この記事のまとめ
- 出世したくない人は出世しないことへの実情を理解することが重要
- 出世しない場合の働き方を5つ紹介
- 出世のメリットと出世した人のその後をチェックして後悔のない選択をしよう
- 自己分析ツール
たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!
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「働きたくないわけではないけど、出世はしたくない」と考えている人は多くいます。「責任が重い仕事をしたくない」「今の会社で出世する未来が見えない」という人もいるでしょう。
出世しないという選択をする際は、出世しないことの実情を知らずに決断してしまうと、思っていたキャリアが歩めず後悔してしまう可能性があります。
この記事では、キャリアアドバイザーの柴田さん、瀧本さん、杉原さんとともに出世したくない人に向けて知っておくべき情報について詳しく解説します。後悔のない選択をするためにぜひ参考にしてくださいね。
出世したくない人は出世しないことの実情への理解が必須
人によって描きたいキャリアや理想の働き方は異なるため、出世せずに仕事をしたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
このように出世したくないという場合は、出世しないことへの実情を理解してから決断をすることが大切です。出世しないことで直面する問題を知らずにいると、「そんなはずではなかった」とのちのち後悔することにつながってしまう可能性があるからです。
記事ではまず、「出世しない」という選択をすることに対する世間の意見と、会社が社員に出世を求める理由を紹介していきます。世間ではどのような印象があるのか、そして会社の意図を理解していきましょう。
次に、出世したくないと考える人のおもな理由と出世しない働き方について解説していきます。多くの人の出世しない理由を参考にしながら自分はなぜ出世したくないのかを明確にして、どのように働くのが合っているのかを見ていきましょう。
記事後半では出世しない選択をすることのリスクと、出世するメリットを解説していきます。もともと出世したくないと考えていた人が管理職になったその後についても解説するので、実情や周囲のキャリアの描き方を押さえて、後悔のない選択ができるようにしてくださいね。
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まずは出世しないことに対する意見をチェック!
出世したくない人のうち、「出世したくないけど世間の目が気になる」「周りから疎まれたらどうしよう」と不安に感じている人もいるかもしれません。
出世しないことに対して賛成意見を持つ人もいる一方で、反対意見を持つ人もいることも事実です。周りの目や意見が気になるという人は、客観的な視点で意見を理解することで、周囲に流されず決断をすることができるでしょう。
ここでは、出世をすることに対して反対している人と賛成している人のそれぞれの理由について解説していきます。根拠のある理由をチェックして、最終的な決断をする際の不安を減らしていきましょう。
どのような決断も、周囲の意見を聞くときには賛成・反対双方の言い分を聞くべきだと思います。人は何かの決断をするとき、自分に都合の良い意見を受け入れ、そうでないものを否定する傾向があります。
それが過剰になると正しい判断ができなくなります。出世をしないというのは賛否両論あるうえに大きな決断なので、必ず両サイドの考えを公平に聞くようにしましょう。
「出世を打診されたら出世するべき」派の意見
出世しないという選択に対して反対意見を持っている人のなかには、出世はキャリアを成長させるものであり、多くの経験を積むことで自分の成長やスキルの向上につながるからと考えている人がいます。
また、会社は自分のためのものではなく、会社のために責任を果たさなければならないというように考えている人もいます。そこに加えて、出世しない人が増えると管理職がいなくなるリスクがあり、後輩を育てる人が減少してしまうからという意見を持っている人もいます。
このように、自分のキャリアの成長に加えて、会社に属することの責任として出世するべきと考える人もいるようです。
「出世したくないという考えも認められるべき」派の意見
出世するべきだと考える人がいる一方で、出世しなくても良いのではないかという意見を持っている人もいます。
すべての人がキャリアの進展を最重視しているわけではなく、自分の趣味や家族との時間などプライベートの生活を優先する人もいます。そういった人が納得のいく生活ができるように、出世したくないという考えも認められるべきという意見を持つ人がいるのです。
また、出世すると今までと異なるスキルや特性が求められることがあります。すべての人がリーダーシップがあり管理職に向いているとは限らず、専門職や技術職でも十分に活躍できるため必ずしも出世する必要はないのではないかと考える人もいます。
アドバイザーコメント
杉原 美佐子
プロフィールを見る「出世=周囲に実力が認められた」ということ
私自身は打診されたら出世したい派ですが、そうでない人もいます。
たとえば2002年ノーベル化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんの当時の肩書は主任でした。インタビューで研究に専念したいから肩書はいらないと語っていた記憶があります。その後ノーベル賞を受賞したので、一気に肩書が増えました。
「出世」は、その人の実力を周囲が認めたことだと考えています。ただ民間企業の場合、役職が上がると、現場仕事ではなく管理職になり仕事の内容が変わってしまうことが多いです。
人によって得意なことは異なるから出世するかしないかは人それぞれ
現場仕事が向いている人、マネジメントをする管理職が向いている人、両方に秀でている人がいて、出世したくないという気持ちは理解できます。「できる」と「やりたい」は違うものです。
出世は、立場が変わり、肩書が変わり、仕事が変わるのです。トップ成績の営業マンがその腕を買われて、マネージャーになったとたん全体の業績がガタッと落ちたり、さえない成績だったはずなのに課長として活躍する人がいたり、仕事はその人の能力の一部を見せているだけです。
あなたが受けない方がいい職業を確認してください
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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
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なぜ会社は社員に出世を求めるの? 会社の意見も理解しておこう
出世をすることで、社員はリーダーシップや管理能力を養い発揮する機会が増えます。このような優秀な人材が管理職として活躍することで組織全体のパフォーマンスが向上するため、会社は社員に出世を求めるのです。
また、会社は業界での競争力を維持して業績の向上を測っています。競争力が下がり業績が低下してしまえば、社員の雇用が安定しなくなったり給与が低下してしまったりする可能性があるからです。会社の目標を達成して業績を安定させるためには、リーダー人材を増やしていく必要があります。
さらに出世するということは、キャリアパスが明確に示されているとも言えます。将来のキャリアパスが明確になっていることで社員のモチベーションを高めることにつながり、生産性を向上することにもなるため、会社は社員に出世を求めているのです。
企業は、社員が出世することで総合的なマネジメント能力を身に付けてもらい、生産性と業績の向上を図ろうとしています。
また、出世する社員が増えることでその企業の競争力が高まることになり、結果的に事業が拡大することにつながるため、雇用の安定性と給与の向上を図ることができます。
- 自分が生活するために働いているので、会社のために出世するという意見が理解できません。
自分の生活のために出世するという考え方もある
生活のために働いているなら給与が目的ですね。給与が目的なら出世して収入を上げる考えはないですか? 生活がぐっと楽になり、プライベートの楽しみの幅が広がると思います。
真面目に働いていても、会社には興味がないから「会社のために働く」ことに納得できないのでしょうか。
でも、考えてみてください。会社の業績が悪く、給与カット・ボーナスなし、あるいはリストラの嵐が吹き荒れたらどうなりますか。会社が業績を上げて発展するからこそ、昇給がありボーナスがあり、安心して働き続けられます。
会社の存続は自分たちの手にかかっているのです。
会社のために出世するとは、会社を大きくするために自分の能力を最大限に発揮するという意味です。
こちらの記事では出世する人の特徴について紹介しています。「実際どんな人が出世するの?」と疑問を抱いている人はぜひチェックしてみてください。
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- 仕事の変化が嫌だから
- 管理職の働き方に不満があるから
- 現状に満足しているから
出世したくないという考えが頭に浮かぶとすぐにそう決断をしたくなってしまうかもしれませんが、出世の何が嫌なのかを整理しないと、今後のキャリアの築き方がわからずどのようにしたら良いのかわからなくなってしまう可能性があります。
出世せずに働くための具体的なアクションにつなげるためには、「なぜ出世したくないのか」という理由を明確にすることが重要です。
ここでは、出世したくないと考える人のおもな理由を3パターンで紹介します。自分の理由に近いものがないかチェックしていきましょう。
①仕事の変化が嫌だから
仕事の変化が嫌で出世がしたくない人の理由
- 責任が大きい仕事がしたくない
- 部下の指導をしたくない
- 人間関係の幅を広げたくない
- プレーヤーとして専門性を伸ばしたい
出世すると、今までの業務内容や働き方とは異なった方法で仕事をすることが求められます。このような変化が嫌で出世をしたくないという人は少なくありません。
仕事の変化が嫌で出世したくないという人の具体的な理由について解説するので、「今の仕事が変わるのが嫌だ」と考えている人は一つずつチェックしていきましょう。
チャレンジ精神に乏しかったり、失敗を恐れて何もできなかったりするタイプの人は仕事の変化を恐れ、出世を嫌う傾向があります。
しかし、どのような仕事もチャレンジなしには成長も発展も見込めず、失敗をしないでやり過ごすことはできません。こうした傾向のある人はそもそもどの企業からも敬遠される傾向があると認識しておきましょう。
責任が大きい仕事をしたくない
管理職は自分の成果だけでなく、担当の部署全体の目標を管理したり新入社員・部下の育成をしたりすることが業務責任の範囲になっています。そのため、非管理職と比較して業務の責任が大きいです。
高い役職に就くことで避けられないような、大きな責任がともなう仕事はしたくないという人は多いでしょう。このように考える人は、意思決定の責任やチーム全体の成果へのプレッシャーからストレスを感じたり、周囲から期待されることを苦手と感じたりすることが理由のようです。
このように、業務で大きな責任を背負いたくないから出世したくないという人がいるのです。
部下の指導をしたくない
出世をすると必然的に部下が増え、多くの人の指導をすることになり、部下を指導する際は指導力や教育スキルが求められます。こういったスキルが得意分野ではない場合、部下の指導をしたくないから出世したくないと考える人がいます。
また部下の指導には高い対人スキルも求められるため、対人関係にストレスを感じやすい人や周囲とコミュニケーションを取ることが苦手な人は部下の指導をしたくないと感じるようです。
さらに、指導をする際は良い面だけでなく悪い面に対して厳しいフィードバックや評価をおこなわなければならない場面があり、そのような場面にストレスを感じることから出世をしたくないと考える人もいます。
出世しなくても、後輩やチームメンバーがいる限り、指導することを完全に避けることは難しいです。
どの職場でも、働いていると自然とサポートや指導が求められる場面が発生するため、先輩社員としての役割を担うことになります。就活の際にはこのような職務を受け入れる姿勢や準備も大切です。
人間関係の幅を広げたくない
出世して高い役職に就くことで、部下や上層部、外部などさまざまな立場や背景を持つ人とかかわる機会が増えます。複雑な人間関係にストレスを感じる人は、人間関係の幅を広げたくないから出世したくないと考えるようです。
また、新しい人間関係を築くことに不安やストレスを感じてしまう人も、対人関係にストレスを覚えるため出世を望まない傾向にあります。
人間関係の幅を広げずに、現在の安定した環境を続けたいという理由で、出世したくないと思う人もいるのです。
出世をすることで社内外の交友関係が広がるため、メリットは大きいです。特に社外からは、新しい知識や異なる考えなどに触れられるため非常に刺激を受けます。
デメリットは、仕事を有利に運ぼうと近寄ってくる人がいるので、それをうまくかわす必要があることだと思います。
プレーヤーとして専門性を伸ばしたい
出世すると、部下の指導や社員のスケジュール管理、チームの目標管理と、専門的な業務ではなく幅広く業務をおこなっていきます。得意な分野や専門的な業務をする機会が減り、専門性を伸ばすことが難しくなります。
このように、管理職になると、マネジメントや調整業務が増えて専門業務に集中する時間が減ってしまうことが多いです。
間接的な業務が増えるため、専門分野に特化して知識やスキルをさらに深めたいと考えている人や、自分の専門的な業務に熱意を持っている人は、出世したくないと考える傾向にあります。
- 自分の専門性を伸ばせるのであれば出世しても良いかなと思うのですが、やはり難しいのでしょうか?
専門性を伸ばしながら出世することも可能
最近では、専門性を伸ばしながら管理職としても活躍している人がどの企業でも増えています。キャリアパスも多様化してきているので、就活で情報収集をする際によく調べておくと良いでしょう。
また、既存のキャリア形成以外の働き方を模索している企業も少なくないため、自分の専門性を末永く伸ばしていきたい、という希望を入社後にしっかりと伝えていくことも大切です。
自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!
自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。
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②管理職の働き方に不満があるから
管理職の働き方に不満があって出世がしたくない人の理由
- 仕事量に見合った給料をもらいたい
- プライベートの時間を減らしたくない
- 社内政治にかかわりたくない
- 上司の働き方が大変そう
上司や先輩の働く様子を見ていて不満に感じるため、出世したくないという人も多くいます。たしかに非管理職と比較して責任が増えるため、大変だと感じる業務が増えることも事実です。
上司や先輩、管理職の働き方に納得がいかないという人は、具体的にはどんな点に不満を抱いているのかを明確にしていきましょう。多くの人が不満に感じる理由を紹介するので、自分に当てはめて考えてみてくださいね。
近年は働き方改革や短期目標の設定などのプレッシャーにより、管理職は多忙を極めています。特に、意思決定や合意形成のプロセスが効率化されない場合、業務量はさらに増えていきます。
部下の数を適切に管理して負担の分散を図ることが重要であるため、管理職の業務量増加は避けられない状況となっています。
仕事量に見合った給料をもらいたい
繰り返しになりますが、出世すると部下の管理やチーム目標の管理など、業務範囲が広がり量も増えます。
給料ももちろん増えますが仕事量や責任も大幅に増えていくため、膨大な業務に対してもらえる給料が見合っていないと感じる人は、出世したくないと感じるようです。納得のいかない給料のままたくさんの業務を抱えることは、ストレスやモチベーションの低下につながってしまいます。
無理に出世して負担を増やすよりも今のままの方が満足できるという人もいれば、仕事量や責任は増えても良いから自分が納得できる給料をもらいたいという人もいます。
今の仕事がきつくて出世するとこれ以上つらくなるから嫌だという人は、こちらの記事を参考にしてまずは現状の改善をしてみましょう。対処法を詳しく解説しています。
関連記事
仕事がきつい人必見! きつい状態のまま働くリスクと対処法を解説
「仕事がきつい……」という状況を放置すると、過労死や心の病気につながる恐れがあるので注意が必要です。この記事では、「仕事がきつい」と感じたときの対処方法について、キャリアコンサルタントのアドバイスを交えつつ解説します。
記事を読む
管理職に限らず、自分の仕事と給与を考えたとき、ほとんどの人が少ないと思うのではないでしょうか。そして管理職は気苦労が多いので、余計にそのように感じると思います。仕事量に見合っているかいないかは、本人次第です。
プライベートの時間を減らしたくない
管理職は、部下のマネジメント・プロジェクトの管理・戦略の策定・意思決定など、幅広い業務を担います。これらの業務には時間がかかり、通常の業務時間内に終わらないことが多いです。
また、役職が上がることで緊急時には業務時間外でも責任を持って対応しなければならないこともあります。そのため、プライベートの時間が減ってしまうことが多々あるのです。
家族との時間や趣味の時間を大切にしたい人や仕事とプライベートをしっかりと切り分けたい人は、仕事が増えることで私生活とのバランスが崩れることを懸念して出世したくないと考える人が多くいます。
以前は管理職になったら残業が増え、プライベートの時間は減るのが当たり前でした。しかし近年では働き方改革やコロナ禍後のテレワークの普及など、さまざまな状況の変化によりそのような傾向も過去のものになりつつあります。
社内政治にかかわりたくない
管理職は重要な意思決定をおこなう立場にいるため、意思決定に影響を与える人間関係や情報収集が重要となり、それが社内政治と結びつくことがあります。
社内政治は時には競争や対立を招くことがあるため、ストレスが増えたり精神的な負担になったりする場面が発生しやすいです。また、社内政治にかかわることで妥協せざるを得ない状況が生まれることも考えられます。
自分の倫理的な価値観や信念を大切にしてそれを守りたいと考える人や、直接的な業務外でストレスを溜めたくないという人は、社内政治にかかわりたくないという理由で出世を望まないことが多いようです。
上司の働き方が大変そう
身近に働く上司が大変そうにしている姿を日常的に目の当たりにすると、出世すると自分も同じ道を歩むことになるのではないかと考えてしまいますよね。実際、記事中でも述べている通り非管理職と比較して業務量は増えるため、大変さも比例します。
上司のなかにはやりがいを持っていたり納得して働いていたりする人もいるはずですが、社員から見るとただただ大変そう・忙しそうだと感じられてしまうことがあります。
このように、上司のような多忙な働き方をしたくないと考えることから、出世したくないと考える人がいるのです。
- 出世に抵抗はないですが、直属の上司が本当に忙しそうで同じ働き方をしたくありません……。
キャリアアップの道は出世だけではない
まず、自分のキャリアパスを明確にしましょう。あなたの価値観やライフスタイルに合わせて、出世を目指すかどうかの選択をすることが大切です。
出世に対して前向きであっても上司の働き方には疑問を感じている場合、自分なりの効率的な働き方を模索することが重要です。また、スキルアップや専門知識の習得を通じて、自分の強みを活かしたキャリアを築くことも考えられます。
たとえば、特定の分野でのスペシャリストを目指すことで、必ずしも管理職としての出世を選ばずとも、高い評価を得ることが可能です。
プライベートと仕事のバランスを重視する働き方改革の一環として、フレキシブルな働き方や副業、社会貢献活動などを通じて自己実現を図る人も増えています。
これにより、出世に伴う負担を軽減しつつキャリアアップを目指すことができます。最終的には、自分のライフスタイルに合った働き方を見つけることが長期的な満足感と成功につながります。
③現状に満足しているから
現状に満足していて出世がしたくない人の理由
- のんびり働きたい
- 給料が変わらなくても良い
- 自分に務まるかが不安
今の働き方や仕事内容に満足しているから出世したくないという人もいるのではないでしょうか。現状のまま毎日を過ごして、無理のない範囲で働きたいというように考えている人もいるでしょう。
現状に満足しているから出世したくないと考えている人の具体的な理由を紹介します。現状に満足しているという人は、自分はどんな点に満足しているのかを明確にするために見ていきましょう。
のんびり働きたい
のんびり働きたいという人の中には、仕事とプライベートのバランスを大切にしたいと考えている人が多くいます。長時間労働や大きい仕事の負荷を避け、自分の時間を充実させたいと思っている人が多いようです。
出世して繁忙な業務や高い責任をともなうポジションに付くと、のんびりと働けずにストレスが増加することがあります。
穏やかな環境のなかで働いたり、のんびりとした環境で自分のペースで学んで成長したいという人は、出世して急激なキャリアアップをするよりも、納得できるペースでのんびりと働きたいと考えることが多くあります。
のんびり働きたいという人は、こちらの記事を参考にしてみてください。のんびりした性格に向いている仕事を紹介しています。
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のんびりした性格に向いてる仕事16選|ミスマッチ回避の秘訣とは
のんびりした性格は仕事では短所になると思われがちですが、向いてる仕事に就くことで強みとして活かすことができます。記事ではキャリアコンサルタントとともに、のんびりした性格に向いてる仕事16選を紹介します。
記事を読む
こちらのQ&Aではまったり働きながら高い給料をもらいたい人に向けて、キャリアコンサルタントが回答しています。自分のペースで働きながらも高い給料を手に入れたいという人はチェックしてみてくださいね。
給料が変わらなくても良い
現在の仕事や業務に満足していて、現状維持を望む人もいます。今の業務内容や取り巻く環境で十分充実しているため、あえて責任が大きいポジションに移る必要性が感じられず、出世したくないと考える人もいるのです。
出世や昇進をすることで給料がアップし生活が今よりも豊かになることもありますが、それにともなってストレスやプレッシャーも増加することがあるため、心身の健康を保つことに重点を置いて働きたい人には出世の選択肢はあまりないようです。
このように、わざわざ無理に出世してまでリスクを取る必要を感じないという人もいます。
物価が上がっても給与が上がらないのであれば、実質手取りは目減りしています。原則、物価は上がるもの。また家族がいれば子供の成長に応じて支出は増加します。
家計は常に赤字になってしまい、老後資金を貯蓄できないため、給料がずっと変わらないと将来的に苦しい思いをすることになるでしょう。
自分に務まるかが不安
出世して管理職になると、自分の働きが大きな決断や問題の解決に関与する場面が多くあります。多岐にわたる場面で責任が及ぶため、こういった負担に対して自分に務まるのかと不安を感じて出世したくないと考える人もいます。
また、出世することで新しい役割を与えられたり異なるスキルをさまざまな場面で求められることがあります。多くの場面で適応能力を発揮しながら新しい環境で力を発揮する必要があるのです。
このように、適応能力やスキルに自信がなく今のポジションで業務に従事したいと考える人は、出世したくないと感じるようです。
- 自分に務まるかは不安ですが、自信がなくても出世することを目指すべきなのでしょうか?
求められた流れに乗ることもときには大切
自信がついたから出世するということを常態化させると、誰も昇進・昇格できなくなります。誰でも最初は未経験です。新たな立場を与えられたときには誰でも自信がないものです。
古くから「立場が人を作る」と言われているように、与えられた役割を真摯に遂行していれば、結果は自ずとついてきます。未経験のままあれこれ考えこむより、求められたのならそれに応じるのもキャリア形成には大切です。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
出世をせずにキャリアや給料をアップするには? 5つの働き方を紹介
出世したくない理由が明確にできたら、さっそく出世しない働き方を見ていきましょう。
出世しない働き方と一口に言っても、どのようなことがしたいのか、出世のどんな部分に不満を抱いているのかによって合っている働き方は異なります。
ここでは出世しない働き方を5つ紹介するので、どんな働き方が自分に合っているのか考えながら一つずつチェックしてみてくださいね。
出世しない場合でも、自分に合った働き方を選択することは大切です。自分の強みや価値観を理解し、それに基づいた職場や働き方を見つけることで働くためのモチベーションが保てるからです。
自分らしく生き生きと働くための第一歩として、非正規雇用やフリーランスなどの多様な働き方にも目を通してみて、自分に最適な選択肢を見つけましょう。
①インセンティブ制度を取り入れた仕事をする
インセンティブ制度とは
社員の実績や行動を評価の対象とし、月給やボーナスとは別に報酬として反映する制度
インセンティブ制度が採用されている会社では、頑張れば頑張った分だけ給与に反映されます。そのため、管理職の仕事量が給料と見合っていないと考える人にはインセンティブ制度がある働き方をしてみることをおすすめします。
インセンティブ制度があることで仕事へのモチベーションを保ちながら業務をすることができるため、目標達成などに向けた意欲が増し、生産性を向上させることにもつながります。
業務の成果に基づいてインセンティブが与えられることで、成果を公平に評価する仕組みができていると実感できるため、会社への信頼度も増すでしょう。仕事量に見合った働き方を重視する人には合っている働き方だと言えます。
こちらの記事では給料が高い仕事を紹介しています。高い給料を得ながら仕事をしたいという人はぜひチェックしてみてください。
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②キャリアパスが幅広い働き方を視野に入れる
キャリアパスが幅広い働き方をすることで、特定のポジションに縛られずにさまざまなスキルを身に付けることができます。特定の専門性にとらわれずに異なる業務や分野での経験を積めば、多様な業務に付随したキャリアパスを描くことができるでしょう。
このような働き方は、従業員にさまざまな業務経験を積ませるために定期的に配置転換をおこなうジョブローテーション制度を積極的に採用している会社であれば実現しやすくなります。
特定の専門性に縛られずに、自分の興味や能力に合った働き方を見つけたいという人には合っている働き方だと言えます。
- 特定のポジションに縛られない働き方だとすべて中途半端なスキルになってしまいそうで不安です。
努力次第で身に付けられるスキルの密度は変わってくる
ジョブローテーションは、いろいろな仕事の経験を通して、その会社の中でプロフェッショナルになることです。最終的にはどこかの部署に落ち着くと思いますが、会社に精通しているので会社側から見れば、貴重な人材です。
隠された才能はまだまだたくさんあるので、多種多様な仕事を経験して、自分の能力を開花させるチャンスでもあります。ただし、こうしたジョブローテーションは、次第に少なくなっていくでしょう。
また、どのような職種・職場でも通用するポータブルスキルが獲得しにくい環境であることも否めませんが、それは本人の努力次第です。ジョブ型雇用だからといって、ポータブルスキルが身に付くかどうかは別です。
③フリーランスとして働く
仕事のスケジュールや場所を自由に選ぶことができるフリーランスは、自分のペースや生活スタイルに合わせた働き方を実現することができます。自分の時間を自由に管理できるため、ワークライフバランスを保ちやすくなるのです。
また、フリーランスとして働くということは、自分の興味のある分野や得意・専門分野に特化して仕事をするということになります。自分の専門性を活かしてさらなるスキルを深める機会が増えるのです。
周囲のスケジュールや業務に影響されることなく自分のペースで仕事を管理したり進めたりすることができるため、自由な生活スタイルに合わせて働きたいという人に合っている働き方でしょう。
フリーランスで働くときには、ときに同業者と競って仕事を奪っていくぐらいのバイタリティが必要です。そのため、出世したくない人がフリーランスを目指しても、きっとそのような生存競争に耐えきれないかもしれません。
フリーランスとして働く場合も、同じくらいの労力が必要だと理解しておきましょう。
④実力主義の会社への転職を視野に入れてみる
実力主義の会社では、能力や成果が重視されるため出世をすることよりも実力を活かした業務に集中することができます。自分の能力を最大限に発揮する環境が整っているため、正当な評価を得ながら仕事をしたいという人や年功序列のシステムが嫌だという人には合っている働き方です。
また、実力主義の会社ではほかの社員と競争しながら業務をすることが奨励されるケースがあります。こういった働き方は自己成長につながり、新しいスキルや知識を磨くことにもなります。
仕事に応じた報酬を得て正当に評価されたいという人は、ぜひ視野に入れてみてください。
「転職をしたいけど、どのタイミングですれば良いのかわからない」という人もいるかもしれません。こちらの記事では転職のベストタイミングについて解説しているので参考にしてみてくださいね。
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⑤スペシャリストとしてスキルを深める
特定の分野のスペシャリストとして働くことで、自分の得意分野に特化した専門知識やスキルを深めることができます。多岐にわたる業務をする管理職とは違い特定の分野に集中して取り組めるため、より高度な専門性を身に付けることが可能です。
スペシャリストとして働く場合、特定の知識やスキルを活かすことに集中しながら業務に取り組むため、効率的な働き方を実現することができます。得意を活かしながら自分のペースで働ける可能性が高いため、長時間の残業が発生しづらくストレスを軽減することにもつながります。
また、スペシャリストとしての深い知識や経験は、市場価値を高めることにもつながるため、転職の際にも有利に働くでしょう。
- スペシャリストになる方が出世するより難易度が高いイメージですが、実際どうですか?
スペシャリストになることと出世することにはそれぞれ別の難しさがある
スペシャリストになることは確かに難易度が高いですが、出世することとは異なる挑戦です。スペシャリストは、深い専門知識と高い技術を持つことができれば早い段階で認められやすく、転職市場でも有利だと言われています。
また、特定の分野で卓越したスキルを持つことができれば、早期に昇進するケースも多いでしょう。
一方、ゼネラリストは広範な知識とマネジメントスキルが求められ、多様な分野での経験が必要です。ゼネラリストはマネジメント職での昇進を目指す場合が多く、その道のりは時間がかかることが多いでしょう。
ただし、広い視野と柔軟な対応力を持つゼネラリストも重要な役割を果たします。最終的には、自分のキャリアの方向性や興味に合わせて選択することが重要です。
スペシャリストとしての独立や専門分野でのキャリアアップ、ゼネラリストとしての組織運営や経営への道など、自分に合った道を見つけてください。
出世しない選択をする場合のリスクとは? 決断前に知っておくべき実情
出世しない選択をする場合のリスクとは? 決断前に知っておくべき実情
出世する人が多いなかで出世しないという選択をするのには、出世する人とは異なるデメリットが付きまといます。
出世しないことの実情を知らずに決断をすると、理想のキャリアが描けなくなってしまったり、納得できない状況に陥ってしまったりする可能性があるため、しっかりと理解しておくことが重要です。
出世しない選択をする場合のリスクについて解説するので、決断後に後悔してしまわないように理解しておきましょう。
出世しない場合のリスクの一つに経済的問題があります。10年後、20年後の支出に耐えられますか。家を買えばローンが発生し、今住んでいる家であっても途中でリフォームは必要です。
ファイナンシャルプランを立てて一生の支出を検討せずに出世しない決断をすると、のちのち苦労することになるでしょう。
会社で居心地の悪さを感じる可能性がある
会社に長く勤めていると、多くの人が出世の道を選びます。そのなかで出世しない選択をする場合、同期のほとんどが管理職になっていて自分だけ給料が低くなったり、年下の上司に指導されたりすることも考えられます。
自分の社会的な位置付けが周囲と異なるこのような状況に居心地の悪さを感じる人は多いでしょう。
また出世を目指さない場合、自分のキャリアが停滞しているように感じることがあります。周囲が新しい挑戦を次々としていることと比較して自分だけが同じポジションや業務にとどまっていると、仕事へのモチベーションが低下してしまうことも考えられます。
収入アップが難しくなる
出世しないと、管理職やリーダーポジションにともなう昇給やボーナスの機会が限られ、収入アップが難しくなる場合があります。管理職や重要ポジションへの昇進がないため、通常の昇給幅やインセンティブの対象となる機会が少なくなるのです。
企業によっては昇給だけに限らず、管理職やリーダーなど責任の増加や役割の変化があるポジションには、管理職手当のような福利厚生があります。出世しなければ受けられない手当のため、こういった面でも収入アップが難しくなることがあるでしょう。
このように、出世しない場合は業務の変化が少なかったり責任範囲が狭かったりすることで、給料を増加させる機会が減ってしまいます。
現在の企業の給与形態では、まだまだ役職に賃金が比例しています。そのため、昇進や昇格をしないのであれば、自ずと収入は伸び悩んでしまいます。
家庭を持っていれば子供の教育費など必要経費はどんどんかさみ、かつ物価も上昇していくため、収入が上がらなければ生活も厳しくなることでしょう。
仕事への裁量が限定される
出世すると、重要な意識決定や会社の戦略立案に参加する機会が増えますが、逆に出世しない場合は参加する機会がなかなか増えません。
一般的には自分の担当業務や役割の範囲が限定される傾向にあるため、自分の意見やアイディアが重要なプロジェクトに反映されない場面が多いです。こういった状況が続くことで、仕事へのモチベーションや満足感が減少することがあります。
また、自分の持つ能力や経験に見合った役割・責任が与えられず、不満を感じて納得して働けないという状況に陥る可能性も考えられます。
責任感や意欲がないと誤解される場合がある
管理職やリーダーのポジションにならないことで、意図的に責任を回避していると誤解される場合があります。そのため、出世しないことで責任の大きな業務やプロジェクトから逃れていると周囲に感じられる可能性があるのです。
また出世をして昇進や成長を目指さないことで、「自分の利益しか考えていない」「会社や組織の発展や目標達成に対する貢献意識が低い」ととらえられてしまうことがあります。
実際は自分の業務でしっかりと貢献していたとしても、出世しないことで積極的な貢献意識が感じられず、仕事に対する責任感や意欲がないと勘違いされてしまうこともあるのです。
- 責任感があるからこそ出世に積極的になれないのですが、やはり責任感がないと誤解されやすいのでしょうか。
誤解されることがあるから積極的に責任感をアピールすることが大切
責任感があるからこそ出世に積極的になれないという不安は、多くの若手社員が抱える悩みです。実際、責任感が強いことは企業にとって非常に重要な資質となりますが、出世をしない場合はこれを正しくアピールすることが重要です。
まず、責任感があることを伝える際には、具体的なエピソードを通じて、あなたがどのように責任感を発揮したかを示すことが重要です。
たとえば、業務や後輩の育成などの経験を挙げ、それによりどのような成果を上げたかを具体的に説明しましょう。
次に、出世に対する姿勢についてですが、単に「出世したくない」と答えるのではなく、業務への取り組み方やその結果としての評価を強調することが大切です。
自分の能力を発揮し、企業に貢献することが結果として正当に評価されると伝えることで、責任感を持ちながらも前向きな姿勢を示すことができます。
このように、責任感を持ちながらも自分の価値を企業に認めてもらうことで、誤解を避けつつキャリアを築いていくことができます。
出世コースに戻れないことがある
「今は出世したくないけどそのうち出世したい」と考えている人もいるかもしれません。しかし出世のタイミングを逃した場合、あとから出世を目指そうとしても、上層部がほかの社員や新たな人材に焦点を当てることで出世できなくなってしまう可能性があります。
特に管理職やリーダーのポジションにおいては、経験・実績、人間関係の構築が重要な要素となるため、出世コースに再度戻るのが難しくなることがあるのです。
また出世を逃した後は、会社から求められるポジションやスキルが変化することで、キャリアの方向性が変わってしまうことも考えられます。たとえば、専門性が深い分野に特化したポジションにつくことで再度出世を目指すことが難しくなってしまうのです。
- 今は専門性を深めて、知識を得てから出世したいのですが、それでも出世コースを外れると管理職になる道は閉ざされるのでしょうか?
出世コースがほかの人に譲られる可能性が高い
その企業の制度や人事方策などによって差はあると思いますが、大抵の会社では一旦出世コースを外れると、のちに管理職を目指すのは難しくなってくるでしょう。
役職のポスト数には限りがあり、あなた自身が一旦既定路線から外れると、その分を後輩の誰かが補うことになります。
その後輩の穴も別の誰かが埋めることになるため、あなたの年次や経験にマッチしたポストは、気づいたときにはもう空いていないという状況になりかねないからです。
マイナスなイメージだけではない! 出世するメリットもチェックしておこう
マイナスなイメージだけではない! 出世するメリットもチェックしておこう
- 金銭的に余裕のある生活につながる
- 転職市場でより高い評価がされやすい
- 毎日の充実度が高まる
- 仕事の裁量や権限の範囲が広がる
出世したくないと考えている人は「出世することのデメリット」ばかりに目を向けてしまいがちですが、出世することで得られるメリットはたくさんあります。
出世するメリットを詳しく知らないという人は、メリットを理解することで「出世しても良いかも」「実は出世したくないわけではなかったかも」と思えるかもしれません。
ここでは出世することにマイナスイメージを持っている人に向けて、出世のメリットを紹介します。今まで知らなかった発見があるかもしれないので、一つずつチェックしていきましょう。
金銭的に余裕のある生活につながる
出世して管理職やリーダーポジションになると責任が大きい仕事が増えますが、それにともない給料や報酬なども増加していくことが一般的です。企業によっては成果に応じたインセンティブの割合が増したり、ボーナスや特別手当が支給されたりすることがあります。
このように、役職のない社員と比較して給料の面で大きな違いがあるため、今までよりも金銭的な余裕を得ることができます。福利厚生や特典が充実することで、生活の質も向上するでしょう。
また、出世をすることでキャリアの安定性が増すため、長期的な雇用や給料の安定の可能性が高まります。今後のキャリアパスが明確になって収入水準が安定することで、金銭的に余裕のある生活につながるのです。
転職市場でより高い評価がされやすい
出世して上級ポジションにつくと、企業の利益に直結する業務が増えることで戦略的な視点や企業のビジョンに対する理解が深まります。また、部下が増えるためリーダーシップや管理能力を身に付けることができます。
このようなスキルは業界が違っても多いに活用でき、どんな会社でも求められているものです。そのため、出世して得られる経験は転職市場での価値が高まり、自身の市場価値もアップするのです。
また、管理職になると社内外問わず業務に関する重要な関係者とのコミュニケーションを取る機会が増えるため、人脈が広がります。ここで構築した信頼関係を転職活動の際に活用することもできる場合があるでしょう。
転職市場で評価される出世した人のスキルは多岐にわたりますが、特に評価されるのは「コミュニケーション能力」と「問題解決能力」です。これらのスキルは、リーダーシップを発揮し、チームを効果的に導くために必要不可欠な要素だからです。
自己分析や自己管理力も重要で、これらの能力が高い人は転職活動を有利に進めることができます。
毎日の充実度が高まる
出世すると、今までよりも多くの責任と影響力を持つポジションに就くことになります。このようなポジションでは自分の行動や決定が組織・チームに大きな影響を与えるため、成果を上げたり目標を達成したりした際には大きな達成感や充実感を得ることができます。
また、チームや部下をリードしながら目標に向かって業務を進めていくことになりますが、この過程で成長・協力し合うことで、喜びや達成感を共有することもできます。
仕事は一日の大半を占めるものであるため、長時間つまらない時間やつらい時間を過ごすだけでは苦しいものになってしまうでしょう。上記で述べたような充実度を仕事を通して上げることで、毎日の充実度や満足度を向上させることにつながるのです。
- 大変なこともやりがいも大きいと思いますが、波が大きいと思うので、平穏な暮らしをしたいです。そんなタイプには出世は向いていませんか?
変化を嫌う人の出世の可能性は大きくない
重要な立場になればなるほど、正解のない決断が求められ、苦渋の決断を強いられることもしばしばあります。仕事の立場上仕方がないことも多くなるので、感情的の振り幅は大きいでしょう。
仕事である限りは、それでも次に向かって進んでいく必要があります。
平穏な暮らしをしたいとは、何事も穏便に済ませてできるだけ波風を立てたくないことだと思うので、そうした人は大きな決断に苦慮すると思います。
また、平穏な暮らしは変化のない生活なので、これも企業が求めるイノベーションと正反対の考え方です。私生活と仕事は別と言っても、根底にある姿勢が問われるでしょう。
仕事の裁量や権限の範囲が広がる
上司の指示を受けて業務をする一般社員と違い、出世して管理職になった場合は指示される場面が減り、自分で仕事を考えて行動することが多くなります。部下に指示する側に回るため、仕事の裁量や権限の範囲が広がるのです。
また前述の通り、管理職などの上級ポジションに就くと、より広い視野で組織の戦略や方向性にかかわるような意思決定をする機会が増えます。自分の働き方や組織の運営方法についてより積極的に関与することができるようになるため、充実感や達成感を得ることができるでしょう。
さらに、業務プロセスの改善や効率化といった面に関連する裁量も与えられることが多くあります。組織全体の効率向上に向けて主導的に動いていく場面が多いため、状況改善に向けた動きに直接的にかかわることができるのです。
仕事の裁量が広がるということは、自己決定権が増えることなので、仕事が楽しくなります。管理職になれば時間勤務ではなくなるので、特に子供がいる人は生活しやすくなるでしょう。
デメリットを挙げるとすれば、他人に対する責任が重くなることだと思います。
出世したくなかった人が「管理職になったその後」を見てみよう
記事を読みながら、「やっぱり管理職は大変そうだし自分に向いてなさそうだから出世したくない」と考えている人も多いでしょう。そういった気持ちがある人は、実際に出世した人の意見を聞いてみることで客観的な視点でキャリアを選択するヒントとなるかもしません。
2016年にリクルートマネジメントソリューションズが実施した管理職意向の変化に関する実態調査によると、管理職になりたくなかった人のうち、53.3%と半数以上が昇進後に気持ちがポジティブに変化しています。
つまり、もともとネガティブな気持ちを抱いていても、実際にやってみることで良い面が見えたりメリットが得られたりしているのです。
具体的には、「管理職として仕事をしたくないという気持ちが弱まった」「管理職として仕事をしていきたいと思うようになった」「自分には向いていない、報酬面でメリットが少ないなどの理由から管理職になりたいと思っていなかったが、実際になってみて影響力の大きさや現場の仕事とは違う面白さ、成長感によってポジティブに変化していた」といった意見が多く挙げられています。
下記に、管理職になりたくなかった人からの、管理職になりたくない人へのアドバイスをいくつか紹介します。先輩のアドバイスを受けて、どんな決断をするべきが今一度考えてみてくださいね。
管理職になりたくなかった人からの「管理職になりたくない人」へのアドバイス
・人を育てる苦しみよりも喜びの方が多い
・何事も経験してみなければわからない
・管理職の方が他社との商談のときなど一般社員時と比べてやりやすい
・自分のやりたいことを実現するために管理職になるのも悪くない
・なりたくないと決めるのはなってからでも遅くない
・マネジャーは管理ではなく道を示す役職
・自分の意志が仕事に反映でき、その仕事で組織として成果が出たときは個人だけではないので喜びも大きい
出世も独立もどちらも経験したプロに聞く! 「出世しない」という選択はアリ?
出世したくないと思ってはいるものの、「実際のところ出世したい選択はアリなの?」と不安に感じている人もいるかもしれません。
ここでは企業で管理職を経験し、現在キャリアコンサルタントとして独立して活躍している瀧本さんに、「出世しない」という選択は実際にアリなのかということについて聞いてみました。
後悔のない意思決定ができるように、最後に就活の専門家の意見も参考にしてみましょう。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る出世しない選択はライフスタイルや価値観に合えばアリ
「出世しない選択はアリか」という問いについて考えると、近年は若年層の間で「出世したくない」という意識が増えているという事実があります。これは、彼らが仕事とプライベートのバランスを重視し、特に家事や育児、介護など家庭の事情を優先したいと考えているためです。
また、キャリアモデルの変化も一因です。昔は「大企業での出世」が成功の象徴とされていましたが、現在では「専門職としてのスキルアップ」や「自分らしい働き方」を目指す人が増えています。
出世を目指さない選択には、ストレスの軽減や自分のペースでの成長、そしてプライベートの充実などのメリットがあります。出世には多くの責任とストレスが伴いますが、それを避けることで精神的な負担を減らせます。
また、自分の興味や得意分野に集中して専門知識やスキルを深めることができるため、仕事に対する満足度も向上します。さらには、仕事以外の活動にも時間を割けるため、家庭生活や趣味を楽しむことができ、全体的な生活の満足度が高まります。
注意点も理解したうえで納得できる選択をしよう
出世しない選択にメリットがある一方で、注意点もあります。収入が一定のレベルで頭打ちになる可能性があるため、将来的な経済的安定をどう確保するかを考える必要があります。
また、組織内での評価が低くなりがちで、自己実現の実感が得られない場合もあります。この場合、自分の成長や達成感を別の形で見つける工夫が必要です。
結論として、出世しないという選択は、人によって適切かどうかは異なります。何よりも、特に現代の働き方が多様化している中で、自分に合ったキャリアパスを選ぶことが重要です。
大切なのは、自分自身の価値観や生活のバランスを大事にし、納得のいく人生を送ることです。このように、出世を選ばない生き方もまた、充実したキャリアの一つの形であると私は考えます。
出世しない場合のキャリアを明確に理解して後悔のない選択をしよう
出世したくないと考えている人は出世することのデメリットだけに着目してしまいがちですが、それだけでは十分な情報が得られず想像している将来の道を描けなくなってしまうことがあります。
そのため出世したくないという人は、出世しない場合の実情をしっかりと理解しておくことが大切です。
記事で紹介した出世しない場合の働き方や知っておくべき実情を参考にして理解を深め、後悔のない選択をしてくださいね。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る「このままで良いから出世しない」という考え方は会社を衰退させる可能性がある
出世しない状況を長く続けることに関して、肯定否定の意見はさまざまな場面で見かけるものと思われるので、別の観点からお伝えしていきましょう。それは、あなた自身がずっと同じ企業で末永く働くつもりなのか、はたまた転職もウェルカムなのかという点です。
同一企業で働き続け、かつ出世しないままでいるのなら、給与は上がらず、徐々に居心地が悪くなる、などさまざまなデメリットがあります。そういうのは気にならない、と考えている人は、少し視点を変えてみてください。
もし勤務先であまり人の入れ替わりがなければ、そしてほかの社員の多くもあなたと同じように出世を望まないのであれば、誰が会社のマネジメントをするのでしょうか。きっと誰もが非管理職のままでいたら、組織は成り立ちません。
そうなれば自分はこのままで良い、と考えていても会社自体が存続の危機にさらされます。今の勤務先を安住の地と考えるのであれば、自らが管理職となって采配を振るう必要も出てくる可能性は否定できません。
転職も視野に入れているのであれば出世しないのもアリ
これから先転職しても構わない、と考えるのであればその限りではありません。給与に不満があったり、誰も管理職にならないから自分にその役割が回って来そうになったりすれば、いっそ転職してしまうのも一つの考え方です。
ただし、出世をしたくない人をわざわざ中途採用で雇い入れるかどうかは疑問です。これらの状況を見据えながら、出世すべきか、そうでないかを考えてみてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士
Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている
プロフィール詳細