本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
「ベンチャー的な良さが薄まった」「自分が成長できる環境かわからない」
ウィルグループについて、そのような口コミ情報を見て不安になる人がいるかもしれません。しかし、誤解に基づく噂話や、偏った見解が情報源であるケースもあります。
この記事では、ウィルグループへの就職を検討している人たちに向けて、「やばい」「やめとけ」といわれる理由と、企業の実態、入社の判断基準について、客観的な情報にプロの意見を交えつつ解説します。
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1分でわかるウィルグループ
ウィルグループとは
1997年に大阪で創業し軽作業の短期請負業務サービスを開始。2000年に製造業向け人材サービス開始。2006年に持株会社ウィルホールディングスを設立。2012年にウィルグループに商号変更。2013年に東証二部上場し翌年同一部銘柄に指定替え。人材サービス開始以降、セールス、コールセンター、介護、建設と常に新しい事業領域に参入し持続的に成長。傘下の連結子会社は44社(国内12社、海外32社)。
| 会社名 | 株式会社ウィルグループ(WILL GROUP, INC.) |
| 従業員数(連結) | 9,005人(2026年3月末時点) |
| 本社所在地 | 東京都中野区 |
| おもな事業 | 国内では家電量販店の販売現場、コールセンター、食品などの工場、介護施設、建設業などへの人材派遣、業務請負、人材紹介などを事業展開。海外ではオーストラリア、シンガポールを中心に人材サービスを展開。業界シェアはコールセンターなどへのオペレーター派遣が2位、販売員派遣が2位、介護人材派遣が3位。2018年に参入した建設技術者派遣も業界7位までシェアを拡大中。 |
| 売上高(連結) | 1,468億5,600万円(前年同期比5.1%増)(2026年3月期) |
| 経常利益(連結) | 32億7,900万円(同40.2%増)(同期間) |
| 企業HP | https://willgroup.co.jp |
| 新卒採用HP | https://willgroup.co.jp/recruit |
「ウィルグループはやばい」と言われる4つの理由|プロが読み解く
「ウィルグループはやばい」と言われる4つの理由
「ウィルグループはやばい」と言われる理由を客観的なデータから紐解きます。キャリアコンサルタントの解説も加えているので、対象企業が自身とマッチするのかを考えながら読み進めてください。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
自分に合う職業・合わない職業を知ることは、就活において非常に重要です。しかし、見つけるのが難しいという人も多いでしょう。
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①ベンチャー的な良さが薄まりつつあるから
組織が大きくなり人が増えても、ベンチャー的な良さが維持されれば、それは素晴らしいことかもしれません。しかし東証プライム上場の大企業となったウィルグループが、「ベンチャー的な良さが薄まりつつある」のは、ある意味で当然の流れだとも言えます。
社員座談会で、子会社の部長は「以前の“ベンチャーっぽさ”が少し薄まったという声もあります。挑戦を当たり前にする文化をどう維持するか」(※)と問題提起し、本社マネージャーは「文化は変わらずあるけれど、体現が薄まっている。手上げや働きがいを再活性化する取り組みが必要」と応えています(※)。
一方で、かつて感じられた「ベンチャーっぽさ」には、独立独歩の姿勢や強い競争意識が含まれていたとマネージャー社員は語ります。「グループ各社のブランドがWILL OF(ウィルオブ)に統一されてからは一体感が強まり、仲間としての絆も深まった」とプラス面を指摘しています(※)。ベンチャーらしさの何を良しとするかによっても、評価は変わります。
※同社HP 統合報告書2025「従業員座談会」(P42-45)
プロのアドバイザーならこうアドバイス!多様な人材を惹きつけるウィルグループの社風
ウィルグループの社風は、上場と組織拡大を機に大きく変わったと感じます。企業規模の拡大に伴う組織の成熟が要因として挙げられます。
規模が大きくなるにつれて仕組み化・標準化が進み、再現性のある強さを重視する方向へとシフトします。
グループ各社のブランドをWILL OFに統一したことで一体感が生まれました。現在は、多様な人材の確保や定着率向上のため、未経験者や女性、外国籍社員でも安心して働ける充実したサポート体制の構築に注力しています。
ポジティブな変化で成長を続けているととらえよう
これは決して悪いことではなく、複数事業・海外展開を抱える企業が持続的に成長するためには避けて通れない過程です。
採用力強化のために社風をマイルドにしていく流れも、労働市場の変化を踏まえれば自然な経営判断でしょう。
同社がミッションに掲げる「チャンス創造企業」として、より安定した構造へ向かっています。着実に成長を続けている会社と言って良いでしょう。
②自分が成長できる環境なのか疑問だから
ベンチャー的な良さが薄まったと言われながらも、挑戦を後押しする企業文化は変わらないようです。社員対象の調査によれば、「チャレンジを推奨する雰囲気」は年々、ポイントが上昇しています(※1)。
| 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | 2025年3月 | 2026年3月 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| チャレンジを推奨する雰囲気(pt) | 70.7 | 71.3 | 72.1 | 73.4 | 72.5 | 72.9 |
挑戦の背中を押す制度も多く、新卒1年目から新規事業開発や社内改革などを提案し参画できるチャレンジ公募制度があります。また、希望する組織の責任者に直接、自分を売り込める社内FA制度もあります(※2)。
ただし、挑戦イコール成長とは限りません。「自分がどう成長していけるかの将来像が描きにくい」とする若手もいます(※3)。社員調査の成長実感スコアは上昇傾向にあり、働きがいスコアも上昇しているため(※1)、成長環境が悪い方向に変化しているわけではないと考えられます。
| 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | 2025年3月 | 2026年3月 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 働きがいスコア | 51.2% | 52.9% | 57.0% | 58.3% | 61.5% |
| 成長実感スコア | 59.4% | 57.8% | 63.8% | 64.1% | 64.0% |
※1 同社HPサステナビリティデータ
※2 採用HP 社員・制度紹介
※3 同社HP 統合報告書2025「従業員座談会」(P42-45)
アドバイザーのリアル・アドバイス!成長は自分自身が決める! 挑戦が多い環境で伸びる人の特徴
「挑戦の機会が多い環境」に入れば人は育つとは限りません。
多くのキャリア支援や人事課題に携わってきた経験から言えるのは、成長は環境の有無だけでなく、個人の「内側の姿勢」に大きく左右されるからです。
たとえば、社内公募制度のような魅力的な機会も、目的のないまま挑戦を重ねるだけでは、スキルや専門性として定着しにくいものです。
重要なのは目的を持った挑戦であり、その価値を左右するのが振り返りと言語化の習慣です。何を学び、何が再現可能になったのかを問い続けるプロセスがあってこそ、経験は確かな成長実感へとつながります。
不安になる前に自分が自走する姿をイメージしてみよう
「成長できるか不安」と環境のせいにする前に、「成長できるか不安」と受け身になるのではなく、その制度をどう活用するかまで具体的にイメージできるかが大切です。
企業選びで確認すべきは、制度の充実度そのものよりも、その環境で自走する自分の姿をどれだけリアルに描けるかです。
自ら意味を見出し、経験を言葉にできる人は、どのような挑戦環境でも自身の糧へと変えていけます。
あなたが受けないほうがいい職業を診断しましょう
就活を進めていると、自分に合う職業がわからず悩んでしまうことも多いでしょう。
そんな時は「適職診断」がおすすめです。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強みや性格、価値観を分析して適職や適さない職業を特定してくれます。
自分の適職や適さない職業を理解して、自信を持って就活を進めましょう。
③人材業界は競争激化で将来的に厳しいから
人材派遣市場で最もシェアが大きい職種は一般事務で、全体の35%を占めると言われますが、一般事務や物流はAI(人工知能)やロボットによる代替リスクが懸念される領域です。
しかし、ウィルグループは介護や建設、販売などテクノロジーで代替しにくいエッセンシャル領域が主戦場であるのが強みです。
かつては売上構成の4分の1ほどあったコールセンター領域は、現在は8%弱まで減少し、介護や建設といった新領域と海外事業で全体の6割以上を占めています(※1)。市場変化の先手を打って事業ポートフォリオを変えてきたわけです。
国内事業ではエッセンシャル領域を中心に成長を加速すると同時に、一般派遣(有期)から収益性の高い正社員派遣(無期)へ強化軸を移しており(※2)、2026年3月期では正社員派遣/請負が売上総利益の43.1%を占めています(※3)。
※1 同社HP IR会社説明資料(P11)
※2 同社HPスポンサードリサーチレポート「ブリッジレポート」(P24)
※3 同社HP IR会社説明資料(P17)
プロのアドバイザーはこう分析!市場の動きを先読みした柔軟性のある経営をしている
ウィルグループの将来性と中期戦略は極めて高く評価できます。
特に、市場変化を後追いではなく先回りして、事業ポートフォリオを組み替えてきた点です。同社の最大の強みは、市場の変化を鋭く予見した迅速な転換力です。
AIやロボットでは代替しにくい介護・建設・販売といったエッセンシャル領域へ軸足を移した判断は的確だったと考えられます。AIによる影響を受けやすい事務職中心の市場とは一線を画しており、独自性を発揮しています。
変化への対応力が強み! 時代を見据えて持続的な価値向上を目指す
さらに、単なる有期派遣から収益性と定着率の高い正社員派遣(無期派遣)や外国人雇用支援へと軸足を移しています。労働需給が逼迫するなかで人材を確保する方策として理にかなっています。
総合的には、変化対応力の高さこそが最大の強みであり、今後もその機動力を維持していくものと考えます。
時代の一歩先を見据えた変革力を持つ同社は、今後も労働市場の課題を成長チャンスに変え、持続的に価値を高めていく可能性を秘めています。
④給料があまり良くないから
ウィルグループの平均年間給与は、685万9,000円(平均年齢40.2歳/平均勤続年数8.8年)(※1)です。しかし、これは連結従業員数9,005人のうち、わずか105人だけが在籍する持株会社の数字です。
グループの中核事業会社で5,000人以上が在籍するウィルオブ・ワークの全社員の平均年間給与は398万7,000円で、正社員派遣は361万8,000円、本社勤務の正社員は521万6,000円となっています(※1)。同じグループでも事業会社や仕事内容で状況は変わります。
| 従業員数(人) | 平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均年間給与(千円) | 平均年間給与の対前年度増減率(%) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 全従業員 | 5,178 | 31.2 | 3.6 | 3,987 | △2.1 |
| 正社員 | 1,065 | 35.3 | 6.4 | 5,216 | 4.2 |
| 正社員派遣 | 4,113 | 30.2 | 2.9 | 3,618 | △3.8 |
また、営業、コーディネーター、キャリアアドバイザーといった業務の場合、大卒初任給が26万8,000円プラス地域手当とされていますが、固定残業代の32時間分を含むため、実質は21万4,400円となります(※2)。
※1 同社HP有価証券報告書2026年3月期(P57)
※2 採用HP募集要項
アドバイザーのリアル・アドバイス!正社員派遣と派遣会社の正社員は異なる点に注意しよう
ウィルグループは「正社員派遣の拡大」を進める方針ですが、ウィルグループには2種類の正社員の形態があります。
この違いを把握していないと、入社後に「イメージと違った」となりかねないので、きちんと把握しておきましょう。
1つ目は、ウィルグループの正社員として派遣事業の運営をする正社員です。この正社員の目的は「派遣会社の運営」なので、営業職や管理部門、広報などがあります。
一方で、2つ目の「正社員派遣」は、ウィルグループで正社員として雇われるという点は同じです。しかし、働く場所は「派遣社員として客先常駐でエンジニアとして働く」という特徴があります。
自分が希望する働き方と募集職種を確認しておこう
つまり、エンジニアになりたいのであれば正社員派遣で、派遣社員のサポートや派遣先の開拓などの仕事をしたいなら、派遣ではない正社員に応募する必要があります。
まったく異なるポジションの募集になるため、きちんと確認をしておきましょう。
あなたが受けないほうがいい職業を知っておこう
就活を成功させるためには、自分に合う職業・合わない職業を早めに知ることが不可欠です。しかし、それがわからずに悩む人も多いでしょう。
そんな人に活用してほしいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたに合う職業・合わない職業を特定できます。
早いうちに自分に合う職業・合わない職業を知って、就活を成功させましょう。
変化と挑戦の連続を成長につなげられるかが分かれ目となる
人材ビジネス業界は今後、AIやフィジカルAIの進化により大きく変化します。ウィルグループは対応戦略を立てていますが、社員一人ひとりにも変化への適応と挑戦を続ける姿勢が求められます。変化と挑戦の連続を自らの成長につなげられるかどうかがポイントです。
アドバイザーのリアル・アドバイス!過渡期の企業でしか得られない資産と裏側に潜む不確実性のリアル
事業ポートフォリオを変革する企業に参画するメリットは、企業の大きな変化の中核に当事者として携われることです。
新たな事業領域へのシフトや収益構造の再構築といった変革の渦中に身を置く経験は、どの環境でも得られるものではなく、価値の高いキャリア資産となり得ます。
一方で、相応の覚悟も求められます。過渡期の現場では制度や評価基準が変化しやすく、不確実性を受け入れにくい人にとってはストレスとなる可能性があります。
また、変革期の施策は必ずしもすべてが計画通りに進むとは限らないため、応募者自身が選考の過程で「その変化がどのような成果や方向性につながっているか」を自分なりに見極める視点も欠かせません。
自分の役割は自分で創る! 変革期の企業での適性の見極め方
問われるのは、変化を前提に自分の役割を柔軟に再定義し続けられるかという姿勢です。
変革を成長機会としてとらえ、能動的にかかわろうとする人にとってはプラス環境となる一方、安定した枠組みを重視する人には不向きな場合もあります。
自身がどちらのタイプかを冷静に見極めたうえで、この過渡期への参加を判断することが重要です。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi






3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
2級キャリアコンサルティング技能士/全国経理教育協会 社会人常識マナー検定2級
Tomohiro Morita〇理系大学院修了後に企業で勤務。その後、キャリア支援・セミナー講師・文章制作などマルチに活躍。就職・転職に関する情報整理や書類作成、意思決定支援をおこなう
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/国家検定2級キャリアコンサルティング技能士
Yuichi Hirano〇主体的なキャリア形成にて代表取締役を務める。福商実務研修講座にて講師を担当するほか、人材サービス会社などで実践を重ねる。18年間で1万人以上の面談実績あり
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
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