Uターン就職とは? 勤務地で後悔しないための就活の進め方

Uターン就職とは? 後悔しない選択の秘訣

この記事にコメントしたアドバイザー

  • 谷所 健一郎

    キャリアドメイン代表 保有資格:キャリア・デベロップメント・アドバイザー(登録番号CDA130542) SNS:X(旧Twitter)/Facebook

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  • 田邉 健

    なべけんブログ・よちきゃり派遣・Web3 CAREER運営 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号19005362) SNS:X(旧Twitter)

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  • 鈴木 洵市

    ブルーバード合同会社代表取締役 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号21041822) SNS:Instagram/Facebook

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この記事のまとめ

  • Uターン就職とは一度都市部へ移転した人が就職を機に故郷へ居住地を戻すこと
  • 地方企業・全国に事業所がある企業・公務員がUターン者の主な就職先
  • Uターン就職に合っている人の特徴やネガティブ面の解決法を解説
  • この記事を読んでいる人におすすめ

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「Uターン就職って何?」「Iターン就職やJターン就職とは何が違うのだろう?」。求人広告や就職サイトでこれらのワードを見つけて、意味が気になった人もいますよね。

U・I・Jターン就職はいずれも、就職を機に居住地が変わるケースを指します。中でもUターン就職は、進学を機に地方から都市部へやって来た人に関係します。正しく意味を理解して、就活に活かしましょう。

記事では、キャリアアドバイザーの谷所さん、田邉さん、鈴木さんのアドバイスを交えつつUターン就職について解説します。ぜひ参考にしてください。

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Uターン就職とは? 意味を押さえて的確に就活を進めよう

Uターン就職は、進学の際に出身地を離れ都市部に移動した学生にとって、一つの選択肢となります。Uターン就職に関する知識を押さえて、的確に就活を進めましょう。

この記事ではまずUターン就職の意味、IターンやJターンとの違いを解説。さらに調査データを元に、Uターン就職の実態を見ていきます。

Uターン就職した方が良いのか、するべきなのか悩んでいる人も多いですよね。しかし、就職した後に「Uターンして良かった」と思えるかどうかは、人それぞれが持っている価値観によります。

記事内では、Uターン就職のメリットやデメリットも解説するので、Uターン就職に関する理解を深め、自分にとって最適な就活の進め方を見つけましょう。

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Uターン就職とは? IターンやJターンとの違いも押さえよう

Uターン就職・Iターン就職・Jターン就職

Uターン就職とは

生まれ育った故郷から進学や就職を機に都会へ移住した後、再び生まれ育った故郷で就職すること。

故郷から離れるタイミングは、中学卒業時の人もいれば、就職をきっかけとした人もいます。また、戻ってくるタイミングについても、都市部で一度就職した後、転職で戻ってくるケースもUターン就職に該当します。よく見られるのは、高校卒業後、他県や都市部の大学に進学し、卒業後、地元に戻って新卒として就職するというケースです。

実際、地方出身の学生は、地元に戻って就職するか現在住んでいる都市で就職するかの二択で迷っている人が多いのではないでしょうか。その選択肢の一つである地元に戻って就職することをUターン就職と言います。

また、Uターン就職と同じように就職に際した居住場所の変化を表す言葉として、Iターン就職とJターン就職があります。

鈴木 洵市

プロフィール

地方出身者の中でUターン就職を希望する人の割合は、毎年約50%となっています。生まれ育った故郷で、地元出身者としての優位性を活かして働きたい人が数多くいるようです。

Iターン就職・Jターン就職との違い

Iターン就職とは

生まれ育った故郷とは別の地域に就職すること。

Jターン就職とは

生まれ育った故郷から進学や就職を機に都会へ移住した後、故郷にほど近い地方都市で就職すること。

Iターン就職もJターン就職も、地元以外の場所で働いているという点でUターン就職とは異なります。たとえば、大学まで東京で生活していた人が、福岡で就職したとなるとIターン就職に該当します。一方、Jターン就職は、福岡県久留米市出身の人が大阪の大学に進学した後、福岡県福岡市で就職するといったケースを指します。

地方出身者の人にとっては、完全に地元に戻る以外にも、Jターンのように地元に近い場所で働くという選択肢もあります。

Iターン就職は、地元や大学で知り合った知人がほとんどいない場所で就職することになるため、考えにくいという人も多いでしょう。しかし、求人の選択肢がより広がることになるのでぜひ検討してください。

全国に事業所がある企業では、入社してすぐ地方に配属されるケースも少なくありませんが、地方で生活することに抵抗がある人もいますよね。こちらのQ&Aで、勤務地に関するお悩みにキャリアアドバイザーが回答しているのでぜひ参考にしてください。

説明のとおり、Iターン就職とJターン就職はともに地元とは異なる地域で就職することです。地元と就職地が異なるため、仕事でもプライベートでも就職地の魅力を客観的に見ることができるメリットもありますよ。

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Uターン就職の例

Uターンして就職したいという人たちには、主に3つの方法があります。

Uターン就職の例

  • 地方企業に就職する
  • 全国に事業所がある企業に就職する
  • 公務員になる

地方企業に就職するというのはすでに検討している人も多いですよね。中には、地元から離れた土地で生活しながら、地元の企業を探すのが難しいと感じている人もいるのではないでしょうか。記事後半で就職先の探し方も解説しているので参考にしてくださいね。

また、全国に事業所がある企業に就職して、地元の事業所で働くという方法もあります。ただ、全国転勤有りのコースで入社すると、地元以外の事業所に配属される可能性があります。労働条件の中で勤務エリアや事業所を絞った採用の仕方もあるので、地元に事業所があって気になる企業があれば、採用ページなどで調べてみましょう

「公務員は試験勉強をしていないので今からでは無理」と考えている人もいるかもしれません。たしかに、多くの自治体が公務員試験を受けることを必要としているので、公務員になりたい人は遅くとも大学3年生のうちから勉強が必要です。

ただ、自治体によっては公務員試験はおこなわず、SPIと面接のみで選考をおこなうこともあります。一度自治体のホームページ(HP)などで確認しましょう。

公務員を志望している人の中には民間企業との併願を考えている人も多いですよね。併願するのであれば、両方のスケジュールを把握したうえで効率的に対策を進めましょう。こちらの記事をぜひ参考にしてください。
公務員と民間企業の併願で共倒れ? 状況別で両立のコツを解説

アドバイザーコメント

地元で貢献したい気持ちが強いならば公務員がおすすめ

今後どういったキャリアを歩んでいきたいかによって選択は違ってきますが、ずっと地元で生活したい場合は、地元企業への就職か公務員が選択肢として考えられます。 

全国に事業所がある企業では、通常すぐに地元で勤務できるわけではなく、地元へ配属になったとしてもまた別の地域への異動が考えられます。

ただし企業に魅力を感じていて、すぐにUターンを希望しない場合は、採用担当者に相談をしてみても良いでしょう。また全国に事業所がある企業でも、勤務地を限定したエリア採用であれば、地元で働くことが可能です。 

公務員として地元の市役所や都道府県庁に就職する選択肢もあります。SPIもしくは類似した試験で、公務員試験対策を重視しない市役所や都道府県庁もあるので、地元で貢献したい気持ちが強いならば、Uターン就職の選択肢としておすすめです。 

テレワークで働く方法や農協の県域コース、NPO法人も検討してみよう

テレワークの普及によりどこで仕事をしても構わないという企業であれば、地元を拠点として働くことができます。

その他農協の県域コースに応募して、団体職員として地元で就職するといった選択肢があります。

また求人数はそれほど多くはありませんが、地元で社会貢献したい、やりがいを感じたいと考えている場合は、NPO法人の求人募集もチェックすると良いでしょう。

データから知る! Uターン就職者の実態

実際に就職を機にUターンした人たちが、故郷でどのような仕事をしているのか気になりますよね。また、Uターン就職をしない人たちとの間にどのような違いがあるかも興味深いところです。

労働政策研究・研修機構によって2016年におこなわれた、UIJターンの促進・支援と地方の活性化―若年期の地域移動に関する調査結果を元に解説していきます。

Uターン就職者の就業先

農・林・漁業鉱業・建設業製造業情報通信業運輸業金融
・保険・不動産業
卸売・小売業宿泊
・飲食サービス業
医療・福祉教育・学習支援業公務その他
出身県定住者2.1%5.4%19.1%5.5%4.8%3.5%16.1%7.7%15.1%4.5%5.2%11.1%
出身県
U
ターン者
2.4%6.2%15.3%6.7%4.6%5.3%12.5%7.1%15.4%5.9%8.1%10.4%
出身県外居住者0.9%4.0%19.1%11.9%4.1%6.1%10.4%6.4%12.3%7.2%6.1%11.6%
地方移住者1.3%4.9%24.0%4.6%3.5%6.2%10.3%6.3%11.7%9.2%7.7%10.3%
Uターン就職者の就業先

上記の表によると、出身県Uターン者は出身県外居住者よりも、農林漁業と公務の割合が高く、情報通信業の割合が低いことがわかります

やはり都市部に比べると、Uターン先である地方は一次産業が盛んなために、農林漁業にかかわる仕事をする人も多いと推測できます。また、出身県定住者と比べても公務員になる人の割合が多く、Uターン者にとって公務員就職は選択しやすい就職先であるのでしょう。

一方、情報通信業に関しては、都市部よりも地方の方が求人の数が少ないと予想されます。Uターンするとしたら、情報通信業には就職しづらくなることは人によっては懸念点になると考えられます。

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Uターンを決めた理由

出身県へUターンを決めた理由

上記の表も、労働政策研究・研修機構による「UIJターンの促進・支援と地方の活性化―若年期の地域移動に関する調査結果」から抜粋しています。出身県にUターンした人が、Uターン理由に当てはまるものを複数回答したもので、上位10項目をまとめたグラフです。

「実家に戻ったため」が項目としてもっとも多く、全体の57.9%が当てはまる結果でした。このことから、Uターン者の半数以上が、Uターンと同時に実家に生活拠点を戻したことが推測できます

Uターン就職で実家に戻る人は、経済的なメリットがあること以外に「地元の発展へ貢献したい」と考えている学生が多いですよ。愛着ある地域への貢献を考えている学生は、Uターンを考えても良いですね。

価値観次第! Uターン就職のメリットを感じやすい人の特徴

価値観次第! Uターン就職のメリットを感じやすい人の特徴

  • 実家で生活をしたい
  • 地元に貢献したい
  • 地元の文化や人間関係が価値観に合っている
  • 地元に信頼できる友人が多い
  • インフラなどの不便さが許容できる

実際にUターン就職をして、「Uターンして良かった」「Uターン就職はメリットが多い」と感じるかどうかは、その人次第です。Uターン就職にはいくつかの特徴がありますが、それらをメリットと感じるかデメリットと感じるかは、人によって異なります。

ここでは、Uターン就職のメリットを感じやすい人の特徴を解説します。

①実家で生活をしたい

実家で生活するメリット

  • 家賃や生活費が抑えられる
  • 相談相手が身近にいる
  • ワークライフバランスをとりやすい

大学で一人暮らしをしてみて、実家で生活できることのありがたみを体感した人は多いのではないでしょうか。「実家で生活をしたい」「親元で暮らしたい」という気持ちが強い人にとっては、Uターン就職は好都合です。

そのうえ、家族も実家で暮らすことを認めているのであれば、よりUターン就職のメリットを感じやすいでしょう。実家で生活することで期待できるメリットは以下の通りです。

家賃や生活費が抑えられる

一人暮らし経験者は重々理解していると思いますが、生活していくにもあらゆる場面でお金がかかります。家賃、食費、光熱費や生活費など、娯楽や贅沢をしていなくても、毎月必ず大きな金額を出費しなければなりません。

学生時代は親からの仕送りがあったという人も、社会人になって収入が入るようになったら、自分ですべて負担するというのが一般的です。

実家で生活すると、同じように生活費は必要ですが両親が多めに負担してくれる人が多く、一人暮らしに比べると低出費で済むケースがほとんどです。これらに該当する人はUターン就職のメリットを感じやすいでしょう。

相談相手が身近にいる

仕事を始めると、想像以上のストレスに悩まされる人も多くいます。学生時代は頻繁に会っていた友人とも、以前より会う頻度は少なくなりがちです。

実家で暮らしていると、毎日家族と顔を合わせることになります。家族であれば、気兼ねなく悩みを打ち明けられ、仕事の話はできなくても雑談するだけでリフレッシュになるという人も多いでしょう

ワークライフバランスをとりやすい

一人暮らしでは炊事や洗濯、家の掃除などの家事をすべて自分でおこなう必要がありますが、実家であれば分担することができます。仕事が忙しいときや立て込んだときは、家族に代わってもらうこともできるので、助け合いながら毎日快適に過ごすことが可能です

一人暮らしだと、仕事で残業が続いたりすると、家事がおざなりになることもあるでしょう。実家で生活するとそのような心配が減るという点は、Uターン就職のメリットといえます。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

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②地元に貢献したい

「生まれ育った土地に愛着がある」「故郷で役に立ちたい」という人にとって、Uターン就職はメリットを感じやすいといえます。地元で仕事をするということは、地元の人の役に立つことで仕事が成り立っているというケースに当てはまることがほとんどです。

たとえば、地元のスーパーで働く場合、スーパーの営業に貢献することによって、地元の人たちの生活を支えることにつながっています。地元で働かなくても、間接的に役に立っていることはありますが、より貢献していることを実感できるのはUターンして地元で働いた場合でしょう

スーパーを志望する人は、以下の記事を参考に志望動機を作成しましょう。
例文8選|スーパーの志望動機で周囲と差別化する4つの秘策

地元が大好きで貢献したいという気持ちが強いです。でもどんな仕事が地元貢献につながるのかよくわかりません……。

谷所 健一郎

プロフィール

やりたい仕事を見つけ誰の役に立つ仕事なのかを考えよう

多くの仕事が、地元で貢献できる仕事です。販売や飲食に携わることも地元の人のためになることであり、医療や教育関連の仕事の他、地方公務員として地元で働くことも、地元貢献につながります。

地元で働くことの多くが、地元の人のためになる仕事です。まずは自分が何をやりたいのか考えてみて、やりたいことが地元のためにどう貢献できるのか、というように落とし込んでみてはいかがでしょうか。

③地元の文化や人間関係が価値観に合っている

地方と都市部では、比較的地方の方がご近所付き合いが活発であったり、地区のイベントが頻繁に開催されるなど、人との交流が多いといえます。そういった人との結びつきは、メリットと感じる人もいれば、デメリットと感じる人もいるでしょう。

高校まで地方で暮らして、大学は都市部で過ごした人は、双方の文化や人間関係を比較できます。どちらが自分に合っているか考えたときに、地方の方が良いと思うのであれば、Uターン就職に向いているといえますよ。

④地元に信頼できる友人が多い

良好な友人関係は、快適に生活していくうえで欠かせないという人も多いですよね。地元に戻っても、一緒に遊べる友人がいたり、気兼ねなく話ができる友人がいれば、プライベートも充実させられます。

また、何か周囲の助けがほしいときに頼れる人がいると安心して生活できます。地元の友人であれば、幼いときから仲良くしていたり、学校生活で長い時間を共にした人が多いので、信頼関係はすでに築けているでしょう。このように親しくしている友人が地元に多いのであれば、Uターン就職でメリットを感じやすくなります。

⑤インフラなどの不便さが許容できる

「電車やバスの本数が少ない」「車がないと生活できない」といったインフラの不便さは、人によってはUターン就職のデメリットになります。また、インフラだけでなく、商業施設が少ない地方も多いですよね。

一度都市部の生活を経験すると、このような不便さをより感じやすくなります。一方で、そこまで気にならないという人や、不便だけど許容できるという人もいるでしょう。インフラや商業施設の少なさはUターン就職のデメリットといえますが、許容できるのであればUターン就職した後に後悔することもほとんどないと考えられます

アドバイザーコメント

地元就職はコミュニケーション形成のしやすさがメリット

Uターン就職のメリットとしては、やはり自分が生まれ育った環境で仕事をすることができるので、地方におけるコミュニケーション形成のしやすさが挙げられます。

私自身もUターン就職(転職)を経験しており、友人が地元の各方面で活躍していることを目の当たりにして刺激をもらっています。

Uターン就職に向いているのは物事を俯瞰的に捉えられる人

また、自分が育っていく過程では興味や視野が狭くて気付くことができなかった地元のことを、一度地元を出たために、俯瞰的に捉えることができるようになっていることが大きなポイントです。よって、Uターン就職に合っている人の特徴は、物事を冷静に俯瞰して捉えることができる人物だと思います。

地元というものは、勝手を知っているので楽な部分もありますが、逆に知っているからこそ人間関係に悩むことも多いでしょう。

ものごとを俯瞰して見れる人は、自分の置かれているポジションや役割をしっかり把握できているため、Uターン後も活躍できる機会に恵まれやすくなります。

デメリットに注意! Uターン就職のネガティブ面と解決法

デメリットに注意! Uターン就職のネガティブ面と解決法

  • 求人の選択肢が限られている・見つけられない
  • 就活や引越しに費用がかかる

ここまで、Uターン就職について「地域交流が活発」「インフラや商業施設が少ない」など、人によってはデメリットと感じることも挙げましたが、このほかにもネガティブな面はあります。

ただ、ネガティブな面は許容するしかないというわけではありません。ここからは、Uターン就職のデメリットとなるネガティブな面とその解決法を解説します。

Uターン就職に前向きな人は、就活の途中や就職後につまずくことがないように、ぜひ解決法を実践してください。

①求人の選択肢が限られている・見つけられない

地方にももちろん仕事はありますが、都市部と比べると企業数は少ない傾向にあります。そうすると、限られた求人の中から就職先を選ぶしかなく、自分が希望している業界や職種の求人が地方では見つからないという例は珍しくありません

また、地方の企業は比較的、ネットやSNSを使って求人を募集していないことも多くあります。求人広告でよく見かけるのは都市部の企業ばかりで、地方にどんな企業があるか把握するが難しい点もデメリットとして挙げられます。

解決法①地元で開催される合同説明会に参加する

マイナビリクナビが主催する合同説明会は全国各地で開催されています。合同説明会にはさまざまな企業が参加し、1企業10〜30分ずつで事業や業務の説明を聞いたり、質問をすることができます。

開催県に所在する企業が多数集結するため、Uターン就職先となる企業に対面で出会うチャンスです。休暇のタイミングで帰省し、出身県で開催される合同説明会に参加すると、知らなかった企業に出会ったり、興味が持てる企業を知ったりと、求人の幅が広がる可能性があります

谷所 健一郎

プロフィール

興味のある企業だけでなく、多くの企業の説明を聞くことで、新たな発見や気付きがあります。

合同説明会は地元企業の採用担当者と対面で会える絶好のチャンスなので、地元の企業へ就職したい強い意欲がある人はぜひ参加しましょう。

解決法②就職サイトでエリアを絞って検索する

すでにいくつかの就職サイトに登録している人も多いのではないでしょうか。多くの就職サイトではエリアを絞って検索することが可能です。

サイトによっては、都道府県だけでなく市町村まで絞ることもできるので、Uターン就職を希望している人はまず、自分の出身地を指定して検索することをおすすめします

また、地方就職に特化した就職サイトもあります。下記の就職サイトをぜひチェックしてくださいね。

地方の求人を多く取り扱っている就職サイト

就職サイトでエリアを出身地に絞っても数社しか出てきません。今住んでいる場所から出身地が離れているため合同説明会にもあまり行けないのですが、何か他に方法はありますか?

居住地と出身地が離れている学生は就職エージェントを活用しよう

就職エージェントは求人サイトに公開されている求人だけでなく、非公開求人を取り扱っています。そのため、エージェントへ無料登録をすると、サイトに掲載されていない求人を紹介してもらえるチャンスがあります。

もしエージェント活用をしても求人がなければ、SNSを活用することも解決策の一つです。求人サイトを活用せずに採用をおこなっている企業が見つかることもありますよ。

②就活や引越しに費用がかかる

Uターン就職の場合、就活で帰省するたびに移動費がかかるというデメリットがあります。近年はオンラインで説明会や面接をする企業も増えてきましたが、対面でおこなう企業も多く存在します。

就活で企業を訪れる機会は面接のときだけでなく、入社説明会や内定式など、内定後も複数回あることが多いです

また、現在の居住地からUターン先に引越しをする費用も必要となります。

解決法①自治体の援助を受ける

Uターン就職を歓迎している自治体では、援助をしてくれるケースもあります。市役所のサポートセンターなど、相談窓口もあるので、市町村のHPを確認してみましょう。中には補助金を支給している市町村もあります

たとえば、島根県浜田市では浜田市定住支援策として、浜田市へのU・Iターンを検討している人の宿泊費を補助しています。また、群馬県館林市のUIターン支援奨励金は、条件に該当するUIターン者に10万円相当を支給しています。

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地元で働きたい理由が明確にあるかどうかが重要

Uターン就職では、求人数が少なく移動費がかかることに加えて、都市部のような効率的な就活が難しく、採用試験などの日程調整が難しくなるデメリットがあります。

せっかくやりたい仕事があっても、地方では関連する仕事を募集していないケースがよくあります。求人数が少ないことから、都市部の就活と比較をして仕事の選択肢が限定的になる点もデメリットといえます。

都市部よりも内定が獲得しづらいことも

また地元だから大丈夫だろうといった安易な気持ちで臨むと、Uターン就職はうまくいきません。多くの人数を採用する都市部の企業と違い、地方では数名の採用をおこなう企業も多く、都市部より選考が厳しくなることもあります。 

一方、大手企業が地方に進出していたり、インターネットの普及で都市部と変わらない情報を得られるので、Uターン就職のデメリットはこれまでと比較をすると少なくなっています。

ただし、都市部の企業と比較をしてビジネスの規模が小さくなる場合や、都市部と比較して年収が低くなることがある点などを理解したうえで、なぜ地元で働きたいのか、地元で何をしたいのかという点を明確にして就活をおこなう必要があるのです。

Uターンするか迷っている人は就活を進めながら決めよう

Uターン就職をしようか、都市部で就職しようか迷っている人は多いですよね。すぐに結論を出すことは難しいでしょう。ただ、決めるまで立ち止まって、就活に手を着けられなくなるのは避けましょう。

一向に決まりそうにないという人は、地方と都市部、両方の企業の説明会やインターンに参加すると良いでしょう。各企業の理解を深めることで、地方と都市部それぞれで働くイメージが具体的になり、比較がしやすくなります。このように、就活を進めながら幅広い情報を集めたうえで、Uターン就職をするか決定しましょう。

Uターンするか迷っている人は、就活の軸を定めて、軸に沿って就職活動を進めていくと良いでしょう。こちらの記事を参考にしてくださいね。
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説

親は実家に戻ってくるように言ってくれますが、正直都市部で就職したい気持ちが強いです……。何と言えば納得してくれるでしょうか。

鈴木 洵市

プロフィール

自己成長に対する意欲を伝えてみよう

私のケースは少し異なりますが、地元の大学に進学し、就職を機に地元を出ることを決意しました。

私の場合ですが、やはり自分を成長させることのできる環境に身を置きたいと言って、親を説得した記憶があります。

親心で心配してもらえることは非常に有り難いことです。ただ、働いて生活基盤を作り上げることは、失敗することはあっても、必ず成長につながると思います。このような形で説得してみてはいかがでしょうか。

Uターン就職は一つの選択肢! 数十年後も見据えて就活を進めよう

どんな人にとっても就活は人生を左右する重要な機会です。しかし、Uターンするかどうかの選択で、ライフイベントの築き方はさらに大きく変化します。

結婚や出産、子育て、そして親の介護など、自分がどこに住んでいるかで、まったく異なるものになるでしょう。そのことを理解しているからこそ、自分がどのように就活を進めるべきか迷う人も多いですよね。

ただ、勤務地は自分に合った仕事を探す一つの判断材料です。どんな業界で、どんな職種でどんなキャリアを歩んでいきたいのか。給料は? 社風は? など、さまざまな判断基準がある中で、自分にとって大事な基準を見極めましょう。

そのうえで、一つの選択肢としてUターン就職があります。視野を広くして、さまざまな企業や業界を見渡して、自分らしく働ける環境を探してくださいね。

アドバイザーコメント

Uターン就職しようか悩む学生は就活の軸と向き合おう

Uターン就職の魅力はわかっても大都市や別の地域の就職も魅力的で、どの地域で就職するか悩みますよね。

このように悩む学生は、地域の特徴や魅力を調べる前に、自分が就活で重視する価値観である「就活の軸」ときちんと向き合いましょう。

悩んでいるということは、自分の中で判断基準が定まっていないことが考えられます。そのため、判断軸をきちんと考えることでスムーズにUターン就職すべきかどうかを決められますよ。

勤務地の優先度はどの程度なのかを明らかにしよう

たとえば、「マーケティングスキルを身につけたい」など仕事を通じてスキルを習得することを強く希望しているなら勤務地の優先度は下がりますよね。しかし、「◯◯地域の発展に貢献したい」など企業の理念や事業内容を重視するなら、就職先の判断軸に勤務地が重要になります。

このように何を就活で重視をするのかと向き合うことで「勤務地を重視すべきかどうか」を明確にすることができます。就職後に後悔しないよう、自分の価値観と向き合って後悔しないキャリア選択をしましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了
全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-220824001-02942)
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