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百貨店への就職は「やめとけ」と言われる理由を教えてください。
百貨店への就職に興味があるのですが、ネットで「やめとけ」といった書き込みもあり、少し不安になりました。
長時間の立ち仕事が大変そうなのと、店舗がなくなっているというニュースも時々見るので、苦労もあるのかなとは思うのですが、やめとけと言われるほどなのでしょうか?
キラキラしたイメージのある百貨店にはあこがれがあるので真実を知りたく、もしデメリットがあるなら、どんなことがあるか教えてほしいです。覚悟しておくべきこと、事前に知っておいた方が良いことなど、有識者の方アドバイスをください!
※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています
あらゆる面での逆風が吹く業界! 構造的な課題解決にも至っていない
百貨店業界の売り上げのピークは1991年で、車社会の進展によって郊外店や専門店にシェアを奪われたり、あらゆる商品分野で拡大してきたネット通販、ショッピングセンターの大型化などにも影響を受けたりしてきました。
地価の高い立地に多層階の店舗を作るという業態のため投資額が大きく、建物の老朽化にともない維持費もかかります。
地方では撤退した店舗が野ざらし状態になっているケースもあり、業界全体のイメージも悪くなっています。
長年実質賃金が上がらないなか、百貨店が得意とするブランド品の国内市場も縮小しており、高級ブランド品を接客で売るという販売方法も時流に合わなくなっています。
あらゆる面で逆風が吹いている業界です。
また、百貨店の弱体化の原因としては委託販売方式というものもあります。
これは商品を仕入れずにメーカーに売り場を貸すという形で、百貨店側が売れ残りのリスクを負わない分、利益率も低いという方式なのですが、そのため自社の商品力が育たず、専門店との競争に勝てなかったといわれています。
今後はこうした売場貸しの事業から脱却して、自らの力で顧客と市場を開拓する取り組みが不可欠です。百貨店でもオンライン化や顧客体験を強化する取り組み、インバウンド需要の取り込みなどのチャレンジは見られますが、構造的な課題解決には至っていないのが現状です。
成功体験を積むのは難しいかもしれない! 職場環境にも課題がある
このような、いわば「構造不況業種」への就職の場合は、一人ひとりの努力だけではなかなか変えられないことに、仕事として立ち向かわなければなりません。
困難な状況で学べることも多いと思いますが、ビジネス自体がうまくいっていないところで成功体験を積んでいくのは容易ではありません。
挫折や力不足を感じても折れない覚悟はしておいてください。
現場の就労環境も良くないところが多く、改善意識も低い企業が多いのも事実なので、その点もしっかり見学などで見極めてください。
立ち仕事が心配とのことですが、昔よりも健康上の配慮をしてくれる職場が多くなっているのと、個人差はありますがそれなりに慣れてくれば適応できると思います。
本来は長時間の立ち仕事の場合、顧客が少ないときにバックヤードで座ることなどは安全衛生上必要な配慮ですが、百貨店の管理職はそうしたことを知らない人が多いので、そこも課題です。
労働環境や給与の点が心配であれば、同じ流通業でもチェーン経営の会社の方が接客比率が低いのと経営数値がまだ良いので、検討の余地があるかもしれません。
地方は厳しい一方都市部の百貨店は成績を伸ばしている
たしかに、百貨店業界の売り上げや市場規模は年々減少していて、ネット通販やショッピングセンターの需要が増加しています。そのため、百貨店の厳しい状況は今後も続くと考えられます。
特に、人口が少ない地方都市にある百貨店は、閉店が続く可能性があります。
一方で、都市部の百貨店は、インバウンド需要の増加や富裕層向けの特定商品や接客サービスの提供によって、売り上げを伸ばしています。
目標を明確にすれば視野が広がる! 関連企業も研究しよう
華やかなイメージを持つ百貨店に憧れるだけでなく、百貨店での具体的な目標を考えることが重要です。
顧客に高い満足を提供するための商品知識や接客スキルを身に付けた販売スタッフ、富裕層の顧客への寄り添い、商品の提案や販売をおこなう外商、また市場の動向を把握し店舗で販売する商品の仕入れをおこなうバイヤー、さらにはイベントの企画や運営など、百貨店を中心にさまざまな職種があるので、自分の目指す方向性を明確にすることが大切です。
給与面に不安がある場合は、百貨店やショッピングセンターに出店しているアパレルブランドなどの販売スタッフという選択肢もあり、立ち仕事に不安があれば、ECサイトの運営やショッピングセンターを管理する不動産賃貸業などもあります。
百官店にこだわらず、関連するほかの仕事も企業研究してみましょう。
外商やEC展開を強化するなど新たなビジネスチャンスを探求している百貨店は、今後の成長が期待できますが、生き残っていくためには、時代のニーズを捉えて対応していく適応力が求められます。
なぜ百貨店業界に興味を持っているのか、百貨店で何を目指すのか、それは百貨店でなければ実現できないのかについて、考えてみましょう。
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