自衛官候補生の作文では、立派な文章を書くことよりも、自衛官としての資質を自分の言葉で表現できているかが大切です。

作文は面接と同じように、覚悟や適性を見られる重要な場です。

選考では、志望理由の深さ、自分の強みの具体性、入隊後の成長意欲の3つが特に重視されます。これらを意識して構成することで、自衛官としての考え方や姿勢が自然に伝わります。

ありふれた話も自衛隊の仕事に結び付けよう

たとえば、以前支援した高校生は、「後輩を責めるのではなく、行動で示すことを意識してきた」という部活動での経験を作文に書きました。

一見ありふれた話のようですが、「仲間の安全を守るためにまず自分が動く」という思いに結びつけたことで、面接官に強い印象を残したといいます。

このように、作文では特別な体験を書く必要はなく、自分の経験を自衛官の仕事とどう結びつけるかが重要です。

構成の流れに沿って具体的に伝えよう

構成の流れとしては、「志望した理由」「自分の強みが表れる経験」「その経験が自衛官としてどう役立つか」「入隊後どう成長・貢献したいか」の4点を押さえると書きやすくなります。

仲間を思いやる姿勢、責任感、成長意欲、そして体力や粘り強さを示す具体的な場面を盛り込むと説得力が増します。

作文に取り組む前に、求められる人物像を直接聞こう

また、作文の準備段階で最寄りの自衛隊募集案内所を訪ね、担当の人事官に相談してみることも有効です。採用の目的や求められる人物像を直接聞くことで、より実感を持って文章に反映できます。

高校での体験を振り返りながら、自分らしい言葉でまとめることが、何より説得力のある作文につながります。

自衛隊は、国民のための使命感、正義、協調性、規律性、厳しい訓練に耐える意欲が重視されます。

作文では、内容よりも入隊への覚悟や熱意が読み取れるかが重要です。

難しい経歴は必要ない！ 作文の基本構成に当てはめよう

作文は「志望理由（なぜ自衛隊なのか）」「自分の強み（協調性・責任感・忍耐力など）」「根拠となる経験（部活動・生徒会・家庭の経験など）」「入隊後どう貢献するか（将来像）」の流れで構成するのが基本です。

無理して難しいことを書く必要はありません。

高校生活であなたが経験したことを高校生の目線で書き、その経験を自衛隊でどのように活かしていきたいのか具体的に書く、ということを意識できれば大丈夫です。

もし、チームで動いた経験や目標を達成した経験があるとよりいっそうアピールできます。

例文を参考に、自分の意欲を伝える作文を作ってみよう

たとえば「チームで役割を果たした経験」というテーマであれば、以下のように書いてみましょう。

まずは、「私は高校の〇〇委員会でまとめ役を務めた経験があります。そのなかで、仲間と協力しながら1つの目標に向かう大切さを学びました」という状況説明型でスタートします。

自分のエピソードを補足しつつ、最後の締めは「この経験で身に付けた協調性と責任感を、自衛隊でも活かしたいと考えています。どのような任務でも仲間と力を合わせ、最後までやりにく自衛官を目指します」などとまとめてみましょう。

自分の経験から自衛隊での貢献につなげることができます。

迷った際は型に立ち返って自分の経験を当てはめよう！

もし迷ったら、「導入・結論」「当時の課題や困難」「それをどう乗り切ったか、自分はどう動いたか」「その結果どう変わったのか」「経験から自分が得たもの」「今後どう活かしていくか」という型に当てはめて書けると良いです。