この記事のまとめ
- 完全週休2日制の仕組みと週休2日制との違いをわかりやすく解説
- 自分に合う休日制度を見極めるには2つのポイントがある
- 休日の条件にこだわり過ぎるリスクも押さえておこう
就職先や転職先を考える際に、ワークライフバランスを大切にしたいという思いから完全週休2日制の企業を志望する人も多いのではないでしょうか。
完全週休2日制と聞くと毎週土曜日・日曜日が休日というようなイメージを持っている人も多いかもしれませんが、そのような単純な仕組みではなく企業によって異なる点も多々あるのです。
この記事では、キャリアアドバイザーの吉野さん、瀧本さん、平井さんのアドバイスを交えつつ、完全週休2日制と週休2日制などのほかの休日制度との違いなどを解説します。希望通りの休日が取れる企業に入社したいと考えている人は、ぜひ事前に確認しておいてくださいね。
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完全週休2日制は毎週2日休日がある! 制度を正しく知って企業を選ぼう
完全週休2日制の最大の特徴は毎週必ず2日間の休日があるという点で、ほかの休日制度よりも休日数が多くなる可能性が高いといえます。
しかし、休日となる曜日は決まっておらず、祝日が休日になるのかはこの制度だけではわからないため、同じ完全週休2日制を採用している企業のなかでも、休日のあり方は大きく異なる点には留意しなければなりません。
この記事の前半ではまず、完全週休2日制の仕組みと、区別が難しい週休2日制との違いをはじめ、ほかの休日制度について解説します。
後半では、自分に合う休日制を見極めるポイントから、休日制度だけで企業を選んでしまう危険性、現状の休日数に不満がある際の対処法まで解説します。理想の休日を手に入れるため、また入社後のミスマッチを防ぐために、ぜひ参考にしてください。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
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完全週休2日制はどのような制度? 週休2日制との違いも理解しよう
完全週休2日制とは毎週必ず2日間の休日がある制度のことですが、それがわかっているだけでは希望通りの休日を手に入れることは難しいかもしれません。
同じ完全週休2日制でも、企業によって休日の曜日や休日数が大きく異なるため、制度をしっかりと理解しておかなければ休日数の予測が立てづらかったり、入社後のミスマッチにつながったりする可能性があるのです。
ここではまず、完全週休2日制の仕組みと週休2日制の違いについて解説するので、基礎知識として頭に入れておいてくださいね。
求人情報には、休日制度や年間休日数が記載されていない場合もあります。そのため、応募前に必ず記載の有無を確認しましょう。
もし記載がない場合は、応募前に、企業に問い合わせて「年間休日数を教えていただけますか」と確認しても良いでしょう。
完全週休2日制のように休日がしっかり取れる企業を志望する人はこちらの記事も併せて参考にしてください。休みが多くて給料も良い仕事について解説しています。
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完全週休2日制とは
完全週休2日制とは、毎週必ず2日間の休みがある制度のことを指します。土日が休みになるパターンのほか、平日に2日間休みがあるパターン、シフト制のように毎週異なる曜日で2日の休みがあるパターンもすべて完全週休2日制に含まれます。
休日となる曜日が固定か変動かは完全週休2日制の制度のなかでは決められておらず、祝日が休日なのか出勤なのかも制度の範囲では決められていないため、企業によって休日の取り方は異なります。
年間の休日数については次のように考えることができます。1年間は約52週間(365÷7)で、毎週必ず2日間の休日があるので52×2で年間の休日数は少なくとも104日となります。これに、祝日や年末年始、お盆休みなど、企業の定める休日を合計したものが最終的な年間休日数になるのです。
- 完全週休2日制の企業で、お盆休みや年末年始休暇などがない企業もあるのでしょうか?
特定の業界ではお盆休みや年末年始休暇がない場合がある
完全週休2日制の企業でも、お盆休みや年末年始休暇がない場合もあります。
特にこうした休暇が制度化されていないことが多いのは、サービス業や小売業、飲食業など、年中無休での営業が求められる業界です。
これらの業界では、繁忙期が一般的な「休暇シーズン」と重なることが多く、業務上休暇が取りづらい場合があります。ただし、こうした企業でも、別途有給休暇を取得しやすい環境を整備しているケースもあります。
また、完全週休2日制であれば、週ごとの休みが確保されているため、適切に計画を立てることで連休を取得することが可能です。
週休2日制との違い

週休2日制とは、1カ月に1回以上週2日間の休みがある制度のことです。つまり、ひと月のなかに1日しか休みのない週もあるということになり、完全週休2日制の毎週必ず2日の休みがあるという点と大きく異なります。
2日休みの週が月1回と決められているわけではなく、何回設けるかは企業が設定するため、2日休みの週が1回しかない場合や3回ある場合など、同じ週休2日制をとっている企業でも休日のパターンや日数は違ってくるのです。
なかには、毎週土日休みでも月1回の土曜出勤があるため、週休2日制とされているような完全週休2日制とさほど変わらない場合もあります。
年間休日数は、週2日の休みが月に何回あるかで大きく異なりますが、1回しかない場合で試算すると52週×1+12で64となります。これに祝日や年末年始、お盆などの休日を合計して大体90日くらいの年間休日数となる企業が多いようです。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
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休日制度の形はさまざま! ほかの3つの休日制度についても把握しよう
休日制度の形はさまざま! ほかの3つの休日制度
- 隔週休2日制
- 週休1日制
- シフト休制
完全週休2日制や週休2日制は耳にする機会も多いと思いますが、この2つ以外にも休日制度があります。
ここで解説する3つの休日制にも、それぞれの制度によって休日数はもちろん、1日の勤務時間などにも違いがあります。就職先を決めるなかで重要な要素といえる休日に対する知識を深めるために、しっかりと頭に入れておくようにしましょう。
①~③の休日制度のほかに、週休3日制を採用している企業もあります。週休3日制を導入する企業の特徴として、柔軟な働き方を重視する点が挙げられます。
一例として、「給与維持型」では労働時間は従来と変わらないまま、休日日数を増やす形をとる場合があります。一方で「給与減額型」では労働時間を削減し、報酬も調整するケースが見られます。
これらは生産性向上や離職率低下、ワークライフバランス改善を目的としており、特に介護や育児との両立を支援するための導入が多いのが特徴です。
休日制度は会社によって異なります。以下の記事では年間休日について詳しく解説しているので、あわせて確認してみてください。
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年間休日とは、会社が定める1年間の休日の合計日数のことです。年間休日数は労働基準法で指定されておらず、会社ごとに設定されます。記事では、年間休日の平均や最低ライン、日数ごとの働き方についてキャリアコンサルタントの知見を交えて解説しています。
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①隔週休2日制
隔週休2日制とは、名前の通り2日休みの週と1日休みの週が交互にある制度のことです。休みとなる曜日や、祝日の出勤の要否などは完全週休2日制、週休2日制と同様に企業が決めています。
月を4週に設定すると、ひと月の休日数は6日間、年間52週間と設定すると年間の休日数は78日となり、祝日や年末年始休みなどを含めない場合、週休2日制よりも休日数は多くなります。
②週休1日制
週休1日制とは、毎週休みが1日となっている制度です。週1日しか休みがないのは違法ではないのかと思う人もいるかもしれませんが、労働基準法では休日は週に1日以上、4週間で4日以上とされているため違法ではないのです。
しかし、労働基準法で定められている労働時間の問題から、週休1日の場合は6日の勤務時間をすべて8時間に設定することはできません。そのため、1日あたりの労働時間はほかの休日制と比較すると短くなるケースが多いです。
ただし、週に1日しか休みがないので体へかかる負担は大きくなってしまう点は認識しておかなければなりません。
③シフト休制
シフト休制とは、休日の曜日や勤務時間が固定化されておらず、週単位や月単位など一定の期間ごとに作成される勤務シフトによって休日が決められる制度のことで、規則的な休みが好ましいという人には不向きな休日制です。
しかし、シフト休制のなかには「完全週休2日制(シフト制)」などと募集要項に記載されているような、毎週必ず2日の休みがある完全週休2日制をとっている企業もあります。
シフト休制だからといって休日数が少ないとは限らないので、休日の曜日が不規則でも気にならないのであれば、休日数を確認したうえで応募を検討するようにしましょう。
完全週休2日制ではない企業はブラック? 法定の休日数や労働時間を解説
ここまでで、さまざまな休日制度について解説してきましたが、完全週休2日制以外の休日制度の場合、休みが1日しかない週が出てくることになります。
週1日しか休みがないことがあると聞くと、「違法ではないのか」「ブラック企業だ」などと思ってしまう人もいるかもしれませんが、条件さえ満たしていれば違法にはなりません。
とはいえ完全週休2日制以外の制度を採用している企業のなかには、違法ではないものの違法ぎりぎりの状態のところもあります。また逆に、法定よりもはるかに多い休日が設定されている企業などもあり、休日数や労働時間などの違いはさまざまなのです。
そこでここからは、法律で定められている休日数や労働時間について詳しく解説していきます。その企業が設定している休日数や労働時間が適正なのかどうなのかを判断するために、最低ラインの休日数と労働時間を頭に入れておきましょう。
週休1日と聞くと「ブラック企業では?」と思いがちですが、一部の業界や職種では業務の性質上やむを得ない場合もあります。
ただし、その分適切な給与や休暇補償があるかを確認しましょう。長く働くにはとても大事な観点だと思います。
ブラック企業に就職してしまうのではないかと不安を感じる人はこちらの記事を参考にしてください。ブラック企業の見極め方について解説しています。
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「ブラック企業を避けて就職したい!」と考えている人が大半なのではないでしょうか。記事ではキャリアコンサルタントとともにブラック企業の特徴について解説します。ブラック企業かどうかを見極める方法も紹介しているので、仕事探しをしている人はぜひ参考にしてくださいね。
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法定の休日数
労働基準法では、使用者は毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならないと定められています。
つまり、週休1日でも休日数に関する法定は守られていることになり、完全週休2日制以外の週休2日や週休1日制の場合でも違法ではありません。
しかし、完全週休2日制かつ祝日や年末年始などの休日もある企業と比較すると、法定内とはいえ週休1日では少ないという感想を持ってしまう人がほとんどでしょう。
しかし、有給休暇取得や夏季休暇、年末年始休暇などがある場合は100日前後の年間休日数を確保できます。そのため、法定の休日数ギリギリの制度だから休日が少ないとすぐに落胆してしまうのではなく、まずは企業が定めている休日や休暇の詳細を確認するようにしましょう。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。
法定の週の労働時間
労働時間についても休日数と同様に労働基準法で定められていて、原則として1日に8時間、1週間に40時間を超えてはいけないとされています。
この労働時間の決まりがあるため、週休1日制など週に1日しか休みがない休日制の場合は1日の労働時間が調整され、完全週休2日制の場合の労働時間と比較すると短くなるケースが出てくるのです。
しかし、36協定とよばれる労働時間外協定が結ばれている場合は、法定の労働時間を超える時間外労働が認められるケースもあるため、週に1日しか休みがないからといって必ずしも労働時間が短くなるわけではないことは認識しておきましょう。
36協定とは
労働基準法で定められている、1日8時間・1週40時間以内とされている法定労働時間を超えて労働者に時間外労働をさせる場合に必要な労使協定のこと。
時間外労働の上限は、月45時間・年360時間と定められていて、臨時的な特別の事情がなければ上限を超えてはいけないとされている
完全週休2日制は一般的? 完全週休2日制の導入率
完全週休2日制はよく耳にする休日制度の一つだと思いますが、完全週休2日制の企業への就職を希望している人のなかには、どのくらいの企業でこの制度が導入されているか気になる人も多いでしょう。
厚生労働省の令和5年就労条件総合調査によると、完全週休2日制を採用している企業の割合は53.3%となっていて、約半数の企業がこの休日制度を採用しています。
対して週休2日制・隔週休2日制は32.1%、週休1日制・週休1日半制は6.9%となっていて、完全週休2日制はそのほかの休日制度と比較しても一般的な休日制であるといえるのです。
また、同調査によると従業員数が多くなればなるほど完全週休2日制採用率が高いという結果になっています。
完全週休2日制の企業に入社したいと思う人は、規模の大きな企業を中心に企業を選ぶことで、理想の休み方ができる企業を見つけやすくなるかもしれません。
大規模な企業では、労働環境改善への取り組みが労働組合や従業員の声を通じて強く要請される傾向があり、福利厚生の充実が競争力の一部となります。
また、従業員数が多いほどスケジュールの柔軟性が増し、効率的な業務分担が可能になるため、完全週休2日制を導入する状況が整いやすいといえます。
どんな休み方が最適? 自分に合う休日制度を見極める2つのポイント
完全週休2日制は、ほかの休日制に比べて休日数が多くなる傾向にあるなど良い面もありますが、すべての人に合っている休日制度であるとは限りません。
また、同じ休日制を採用している場合でも、企業によって休日のあり方は異なってくるため、ただ完全週休2日制かどうかという見方だけで企業を探していては、自分に合う休日制の企業を見つけ出すことが難しくなってしまいます。
ここでは、自分の理想とするワークライフバランス、ライフスタイルに合った休日制度を見極めるための2つのポイントを解説するので、企業を選ぶ際の参考にしてください。
自分に合う休日制度を見極める際には、まず「休みの日に何をしたいか」を明確にしましょう。
趣味や家族との時間を優先するなら固定休、柔軟な予定を組みたいならシフト制が合う場合もあります。
そもそもワークライフバランスを求めることが企業からどう見られるのか不安な人は、以下のQ&Aコンテンツがおすすめです。どのように面接で伝える方が良いかを解説しています。
①休みの曜日を確認する
働く企業の休日制が自分のライフスタイルに合うかどうかは、何曜日が休みなのかが大きく影響します。
たとえば、子育てをしている人であれば保育所や学校が休みになる土日が休日となっている企業で働きたいと思うかもしれません。また、休日は混雑を避け、観光地や話題のスポットに出かけたいと考える人には、平日に休みがある休日制度のほうが合っているといえるのです。
このように、個人のライフスタイルには曜日が大きくかかわってくるため、企業の休日制度をチェックするときには、休みとなる曜日も必ず確認するようにしましょう。
同じ休日制でも休みの曜日は企業によって異なるため、完全週休2日制だから土日休みだろうなどと安易に考えず、曜日まで細かくチェックすることを忘れないようにしてくださいね。
平日休みの仕事のメリットを詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。
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平日休みの仕事にネガティブな印象を持つ人もいますが、実は多くのメリットがあります。平日休みの魅力や注意点、有効的な過ごし方をキャリアコンサルタントとともに解説します。平日休みに不安がある人、どう過ごしたら良いかわからない人は参考にしてください。
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既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活では、限られた選択肢の中から自分に合った仕事を見つけることが重要です。しかし、本当に自分に合った仕事とは何か、見つけるのは簡単ではありませんよね?
そこでおすすめなのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの個性や強みに最適な仕事、そして、あなたが就活でアピールできるポイントが分かります。
自分に合った仕事を見つけ、自信を持って就活を進めるためにも、 ぜひ就活を始める前に「適職診断」を試してみてください。
②年間休日数を確認する
年間休日数は、自分の仕事とプライベートな時間の比率、すなわちワークライフバランスに直結する要素となるため、自分に合う休日制の見極めには欠かせないポイントです。
しかし、年間休日数は休みの曜日と同様に、休日制度だけでは判断することができません。
休日制度から最低限の休日数は算出できますが、祝日や年末年始、お盆などが休日になるかどうかで年間休日数は大きく変わってくるため、募集要項や条件を細かく確認する必要があるのです。
実際に、週休2日制の企業が完全週休2日制の企業の年間休日数を上回るケースなども散見しています。企業探しの際には、休日制度だけで年間休日数が多い少ないなどと判断しないように注意しましょう。
求人サイトで年間休日数が多い企業を探す場合、検索条件には「年間休日数120日以上」と記載されていることが一般的です。
また、平日休みやシフト制の働き方であっても、年間休日数が120日以上であれば問題ない、という基準で探す方法もあります。
年間休日数が多い会社がすべてホワイト企業とは限らないので、自分なりの企業選びの軸を考えるためにも、以下の記事も併せて確認しておきましょう。
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年間休日が120日以上あるからといってホワイト企業とは限りませんが、休日数が多ければプライベートを満喫できるため、企業選びではよく見ておきたいポイントの一つです。この記事ではキャリアアドバイザーとともに年間休日とホワイト企業の関係性を解説します。
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業界や職種で異なる休日制度の傾向をキャリアのプロが解説!
ここまで解説してきたようにさまざまな休日制度がありますが、複数の制度が存在するのには業界や職種ごとの特色が影響していることが理由の一つに挙げられます。
そのため、業界や職種による休日制度の傾向をつかんでいれば、就職先を探す際に理想の休日制を採用している企業を探しやすくなるのです。
ここでは、キャリアのプロである瀧本さんに、業界や職種で異なる休日制度の傾向を解説してもらうので、業界や職種を選択する際の参考にしてくださいね。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見るホワイトカラーでは完全週休2日制が多くブルーカラーでは少ない傾向
業界や職種によって採用される休日制度は大きく異なります。たとえば、情報通信業や金融業のようなホワイトカラー系の業界では、完全週休二日制や年間休日120日以上が一般的で、休日が多く働きやすい傾向があります。
一方、宿泊業や飲食業などのサービス業では、休日が少ない場合があり、年間休日が100日未満となることも珍しくありません。これらの業界ではシフト制が主流であり、休日の固定が難しい場合が多いです。
また、建設業や運輸業のようなブルーカラー系の職種では、慢性的な労働力不足のため、年間休日が少なくなりがちです。ただし、近年は労働環境改善の一環として、年間休日を増やす企業も増えてきました。
一方で、教育業や学術研究の分野では、年度の進行に合わせた長期休暇が設けられることが多く、年間休日が120日を超えるケースもあります。
有給休暇の取得率や自分のライフスタイルに合う休日制度かの確認もしよう
就活の際は、自身のライフスタイルに合った休日制度を持つ業界や企業を選ぶことが重要です。休日数だけでなく、有給休暇の取得率や休暇の計画性も働きやすさを左右するポイントなので、面接時に具体的な労働条件を確認しましょう。
企業選びに失敗するかも? 休日制度に固執して企業を選ぶと起こり得るリスク
企業選びに失敗するかも? 休日制度に固執して企業を選ぶと起こり得るリスク
- 仕事内容や社風など休日制度以外の部分でミスマッチを起こす
- 企業の休日制度が変化しないとは限らない
- ライフステージの変化に伴い自分に合う休日制度が変わる可能性もある
ワークライフバランスに大きく影響する休日は、仕事をするうえで大切な要素であることは言うまでもありませんが、休日の条件だけで就職先・転職先を選んでしまうと、後悔する結果に終わってしまう可能性があるのです。
そうならないためには、仕事をするなかで重要となる要素は多くあり、休日制度はそのなかの一つであるという意識を持つことが鍵となります。
そこでこの章では、休日制度に固執した企業選びをすることのリスクについて解説します。休日の優先順位は自分のなかでどれくらいなのか、ほかに注意すべき点はないかなどを十分考慮し、総合的に判断するようにしましょう。
企業を選ぶ際は、休日制度も大切ですが、やりがいを感じられるかどうかも重要な要素となります。以下の記事で仕事のやりがいについて解説しているので、併せて参考にしてください。
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仕事内容や社風など休日制度以外の部分でミスマッチを起こす
休日の条件ばかりを優先させ企業を選んだ場合のリスクで最も考えられるものが、仕事内容や社風がそもそも合っていないというミスマッチの問題です。
一般的な労働時間で働いた場合、睡眠時間を除くと1日の半分近くは仕事をしなければなりません。そういったなかで、業務内容や社風でミスマッチを起こしてしまうと、たとえ休日の条件が良かったとしても、仕事を続けるモチベーションを維持することは難しくなってしまうのです。
企業を選ぶ際は、まず業務内容が自分のやりたいことなのか、適性があるのかを考え、社風なども自分に合っているのかを判断し、入社後のミスマッチを防ぐことを考えましょう。
年間休日数が多い企業であっても離職者は出るものです。離職理由の上位には「人間関係の悩み」が挙げられます。
誰と一緒に働くのか、どのような社風のなかで毎日を過ごすのかといった点は、決して軽視できない重要なマッチングポイントです。
休日以外にも仕事内容や社風は企業を選ぶ際の重要な要素となります。こちらの記事で社風とは何なのか、自分に合う社風の見極め方を解説しているので、併せて参考にしてください。
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社風が良いとは? 納得して働ける企業の見分け方をプロが解説!
社風とは、企業独自の雰囲気や価値観のことです。記事では自分に合う社風を知るための自己分析のコツや、簡単にできる社風の調べ方をキャリアコンサルタントとともに解説します。志望動機への活かし方や社風が合わないときの対処法も解説するので、参考にして就活に活かしましょう。
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企業の休日制度が変化しないとは限らない
休日制度は企業によって決められているため、業績や方針の転換、新規事業の開始などで制度の内容が変化してしまう可能性もゼロではありません。
そのため、休日の条件だけで企業を選んでしまい、入社後に休日の制度が変更されてしまうと、その企業を選んだ意味がなくなってしまい、転職を考えなければならないことになりかねないのです。
現在の休日制度は変更される可能性があることを頭に入れておき、やりがいを感じられるなど仕事自体の要素も含めた企業を選択することが重要になります。
飲食業や小売業では、ITを活用して業務を効率化する取り組みが進んでいます。
例として、セルフオーダーシステムやモバイル決済端末の導入で、ホールスタッフの負担の軽減、在庫管理システムを導入して、手作業の時間の削減などが挙げられます。
これにより、従業員のシフト時間を短縮し、週休2日制や週休1日制から完全週休2日制に変更し、月間休日数の増加を実現している企業もあるのです。
ライフステージの変化に伴い自分に合う休日制度が変わる可能性もある
自分に合う休日制度はライフステージなどの変化によって変わる可能性があります。具体的には、独身の場合と結婚して家庭を持つようになった場合とではライフスタイルが大きく異なるのです。
独身時は平日休みで土日出勤でも問題なかったかもしれません。しかし、結婚して子どもを授かることで、育児のため土日は休みたいと考えるようになるなど、希望する休日の条件が変わってくることがあるのです。
このような点からも、そのときの自分が求める休日の条件に固執して企業を選んでしまうことで、その後の自分の心境が変化すれば働きにくい企業に変わってしまうという可能性があります。
自分のライフプランをイメージし、現状と将来とでは自分に合う休日制度は変わる可能性もあることを認識したうえで、企業選びにおける休日制度の優先度を考えるようにしましょう。
即転職の判断は危険! 希望通りの休み方ができないときの対処法2つ
今の仕事では希望通りの休みがとれない場合は、転職を決断する前に何か対策できないかを考え対処していくことが重要です。対処法次第では休みに関する問題が解決され、経験や実績を積んできた仕事を手放す必要がなくなります。
ここからは、今の企業で希望通りの休み方ができない場合に取れる2つの対処法について解説します。せっかくその企業でキャリアや経験を積み重ねてきたにもかかわらず、休日制度への不満だけで即転職を決めてしまうのはもったいないといえるため、今の企業で理想の働き方ができないか、まずは考えてみましょう。
①業務量や作業効率を見直して勤務時間の体力的な負担を軽減する
休日制度は企業が全従業員を対象に定めているものであるため、自分の希望通りに変えることは簡単にはできません。しかし、仕事に対する体力的な負担は考え方や行動次第で軽減することができます。
そのため、業務量や作業効率を見直して、今の休日制度でもしっかり仕事のパフォーマンスが出せるような働き方にできないか検討してみましょう。
自分の業務量が多すぎると感じる場合には、ほかの人にお願いできるものは任せてみるなど、分担して負担を軽減できるように意識します。重要性を感じない業務であれば、思い切ってやめてみて影響が出るかを見極めることも一つの手です。
業務を効率化する方法例
- 周囲に業務のやり方を相談して効率的なやり方をマネする
- 今使っているものより有効なツールがないか探す
- 業務のマニュアルを作成して無駄がないか確認する
同じ業務をおこなう場合でも、上記のような方法で作業内容を効率化することで所要時間や手間を削減し、体力的な負担を軽減できるかもしれません。そうすることで、労働時間内での精神的・体力的な負担が軽減でき、現状の休日制度のままでもしっかり心身を休めることができる可能性が高まります。
仕事量が多く悩んでいる人はこちらの記事も参考にしてみてください。今すぐ解決できる方法もまとめています。
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業務量が過度に多いと仕事が嫌になってしまい、強いストレスを感じてしまうことにもつながります。こちらの記事で仕事量など仕事のストレスへの対処法を解説しているので、併せて参考にしてください。
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②今の休日制度で自分の心身をリフレッシュできる方法を探す
同じ休日制度でも、休日や日頃の過ごし方でより心身のリフレッシュができることがあります。新たな趣味を見つけてみたり、習い事をしてみたり、コミュニティに参加していろいろな人と交流してみたりと方法はさまざまです。
たとえば、日帰り旅行に出かけたり、短時間でも楽しめるような趣味を見つけたりすることで、週休1日のような少ない休日数のなかでも十分に心身をリフレッシュすることができるかもしれません。
何か楽しみやリフレッシュできる方法が見つかれば、現状の休日制度に多少の不満を持っていても気持ちを切り替えて仕事に臨むことができます。
希望するタイミングで休むには、自分の希望を明確にしたうえで、上司や同僚にその理由を具体的に説明し、合意を得やすくする努力をすることも一つの手です。
また、同僚とシフトを柔軟に交換することで、互いに利益を共有する方法を探すのも効果的です。これにより、職場全体の理解と協力を促進することができます。
休みが少なく仕事がきついと感じる人はこちらの記事を参考にしてください。仕事がきついと感じるときの対処法について解説しています。
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完全週休2日制や他休日制を理解して自分に合った働き方でキャリアを築こう
完全週休2日制が採用されているのか、ほかの休日制が採用されているのかで休日のあり方は大きく変わってきます。仕事をするうえで休日はワークライフバランスや心身の健康状態に大きく影響する重要な要素となるものです。
多様な休日制の仕組みをはじめ、良し悪しなどを理解することで初めて自分に合った休日制を選択することができるようになります。また、制度だけではわからない、企業によって決定される点についても注意深く調べる必要があります。
しかし、休日制度ばかりにとらわれてしまうと、入社後のミスマッチなど後悔してしまうことになる点はしっかりと頭に入れておいてください。この記事を参考に、自分に合った休日がとれる企業を選択し、理想のキャリアを築いていきましょう。
アドバイザーコメント
吉野 郁子
プロフィールを見る休日数が多い企業は倍率が高いため対策を怠らずに選考に挑もう
「休日数を増やしたい」「ワークライフバランスを実現したい」といった転職希望理由はよく耳にします。しかし、現実的な課題として、「年間休日数が多い企業には応募者が集中し、競争が激しくなり、採用されにくい」という点があります。
そのような場合は、応募数を増やしたり、希望職種の幅を広げたりする方法に加えて、応募書類の工夫や企業研究、面接対策に力を入れるなどの努力が必要です。
休日に対する優先順位の明確化と休日以外の魅力にも目を向けることが重要
また、休日制度に関しても、何が妥協できるのかを考えることがおすすめです。
たとえば、年間休日数が希望に合うなら平日休みやシフト制を許容するという人もいれば、第1希望が年間休日120日以上でも第2希望として110日以上あれば許容できるという人もいるでしょう。
また、休日数の希望がかなわなくても年収や従業員の定着率といったほかの魅力的な要素があれば、休日へのこだわりを下げるという人もいますよね。
このように「絶対に譲れない条件」と「できれば実現したい条件」を区別し、優先順位を明確にすることが重要です。自分が本当に大切にしたいもの、譲れる条件と譲れない条件を転職を考えるこの機会にじっくり整理してみましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/公認心理師
Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細