「保育士は女性が多いから不安」「男性で就職しても続けられる?」
保育士は子どもとかかわる仕事として人気ですが、男性としての採用の間口はどれくらい開かれているのか、就職後に馴染めるかも不安なところですよね。
この記事では、政府発行の一次情報などをベースに男性の割合や給与、残業時間など、男性が保育士として働くうえで気になるポイントを解説していきます。
※近年、ダイバーシティ&インクルージョンやジェンダー尊重の考え方が重視されています。PORTキャリアも、就職・転職活動においてこれらを大切にしています。
本コンテンツで紹介するノウハウやマナーは、特定の価値観を押し付けるものではありません。あくまで情報や選択肢の一例として、ご自身の考えやスタイルに合うものを参考にしてください。
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男性が保育士として働くメリット・デメリット
男性が保育士として働く場合、どんな場面で経験が活き、どんな点を事前に確かめておく必要があるのか。両方を把握しておくと、園見学や面接で確認すべき点が決まります。
ここでは、男性が保育士として働くメリットと、確認しておきたい注意点を順に見ていきましょう。
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メリット
男性が保育士として働くメリット
- 父親の相談役として頼られる場面がある
- 体を使った遊びや行事の運営で戦力になりやすい
- 子どもにとって身近な大人の男性になれる
近年は父親の育児参画が進み、送迎で園を訪れる父親も増えています。同性だからこそ話しやすいという理由で、相談を受ける機会につながることもあります。
行事の準備や防犯面での役回りを任されることもあり、園全体の運営に早くからかかわる機会が生まれます。ただし、こうした役割が自分に集中していないかは、働き始めてから確認したい点です。
デメリット
男性が保育士として働く際の注意点
- 更衣室や休憩室が男性用に分かれていない場合がある
- 「男性だから」と役割を固定される場面がある
- ロールモデルとなる先輩が近くにいない場合がある
更衣室や休憩室が男性用に分かれているかは、求人票だけでは判断できません。園見学や面接の場で直接確認しましょう。
力仕事や防犯面の役割が自分に集中していないかも、事前に確かめたい点です。面接では、役割分担をどう決めているかを質問しておきましょう。
また、同じ立場の先輩が身近にいないと、働き方の相談先を見つけにくくなります。男性職員の在籍人数と採用実績は、応募前に確認しておくと安心です。
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保育士の男性の割合
そもそも、保育士として働く男性はどれくらいいるのでしょうか。
ここでは、男性労働者の割合、男性正社員の割合、男性管理職の割合の3つについて、公的な統計をもとに確認していきます。
男性労働者の割合

保育士として働く人のうち、男性が占める割合は約4.4%です。労働者全体の男性割合が約54.7%であることと比べると、数値としては低い傾向にあります。
実数で見ると、男性の保育士は1万2,810人です。20人に1人に満たない割合ですが、人数としては1万人を超えています。歯科衛生士や看護師など、ほかの女性比率が高い資格職と比べても、男性保育士の実数は多いほうです。
参考:
保育士(男性)の割合: 約4.4%(男性 12,810人/全体 291,510人)(令和7年賃金構造基本統計調査より)
対比データ(全体・同系統職種):
・労働者全体(有業者全体)の男性割合: 約54.7%(男性 3,670.6万人/全体 6,706.0万人)(令和4年就業構造基本調査より)
・専門的・技術的職業従事者全体の男性割合: 約52.4%(男性 675.2万人/全体 1,287.9万人)(令和4年就業構造基本調査より)
※比較する引用データ元が違うため、実際の割合比較では若干の差異が生じている可能性があります。
男性保護者の育児参画に伴い「父親目線の相談役」としてのニーズが高まり、男性保育士の採用意欲は確実に強まっています。
園側としても、力仕事や防犯面での役回りに加え、人材の多様性を対外的にアピールできる利点もあります。
男性正社員の割合

男性の保育士のうち、フルタイムの一般労働者として働く人の割合は約93.4%です。全産業の男性の一般労働者率が約76.8%であることと比べると、数値としては高い傾向にあります。
女性の保育士の一般労働者率は約61.7%です。男性のほうが、フルタイムで働く割合が30ポイント以上高い状態になっています。
ただ、保育士は短時間勤務の募集が多い職種で、女性の一般労働者率が全産業平均より低いことが、この差の背景にあります。男性が正社員になりやすいことを結論付ける数値ではありません。
参考:
保育士(男性)の正社員割合(フルタイム一般労働者率): 93.4%
・最新(令和7年): 約93.4%(一般 11,960人 ÷ (一般 11,960人 + 短時間 850人))(令和7年賃金構造基本統計調査の労働者数より算出)
・※参考(女性保育士の正社員割合):令和7年で約61.7%(171,870人 ÷ 278,700人)
対比データ(医療・福祉分野 / 全産業 / 労働者全体):
・医療,福祉分野(男性)の正社員割合(一般労働者率): 約75.1%(令和7年賃金構造基本統計調査より算出)
・全産業(男性)の正社員割合(一般労働者率): 約76.8%(令和7年賃金構造基本統計調査より算出)
・就業構造基本調査による男性有業者の正社員割合: 63.5%(2,330.2万人/3,670.6万人)(令和4年就業構造基本調査より)
女性はパート、時短、育休取得など、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方をしているケースが主流です。男性は、フルタイム、正社員として長く続けることが期待されているケースがほとんどです。
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男性管理職の割合(※園長・主任クラスなど)

保育士単体での役職者の性別割合は、公的統計では公表されていません。そのため、関連する分野のデータを参考として掲載します。
医療・福祉分野における男性管理職の割合は49.6%相当、全産業では86.9%相当です。医療・福祉分野は、全産業と比べて男性管理職の割合が低い分野であることがわかります。
ただしこれは「医療,福祉」という産業全体の数値で、看護師や介護職も含みます。保育士の管理職割合を示すものではありません。
将来的に園長や主任を目指すなら、園見学の際に役職の段階と、そこに就くまでの年数の目安を聞いておきましょう。株式会社が運営する園では、役職の要件が明文化されていることもあります。
参考:
保育士単体(男性管理職の割合): 【該当データなし】
・※提供ソース内に職種別の役職・管理職(園長・主任クラス等)の割合に関する数値は記載されていません。
対比データ(全体・関連業種):
・医療,福祉分野における男性管理職の割合: 49.6%相当(女性管理職割合 50.4%の裏返し)(令和6年度雇用均等基本調査より)
・全産業(企業全体)における男性管理職の割合: 86.9%相当(課長相当職以上の女性管理職割合 13.1%の裏返し)(令和6年度雇用均等基本調査より)
・全労働者に占める管理的職業従事者(男性)の割合: 3.3%(男性 117.6万人/3,670.6万人)(令和4年就業構造基本調査より)
男性であっても、保育士としてのキャリアアップは十分に可能です。男性には長期・フルタイム勤務が期待されており、それは管理職登用の機会を得やすい強みとなります。
ただし、多様な働き方をする現場スタッフへの理解と配慮を常に欠かさないことが求められます。
男性の保育士の働きやすさ
ここでは、男性の保育士の平均給与額、平均勤続年数、平均残業時間、育休取得率の4つについて、全産業の平均と比べながら確認していきます。
ただし、いずれも統計上の平均です。実際の労働条件は園ごとに異なるため、応募前に求人票や園見学でも確認しておきましょう。
※以下の給与・勤続年数・残業時間については、すべて「令和7年賃金構造基本統計調査」という同一の統計調査データ内から抽出して対比しています。
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就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
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平均給与額

男性の保育士の所定内給与額は月29万2,200円です。全産業・一般労働者(男性)の平均が37万3,400円であることと比べると、数値としては低い傾向にあります。
一方で、保育士全体の所定内給与額は月27万9,200円です。同じ職種のなかで比べると、男性のほうが月給は高くなっています。年間賞与も90万1,100円で、保育士全体の84万7,900円を上回りました。
ただし、保育士の給与は処遇改善等加算や自治体の補助によって園ごとに差が出ます。統計の平均額だけで判断はできません。
参考:
保育士(男性):
・きまって支給する現金給与額(月額): 300.3千円(30万300円)(令和7年賃金構造基本統計調査より)
・所定内給与額(月額): 292.2千円(29万2,200円)(令和7年賃金構造基本統計調査より)
・年間賞与その他特別給与額: 901.1千円(90万1,100円)(令和7年賃金構造基本統計調査より)
全産業・一般労働者(男性平均): 所定内給与額 373.4千円(37万3,400円)(令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況より)
参考データ(保育士全体・他職業): (※同一統計『令和7年賃金構造基本統計調査』で対比)
・保育士(全体・男女計): きまって支給する現金給与額 285.7千円(28万5,700円)/所定内給与額 279.2千円(27万9,200円)/年間賞与 847.9千円(84万7,900円)(令和7年賃金構造基本統計調査より)
・管理的職業従事者(男女計平均): きまって支給する現金給与額 599.7千円/所定内給与額 591.0千円/年間賞与 2,471.2千円(令和7年賃金構造基本統計調査より)
平均勤続年数

男性の保育士の平均勤続年数は7.3年です。全産業・一般労働者(男性)の平均が14.2年であることと比べると、数値としては短い傾向にあります。
保育士(男性)の7.3年は、保育士全体の9.1年も下回っています。長く働く前提で園を選ぶなら、在籍している職員の勤続年数と、男性職員の人数を確認しておきましょう。
何年目の人が何人いるかがわかれば、その園で実際に働き続けられているかを判断可能です。特に、5年目以上の男性職員がいる園は働き方が定着していると考えられます。
参考:
保育士(男性): 7.3年(令和7年賃金構造基本統計調査より)
全産業・一般労働者(男性平均): 14.2年(令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況より)
参考データ(保育士全体・他職業):
・保育士(全体・男女計): 9.1年(令和7年賃金構造基本統計調査より)※同一統計内対比
・管理的職業従事者(男女計平均): 22.6年(令和7年賃金構造基本統計調査より)
・専門的・技術的職業従事者(男性): 10.8年(令和4年就業構造基本調査より)
活躍している男性保育士の事例や体験談を聞いてみるとよいでしょう。
一方で、これまで女性が「女性第一号」として新しい道を切り開いてきたように、男性保育士も「この職場では男性第一号」「男性職員の前例がない」という環境で働くことになる可能性があります。
そのため、前例のない環境でも自分なりに道を切り開いていくことを楽しめるのか、あるいは前例やロールモデルがある環境のほうが力を発揮しやすいのか、自分の性格や価値観を自己分析しておくことも大切です。
所要時間はたったの3分!
受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
- 自分に合う職業がわからない人
- 入社後のミスマッチを避けたい人
- 自分の強みを活かせる職業を知りたい人
平均残業時間

男性の保育士の超過実労働時間数は月3時間です。一般労働者(男性)の平均が月12〜16時間程度であることと比べると、数値としては短い傾向にあります。
所定内実労働時間数は月164時間で、保育士全体の163時間とほぼ同じです。残業時間も保育士全体と同水準となっています。
ただし、この数値は統計上の平均です。残業が発生しやすいのは、保育中に手が離せず書類の作成が勤務後に回る場合や、運動会・発表会の準備が重なる時期です。保護者からの相談や、子ども同士のトラブルへの対応が勤務後になることもあります。
参考:
保育士(男性)の超過実労働時間数(残業時間): 月 3時間(所定内実労働時間数:月 164時間)(令和7年賃金構造基本統計調査より)
平均残業時間(超過実労働時間): 月 12〜16時間程度(一般労働者男性平均)(令和7年賃金構造基本統計調査より)
参考データ(保育士全体): (※同一統計『令和7年賃金構造基本統計調査』で対比)
保育士(全体・男女計)の超過実労働時間数(残業時間): 月 3時間(所定内実労働時間数:月 163時間)(令和7年賃金構造基本統計調査より)
保育中は子どもから目が話せないため、書類仕事が勤務後に発生する場合もあります。
また、園によっては、運動会や発表会、お遊戯会などの行事の制作や練習、装飾、プログラム作りなどで残業になるケースもあります。
このほか、保護者からの相談、子ども同士のトラブルによる電話対応での残業などがあります。
育休取得率

保育士単体の育休取得率は、公的統計では公表されていません。そのため、関連する産業分野のデータを参考として掲載します。
医療・福祉分野の男性の育休取得率は49.7%で、全産業の40.5%を上回っています。
園を選ぶときは、男性職員の育休取得の実績があるかを確認しましょう。取得した人数と、復帰後の働き方まで聞いておくと、制度が使われているかどうかが判断できます。
参考:
医療,福祉分野(男性)の育休取得率: 49.7%(令和6年度 雇用均等基本調査より)
医療,福祉分野(女性)の育休取得率: 【産業別集計の詳細確報待ち(※概況公表なし)】
全産業(男性)の育休取得率: 40.5%(令和6年度 雇用均等基本調査より)
全産業(女性)の育休取得率: 86.6%(令和6年度 雇用均等基本調査より)
※補足: 最新の令和6年度(2024年度)調査において、男性の育休取得率は全産業平均で初めて4割を超えました。中でも「医療,福祉分野」における男性の取得率(49.7%)は全産業平均を10ポイント近く上回っており、他産業と比較しても育休を取得しやすい環境が備されつつあることがデータから読み取れます。
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保育士の男性のキャリア例
保育士の資格を活かせる場は認可保育園だけではありません。学童クラブや児童館を運営する企業、発達支援に特化した事業所、認定こども園など、働く場によって担当する業務は変わります。
勤務先が変わればキャリアの進み方も異なります。役職の段階が明確に示されている職場もあれば、現場での支援を深めていく職場もあります。
ここでは3つの進路について、それぞれの公式サイトで公開されている情報をもとに仕事内容と働き方を見ていきましょう。
日本保育サービス(大手保育サービス企業)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所属 | 「アスク・GENKIDS」ブランドの保育園、学童クラブ、児童館、交流館 |
| 現在の仕事 | 乳児期・幼児期・学童期を段階的にサポートする保育。食育・食農を重視した給食サービスや、地域に開かれた子育て施設の運営にも携わる |
| 働き方・今後のキャリア | 全国約356施設を運営。東京・神奈川・千葉・埼玉のほか、北海道、宮城、愛知、大阪、福岡、沖縄など広域に拠点がある。借り上げ社宅制度あり |
大手の保育サービス企業では、運営する施設の種類が複数にわたる点が特徴です。同社の公式サイトでは、保育園に加えて学童クラブ、児童館、交流館の運営が示されています。
保育園以外の施設を経験できる可能性があることはキャリアの幅につながります。乳児から学童期までを一貫して支える事業構成のため、担当する年齢層が変わる異動もあります。
拠点が全国にあるため、転居をともなう異動の可能性も含めて確認が必要です。応募前に、勤務地の範囲と異動の有無を確認しておきましょう。
参考:
運営施設・事業内容:株式会社日本保育サービス
新卒採用情報:日本保育サービス|アスク保育園の保育士募集
LITALICO(児童発達支援・放課後等デイサービス)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所属 | LITALICOジュニア(児童発達支援・放課後等デイサービス) |
| 現在の仕事 | 発達支援が必要な子どもへの個別サポート。45分単位の指導のほか、教材作成、保護者へのフィードバック、記録作成を担当 |
| 働き方・今後のキャリア | 指導員→児童発達支援管理責任者→教室長というキャリアパス。入社後1カ月の研修(座学・実技・同席指導)と、1カ月後・3カ月後のフォローアップ研修あり。年間休日120日前後、週休2日 |
保育園以外で保育士資格を活かせる進路です。同社の採用ページでは応募資格の1つとして保育士資格が明記されています。
「集団の中で落ち着かない」「コミュニケーションが苦手」といった課題を持つ子どもを対象に、個別の指導をおこないます。保育園の集団保育とはかかわり方が大きく異なります。
役職の段階が公開されている点も特徴です。指導員から児童発達支援管理責任者、教室長へと進む道筋が示されており、管理職研修も用意されています。
参考:
募集職種・応募資格・研修制度・キャリアパス:保育士・教員・児童指導員募集|株式会社LITALICO
さがみ愛育会(社会福祉法人・認定こども園)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所属 | 幼保連携型認定こども園すこやか(社会福祉法人さがみ愛育会) |
| 現在の仕事 | 0歳児から就学前までの乳児・幼児の保育と教育、小学校1年生から6年生までの学童保育 |
| 働き方・今後のキャリア | 募集職種は保育教諭のほか、栄養士・調理師・事務員。賞与年2回、年1回昇給、年間休日120日(日・祝日・年末年始) |
認定こども園は、保育所と幼稚園の機能をあわせ持つ施設です。同園では0歳から就学前までの保育・教育に加え、小学生の学童保育も担当します。
同園の採用サイトでは、1年目の男性職員の紹介が掲載されています。「福祉の充実と個性の尊重」を施設の良さとして挙げ、先輩のサポート体制について述べられています。
男性職員の紹介が公開されている園は、受け入れの実績があると判断できます。園見学や面接の前に、採用サイトで職員紹介を確認しておくと、実際の職員構成が見えてきます。
参考:
法人名・募集職種・仕事内容・福利厚生・職員紹介:新卒・中途採用エントリー 特設ページ|幼保連携型 認定こども園すこやか
男性の保育士の就職についてよくある質問に回答
男性の保育士の就職についてよくある質問に回答
ここまでデータをもとに実態を確認してきましたが、それでも判断に迷う点は残るものです。人間関係や生活の見通し、保護者からの受け止め方など、数値では測れない不安もあります。
ここからは、男性が保育士を目指す際に多く寄せられる4つの疑問に、現場を知るキャリアコンサルタントが回答します。
自分が気になっている項目から読み、就職先を選ぶ際の判断材料にしてみてください。
Q.女性が多い職場で人間関係がうまくいくか不安
A.実習で見た先輩のふるまいが参考になります
ロールモデルを見つけ、その人のまねしたいところを取り入れてみましょう。保育士資格を取得するまででも、女性が圧倒的に多い環境で実習や指導を受けたりする場面があったと思います。
そうした場面で、周囲と上手に関係を築いている同性の先輩や指導者を参考にしてみましょう。
「自分もこのふるまいを真似してみよう」と思える具体的な行動や工夫をいくつか見つけておくと、女性が多い職場で働く際にも安心です。
Q.将来的に安定した生活が送れるか
A.役職や法人の選び方で収入は変えられます
処遇改善等加算により、経験年数やリーダー職に就くことでの加算や、自治体独自の上乗せ補助がある地域もあります。
現場で役職を得ることや給与テーブルが明確で昇給しやすい株式会社系法人や大規模な法人を選ぶことも有効です。福利厚生も整っています。
また、保育士の資格を活かして、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障がい児支援の業界への転職なども考えられます。給与水準は一般的な保育園より高く、需要も増えています。
現場での経験を10年以上積むことができれば、将来的に保育園の立ち上げ支援や現場で働く保育士さんへの研修講師などをおこなうという働き方や独立などについて考えることもできるようになります。
保育園の立ち上げ支援やコンサルは、安定して依頼が入るとは限らないので、副業的に取り組むことをおすすめします。
Q.女の子の着替えやトイレ介助など、保護者から不安に思われないか心配
A.個人ではなく園の仕組みとして確認する問題です
子どもへの性加害は、社会的にも大きな問題となっています。法整備やガイドラインの策定など、社会全体で防止に向けた取り組みが進められています。
就職活動では、「貴園では、子どもの性被害防止に、どのような取り組みをおこなっていますか」「職員向けのガイドラインや研修はありますか」など、園としての取り組みについて確認してみるとよいでしょう。
こうした園の姿勢や仕組みは、新人保育士への指導・育成にも表れます。
また、職員が安心して適切な保育をおこなうことや、保護者との信頼関係を築くことにもつながります。子どもへの性加害防止を、特定の保育士個人の責任に委ねるのではなく、園全体で取り組むことが重要です。
また、男性保育士であることだけを理由に疑いや偏見を向けることも、望ましい対応とはいえません。性別にかかわらず、すべての保育士が適切に子どもを守れる仕組みが整っているかを確認することが大切です。
Q.男性保育士ならではの強みや求められる役割はある?
A.父親の相談役や子どものロールモデルになれます
迎えに来た保護者の父親が男性保育士に声をかけやすいケースがあります。
また、家庭に父親がいない子、父親との関係が薄い子も一定数います。「かかわってくれる大人の男性」は非常に貴重な存在です。
「こういう大人になりたい」と子どもにとってのロールモデルのような存在になることもできます。
男性の保育士の働きやすさを押さえてベストな選択肢を見極めよう
今回紹介したデータはあくまで統計に過ぎず、実際の働きやすさやキャリア例はそれぞれの園で異なります。
重要なのは、こういった傾向があることを踏まえたうえで自分が求める条件や要素は何かを明確にすることです。給与を優先するのか、勤務地の安定を優先するのか、将来的なマネジメントを見据えるのかで選ぶべき園は変わります。
まずは、気になる園の見学や採用サイトの確認を通じて、男性職員の在籍人数と採用実績を調べるところから始めてみてください。
本コンテンツにおける編集方針
近年では「ダイバーシティー&インクルージョン(D&I=多様性と社会的包摂)」およびジェンダー尊重の重要性が増しており、PORTキャリアでは、就職活動・転職活動においてそうした取り組みを推進する立場をとっています。
本コンテンツでご紹介する就職活動、転職活動に関連するノウハウ、マナー、対策等の情報は、特定の価値観を押し付けたり個性を損なわせる目的でなく、情報提供及び選択肢の提示であることをご理解いただき、情報の取捨選択については、あくまでそれぞれの価値観ないし個性に基づいて判断いただければ幸いです。
※PORTキャリアのダイバーシティ&インクルージョンな 就活を推進する取り組みについてはこちらにて詳しく説明しています
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi






アドバイザーのリアル・アドバイス!女性が多い環境に違和感がないかを判断の軸にしよう
キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
板谷 侑香里
プロフィールを見る保育士の専門学校出身の方は女性達が多いなかでの生活を送ったことがあるので、その延長の環境だと考えていただければと思います。
国家資格を個人で勉強して保育士資格を取得された方は、あまり雰囲気が掴めないかもしれないですが、保育士という職種は女性の多い職場であることがほとんどです。
女性が多い職場のなかで、女性と日常会話をしたり、関係構築するうえで特に違和感がない、むしろ女性達といる方が居心地が良いという方であれば特に問題はないと感じています。
男性保育士の採用実績がヒントになる
どうしても男性職員は少ないので、職場で力仕事をしたり、「男性だから」と言われてしまう場面はあるかもしれません。企業内保育園などは、比較的給与水準が高く、土日祝日の休暇や有給休暇などが取りやすいケースもあります。
一般的に、小規模園は家庭的で密な雰囲気です。一方、大規模・企業内保育は分業が進んでいて働きやすい傾向があります。男性保育士の採用実績が複数ある園を選ぶと馴染みやすいのではないでしょうか。