Q
その他
女性
他部署の応援要員に駆り出される人の特徴はなんですか?
私はこれまでさまざまな企業に勤務してきましたが、どの企業でも自分が所属する部署の業務を専門的に任せてもらえず、他部署の応援に駆り出されてばかりで、いわゆる応援要員のように扱われてきました。
本当は自分の部署に腰を据えて専門性を高めていきたいです。
ですが、そのことを上長に言っても「あなたにはマルチな人材になってほしいから」「自分の部署にだけに居たいという気持ちはただの逃げでしかない、応援も経験だと思いなさい」と言われてしまいます。
私以外の社員で、同じように応援に駆り出される人はいません。私には何か特別な資格や能力があるわけでもなく、平凡な人員だと思っているのですが、こうして応援要員にされやすい人には何か特徴があるのでしょうか?
また、このように専門性を高められない状況のなかで、今後どうやってキャリアを形成していけば良いのかアドバイスをお願いいたします。
※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています
他部署の応援要員に選ばれるのは安心して任せられる人!
応援要員として声がかかる人には、いくつかの特徴があります。
まず第一に、どの部署に行ってもきちんとコミュニケーションがとれて、知らない環境にもすぐになじみ、トラブルを起こさずに業務をこなしてくれること。
能力が高くても、送り出した先で人間関係の摩擦を起こすようでは意味がありません。その点、質問者さんは「安心して送り出せる人」だと信頼されているのでしょう。
次に、臨機応変に動けること。指示がないと動けない人や、イレギュラーがあると固まってしまう人は応援要員には向きません。
その場その場で状況を読み、適切な判断ができる力がある人が、自然と選ばれていきます。おそらく質問者さんも、その点で評価されているのではないかと思います。
応援業務を専門性につなげる意識を持つことが重要
とはいえ「自分の専門性を高めたい」という気持ちはとても大事です。
まずは、自分がどの分野に軸足を置いてキャリアを築きたいのか、その方向性をはっきりさせましょう。そのうえで、今経験している他部署での業務のなかにも、自分の専門性につながる要素を見つけていくことがポイントです。
たとえば、経理の専門性を高めたい場合、人事や総務の現場で経費の扱い方や備品管理の違いなどに注目すれば、経理的な視点を養う経験になります。意識の持ち方次第で、応援業務も意味ある学びに変えることができます。
ある映像メディア系の企業で社員向けのキャリアコンサルティングをおこなった際、現在は映像制作の部署にいる人が「企業のニーズを知りたいから営業もしてみたい」と言っていたことがあります。
このように、自分の専門分野に軸足を置きながら他部署での仕事をすることで、専門分野に深まりが出ることはあります。今はそのような意識で仕事に取り組んでみると、前向きな気持ちも生まれやすいのではないでしょうか。
他部署の応援に呼ばれやすいのは会社から信頼されている人
人事や組織支援の現場で感じるのですが、なぜかいつも他部署の応援に呼ばれる人は、どの会社にもおられます。そのような人にはいくつかの共通点があります。
まず一つは、信頼されやすいタイプであることです。責任感が強く、与えられた仕事に前向きに取り組む姿勢が、上司や現場から評価されやすいのです。
私が以前かかわった製造業のBさんもその一人でした。彼は新製品の立ち上げ部署などによく応援に行っており、本人は「専門性が育たない」と悩んでいました。
しかし上司は「どこへ出しても安心できる」「現場が助かる存在」として高く評価していました。本人は便利に使われていると感じていても、会社から見れば信頼できる人材と映っているのです。
次に多いのが、頼まれると断れないタイプです。人間関係を大切にするあまり、「今回は仕方ない」「迷惑をかけたくない」と引き受け続けてしまいがちなタイプです。
これは優しさであると同時に、キャリアの方向性を自ら曖昧にしてしまう危うさもあります。
応援経験をキャリアの資産としてどう位置付けるかが重要
では、専門性を高めたい人はどう動けば良いのかという点ですが、カギとなるのは、応援経験を広く浅い経験ではなく、複数部署を横断的に理解できる資産としてとらえ直すことです。
私が支援したCさんは、さまざまな部署での応援経験を通じて、社内調整力やプロジェクト全体を理解する力を身に付けました。
それをジェネラリストとしての専門性としてまとめ、最終的に社内異動でプロジェクトリーダーに抜擢されました。
大切なのは、自分の経験をどう整理し、どう活かすのかを自ら言葉にして伝えることです。自身のキャリアを会社任せにせず、自分の意思で形づくることが、次の一歩につながることとなります。
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