この記事のまとめ
- 職場見学では「質問なし」は基本的にNG!
- 職場見学での質問は「5つの切り口」から考えよう
- 3ステップで簡単にできる質問リストで職場見学を成功させよう
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
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本選考の前にインターンシップ(インターン)や説明会の一環としておこなわれることも多い職場見学。「もうすぐ職場見学に行くけど、何を質問すれば良いかわからない」という不安を抱えている学生は実は多いもの。普段接点のない社会人を相手に、自分の質問が「的外れな質問だと思われるのではないか」と心配している人もいますよね。
職場見学で良い質問をするためには、事前準備がカギを握ります。しっかりと対策を練れば、ありきたりな質問ではなく、企業の本質に迫る「優秀な学生」ならではの質問ができるようになるのです。正しい準備さえしておけば、職場見学は会社理解を深める絶好のチャンスになります。
この記事では、キャリアアドバイザーの瀧本さん、上原さん、野村さんのアドバイスを交えつつ職場見学の質問を有意義なものにするためのコツを解説します。質問が思い浮かばない学生に向けて、実際の職場見学で使える50の質問例も紹介しているので、職場見学を控えている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
職場見学の質問は事前の下調べが命!
前述のとおり、職場見学で質問力を発揮するためには事前準備が不可欠です。準備とは、ただ質問を考えるだけでなく、職場見学の全体の流れや参加の目的を明確にすることも含みます。
そのためまず記事の前半では、職場見学の一般的な流れに沿って、質問のベストなタイミングを解説します。企業説明会やオフィス見学、質疑応答など、各段階に適した質問の仕方があるので、職場見学の流れをイメージしながら読み進めましょう。
次に、本格的な事前準備について触れていきます。自己分析を通じて自分の強みや関心を言語化し、業界研究と企業研究で得た情報をもとに、質問を考えていくプロセスを解説します。ホームページ(HP)や業界サイト、ニュースなど、情報収集に役立つツールも紹介するので、ぜひ活用してみてください。
中盤では、実際の質問作りに必要な考え方を説明します。記事で紹介する50の質問例と5つの質問の切り口を参考にしながら、自分ならではの質問を考えてみましょう。
最後には、質問を考える際に学生がやりがちなNGポイントと、それを避けるコツも解説します。経験豊富なキャリアコンサルタントのアドバイスを参考に、企業の人事担当者の心をつかむような質の高い質問を作る方法を学んでいきましょう。
事前準備を万全にして臨めば、職場見学は会社理解を深める絶好のチャンスになります。ぜひこの記事を参考に、あなたならではの視点で質問を考え、有意義な職場見学にしてくださいね。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
そもそも職場見学の質問のタイミングはいつ?
職場見学での質問は、見学の流れに応じて適切なタイミングでおこないましょう。とはいえ、初めての見学では、いつ質問をすれば良いのかわからない人も多いのではないでしょうか。
過去に職場見学に行ったことのある人でさえ、企業によって見学の流れや質問のタイミングが異なることがあるため、戸惑ってしまうこともあるかもしれません。
不安な場合は、見学の開始時に、質問のタイミングについて企業側の人に確認してみましょう。「質問は見学中でも大丈夫でしょうか? それとも見学の最後にまとめてした方が良いでしょうか?」と尋ねることで、失礼なく質問をすることができます。
一般的な職場見学の流れは、次の順で進められることが多いです。
一般的な職場見学の流れ
- 1. 企業説明会
- 2. オフィス見学
- 3. 質疑応答
まず企業説明会では、企業の概要や事業内容、社風などについての説明があります。この段階では説明を聞くことに集中し、質問は控えめにするのが無難です。ただし、説明内容に関する簡単な確認程度の質問は、説明の合間におこなっても問題ありません。
次にオフィス見学では、実際の職場環境や社員の働く様子を見学します。各部署の説明が一区切りついたタイミングで、その部署に関する質問をするのが適切です。ただし、説明の途中で質問をすると、話の流れを断ち切ってしまうことがあるので注意が必要です。
また、質問をする際は、ほかの見学者の邪魔にならないよう配慮することも大切です。自分の質問が長引くようであれば、質疑応答の時間に改めて質問するなどの工夫をしましょう。
もし説明会後やオフィス見学中に質問ができなくても、見学の最後には質疑応答の時間が設けられることが一般的です。この時間で、企業説明会やオフィス見学で感じた疑問点を中心に質問しましょう。
見学の流れを踏まえつつ、適切なタイミングで質問をするよう心掛けてください。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る最後の質疑応答のタイミング以外でも臨機応変に質問してみよう
職場見学時に質問をするタイミングとしては、一般的に見学の最後にまとめておこなうケースが多いです。このタイミングは、見学全体の流れを把握したうえで質問することができ、全体的な理解を深めるのに適しています。
ただし、見学中に疑問が生じた場合や、ガイドしてくださる方が特定のトピックについて説明をしている際に関連した質問を挟むことも効果的です。
たとえば、見学中に業務内容について説明があった際に、その業務に対してさらに具体的な質問をその場でおこなうことで、より深い理解を得られます。
職場見学は、まず企業や部署の概要説明があり、その後オフィスや作業現場の見学、最後に質疑応答の時間が設けられるというのがスタンダードな流れです。この質疑応答の時間に向けて、あらかじめ質問を準備しておくと良いでしょう。
見学中の説明をメモに取り疑問を整理しておくことが大切
具体的な質問例としては、「職場の雰囲気や社員の働き方」「入社後に必要なスキル」「細かな業務内容」などが挙げられます。見学中にメモを取り、その場で感じた疑問を整理しておくと良いでしょう。
また、イレギュラーなケースとして、見学中に個別に質問する時間が設けられている場合もあります。
この場合は、ほかの見学者の邪魔にならないよう配慮しつつ、適切なタイミングで質問をおこないましょう。質問する際には、簡潔に要点をまとめ、回答をもらったら必ずお礼を述べることも大切です。
「なし」はNG? 職場見学で質問をするべき理由
職場見学で質問をするべき理由
- 会社や職種への理解を深めるため
- 企業の社員と直接コミュニケーションが取れるため
- 選考でのアピールポイントの材料にするため
職場見学は、実際の職場の雰囲気を直接感じ、社員の生の声を聞くことができる機会です。
先ほどの章で解説したように、多くの場合には学生から企業に質問できるタイミングがあります。とはいえ、社会人との接し方に自信がなかったり、その場に合った適切な質問ができるかどうか不安になったりしてしまい、「質問はしなくても良いかな」と思ってしまう学生もいるかもしれません。
しかしせっかくの職場見学の場で質問をしないのは、大きな機会損失です。日々忙しい企業の人が直接学生の疑問に答えてくれる場は、学生が思っている以上に貴重な機会と言えます。
この章では、職場見学で質問をするべき理由を詳しく説明するため、職場見学の重要性を理解していましょう。
会社や職種への理解を深めるため
職場見学では、普段は目にすることのできない会社の現場に足を踏み入れ、社員の働く姿を直接見ることができます。しかし、見学だけではわからないことも多く、表面的な理解にとどまってしまう可能性も高いのです。
そこで、企業の人に直接質問をすることで、会社の文化や価値観、経営理念など、より深いレベルで情報を得ることができます。また職種に関しても、業務内容だけでなく、現場の視点から見た仕事のやりがいや必要なスキル、キャリアパスなどを詳しく説明してくれるでしょう。
職場見学で手に入るこれらの情報は、自分がその企業や職種に適しているかを判断するうえで非常に重要な材料となります。
就活が本格化していない時期であっても、会社と自分の価値観が合うのか、その職種で長く働いていけそうかなど、自己分析を深めることにもつながるでしょう。
ネットにはさまざまな情報が溢れていて、悪意がある虚偽のものや信頼性に欠けるものも多くあります。
実際の現場の雰囲気や働き方を理解するには、ネット情報を鵜呑みにせず自分の目で確かめることが重要です。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
企業の社員と直接コミュニケーションが取れるため
普段の選考ではなかなか接点のない社員と直接コミュニケーションを取れるのが職場見学のメリットの一つです。そのため、説明を聞くだけでなく質問をすることで、社員の人柄や仕事に対する姿勢、会社への思いなどを肌で感じ取ることができます。
また、自分の関心事や疑問点を率直に伝えることで、社員からより具体的で詳細な情報を得られます。つまり、会社のことを熟知している社員だからこそ、企業のHPや説明会では聞けないようなリアルな情報を得られる可能性があるのです。
加えて、こうしたリアルの場でのコミュニケーションを通じて社員と良い関係性を築くことは、選考を有利に進めるうえでも重要なポイントとなります。
そのまま内定につながるケースは珍しいかもしれませんが、好印象を残せれば、少なからず職場見学に来ていない学生とは差別化を図れる可能性があるといえるでしょう。
一般的に、職場見学は人事担当者や採用担当者が対応します。
彼らは会社の情報を包括的に把握しており、見学者の質問に対応する準備が整っているからです。
企業によっては、職場見学先の業務担当者や責任者が質疑応答に参加することもあります。
選考でのアピールポイントの材料にするため
職場見学で質問をすることは、企業に対してあなたの積極性や仕事への関心の高さをアピールする絶好の機会でもあります。質問の内容や質によっては、企業側があなたを前向きに評価するきっかけになることも十分に考えられます。
また、職場見学で得た情報を選考の面接などでうまく活用することで、企業研究の深さや入社への意欲をアピールすることができるのです。
自分なりの視点で企業を分析し、職場見学での学びを交えて自分の考えを述べることは、「御社に入りたい」という強い熱意を伝える意味でも、ほかの候補者との差別化にもつながります。積極的に質問をすることで、後の書類選考や面接のフェーズで、自分をアピールする材料を増やすことができるのです。
- 実際のところ、職場見学に来た学生かどうかというのは面接官や採用担当者は把握しているのでしょうか?
企業によっては職場見学での情報が選考でも参考にされる
職場見学に来た学生かどうかは、多くの企業で記録を残していて面接官や採用担当者が把握し採用プロセスで参考にしています。
そのため学生が見学中に印象に残る質問や行動をした場合、それが面接の評価に影響することもあるのです。
ただし、職場見学の情報が面接官や採用担当者に共有されていない場合もあるので一概に合否の影響するとは言えません。
これは大手、中小の差ではなく会社による対応の違いになります。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
質問例50選! 職場見学での質問は5つの切り口から考えよう
職場見学では、事前に質問リストを準備しておくことが重要です。ただし、質問の内容も質も大切で、ただやみくもに質問するのではなく、戦略的に質問を考える必要があります。
質問の切り口を明確にすることで、より深く、具体的な回答が得られます。ここでは、職場見学での質問を考える際の5つの切り口と、それぞれの具体的な質問例を詳しく紹介します。
①会社の事業内容や将来のビジョンについて
会社の事業内容や将来のビジョンについて質問することで、企業の方向性を把握することができます。このような内容は企業のHPにも載っていることもありますが、自分なりの意見や見解を用意したうえで、掲載情報について知りたいことを深掘りすると、また違った側面が見えることもあるのです。
特に会社見学の中で社長や重役から話を聞けるタイミングがあるのであれば、企業の強みや独自性、今後の事業展開の計画など、会社の根幹にかかわる部分を理解できるような質問をしてみましょう。
さらに実際の業界のトレンドなど、現場で働く社員が肌で感じている部分について聞いてみると、職場見学をより有意義な時間にできますよ。
会社の事業内容や将来のビジョンを切り口にした質問
- 貴社の主力事業の成功の要因を〇〇業界のトレンドと併せてどう分析していますか。
- 今後、力を入れていきたい事業領域はどのような分野ですか?
- 貴社の中長期的なビジョンについて教えてください。
- 海外展開の予定はありますか? ある場合、どのような戦略をお持ちですか?
- 御社の事業の社会的意義について、どのようにお考えですか?
- 業界内の競合他社と比較した際の、貴社の独自性や強みは何ですか?
- 今後の事業展開において、課題や困難になりそうな点は何ですか?
- 業界の将来性についてどのようにお考えですか?
- SDGsなど、社会貢献に関する取り組みを教えてください。
- AI技術など、新技術を活用した事業展開の予定はありますか?
上記の中で聞いておいた方が良い質問は「貴社の中長期的なビジョンについて教えてください」です。
この質問を通じて、企業の将来の方向性や成長戦略を理解し、自分のキャリアビジョンとの一致を確認できます。
また、企業の持続可能な発展性を評価することで、長期的な視点での就職先選びに役立ちますよ。
②新入社員の教育・研修制度について
社会人としてのスキルや仕事に必要な知識を身に付ける場である新入社員研修は、その後のキャリアに大きな影響を与えるものです。
そのため、会社見学で若手社員と接する機会があったときには、配属後のOJTやサポート体制などの会社の新人育成への姿勢についても聞いてみましょう。
新入社員の教育・研修制度を切り口にした質問
- 新入社員研修の内容と期間について教えてください。
- 配属後のOJTの仕組みはありますか?
- 若手社員のメンター制度やサポート体制について教えてください。
- 入社1年目で経験できる業務内容を具体的に教えてください。
- 社外の研修プログラムなどへの参加機会はありますか?
- 学生のうちに準備をしたり勉強しておいた方が良い資格について教えてください。
- 御社で活躍されている若手社員の共通点について、どのように分析されていますか?
- 入社後のキャリアパスについて、どのような選択肢がありますか?
- 社内資格取得のサポート体制はありますか?
- 新人の育成において、特に重視していることは何ですか?
- 若手社員の離職理由や退職率について聞くのは失礼になりますか?
デリケートな質問は直接ではなく角度を変えて質問しよう
若手社員の離職理由や退職率について聞くことは、一般的には適切な質問とは言えません。
なぜなら、これは企業内部のデリケートな情報であり、個人のプライバシーにも関わることがあるからです。
たいていの企業は、離職率やその理由について公開したり、外部に対して明確に説明することは控える傾向があります。
より建設的な代わりの質問としては、若手社員のキャリアパスや成長支援について、どのように考えているかを聞くと良いでしょう。
企業が若手社員の定着を促進するためにどのような取り組みをおこなっているか、また社員満足度やキャリア開発の支援について探ってみてください。
③若手社員のキャリアパスや成長支援について
若手社員のキャリアパスや成長支援について質問することで、長期的なキャリア形成の可能性を探ることができます。
入社後数年で、どのようなキャリアを歩むことができるのか、会社としてどのような支援体制があるのかを知ることは、就職先選びの重要な判断材料となります。こちらは若手社員だけでなく、メンバーを束ねるチームリーダーや役職者にも聞いてみると、また違った視点を得られますよ。
若手社員のキャリアパスや成長支援についての切り口
- 若手社員のキャリアパスの具体例を教えてください。
- 社員の適性やキャリア志向に合わせた配置・異動の仕組みはありますか?
- 入社◯年以内に管理職を目指しているのですが、早期の幹部候補育成プログラムはありますか?
- 社内公募制度やジョブローテーションの機会はありますか?
- 海外勤務や国際経験を積むチャンスはありますか?
- キャリアアップのための資格取得支援制度について教えてください。
- 〇〇事業部の社員の実際のキャリアパスの事例を教えてください。
- スペシャリストとしてのキャリア形成は可能ですか?
- 女性の管理職登用やキャリア支援の取り組みについて教えてください。
- 若手社員のキャリア相談の仕組みや体制はありますか?
上記のような切り口で質問する場合は、自分がどのように成長していきたいか、その姿がどのように実現可能か、などを想像したうえで実際に働く社員のキャリアパスについて質問してみましょう。
④社風やチームメンバーとのかかわりについて
企業の雰囲気や人間関係をイメージするためにも、社風やチームメンバーとのかかわりについても質問しておきましょう。
仕事をするうえで職場の人間関係は非常に重要です。働きやすい環境かどうかを判断するうえで、社風やコミュニケーションの在り方を知ることは欠かせませんが、同じ企業でも部署によってカラーが違うこともあるので、特に自分の興味のある業務を担当している部署やチームの社員に聞いてみることをおすすめします。
社風やチームメンバーを切り口にした質問
- チームワークを大切にする社風だと感じましたが、そのための取り組みはありますか?
- 御社はリモート勤務がメインと聞きましたが、日常の業務の中で意識されていることは何ですか?
- 部署を超えたコミュニケーションを活発にするための工夫はありますか?
- フラットな社風だと感じましたが、意思決定のプロセスを教えてください。
- 各部署の連携を円滑にするための取り組みはありますか?
- 〇〇事業部において、業務内での具体的なチームの動きのフローを教えてください。
- 社員同士のコミュニケーションを活発にするための社内イベントはありますか?
- チームビルディングのための研修などはありますか?
- 風通しの良い社風だと感じましたが、そのために心掛けていることは何ですか?
- メンバー同士で切磋琢磨し合える環境づくりのために、どのような工夫をされていますか?
- 行きたい事業部があるのですが、実際にその部署で働く人に質問をしたいとお願いすることは失礼に当たるでしょうか?
希望部署の社員への質問は事前の準備が大切
行きたい事業部の社員に質問することは、適切な方法でおこなえば失礼には当たりません。
まず、具体的な質問内容を事前に考え、関連する情報を調べておきましょう。質問が漠然としていると、相手に迷惑をかける可能性があるからです。
次に、面接時やメールを利用して、適切な言葉遣いで希望部署の社員に質問したい旨を依頼してみましょう。
たとえば、「お忙しいところ恐縮ですが、貴部署での業務内容についてお伺いしたく、少しお時間をいただけませんでしょうか?」と伝えます。
また、相手の都合を優先し、短時間で済むように配慮することも必要です。事前に質問リストを送っておくと良いでしょう。
最後に、質問に答えてもらった後には、お礼のメールを忘れずに送り、具体的な学びや感謝の気持ちを伝えることも忘れないでください。
これらの点を守れば、安心して質問することができるでしょう。
⑤インターンシップや選考プロセスの詳細について
インターンシップ(インターン)や選考プロセスの詳細について質問することで、自分の準備や対策を具体的に進めることができます。インターンは就職活動の重要な位置付けになっているので、選考プロセスを知ることは就職活動の戦略を立てるうえで欠かせません。
また、選考で重視されるポイントを知ることで、自己分析や自己アピールの方向性を定めることもできるのです。これはおもに採用担当者や人事、または面接の担当経験のある社員に聞いてみましょう。
インターンや選考プロセスを切り口にした質問
- インターン参加者の皆さんが、実際にどのようなプロジェクトや業務に携わり、どんな経験を積むことができたのか、具体的に教えていただけますか。
- インターン期間中のメンターや先輩社員とのかかわり方について、どのようなサポート体制が整っていますか。
- インターンを通して、参加者の皆さんが御社の業界や仕事に対する理解をどのように深めていったか、具体的なエピソードがあれば教えてください。
- インターン参加者の中で、特に印象に残っている活躍事例やフィードバックがあれば教えていただけますか。
- オンラインでのインターンにおいて、参加者とのコミュニケーションをどのように図り、臨場感のある経験を提供しているのか、工夫している点を教えてください。
- 選考プロセスの各段階において、候補者のどのような点を見極めようとしているのか、評価のポイントを教えていただけますか。
- 面接官の方々は、候補者のどのような発言や行動に良い印象を持たれるのでしょうか。逆に、好ましくないと感じる点があれば教えてください。
- グループディスカッションやグループワークでは、具体的にどのような課題が与えられ、候補者にどんな姿勢や能力を期待されているのでしょうか。
- 面接では、候補者のポテンシャルや適性をどのように見抜こうとしているのか、評価の着眼点を教えていただけますか。
- 選考プロセスを通して、候補者の成長やマインドセットの変化を感じられた事例があれば、具体的に教えてください。
インターンや選考プロセスに関する質問では「競争戦略について教えてください」「ほかの候補者との比較評価はどうなっていますか?」などのようなデリカシーに欠ける質問しないようにしましょう。
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る「良い質問」とは自分の理解を深めつつ企業にも意欲が伝わるもの
職場見学における「良い質問」とは、学生の興味や意欲、熱意が感じられ、企業側に好印象を与える質問です。
自分が興味のある事項について、抽象的でなく具体的かつ実務に関する質問ができるかが重要となります。そうすることで、本人が実際に会社に入り働いている姿を想像していることを想定しているのだと伝えられるのです。
新入社員の一日の業務内容や一日の流れについてや、希望する職種で活躍するために重要なスキルや経験についての質問は、業務内容を深く理解し、自分の適性や準備すべきスキルを確認するために有効です。
企業文化や成長機会に関する質問で入社後のイメージを膨らませよう
また、企業文化や価値観に関する質問も取り入れてみましょう。企業文化や風土雰囲気に関する質問や、それらを他社と比較するとどう思うかといった質問は、企業の内部環境や働き方を知る手助けになります。
さらに、成長機会やキャリアパスに関する質問も、自分の望んでいる働き方や長期的なキャリア形成を理解するために役立つでしょう。
入社後の育成体制に関する質問も大切です。新入社員に対する研修制度やメンター制度について質問することで、入社後のサポート体制を理解することができます。
これらの質問を通じて、企業についての自分自身の理解や興味が深め、企業に対しても積極的な姿勢や熱意、具体的な興味を持っていることをアピールしましょう。
職場見学で有意義な質問をするための4つの準備
「職場見学で積極的に質問をしよう」という姿勢はもちろん重要ですが、質問の内容や質も同じくらい大切な要素です。大前提として、企業の人は通常の業務がある中で職場見学に時間を割いています。「とりあえず質問をしよう」と意気込んでなんでも企業の人に聞いてしまうと、思わぬマイナス評価につながってしまうケースもあるので注意しましょう。
この章では、職場見学で有意義な質問をするための4つの準備について詳しく説明します。貴重な職場見学での質問を有意義なものにするためにも、一つずつ丁寧に対策しましょう。
①自分の興味関心を明確にする
職場見学で質問をする前に、まずは自分自身の興味関心を明確にしておきましょう。自分の興味関心が明確になっていれば、その点に沿った質問をすることができるからです。漠然とした質問ではなく、自分の関心事に関連した具体的な質問をすることで、より具体的な情報を得ることができます。
また、自分の興味関心を伝えることで、企業側もあなたの適性をより詳しく理解しやすくなるのです。
「〇〇分野に興味があるなら、△△事業部があるよ」など、社員から情報を提供してくれるケースもあり、場合によっては興味のある事業部やプロジェクトの担当者とつないでもらえるチャンスもあるかもしれません。
自分が本当にやりたいことは何か、どのような仕事にやりがいを感じるのかなど、自己分析を深めておきましょう。
職場見学の前に言語化すべきポイントは、自己分析に基づく「自身の強みと弱み」、「職場で実現したいキャリアビジョン」、「条件や価値観」の3つです。
これにより、見学時の質問や観察が的確になります。
自己分析は選考通過率アップにもつながり、就活を成功させるために必須です。こちらの記事では自己分析に関する疑問をまるっと解決しています。
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②業界研究・企業研究を徹底的にする
繰り返しにはなりますが、有意義な質問をするためには、事前の業界研究や企業研究が欠かせません。企業のHPや説明会、OB・OG訪問などを通じて、できる限り多くの情報を収集しましょう。
特に、競合他社の状況や志望企業の現状を客観的に把握するためにも、業界研究から先に手をつけましょう。業界研究の情報源として、次の3つを活用するのが効果的です。
業界団体のHP | ・最新の情報をタイムリーに入手できる ・業界の概況などを発表していることがある |
新聞・ニュース | ・定期的にチェックすることでタイムリーな情報を正確に入手できる ・新聞社やニュースサイトの専用アプリを利用すれば、スマホやタブレットでスキマ時間にチェックできる |
業界本(書籍) | ・業界の動向や特色に加えて、その業界で働く場合の具体的な職種などについても確認できる |
業界の全体像を理解したうえで、その企業の今後の展望や課題についても質問することで、企業の長期的なビジョンについて理解を深めることができます。
また、業界や企業の課題について自分なりの見解を持ち、それを質問に織り交ぜることで、企業側にあなたの思考力の高さをアピールすることもできるでしょう。
- 職場見学の前日なのですが、正直まだ何も準備していません。最低限、何を調べておくべきでしょうか。
企業の基本情報を調べて質問リストはマストで作成しよう
職場見学は、自分の将来のキャリアや企業選びの重要な一歩です。
企業の基本情報を公式サイトやパンフレットで確認し、職場見学での質問リストだけは最優先で準備しておいてください。
余裕があれば、自分がその企業や業界に対して持っている興味や重要視したいポイントなどを整理しておくと、職場見学をより有意義な時間にすることができますよ。
OB・OG訪問やインターンのやり方は、以下の記事で解説しています。事前にポイントを知っておくと有効に活用できるので、ぜひ参考にしてみてください。
OB・OG訪問
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
インターン
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
業界研究・企業研究のやり方は、こちらの記事でまるっと解説しています。記事を参考に、志望企業や業界の特徴を捉えていきましょう。
業界研究
業界研究のやり方|業界全体を捉えたうえで気になる業界を研究しよう
企業研究
企業分析のやり方を完璧にマスターする3ステップ|よくある注意点も
③現時点での質問リストを先につくる
職場見学の前に、現時点で聞きたいことをリストアップしておくことも大切です。自分の興味関心に沿った質問だけでなく、業界・企業研究を踏まえて、企業の課題や将来性に関する質問も盛り込んだ質問リストを作成しましょう。具体的な作り方は後ろで詳しく解説するので、参考にしてくださいね。
質問リストを作ることで、職場見学の際に聞き漏らしがないようにすることができます。また、質問の優先順位を決めておくことで、限られた時間の中で効果的に質問をすることができるでしょう。
ただし、質問リストは職場見学の際の話の流れに応じて柔軟に対応することが必要です。リストに固執するのではなく、臨機応変に質問を選ぶことも意識しましょう。
④企業のホームページのQ&A欄を見ておく
企業のHPのQ&A欄では、よくある質問とその回答が掲載されていることがあります。そのためQ&A欄の内容をそのまま質問するのは避けましょう。Q&Aを参考にしつつ、自分なりの視点やオリジナリティを加えた質問をするようにしてください。
Q&A欄を確認することで、自分の質問が一般的なものではないかを確認することができます。Q&Aで回答されていない部分を中心に質問をすることで、より有意義な情報を得ることができますよ。
企業のHPのQ&A欄でよくある質問は次のようなものがあります。
Q&A欄でよくある質問
- 御社の事業内容や主力製品・サービスについて教えてください。
- 御社の企業理念や目指す姿について教えてください。
- 御社の強みや競合他社との差別化ポイントは何ですか?
- 御社の企業文化や社風について教えてください。
- 社員の育成や教育制度について教えてください。
また、Q&A欄以外にも、企業の公式SNSアカウントやニュースリリースなども確認しておきましょう。最新の情報をキャッチすることで、より時事性のある質問をすることができます。
企業に対する興味関心が強いことを伝える質問をしましょう。
実際に働いたとした場合に、自分自身の長所ややりたいことを説明したうえで具体的にどのように活躍できそうか質問してみると良いでしょう。
3ステップで簡単! 職場見学の質問リストの作り方
職場見学の質問リストの作り方
- 見学の中で気になったポイントをメモする
- オープンエンドな質問に整える
- 質問の順序と量を調整する
職場見学は、実際の職場の雰囲気や働く人の様子を直接見ることができる機会ですが、ただ見学するだけでは十分な情報を得ることができません。より有意義な職場見学にするためには、事前に質問リストを準備し、積極的に質問をすることが重要です。
質問リストを作成することで、見学当日に何を聞けばいいのか明確になり、限られた時間を有効に活用することができます。また、質問への回答を通じて、その職場や業界に対する理解を深められます。
ここでは、職場見学の質問リストを簡単に作成するための3つのステップを詳しく説明します。これらのステップを踏まえて準備することで、充実した職場見学になること間違いなしです。
①見学の中で気になったポイントをメモする
職場見学の際は、見学に集中することが大切ですが、気になったポイントがあればメモを取るようにしましょう。業務内容や職場の雰囲気、社員の働き方など、興味を引かれた点を書き留めておきます。
メモを取ることで、見学後に質問リストを作成する際に、具体的な質問を思い出すことができます。また、メモを取ることで、見学中の集中力を高めることにもつながりますよ。
社員の発言を一言一句メモを取る必要はありませんが、最低限、後で見返したときに要点がわかるようなメモの作成を心掛けましょう。スマートフォン(スマホ)のメモ機能を活用する方法もありますが、見学中に無礼な態度をとっているようにも見えてしまうケースもあるので、ノートとペンを持ち歩くことをおすすめします。
見学中は、些細なことでも気になったことをメモする習慣をつけることで、質問リスト作成の下準備ができます。
- パソコンでメモを取ろうと思っていたのですが、NGでしょうか?
企業の担当者に許可を取ってから使用するのが望ましい
パソコンでメモを取ることは、一般的には問題ありませんが、事前に確認することが重要です。
多くの企業では、パソコンやタブレットを使用してメモを取ることが許可されており、その利便性を認めています。
パソコンでのメモ取りは手書きよりも効率的で、後で見返すのも簡単です。また、EvernoteやOneNoteといったデジタルノートアプリを使えば、写真や音声をメモに追加することもできます。
しかし、企業によってはデジタルデバイスの使用を制限する場合もあるので、職場見学の前に担当者に確認するのがおすすめです。
また、使用する際は、ほかの参加者の妨げにならないよう配慮し、静かに操作するよう心掛けましょう。
総じて、パソコンでメモを取ることは効率的かつ実用的ですが、企業の方針と周囲への配慮を忘れずに行動することが重要です。
②オープンエンドな質問に整える
見学中に取ったメモをもとに、オープンエンドな質問を考えましょう。オープンエンドな質問とは、単に「はい」や「いいえ」で答えられる質問ではなく、相手に説明を促すような質問のことです。
たとえば、見学中に「営業部のおもな業務は新規開拓だそうです」というメモを取ったとします。この場合、次のようなオープンエンドな質問を考えることができます。
オープンエンドな質問の例
- 「営業部の新規開拓において、どのような戦略や工夫をされていますか?」
- 「新規開拓を成功させるために、営業部の方々が特に重要視していることは何ですか?」
- 「新規開拓を進めるうえで、営業部が直面する課題にはどのようなものがありますか?」
このように、メモをもとにオープンエンドな質問を考えることで、より具体的で詳細な情報を引き出すことができます。
質問を考える際は、「なぜ」「どのように」といった疑問詞を使うことで、オープンエンドな質問を作りやすくなります。メモをもとに、相手に話を促すような質問を考えてみてください。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見る職場見学では3つのNG質問に注意しよう
以下、学生が良くない印象を与えかねない質問例とその改善案を紹介します。
質問例①: 「初任給やボーナスはどれくらいもらえますか?」
改善案: 「入社後のキャリア成長について具体的な支援や機会はどのように提供されますか?」とすると、将来的なキャリアに対する関心を示し、企業の成長支援について詳細を知ることができます。
質問例②: 「ほかの社員の満足度や不満点などはどのように対応されてますか?」
改善案: 「社員のチームワークやモチベーションについて、何かユニークな取り組みや特徴があれば教えていただけますか?」とすると、企業の働きやすさや文化を知りたいという意向が伝わります。
質問例③: 「なぜ他社よりも貴社を選ぶと良いと考えられますか?」
改善案: 「貴社の独自性や文化について特に重視している点があれば教えていただけませんか?」とすると、企業の独自性や価値観について知りたいという意欲が表現されます。
以上の改善案では、企業側に対してより興味深い質問をすることができ、学生としてもポジティブな印象を与えることができます。
③質問の順序と量を調整する
オープンエンドな質問ができたら、質問の順序と量を調整しましょう。質問の順序は、大きなテーマから徐々に細かいテーマへと移行するのが基本です。たとえば、企業の事業全体に関する質問から始め、徐々に職種や部署に関する質問へと移行していくことで、話の流れがスムーズになります。
また、質問の量も調整が必要です。多くの質問を用意するのは良いことですが、質問の時間は限られています。当日はほかの学生がいることも意識して、質問に優先順位を付け、どうしても聞いておきたい質問から順に聞くようにしましょう。
事前に質問の順序と量を整理しておくことで、当日は自信を持って質問に臨むことができるはずです。
- 職場見学ではほかの学生もいると思うのですが、適切な質問の量としてどれくらい準備しておけば良いですか?
質問を重複させないために3~5つは用意しておこう
ほかの学生と同じような質問になってしまうことが想定されるので、3~5つくらいの質問を準備しておいて質問が重複してしまった場合でも焦らないようにしておきましょう。
また質問は、見学する中で特に気になった点や興味を持ったことに関する質問を優先してください。
ほかの学生の質問を聞いて新たに生じた疑問もその場で質問できるように柔軟に対応することも大切です。
職場見学で良い質問をするための4つの注意点
職場見学で良い質問をするための4つの注意点
- 質問の意図や背景を曖昧にしない
- 調べればわかることを聞かない
- 質問に無理にアピールを盛り込もうとしない
- 給与や福利厚生など条件ばかり質問しない
質問をするといっても、ただ疑問点を質問すればいいというわけではありません。質問の内容や方法によっては、企業側に悪い印象を与えてしまったり、十分な情報を得られなかったりすることもあります。
そのため、職場見学で質問をする際は、一定の注意点を踏まえることが重要です。質問する際の心構えや、避けるべき質問の特徴などを理解することで、より有意義な職場見学になります。
ここでは、職場見学で良い質問をするための4つの注意点について詳しく説明します。これらの点に気を付けながら、積極的に質問をしてみてください。
①質問の意図や背景を曖昧にしない
質問をする際は、質問の意図や背景を明確にすることが大切です。なぜその質問をするのか、どのような点に関心があるのかを、はっきりと伝えるようにしましょう。
良い例
「御社の海外展開について伺いました。私は大学で国際経営を学んでおり、将来はグローバルな舞台で活躍したいと考えています。海外展開を進めるうえで、御社が特に重視している点やその理由について教えていただけますか?」
この例では、海外展開に関心がある背景として、自身の大学での学びと将来のキャリアビジョンに触れています。そのうえで、企業の海外展開における重点事項とその理由を尋ねているので、質問の意図が明確になっています。
悪い例
「御社の海外展開ってどんな感じなんですか?」
この例では、質問の意図や背景が不明瞭です。漠然とした質問では、企業側も何をポイントに答えればいいのかわかりづらく、また、あなたの関心の深さも伝わりません。
質問の背景にある自分の経験や考えを話すことで、質問の意図をより明確に伝えることができます。自分の関心事をオープンに伝えることは、企業側との信頼関係の構築にもつながりますよ。
就活の面接で質問の背景を伝えることは大切ですが、説明する際は簡潔にまとめることが重要です。
質問の意図や関心事を簡潔に説明し、その後具体的な質問や意見を述べることで、面接官に好印象を与えられます。
②調べればわかることを聞かない
職場見学の質問では、企業のHPや説明会で得られる情報を聞くのは避けましょう。調べればわかることを質問するのは、事前準備不足だと思われてしまいます。
調べればわかる情報の例
- 企業の創業年や沿革
- 事業内容や主要製品・サービス
- 企業の理念やビジョン
- 社員数や組織体制
- 募集職種や雇用形態
- 平均勤続年数や離職率
もちろん、企業研究をしたうえで、さらに詳しく知りたい点を質問するのは良いことです。しかし、基本的な情報を質問するのは控えめにすることが大切です。
質問をする際は、企業研究で得た情報を踏まえたうえで、より掘り下げた質問をするよう心掛けてください。企業のHPには載っていない、現場ならではの情報を聞き出しましょう。
中期経営計画や事業戦略は企業の未来像や成長戦略を理解するのに重要です。
競合分析や市場動向に関しては、競合他社との差別化や業界トレンドを把握することができます。
また業界特有の課題や機会では、技術革新や規制の変化などが企業に与える影響を深く理解できます。
③質問に無理にアピールを盛り込もうとしない
職場見学での質問は、あくまでも企業理解を深めるためのものです。無理に自分の経験やスキルをアピールするような質問は、不自然で印象が良くありません。
もちろん、質問の中で自然な形で自分の経験やスキルを伝えることは問題ありませんが、質問の本来の目的からずれてしまうようなアピールは控えめにしましょう。
どうしてもアピールを盛り込みたい場合は、質問の前に自然な流れで自分の経験に触れましょう。そのうえで、その経験から企業の営業部に興味を持ったことを伝え、具体的な質問につなげてください。
悪い例
「私は学生時代に営業インターンを経験し、新規開拓の実績を上げました。御社の営業部では、新人でも新規開拓の機会はあるのでしょうか? また、私の営業スキルを活かせる部署はありますか?」
良い例
「実は私も学生時代に営業インターンを経験し、新規開拓の難しさを実感しました。その経験から、御社の営業部の働き方について興味を持ちました。新人の方でも早い段階から新規開拓の機会があるのでしょうか? また、営業部の方々が大切にしているスキルや心構えについて教えていただけると幸いです」
繰り返しになりますが、質問はあくまでも企業理解を深めるためのものであることを忘れないでください。無理なアピールは逆効果になることもあるので、質問の目的を見失わないよう注意しましょう。
④給与や福利厚生など条件ばかり質問しない
職場見学では、給与や福利厚生など条件に関する質問は控えめにしましょう。条件ばかりを質問すると、自分の関心が待遇面にしかないと思われてしまう可能性があります。
もちろん、働くうえで条件は重要な要素の一つです。しかし、職場見学の段階では、業務内容や職場の雰囲気など、仕事そのものへの関心を示すことが大切です。どうしても気になるのであれば、条件に関する質問は、選考が進んだ段階で聞くようにしましょう。初期の段階では、仕事への興味関心を前面に出すことが重要です。
ただし、働き方や評価制度など、仕事に直結する条件については質問しても問題ありません。仕事への情熱を伝えられるような質問を心掛け、条件面は選考の後半で確認するようにしましょう。
聞きそびれた質問がある場合はどうする? 元人事に聞いてみた
職場見学が終わった後、ふと思い出して「あれも聞けばよかった!」と後悔することもありますよね。職場見学の場では緊張していたり、限られた時間の中で質問をしなければならなかったりするため、大事な質問をついつい聞きそびれてしまうこともあります。
この章では職場見学で聞きそびれた質問への対処法について、元人事のキャリアコンサルタントに伺ってみました。職場見学後に浮かんだ質問を慌てずに適切な方法で解消し、企業研究に活かしていきましょう。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見る職場見学の最後にお礼の言葉と一緒に追加で質問したい旨を伝えよう
職場見学で一連の説明と質疑時間が過ぎた後に、聞きそびれたことを聞きたい、家に帰ってから新たな質問が出てきた場合、どうすればよいか悩むことがありますよね。
そのような場合は、丁寧なアプローチが重要です。基本的には、企業の関係者に対して、当日ご対応いただいたことへのお礼を述べ、さらに御社に関して知りたいという旨を丁寧に伝えることが大切です。
さらにその企業について知りたいという姿勢は好印象につながる
状況に応じて方法は変わりますが、たとえば以下のような方法が考えられますので参考にしてみてください。
「本日はありがとうございました。最後の質問時間が過ぎてから気になることが出てきた場合、追加で質問させていただくことは可能でしょうか? もし可能な場合、メールにてご質問させていただこうと考えておりますが、ほかにご都合の良い方法があれば教えていただけますと幸いです。お忙しい中恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。」
このように、企業のことを知りたいという思いを丁寧で敬意を示す言葉遣いで質問することで、企業側に失礼なく対応してもらえると思います。
とっておきの質問で職場見学を選考のチャンスにつなげよう
職場見学は、企業研究を深めるだけでなく、質問内容や姿勢次第ではアピールのチャンスにもつながります。事前の入念な準備と、企業の本質を探るような質問が職場見学の成功のカギを握ります。明るい表情と積極的な態度で、自分の関心や仕事への姿勢を企業側にアピールしましょう。
面接は一般的に企業が学生を評価するイメージですが、職場見学はあなたが企業とのマッチングを見極める貴重な機会です。質問を通じて実際に働く社員と対話を重ね、企業の雰囲気や社員の人柄なども肌で感じ取ってください。
とっておきの質問を用意し、積極的に企業側とコミュニケーションを取ることで、職場見学を企業をより深く知る場として活用しましょう。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る職場見学では事前の準備を怠らず積極的に質問して好印象を残そう
職場見学は企業を深く理解する絶好の機会です。特に、質問の時間を有効に活用することで企業への興味や積極性をアピールし、好印象を与えることができます。まず、職場見学では事前準備が重要です。
企業のウェブサイトや公開資料をチェックし、基本的な情報を把握しておくことで、当日に具体的で深い質問ができるようになります。質問は複数準備しておくと安心です。
たとえば、社風や職場環境について「社内の雰囲気」や「職場の風通し」、「入社前と入社後のギャップ」などを尋ねると良いでしょう。業務内容に関しては「1日のスケジュール」や「入社直後の業務」、「若手社員の役割」などが挙げられます。
さらに、やりがいについては「やりがいを感じる瞬間」や「仕事の大変な部分」、「成長を感じること」などの質問が有効です。
また、必要なスキルについて「活躍している人の共通能力」や「新入社員に求めるスキル」、「仕事で大切にしている考え方」などを尋ねると良いでしょう。
職場見学の時間を有意義なものにすることがその後の就活の成功につながる
このように質問を通じて企業の内部情報や自分との相性を確認することができます。積極的に質問する姿勢は企業に対する真剣な関心を示し、好印象を与えます。
職場見学の終了時には感謝の意を示すことも忘れないでください。丁寧にお礼を伝えることで礼儀正しい印象を残せます。職場見学を通じて企業への理解を深め、より良い選択をするための材料を集めましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
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