感情を鮮明に思い出すことが可能になりますよ。
「なぜ」を繰り返すことで自分らしさを見つけることにつながるため、この作業は自己分析において非常に重要です。
「なぜ」と深掘りをする例
- 大学時代に軽音楽サークルに入ったが、どちらかというとアルバイトを頑張った
↓なぜ頑張れたのか? - 軽音サークルは高校時代のバンド経験を継続して深く考えずに入ったが、アパレルアルバイトはずっとやりたいと憧れていてワクワクした気持ちで始めたから
↓なぜアパレルアルバイトに憧れていたのか? - 服が好きだから、自分も販売する側に回り顧客の服選びを手伝いたいと考えたため
↓なぜ服が好きなのか? - 服にはさまざまな歴史があり、選ぶことも着ることも楽しく、幸せな気持ちになれるから
↓なぜ幸せな気持ちになれるのか? - 自分の可能性を引き出し、魅力的に魅せることができるから
↓なぜ自分の可能性を引き出したいのか? - 試行錯誤し自分の努力の結果が目に見えると充実感を感じるから
自分の行動や感情に「なぜ」を繰り返すときは必ず書き出して文字化しましょう。頭の中にあるときは単なる感覚やイメージでしかないため、ぼんやりと思い浮かべるだけだと最初に浮かんだ「なぜ」を認識しづらいものです。
文字にすれば考えも整理でき、また視覚によっても認識できるため比較検討もしやすくなります。
④複数のテーマで①~③を繰り返す
人には多面性があるため、たとえば一方では努力家でも一方では怠惰な面があったりするものです。そのため、「頑張ったこと」だけなど1つのテーマではなく複数のテーマを掘り下げ、「なぜ」を繰り返していきましょう。
複数のテーマを洗い出し分析することで、多角的に自分を見つめることができるようになります。
また、プラスの感情だけでなく「挫折したこと」「辛かったこと」などマイナスな感情面のテーマでもおこなってくださいね。マイナス面にも自分らしさがあり、マイナス面からプラスに転じた行動など変化があることも多いです。
自己分析を進めるための質問の例
自分だけでは「頑張ったこと」「楽しかったこと」「辛かったこと」などありきたりなテーマしか思い浮かばない人は、以下の質問例を参考にしてくださいね。
この質問を深掘りしていくと、人生のさまざまなフェーズのことを思い出しやすくなります。
幼少期に関する質問
- 周囲からどんな子どもだと言われていたか
- どんな物事に興味を持っていたか
- 外と中で遊ぶのはどちらが好きだったか
- どんな教育を受けていたか
小学生時代に関する質問
- 得意・苦手な教科はなにだったか
- クラスでどのような存在だったか
- どのようなときに褒められたり怒られたか
- 学校行事に対してどのように取り組んだか
- 友人となにをして過ごすことが多かったか
中学生時代に関する質問
- 部活動には加入していたか
- 進路はどのように決めたか
- 友人関係に変化はあったか
- 世の中に対してどんな感情を抱いていたか
- 中学生活での1番の思い出は何か
高校時代に関する質問
- なぜその高校を選んだのか
- 部活動をしていた場合、どのような思いで取り組んだのか
- 大学についてどのように考え、勉強をしたのか
- 友人関係に変化はあったか
- 中学生のときと比べて変化した行動はあるか
大学時代に関する質問
- なぜその大学と学部を選んだのか
- アルバイトをしていた場合、なぜそのアルバイトを始めたのか
- 講義に対してどのように取り組んだか
- ゼミに入っている場合、なぜそのゼミを選んだのか
- 高校生のとき比べて変化した行動はあるか
まずは自己分析ツールで自分の強み・弱みを確認しよう!
・自己PRや志望動機に使える長所を知りたい人
・自分にあった仕事を知りたい人
⑤分析内容を整理して共通点や変化した点を探す
どんな考えのもと、どんな行動をしたのか過去を整理できたら、共通点や変化した点を洗い出していきましょう。もし小学生のときからブレのない行動をしていたとしたら、それがあなたの軸となります。
「頑張ったこと」「大変だったこと」などをそれぞれ振り返ろうとしても、なかなか共通点や変化した点が思いつかないと悩んでしまう人もいるかもしれませんね。そんなときは、過去・現在・未来の3つの視点から考えてみましょう。
「大学生の今〇〇を頑張れている源泉になる経験は何だろう」と過去と現在をリンクさせて考えてみてくださいね。たとえば、今も昔も「一緒に頑張れる仲間がいるため頑張れる」などがあるかもしれません。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る自己分析から共通点を探していこう
「KJ法」を活用し、グルーピングをしていくやり方もおすすめです。KJ法とは個々の情報を効率的に整理し、分類していく手法です。これを用いれば自分では気づいていなかった自分の共通点や課題を見出すことができます。ポストイットを準備し、以下の手順で複数回取り組んでみてください。
①テーマを決める
「自分の強み」「貴重な経験」など分析内容を絞り込みましょう。KJ法による分析はそれぞれのテーマごとに個別におこなうことがおすすめです。
②テーマに沿って、思い当たることをポストイットに書き出す
できるだけ簡潔に、1枚につき1つだけ書きます。20字以下にまとめておくと良いでしょう。
例)貴重な体験
絵画コンテストで市内1位を受賞した、英語コンテストで県大会3位になった、生徒会副会長になった、アメリカでホームステイをした、部活動で全国大会に出場した、国体選手になった、成人式で代表の挨拶をした、オーロラを見た、首相に会った
③似た内容のポストイットを重ねる(小グループ)
なんとなく似ていると感じたらグループにします。あまり厳密に分けなくても問題ありません。
例)絵画コンテストで市内1位を受賞した、英語コンテストで県大会3位になった、部活動で全国大会に出場した、国体選手になった
④小グループを、さらに似たグループ同士でまとめておく(中グループ)
こちらもなんとなく似ていると感じるような雰囲気で分けてしまって問題ありません。
例)部活動で全国大会に出場した、国体選手になった
⑤中グループ同士でさらに似たグループがあれば、それをまとめておく(大グループ)
無理に大グループを作らなくても構いません。
⑥中グループと大グループにそれぞれタイトルをつける
それぞれのグループをなぜまとめたのか、という点がグループタイトルになり、またそれは自分の経験の中にある共通点や変化を表すことにつながります。
例)「タイトル:成果を挙げるために頑張ったこと」→部活動で全国大会に出場した、国体選手になった
⑥過去と現在の自分から将来像を考える
ここまでで過去から現在の自分を分析することができました。これらの分析結果から、自分の3年後、5年後、10年後などのありたい姿を考えていきましょう。
たとえば、過去から現在にかけて分析した結果「結果が目に見えるとやる気が出て、成果につなげられる」という特徴が自分にあったとします。そうであれば、将来的にも結果が見える環境が望ましいと想像できますよね。
将来像はあくまでも現時点での考えであるため、適宜修正していくものです。あまり重く考えずに、まずは「高校生のときは〇〇だったから大学生のときに△△になった。ということは将来的にはこんな変化があるかもしれない」など過去から未来につなげてざっくりとした方向性を捉える意識で考えてみてくださいね。
自分の将来像を描く際には、過去の人生の分岐点での決断理由など、自分の価値観が大きくかかわってきます。
「自分がどうありたかったからその決断をして、結果的にどうなったか」を振り返ったうえで、あまり縛りを設けないで理想像から考えてみましょう。
⑦他人が抱く印象や強み・弱みを整理する
自己分析をして自分を理解したら、最後に自己分析結果を客観視していきましょう。自分の特徴を見た採用担当者など企業側の人間が自分に抱く印象を把握することが大切です。人が抱く自分の印象を把握することで、自分の強みをより強調してアピールしたり、弱みを打ち消すアピールができるようになりますよ。
たとえば、自己分析をして深掘りした内容を振り返り、「事実」と「解釈」に分けて考えてみましょう。どれが事実であり、どれが自分の考えや思い込んでいる解釈なのかをはっきりさせます。そうすることで、主観と客観を整理し他人が自分に対してどんな感情を抱くのかが見えてきます。
「事実」と「解釈」とは?
事実: 実際に起こった事柄、現実に存在する事柄
解釈: 事実にもとづき、物事の意味を自分が考え理解すること
事実と解釈の例
- 自分は粘り強さが強みだ(解釈)
- サッカーを14年間続けている(事実)
- 大学でもサッカー部に入部をして(事実)、つらいことがあっても練習を頑張った(解釈)
- レギュラーに入れない日が続いても、毎朝10km走ったりドリブルの練習を1時間以上した(事実)
このように自分を客観的に見ることによって、選考で伝えられる内容を振り分けていきましょう。
自己分析は自分の良い点も悪い点も見てくるからこそ、良い印象付けをする情報とそうではない情報とを取捨選択してくださいね。
- 自己分析から得られた結果の中で、選考で伝えるべき内容としてはどんな要素がありますか?
根拠となる具体的なエピソードが必須要素
自己分析から得られた内容だったとしても、自分の強みだけを面接で伝えただけではまったく説得力がありません。
その強みを駆使しながらどのように困難を乗り越えたのか、周囲を巻き込んだり、メリットをもたらしたりできたのか、というエピソードを示すようにしましょう。
具体例の提示は話に説得力を持たせるだけでなく、その印象を面接官の記憶に残しやすくなります。
自分の強みを知ることでセールスポイントを見つけることができます。以下の記事ではセールスポイントについてまとめているので参考にしてみてください。
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効果的な自己分析にするために必要な6つのこと
効果的な自己分析にするために必要な6つのこと
- 短所や弱みなどネガティブな部分も考えるようにする
- 主観と客観をわけて分析する
- ありきたりな言葉は言い換える
- 考えた過程などもすべてメモする
- 「想い」だけでなく「経験」を考慮する
- 模擬面接を受けて足りない部分を考えてみる
せっかく自己分析をやるのであれば、自分の企業選びや選考でのアピールに活かせる内容にしたいですよね。
自己分析を無駄な時間にしてしまわないためにも、今から解説する「効果的な自己分析をするために必要な6つのこと」を忘れないでくださいね。
①短所や弱みなどネガティブな部分も考えるようにする
多くの人が自分の悪い点はあまり考えたくないと思うものです。しかし、就活では短所や弱み、挫折経験を聞かれるなど、マイナス面もさらけ出さなければならない場面があります。
そのため、自己分析でも自分のネガティブな部分と向き合い、なぜ短所や弱みだといえるのか、それを克服するためにしていることはあるのかなども考えましょう。
短所も裏を返せば長所になることがあるため、あまり悲観的にならないようにしてくださいね。
- 自分のネガティブな部分を自己分析したら落ち込んでしまいます……。どうしたら良いのでしょうか?
落ち込むほどネガティブな内容は深く考えなくて良い
ネガティブと感じる要素については、過去のショックな出来事や失敗経験などが関係しているかもしれません。あまりに落ち込んでしまう経験については、焦って深く考える必要はありませんし、面接などで無理に語る必要はありません。
ただ、ネガティブな経験から今の強みやポジティブな要素につながったものもあるでしょう。
まずは、自分の成功体験や強みを紙に書き出して「自己効力感」を高めつつ、弱みや挫折経験を同じように言語化してみましょう。そこから、強みやプラス面に関連付けられそうな要素を抽出してみましょう。
②主観と客観を分けて分析する
当然ですが、自己分析をしていると自分視点で過去から現在にかけてを分析することになります。そのため、主観的な結果となりがちです。
主観と客観を分けて分析することを意識しましょう。主観は自分が感じたことですが、客観は周囲がどう感じたのかまでをくみ取る必要があるため少し難しく感じるかもしれませんね。自分の行動や発言によって周囲にどのような変化があったのかといった点に注目をしてみてください。
また「企業視点」を持って分析をすることで、どんな学生を求めているのかを客観的に考えやすくなります。自分がアピールしたい内容ばかりを意識するのではなく、このアピールは企業にポジティブな印象付けができそうだな、ネガティブな印象付けになりそうだなと分析しましょう。
- 客観的に自分を分析をするのが難しく感じます……。どのようにすれば客観的に自分を見れるのでしょうか?
自分の周りの状況を整理して数字で表してみよう
「自分は一生懸命頑張った」というただの自己評価で終わらないために、頑張ったからこそ「どのような結果が出たのか」「周囲にどのような影響があったか」を一度自分の周りの状況を整理しましょう。
そのとき、客観的な視点で考えやすいのが数字で表せる尺度に着目する方法です。部活に所属していたのであれば大会での成績、アルバイト経験であれば売り上げに着目し、ほかの人や昔と比べてどのくらい数字を伸ばせたかなど考えていきましょう。
数字で比べることができるとデータの裏付けもあり、客観的に自分の立ち位置を把握することができます。
③ありきたりな言葉は言い換える
どんな経験があったのか経験を洗い出す事ばかりに集中をし、一つひとつの出来事に対する深掘りができていないとありきたりな言葉になりがちです。ありきたりな言葉では自分の行動が具体化されにくいため、言い換え表現をするようにしましょう。
後から自分で自己分析の結果を見返したときに、ありきたりな言葉ではそのときの状況を具体的に思い起こすことが難しくなります。
また、企業に伝える際もそのありきたりな言葉を使ってしまうと、あなたならではのオリジナリティのあるアピールができなくなってしまいます。
言い換え表現の例
- 責任感がある→期日までに仕上げる使命感がある
- 責任感がある→自分に関係がないことでも自分事として捉えることができる
- 好奇心旺盛→自分が経験したことがないことでもチャレンジできる
- 好奇心旺盛→流行りのものには目がない
- 傾聴力→相手が言いたいことをくみ取れる
- 傾聴力→相手が言いたいことを引き出す質問力がある
ありきたりな言葉を言い換えられないということであれば、それはまだ自己分析が足りていないということでもあります。あなたの性格や価値観は具体的にどういうことなのかを表現できるように、「なぜ」と「どうやって」を繰り返して深掘りしてくださいね。
④考えた過程などもすべてメモする
自己分析をやっているときは、自分が考えた過程などを覚えているため、導き出した結果に納得しやすいです。
しかし後日自己分析結果を見返したときは、記憶が薄れていることもあって「なぜこの結果になったのだろう」と疑問が浮かんできてしまいます。
考えた結果だけでなく過程もすべてメモするように心掛けてください。この考える過程は自分が理解しやすくなるだけでなく、選考においても「なぜそのように考えるのですか」と面接官から問われたときに答えやすくなりますよ。
自己分析の過程がしっかりしていると、どんな質問をされても軸をブラさずに答えることができるようになります。一貫した人物像を面接官にアピールすることができるため、一緒に働くイメージがつきやすいです。
一方過程が抜け落ちてしまっていると面接の場面ではチグハグな回答や矛盾を生み出してしまい、面接官にとっては不安要素となります。
⑤「想い」だけでなく「経験」まで考える
自分が何を思ったのかなど「想い」を自己分析で洗い出すことも大切ですが、想いだけでは選考でアピールするときに根拠がなく採用担当者は納得感を抱きづらいです。
そのため、想いとセットで必ず「経験」を紐づけるようにしてください。経験があることで内容が具体化されるだけでなく、あなたの想いを裏付ける根拠となりますよ。
想いと経験の例
- 想い:人を笑顔にすることが好き
- 経験:アルバイトで顧客の笑顔のためにさまざまな工夫をした
⑥模擬面接を受けて足りない部分を考えてみる
自己分析を完了したと自分では思っていても、考えが浅いところや抜け漏れがあることも少なくありません。自分で何度も自己分析を繰り返すことも良いですが、それでは少し時間がかかりすぎて非効率的になりがちです。
そこでおすすめしたいのが、模擬面接を受けることです。質問に対して答えづらいと感じた部分やうまく答えられなかった点を重点的に自己分析をしてみましょう。答えられないということは想いや経験を言語化できていないということです。
また、準備が完璧でなかったとしても実際の面接を受けてみるのも1つの方法です。いきなり志望度の高い企業の面接を受けるのではなく、志望度の低い企業の面接をおこなって自己分析の成果を確かめてみましょう。
模擬面接を有意義な時間にしたい人は、こちらの記事を参考にしてくださいね。模擬面接の進め方や事前に準備するべきことを詳しく解説しています。
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模擬面接などでうまく受け答えできなかった質問にこそ「なぜ」を繰り返しましょう。
「なぜ」答えられなかったのか、「なぜ」答えが思いつかなかったのか、「なぜ」思いつかない状況に陥ったのか、「なぜ」その準備ができていなかったのかなど、とことん「なぜ」を繰り返してみると自己分析しやすくなります。
自己分析の種類は豊富! 自分に合った自己分析を探そう
自己分析の種類
- 自分史
- マインドマップ
- モチベーショングラフ
- 自己分析の書籍
- 自己分析ツール
自己分析は上記で解説した方法以外にもさまざまなやり方があります。今から自己分析の5つの方法を解説するため、自分に合った自己分析はどれか考えてみてくださいね。
また、2つ以上のやり方で自己分析をすると自分を多角的に分析することにもつながり、より正確な結果を導き出せるためおすすめです。
自分史
自分史は自分の小学生のときから大学生の現在までを年表のようにしてまとめたものです。ノートとペン、もしくはwordなどを用意して、あとから振り返られるようにしてください。
自分史の作り方
①ノートとペン、もしくはwordなどまとめられるものを用意する
②以下の内容を参考に小学校から現在までの出来事を年代別に洗い出していく
一番頑張ったこと
一番辛かったこと
一番うれしかったこと
当時、熱中していたこと
大きな失敗や挫折
困難を乗り越えたこと
自分から率先しておこなったこと
③過去の経験を喜怒哀楽などで考え方が似ているエピソードをまとめる
④まとめた内容が自分の価値観を表す
自分史は過去の傾向から自分がどのような人間性を持ち、どのような考え方を持っているのかを明確化していく作業です。各年代ごとに喜怒哀楽など考えが似ているエピソードをまとめ、価値観を導き出してくださいね。
自分史の作成方法は上記で解説していますが、以下の記事では自分史を就活で活かす方法をまとめています。ぜひ、参考にしてみてください。
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マインドマップ
マインドマップとは思考を視覚化する手法を指します。中央にメインテーマを置き、自分の頭の中にある考えを蜘蛛の巣状に広げてマップ(地図)のように作ります。
マインドマップを作成することで自分の頭の中を整理でき、普段自分が「考えていること」「大切にしていること」「行動原理」を明確にすることが可能です。
マインドマップの作り方
①無地の紙を用意する
②中央にメインテーマを書く
③メインテーマの周辺にアイデアをキーワードで書く
③キーワードから、さらに関連するキーワードを書く
たとえば、中央に「自分」というメインテーマを配置してみましょう。メインテーマである「自分」の周辺に「趣味」「苦手なこと」「得意なこと」「頑張ったこと」「やりたいこと」などを単語で蜘蛛の巣状に派生させていきます。
「頑張ったこと」が「部活」「県大会優勝」「チームワーク」などとつながったら長所は協調性などが考えられますね。
マインドマップの詳しい作り方や就活への活かし方はこちらの記事で解説しているので、併せて参考にしましょう。
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モチベーショングラフ
モチベーショングラフとは、過去の自分自身の出来事や体験を時系列で表し、各フェーズにおけるモチベーションの上下の揺れをグラフで表現したものです。
自分はどんな原因でモチベーションが上下するのかを視覚化することができ、自分の価値観や長所・短所などへの気づきを得られます。
モチベーショングラフの作り方
①縦軸をモチベーション、横軸を時間の経過とする
②小学校から現在までの具体的な出来事とモチベーションの推移を上下で書く
③出来事に対してとった行動や思考など、そのときの状況を整理する
④モチベーションを上下させる要素を抽出する
縦軸にはモチベーションの高さ、横軸には時間を表す2軸を展開します。モチベーションが上下したときにはどんな出来事があったのか、それに対して何を考えたのかを明記してください。
- 実際に作ってみたものの、モチベーションの変化があまりないグラフとなってしまいました……。どうすれば良いのでしょうか?
それぞれの出来事を深掘りすることでグラフに高低が出る
それぞれの出来事について、単なる事象として捉えるだけでなくそのときの感情をよく思い出してみましょう。
楽しかったのか、つらかったのかなど思い返し、その原因やきっかけについて掘り下げていきます。また出来事の前後で現れた、自分の思考や習慣の変化がないかもチェックしてみましょう。
ひとつひとつの出来事に対して、じっくりその意味を考えてみることでグラフに高低が出てきますよ。
モチベーショングラフはコツを押さえることで自己分析をさらに深められます。以下の記事で詳しい書き方と選考への活かし方をまとめているので、参考にしてみてください。
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自己分析に有効な手法としてモチベーショングラフがあります。モチベーショングラフは適切な書き方や活用方法を知らないと、就活にうまく活かせません。この記事ではキャリアアドバイザーがモチベーショングラフで自己分析を極める方法を解説します。
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自己分析の書籍
おすすめの自己分析本
- さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0(日本経済新聞出版)
→自分の隠れた才能を探し自分の強みを「見える化」できる本 - 書くだけであなたの「強み」が見つかるノート(SBクリエイティブ)
→強みは伝えたい「相手」と、競合する「ライバル」によって変化させるものという軸をもとに、「本当の強み」を作り出すことができる本 - 受かる! 自己分析シート(日本実業出版社)
→自己分析によってエピソードを徹底的に洗い出し、内定するための書類作成に応用できる本
自己分析を始めるにあたって、説明を読んでも何をどう始めて良いのかわからない人もいるかもしれません。そんな人には、自己分析の手順が事細かに記載されている自己分析の書籍が便利です。
自分の強みを「見える化」してくれる書籍や、あなたの持つ特徴をどう使えばあなたの武器になるのかなどを解説している書籍がありますよ。
大学の図書館やキャリアセンターに行けば、自己分析の書籍が置いてあることも多いため、ぜひ中身を確認してみてください。
自己分析ツール
おすすめの診断ツール
- My analytics
→36問の質問に答えるだけで強みと適職を簡単に診断できる - 16Personalities
→60問の質問から自分の性格を8種類の性格タイプに分類することができる - エムグラム
→108問の質問に答えることで自分を構成する8性格や4つの特異性が診断できる - ビッグ・ファイブ尺度
→120問の質問から自分に対する「嘘」を見抜き、本当の性格を診断できる - VIA
→120問の質問から自分を特徴づける強みを診断できる - エニアグラム
→90問の質問から自分の性格構造のメカニズムが見えるようになる
「自己分析をやっている時間がない……」「まずは手軽に自己分析をしてみたい」という人は自己分析ツールを活用してみましょう。自己分析ツールではあなたの強みや長所、弱みや短所のヒントを得ることができます。
ただし自己分析ツールを使って診断するだけでは、過去の深い経験までは洗い出せないため、あくまでも自己分析のきっかけや目安になるものだと捉えてくださいね。
おすすめなやり方としては、自己分析ツールで自分の強みや長所、弱みや短所に目星を付けたあと、そのキーワードをもとに過去の経験を洗い出してみてください。自分の特徴がなにもわかっていないところから自己分析を始めるよりも、効率的に進められますよ。
アドバイザーコメント
富岡 順子
プロフィールを見る自分が取り掛かりやすいものから自己分析を始めてみよう
自己分析の種類は豊富であり、種類がありすぎるとどれをやったら良いのかわからなくなりますよね。まずは直感で良いため、「自分ができそうだな」「答えやすいな」と思うものからやってみましょう。
一つやってみて結果から自分の強みが見えてくると、達成感も感じられます。そうしたらタイプの違う自己分析をもう一つやってみましょう。最初の結果にプラスして、自分という人間がどんどん深掘りできてきます。
自分史のあとにモチベーショングラフを作成することがおすすめ
あらゆる自己分析の組み合わせの中でもおすすめなのが、「自分史」を書いてからの「モチベーショングラフ」を作成する組み合わせです。自分史を書くことで年齢ごとに何があったか思い出せている状態のため、モチベーショングラフを作成するのにもそんなに時間がかからず作成できるでしょう。
さらに、できあがったモチベーショングラフをもとに友人など第三者に人生を語ってみてください。物語には一つひとつのバラバラの要素を結びつけ、意味を持たせて語る力があります。語りを通して改めて自分の強みや、過去の経験がどのように現在につながっているか知ることができ、今後どのような人生を送っていきたいのか気づくきっかけにもなりますよ。
自己理解をさらに深める分析方法2選
自己理解をさらに深める分析方法2選
- 他己分析をする
- SWOT分析をする
繰り返しになりますが、自己分析は客観性が大切となってきます。客観性がある自己理解ができていないと、自分がアピールする強みと企業が抱く印象にギャップが生まれ、効果的なアピールにならない可能性があります。
今から解説する自己理解をさらに深める分析方法2選で、客観的にそして多角的に自己理解を深めていきましょう。
①他己分析をする
他己分析とは、読んで字のごとく他人があなたの性格や長所・短所などを客観的に分析することです。周囲の人に「自分の強みは何だと思う?」と聞くことでも他己分析は可能ですが、有名なやり方として「ジョハリの窓」が挙げられます。
ジョハリの窓では自分と他人との関係から気づきを得て、自分が知っている「自分の特徴」と他人が知っている「自分の特徴」の一致・不一致を確認できます。
ジョハリの窓の作り方
①参加者を4~8人程度集める
②「解放の窓」「秘密の窓」「盲点の窓」「未知の窓」の4つに分けて用紙を区切る
③自分の性格だと思う要素をあらかじめ記載する
④相手の性格だと思う要素を記載して、相手に渡す
⑤「自分」「相手」のすべてを書き終えたら、自分の用紙を手元にそろえる
⑥自分と相手が書いた内容が重なっていたら「解放の窓」に書く
⑦相手が書いて自分が書いていない内容を「盲点の窓」に書く
⑧自分が書いて相手が書いていない内容を「秘密の窓」に書く
⑨自分も相手も書いていない内容を「未知の窓」に書く
ジョハリの窓をすることによって、自分と他人の認識のズレを認識できます。この認識のズレを改善する方法を考え、解放の窓を増やし、就活で本当の自分をアピールできるようにしましょう。
また新しい自分を発見することもできるため、他人に気づいてもらうことで自分の良さを認識できることもありますよ。
他己分析のやり方がわからない……と悩んでいる人は以下の記事を参考にしてください。他己分析のやり方を詳しく解説しています。
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他己分析の質問例20選|やり方から選考への活かし方まで徹底解説
就活ではよく自己分析の重要性が取り挙げられますが、他己分析をすることで自己分析の精度を上げることができます。記事では、キャリアコンサルタントの解説を交えながら、他己分析をおこなう具体的な方法や質問例、面接への活かし方などを解説するので、ぜひ参考にしてください。
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面接でも他己分析が活きてくる場面があるかもしれません。次の記事では、そんな質問内容の一つを紹介しています。ぜひ併せて確認してみてくださいね。
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17例文付き|面接の「周りからどう思われているか」の回答法は?
就活の面接で「周りからどう思われているか」と質問されることがあります。適切な回答をするにはこの質問の意図や目的を理解することが大切です。この記事では「周りからどう思われているか」の回答方法を例文付きで解説します。
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- 選考まであまり時間がないので、ジョハリの窓を実践するのは難しいです。手軽にできる他己分析のやり方を教えてください。
カテゴリー別の質問を周囲の人に答えてもらおう
ジョハリの窓の手順をおこなう余裕がない場合は、自分に関するいくつかの質問を準備したうえで、友人や家族にメールや紙、音声などで回答してもらいましょう。
その際は、たとえば「サークル活動での自分」「アルバイトでの自分」「友人としての自分」などです。自分についてさまざまな角度から意見をもらえるように、質問する相手は数よりも「カテゴリー」を意識して選びましょう。
極力、親しい間柄で回答をくれる人をそれぞれ2人ほど選ぶのが望ましいです。もらった回答の中から自分に刺さった言葉に着目して、相手に詳細を深掘りしていくと良いでしょう。
②SWOT分析をする
SWOT(スウォット)分析とは?
企業や事業の現状分析をするときなどに使うフレームワーク
SWOTとは、「強み・Strength」「弱み・Weakness」「機会・Opportunity」「脅威・Threat」の頭文字を取ったもので、この4つの要素を使い分析をおこなう
SWOT分析は自分の長所や短所などの「内部要因」、就活市場や業界の動向などの「外部要因」をかけ合わせて、自分について考えていく自己分析方法です。
マーケティング手法の一つで、企業が経営戦略などを分析するときに使われることも多くあります。
SWOT分析から分析できること
- Strength(強み):自分の持つ強み
- Weakness(弱み):自分が克服できていない弱み
- Opportunity(機会):就活市場における自分へメリットがあること
- Threat(脅威):就活市場における自分へデメリットがあること
働くうえで活かせる強みはあるか、克服するべき弱みはあるか、強みを活かす機会はあるか、克服すべき脅威はあるかと考えていきます。
たとえば、以下のように「強み」「弱み」「機会」「脅威」を分析して、自分の現状を正しく把握してみましょう。
SWOT分析の考え方の例
- 強み:自分の持つ「ホスピタリティ」という強み
- 弱み:自分の持つ「優柔不断」という弱み
- 機会:(ブライダル業界志望の場合)ブライダル業界では、ホスピタリティが求められているため就活市場において自分の強みが業界にマッチするというメリット
- 脅威:ブライダル業界において採用人数が削られているため、競争倍率が高くなるという就活市場における自分へデメリットがある
- 外部要因として就活市場や業界の動向などがありますが、具体的にどのようなことが機会や脅威になるのでしょうか?
売り手市場が機会・感染症による影響が脅威となる
たとえば、外部要因として就活市場が売り手市場であると採用されるチャンスが増えるためメリットになりますよ。
新型コロナウイルス感染症などのパンデミックは製薬会社やテレワーク関係の会社には機会となりますが、観光や飲食といった業界には脅威となりますね。
経営に影響があると採用人数も左右されるため、学生も世の中の動き、業界の動向はチェックしておきましょう。
自己分析の4つの注意点
自己分析の4つの注意点
- 思い込みで強みを決めない
- 虚偽の内容は作らない
- 企業の求める人物像に寄せない
- 自己分析だけに時間を割きすぎない
自己分析をするからには正確に自分の価値観を捉え、企業選びや選考に活かしたいですよね。
ただし、自己分析には学生がやりがちな失敗が潜んでいます。今から解説する4つの注意点を押さえて、自分が当てはまっていないか気をつけながら自己分析を進めてくださいね。
①思い込みで強みを決めない
自分のことはある程度は理解しているつもりでも、よくよく分析していると自分の根本にある性格や価値観は違ったなんてこともあるものです。そのため、思い込みで自分の強みを決めつけないようにしましょう。
思い込みで強みを決めて自己分析をしてしまうと、結果がその思い込みに引っ張られてしまい、正しい強みや価値観が見えなくなってしまいます。
「自分の強みは〇〇だ」と思っていたとしても決めつけるのではなく、あくまでも一つの自分の側面であると捉えましょう。そして、「確かに自分の強みは〇〇だけど、違う場面ではどうだろう」と視点を変えて考えると、多角的に自分を見れるようになりますよ。
②虚偽の内容は作らない
自分の過去が選考で評価をされなさそうだからといって、嘘の経験を創り出したり、脚色したりしないようにしましょう。たしかに自己分析は選考で活用するものですが、それだけではありません。
自分の将来を見すえて自己分析をして、入社後にいきいきと働くためでもあるのです。
自己分析は自分の軸となるため、この軸を偽ってしまうと自分が求めている将来像や働く環境から離れた結果となり、本当の意味で自分に合った内定先を獲得できない危険性が高まります。
③企業の求める人物像に寄せない
すでに入社をしたいと考えている企業がある人は、選考で受かりたいあまりその企業の求める人物像に寄せた強みや価値観となるような自己分析結果に寄せないように気をつけてください。
企業の求める人物像を意識することは選考において良いことですが、自己分析においては偏った結果となってしまったり、偽りの自分の姿を作り上げてしまうことになります。
自己分析で企業の求める人物像に寄せすぎると、本質的な自分とは異なる受け答えをしてしまう危険性が高まります。
たとえば答えに一貫性がなくなったり、何でも人の意見に従う人間と評価されたりしかねません。もちろん、仮に採用されても自分の価値観と企業風土との食い違いに苦しむ可能性もあります。
まずはフラットな意識で自己分析をして、強みや価値観を洗い出した後に企業の求める人物像にマッチするものをピックアップするようにしてくださいね。
④自己分析だけに時間を割きすぎない
自己分析は非常に重要なため、力を入れるべき対策です。とはいえ自己分析ばかりやってしまって、ほかの選考対策ができていないと内定を得ることは難しくなってしまいます。
就活では業界・企業研究や書類対策、筆記試験対策、面接対策などさまざまな対策が必要です。何にどれくらいの時間をかけるべきかを自分なりに定め、時間管理をしながら自己分析をしてくださいね。
- 自己分析にはどれくらいの時間をかけるべきなのでしょうか?
最初は数時間かけるが、それ以降はおさらいする程度にしよう
自己分析はあまり時間をかけすぎると、「あれもこれも自分に当てはまるのでは」と内容がぶれて、結果がぼやけたものになってしまいます。
初回は数時間かけて丁寧におこなうとしても、それ以降は気になるところを整理する、志望先の企業に合わせてアピールする項目をピックアップする、などさっとおさらいする程度にとどめておきましょう。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る自分に偽りなく自己分析をすることが必須
上記で解説されている自己分析の4つの注意点の中でも、「虚偽の内容を作らない」ことは特に重要です。企業にとってはもちろん、自分にとっても理想的な人物像を作り出すことは好ましい結果を得られないだけでなく、必ず面接官に見破られてしまうものです。
また嘘を突き通して採用されたとしても、入社後に自分の本来の価値観や性格との食い違いによって、早期退職につながることもあります。他にも以下の2点について心に留め、一度で自己分析を終わらせないようにしましょう。
①時間を置いて何度か見直す
自己分析は、一度集中的にやったからといって、納得のいく言語化ができるとは限りません。そのときに着目した経験や感情の振り返りも、気分によって変わることがあります。
自己分析は何度かその結果を見直して、自分が納得のうえで相手に語れるレベルまで精査しましょう。
②できればキャリアコンサルタントなどに相談する
自己分析は自分一人だけでおこなっていると、どうしても振り返る経験に偏りが出てしまいます。また自分では言語化が難しいことも、キャリアコンサルタントによる伝え返しなどによって、気づきを得られることがあります。
学校のキャリアセンターの担当職員などでも良いため、第三者と一緒に自己分析をおこなってみましょう。
感情の振り返りには気持ちを書き出す就活日記をつけることもおすすめです。詳しい始め方はこちらの記事を参考にしてくださいね。
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2ステップ! 自己分析を業界・企業選びに活かす方法
2ステップ! 自己分析を業界・企業選びに活かす方法
- 業界や企業の特徴を整理する
- 自分の特性や強みを発揮できる仕事を探す
自己分析をして自分の価値観や強みを整理したら、それだけで満足してしまっていませんか。自分に合った就職先を選ぶためにも、自己分析を業界選びや企業選びにも転用していきましょう。
膨大な数の業界や企業があるため、そこから自分に合った業界・企業を選ぶことは非常に大変です。しかし自己分析ができていれば、2ステップで簡単に選べるようになりますよ。
①業界や企業の特徴を整理する
業界や企業を知らなければ、自分に合っているかどうかも判断できないですよね。まずはどんな特徴があるのか、それぞれの業界や企業を整理していきましょう。
おもな業界としては次の8業界が挙げられます
就活におけるおもな8業界
- メーカー
- 商社
- 小売
- 金融
- サービス・インフラ
- 広告・出版・マスコミ
- ソフトウエア・通信
- 官公庁・公社・団体
業界分析をおこない、興味を持った企業の詳細を調べてみてくださいね。
業界分析のやり方
- 業界地図を見る
- 書籍やニュースをチェックする
- 業界団体のホームページ(HP)を見る
- 合同説明会に参加する
企業研究のやり方
- 就活四季報を見る
- 企業HPを見る
- インターンに参加する
- OB・OG訪問をする
- 会社説明会に参加する
2年生からインターン参加について考えている人もいるかもしれませんね。気になる人は、以下の記事を参考にしてくださいね。
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大学2年生のインターンは目的意識を持つことが重要です。この記事では2年生からインターンに参加するメリットデメリットや参加できるインターンの探し方、参加のためにやるべき事前準備などについてキャリアコンサルタントが解説します。
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OB・OG訪問のやり方が不安な人は、こちらの記事を参考にしてくださいね。準備から就活を有利に進める方法をまとめています。
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OB・OG訪問は社員のリアルな声を聞ける貴重な機会です。万全の準備をして最大限に活用しましょう。この記事ではOB・OG訪問の準備方法やマナーなどについてキャリアコンサルタントが解説します。OB・OG訪問を実施し、就活を成功させましょう。
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学生の中には仕事内容だけしか見ない人もいますが、幅広い視野を持つことが大切です。業界や企業への理解を深めるためには、次のポイントを見るようにしましょう。
業界や企業を見るポイント
- 選考の時期
- 仕事内容
- 社風
- 企業理念
- 配属部署
- 給料
- 労働時間
- 転勤頻度
- 福利厚生
- 離職率
- 将来性
②自分の特性や強みを発揮できる仕事を探す
興味を持った業界・企業では、自分の特性や強みを活かせる場面や環境があるかを考えていきます。やりたいことだけで仕事を選んでしまうと、実は自分には適性がなく、入社後に苦しい思いをしてしまうかもしれません。
やりたいこと以外の視点を持つ方法として、will・can・mustのフレームワークがあります。
will・can・mustのフレームワークとは?
will(自分がやりたいこと):今の自分が描く将来像のこと
can(自分ができること):今の自分のスキルでできること
must(自分がやらなければならないこと):優先的に取り組むべき課題のこと
自己分析結果によって得られた価値観から、今の自分が描く将来像をもとにやりたいことを考え、そして強みや長所を活かせる「自分ができること」を考えます。
自分がやらなければならないことは何かを考えるには、企業がどんな学生を求めているのかを考えてみましょう。
たとえば、コミュニケーション能力のある学生を求める企業に対して自分がやらなければならないことは「1人でコツコツと取り組める能力」をアピールするのではなく、「大勢の人を巻き込めるコミュニケーション能力」だとわかります。
will・can・mustを企業選びに活かす例
- will(自分がやりたいこと):将来的には海外駐在をして世界を相手に仕事がしたい
- can(自分ができること):TOEIC900点を所持していることとコミュニケーション能力を活かすことができる
- must(自分がやらなければならないこと):就活において基本的にはポテンシャル採用の企業が多いため、企業の求める人物像を把握する必要がありそうだ
→海外駐在をする人が多く、コミュニケーション能力を求める人物像に挙げていることが多い「総合商社」が自分に合った企業といえるだろう
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4ステップ! 自己分析を選考での質問に活かす方法
4ステップ! 自己分析を選考での質問に活かす方法
- 自己分析結果から自分を象徴するキーワードを抽出する
- 企業に抱いてほしい自分の印象を決める
- キーワードの根拠となるエピソードを明確にする
- 質問ごとに内容を整理する
もちろん自己分析は選考でも大いに活躍します。たとえば、みなさんにとって最初の関門となる書類選考の質問も自己分析ができていれば、根拠をもって明確に回答できますよ。
どうやったら自己分析を選考での質問に活かせるかを4ステップで解説するため、実践してみてくださいね。
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①自己分析結果から自分を象徴するキーワードを抽出する
自己分析でさまざまな角度から自分の強み・弱み、長所・短所、価値観が見えてきているはずです。それらの結果から自分を象徴するキーワードを抽出してみましょう。
キーワードを抽出する際には、経験の中で発揮した強みなどに着目することがおすすめです。たとえば、「目標を定めて努力をして、結果に結びつけることにやりがいを感じる」という自己分析結果があったとします。
そうであれば、自分を象徴するキーワードとしては「目標達成力」や「継続力」「計画力」などが考えられますね。
②企業に抱いてほしい自分の印象を決める
深く考えずに自分の姿を企業にさらけ出すことで内定を取れることもありますが、ある程度企業の求める人物像などを把握して、戦略的に企業に抱いてほしい自分の印象を決めることが大切です。
求める人物像の研究方法
- 採用HPや求人票を見る
- 企業に関連する書籍を調べる
- 企業が取り上げられている記事をネットで調べる
- 企業HPにある「社長メッセージ」などを読む
- 中期経営計画など今後の企業方針から考える
- 社歴から企業の事業に対する姿勢を見い出す
- 企業HPにある「社員紹介」などを読む
また、企業に抱いてほしい自分の印象が決まっていないと、それぞれの回答にブレが生じやすくなります。伝えたい印象を決めて、選考では一貫した自分をアピールするようにしましょう。
求める人物像 | 企業に抱いてほしい自分の印象 |
---|---|
成長意欲のある人 | 継続力があり努力家 |
協働できる人 | おおらかでコミュニケーション能力が高い |
企業に抱いてほしい自分の印象を決めるときは、まずは企業のHPの社員紹介をチェックし、そこで得られた印象を可能な限り書き出しましょう。
そこで複数の人物から感じたものはまさにその会社と相性の良いパーソナリティといえます。そのため、複数の人物から感じたものの中から自分に近いものをピックアップしてください。
社員紹介ページがなければ、その会社そのものが持つイメージを書き出してみても良いでしょう。
③キーワードの根拠となるエピソードを明確にする
自分を象徴するキーワードだけを企業に伝えても、具体的にどんな経験をしてどんな価値観を抱いているのか伝わらず、説得力がありません。そのため、必ず根拠となるエピソードを明確にしましょう。
たとえば、キーワードとして「目標達成力」や「継続力」「計画力」であり、自己分析結果が「目標を定めて努力をして、結果に結びつけることにやりがいを感じる」だとします。
これの根拠となる具体的なエピソードとしては「大学時代の野球部で仲間とともに1つの目標に向かって励ましあいながら努力をして、結果に結びつけることにやりがいを感じた」などが考えられます。
④質問ごとに内容を整理する
企業に抱いてほしい自分の印象を軸に、書類選考や面接で頻出する質問の回答にはどんなキーワードやエピソードを盛り込むべきか考えていきましょう。5W1Hを忘れずに説明することで、あなたのことを知らない採用担当者でも理解しやすい内容にしてください。
5W1Hとは?
When:いつ
Where:どこで
Who:だれが
What:何を
Why:なぜ
How:どのように
それでは実際にどんな回答ができるか、以下の自己分析結果をもとにした例文を見て確認していきましょう。
自己分析結果の例
- 小学生時代:活発で外で遊ぶのが好き。さまざまな習い事をやっていたが、運動系ばかりが長続きした。
- 中学生時代:小学生から続けていたサッカー部に入部。クラスの中では活発なキャラ。
- 高校生時代:サッカー部に入部するも結果が出ずにモチベーションが低下。仲間のおかげで継続できた。大学受験で将来のことを真剣に考え出す。
- 大学時代:サッカー部に入部。周囲のレベルが高く苦しむも、努力を重ねレギュラー入り。役職は会計。ゼミなどはそこそこに、アルバイトには精力を傾ける。
学生時代に力を入れたことの例
学生時代に力を入れたこと
私が学生時代に力を入れたことはサッカー部での活動です。サッカー部は創部87年で部員105名が週5日練習に励んでいます。私は小学生のころからサッカーを続けており、大学でも成長を続けたい、結果を出したいという思いから入部を決めました。
実際に入部をしてみると周囲のレベルが高く、なかなかレギュラーに入れない日々が続き非常に悔しい思いをしました。
しかし、そこで諦めるのではなく、毎朝10km走り、自主練習を1日1時間以上するなど成長のための努力を欠かしませんでした。その結果、2年生の冬にはレギュラー入りをすることができ、県大会でも優勝することができました。
御社に入社後も、業務がうまくいかないときこそ、自分を高めるための努力を欠かさずにおこない成果につなげていきたいです。
この例文では、サッカー部での経験を学生時代に力を入れたこととしてアピールしていますね。学生時代にどんなことに最も時間を割いたのかを自己分析で洗い出し、楽しかったのか、辛かったのかをそのときに感じた感情と事実として何があったのかを整理しましょう。
単純に最も時間を割いた経験をアピールするのでも良いですが、時間をかけて取り組み感情が大きく動いた経験を取り上げるとあなたの人柄が伝わりやすくなります。
具体的に何を想い、何を考え、どのようなことに取り組んだのかを数字も合わせて整理しておくことで、第三者が聞いても納得感のあるガクチカになりますよ。
自己分析の結果をガクチカに反映させるためには、自己分析によって得られた「強み」を活かせたエピソードを盛り込むことはもちろん、「弱み」だったことをガクチカによって克服できたエピソードとして伝えることもおすすめです。
「強み」や「弱み」などは、キーワードとしてしっかり言語化してガクチカの中に盛り込んで伝えることが重要となってきますよ。
学生時代に力を入れたことの回答を詳しく考えたい人は以下の記事を参考にしてくださいね。
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自己PRの例
自己PR
私の強みは折衝力です。大学時代に所属していたサッカー部で会計という役職を担う中でこの強みを身に付けました。会計のおもな仕事は、学生から会費を集めることです。
サッカー部では部費を滞納する部員が毎年各学年に数名ずついるという問題がありました。この問題を放置してしまうと秩序が保たれなくなると考え、私の代で滞納0人にしようと目標を立てました。
そこで週1回部内MTGを開催し、部費の使い道や滞納率を発表するとともに、滞納者に対しては個別面談をおこない対話をすることで返済計画をともにたてました。私が働きかける姿を見て、部長や主務の協力も得ることができ、目標を立てた9か月後には滞納者0を達成することができました。
御社に入社後も社内外問わず適切なコミュニケーションを図り、円滑な人間関係を作り上げ貢献していきたいです。
自己PRを考えるときは、自分は過去の経験の中でどんな存在価値を発揮したのかを自己分析で考えてみましょう。自分が行動したことによって、変化が生じた経験が自己PRとなりますよ。
辛かったことや乗り越えたことを整理して、具体的に起こした行動や周囲に与えた変化を言語化しましょう。
せっかく自己分析をして強みを見つけたため、自己PRに落とし込むときには解像度を下げないことがポイントです。
自分は自己分析の過程があるため自己PRのエピソードの流れを理解していますが、初めて聞く人にはなかなか伝わりづらいものです。数字や第三者の発言なども用いてエピソードを具体的に語るようにしてください。
ESでは必ずといって良いほど自己PRが求められがちです。魅力的な自己PRを作成したい人は以下の記事を参考にしてくださいね。
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志望動機の例
志望動機
私が御社を志望する理由は、挑戦を後押しする社風があるからです。
御社の夏の10daysインターンシップに参加した際には実際のトレーディング業務に基づくシミュレーションを体験させていただきました。その際に、私たちのチームは15チームいる中で1位を取ることができ、社員の方が理由として「挑戦を続ける姿勢が評価できる」とおっしゃってくれました。
またOB・OG訪問をした際にも社員のみなさんが挑戦をしていることをいきいきと語ってくださいました。
私は15年間続けたサッカーの経験から挑戦することにやりがいを感じています。そのため、御社の社風のもとであれば私の強みである折衝力や継続力を最大限発揮し、貢献できると考えたため御社を強く志望しています。
志望動機では企業と自分の接点となる内容を盛り込むことはもちろん、なぜその企業に魅力を感じるのか自分の根幹にある価値観を盛り込むことで相性の良さをアピールできます。
企業に魅力を感じた理由を、「なぜ魅力に感じるのか」と自問自答し、自己分析で洗い出した過去の経験と結びつけることで納得感のある志望動機となりますよ。
自己分析の結果を志望動機に反映させるためには、自己分析から認識した自分の強みを「その会社にどう合っているか」と必ず紐づけましょう。
たとえば「粘り強さ」であれば、企業理念や求められる社員像の中からそれに近い文言をピックアップし、自分はまさにその会社向けの人物であるとアピールできますね。
ポテンシャル採用の新卒就活において志望動機は重視されやすい質問です。志望度の高さが伝わる志望動機を作成したい人は以下の記事を参考にしてくださいね。
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長所・短所の例
長所・短所
私の長所は向上心があるところです。現状維持では満足せずさらなる高みを目指し続けることができます。
大学時代、コールセンターでテレフォンアポインターのアルバイトをしていました。営業所内の売上成績は半年間1位だったのですが、そこで満足することなく自分の音声を録音して成約率をあげる努力を続けました。その結果、全国営業所の学生ランキングでは9位になることができました。御社に入社後もあくなき向上心で売上成績トップを目指して貢献したいです。
短所は少しプライドが高いところです。同じくアルバイトをしているとき、自分は誰よりも努力をしていると思ってしまうからこそ、自分が評価をされないと気が済みませんでした。
しかし、それでは営業所内の空気が悪くなってしまうと感じたため、自分に誇りを持ちつつも周囲からの意見を多く取り入れる行動を決意しました。今では人と人が助け合うことで組織が成り立っていることを深く理解し、後輩からもアドバイスをもらうようにしています。
自分の過去の経験の中から「うまくいったこと」「うまくいかなかったこと」を洗い出すことで長所と短所が見えてきます。
それらに共通する自分の考え方や行動の特性を言語化することで、エピソードをともなった長所と短所をアピールできるでしょう。
たとえば、上記の例文ではアルバイトの経験の中から向上心という長所を見出していますが、ほかにも部活動やボランティア活動などでも向上心があふれる行動をしていることが自己分析で導き出せますよ。
自己分析の結果を長所・短所に反映させるためには、自己分析で裏付けとなる説得力のあるエピソードを整理しましょう。
自己分析において「長所には成功体験」を「短所には失敗経験」をもとにいくつかピックアップしておくと、面接官の反応に合わせていくつかの具体例を伝えることができるますよ。
自分の長所や短所がわからない人は自己分析を再度おこなう必要があります。以下の記事で詳しく長所と短所の探し方を解説しているため参考にしてくださいね。
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長所と短所がわからない場合は、まず原因を知ることが大切です。この記事では選考で伝えるべき長所と短所を見つける方法や基準、効果的に伝える方法などをキャリアコンサルタントがプロの目線で解説します。例文や注意点も紹介するので参考にしてください。
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就活の軸の例
就活の軸
私の就活の軸は「成長を続けられる環境」と「目に見える成果を出せる環境」の2つです。
これはサッカー部でのレギュラーに入る経験や会計の経験、そしてアルバイトの経験から考えました。私はこの2つの環境がそろってるときに最もやりがいを感じ、成果を挙げるための努力を続けることができたからです。
成果を後押しする社風と営業職で数字を出せるという御社であれば、私の強みである折衝力や継続力を活かして利益向上に貢献できると考えているため、御社を第一志望とさせていただいています。
自己分析で自分がやりがいに感じる環境や、辛くてもあきらめなかった経験を整理することで自分に合った就活の軸を決めることができます。
「なぜあのとき頑張れたのだろう」「なぜ〇〇に対してはやる気が湧くのだろう」と自己分析結果をさらに深掘りしてみましょう。自分が大切にしている価値観を整理できますよ。
自己分析の結果を就活の軸に反映させるためには、自己分析で見つけた「自分の大切にしたいこと」「やりがいを感じる環境」「譲れない価値観」などを元に、自分の働くうえでの軸を考えてみましょう。
仕事内容や社風、働き方など自分の軸となる欲求はどんなところで満たされそうか調べ、面接官が納得できるようにマッチングさせることが大切です。
自己分析を選考に活かしていきいきとした社会人生活を送ろう!
ここまで解説してきたとおり、自己分析は就活の選考だけでなく、就職後にも影響を及ぼす可能性が高いため非常に重要です。まずは自分に合った自己分析をして、自分の価値観や特徴を言語化できるようにしましょう。
自己分析をただおこなうだけに留めず、この記事で紹介した実際の選考で活かす方法を実践していきましょう。そして、自分ならではのエピソードを説得力を持ってアピールできるようになってくださいね。
就活を終え、社会に出ていきいきと働くためにも、丁寧な自己分析をして就活を成功に導きましょう。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る自己分析は自分の人生の満足度をあげるためのもの
「自己分析」は就活のためだけにするものだと捉えていませんか。確かに就活において自己分析は必須項目であり、それがしっかりできているとより内定が近くなります。しかし、自己分析は決して就活のためだけにするものではありません。自分の人生をどのように設計すれば、納得・満足できるのかを見極めるためのものでもあります。
また、自己分析によって自分の考え方のクセや行動の傾向などを把握しておくことで、就職してから直面するさまざまなトラブルを上手に回避したり、乗り越えられたりします。
自分を知ることでしかるべき対策が取れるようになる
たとえば、自分の苦手が何かを把握しないままに作業に取り掛かると、いつまでたっても終わらない・求められたレベルに到達できないという結果を招きがちです。しかし、苦手だと認識していればそのことに取り掛かるまえに「人よりも時間をかけてみる」「手順をきっちり確認しておく」「周囲の人の助けを借りる」などの対策を講じることができるはずです。
このように、自分のことを自分で知っておくことは、仕事の効率をあげることにもつながります。就職活動で得られた自己分析はきっと仕事にも役立ちます。就職後にイキイキと働く自分になるためにも、しっかり取り組み、理想の就職先の内定をつかみましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Junko Tomioka〇南箕輪村のキャリア教育推進コーディネーターに就任後、独立。現在は地方中高生やベトナム人留学生の就活支援、企業内キャリアコンサル、地方就職のサポートをおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
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