給与のインセンティブとは? 意味や手当との違いを専門家とともに解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー

    Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級

    Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント

    Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • インセンティブは基本給とは別に成果に対して支給される追加報酬を指す
  • インセンティブ制度を活用すれば若いうちから収入や職位を高められる
  • 理想の就職先を見つけるためにもインセンティブへの理解は必須

「給与について調べ始めたけど、難しい言葉が並んでいて違いがわからない」「自分に合った給与体系って何だろう?」など、就活・転職初期の志望者の多くが、このように複雑な給与体系に困惑しています。

なかでも志望者を困らせているのが、インセンティブという給与体系です。

給与には基本給と残業代のほかに、さまざまな形式があります。インセンティブも数ある給与体系のうちの一つです。

この記事では、耳にする機会が多いものの正しい制度を理解できていない人が多いインセンティブの意味や仕組み、メリットやデメリットなどを紹介します。

キャリアコンサルタントの高尾さん、隈本さん、古田さんの専門的なアドバイスも併せて紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

【完全無料】
既卒におすすめの対策資料ランキング

1位:適職診断
3分であなたの適性を診断!受けない方がいい業界・職種がわかります。

2位:自己分析ツール
自分の強みと弱みを知って、早期離職を防ごう!

3位:自己PRジェネレーター
簡単な質問に答えるだけで、受かる自己PRが完成!

4位:面接力診断
39点以下は要注意!面接を受ける前に面接力を測定しましょう。

5位:ガクチカ作成ツール
自己PRと差別化できるガクチカを簡単に作れるようになります。

【既卒におすすめ】
既卒の人におすすめの診断!

就活力診断
これから就活を始める人へ!たった30秒であなたの就活偏差値がわかります。

性格診断
60秒で診断!あなたが受けない方がいい業界・職種がわかります

目次

正しい理解が必須! インセンティブとは成果に応じて追加報酬を支給する報奨制度

インセンティブは基本給とは別に支払われる追加報酬で、目標を達成した際に支払われます。もともとの意味は英語で「奨励」や「報奨」です。

インセンティブは追加報酬であるため、それとは別に基本給も支給されます。つまりインセンティブを採用する企業では、「基本給+残業代+インセンティブ」が給与体系となるのです。

インセンティブの内容がわかったら、次に導入される目的や似た言葉との違いをチェックしましょう。細かな違いまでチェックしておくことで、より自分に合った給与体系を選べるようになります。

記事後半ではインセンティブ制度が本当に自分に合っているかをチェックし、そのうえで転職活動をスムーズに進める方法を紹介します。

最後まで読めばインセンティブについて正しく理解できるだけでなく、転職活動に向けた一歩目を自然に踏み出せる状態になるでしょう。

高尾 有沙

プロフィール

インセンティブ制度は、成果が収入にダイレクトに反映されるため、特に若手社員が早期に収入を高める手段として有効です。

一方で、収入が安定しないリスクや、競争が激化することで精神的な負担が増す可能性もあります。

インセンティブの内容をよく理解し、メリット・デメリットを考慮したうえで、制度自体が自分に適しているかどうかを見極めましょう。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

インセンティブはなぜ存在する? 意味や目的を詳しく解説

インセンティブの導入には、企業にとって大きなメリットがあります。だからこそ多くの企業でインセンティブが採用されているのです。

また、インセンティブと似た言葉に歩合制や報奨金、手当などがあります。ここではインセンティブの意味を解説した後、それらの似た言葉との違いを明確にします。

以下をチェックして、インセンティブについての基礎知識から理解しましょう。

インセンティブの意味

インセンティブと似た言葉と違い

前述のとおり、インセンティブは英語で「奨励」や「報奨」を意味する言葉で、社員のモチベーションを高く保つために導入されています。

インセンティブは基本給とは別に設定される給与で、一定の目標を達成した際に支給される追加報酬です。決まった目標を達成した際に、あらかじめ決められた額のインセンティブが支給されます。入社後に後悔しないよう、まずはこの仕組みを正しく理解しておきましょう。

ここからは、インセンティブと混同されがちな4つの制度との違いを一つずつ説明します。それぞれとの違いを通じて、インセンティブを正しく理解しましょう。

歩合とインセンティブの違い

歩合とインセンティブはどちらも基本給と別に支給される追加報酬ですが、支払い条件や支払額の算出方法が異なります。

インセンティブ制度の下では目標を達成すれば決められた金額の追加報酬が支払われますが、歩合制においては追加報酬の額は定まっていません。成果にともなって歩合として支払われる追加報酬は上昇します。

インセンティブは追加報酬の額が定まっている一方、歩合は成果に応じて追加報酬の額が変動する点が大きな違いです。なお、インセンティブが歩合のように段階的に設置されている場合もあるので、企業によっては一定ではないこともあると覚えておきましょう。

 インセンティブ歩合
追加報酬の額一定変動する
支払い条件目標達成定められた成果を挙げること
インセンティブと歩合の違い

歩合制は美容師やタクシー運転手などのように、個人業績が明確な職種で多く、成果に応じた報酬が特徴です。

一方インセンティブ制度は目標達成時に追加報酬を支給する仕組みで、営業やカスタマーサービスなどの職種でよく導入されます。

報奨金とインセンティブの違い

報奨金とは、インセンティブの一部です。インセンティブとして支払われる追加報酬のうち、金銭として支払われるものを報奨金と呼びます

後述するとおり、インセンティブには大きく分けて4つの種類があります。

インセンティブのおもな種類

  • 金銭的インセンティブ
  • 物質的インセンティブ
  • 評価的インセンティブ
  • 人的インセンティブ

このうち金銭的インセンティブが報奨金と言い換えられます。インセンティブには金銭的なもの以外にもさまざまな種類があるため、報奨金とインセンティブは明確に区別して用いられているのです。

手当とインセンティブの違い

インセンティブと手当はどちらも基本給とは別に支払われますが、2つは大きく異なります。

前述のとおり、インセンティブとは個人やチームの目標達成のような「実績」に対する追加報酬です。一方、手当は賃金の一種で、仕事自体の報酬として支払われるお金を指します。手当は基本給とは別に、諸費用として支給されるのです。

代表的な手当には通勤手当や残業手当などの固定で支給される手当と、労働時間によって変動する時間外手当などがあります。

インセンティブ手当
意味実績に応じて支給される
「追加報酬」
仕事や仕事で発生する負担に対して支払われる「賃金」
代表的な種類・金銭的インセンティブ(報奨金)
・評価的インセンティブ
・通勤手当(固定手当)
・時間外手当(変動する手当)
インセンティブと手当の違い

賞与(ボーナス)とインセンティブの違い

賞与とは、ボーナスとも呼ばれる追加報酬です。賞与とインセンティブはどちらもおもに個人に支払われる追加報酬ですが、その支払い条件が異なる点が大きな違いです。

インセンティブは個人やチームの実績に応じて支払い額が決まる一方、賞与は一般的に会社の業績によってその額が決まります。企業単位で支払い回数や支払い時期が決まっているのも特徴の一つです。

インセンティブ賞与
「個人の実績」に応じて支給される追加報酬おもに「会社の業績」に応じて支給される追加報酬
インセンティブと賞与の違い

ただし、賞与が個人の業績に応じて決まる場合もあります。また、個人の業績が良くても会社全体の業績が悪ければ支給されない可能性がある点も、賞与の注意点です。

古田 文子

プロフィール

インセンティブには、年間の売上目標を達成した場合や特定のプロジェクトを完遂した際に支払われるボーナス形式のものや、毎月の販売目標を達成するたびに一定額が追加される給与形式のものもあります。

ボーナスがある会社とない会社のメリットデメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事

なぜボーナスのない会社がある? 隠れた魅力や転職の基準を解説

ボーナスを支給しない会社と聞くと、年収や業績を心配する人もいるかもしれませんが、実はボーナスがないことで社員が得をすることもあるのです。記事ではボーナスのない会社の本音や、ボーナスを軸にした会社の見極め方をキャリアコンサルタントとともに解説します。

記事を読む

なぜボーナスのない会社がある? 隠れた魅力や転職の基準を解説

インセンティブの目的

インセンティブは一般的に、社員のモチベーションを高く保つために設定されています。目標を達成できれば年次や経験関係なく支払われるため、チーム全員の士気を高められるのです。

インセンティブを設けて社員のモチベーションを高く保てれば、生産性は一気に高まります。生産性の向上は企業の売り上げアップにもつながるため、社員により多く給与を支払ってでもインセンティブを導入するのです。

このように、インセンティブは企業にとっても社員にとってもメリットが大きいといえます。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

「インセンティブ」と「インセンティブ制度」は異なる点に注意! 

インセンティブとインセンティブ制度では、言葉の意味が異なります。

インセンティブという単語自体は、英語で「奨励」や「報奨」を意味する言葉です。ビジネス的なシーンでのみ、「社員に支払われる追加報酬」の意味になります。

一方、インセンティブ制度とは制度の名前です。企業が社員のモチベーションを保つために、個人やチームの実績に対してインセンティブを支払う仕組みです。

インセンティブ制度を導入する企業では常にインセンティブが適用される一方、制度は導入されてないものの、インセンティブが短期的に導入されるケースもあります。転職時は企業が制度自体を導入しているのかをチェックしておきましょう。

インセンティブには種類がある! 4つのインセンティブ体系をそれぞれ解説

インセンティブには種類がある! 4つのインセンティブ体系

  • 金銭的インセンティブ
  • 物質的インセンティブ
  • 評価的インセンティブ
  • 人的インセンティブ

ここまでの解説でインセンティブについて正しく理解できたでしょうか。ここでは一歩踏み込んで、インセンティブ自体の種類を解説します。

インセンティブは支給される追加報酬の内容によって、おもに4つに分類されます。それぞれの特徴やどのような業界・企業で採用されているかをチェックしましょう。

①金銭的インセンティブ

金銭的インセンティブとは、個人やチームの実績に応じて金銭が支給されるインセンティブ報酬です。報奨金制度とも呼ばれていて、インセンティブ制度として最も一般的に採用されています。

金銭的インセンティブは金銭という形で社員の努力が評価されます。最もわかりやすい形の報酬であるため、社員がモチベーションを高めやすいのが特徴です

金銭的インセンティブでは目標達成に対して支払われる場合が多いですが、「目標の〇〇%で〇〇円、××円に対して××円の支給」のように、幅をもって設定されるケースもあります。また、売上目標の場合は「売り上げの〇〇%を支給する」などもよくあるインセンティブの形式です。

金銭的インセンティブは柔軟に額を設定しやすく、設定金額に幅を持たせやすいため多くの企業で導入されています。

高尾 有沙

プロフィール

金銭的インセンティブの規模感は、企業や業界、扱うサービスなどにより異なります。

たとえばBtoCの事例では、営業職では売り上げの3〜10%が報酬として支払われたり、100万円の売り上げ達成で5万円、または1,000万円以上の売り上げで50万円が支給されたりするケースがあります。

また目標達成度に応じて支給率が変わる、段階的インセンティブを採用するケースもあります。

②物質的インセンティブ

物質的インセンティブとは、個人やチームの実績に応じて金銭を含む物品をインセンティブとして支給する報酬です。金銭のほかに賞品や旅行、株式などが支給されるケースがあります。

金銭以外の物品がインセンティブとして設定されている場合、目標の達成可否がインセンティブ支給の条件となるケースがほとんどです。旅行や賞品は分割できない以上、金銭的インセンティブのように幅のある目標設定はおこなわれません。

こちらもわかりやすい形でのインセンティブ支給のため、社員はモチベーションを高く保って仕事に取り組みやすいでしょう。

③評価的インセンティブ

評価的インセンティブとは、成果を挙げた個人やチームに対して高い評価を与えたり、社内表彰をおこなったりする報酬です。物品の支給ではなく、昇進や昇格、表彰の形で目に見えないインセンティブが支給される点で物質的インセンティブと大きく異なります

評価的インセンティブの目的は、社員の「評価されたい」という欲求を刺激してモチベーションを高めることです。特に昇進や昇格がインセンティブとなっている場合は金銭的インセンティブも含まれているため、いっそう強い効果を期待できます。

④人的インセンティブ

人的インセンティブはほかのインセンティブと異なり、実質的な利益をともなわない報酬です。「上司や同僚、チームなどから認められる」のがおもなインセンティブの内容で、上司からの積極的な賞賛やチーム内での表彰などで社員のモチベーションを高く保ちます。

人的インセンティブの文化が根付いている企業では、職場全体が「チームや企業のために成果を出したい」というポジティブな雰囲気である可能性が高いです

職場の人間関係や雰囲気を重視する人や、仲間意識を強く感じられる職場を好む人は、人的インセンティブの風潮が強い企業が特におすすめです。

人的インセンティブは、職場の人間関係を重視し、チームビルディング活動を通じて従業員のモチベーションを高めるためのものです。

一方、通常の評価形式は業績や成果、勤務態度など客観的指標に基づいて報酬を決定します。

インセンティブ制度の3つのメリット

インセンティブ制度の3つのメリット

  • 成果に応じた正当な評価を受けられる
  • 年次や経験に関係なく公平に給与が支給される
  • モチベーションを高く保ちやすい

ここまでインセンティブの意味や種類、似た言葉との違いについて解説してきました。ここではインセンティブのメリットをより詳しく紹介します。

インセンティブは企業だけでなく社員にも多くのメリットがあるため、今回は社員が実感しやすい3つのメリットを紹介します。インセンティブを導入する企業が気になっている人は、制度の魅力をぜひチェックしてみてください。

①成果に応じた正当な評価を受けられる

インセンティブがある企業では、成果に応じた正当な評価を受けやすいのが大きなメリットです。インセンティブはほかでもない「成果の対価」としての追加報酬であるため、社員がより貪欲に成果を追い求められます。

金銭や昇進などで自分の頑張りが目に見えて評価されるため、努力が報われている感覚も味わいやすいでしょう。そのため成果を出すための勉強にも身が入りやすく、個々人の成長スピードが速くなりやすいのもインセンティブ制度のメリットです。

若いうちから収入を高めたい人や、なるべく早く昇進したい人にはインセンティブ制度のある企業への就職・転職がおすすめです。

若いうちから成果を挙げて、どんどん昇進したいと考えています。ベンチャー企業とインセンティブを導入している大企業では、どちらのほうが職位や収入を高めやすいですか? 

高尾 有沙

プロフィール

メリットを比較してどちらが自分に適しているか判断しよう

結論から言うと、教えを受けながらも収入を上げたい場合は大企業、自発的に試行錯誤して昇進の速度を上げながら成果を上げたい場合はベンチャー企業がおすすめです。

ベンチャー企業は、成長が早く成果が目立ちやすいため、実績を積むことで早期昇進が期待できます。特に、裁量が大きく経営に近いポジションも任されやすい環境が整っています。

一方、インセンティブ制度のある大企業は、安定した基盤に基づく成果に応じた報酬や昇進機会が整備されていて、収入を安定させながらキャリアを高めやすい点が魅力です。教育制度も充実しているため、長期的なキャリア形成に適しています。

どちらが適しているかは、速さを優先するか教育環境などの基盤を重視するかによって変わります。自分のキャリア観や理想の働き方に合った企業を選ぶのがおすすめです。

そもそもベンチャー企業と大手などの上場企業の違いがよくわかっていないという人は、以下の記事も併せて確認しておきましょう。上場企業の特徴を解説しています。

関連記事

一部上場企業とは? 現在の市場区分との違いや就職のメリットも

一部上場企業とは東証一部上場の企業を指した言葉で、現在はプライム市場に名称が変更されました。この記事ではキャリアコンサルタントとともに東証一部上場企業のメリットやデメリットなどを解説するので、転職を検討している人はぜひ参考にしてください。

記事を読む

一部上場企業とは? 現在の市場区分との違いや就職のメリットも

ベンチャー企業の特徴については、以下の記事で解説しています。

関連記事

ベンチャー企業とは? 他形態にはない6つの魅力を知らないと損!

学生のなかには、ベンチャー企業に新卒で入社することにリスクを感じている人もいるかもしれません。しかし、あいまいな知識のまま、ベンチャー企業の選考を避けてしまうのはもったいないです。記事では、ベンチャー企業の学生が知らないと大きく損をする6つのメリットをキャリアコンサルタントと解説します。

記事を読む

ベンチャー企業とは? 他形態にはない6つの魅力を知らないと損!

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

②年次や経験に関係なく公平に給与が支給される

インセンティブは一般的に年次や経験に関係なく、個人の成果に対して支給されます。年次が低い人や経験が浅い人でも、追加報酬を受け取りやすい公平性も大きなメリットです。

しかし、インセンティブ制度の下での公平性が重視される以上、組織全体としては実力主義になりやすいといえます。個人の実力が重視される傾向にあるため、実力をインセンティブという形で示しながら効率よく昇進しやすいのが利点です。

昇進を重ねれば、早い段階で役職につけます。向上心のある人にはインセンティブを導入する企業は特におすすめです。

年功序列のような日本的システムではなく、自分の実力で高い給与を実現したい人は、インセンティブ企業との相性が良いでしょう。

早い段階から給料を高めたい人は、以下で給料の高い仕事をチェックしましょう。ランキングTOP100に加え、それらの仕事の就活のコツも解説しています。

関連記事

給料が高い仕事TOP100|特徴から就活のコツまで徹底解説

就職先を選ぶにあたって、給与が高い仕事とは何か気になりますよね。この記事では、キャリアコンサルタントの解説を交えつつ、給料が高い仕事TOP100を紹介します。また給料が高いことのリスクも解説するので、自分に合っているかどうかの参考にしてください。

記事を読む

給料が高い仕事TOP100|特徴から就活のコツまで徹底解説

③モチベーションを高く保ちやすい

インセンティブがあれば追加報酬のために常に高い成果を追い求められるため、モチベーションを高く保ちやすいといえます。努力とモチベーションアップの正の循環が生まれるのも、インセンティブ制度の大きなメリットです。

また職場全体のモチベーションが高い場合も多く、周囲と切磋琢磨し続けられるのもインセンティブを導入する企業の魅力です。職場自体がポジティブであれば、前向きな気持ちで仕事にも取り組みやすいでしょう。

個人としても組織としても高いモチベーションを保って働けるため、仕事から満足感を感じやすい点もメリットといえます。

古田 文子

プロフィール

インセンティブのメリットとして、ほかにも以下のような要素が挙げられます。

・従業員満足度の向上
・業務の効率化
・従業員の結束力向上

また会社全体の利益が向上すれば、従業員への還元額も大きくなる可能性が高い点も魅力です。

インセンティブ制度のデメリットや注意点を3つ紹介

インセンティブ制度のデメリットや注意点

  • 毎月の収入が変動しやすい
  • 成果に固執するあまり周囲とトラブルになる可能性がある
  • 大きなプレッシャーがかかる場合がある

インセンティブには、年次の低いうちから昇進や給与アップを狙いやすいというメリットがあります。一方、チェックしておくべきデメリットも存在します。

インセンティブ制度に興味を持っている人は、良い面だけでなく注意すべき面も把握しておきましょう。知らないまま就職・転職すると後悔する可能性があります。

ここではインセンティブ制度のデメリットを、キャリアアドバイザーの見解を交えて3つ紹介します。

①毎月の収入が変動しやすい

インセンティブがあると目標を達成できる月とできない月が生まれる分、収入が変動しやすい点がデメリットです。一般的な企業では毎月の収入の変動幅が残業代のみで決まる一方、インセンティブ制度がある企業では「残業代+インセンティブの額」の合計が変動幅となります。

追加報酬が支給される想定で支出していると、インセンティブをもらえなかった際に苦労する羽目になります

ただし、基本給は毎月変わらず支給されるため、生活が脅かされるほどの収入の変動はありません。インセンティブのある企業で働くのであれば、自身で支出を適切に管理し、インセンティブがなくても生活できる状態にする自己管理力が必須です。

高尾 有沙

プロフィール

インセンティブでは基本給の支給が保証されているため、フルコミッションほど収入の変動幅は大きくありません。

たとえば「基本給30万円+インセンティブ」の場合、目標を達成すると月に5〜10万円が加算されますが、インセンティブがゼロでも基本給の30万円は支給されます。

また、四半期や年単位でインセンティブを計算する企業もあります。

安定した職業について知りたい人には以下の記事がおすすめです。安定した11の職業の実情や、それらに就職するコツをまとめています。

関連記事

11の職業|安定した職業の知っておくべき実情と就職する3つのコツ

「安定した職業に就きたい」「将来性のある仕事がしたい」という人に向けて、記事ではキャリアコンサルタントとともに安定した職業11選を紹介します。就職を決める前に知っておくべき情報も解説しているので、ぜひ仕事探しの参考にしてくださいね。

記事を読む

11の職業|安定した職業の知っておくべき実情と就職する3つのコツ

②成果に固執するあまり周囲とトラブルになる可能性がある

目標達成への動機付けはインセンティブ制度の大きなメリットである一方、目標達成が悪い方向に作用する可能性があるのも事実です。具体的には過度な目標追求による社員の自己中心的な行動や、それによる組織内の不和などが挙げられます。

成約数や売り上げがインセンティブ支給の条件に設定されている場合、顧客の取り合いや互いの業務妨害などのトラブルも考えられます

逆に数字以外も加味した評価がなされる企業や、社員同士の投票がインセンティブ付与の条件になっている企業ではトラブルが起きづらいといえます。

互いに競い合う雰囲気が苦手な人は、事前にインセンティブ付与の条件をチェックしたり、社員に職場の雰囲気を直接たずねたりしておきましょう。

③大きなプレッシャーがかかる場合がある

個人ではなく、部署やチーム単位でのインセンティブが設定されている場合、心理的プレッシャーがかかる可能性がある点もデメリットです。自分の働きがチームの成果に直結する場合、特に大きなプレッシャーがかかるでしょう

反対に、自分がチームで良い成果を出したとしても、ほかの社員が成果を残せなければインセンティブを獲得できません。チームの連帯責任が職場内の不公平感を強め、雰囲気が悪くなる可能性も考えられます。

インセンティブ制度がある企業に入社する場合は、自身の給与が同僚の成果に左右されるリスクには留意しておきましょう。事前にインセンティブ制度の詳細をチェックしておけば、入社後のギャップを小さくできます。

インセンティブを導入する企業における職場の雰囲気や空気感は、どのようにチェックすれば良いのですか? 

口コミ・社員への質問・職場見学を通じて空気感を判断しよう

まず、企業の口コミサイトやSNSを確認し、従業員が実際に感じている職場の文化やモチベーションに関する意見を調べてみましょう。

また説明会や面接の際に、「インセンティブ制度がチームの雰囲気にどのような影響を与えているか」など具体的に質問すると、企業の考え方や実態を把握できます。

職場見学などで社員の働き方を見る機会があれば、従業員同士のコミュニケーションの様子や活気の有無も観察しましょう。

さらに、エンゲージメントサーベイや従業員満足度アンケートといった調査を企業で実施している場合、制度改善にどの程度活用されているかなども確認してみると良いでしょう。

職場見学の機会があった際は、その場でする質問も重要です。以下の記事でおすすめの質問リストを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事

職場見学で聞いておきたい50の質問例|質問リストの作り方

新卒の学生にとって職場見学は、入社前の情報収集として有効です。職場見学の質問はコツを押さえれば一気に魅力的になるので、記事ではキャリアコンサルタントとともに職場見学でどんな質問をするべきなのか、実際に使える50の質問例を用いてくわしく紹介します。

記事を読む

職場見学で聞いておきたい50の質問例|質問リストの作り方

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活では、限られた選択肢の中から自分に合った仕事を見つけることが重要です。しかし、本当に自分に合った仕事とは何か、見つけるのは簡単ではありませんよね?

そこでおすすめなのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの個性や強みに最適な仕事、そして、あなたが就活でアピールできるポイントが分かります。

自分に合った仕事を見つけ、自信を持って就活を進めるためにも、 ぜひ就活を始める前に「適職診断」を試してみてください。

インセンティブを導入している企業はおすすめ? キャリアアドバイザーの見解を紹介

ここまでの説明で、インセンティブの特徴やメリット・デメリットなどが理解できたでしょうか。インセンティブを導入している企業では年次や経験に関係なく昇格できる環境が整っている一方、それによる不和や雰囲気が悪化するリスクもあります

メリットとデメリットをチェックして、「インセンティブを導入する企業は、結局おすすめなの?」と感じている人も多いでしょう。

ここではそれらをすべて加味したうえで、マーケティングや営業、人事など幅広い経験を持つキャリアアドバイザーの高尾さんに、インセンティブを導入する企業がおすすめかどうかを質問してみました。

アドバイザーコメント

向上心や野心が強い学生にはインセンティブ制度のある企業がおすすめ

インセンティブ制度は成果に応じた評価や収入アップが期待できるため、目標達成への強い意欲がある人や、年次や経験に関係なく成長を望む人には非常におすすめです。

自ら目標を設定し達成感を感じながら働けるため、やりがいと収入の両方を手に入れたい人には理想的な環境が手に入るでしょう。

また、実力次第で早い段階から収入や役職が高まりやすく、若手やキャリアの早期に成長を目指したい人にも向いています。

安定や協力的な雰囲気を志向する学生には不向きな場合もある

一方で、インセンティブ制度では収入が変動しやすく、目標達成へのプレッシャーや過度な競争によるトラブルのリスクもともないます。

そのため、協力的な職場環境を重視したい人や安定した収入を求める人にはややハードルが高いかもしれません。こうした点に不安がある場合は、インセンティブ制度に依存しない安定型の企業を選ぶのも有力な選択肢です。

また、インセンティブを導入している企業を選ぶ際には、インセンティブの内容や支給条件、評価の公平性に加え、基本給が安定的に生活を支えられるだけあるかをチェックするのも重要です。

加えて事前に職場の雰囲気を確認し、過度な競争がないか、個々のメンバーが成績を残すためのバックアップ体制が整っているかも見ておくと安心です。

ストレスがかかる環境は避けたいが、給料の高さも捨てきれないという人は、以下のQ&Aコンテンツのアドバイスを参考にしてみてください。

自分はインセンティブのある企業に向いている? 3つの質問で適性をチェック

自分はインセンティブのある企業に向いている? 3つの質問で適性をチェック

  • 年収を高めるための努力を怠らずに継続できるか? 
  • 自ら考えて積極的に行動に移せるか? 
  • 不安定な収入や競争のプレッシャーに耐えられるか? 

インセンティブを導入する企業で活躍できる人に条件はありませんが、活躍できる人に共通する特徴は存在します。ここでは3つのポイントから、自分がインセンティブ制度の下で活躍できるかをチェックしましょう。

ここで解説する3つを徹底できる人はインセンティブ制度にすぐに順応し、成果を挙げられる可能性が高いです。インセンティブ制度が気になっている人は、自分の適性をチェックしたうえで当該企業に入社するべきかを判断しましょう。

①年収を高めるための努力を怠らずに継続できるか? 

常に数値目標に向かって努力を続け、更新される目標を追い続ける能力はインセンティブ制度の下で最も重要な要素です。一度の目標達成で満足せず、継続的な達成を楽しめなければ、インセンティブ制度のある企業でうまく働き続けられません

目標達成自体に喜びを感じる人や、ゲーム感覚で報酬獲得を目指せる人は特にインセンティブを導入する企業に向いているでしょう。

ただし、「成果を出して企業に貢献する」という目標が収入アップの背後にあることを忘れてはいけません。目先の利益にとらわれず、インセンティブの背後にある目標に向かって努力し続けられる人は、インセンティブ制度の下で活躍できるでしょう。

あなたが受けないほうがいい職業をチェックしよう

診断スタート


こんな人に「既卒適職診断」はおすすめ
・自分の強みと弱みがわからない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

②自ら考えて積極的に行動に移せるか? 

目標達成に必要な要素を自ら考え、進んでそれを実行できなければインセンティブ企業ではうまく働き続けられないでしょう。与えられた目標を考えなしに追いかけているだけでは、成長も目標達成も実現できません。

インセンティブとして企業が追加報酬を支払う以上、簡単に達成できるような目標は設定されないため、業務における努力はもちろん、積極的なスキルアップや成長が強く求められるといえます

また一度目標を達成すると、次の目標はさらに高く設定されるのが一般的です。達成するたびに高い目標が設定されるため、継続的な成長が欠かせません。

常に考え、成長のための行動を自ら起こせなければ、インセンティブ制度下での活躍は困難です。

インセンティブを導入する企業では、プライベートの時間を削ってでもスキル習得をするような風潮があるのですか? 

業界によってはそのような企業もあるがすべてがそうではない

業界によっては、プライベートの時間を削ってでもスキルアップを促す場合があります。

たとえば、IT業界やコンサルティング業界では、新しい技術や専門知識の習得が成果につながりやすく、自己研鑽を奨励する企業が多いです。

一方、営業職が多い不動産や保険業界では、売上目標達成がインセンティブに直結するため、業績向上を目指して個人が自らスキルアップに積極的になる傾向があります。

しかし、すべての企業でプライベートの時間を削ることを求めるわけではなく、従業員のワークライフバランスを尊重する企業も多くあります。

たとえば、大手メーカーでは、業務時間内での研修や教育を提供し、従業員の成長を支援する制度が整備されています。そのため、「インセンティブ制度=ワークライフバランスが保てない」というわけではないと覚えておきましょう。

③不安定な収入や競争のプレッシャーに耐えられるか? 

前述のとおり、不安定な収入や競争のプレッシャーに耐えられない人にはインセンティブ制度を導入する企業は向いていません。不安やプレッシャーを原動力に、努力し続けられる人がインセンティブ制度の下で活躍できます。

インセンティブ制度は、部活動のなかでも特に運動部に似た雰囲気があります。同僚は切磋琢磨する仲間ではありつつも成果を競い合うライバルであるため、運動部のような環境が好きな人は楽しみながら仕事に取り組めるでしょう。

先ほども説明したように、収入は不安定ですが、基本給の支給は保証されるため生活が脅かされる心配はありません。チームで協力しながらも、適度な競争の緊張感をもって働ける人は特に向いているといえます。

自分がインセンティブを導入する企業に向いていると感じた人は、以下の記事を読んで行動に移してみましょう。企業を知るのに有効な2つの方法について、具体的に解説しています。

企業説明会で聞きたい質問
企業説明会で絶対に聞くべき質問30選! 聞かない方が良い質問も

OB・OG訪問の手順
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅

エントリー前のチェックリスト! そのインセンティブのある企業は本当に働きやすい? 

インセンティブ制度のある企業への就職・転職を決めたら、具体的な企業選びに進みましょう。インセンティブの内容だけに注目しがちですが、実はそれ以外にもみるべきポイントがあります。

ここではインセンティブ制度を導入する企業を選ぶ際にチェックすべき5つのポイントを解説します。これらをチェックせずに入社すると入社後のギャップにストレスを感じる可能性が高いため、必ず確認しておきましょう。

①インセンティブの条件や支給内容は明確か? 

必ずチェックすべき点は、インセンティブの支給内容に加え、インセンティブの「支給条件」です。たとえ魅力的なインセンティブが設定されていても、達成できなければ意味がありません。内容だけでなく条件も必ずチェックしましょう。

インセンティブの支給条件は企業によってまったく異なります。それぞれの企業のインセンティブ条件を確認し、自分の働き方に合ったものを選ぶと、活躍できる可能性が高まるでしょう。事前に内容と条件をチェックしたうえで、企業を比較・検討してみてください。

インセンティブの条件例

  • 一定以上の売り上げ・成約数達成
  • 部署内投票による同僚の推薦
  • 企業理念に沿った行動の実行
  • 一定以上のSNSフォロワー数の達成
  • 一定以上の顧客からのレビュー獲得
インセンティブ付与の条件が厳しい場合、ほかの企業を検討すべきでしょうか?

古田 文子

プロフィール

インセンティブ以外で自分が求めている条件に立ち返ろう

インセンティブ制度は、高い業績基準を設定し、従業員のパフォーマンスを最大限に引き出す目的で導入される場合が多いため、この制度を導入するほかの企業を検討しても同じように厳しい可能性が高いでしょう。

企業選びの条件に「収入」を入れる際は、具体的な年収額や給与額を出し、無理なくマッチする仕事内容や企業を選ぶほうが賢明です。

支給条件が厳しいと感じる時点で、インセンティブ制度そのものが望む働き方に合っていない可能性があります。

面倒かもしれませんが、迷ったときや困ったときはスタート地点に戻ってみるのも一つの方法です。自分が仕事や企業に何を求めているのか、もう一度書き出してみましょう。

②公平なインセンティブ体系が確立されているか? 

インセンティブ評価に不公平が生じていないかのチェックも不可欠です。内容や条件が整っていても、評価制度自体が公平でなければ、業務中常にストレスを感じるかもしれません。

特に年次によって明らかな不利が生じる条件や、職種による達成難易度の違いは公平なインセンティブ体系を阻害する要因です。相互評価に忖度やひいきがある場合も、社内に不和が生じている可能性が高いといえます。

公平な制度が確立されていない場合にはインセンティブがうまく機能しないため、モチベーションも高く保ちづらいでしょう。

これらの問題は、入社前に見抜くのが難しいのも事実です。インセンティブ制度のある企業に入社する前には必ず社員と話し、制度がうまく機能しているかをチェックしておきましょう

③インセンティブ抜きの給与はいくらに設定されているか? 

インセンティブを導入する企業を選ぶ際、ついインセンティブの額を気にしがちですが、まず見るべきは基本給の額です。基本給が自分の生活を維持するのに十分な額であるかをチェックしなければ、目標達成できなかった際に後悔するでしょう。

基本給・残業代・インセンティブの3つを事前にチェックしておけば、後でトラブルに発展する可能性を低くできます。

なお、基本給の額が明記されていない場合や、インセンティブや残業代を含めた給与のみしか公開していない場合、その企業は労働基準法を無視している可能性があります。事前に給与体系の詳細を入念にチェックしましょう。

必ず事前にインセンティブを抜いた基本給の額をチェックし、自分の支出と見比べておいてください。

④過度な競争意識が職場内に発生していないか? 

インセンティブによって過度な競争意識が生じている場合、安心して働けない可能性があります。過度な競争は過度なストレスやプレッシャーにつながるためです。

過度な競争意識は職場内の人間関係を悪化させ、時には敵対心を抱かせるケースもあります。結果、心身を患って辞職を余儀なくされる人もいるため、事前にそのような職場を見分け、避けることが大切です。

インセンティブ制度による社内の競争意識は、職場によってまちまちです。企業が過度な競争意識を生まないように工夫している場合もありますが、結局は職場の属性や社員の人柄に大きく左右されます。

入社前に複数の社員から話を聞き、職場の雰囲気を多角的に見ておけば、社内環境を的確に把握したうえで企業を比較できるでしょう。

トラブル事例として、たとえば評価基準や目標設定が不明確でインセンティブの支給条件がわからないケースや、評価方法が不透明で個人の成果として認められない、公平性に欠けていて思ったほどのインセンティブが得られないといった事態が起こりえます。

企業の社風を事前にチェックして自分に合った企業を選びたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。自分が納得して働ける企業を社風から見分ける方法をプロが解説しています。

関連記事

社風が良いとは? 納得して働ける企業の見分け方をプロが解説!

社風とは、企業独自の雰囲気や価値観のことです。記事では自分に合う社風を知るための自己分析のコツや、簡単にできる社風の調べ方をキャリアコンサルタントとともに解説します。志望動機への活かし方や社風が合わないときの対処法も解説するので、参考にして就活に活かしましょう。

記事を読む

社風が良いとは? 納得して働ける企業の見分け方をプロが解説!

就活準備で悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!

今すぐダウンロード


✓自己PR、ガクチカ、志望動機作成プロンプト
✓チャットでできる!模擬面接プロンプト
✓自己PRで使える強み診断プロンプト

⑤割増賃金の計算が適切になされているか? 

インセンティブを導入する企業に入社する場合、インセンティブがどのように支給されるかも事前にチェックしておきましょう。賞与ではなく、毎月の給与としてインセンティブを支給する形式の場合、報酬額が異なる可能性があります。

毎月の給与としてインセンティブが支給される場合、インセンティブを含めた月給額で基礎賃金を計算します。この基礎賃金が残業代の計算に大きくかかわるため、インセンティブの支給形式のチェックは不可欠なのです

残業代は、基礎賃金に規定の割合をかけて算出されます。たとえば時間外労働の場合、以下の式で残業代が計算されます。

時間外労働に対する報酬の計算式

残業代=1時間あたりの基礎賃金×割増率(25%以上)×時間外労働時間

インセンティブ支給の形式と計算は見落としがちなポイントのため、必ずチェックしておきましょう。

企業を精査する際には、以下の記事も参考にしてみてください。過酷な労働を強いられる企業の特徴を具体例をもとに解説しています。

関連記事

ブラック企業の特徴! 4つの場面でアウトな企業を見抜く方法を紹介

「ブラック企業を避けて就職したい!」と考えている人が大半なのではないでしょうか。記事ではキャリアコンサルタントとともにブラック企業の特徴について解説します。ブラック企業かどうかを見極める方法も紹介しているので、仕事探しをしている人はぜひ参考にしてくださいね。

記事を読む

ブラック企業の特徴! 4つの場面でアウトな企業を見抜く方法を紹介

インセンティブについて正しく理解して自分に合う企業への就職・転職を成功させよう! 

この記事では、インセンティブの意味や似た言葉との違い、その特徴を詳しく解説しました。インセンティブ制度を導入する企業は、早いうちから給与や職位・役職を高めやすいのが大きな特徴です。

ただし、インセンティブによって職場環境や労働条件にデメリットが生じる可能性があるのも事実です。

インセンティブを導入する企業への就職・転職を考える場合は、事前にその職場のインセンティブ制度や職場の雰囲気をチェックし、自分が努力できる環境が整っていることを確かめましょう。自分らしく働ける職場に出会うためにも、細かく条件を確認して企業を選んでくださいね。

アドバイザーコメント

基本給やインセンティブの付与条件も見ながら総合的に判断しよう

インセンティブを採用している企業の求人広告には「頑張れば年収○万円!」というものも見かけます。実際にその年収を受け取っている従業員がいるかもしれませんが、支給条件が厳しく、ほとんどの従業員がそうではない可能性もあるため、報酬金額だけを見て安易に飛びつかないようにしましょう。

また、インセンティブを導入していて支給条件がさほど厳しくない場合、インセンティブありきで基本給を低めに設定している企業もあります。基本給や福利厚生など、そのほかの待遇についても忘れず事前に確認しましょう。

継続的に結果を追求できる人にはインセンティブ制度のある企業がおすすめ

ここまで解説してきたとおり、インセンティブは支給条件を満たす結果を出さないと支給されません。結果を出し続けるためには頑張り続けないといけません。

それが楽しいと感じる人もいれば、つらいと感じる人もいます。好調なときは自分に合った働き方だと感じても、不調なときには金額が減った給与明細を見なければならないのも事実です。

そういったことも踏まえて、自分が望む働き方かどうかをしっかり考え、慎重に選択することをおすすめします。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

> コンテンツポリシー

記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

> メッセージを読む

記事カテゴリー

Q&Aカテゴリーはこちら

目次

おすすめ対策ツール・資料

TOP

PORTキャリア