この記事のまとめ
- 零細企業の法的な定義はないが資本金や従業員数で決まる
- 零細企業には大企業と異なるメリット・デメリットがある
- 零細企業に就職・転職したときの将来性を理解しておこう
現職で自分の実績が企業に貢献できているのかわからなかったり、思うように成長できなかったりして、零細企業への転職を考えている人もいるのではないでしょうか。
零細企業とその他の企業では、働き方や福利厚生面などで大きく異なる傾向があるため、理解したうえで就職・転職活動を進めないと、入社後に後悔する可能性があります。
この章では、零細企業の特徴やメリット・デメリットをキャリアコンサルタントの西さん、隈本さん、桑田さんと一緒に解説します。自分に零細企業が合っているのかを見極め、転職活動するかの判断をしましょう。
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零細企業のメリット・デメリットを理解して自分に向いているか考えよう!
企業規模によってメリットやデメリットがどのように異なるかを理解することにより、自分に合っている企業が判断しやすくなり、就職・転職がうまくいく可能性が高まります。
なかでも零細企業は特に規模が小さい企業である分、特徴的なメリットやデメリットが目立つため、どのような特徴があるかを理解しておくと就職・転職の方向性を見定めやすくなります。
しかし、零細企業について具体的に理解できていない人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事の前半では、零細企業の定義や企業規模別で大企業・中小企業・ベンチャー企業との違いを解説します。そもそも零細企業とは何なのかを理解し、実際の働き方をイメージしてみましょう。
そしてその後で、零細企業のメリット・デメリットや零細企業への就職・転職を成功させるポイントを解説します。記事を最後まで読めば、零細企業へ就職・転職するときに後悔しない方法が理解できます。
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零細企業とは? 資本金や従業員人数で決まる定義

法的に定められた零細企業の定義はありませんが、一般的には中小企業基本法の小規模企業社に分類されることを条件とする場合が多いです。
業種 | 中小企業基本法での従業員数の定義 |
---|---|
製造業・運輸業・建設業・その他の業種 | 20人以下 |
卸売業 | 5人以下 |
サービス業 | 5人以下 |
小売業 | 5人以下 |
上記に加え、資本金が1,000万円以下の企業を零細企業と呼ぶことが一般的です。
- 興味のある企業が零細企業といえるのか判断ができません。
ベンチャー企業やスタートアップ企業との違いを区別しよう
零細企業は、規模的に小さいことが定義に含まれます。
似たものとしてベンチャー企業やスタートアップ記号という言葉もあり、それらも小規模から始まることがほとんどなので、零細企業の範疇に入るものが多いかもしれません。
しかしこれらは単に規模の話だけではありません。
ベンチャー企業はは新たな技術やアイデアで新しい価値を世の中に広める企業であり、スタートアップ記号は急成長の見込めるビジネスを展開することを目的とした企業です。
一方で零細企業という言葉には、比較的従来型のビジネスを地域密着で小さく展開しているというイメージがあるともいえます。
規模の情報はホームページ(HP)や採用情報から得られます。見学やインターンシップを受け入れている会社もあるので利用してみましょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
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企業規模別! 零細企業との違い
企業規模別! 零細企業との違い
- 大企業との違い
- 中小企業との違い
- ベンチャー企業との違い
零細企業の存在は知っていても、大企業や中小企業とは何が異なるのか疑問に思う人もいるのではないでしょうか。あるいは、少人数で働くのであればベンチャー企業も同じではないかと考える人もいるかもしれません。
この章では、零細企業と大企業・中小企業の違いを解説します。入社してから認識の違いを感じることのないよう、事前にしっかりと理解しておきましょう。
大企業との違い
零細企業と大企業の区別において、法的な線引きはありません。しかし、一般的に大企業と零細企業で大きく異なる点として、資本金が挙げられます。
会社法では、大会社の定義として最終事業年度の資本金が5億円以上または負債200億円以上と記載されています。一方で、零細企業の資本金は1,000万円以下が多いです。
ほかにも、零細企業は大企業とは異なり従業員人数が少ないため、事業内容が限定されている場合があります。大企業では一般的に複数の業務に分かれている事務や総務も、零細企業では同じ社員が対応する体制としていることがあります。
大企業から零細企業に入社を希望する場合は、賞与や昇給があるのかどうかを確認しておきましょう。
また、一人で複数の役割を兼務することになるので、やりがいがある反面、大変さを感じる可能性があることも理解しておいてください。
経営者との距離が近いので、意思決定のスピードに驚くかもしれません。
大企業の定義をより詳しく知りたい人は、下記の記事で解説しているため、働くメリットも踏まえて理解しておきましょう。
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大企業の定義、中小企業やみなし大企業、大手企業、上場企業との違いをキャリアコンサルタントとともに解説。見分ける方法や、大企業で働くメリットや企業選びの注意点についても詳しく説明します。
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中小企業との違い
零細企業と中小企業にも、法律的な線引きはありません。そのため、零細企業は一般的には中小企業のなかに含まれます。中小企業のなかでも従業員人数が少ない企業を零細企業という場合が多いのです。
なお、中小企業と大企業は、中小企業基本法では下記のように区別されています。
業種 | 中小企業基本法での定義 |
---|---|
製造業・建設業・運輸業・その他の業種 | 資本金や出資の総額が3億円以下の企業、または常時使用する従業員が300人以下の企業・個人 |
卸売業 | 資本金や出資の総額が1億円以下の企業または常時使用する従業員が100人以下の企業・個人 |
小売業 | 資本金や出資の総額が5千万円以下の企業または常時使用する従業員が50人以下の企業・個人 |
サービス業 | 資本金や出資の総額が5千万円以下の企業または常時使用する従業員が100人以下の企業・個人 |
大企業と中小企業の違いがわかりにくいという人は、下記の記事で違いを詳しく解説しています。
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ベンチャー企業との違い
零細企業が法律で定義されていないのと同じように、ベンチャー企業も法的な区分はありません。
一般的には、ベンチャー企業は今までにないようなアイデアや技術を社会に提供することを目的としています。そのため、成長途中にある企業を指すことが多いです。
ただし、ベンチャー企業も事業規模としては中小企業の定義に含まれることが多いため、分類上は零細企業と大きな違いはありません。
異なる点としては、零細企業はベンチャー企業に比べてマニュアルや仕事内容が決まっている場合も多いということです。
また、ベンチャー企業は将来的に事業規模の拡大を考えている場合が多いものの、零細企業は現在の事業を安定的に継続することを優先し、事業規模の拡大はそこまで考えていないケースもあります。
安定志向なら零細企業、チャレンジ志向ならベンチャー企業がおすすめです。
零細企業は比較的アットホームな環境で、一つの仕事をじっくり極めたい人や幅広い業務を経験したい人に向きます。
一方でベンチャー企業はスピード感があり、若手でも裁量を持って働けるため、成長意欲が高く変化を楽しめる人向きです。
ベンチャー企業に興味がある人は、働き方を理解しておくことで零細企業と比較しやすくなります。こちらの記事ではベンチャー企業について解説しているため、ぜひ参考にしてください。
ベンチャー企業の魅力
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ベンチャー企業に向いている人
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既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
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理解しておくと選びやすい! 零細企業の特徴
零細企業の特徴
- 地域に密着する仕事がしやすい
- 経営者との距離が近い
- 顧客との距離が近い場合が多い
零細企業の特徴を理解しておくことで、自分に合った企業なのかが判断しやすくなり、就職活動が進めやすくなります。零細企業は、経営者や顧客との距離が大手企業とは大きく異なるため、働き方や仕事のやりがいなどにも違いが生じやすいです。
ここからは、零細企業の特徴を3つ解説します。大手企業とは何が異なるのかを理解しておき、実際に就職・転職をするのかを考えるきっかけにしてください。
地域に密着する仕事がしやすい
零細企業は、大企業や中小企業に比べると在籍する社員の人数が少ないため、事業エリアの拡大がしにくいという特徴があります。事業エリアを拡大しにくいことはデメリットのように見えますが、一方で地域に密着した仕事ができるのです。
そのため、自分が住んでいる地域や思い入れのある地域などを活性化させたい人にとって、零細企業の仕事はやりがいを感じられる可能性が高いです。
また、地域に密着した仕事である分、転勤の可能性が少ないという特徴があります。大企業や中小企業では企業の指示によって転居の可能性が比較的高いですが、零細企業であれば同じ場所で長く勤めやすいといえます。
経営者との距離が近い
零細企業は全体の社員人数が少ないため、経営者と近い距離で仕事ができます。つまり、経営者が企業を運営するときの判断を間近に見ることができ、働き方や考え方を学びやすいのです。
また、経営者と近い距離で仕事ができるということは、事業の全体像を把握したうえで業務が進められるということです。結果として、一社員でありながら経営者に近い目線を持って働けるため、急速に成長できる可能性が高いのです。
任せられる仕事の裁量も増えるため、重要な事業にかかわり、より大きな仕事を任せてもらえるチャンスも増えます。
顧客との距離が近い場合が多い
地域に密着した事業を展開することが多い零細企業では、顧客との距離が近い点も特徴です。顧客と近い距離で接して信頼関係を築ければ、製品やサービスのリピートにつながります。
結果として顧客から直接意見を聞く機会が増え、自社が次に開発する製品やサービスを考えるアイデアにつなげやすくなるのも、零細企業の特徴です。
大企業や中小企業では、働いていてそれぞれの顧客と密に接する機会が少ない場合も多いため、顧客一人ひとりの顔を見ながら密度の高い仕事がしやすい点は、零細企業の大きな魅力といえます。
零細企業は、仕事の面では経営者感覚が身に付き、幅広く成長できる点は良いといえます。
一方で労務面はいい加減な場合があります。雇用条件が口約束になったり、就労規則も明示されなかったりします。
トラブルを未然に防ぐためにも、物事に対してきちんと書類を交わすことが重要です。
魅力を感じるかチェックしよう! 零細企業に勤めるメリット5選
零細企業は事業規模の小ささから、どのようなメリットがあるのか想像しにくいという人もいるのではないでしょうか。零細企業の持つメリットを理解しておくことで、入社後の自分の姿が想像しやすくなり、ミスマッチを避けることにもつながります。
ここでは、零細企業に勤めるメリットを解説します。内容に魅力を感じるかを考え、企業選びの参考にしましょう。
①企業の経営を間近で学べる
零細企業は少ない従業員人数で仕事を進めていくため、会社を経営する社長の姿を間近で見ることができます。そのため、企業を経営していくための判断能力や働き方を目の前で学べるのです。
経営者の判断を間近で見られるという点は、自分自身が重大な判断をしなければいけなくなったときに、「社長ならこう考える」と決定できる材料になります。自分が起業した際にどのように経営していくかを考えるうえでの学びにもなるかもしれません。
このように、大企業や規模の大きめな中小企業に勤めるときよりも、会社を経営する方法を間近で学ぶことができます。
- 経営者の姿を間近に見て働くことにどのようなメリットがあるのですか?
経営者視点を吸収でき自身の成長につながる
経営者というと、マスコミでもてはやされるカリスマ経営者を思い出すかもしれませんが、実際は地道に努力して会社を経営されている人がほとんどです。
そして、「私も普通の人間です。うまくいかなくて泣くこともあります」など、人間味のある人が非常に多いです。
企業は従業員やその家族を養う責任があるので、経営者がどのように判断するのかを見るのも勉強になります。
また、零細企業のなかには経営状況が厳しいところもありますが、どのようにしてピンチを乗り越えていくのかを見ることで、自分の成長にもつながります。
②任せられる仕事の幅が広く成長しやすい
従業員数が多くないからこそ、零細企業では一人の社員にさまざまな仕事を任せられることが多いです。
たとえば、大企業では顧客に対して営業をおこなう場合、必要な資料の作成は営業事務が対応するかもしれません。一方で、零細企業では自分で資料や契約書の作成も含めておこなわなければいけない場合があります。
対応する業務範囲が広いと面倒に感じる人もいるかもしれませんが、その分成長する機会も多くなります。その結果、事業規模の大きい企業に勤めた人よりも早く成長して、さまざまな能力を身に付けられる可能性が高まるのです。
③自分の成果が企業の成長につながりやすい
零細企業では、社員が出した結果がそのまま事業の成長につながるチャンスが多いため、やりがいを持って働きやすいというメリットがあります。
大企業や規模が大きめな中小企業では、営業活動や新しいサービスの開発をおこなったとしても、目に見えて企業が成長しているとは実感しにくいのが一般的です。
しかし零細企業であれば、自分が出した結果が持つ数字の割合が大きかったり、サービスや製品の数が目に見えて増えたりするため、企業の成長や貢献につながっている点を実感しやすいのです。
④社員の意見が上層部に届きやすい
上層部と距離が近い零細企業であれば、「会社をもっと良くしたい」「製品やサービスのここを改善したい」といった意見が届きやすいのもメリットの一つです。
規模の大きい企業になると、社員一人が意見を持ったとしても、社長や役員などの決裁権を持つ人に、確実に意見が届くとは限りません。一方で、零細企業は経営者の間近で働く時間が多いからこそ、意見を直接伝えやすいのです。
自分の持った意見が企業に反映されれば、やりがいを感じるだけでなく、会社を良くするために意見を出そうという積極性を持つこともできます。
零細企業は、与えられた仕事をただこなすのではなく、自分で考え意見を出していく能力が成長しやすい環境といえます。
⑤昇給や昇進の機会が多い可能性がある
零細企業は全体的な従業員人数が少ない分、ライバルが少なく昇進のチャンスが多くなる可能性があります。経営者が間近にいる環境で成果を出せば評価に直結しやすく、昇給・昇進にもつながりやすくなります。
大企業や規模が大きめの中小企業では、部長や課長などのポジションが空いた場合でも、ほかのライバルがいれば昇進できるとは限りません。一方で、零細企業ではライバルとなる相手が少ないため、実力次第で昇進のチャンスを得やすいのです。
昇進が早ければ多くの裁量が与えられ、仕事に対してやりがいを感じる場面もさらに増えていきます。他社に勤める同年代よりも大きな裁量が与えられ、大きく成長できる可能性もあるのです。
- 零細企業は大企業や中小企業よりも早く昇進できる可能性がありますか?
零細企業は平均して昇進ペースが早い傾向にある
零細企業は従業員が少ないため、若くして役職に就ける可能性はあります。
取引先と交渉する際、それなりの役職がないと信頼が得られないといった事情もあり、かなり早く昇進する人もいます。
たとえば、20代後半~30代前半で課長職になることも珍しくありません。大企業の課長職昇進は40代、中小企業の場合は30代後半が目安のため、零細企業の昇進は比較的早いといえます。
しかし役職に就いたからといって、それに見合うだけの能力や経験が身に付いているとはいえない場合もあり、身の丈に合わない役回りに苦労することもあるかもしれません。
ただし、それによってまた成長できることもあるでしょう。昇進の早さ云々ではなく、零細企業の環境が合うかどうかを総合的に見極めて選ぶことが大切です。
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良い面ばかりではない! 零細企業に勤めるデメリット5選
ここまで説明したようにメリットの多い零細企業ですが、その反面デメリットも存在します。デメリットを理解しないまま入社してしまうと、イメージと異なり後悔してしまう可能性が高いです。
ここからは、零細企業に勤めるデメリットを5つ解説します。デメリットを理解したうえで、「それでも零細企業にチャレンジしたい」という気持ちがあるかを考えてみましょう。
①一人あたりの仕事の負担が大きい
零細企業は従業員人数の少なさから、社員一人ひとりに与えられる仕事の負担が大きくなる傾向があります。
たとえば大企業であれば、契約が決まった顧客への契約書の作成や送付を営業事務に任せられるかもしれません。しかし、零細企業の場合はすべて自分で対応することになる可能性が高いです。
企業が成長するために営業に力を入れたいと思っていても、ほかの雑務にも注力する必要があるため、やりたいことだけができる環境ではないかもしれません。
またその分、覚える仕事の種類が多いため、「パソコンが苦手」「新しいことを吸収するのが苦手」といった苦手意識があると、苦労する可能性があります。
②教育制度が整っていない可能性がある
大企業や規模の大きい中小企業では、入社前の研修や部署へ配属後のメンター制度など、教育体制が整っていることも多いです。
一方で、零細企業はそもそも入社する人数が少ないため、入社前研修を実施していないなど、教育制度が整っていないケースもあります。
その場合、実際に仕事をしながら業務を覚えていく可能性が高いです。入社して間もない間は先輩社員からの丁寧な教育を受けられるかもしれませんが、大企業に比べるとつきっきりの指導が難しいケースもあります。
零細企業で教育制度が十分に整っていない分、困ったときにすぐ相談するよう意識することを心掛けましょう。
零細企業は、社内での研修が十分におこなわれていないところがほとんどです。社員教育にかける費用よりも、ほかのところで費用をかけることが多いです。
そのため、教育については「自分で頑張れ」となりますが、最近では外部講師を呼んで研修を始めているところもあります。
③大手企業に比べて福利厚生が整っていない場合がある
企業を選ぶ際は、有給休暇の日数や退職金など、福利厚生面を重視する人もいるのではないでしょうか。
しかし零細企業は、大企業や中小企業と比べると福利厚生が充実していない可能性があります。零細企業でも社会保険の加入はありますが、ボーナスや退職金制度はないことも考えられます。
大企業や中小企業の場合は、企業によってはテーマパークチケットや旅行先のホテル料金の割引といった充実した福利厚生が用意されているかもしれません。そのような福利厚生を魅力的に思う人は、零細企業の福利厚生を不満に感じやすいです。
零細企業は福利厚生が限定的で、退職金や住宅手当がないといった会社は少なくありません。
手厚い福利厚生を求める人には不向きですが、最低限の社会保険や柔軟な働き方で十分な人には向いているかもしれません。
世の中の企業が導入している福利厚生の詳細については、下記の記事で解説しています。
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④年収が低い可能性がある
国税庁が発表する民間給与実態統計調査によると、令和3年における日本人の平均給与は約443万円となっています。しかし、事業所規模別の平均給与を見ると、零細企業に該当する従業員人数が10名以下の事業所では約358万円が平均給与です。
同じ事業所規模別の平均給与で従業員人数が5,000人以上の企業では、平均給与が約515万円となっていて、事業規模が小さいほど年収が低い傾向にあるとわかります。
ただし事業規模と年収の関係はあくまで傾向のため、一つの目安としてとらえてください。
いずれにしても零細企業の給料に不安を感じる人は、年収が下がってもなお入社したいほかの魅力があるかどうかを事前に整理しておきましょう。
年収以外の要素も併せて零細企業を目指すかどうか判断する際は、企業研究ノートを作成するのがおすすめです。こちらの記事では企業研究ノートの作成方法を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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企業研究ノートは企業選びと選考対策に有効! 就活は情報戦で情報を収集するだけでなく、いかに活かせるかが重要です。記事では企業研究ノートの作り方、必須の情報16項目から情報収集の方法まで、キャリアコンサルタントのアドバイスも交えて解説しています。企業研究ノートで情報を整理し、企業研究を効率的に進めましょう。
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以下の記事では給料が高い仕事の種類や就活のコツを解説しているため、併せて参考にしてください。
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⑤倒産のリスクが高い可能性がある
零細企業は企業規模が小さいため、一つのトラブルや売り上げの低迷が企業の存続に大きな影響を与える可能性があります。
また、零細企業は企業規模が小さい分、大企業や中小企業のように複数の事業に注力できるとは限りません。
事業の幅を広げにくいことで、その業界が衰退した場合に倒産リスクが高くなるのです。入社した後に企業が倒産してしまえば、当然のことながら再度転職が必要になります。
こうしたリスクをできるだけ抑えるためにも、零細企業への就職・転職を検討する際は、一つの事業に依存しすぎず時代の変化などに応じた柔軟な対応を取っているなどリスクヘッジできている企業かどうかをチェックしておくのがおすすめです。
- 零細企業に勤めるか悩んでいますが、倒産リスクが不安です。どのように調べれば倒産リスクの高さがわかりますか?
決算書や帝国データバンクから情報収集しよう
決算書が入手できるならば決算書を読むことで倒産リスクを予測しやすくなります。また、有料になりますが帝国データバンクも活用できます。
それらが難しい場合、次の2つのことをしてください。
1つ目は、経営者の発言・行動を見ることです。
経営者の発言・行動に一貫性があるのかどうかや、ホームページ(HP)の会社紹介に掲載されている言葉と実際の経営者の言動に矛盾はないかを見てください。
2つ目は、競合他社の動向です。口コミなどを拾って判断するのも良いかもしれません。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
職業選択においてやりたいことはもちろんですが、その中でも適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうため適職への理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業と低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみよう!
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・時間をかけずに自己分析をしたい人
専門家が解説! 零細企業に就職・転職した場合の働き方や将来性は?
零細企業の知識が身に付いても、実際にどのように働くことになるのか、将来性はあるのか不安に思う人もいるのではないでしょうか。周囲に零細企業で働いている人がいなければ、想像しにくいでしょう。
そこでこの章では、キャリアコンサルタントの隈本さんに、零細企業に就職・転職した場合の働き方や将来性を解説してもらいます。就職・転職後のキャリアまでしっかりと見すえたうえで、零細企業を目指すかどうか判断しましょう。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る零細企業は大手企業では経験できない働き方が魅力
周囲に零細企業で働く人がいなければ、具体的な働き方や将来性をイメージしにくいかもしれません。しかし、零細企業で働くと成長のチャンスが多く、大手企業とは異なる魅力があります。
零細企業は一人ひとりの裁量が大きく、幅広い業務を担当する機会が多いという特徴があります。
たとえば営業職であっても、経理や総務の業務を一部兼任することがあり、役割が固定されていないことが一般的です。
働くうえでは大変と思うかもしれませんが、会社全体の仕組みを理解でき、経営視点が身に付きやすいメリットがあります。
また、少人数の環境だからこそ経営者との距離が近く、自分の意見が会社の方針に反映されやすい点も魅力です。
零細企業は実践的なスキルを武器にキャリアを広げやすい
一方で、零細企業の将来性を考える際は「その会社が成長する余地があるか」「どんなスキルが身に付くか」を意識しましょう。企業の安定性は、業界の動向やビジネスモデルをチェックすることである程度予測できます。
また個人の成長という観点では、大企業のような体系的な研修制度は少ないものの、実践的な業務を通じて短期間でスキルを身に付けられる点が強みです。
幅広い経験を積むことで、将来的に転職や独立といった選択肢も広がりやすくなります。
自分の適性を判断しよう! 零細企業で働くことが向いている人
零細企業で働くことが向いている人
- 自分の成長を重視する人
- 主体性を持って行動できる人
- 企業に貢献する実感が欲しい人
- 会社経営を学びたい人
零細企業の働き方に興味があっても、自分に向いているのかが判断できず、一歩踏み出せない人もいるのではないでしょうか。入社してから適性のなさに気付けば苦労したり後悔したりする可能性があるため、事前に向き不向きを理解しておくことが大切です。
ここでは、零細企業で働くことが向いている人を解説します。自分が当てはまるかを考え、零細企業との相性を見極めましょう。
自分の成長を重視する人
零細企業に勤めると幅広い仕事を任せられることが多いため、大企業や中小企業で同等の職種の仕事をしている人よりも早く成長できる可能性があります。
さらに、零細企業は成果を残せば昇進できる可能性も高く、自分が成長していることを実感しやすい点も魅力です。
一方で大企業や中小企業では、成果を上げていても上層部の目に留まるとは限りません。結果として零細企業ほど評価に直結しない可能性があり、成長ややりがいを実感しにくいかもしれません。
また、大企業や中小企業では業務が細分化されている分、一人あたりの担当範囲が狭く、幅広いスキルを身に付けられない可能性があります。
なるべく多くの担当範囲で知識や技術を幅広く身に付け成長していきたい人にとって、零細企業は向いている可能性が高いです。
主体性を持って行動できる人
零細企業では、一人ひとりに任せられる仕事の幅が大きい分、自分で目的を考えて行動する主体性がより必要とされます。社員一人ひとりが主体性を持って仕事をしなければ、零細企業は事業規模が拡大せず衰退していく可能性もあるのです。
自分に主体性があるのかうまく判断できない人は、自分で決めた目標に対して努力した経験があるかを振り返りましょう。たとえば、資格勉強や貯金、ダイエットなど、自分の意思で目標を決めて取り組んだ経験があれば、主体性が高いといえます。
このように、主体性を持って行動した経験がある人ならば、零細企業に勤めた場合でも自分でやるべきことを考え行動していくことができるため、向いている可能性が高いです。
自分に主体性があるか悩む場合は、下記の記事を参考に主体性を持って行動したエピソードがないか考えましょう。
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企業に貢献する実感が欲しい人
自分のおこなった業務が、目に見えて企業の成長につながることにやりがいを感じる人は多いものです。零細企業に勤めた場合、自身の考えたサービスや製品が顧客に喜ばれる姿を間近に見ることができ、企業に貢献していることを実感しやすいです。
大企業や中小企業では、自身の業務が企業や社会にどのように貢献できているのかが目に見えにくいこともたびたびあります。
企業に貢献する実感にやりがいを感じるかどうかは、人それぞれの価値観にもよります。過去に誰かを助けたりして実際に感謝されたことに強い喜びを感じたなどの経験がある人は、零細企業が性に合っているかもしれません。
また、どのような仕事にやりがいを感じるかも人それぞれです。こちらの記事では、一般的にやりがいのあるとされている仕事を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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会社経営を学びたい人
人によっては、将来的に自分の会社を立ち上げたいと考えている人もいるのではないでしょうか。零細企業では経営者を間近に見ながら仕事ができるため、自分が起業したときの姿を想像して業務に取り組むことができます。
特に、勤めている零細企業と同じ業界で働きたいと考えている場合は、経営者が持つノウハウや業務のスキルを積極的に吸収することで、それらを直接的に起業に活かしやすくなります。
経営者から得たノウハウを応用すれば、自分が起業してからも安定した経営ができる可能性が高まるのです。
将来的に自分の会社を立ち上げたいと考えている人は、零細企業で知識やスキルを身に付けつつ経営のノウハウを理解することで、夢がかなう確率が高まります。
零細企業に勤めて活躍している人の共通点としては、「自分の将来に目的を持って仕事ができる」「会社で起こることを自分事としてとらえられる」「独立心旺盛である」「事業展開や企画を自分で考えて試していける」「経営者のやることを見て自分ならどうするか常に考える」が挙げられます。
企業選びの指針! 零細企業への就職・転職を成功させるポイント
零細企業への就職・転職を成功させるポイント
- 企業の将来性を確認する
- 自分のスキルを活かせる環境かを確認する
- キャリアプランを明確にしておく
零細企業への就職・転職を成功させるためには、自分が目指す未来を明確にして、その道筋に合っている企業なのかを判断する必要があります。
零細企業は規模が小さい分、社員一人あたりが事業の運営に与える影響はきわめて大きい傾向にあります。
そのため、なぜその零細企業を選んだのかを明確な根拠をもとに説明できなければ、企業側からの納得感を得ることは難しく、就職・転職の成功には近付けません。
そこでこの章では、零細企業への就職・転職を成功させるポイントを3つ解説します。自分に合った零細企業への就職・転職をかなえるためにも、チェックしておきましょう。
企業の将来性を確認する
零細企業は大企業や規模の大きな中小企業に比べると倒産リスクが高い可能性があるため、入社する前に将来性の確認は欠かせません。
将来性を確認しないまま入社すれば、思ったよりも安定していない企業と気付いて後悔したり、再度就職・転職を迫られる可能性があります。
企業の将来性を確認するためには、財務諸表のデータを見て業界自体が衰退していないかを確認するのがおすすめです。財務諸表を見たときに、赤字が続いていて利益が増えていない場合は、企業がここ数年成長できていないということかもしれません。
ほかにも、口コミサイトやOB・OGの意見、取引先を調べることで、企業の実情が理解できる可能性があります。複数の方法を併用して、なるべく多くの情報を集めましょう。
自分のスキルを活かせる環境かを確認する
新しい環境に身を置いたとしても、自分の持っているスキルや知識を活かせなければ零細企業で活躍することは難しくなります。
零細企業は社員一人に求められるスキルの幅や責任範囲が広いため、自分の強みを活かせないと精神的負担を感じたり効率良く成長できなかったりする可能性があります。
だからこそ、すでに持っているスキルや知識が活かせる業界・職種なのかを考えて零細企業を選びましょう。たとえば、営業職であれば相手のニーズを拾い上げて事業のアイデアなどに反映する高いコミュニケーション能力が求められやすいです。
「零細企業だから」という理由で安易に決めるのではなく、「自分に合った零細企業かどうか」を見極めることで後悔のない就職・転職活動ができます。
自分の持っているスキルや知識が活かせる企業かどうかを判断する際には、企業の募集要項を見るだけでなく、会社説明会に参加して実際に質問をするのがおすすめです。
営業職であれば「こういった性格の人が欲しい」と教えてくれるかもしれません。企業の目指す方向性にも注目し、将来において役に立てるかどうかも考えてみましょう。
キャリアプランを明確にしておく
零細企業を目指す場合は、将来的に自分がどのように成長していきたいかのキャリアプランを考えておきましょう。
零細企業は企業規模が小さいため、一人の社員が多くの仕事を任せられる可能性があります。だからこそ、入社後に自分が何をしたいのかを明確にしておかないと、入社後の仕事内容にミスマッチが生じやすくなるのです。
さらに、零細企業は事業規模も小さいことから、興味のある業界でも取り扱っている製品やサービスの幅が狭く、イメージとのギャップを感じることもあるかもしれません。
やりたい仕事が明確な場合は、自身の興味や描くキャリアプランと零細企業の事業内容がマッチしているかどうかをしっかりと確認しておきましょう。書類選考や面接の場でもこういった長期的な考えを伝えることで、企業側も納得感を得やすくなります。
私の場合、「独立しても働けるだけの経験スキルの習得」を軸にキャリアプランを考えてきました。
具体的な職種が決まっていなくても、「裁量のある仕事がしたい」「安定した収入を得たい」など、自分がどうありたいかを考えると、進むべき方向が見えてきます。
そこから必要なスキルや経験を逆算し、「この会社で学べることは何か?」を考えるとキャリアプランが立てやすくなります。
キャリアプランの考え方がわからない人向けに、こちらの記事で見つけ方のコツを解説しています。
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キャリアのプロが解説! 零細企業への就職・転職で後悔しないコツとは
就職・転職は大きな選択だからこそ、後悔したくないと思う人は多いものです。入社してから理想とイメージと違うことに気付き、自身のキャリアに迷う人も少なくありません。
そこでこの章では、キャリアコンサルタントの西さんに、零細企業への就職・転職で後悔しないコツを解説してもらいます。後からほかの企業にすれば良かったと後悔しないよう、あらかじめチェックしてみてください。
アドバイザーコメント
西 雄一
プロフィールを見る零細企業への就職・転職に対する周囲からの反対に備えよう
零細企業への就職・転職を検討する際に、まず乗り越えなければならないのは「周囲からの反対」です。
親や友人から「もっと大手の企業にしなさい」と言われることもあるでしょう。それは「零細企業に就職・転職したら大変じゃないのか」という心配からきています。
その心配をかき消すために、周囲を説得する準備をしなければなりません。
零細企業へ就職・転職したのはなぜなのか、その理由を明確にしましょう。つまり、自己分析をおこなうと同時に、企業分析を徹底しなければなりません。
零細企業を選んだ決定的な理由を明確に言語化するのが重要
零細企業はシステム・社風・福利厚生・働き方が大企業とは異なるため、勤めて後悔しないように事前リサーチが必要です。
自己分析においては、零細企業だからこそ発揮できる自分の力を、過去の経験から知っておかなければなりません。
零細企業は変化が激しく、複数の業務を柔軟におこなう場面が多くあります。しかし変化に弱い性格であるならば、もしかすると零細企業で働くのは困難かもしれません。
周囲の人にも理解してもらえるように、さまざまな角度から自己分析・企業分析し、十分に対策を練ってください。
行動の流れを理解! 零細企業への入社をかなえる4つのステップ
零細企業への入社をかなえる4つのステップ
- 自己分析でなぜ零細企業への就職を目指すのか明確にする業界
- 企業研究を重ね自分に合った零細企業を見つける
- 今までの経験から零細企業で役立つエピソードを考える
- 入社後の活躍イメージを明確にして選考を突破する
零細企業への就職・転職活動を成功させるためには、大企業では実現できない自分の目標を採用担当者に理解してもらう必要があります。志望企業の特徴や強みをきちんと理解したうえで、志望動機や自己PR内容を作り込みましょう。
ここからは、零細企業への入社をかなえるステップを4つに分けて解説します。どのような手順で進めれば良いのかを理解して、行動に移しましょう。
ステップ①自己分析でなぜ零細企業への就職を目指すのか明確にする
そもそも、大企業や中小企業ではなく、零細企業に絞って就職活動をしたいのは何か理由があるのではないでしょうか。「企業や社会に貢献できている実感を得たい」「将来的に起業したい」など、人によって零細企業に求めるものはさまざまです。
そこで以下のような自己分析を通して、自身がなぜ零細企業を目指したいのかを言語化してみてください。
零細企業を目指す理由の自己分析方法
- なぜ零細企業を目指すのか考える
- 零細企業に魅力を感じる部分を書き出す
- 魅力を感じる理由はなぜなのか考える
- 関係するエピソードを思い出す
こうした情報を整理しておくことで、後に志望動機や自己PRを考える際、より具体性のある内容になり、採用担当者に納得してもらえる可能性が高まります。
就職活動中に自分自身が「本当にこの企業で良いのか?」と疑問を持たないためにも、自分の気持ちを明確にしておきましょう。
自己分析のやり方に不安がある人は、下記の記事で詳しいやり方を解説しているため、併せてチェックしておきましょう。
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自己分析ノートの効果的なやり方4ステップ|就活での活用法も解説
この記事では、ノートを使った自己分析法のやり方がわからない人に向けて、自己分析ノートの種類やメリットを紹介しています。自己分析をノートでやるときは目的に合わせた工夫が重要です。キャリアコンサルタントとともに手順も説明するので、自己分析ノートを就活に役立てたい人は参考にしてくださいね。
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ステップ②業界・企業研究を重ね自分に合った零細企業を見つける
零細企業のなかでも事業内容はそれぞれ異なるため、業界研究や企業研究をしっかりとおこなったうえで自分に合った零細企業を見つけましょう。
たとえば、同じ営業職であってもIT業界とメーカーでは販売するサービスや製品が異なります。零細企業だからといって、あまり興味のない業界を選んでしまっては、知識や経験を積む過程の努力がつらいものになってしまいます。
自分に合った零細企業を見つけるためにも、まずは以下のように業界研究を進めるのがおすすめです。
業界研究の手順
- 気になる職種が働ける業界を書き出す
- 興味がある業界ごとに順位をつける
- 気になる業界をある程度絞ってみる
さらに、同じ業界にある零細企業でも、社風や細かな事業内容は異なるものです。企業研究を経て理解を深めることで、自分に合った環境で働けるのか、自分がやりたいことができるのかが明確になります。
企業研究で押さえるべきポイント
- 会社概要
- 事業内容
- ビジネスモデル
- 商品・サービス
- 取引先やターゲット顧客
- 業績
- 環境・制度
企業研究で気になる零細企業の特徴を洗い出した後、自分のなかで優先したい項目を並べ替えて、目指す零細企業を見定めましょう。
気になっている零細企業が自分に合っているかどうかわからない人は、自分の適性や能力を知り、それが活かせる場所かどうかを考えてみてください。
また、今後どのような生き方がしたいか考え、それがかなえられる場所かどうかを見極めることも大切です。
しかし明確な答えは出ないかもしれません。それでも踏み出してみたいという気持ちが湧いてくるかどうかも大切なポイントです。
業界・企業研究をおこなうときは、正しいやり方を理解しておく必要があります。こちらの記事を参考にして実施しましょう。
業界研究
業界研究のやり方|業界全体を捉えたうえで気になる業界を研究しよう
企業研究
企業分析のやり方を完璧にマスターする3ステップ|よくある注意点も
ステップ③今までの経験から零細企業で役立つエピソードを考える
選考で伝える志望動機や自己PRの内容を深めるために、今までの学生時代や社会人生活のなかで、零細企業に役立つエピソードを考えましょう。
新卒で零細企業への入社を目指す人は、アルバイトで主体性を持って動いた経験やゼミの研究で成果を出した内容などを伝えることで、採用担当者が学生の働いている姿を鮮明にイメージしやすくなります。
転職活動で零細企業を目指す人であれば、現職の経験を武器に「営業職で働いていて、営業方法を工夫することで同期のなかで営業成績1位になった」「製造職で勤務していて、業務効率を見直すことで生産性が20%アップした」など数字を踏まえた実績を伝えましょう。
数字を踏まえることで採用担当者が具体的なイメージをしやすくなり、自分の能力を理解してもらえます。
このように、自分が零細企業でおこないたい業務に絡めた内容でエピソードを伝えることで、入社後の姿が想像でき、採用突破が近づく可能性が高まります。
- 前職で目立った実績がありません。零細企業を目指すなら、何をアピールすれば良いでしょうか?
日々の業務を振り返ることでアピールポイントを洗い出そう
前職で目立った実績がなくても、零細企業への就職・転職の際には「業務への向き合い方」や「適応力」をアピールできます。
そのためにまず「主体性」を強調しましょう。たとえば、「業務の効率化を提案し実行した」「自発的に学びながら仕事を進めた」など、指示待ちではなく自分で考えて動いた経験を伝えることが大切です。
次に、「柔軟性」も重要です。零細企業では幅広い業務を担当することが多いため、「新しい業務にも積極的に対応した」「異動や環境の変化に適応した」などのエピソードは零細企業への就職・転職で評価されやすい傾向にあります。
また、「マルチタスク力」もアピールポイントになります。「複数の業務を同時に管理し、優先順位を考えながら対応した」といった経験があれば、零細企業で求められるスキルとして有効です。
また、零細企業への就職を目指すうえでの志望動機や自己PR作成に悩む場合は、こちらの記事を参考に実際に内容を考えてみましょう。
志望動機
志望動機例文35選|基本とプラスアルファで差別化するコツ
自己PR
例文20選|自己PRが簡単に書けるテンプレートで就活準備を効率化
ステップ④入社後の活躍イメージを明確にして選考を突破する
零細企業への就職を志す場合は、入社後に自分がどうなりたいかを考えておきましょう。入社後に何をやりたいかという部分を採用担当者に伝えてマッチ度が高いと判断されれば、選考突破できる可能性が高まります。
入社後の活躍イメージの回答例
・持っている知識を活かして顧客に最適なサービスを提案したい
・顧客と一早く信頼関係を築き、企業に貢献したい
・複数の職種を経験した経歴を活かし、いち早く戦力になりたい
将来の展望は、自分が持っている知識や技術をどのように活かせば企業で活躍できるのかを考え、志望動機や自己PRの結末に加えましょう。
将来の展望は志望動機や自己PRの終盤で述べるのが一般的です。伝え方に悩む人は、下記の記事でまとめ方を解説しているため併せてチェックしておきましょう。
志望動機の締めくくり
志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
自己PRの締め方
自己PRの締め方に必須の3大要素を解説! 強みが届くコツも伝授
零細企業での就職に悩む人におすすめのQ&Aも併せてチェック!
零細企業に就職したいと思っていても、後悔しないか不安になる人もいるのではないでしょうか。零細企業は大企業とはメリットやデメリットが異なるため、今まで身を置いていた環境から大きく変わる場合もあるでしょう。
そこでこの章では、PORTキャリアに寄せられたQ&Aから零細企業への就職・転職で悩む人へおすすめの内容を4つ紹介します。後悔しない選択をするためにも、自分に零細企業が合っているのか見極めましょう。
なお、零細企業は中小企業に含まれるため、ここでは中小企業に関するQ&Aを紹介します。
零細企業で働くか悩んだら自分の適性と企業の特徴を照らし合わせよう!
零細企業は、大企業や規模の大きな中小企業とは異なるメリット・デメリットがあるため、働くか悩んだときは自身の適性と照らし合わせる必要があります。
なるべく早く成長したい人や、主体的に行動できる人であれば、零細企業に入社しても活躍できる可能性が高いです。
一方で、自分に零細企業の適性がないのではないかと悩む場合は、なぜ零細企業に興味を持ったのかを思い返しましょう。零細企業に興味を持った熱意を選考時に伝えられれば、採用担当者に志望度の高さが伝わり、選考突破できる可能性が高まります。
後悔のない就職・転職活動にするためにも、零細企業と自分のキャリアプランを比較して、目指すかどうかを判断しましょう。
アドバイザーコメント
桒田 里絵
プロフィールを見る零細企業とそのほかの企業の特徴をまずは明確に理解しよう
零細企業には大企業にない良さがたくさんあります。これまで述べてきたように、経営者の近くで働き、幅広い職務に携わって自分の可能性を広げ、成長できる環境を手に入れることができるでしょう。
一方で、さまざまな点で会社に頼ることはできないと覚悟しておく必要があります。
大企業やそのほかの企業が良いと考える人は、自分で道を切り開かなくても、仕事面や福利厚生面は会社が用意してくれる道や機会を利用していけば良い暮らしができ、幸せになれると考えるからでしょう。
もちろん大企業でも第一線で活躍し、大きなリスクを背負っている人もいますが、それは一握りで、大部分の人は後をついていくことになります。どんな組織でも2割が引っ張り、8割は従うと言われています。
零細企業の働き方やキャリアに魅力を感じるかどうかは人それぞれ
零細企業では足りないものがたくさんあります。しかし、その足りない部分を自分達で手に入れていく醍醐味を味わえるのも零細企業に勤める人だけのものです。
これからの人生に何を求め、どう生きていきたいかをしっかり考え、その舞台にふさわしいと思えば、堂々と零細企業を選べば良いのではないでしょうか。まず自分の判断に自信を持ってよく考えることです。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/西雄一教育研究所代表
Yuichi Nishi〇大学では就活に関するスキルを身に付けられる実践中心の授業を展開。また、講師として企業で新人や中堅社員に向けてコミュニケーション研修、キャリアコンサルティングをおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
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