11の職業|安定した職業の知っておくべき実情と就職する3つのコツ

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  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める

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  • キャリアコンサルタント/コラボレーター代表

    Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍

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  • キャリアコンサルタント/就活塾「我究館」講師

    Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館でコーチとして従事

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この記事のまとめ

就活を進める際、「安定性」を重視して仕事選びをする人は少なくありません。自分が納得できる安定した職業に就くことで将来への不安要素が減り、自分らしく働くことにもつながるでしょう。

しかし、「安定」の定義は人それぞれです。休みが多いことを安定と捉える人もいれば、忙しくても今後ずっと活躍できるスキルが得られることを安定と考えている人もいます。そのため、自分が何を安定と考えるのかを明確にすることが重要なのです。

この記事では、キャリアアドバイザーの平井さん、板谷さん、吉田さんとともに、安定した職業について詳しく解説します。自分にとっての安定した職業を見つける方法も解説しているので、ぜひ仕事選びの参考にしてくださいね。

目次

安定した職業を見つけるには重視したい項目を明確にすることが重要

安定した職業に就きたくても、「そもそも安定した職業ってなんだろう?」と悩んでいる人はいるのではないでしょうか。

前述のとおり、安定した職業は人によって定義が異なります。そのため、「仕事において重視したい項目」を明確にすることが自分にとっての安定した職業を見つけることにつながるのです。

記事ではまず、人によって捉え方が異なる安定した職業の5つの特徴について解説します。次に、それぞれの特徴を合わせ持った11の職業を紹介します。自分が重視する項目が当てはまる職業をチェックしてみましょう。

記事後半では自分にとっての安定した職業に就くための方法を解説します。安定していると思っていても実は安定していない職業についても紹介するので、仕事選びに失敗しないように最後まで読んで、記事の内容を参考にしてくださいね。

どんな仕事が安定していると言える? おもな5つの特徴

一般的に「安定している」と言われやすい職業の5つの特徴

一口に「安定した職業」とは言っても、前述のとおり安定した職業は人によって異なります。周りの人が「この職業は安定しているよ」と言っていても、自分が求める安定した職業ではない可能性があるかもしれません。

しかし、人によって異なるとはいえ、一般的に安定した職業といわれるものには重複する特徴があります。ここでは安定した職業の5つの特徴について解説するので、まずは自分が仕事をするうえで重視したい項目をチェックしていきましょう。

①業界が安定している・将来性がある

業界が安定していたり将来性があったりする職業は、社会情勢や環境変化などの影響を受けにくい傾向にあります。そのため、雇用が安定しているという観点で安定した職業と言えるでしょう。

業界が安定していて将来性がある職業は、人々の生活を支えるような職業に多い傾向があります。日常生活に必要なサービスや商品を提供しているため需要は絶えることがなく、併せて人材ニーズも高まることから、業界の安定性が保たれています。

将来性がある職業のイメージが湧かないのですが、どんな特徴があるのですか?

平井 厚子

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将来性がある職業は「将来にわたって需要があること」が条件になる

すでに見えている未来として「少子高齢化」「平均寿命の延び」があります。ここから介護や医療業界の需要は増えることが予測できます。

たとえば、認知症のある高齢者の話し相手はITのロジックでは対応できないので、介護の仕事は将来的にも人が対応することになるでしょう。

一方で「AI(人工知能)技術/IT技術の進歩」も見えている未来です。介護や医療といった需要が伸びる業界は効率化のニーズも高いので、AIやITを使える仕事は置き換えが進むと思われます。

となると、将来にわたって需要があり、AIやITに置き換えられない仕事に将来性があるということになります。

こちらの記事では将来性のある仕事を詳しく紹介しています。将来性を重視している人はチェックしてみてくださいね。

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②安定した給料が得られる

生活の水準に変動がないことを安定と捉える人もいるので、給与に大きな変動がなく生活の計画を立てやすいことも、安定した職業の条件の一つです

一方で、繁忙期と閑散期で給与に変動がある職業や歩合制が設けられている職業では、給与が大きく変動することがあります。毎月の給与の変動が大きいと生活の基盤を固めづらく、安定しているとは言い切れないでしょう。

また歩合制を取り入れている職業は、社会情勢や環境、景気の変化によって給料が大きく減少する可能性があるというリスクもあります。そのため、一定の水準を保った職業は一般的に安定した職業だといわれるのです。

板谷 侑香里

プロフィール

安定した職業であっても必ずしも給料が高いとは限りません。たとえば、20代の地方公務員や教育、福祉の仕事などは給料自体が安い傾向があります。

仕事探しをする際は、自分に必要な収入や将来のキャリアパスも含めて検討することをおすすめします。

給料が高いことに安定性を感じる人は、こちらの記事も併せて確認してみましょう。

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③ほかの仕事でも活かせるスキルが身に付けられる

雇用が安定しない時代や環境に置かれても、ほかの仕事で流用できるスキルを持っていれば、職探しに困ることはありません。そのため、ほかの仕事でも活かせるようなスキルを身に付けられる仕事も、安定した仕事だと捉えられます。

キャリアアップを目指すときに次のキャリアに活かせるスキルがあれば、選考に有利に働きます。転職を考えたときもほかの仕事で活用できる能力を持っていれば、仕事選びの幅も広がるでしょう

また、万が一会社が倒産したりリストラされたりしても、流用できるスキルを持ち合わせていれば大きな苦労をすることなく再就職ができることもあります。

幅広いキャリアへの可能性を広げられ安定して仕事が得られるという観点で、安定した職業だと考える人もいるのです。

吉田 隼人

プロフィール

今の時代、転職が当たり前になっています。一つの企業でしか活かせないスキルというのは市場価値として高く評価されないので、安定しているとは言えません。

どんな企業でも使える汎用的なスキルを身に付けられることは安定した職業において大切でしょう。

こちらの記事では、AIに奪われる可能性が高い仕事を紹介しています。気になる職業が入っていないか、今のうちに確認しておきましょう。

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④ワークライフバランスが保ちやすい

ワークライフバランスが保ちやすい職業では、残業が比較的少なくプライベートの時間を確保しやすい傾向にあります。そのため今後のライフスタイルの変化に合わせて、仕事とプライベートを両立ができることを重視する人にとっては安定していると考えられるのです

もしほかの特徴を持ち合わせていても、業務量が多く残業が続くことで疲労がたまり、プライベートの時間が確保できなければ、プライベートを大切にする人にとっては安定した職業ではないかもしれません。

ワークライフバランスの保ちやすさをチェックする場合は、下記の項目を参考にしてみてください。

ワークライフバランスが保ちやすい職業・企業の特徴

  • 平均残業時間が少ない
  • 産休・育休制度が充実している
  • 結婚休暇がある
  • 有給が取りやすい

⑤リストラや倒産リスクが低い

リストラや倒産リスクが高い職業では、常に職を失う不安と隣り合わせで毎日を過ごすことになります。AIの普及により人員削減が進み、今まで一般的だった仕事や大手企業でも、職を失う可能性があるのです。

反対に、リストラや倒産リスクが低い職業ではそういった不安を感じずに安心して仕事をすることができます。生活基盤を失うという不安がないため、充実しながら安定した毎日を過ごせるでしょう。

さらにリストラや倒産リスクが低い職業に就くことで、社会的信頼を得やすくなります。マイホーム購入時のローン審査やクレジットカード審査が通りやすくなるので、このような点からもリストラや倒産リスクが低い職業に安定性を感じる人も多くいます。

かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

「安定」は時代とともに変化する! 自分にとっての安定を見つけ出そう

時代が変化するように、「安定」も時代とともに変化していきます。過去に安定しているといわれていた職業や現在一般的に安定している職業でも、将来安定しているとは限りません

そのため安定した職業を探す際は、「自分にとっての安定とは何か?」を深く考えて追及することが重要です。

たとえば経済的な安定や長期雇用、自己成長、社会的信頼など、何を重視するかは人によって異なります。自分のライフスタイルや価値観をもとにして、仕事で何を重視したいのかを明確にすることが、自分が本当に求めている安定した職業を見つけることにつながるのです。

「自分がやりたいことができる」ということに安定性を感じる人もいるでしょう。こちらの記事ではやりたいことを見つける方法を解説しているので、「やりたいことがわからないけど、自分が満足できることを仕事にしたい!」という人はぜひ参考にしてください。

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テレビで安定した職業が紹介されていました。それを参考にするのもなしですか?

板谷 侑香里

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テレビの情報を参考にするのはアリだが鵜呑みにすることはおすすめしない

テレビで紹介されていたことも情報の一つとして参考にすることはアリです。ただ、その職業が必ずしもあなたの興味や価値観に合っているのかどうかというのは言い切れません。

テレビの情報を鵜呑みにするのではなく、企業に関してIR情報などを読み込み企業理解を深めたり、実際にインターンに参加したりしてさまざまな視点から情報を収集し、納得のいく選択をできるようにしましょう。

「インターンに参加したいけどどのように選べば良いのかわからない」という人は、下記の記事を参考にしてみましょう。インターンの選び方を詳しく解説しています。

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まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

自分が重視する要素をチェック! 一般的に安定している職業を見比べてみよう

安定した職業には5つの特徴があることを説明しましたが、実際のところすべての特徴を網羅している職業はほとんどありません。そのため、5つの特徴のなかでも特に重視する項目に優先順位を付けて仕事探しに活かすことが大切です。

下記表では、一般的に安定しているといわれる職業をまとめて紹介しています。気になる職業はどんな特徴に当てはまるのかをチェックしながら、一気に見比べてみましょう。

ここでは一例として表を紹介しているので、自分なりの表を作成して見比べてみることで、求める職業を見つけることにつながりますよ。

 業界の安定性給料の安定性他業務で活用できるスキルワークライフバランスリストラ・倒産リスクの低さ
①公務員
②医療系の職業
③インフラ系の職業
④教育系の職業
⑤IT系の職業
⑥製薬会社
⑦政府系金融機関
⑧損害保険会社
⑨自動車メーカー
⑩食品メーカー
⑪医療機器メーカー
安定した職業の特徴と比重の例
全部の項目が安定している職業に就きたいのですが、本当に難しいのでしょうか?

吉田 隼人

プロフィール

業界・企業研究を深めて地道に理想の職業を見つけ出そう

すべての項目が安定している職業を見つけるためにはまず、業界研究・企業研究をおこない、どの職業がすべての項目を網羅しているのかを明確にしましょう。

次に、どうすればその会社に就職できるのかといった戦略を練りましょう。上記すべてを満たすような仕事であれば、当然人気も高く倍率はとても高いものとなります。

そのため、しっかりと選考フローを確認しながらエントリーシート(ES)や面接対策をしていく必要があります。

また、自分の強みやスペックを正しく理解してアピールするために自己分析も忘れずにしてください。自己分析の結果から自分の実力が企業の求めているレベルに達していないことがわかれば、スキル向上に向けて自己研鑽をしていく必要があります。

最後に、選んだ安定した職業があなたに合っているかはわからないということを伝えておきます。

業界・企業研究、選考対策、自己分析をすることはあくまでも客観的な指標です。その指標に対して、あなた自身がどれだけマッチングしているかは別問題です。しっかりと自分軸でマッチングしているかどうかを確認するようにしてくださいね。

なぜ安定しているの? 11の職業について詳しく解説

安定した職業の特徴や代表的な職業名を見ても、具体的な仕事内容がわからないとイメージが湧かないという人もいるかもしれません。そんな人は、安定した職業の全体を比較できたら、職業の詳細について一つずつ見ていきましょう。

ここでは、11の職業について、安定しているといわれる理由を詳しく解説していきます。自分に合った職業は何かを考えながらチェックしてみてくださいね。

①公務員

公務員は、国の機関で働く国家公務員と地方自治体で働く地方公務員に分けられます。職務内容は異なるものの、政府によって雇用や給料は保証されているため、経済状況にかかわらず安定しているのが特徴です

また、定時退社が比較的しやすく有給休暇も取得しやすいというように、福利厚生が充実している環境でもあります。

しかし、公務員の仕事は定型業務が多いため、ほかの業務に流用できるスキルが身に付きづらいというデメリットもあるので理解しておきましょう。

注意点として、公務員になるためには公務員試験に合格することが必須条件になります。公務員を目指そうと考えている人は、まずは公務員試験の対策から始めてみましょう。

業界の安定性給料の安定性他業務で活用できるスキルワークライフバランスリストラ・倒産リスクの低さ
公務員の安定性

平井 厚子

プロフィール

たしかに公務員は雇用が安定しているなどのメリットも大きいですが、公務員が安定しているのは平時においてです。災害や事故が起きた場合は、それこそ不眠不休の対応が求められることがあります。

被災地の住民対応の人員を増やすため、ほかの地域から派遣されることもあるでしょう。

異動の多さも公務員の特徴です。専門性を身に付けたい人には、ストレスが多い職業かもしれませんね。

公務員試験と民間企業の両方に応募しようと考えている人は、こちらの記事をチェックしてみましょう。両立して就活を成功させるコツを解説しています。

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②医療系の職業

安定している医療系の職業の例として、医師や看護師、薬剤師が挙げられます。健康的な日々を過ごすためには欠かせないことから医療は人々に必要とされているため、経済の変動の影響を受けることがない職業です。業務の需要が高く、給料や雇用形態も安定していると言えます。

しかし、シフト制であることがほとんどだったり勤務時間が不規則だったりし、夜間や休日出勤をすることが多くあります。そういった点から、医師や看護師は長時間労働が一般的なため、ワークライフバランスは保ちづらい傾向にあります。

医師を目指す場合は6年制の医学部医学科の卒業と医師国家資格の合格、看護師の場合は指定の学校の卒業と看護師国家資格の取得、薬剤師の場合は薬学部の卒業と薬剤師国家資格取得が必須となるため、よく調べてから就活を進めるよう注意してくださいね。

業界の安定性給料の安定性他業務で活用できるスキルワークライフバランスリストラ・倒産リスクの低さ
医療系の職業の安定性

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③インフラ系の職業

生活の基盤となる電気・ガス・水道などは常に需要が安定しているため、そういったインフラ系の職業は安定していると言えるでしょう

会社や職種にもよりますが、基本的には安定した勤務時間が確保されていることがほとんどです。そのためワークライフバランスは保ちやすい傾向にあります。しかし、場合によっては緊急対応が必要なこともあるので理解しておきましょう。

インフラ系の職業で得られるスキルは、インフラ業界であれば活用できます。共通の関連資格である危険物取扱者や施工管理技士を取得していることでスキルアップやキャリアアップもできるでしょう。

業界の安定性給料の安定性他業務で活用できるスキルワークライフバランスリストラ・倒産リスクの低さ
インフラ系の職業の安定性

板谷 侑香里

プロフィール

インフラ系は長年、安定した職業といわれています。とはいえ、高齢化に伴う地方の人口減少は著しく、電力や水道の民営化も進んでいます。

こうした背景から必ずしも安定しているとは言えなくなってきているのが実情です。

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④教育系の職業

教育系の職業としては、以下の例が挙げられます。

教育系の職業例

  • 教諭
  • 大学職員
  • スクールカウンセラー
  • 塾講師

子どもの教育には教育系の職業は必須となり長期的にも必要とされると考えられるため、業界や雇用形態は現在安定しています。公立校でも私立学校でも需要が安定しているため、給料も一律の水準で受け取ることができます

しかし、教育政策の変動や少子化の影響を受ける可能性もある職業とも言えます。私立学校や塾などは社会情勢や経済状況によって経営が左右される場合があるので注意してください。

また、教育職の仕事内容は専門性が高く特定の教科知識に特化していることがほとんどです。そのため、直接的にほかの業務に応用できるスキルは限られる場合があるでしょう。

さらに、学校の先生は部活動に参加しなければいけない場合もあるため長時間労働になりやすいです。そういった場合はワークライフバランスを保つのが難しくなってしまうでしょう。

業界の安定性給料の安定性他業務で活用できるスキルワークライフバランスリストラ・倒産リスクの低さ
教育系の職業の安定性

吉田 隼人

プロフィール

公立学校は基本的に政府や自治体によって運営されるため、財政や雇用面での心配はほとんどないと言えます。一方私立学校は独自で運営している分、入学者数や財政状況によって不安定な状況になる可能性もあるでしょう。

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⑤IT系の職業

IT系の職業はITエンジニアやプログラマーなどさまざまありますが、IT技術は急速に進化していて新しい技術が次々と登場していることから需要が高いため、比較的業界が安定しているといわれる職業です

また、近年ではリモートワークが普及してきたことから比較的柔軟な働き方ができるようになりました。働き方は改善されているとはいえ、プロジェクトの納期前は依然長時間労働になる可能性もあるので理解しておきましょう。

日々技術が進歩していることから需要は高いIT系の職業ですが、業界の競争が激しく、企業が変化に対応できるかどうかによって給料の安定性や雇用の安定性に違いが出てきやすいです。

業界の安定性給料の安定性他業務で活用できるスキルワークライフバランスリストラ・倒産リスクの低さ
IT系の職業の安定性
IT系で比較的安定した企業を見つけるにはどうすれば良いですか?

平井 厚子

プロフィール

業務の生産性向上のためにどんな投資をしているかを確認してみよう

IT業界では「人月」という単位をよく使います。1人の人がある仕事に1カ月まるまる従事すると「1人月」です。このようにIT業界は基本的に労働集約型です。

この状態を解消するために開発環境の整備や開発ツールの導入にどれくらい投資をしているか、新しい開発手法をどれくらい取り入れているかで、労働集約型から知識集約型に転換しようとしているかがわかります。

プログラミングやフローチャート作成などはAIに任せて効率化を図る企業とそうでない企業とでは、これからの競争力に大きく差がつくでしょう。

IT系の職業への就職を目指す際は、業界・職種・業務内容の理解が必須となります。こちらの記事で業界と職種・業務内容について詳しく解説しているので参考にしてみてください。人気企業ランキングも紹介しています。

ITエンジニアの職種と業務内容
ITエンジニア20選! 必要なスキルと業務内容をわかりやすく解説

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IT業界の企業ランキング
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⑥製薬会社

薬の研究開発や提供をする製薬会社は、健康や医療に直結するため安定した需要があります。そのため、業界や雇用の安定性は担保されていると言えるでしょう。

また、製薬会社は医療業界の需要に依存しているため、医療系の職業と同様に給料も比較的安定しています。しかし、製品の規制の影響を受けることもあります。

働きやすさに言及すると、製薬会社は比較的ワークライフバランスを取りやすい職業ですが、営業職はほかの業界と同様に忙しい場合が多いでしょう。

製薬会社では医療への専門知識だけでなく、ビジネススキルやコミュニケーションスキルなども身に付けられるため、医療業界でのスキルアップに限らずほかの業界での転職にも有利だと言えます。

業界の安定性給料の安定性他業務で活用できるスキルワークライフバランスリストラ・倒産リスクの低さ
製薬会社の安定性

板谷 侑香里

プロフィール

慢性疾患の薬を提供している製薬会社であれば、医薬品需要が安定しているうえに、比較的ワークライフバランスが取りやすいと言われています。

一方で医療系の医師や看護師は、高齢化社会の中で需要は高いですが、長時間労働や休日出勤の可能性も高いです。

同じような需要がある職業でもこのように比較すると、勤務先にもよりますが、製薬会社社員や薬剤師は比較的規則的な職場であることが多いでしょう。

こちらのQ&Aでは、製薬会社への就職の難しさについてキャリアコンサルタントが回答しています。製薬会社に興味がある人はチェックしてみてください。

⑦政府系金融機関

政府系金融機関とは政府によって設立された銀行で、日本の経済発展や中小企業の活動支援を目的としています。出資金の多くを政府が出しているため、全体的に安定している職業です

しかし、政府系金融機関以外の銀行は安定しているとは言い切れません。大手銀行では人員削減を図っていたり、地方銀行では経営難に陥っていたりする場合が多くあります。政府金融機関とほかの金融機関には違いがあるため、就職を検討する際はしっかりと調べることが大切です。

政府系金融機関と一般の金融機関の例

業界の安定性給料の安定性他業務で活用できるスキルワークライフバランスリストラ・倒産リスクの低さ
政府系金融機関の安定性
一般の金融機関は政府系金融機関より安定していなくても、ほかの職業よりは安定していますか?

吉田 隼人

プロフィール

一般の金融機関もほかの職業よりは安定していると言える

メガバンクは世界銀行ランキングでも10~20位の中に位置付けられていて、日本はもちろん世界的にも財務力、そして影響力の高い銀行であると言えます。

これらの銀行が潰れるときは、その前に日本経済や世界経済がとんでもない状況になっていることでしょう。そのため金融業界はほかの業界と擬革して倒産リスクは低く、安定しています。

一方、地方銀行などはメガバンクに比べると多少安定さは劣る印象です。

特に今後地方の人口減少により市場規模は小さくなっていくことは明白なので、そういった市場の変化に対応できない地方銀行はどんどん淘汰されることが予測されます。

銀行への就職を目指す際は、業界理解をしっかりと深めることが重要です。こちらの記事では金融業界の概要や志望動機の作成方法、将来性を解説しているので、興味がある人は見てみてくださいね。

金融業界について
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金融業界の志望動機
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銀行の将来性
銀行に就職したら勝ち組って本当? 将来性や向いてる人の特徴を解説

⑧損害保険会社

損害保険とは、火災や事故などの損害を被った場合に受け取れる保険です。そういった保険を提供する損害保険会社の顧客基盤は広いため、需要が安定していて収入も比較的安定しているとされています

また、損害保険会社で得られるスキルはほかの業務でも活用できるものが多くあります。リスク管理やデータ分析、ファイナンスの知識、交渉力など多くのスキルを磨けるため、キャリアアップやキャリアチェンジを考えた際に幅が広がるでしょう。

しかし、損害保険は経済状況や自然災害によって収益に影響が出ることもまれにあります。ほかの職種と比べると比較的安定性は低いように見えますが、他業務で活用できるスキルを多く身に付けられるため、転職やキャリアアップがしやすい仕事だと言えます。

業界の安定性給料の安定性他業務で活用できるスキルワークライフバランスリストラ・倒産リスクの低さ
損害保険会社の安定性

保険会社への就職を目指している人は、こちらの記事を参考に志望動機を作成してみましょう。

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⑨自動車メーカー

自動車メーカーは多くの職種がありますが、基本的に車周りに関する業務をする仕事です。近年ではAI技術を活用した開発がおこなわれているなど、時代とともに進化しているため、将来的にも安定した職業だと言えます

しかし自動車業界は業界全体の競争が激しいことに加えて、経済の影響や市場の変動に左右されやすい傾向にあります。

とはいえ、日本国内で生産された自動車や技術は高品質が保証されていて信頼性があることから海外で人気があるので、引き続き需要はあると考えられるでしょう。

自動車メーカーは職種にもよりますが、幅広い業務をおこなうためさまざまなスキルを身に付けることができます。プロジェクト管理や品質管理、技術開発、マーケティングやブランド戦略など、ほかの業界でも活かせるスキルが多くありますよ。

業界の安定性給料の安定性他業務で活用できるスキルワークライフバランスリストラ・倒産リスクの低さ
自動車メーカーの安定性

平井 厚子

プロフィール

自動車業界自体の需要はなくなりませんが、どんな商品サービスを提供するかは既に大きく変わっています。トヨタ自動車は自社を「自動車メーカー」から「移動手段の提供者」に変えました。

顧客は快適かつ低コストの移動手段を求めているので、提供する商品サービスは自動車とは限らないのです。

自動車業界に興味がある人は、こちらの記事を参考に志望動機を作成してみてくださいね。

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⑩食品メーカー

食品は、景気が悪かったり技術が進歩したりしても、人々の生活に欠かせないものです。基本的に需要が安定しているため、業界や雇用形態の安定性は保たれています

また、食品メーカーは業務内容や部署によって多少の違いはあれど、ワークライフバランスは取りやすい傾向にあります。生産管理や品質管理は忙しいこともあるので、プライベートの時間をしっかりと確保したいという人は注意しましょう。

業界や雇用形態の安定性は問題ないとはいっても、食品は消費者の嗜好や流行、経済状況に影響されることもあります。原材料の価格変動の影響を受けることもあるため、給料が安定しているとは言い切れないでしょう。

業界の安定性給料の安定性他業務で活用できるスキルワークライフバランスリストラ・倒産リスクの低さ
食品メーカーの安定性

こちらの記事では食品業界の志望動機作成のコツを解説しています。NG例も紹介しているので、食品業界に興味がある人はチェックしておきましょう。

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食品業界の志望動機は、「食べることが好き」という理由だけではNGです。この記事では、食品業界の志望動機に重要となるのは食への熱意や幅広い視点であるということを、キャリアコンサルタントによるアドバイスつきでポイントを解説します。食品業界に関する基礎知識から、評価つきの例文まで、魅力的な志望動機を作るヒントを掲載しています。

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⑪医療機器メーカー

海外でも日本医療機器は需要があるため、業界としても成長段階にある分野です。医療系の職業と同様に景気に左右されることは少ないため、業界や雇用形態は安定していると言えます

しかし、医療機器業界は技術革新や規制の影響を受けやすい傾向にあるため、給料の安定性はやや低いでしょう。

また勤務時間は比較的安定していますが、営業職の場合は病院の診療が終わったあとに訪問することが多いため、長時間勤務になりやすいです。製造や開発の部署もプロジェクトの納期や進捗によって忙しくなることがあるので、希望の部署についてしっかりと調べておきましょう。

忙しい場面もある医療機器メーカーですが、業務を通して幅広い専門スキルを身に付けることも可能です。技術開発や品質管理、データ分析・統計など、医療業界内でスキルアップやキャリアチェンジを図る場合は有利に働くことが多くあります。

業界の安定性給料の安定性他業務で活用できるスキルワークライフバランスリストラ・倒産リスクの低さ
医療機器メーカーの安定性

吉田 隼人

プロフィール

医療機器の市場は、日本だけでなく世界にも存在します。世界的な高齢化社会や医療機器の進化、世界経済の成長によって需要が伸び続けている業界です。

そういった状況もあり、医療機器メーカーでは安定した業績を出せることが多く、結果給料面で安定していると言えるでしょう。

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専門家が解説! 条件面で安定した職業に就く前に知っておくべきことは?

休みが多い、休暇が取りやすい、福利厚生が充実しているなどの条件面で安定した職業に就く際、条件だけで安心してしまうのは時期尚早です。

安定しているというメリットがあっても、もしかしたら理想的な働き方ができなかったり思っていた安定性とは異なったりする場合もあり、最終的には短期離職につながってしまう可能性もあるからです。

ここでは、板谷さんに条件面で安定した職業に就く前に知っておくべき情報について解説してもらいます。就職後のギャップをなくすために、チェックしておきましょう。

アドバイザーコメント

重視している条件以外の項目もチェックが必須

条件面で安定した職業であるとしても、自分の価値観やライフスタイルに合っているかどうかも確認するようにしましょう。

将来的に結婚するかどうか、子育てのときはどのくらい休みたいのか、介護の際は実家に戻りたいのかなど、これからの人生の中で自分が何を大切にするのかを改めて考えてみてください。

そのうえで、実際の職場環境を確認するために企業のWebサイトで社員のインタビューから雰囲気を確認したり、口コミサイトやOB・OG訪問などで実際に働いていた人から話を聞いたりすることで、入社してからのギャップを減らすことができます。

今後どのように生活をしたいのかを基盤にチェックしてみよう

また、有給休暇の取得率は高いのか、ライフステージが変化しても働き続けることができるのか、育児休暇や介護休暇を取得している人の状況についても確認しておきましょう。

また、月の残業時間やリモートワークの可否、フレックスタイムの導入など、働き方の柔軟性に関してもあらかじめ知っておくことができると、環境の変化への対応できるかどうかのイメージが明確になります。

実は安定していない? 似た分野でも安定が保障されない職業と特徴もチェック

安定しているといわれる職業と似た分野でも、実は安定が保障されていない職業もあります。

これを知らずに就職してしまうと、求めていた安定した職業ではないことから不満が積もってしまう可能性があるので、あまり安定しないといわれる職業も確認することも大切です。

職業安定していないといわれる理由
士業(弁護士・税理士・会計士・司法書士・社会保険労務士)・個人事業主や自営業の場合は自分で営業をする必要があるため業務の安定性に欠ける
・独立初期は信頼度が低いため、安定するまで時間がかかる
保育士・世間からの需要はあるが、低収入の傾向にある
・ワークライフバランスが保ちづらい
・保育園の場合は園の経営状況に左右されることがある
介護士・必要性や需要は高まっているが月収が低い傾向にある
・体力を使う業務が多いためハードワーク
旅行業界・新型コロナウイルス感染症のような社会情勢に影響を受けやすい
事務職・AIに業務を取られる可能性がある
生命保険会社・ノルマを課されることが多く給料の変動が大きい傾向にある
安定が保障されない職業

上記の表では代表的な職業を紹介しましたが、ほかにも安定しないといわれる職業は多数あります。あまり安定していないといわれる職業は下記のような特徴があるので、仕事探しをする際に下記特徴にあてはまっていないのかもチェックしてみましょう。

安定しないといわれる職業の特徴

  • 歩合制で給料が安定しない
  • AIに取って代わられる可能性がある
  • 環境や時代の変化に影響を受けやすい

吉田 隼人

プロフィール

皆さんがこれからかかわりを持つ人事や採用担当者も、時代の進化につれて淘汰される可能性があります。

人事や採用担当者はキラキラしていて憧れの職業のイメージをよく持たれますが、AI面接の進化や人事システムの自動化によって代替されていく可能性があり、既に海外企業の多くがそういったシステムを導入しています。

安定した職業に就くためには? 3つの要素で深掘りする方法

安定した職業に就くためには? 3つの要素で深掘りする方法

  • スキル編:求められる能力を把握してマッチしたスキルを身に付けよう
  • 自己分析編:強みとやりたいことを明確にして仕事探しに活かそう
  • 業界・企業分析編:仕事内容と実情を理解してギャップをなくそう

ここまで「安定した職業はどんなものか」を解説しましたが、安定した職業がわかっただけでは就職することはできません。自分に合った安定した職業に就くためには、しっかりと対策をして選考に挑む必要があるからです。

ここでは、3つの要素で深掘りして安定した職業に就くための対策方法を解説します。徹底的な対策をして選考に挑み、安定した職業に就けるように参考にしてくださいね。

スキル編:求められる能力を把握してマッチしたスキルを身に付けよう

記事で紹介した安定した職業のなかには、職種にもよりますが特定の資格が必須となる仕事があります。

必須資格の取得には多くの時間がかかったり、専門学校や指定の学部などで学ぶ必要があったりもするため、希望する職業でどのような資格が必要とされるのかを正しく把握する必要があります。

また、必須の資格に加えて業務で活かせるスキルや資格を身に付けることで、就活を有利に進めることにつながります。興味のある仕事でどのような資格が評価されるのかを知っておくことも、就活成功に近付くための第一歩となるでしょう

平井 厚子

プロフィール

安定した職業に就くためには、産業用ロボット技術者、AI技術者など、これから発達する技術の使い手になる資格の取得をおすすめします。

これらの分野は立ち上がり途上のため、絶対的な資格はまだありませんが、これから認定資格を作る可能性も大いにあるので、よく情報を見ておきましょう。

「就職に有利な資格を取得したい!」と思っている人はこちらの記事をチェックしてみましょう。業界・状況別でぴったりな資格を紹介しています。

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自己分析編:強みとやりたいことを明確にして仕事探しに活かそう

業務で求められることだけでなく、自己理解を深めることも重要です。自分の強みや特徴を活かせる仕事ややりたいことができる仕事であれば、自分と業務とのマッチ度が高まり短期離職の可能性が低くなるからです。自分らしく働くことにもつながるでしょう。

繰り返しになりますが、短期離職のリスクをなくして理想とする働き方を実現するためには、「自分にとっての安定とは何か」を明確にする必要があります。自分の強みや特徴と併せて、自分にとっての安定についても明確にしていきましょう。

これらを明確にするためには、それぞれ紙に書き出すことが効果的です。そうすることで言語化でき、頭のなかを整理できます。書き出した項目に優先順位をつけることで、就活に活用することができますよ。

安定した職業に就きたいですが、そういった仕事では自分のやりたいことができません……。

板谷 侑香里

プロフィール

自分の納得できる方法を選択しよう

安定した職業に就きながら副業として平日の空いた時間や休日に自分のやりたいことをやり、ある程度自分のやりたいことだけで暮らしていける見通しが立ってから自分のやりたいことで独立することもできます。

また、お金をもらうことはせず純粋な趣味として割り切ることもできるでしょう。

反対に、自分のやりたいことに全力で振り切ってやり抜いてしまうというのも一つの方法です。

周囲の人はあれこれ言うかもしれないですが、自分が幸せで「この選択をして良かった!」と言える強ささえ持ち合わせていれば、やりたいことをやり抜くことはできます。

もし収入に結び付かなかったとしたら、そのときに安定した職業に就くことを考えても良いかもしれません。

「そもそも自己分析のやり方がまったくわからない……」という人は、こちらの記事を参考にしてみてください。就活に活用する方法も詳しく解説しています。

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業界・企業分析編:仕事内容と実情を理解してギャップをなくそう

業界分析や企業分析を深めることも忘れずにおこないましょう。自分の今の知識だけで応募して就職・入社すると、実情への理解が足りないことで実際の業務とのギャップが生じてしまい、納得のいく働き方ができなくなる可能性があります

あらかじめ業務内容や業界の動向をしっかりと理解しておくことでギャップをなるべく減らし、理想とする働き方を実現することにつながります。また、業界・企業理解が深まることで選考時に志望度が高いということが伝わり、選考突破率を上げることもできるでしょう。

このように、自分にぴったりな理想の働き方を見つけられるだけでなく合格に近付けるというメリットもあるのです。理想の環境での就職をかなえるためにも、業界・企業分析は忘れずにおこなうようにしましょう。

業界研究・企業研究のやり方がいまいち理解できていないという人は、こちらの記事を参考にしてみましょう。

業界研究のやり方
業界研究のやり方|業界全体をとらえたうえで気になる業界を研究しよう

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企業分析のやり方を完璧にマスターする3ステップ|よくある注意点も

自分が思い描く安定した職業を見つけて納得のいくキャリアを歩もう!

仕事選びをする際に「安定した職業か」という判断基準を持つことは、長期的に、そして自分らしく働くことを実現するために大切な項目の一つです。

しかし一般的に安定した職業といわれているものでも、あなたにとって安定した職業だとは限りません。「自分にとっての安定とは何か?」を理解したうえで仕事探しをすることが大切です。

記事で紹介した安定した職業や特徴、就活のコツを参考にしてぴったりな職業を見つけ出し、納得のいく働き方を実現してくださいね。

アドバイザーコメント

昔は安定していても今は安定していない職業はいくつもある

60年ほど前、タイピストという職業がありました。英文タイプを使って書類を作成する仕事で、女性にとっては憧れの花形の仕事でした。

しかし70~80年代にかけてワープロやパソコンがオフィスに導入され、文書作成ツールが英文タイプからワープロ・パソコンに変わっていったことで、タイピストの多くが失業したのです。

安定した仕事を続けるには変化に対応することが必須

多くのタイピストが失業したなかで、一部のタイピストは変化を潜り抜けて、次の時代の仕事に就いたそうです。それは、英文タイプとワープロ・パソコンのキーボード配列が同じなことに目をつけ、タイピング技術を活かしてワープロやパソコンの使い方を学んだ人たちです。

このように、今の見通しで安定していると考えられても、何が起こるかわかりません。カメラメーカーはまさか電話機が自分たちの競合になるなんて、夢にも思ってませんでした。

自分でしっかり変化を見る目を養い、次の時代に必要なことをリスキリングしながら、安定した仕事をキープしましょう。応援しています。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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