Q

大学3年生
男性

ロート製薬の「AIでESが均質化したから書類選考は廃止」という発表は、生成AI利用への一つの警告でしょうか?

ロート製薬が「生成AIの影響でESが均質化した」という理由でエントリシート(ES)を廃止するという記事を読みました。

正直に言うと、私も自己PRや志望動機の作成で生成AIなどをかなり活用しています。ゼロから自分で書くよりも文章が整いますし、何より効率が良いので頼りきりになっていました。

でも、今回のニュースを見て「企業側はAIで作った文章を見抜いているのではないか」「AIを使う学生は評価を下げる対象になるのではないか」と急に怖くなっています。

周りの友人も当たり前のようにAIを使っていますし、今さら自力だけで一から文章を考える自信もありません。でも、このまま使い続けて選考で不利になるのは避けたいです。

これからの就活で生成AIを使い続けるのはやはりリスクになるのでしょうか? プロの視点で、就活における生成AIとの正しい付き合い方や、マイナス評価を避けるためのアドバイスがあれば教えてください。

3人のアドバイザーが回答しています

質問日 :

※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています


ロート製薬株式会社
エントリーシートによる書類選考を廃止し、対話を起点とした「Entry Meet採用」を導入

アドバイザーの回答要約まとめ

ロート製薬の発表については、「AI利用への警告ではなく、文章の画一化により個が見えにくくなったことへの対応」であるという解釈で一致しています。

AI活用自体は否定されておらず、むしろ「構成や下書きのパートナー」として有効だという意見が多数です。ただし、思考の核心やエピソードまでAI任せにすると「整いすぎて個性が消える」ため、最終的には自分の言葉で仕上げる重要性が強調されています。

また、面接で深掘りされた際に自分の言葉で語れるよう、「思考のアウトソーシング」は避けるべきだというアドバイスしています。

※アドバイザーの回答に基づきAIで生成されたものです

国家資格キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー

百田 千穂

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AI利用への警告ではなく、「文章力で測れない個性」を直接見極めるための決断

生成AIは、とても便利なツールです。しかし、生成された文面をそのまま使ってしまうと、文章が整いすぎて個性のカラーが薄まります。その結果として、均質化につながることは否めません。

また、AIで作られた文章は語彙や構造の特徴から判断できる場合もあり、読み手に違和感を与えることがあります。企業は、そこを敏感に感じ取っているのです。そのため、生成された原文を丸写しするような使い方はおすすめできません。

企業が知りたいのは「個性」。独自の解釈と体験で自身の「軸」を伝える

一方で、AIの活用そのものが悪いわけではありません。大切なのは、自分で考えた言葉が中心にあることです。「自身の体験をどう解釈し」「何を大切にしてきたのか」を独自の言葉で書くことにより、自身の「軸」が伝わりやすくなります。

そこであぶり出される「個性」こそ、企業が知りたい部分なのです。

ESは、「一緒に働ける人物であるか」「入社後の配属はどこが適当か」といった適性を見極めるための大切な役割があり、企業と応募者の相性を確かめるための重要なツールです。

AIを「下書き・ヒント」に使い、本番は自分の言葉で仕上げるのが正解

下書きの整理や視点のヒントとしてAIを使い、本番の文章は自分の言葉で仕上げる。そのような使い方なら、むしろ「整理整頓された文章」でありながら「個性が届くES」となるでしょう。

AIに頼るか否かということが重要ではなく、「自分の言葉で語れている部分があるか」という視点が評価のポイントになります。そのためAIの利便性に依存することなく、自分の表現を丁寧に育てていくことが大切です。それにより、面接担当者の印象に残る個性的なアピールツールとなり、合格への道につながりやすくなります。

キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士

瀧本博史

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AIを活用した文章の完成度よりも問われているのは「思考の深さ」

ロート製薬の「ES廃止」の発表は、生成AIそのものを否定するものではなく、「生成AIの普及で応募書類の内容が均質化し、ESだけでは学生一人ひとりの本質的な個性を捉えにくくなった」という前提の変化を示したものとして受け止めるのが適切です。

実際の採用現場でも、多くの企業は「AIを使っているかどうか」そのものよりも「AIを使った結果として、その人の思考や価値観がきちんと伝わっているか」を重視し始めています。

まず押さえておきたいのは、「生成AIを使ったから即マイナス評価になる」という時代ではないという点です。

「AI=減点」ではない。企業が恐れるのは均質化による「個性の消失」

多くの学生がES作成や企業研究にAIを活用していることは、企業側も十分に認識しており、完全禁止の流れは現実的ではありません。

ただし問題になっているのは、AIが整えた「きれいで正しい文章」が増えた結果、誰が書いても似たようなESになり、そこから人物像や価値観を読み取りにくくなっていることです。

ロート製薬の決断は、「生成AIの普及でESの内容が均質化し、従来の書類選考だけでは個性を見分けにくい」という採用側の課題認識を、選考フローの変更という形で表現したものと言えます。

ここで重要なのは、「AIを使うかどうか」ではなく、「思考の核までAIに任せていないか」という点です。生成AIは、文章の構成を整えたり、表現を磨いたりする補助ツールとして活用する分には非常に有効です。

AIは「構成」のパートナー! エピソードの「核心」までAI任せにしない

一方で、自分の経験の意味づけや、なぜそう感じたのか、どこで悩み、どう乗り越えたのかといった核心部分までAI任せにしてしまうと、その人らしさはどうしても薄れてしまいます。

企業が問題視しているのは、AI利用そのものではなく、「自分の頭で考えた痕跡が感じられない文章」なのです。

評価軸は「文章の巧さ」から「自分の言葉で語る力」へシフトする

今後の就活では、ロート製薬のようにESだけで人を判断する選考を見直し、最初から面接や対話、短時間のコミュニケーションを通じて評価しようとする企業が増えていく可能性があります。

これは、生成AIの普及を前提とした時代において、「文章が上手な人」だけでなく「自分の言葉で考えを語れる人」を見たいという、自然な流れとも言えます。

だからこそAIを使うのであれば、「自分は何を伝えたいのか」「この経験から何を学んだのか」をまず自分の言葉で整理し、その素材を磨く道具としてAIを位置づける意識が不可欠になります。

AIは就活の敵ではなく、あなたの魅力を引き出す「心強い味方」

生成AIは就活の敵ではありません。

ただし、「自分の代わりに評価を受けに行かせる存在」にしてしまうと、企業との間に必ずズレが生じます。

これからの就活で評価されるのは、AIを器用に使いこなすことそのものより、AIを使ってもなお伝わってくる「あなた自身の考え」や価値観があるかどうかです。

その点を意識して生成AIと付き合い続ける限り、AIはリスクではなく、むしろあなたの等身大の魅力を引き出す心強い味方になってくれるはずです。

国家資格キャリアコンサルタント

馬場 岳

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AIの活用は問題ない! 「整いすぎた文章」が就活生の個性を消してしまう

このニュースを見て不安になる気持ち、とても自然だと思います。実際に「AIで書いたESで落ちた気がする」と感じている方は少なくありません。

ただ、ロート製薬の発表は「AIを使うな」という警告というより、「文章の上手さだけでは人柄や個性を見極められなくなった」という企業側の課題表明に近いととらえるべきです。

企業が評価するのは文章のうまさではなく考え抜く力

今の就活市場では、AIを使う学生は珍しくなく、企業もそれ自体をマイナス評価にはしていません。一方で評価されなくなっているのは、経験や思考が見えない「整いすぎた文章」です。

文章は整っているのに、なぜその行動を選んだのか、他の選択肢と何を比べて決めたのか、といった思考の深掘りが自分の中に残らないケースが多く見られます。

その結果、面接で「もう少し詳しく教えてください」と聞かれた瞬間に言葉に詰まってしまう。これは能力不足ではなく、考え抜く前に答えが出てしまったことが原因です。

AIを活用するときは「本当に自分の考えか」と立ち止まる意識を

おすすめは、AIを「下書き」や「構成整理」に使い、具体的なエピソードや感情、迷ったプロセスは必ず自分の言葉で足すこと。

面接で深掘りされたときに語れるかが分かれ道です。AIは敵ではなく道具でありあくまでも主役はあなた自身です。使い方を間違えなければ、就活も今後の仕事にも強い味方になりますよ。

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「この仕事に就きたい!」と思っていても、なぜそうなのかをうまく文章におこすことができないと悩む学生は多いです。

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