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零細企業の年収はどのくらいですか?
就職活動を控えている大学3年生です。
零細企業は年収が低いというイメージがあるのですが、実際はどうなのでしょうか? ネットで調べても、明確な情報が出てきません。
就職先の選択肢に入れるかどうか迷っているので、ぜひ実態を教えてください。
※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています
一概には言えない! 会社の規模より収益性が年収に影響を与える
零細企業の年収は、公開されているデータが少ないため一概には言えませんが、会社の規模よりも「どの業界か」「どれだけ利益が出ているか」「どんな職種か」「どの地域か」といった要素で大きく変わるのが実情です。
そのため、たとえ小さな会社でも、独自の高い技術力を持つニッチな分野で活躍している企業やメーカーが直接消費者に製品を販売する直販モデルでは、安定した高い年収を得られるケースも少なくありません。
すべてを含んだ実質的な年収で判断! 内定前には過去数値を見て判断しよう
企業を選ぶ際は、提示された給与額面だけでなく、基本給と残業代の扱い、賞与の計算方法や昇給の過去実績、各種手当の有無、福利厚生まで含めた「実質的な年収」がいくらになるかを確認することが大切です。
また、総労働時間も確認し、時給に換算して考えてみると、その待遇が適正かどうかの判断がしやすくなります。加えて、そこで身に付くスキルの価値や、任せてもらえる仕事の幅、経営者と近い距離で働けるといった、お金以外のやりがいも重要な判断材料になるでしょう。
最終的に内定を承諾する前には、労働条件が明記された労働条件通知書を提示してもらい、過去3年間の賞与・昇給実績なども確認できると、より安心して入社を決断できるでしょう。
公的データで全体像を把握! 企業によって給与基準は異なるため注意
非上場企業の年収について、明確な情報が見つからず悩まれているのですね。実は、厚生労働省が毎年発表している「賃金構造基本統計調査」という非常に信頼性の高い公的なデータがあります。
この調査の中には、企業の従業員数で規模を分けた「企業規模別」の平均給与データが含まれており、上場・非上場にかかわらず、企業規模ごとの給与水準の全体像を把握するのに役立つでしょう。
たとえば、令和6年の「企業規模、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び企業規模間賃金格差」では男性の平均月収は大企業(1,000人以上)で約40万円、中企業(100~999人)で約36万円、小企業(10~99人)で約32万円と、規模によって給与水準に差がある傾向が明確に示されています。
ただし、これはあくまで全体の平均値であり、数名のスタートアップでも大きな利益を上げていれば給与は高いですし、企業によって給与体系はさまざまです。
給与のみで選択肢を狭めるのはおすすめしない! 仕事のやりがいも重視しよう
就職活動の最初の段階では、こうした平均データだけで応募する企業を絞ってしまうのは非常にもったいないと私は考えています。
給与も大切ですが、仕事内容が自分の興味と合っているか、やりがいを感じられるか、そして職場の環境が良いかといった点も、会社の規模とは関係なく存在するからです。
まずは広い視野で企業を探し、数字だけではわからない価値観の合う会社を見つけることをお勧めします。
零細企業の特徴やメリット・デメリットは、こちらの記事で詳しく解説しています。零細企業への就職・転職で後悔しないコツも解説しているので参考にしてみてください。
以下の記事では大企業と中小企業の違いを解説しています。企業規模による違いを確認したい人はぜひ読んでみてください。
次のQ&Aでは、日本の零細企業の割合についてキャリアのプロが回答しています。併せて確認してみましょう。