Q
大学4年生
男性
新卒でベンチャー企業に入らないほうが良いと言われるのはなぜですか?
就職活動中で、安定した大手企業から内定をもらえそうな状況なのですが、以前から興味を持っていた成長中のベンチャー企業にも惹かれています。
ただ、親や大学の先輩から「新卒でベンチャー企業には入らないほうが良い」「社会人としての基礎が身に着かない」と反対され、迷っています。
新卒でベンチャー企業に入らないほうが良いといわれるのは、どのような理由や背景があるのでしょうか?
また、ベンチャー企業を選ぶ場合に、失敗を防ぐために意識しておくべきポイントや、入社後に後悔しないための心がまえを教えてください。
※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています
教育体制や評価制度が未整備で振れ幅が大きいのが一因
新卒でベンチャーを勧めないと言われがちな理由は、大手に比べて教育体系や評価制度が未整備で、上司次第・事業次第の振れ幅が大きいからです。
配属や役割も環境変化に合わせて急に変わり、専門性よりも汎用的な何でも屋になりやすい懸念もあります。
一方で、意思決定の近さや裁量、事業づくりの一連の流れを若手から経験できる大きな利点も確かにあります。
自分のウリとなるポイントを作ることができれば、欠かすことのできない重要な存在として若いうちから認識され、裁量もどんどん手に入る傾向があります。
それだけの責任を持つことができそうかどうかが見極められることもまた事実です。
環境の不確実性を学習速度で上回れる人が向いている
後悔しない選び方は、以下の4点を確認することです。
①資金調達・売上・粗利のトレンドとキャッシュの余裕がありそうか
②過去の事業成功・失敗からの学びなど、経営陣の再現性
③配属予定チームのミッションとKPI
④入社後 6カ月・1年の期待役割、評価基準・育成方針の明文化
入社後は「最初の90日プラン」を作成し、週次で壁打ち相手を確保することで伸びを可視化できます。
ベンチャーは環境の不確実性を学習速度で上回れる人に向いています。自分の志向が「仕組み化・専門深耕」か「探索・0→1」かを見極めて決めましょう。
新卒のベンチャー入社が不安視されるのは育成基盤の差にある
老舗企業に多く、ベンチャー企業に少ないものは、未経験者を一人前に育ててきた経験値です。厚生労働省の雇用動向調査によると、従業員数と離職率には明確な相関があり、従業員数が少ないほど離職率が高い傾向があります。
また同調査では、転職時に大きな企業からより規模の小さい企業へ移る人が多く、小規模企業から大企業へ転職するケースは少ないことも示されています。
このことから、社会人としてのスタートを切る際には、規模の大きい企業を選ぶほど、その後の転職の選択肢が広がると言えます。
もし新卒で入社先を迷ったら、「今しか入社できないのはどちらか」という視点で判断すると良いでしょう。
統計的な正論としては、このような結論になります。
自分の人生を自分で背負う責任感や覚悟が大切
それでも、ベンチャー企業を選ぶ魅力は確かにあります。スピード感のある成長環境や、自由で風通しの良い社風に惹かれる人も多いでしょう。
結局のところ、「ベンチャーか大企業か」という迷いも、「大企業2社のどちらにするか」という迷いも、根っこは同じです。どちらを選ぶにしても、自分の人生を自分で引き受ける覚悟が問われるのだと思います。
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