休職を検討している人の中には「休職したら今後のキャリアに影響するのか」「休職中の給与はどうなるのか」と不安な人もいるのではないでしょうか。
休職を考える理由は人によって異なりますが、休職のメリットやデメリット、手続きの方法などがわからず、踏み出せずにいる人も多いでしょう。
この記事では、キャリアコンサルタントの瀧本さん、柴田さん、キャリアコンサルタントと社労士の資格を持つ村谷さんのアドバイスを交えつつ、休職のデメリットや基礎知識について詳しく解説します。休職後の不安から申し出るか検討している人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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休職するか迷ったらデメリットを上回るメリットがあるかで判断しよう
休職には、その後のキャリアへの影響や収入の減少など、さまざまなデメリットがあることは事実です。しかし、適切な判断のもとで休職することで、心身の回復や新たな視点でのキャリア見直しなど、次のキャリアにつなげられるメリットを得られる可能性もあります。
この記事では休職のメリットとデメリット・手続きの方法・休職中の過ごし方などを詳しく解説します。まずは休職に関する基礎知識を理解することで、自分にとって本当に必要な選択かどうかを判断しやすくなりますよ。
記事の後半では、休職する際の注意点や復職に向けて取り組むべきことも解説します。これらの情報を参考に、休職のデメリットを上回るメリットがあるかどうかを慎重に検討し、自身に合った決断をしましょう。
休職は必ずしも悪いことではありません。心身のリフレッシュや状況整理の時間を持つことで、復職後のパフォーマンスを向上させるきっかけにもなります。
自分の健康を最優先に考え、今後のキャリアをより良い方向に進めるための一歩ととらえてみてください。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
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まずは知っておきたい! 休職の基礎知識
まずは知っておきたい! 休職の基礎知識
休職を検討している人の中には、休職制度について詳しく知らない人もいるかもしれません。休職の定義や種類・条件・期間・給与の取り扱いなど、基本的な情報を理解することは適切に判断するための第一歩となります。
ここでは休職の基礎知識について解説します。まずは休職に関する基本的な情報を押さえましょう。休職制度の概要を理解することで、自身の状況に合わせた判断がしやすくなりますよ。
休職とは:自分の都合によって会社を長期間休むこと
休職は通常の有給休暇とは異なり、長期間にわたって仕事を休むことが認められる制度です。休職の理由はさまざまで、病気やけがの治療・育児や介護などが挙げられ、理由によって2種類に分けられます。
なお、休職中は会社との雇用関係が維持されるため、休職期間が終了すれば元の職場に戻ることができます。ただし、休職の条件や期間・給与の取り扱いなどは、会社の就業規則によって定められているため、事前にチェックしておくことが重要です。
休職を考えている場合は、まず自社の休職制度について人事部門に確認し、制度を正しく理解したうえで、自分の状況に合わせて判断しましょう。
前提として、休職を検討している人はそもそも仕事内容が自身に合っていない可能性があります。現在の仕事が自分に合っているかわからない人は、以下の記事もチェックしておきましょう。仕事を続けるべきか見極める方法を解説しています。
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種類①傷病休職
傷病休職は、病気やけがの治療のために取得する休職です。心身の不調で長期間の療養が必要な場合に利用される制度で、基本的に傷病休職を取得する際は医師の診断書が必要です。診断書には病名や治療に必要な期間などが記載されていて、これをもとに会社が休職の可否を判断します。
傷病休職を適切に利用して健康を取り戻すことで、円滑な職場復帰につながります。ただし、休職期間中の待遇や復職の条件などは企業によって異なるため、繰り返しになりますが自社の制度をしっかりと確認しておくことが大切です。
種類②自己都合休職
自己都合休職は、社員の個人的な理由で取得する休職です。育児や介護など、さまざまな目的で利用されます。傷病休職とは異なり、必ずしも医師の診断書は必要ありませんが、会社の承認が必要です。
自己都合休職を取得する条件は、会社の規定によって異なります。制度自体がない場合もあれば、柔軟に対応してくれるケースもあります。また、勤続年数や職位によって取得条件が変わることもあるので、事前に確認しておきましょう。
自己都合休職は、キャリアアップや人生の転機となる機会を提供してくれる一方で、職場での評価や昇進に悪影響を及ぼす可能性があるのも事実です。
たとえば、休職によって重要な業務経験を積む機会を逃し、管理職への昇進が遅れる可能性も考えられます。取得を考える際は、長期的なキャリアプランを踏まえて慎重に判断することが大切です。
「仕事が怖い」と感じて休職を検討している人は、以下の記事をチェックしておきましょう。仕事が怖い原因を分析する方法や、その解決方法まで解説しています。
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診断書がない場合は客観的な傷病状態の把握ができないため、自己都合休職になります。医師の診断書があれば傷病休職が可能であるため、まずは医師に相談して診断書を取得することをおすすめします。
認められる条件:企業の休職制度によって異なる
休職が認められる条件は企業によって異なるので、事前に確認しておく必要があります。一般的に、就業規則や労働協約に休職制度が明記されていて、一定期間の勤続年数を取得条件としていることが多いです。
前述のように、休職の種類によっても条件が異なり、傷病休職の場合は医師の診断書が必要となるのが一般的です。一方で自己都合休職は、休職の理由や目的・期間などを明確に説明し、会社の承認を得る必要があります。
なお、中小企業では休職制度そのものがない場合もあります。また、休職中の義務や復職時の条件なども企業ごとに異なるため、人事部門に詳細を確認しておきましょう。
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既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
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期間:3カ月〜3年程度が目安
休職期間は企業によって異なりますが、一般的に3カ月から3年程度が目安となっています。短期の場合は3カ月や6カ月、長期の場合は1年や2年といった設定が多いでしょう。
傷病休職の場合、病気やけがの程度によって期間が決まることが多く、医師の診断書に基づいて判断されますが、自己都合休職の場合は休職の目的や会社の規定によって期間が決められます。
また、多くの企業では、最長の休職期間が定められていて、その期間を超えると自動的に退職となる場合もあります。休職期間の更新が可能な企業もありますが、更新の条件や回数には制限がある場合が一般的です。
病気を患った際に休息や治療を後回しにしてしまうとなかなか回復には向かいません。期間が長くなりそうだからといって休職を伸ばし伸ばしにしてしまうと、その分フルコンディションで仕事に向き合える時期まで先送りになります。
なかなか思い切れないのもわかりますが、この先の仕事のパフォーマンスを上げるためにも今じっくり休んでおいたほうが良いでしょう。
給与の支給:基本的にはもらえない
休職中は通常どおり働くことができないため、基本的に給与は支給されません。ただし、企業によっては独自の制度を設けていて、一定期間は給与の一部を支給する場合もあります。
また、休職中に賞与が支給されるかも企業によって異なり、一般的には休職前に勤務していた期間分を対象とした賞与は、通常どおり支給されるケースが多いといえます。ただし、休職期間が長く、賞与算定対象期間の出勤が一度もない場合は、支給されない可能性も考えられます。
なお、就業規則で賞与に関する規定を定めている企業がほとんどであるため、自身が休職する際に賞与の支給対象となるか事前に確認しておきましょう。
事前に理解しよう! 休職の4つのデメリット
休職には、収入面での影響やキャリアへの長期的な影響など、慎重に考慮すべき側面があるため、休職を検討する前にデメリットを理解しておくことが重要です。
ここでは休職にともなう4つのデメリットについて詳しく解説します。これらのデメリットを事前に理解することで、休職の決断をより慎重におこない、休職中や復職後のための準備を進めやすくなりますよ。
①働いていた時期と比較して収入が減少する
休職中は基本的に給与が支給されないため、大幅に収入が減ってしまいます。傷病休職の場合、健康保険から傷病手当金が支給される可能性がありますが、これは標準報酬日額の3分の2相当額にとどまります。
一方で、自己都合休職の場合は傷病休暇のような公的支援も受けられないため、さらに厳しい経済状況になりやすいことが考えられるでしょう。そのため、長期の休職を考えている場合は、事前に十分な貯蓄をしておくことが重要です。
また、休職中の生活費や固定費を見直し、必要最小限の支出に抑える工夫も必要です。収入の減少は休職中の大きな課題の一つとなるため、慎重な経済計画が欠かせません。
- 休職を検討しているのですが、手当で生活できるほどの貯金がありません……。
固定費をはじめとする生活費を見直して無駄な出費を減らそう
貯金が少ない中で休職を検討している場合、4日以上の休業で傷病手当金が使えますが、振り込まれるまでに大体1~2カ月程度かかります。
一人暮らしの人は一時的に実家に戻る、または家族や友人に助けを求めることも選択肢です。そんな中でも、生活費を見直し、節約することで少ない貯金でもやりくりできます。
特に固定費の見直しが重要で、家賃交渉や携帯料金の見直し、サブスクリプションサービスの解約などを検討しましょう。家計簿をつけて支出を管理し、無駄な出費を減らすことも大切です。
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既卒の就活では、限られた選択肢の中から自分に合った仕事を見つけることが重要です。しかし、本当に自分に合った仕事とは何か、見つけるのは簡単ではありませんよね?
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②収入が少ないなかでも社会保険料は負担しなければいけない
休職中も健康保険・厚生年金保険を含む社会保険の被保険者資格は継続するため、社会保険料を負担することになります。通常、社会保険料は給与から天引きされますが、休職中は基本的に自己負担となるのです。
給与が支給されないことで収入が大幅に減少するなかで、毎月の社会保険料を支払うことは大きな負担となることが考えられます。特に標準報酬月額が高い場合、社会保険料の負担はさらに大きくなるため、休職前に人事部門に確認し、具体的な金額や支払い方法を把握しておくことが重要です。
また、住民税や国民年金の支払いも継続することになるため、これらの固定費も含めた総合的な資金計画を立てておきましょう。
③人事評価に悪い影響を及ぼす可能性がある
休職はやむを得ない事情があっての選択ですが、企業によっては人事評価に影響を及ぼす可能性があります。特に長期間の休職の場合、その期間中の業績評価ができないため、昇給や昇進の機会を逃す可能性があるのです。
また、休職中に重要なプロジェクトや会社の変革期を逃してしまうことで、キャリアの停滞を招く恐れもあります。さらに、社内で休職した事実が広まることで、復職後も重要な仕事を任せてもらえないなどの影響が出る可能性も考えられるのです。
このようなリスクを軽減するためには、休職中も可能な範囲で会社とのコミュニケーションを保ち、復職後のキャリアプランを具体的に考えておくことが大切です。休むことを第一に考えるのはもちろんですが、その後のキャリアを見すえた行動も意識しましょう。
休職が昇給や昇進に影響するかどうかは、状況や理由によります。育児や介護、留学などの理由であれば、通常不利になることは少ないとされています。
しかし、メンタル不調の場合は企業によるため、現在の健康状態をアピールすることが大切です。
④復職が難しくなるリスクがある
長期間の休職後はスムーズな復職が難しくなるリスクがあるため、休職する期間は自身の心身の状態によって慎重に決める必要があります。
休職期間が長くなればなるほど、職場環境や業務内容の変化についていけなくなる可能性が高まります。また、技術革新の速い業界では、わずか数カ月の休職でも変化が起こり、復帰後の業務に影響するかもしれません。
なお、メンタルヘルスの不調による休職の場合、完全に回復しないまま復職すると再び休職に至る可能性もあります。さらに、休職中に会社の状況が変わり、元の職場に戻れなくなるケースもあるかもしれません。
スムーズに復職するためにも、休職中も可能な範囲で業界や職場の動向をチェックするのがおすすめです。ただし、休職中の最優先事項は心身の療養であるため、無理のない範囲で復職に向けた行動をしましょう。
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仕事がつらいときに自分を責めないで! 心が楽になる10の対処法
仕事が辛い原因や、対処法をキャリアコンサルタントとともに解説。退職や転職を検討している人へ、辞めるべきかどうかを見極める方法も説明します。仕事が辛い状況は必ず好転させられます。自分を信じて、状況を好転させましょう。
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キャリアの専門家が解説! 休職後の復帰に関するリアル
休職のデメリットについて解説しましたが、特に復職に関して不安を感じている人も多いのではないでしょうか。休職後の職場復帰がどのようなものか、具体的にイメージできない人もいるでしょう。
ここでは休職者を支援した経験があり、企業の人事制度にも詳しいキャリアコンサルタントに、休職後の復帰に関する現実的な課題や注意点について聞きました。実際に休職を考える前に、企業側の視点も含めて、どのような準備や心構えが必要か考えてみましょう。
アドバイザーコメント
村谷 洋子
プロフィールを見る休職前に会社とあなたの雇用形態を理解することが大前提
休職を検討する際には、復帰後の現実的な課題や注意点を理解することが重要です。まず、雇用契約の大前提として、会社はあなたに仕事を指示し、あなたはその指示に従う義務があります。
仕事ができない場合、雇用契約が成立しなくなる可能性があり、休職期間満了が近付いても主治医が復職不可と診断した場合、復職したくてもできず、休職期間満了で退職となるケースもあるのです。
一般的に、休職期間は勤務年数に応じて設定されることが多く、入社1年以内の人には休職制度が適用されない会社も多いです。また、勤務年数が短いと休職期間も1~3カ月程度と短くなる傾向があります。
休職前と同等のパフォーマンスが発揮できるよう十分な休息が大切
また、復職後は休職前と同等の仕事ができることが求められます。メンタルヘルス不調で休職している人の職場復帰に力を入れている会社もありますが、対応は会社によってさまざまです。
休職を決断する前に、あなたの会社の就業規則や制度をしっかり理解し、休職後の復帰に関する現実的な課題を考慮することが重要です。これにより、休職後のスムーズな復帰を目指すことができます。
休むことは悪ではない! 休職の5つのメリット
休むことは悪ではない! 休職の5つのメリット
休職する前はデメリットばかりに目が行きがちですが、実はメリットもあります。適切に休職制度を利用することで心身の健康を取り戻すだけでなく、キャリアの転換点にもなる可能性があるのです。
ここでは、あまり知られていない休職の5つのメリットについて詳しく解説します。これらのメリットを理解することで、休職に対する見方が変わるかもしれません。また、休職を検討している人にとっては、決断の後押しにもなるでしょう。
①心身の回復に集中できる
休職をすると心身の回復に集中できるため、メンタルヘルスの問題や身体的な病気の治療など、自身の健康に専念できる機会が得られます。
日々の業務や通勤の負担から解放されることで、十分な睡眠時間を確保したり、規則正しい生活リズムを取り戻したりしやすくなります。また、治療やカウンセリングに十分な時間を割くことができるため、働き続けながら治療するよりも効果的な回復が期待できるのです。
心身の健康を取り戻すことは、業務で成果を上げるために新しい挑戦をし続けられる土台を作ることにつながるため、長期的なキャリアを考えるうえでも重要です。休職期間中に自分と向き合い、心身をリフレッシュすることで、復職後により良いパフォーマンスを発揮できる可能性が高まります。
②新たな視点でキャリアを見直せる
休職期間は日常の業務から離れ、自身のキャリアを客観的に見つめ直す貴重な機会となります。心身の不調で休職している場合、これまでの働き方や価値観を見直すきっかけにもなるでしょう。自身の強みや弱み、本当にやりたいことは何かを改めて考えることで、復職後のキャリアプランがより明確になるかもしれません。
また、休職期間中に心身が回復してきたら、業界のトレンドや新しい技術について学んだり、資格取得にチャレンジしたりすることも有効です。新たな視点や知識を得ることで、復職後のキャリアに新しい可能性が開けるかもしれません。
「復職したらこれまでと同じようには働けないかも」と考えている場合、転職を検討するのは先送りにしたほうが良いでしょう。
近年では復職支援が充実しているため、これまでの業務ができなければ時短など働きやすい環境を作ってくれたり異動をさせてくれたりなど、何かしらの配慮をしてもらえることが多くなっています。
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③職場環境の改善につながる可能性がある
一見すると個人的な選択に思える休職ですが、実は職場環境の改善につながる可能性があります。特にメンタルヘルスの問題で休職する場合、職場環境そのものが原因であるケースもあるためです。
つまり、自身の休職をきっかけに、会社側が職場環境や業務プロセスを見直すこともあるということです。たとえば、長時間労働の是正・業務の効率化・コミュニケーションの改善などがおこなわれるかもしれません。これは、休職した本人だけでなく、ほかの従業員にとっても良い影響を与える可能性もあるのです。
また、休職者の経験を通じて会社全体のメンタルヘルスケアや働き方改革が進むこともあります。自身が休職したら、より健康的で生産性の高い職場環境が実現する可能性もあることを覚えておきましょう。
職場の環境が原因で心身の健康に影響が出た場合、まずは休職を検討することをおすすめします。
転職後すぐに休職した場合には、傷病手当金などの給付金が予想よりも少ない可能性があり、精神的・経済的な負担が大きくなることがあります。
休職期間中にしっかりと心身の健康を回復させ、次のステップを冷静に考えられる状態にしましょう。
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④理由によっては傷病手当金を受給できる可能性がある
自身が傷病休職する場合、加入中の健康保険から傷病手当金が支給される可能性があります。傷病手当金は、標準報酬日額の3分の2相当額が通算で1年6カ月まで支給されるため、休職中の経済的な支えとなります。ただし、傷病手当金の支給には条件があるため、加入している健康保険組合に確認は必要です。
一方で、自己都合休職の場合は傷病手当金のような公的な経済的支援はありません。そのため、休職中の生活費や社会保険料の支払いなど、経済面における十分な準備が必要となります。
休職を検討する際は、必ず事前に人事部門に手当について確認し、経済的な見通しを立てておくことが重要です。なお、会社独自の休職中の給与補償制度がある可能性もあるため、併せて確認しておきましょう。
傷病手当金を受給するには、業務外の病気や怪我で4日以上連続して仕事を休み、給与が支払われないことが条件です。また、医師の証明が必要で、健康保険に加入していることが前提となります。
⑤心身を休息することで復職後の生産性向上を期待できる
適切な休職は、単なる休息期間ではなく、復職後の生産性向上につながる投資ともいえます。十分な休養を取ることで、心身のコンディションが改善し、仕事への意欲や集中力が高まる可能性があるからです。
また、休職を通じて自分の働き方を見直すことで、より効率的で持続可能な仕事のスタイルを確立できるかもしれません。さらに、休職によって得られた新しい視点や経験によって、復職後の職場に良い影響を与え、チーム全体の生産性向上につながる可能性もあります。
このように、適切な休職は個人の回復だけでなく、長期的には会社にとってもプラスの効果をもたらす可能性もあるのです。
無理は禁物! 産業カウンセラーに聞く休職をするかの判断軸
休職を検討している人の中には、「本当に休職すべきか」「今が適切なタイミングなのか」と迷っている人も多いのではないでしょうか。休職の判断は個人の状況や会社の環境によって異なるため、一概に正解を言い切ることは難しいものです。
そこで、休職者をサポートした経験のある産業カウンセラーの瀧本さんに、休職をするかどうかの判断軸について聞きました。休職を検討している人は、実際に決断する前に専門家の視点から見た判断のポイントを参考にしましょう。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る仕事中のパフォーマンス低下は心身の限界が近付いているサイン
休職を決断する際、最も重要なのは自分の心身の状態を正直に見つめることです。たとえば、仕事に行く前夜になると不安で眠れなかったり、朝起きると強い倦怠感に襲われたりする状態が続くなら、それは心身が限界に近付いているサインかもしれません。
特に、仕事中に集中力が続かずにミスが増えたり、周囲とのコミュニケーションが難しく感じる場合は、通常の業務をこなすことが困難であることを意味します。このような場合、無理に働き続けるよりも、休職を検討する価値があります。
休職を検討する際は周りの人だけでなく労災への相談も一つの手段
また、自分の不調が業務上の過労やストレスに起因しているのであれば、労災に該当するかどうかを確認することも重要です。
たとえば、長時間労働が続き、心身に大きな負荷がかかった結果、うつ状態に陥ったケースでは、職場環境の改善や適切な休職が必要となるでしょう。休職の判断には、主治医の診断書や該当する職場では産業医の意見も大切です。
たとえば主治医が「現状では通常勤務は困難」と診断した場合、産業医とも連携し、復職後に短時間勤務から始めるなど、負担を減らす方法を検討することができます。こうした具体的な状況をもとに、自分にとって最良の判断をすることが求められます。
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準備しよう! 休職を申し出る前に取り組むべきこと
準備しよう! 休職を申し出る前に取り組むべきこと
- 会社の状況を見て休職しやすいタイミングを見極める
- 上司や人事部門に事情を説明する
- 診断書や休職届などの必要書類を準備する
休職を決意したらすぐに申し出るのではなく、しっかり準備することが重要です。なぜなら、休職の申し出は自身のキャリアに大きな影響を与える可能性があるため、慎重に進める必要があるからです。
ここでは、休職を申し出る前に取り組むべきことについて解説します。これらの準備を整えることで、会社側との円滑なコミュニケーションが可能となり、休職の承認を得やすくなります。
会社の状況を見て休職しやすいタイミングを見極める
休職を申し出る際、会社の状況を考慮して適切なタイミングを選ばなければ、スムーズに受理してもらえない可能性があります。繁忙期や重要なプロジェクトの最中は避け、比較的余裕のある時期に申し出ることを検討しましょう。
休職を適切な時期に申し出ることで、スムーズな引き継ぎや代替要員の確保がしやすくなります。ただし、心身の状態が深刻な場合は、会社の状況よりも自身の健康を優先することが大切です。毎日の生活が苦しくなるほど緊急性が高い場合は、速やかに休職の相談をしましょう。
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仕事を休むときには周囲への影響を最小限に押さえることが大切です。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、仕事を休むときに適した理由と伝え方を詳しく解説します。理由別の例文もあるので、会社へ伝えるときに活かしましょう。
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上司や人事部門に事情を説明する
休職の申し出をする際は、まず直属の上司に相談するのが一般的です。上司との面談では、休職を希望する理由や期間・復職後の展望まで具体的に説明しましょう。
その後、人事部門にも相談し、会社の休職制度や手続きについて詳細な情報を得ることが重要です。休職中の給与や社会保険の取り扱い、復職時の条件などを確認しておけば、手続きをよりスムーズに進められるからです。
なお、休職理由を説明する際は、できる限り感情的にならず、客観的な事実と自身の状況を冷静に伝えることを心掛けましょう。上司や人事部門との建設的な対話がしやすくなり、お互いの理解を深めやすくなるからです。
また、休職中の連絡方法や、可能な範囲での業務引き継ぎについても話し合っておくことも大切です。上司や人事部門との良好なコミュニケーションは、休職中のサポートや休職後の円滑な復職にもつながるため、誠実な態度で臨みましょう。
- 上司との関係が原因で休職を検討しています。休職の相談がしづらいのですが、誰にどのように相談すれば良いでしょうか。
上司と話すのが難しい場合は産業医への相談がおすすめ
上司との関係が原因で休職を検討しているのなら、心身ともにとても疲弊しているものと思われます。その上司に休職を願い出るのが難しければ、まずは産業医に相談してみてはどうでしょうか。
ストレスチェックを実施している企業であれば、その結果も参考にしながら、できれば休職したいと伝えてみましょう。産業医は上司を経由せずに直接人事とコンタクトを取り、手順を整えてくれます。
会社とは別のところで通院をしているのであれば、主治医と産業医に連絡を取り合ってもらっても良いでしょう。
上司との関係が問題で休職を検討している人は、以下の記事をチェックしておきましょう。上司が嫌いになるパターンごとの対処法を解説しています。
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上司が嫌いで毎日悩まされている人は、11の方法を試してみると上手く付き合えるかもしれません。キャリアコンサルタントと、嫌いな上司と上手に付き合う方法や注意点を解説するので、嫌いでたまらず悩んでいる人は参考にしてください。
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診断書や休職届などの必要書類を準備する
休職申請に必要な書類は、会社によって異なりますが、一般的に以下のものが求められます。
書類 | 書類の説明 |
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休職届 | 休職の理由・期間・連絡先などを記載した公式文書 |
診断書 | 傷病休職の場合、医師による診断書が必要 |
治療計画書 | 長期の休職で治療の見通しを示す書類 |
これらの書類は人事部門に確認のうえ、漏れなく準備しましょう。医師からの診断書は休職が必要な理由や、推奨される休職期間が明確に記載されているものを用意することが必須です。
自己都合休職の場合も、休職の目的や計画を具体的に示す書類が求められることがあります。必要書類を適切に準備することで、会社側の理解を得やすくなり、スムーズな休職手続きにつながります。
休職中とはいえ自由ではない? 休職する際の注意点
休職すると日々の仕事から解放されるため、自由な面が増えると考えがちです。しかし、実際には休職中にもさまざまな制約や注意点があります。これらを事前に理解しておかないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ここでは、休職中に注意すべき2つのポイントについて詳しく解説します。これらの注意点を知ることで、休職中の行動をより適切にコントロールし、スムーズな復職につなげやすくなります。
各種ローンの契約が難しくなる
休職中は収入が減少するため、各種ローンの契約が難しくなる可能性があります。特に住宅ローンや自動車ローンなど、大型の借入れは基本的に難しいと考えたほうが良いでしょう。
金融機関はローン審査の際に安定した収入を重視するため、休職中は収入が不安定とみなされて審査に通りにくくなります。また、クレジットカードの新規発行や利用限度額の引き上げなども難しくなる可能性があります。
そのため、休職を考えている場合は事前にローンを組んでおくか、貯蓄を増やすなどの経済的な準備をしておくことがおすすめです。
休職中の転職活動は就業規則で禁じられている可能性がある
多くの企業では、就業規則で休職中の副業や他社での就労を禁止しています。法律で定められているわけではありませんが、就業規則は休職中も適用されるので注意が必要です。
特に傷病休職の場合、療養に専念すべき期間に転職活動をすることは、休職理由との整合性がとれず、信頼関係を損なう原因になるかもしれません。会社に休職を認めてもらっているにもかかわらず、転職活動をしていることが発覚すると、懲戒処分の対象になることもあります。
なお、自己都合で休職する場合でも、休職中の転職活動については慎重に考える必要があります。多くの企業では、休職は回復や自己啓発のための期間と見なしていて、この時間をほかの就職先を探すために使うことは矛盾を生み出して、信頼関係を損なう可能性があるためです。
休職の目的として、心身の回復以外に転職活動することも考えているのであれば、休職ではなく退職を選択するほうが適切かもしれません。
休職中でも、基本的には体調に問題がなければ自己啓発活動は実施しても良いと考えます。気分転換や復職後の意欲向上、スムーズな職場復帰に役立つならOKです。
ただし、症状が悪化しない程度に無理のない範囲でおこないましょう。
休職中に転職活動をしたい人は、こちらの記事もおすすめです。休職中に転職活動をする際の注意点や転職先に休職中であることを伝えるべきか、自分にぴったりの転職するタイミングについて解説しています。
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転職のタイミングはいつが正解? 目的に合わせた最適な時期を解説
こちらのQ&Aでも、ストレスの少ない仕事を見つける方法についてキャリアコンサルタントが解説しています。併せてチェックして理解を深めましょう。
休むことが最優先! 万全な状態で復職するための3ステップ
休むことが最優先! 万全な状態で復職するための3ステップ
- 十分な休養を取る
- 規則正しい生活リズムを整える
- 段階的に趣味や自習など活動量を増やす
休職期間は、まず十分な休養を取ることが最優先です。しかし、ただ漫然と時間を過ごすのではなく、計画的に回復と準備を進めることがスムーズな復職につながります。
ここでは、万全な状態で復職するための3つの重要なステップについて詳しく解説します。これらのステップを順番に実践することで心身の回復を図りつつ、徐々に復職に向けて準備しましょう。
①十分な休養を取る
休職初期は、心身を完全に休ませることに集中しましょう。特に傷病休職の場合は、医師の指示に従い、治療に専念することが最優先です。十分な睡眠を取り、栄養バランスの良い食事を心掛けましょう。また、ストレスを感じるような活動は避け、リラックスできる環境を整えることが大切です。
人によっては家族や友人と穏やかな時間を過ごすことで、精神的な安定を得られるかもしれません。この時期は、仕事のことを考えすぎず、心身の回復に集中することが重要です。心身を完全にリセットし、エネルギーを蓄える期間だと考えてください。
休職というと皆が仕事をしているのに、自分だけサボっているような気持ちになりがちですが、休職中の人にとって業務に就かずに身体を休めることは、ある意味仕事といえるのです。
日々の業務のことは一旦考えず、頭の中をリセットして休養や治療に集中するという仕事であると割り切りましょう。
②規則正しい生活リズムを整える
十分な休養を取った後は、復帰後の出勤に備えるために、規則正しい生活リズムを整えることが重要です。これは復職後のスムーズな適応のための準備段階となります。まずは一定の時間に起床・就寝するよう心掛け、可能であれば復職後の勤務時間に合わせたリズムを作ることもおすすめです。
また、食事も規則正しく取り、栄養バランスに気を付けて体調管理に努めましょう。ウォーキングや軽いストレッチなどの自宅で気軽にできる軽い運動を日課に取り入れるのも効果的です。
このように、日々の生活に小さな目標や習慣を取り入れることで、徐々に心身のコンディションを整えていきましょう。
③段階的に趣味や自習など活動量を増やす
生活リズムが整ってきたら、活動量を増やしていきましょう。たとえば、読書や音楽鑑賞など、自宅で気軽にできる活動から始めるのがおすすめです。また、徐々に外出する機会を増やしていくのも選択肢の一つです。
そして、復職へのモチベーションが高まってきたら、自己研鑽活動をするのも良いでしょう。資格取得の勉強や業務の復習など、自分のペースで学習を進められるものが最適です。
ただし、活動量を増やす際は無理をせず、体調と相談しながら慎重に進めることが大切です。段階的に活動量を増やすことで、スムーズに復職しやすくなります。
朝日を浴びて体内時計を整え、早寝早起きを心掛けましょう。軽い運動や朝散歩、ラジオ体操もおすすめです。会社に行くのと同じ時間に目覚め、外出してカフェで読書するなどして生活リズムを整えましょう。
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職場復帰をスムーズに! 復職に向けて取り組むべきこと
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- 休職中も会社と連絡をとれるようにしておく
- 復帰するために医師の診断書を用意する
- 復帰した後のプランを職場に確認する
休職期間も終わりに近付き、職場復帰できる見通しがついてきたら、スムーズな復帰のための準備が必要です。適切な準備を整えることで復職後の不安を軽減し、円滑に業務に戻りやすくなります。
ここでは、復職に向けて取り組むべきことについて詳しく解説します。これらの準備を丁寧におこなうことで、会社側との信頼関係を維持しつつ、自身の状態にも配慮した復職をしやすくなります。
休職中も会社と連絡をとれるようにしておく
休職中に適度に会社との連絡を維持することで、職場の状況を把握し、スムーズな復帰につなげやすくなります。自身と職場で双方に定期的な状況報告をおこなうことで、会社側としても復職の準備を進めやすくなるのです。
ただし、連絡の頻度や方法については、休職前に会社と相談して決めておくことが大切です。休職中に余計な心配をせずに、心身の回復に集中できる環境を整えるためにも、自身の休養を妨げない範囲で適切なコミュニケーションを取りましょう。
たとえば、月に1回程度、上司や人事部門にメールや電話で近況を伝えるなど、無理のない範囲で決めておくのがおすすめです。
また、会社からの連絡にも可能な限り応答できるよう、連絡手段を確保しておきましょう。このような取り組みが会社との信頼関係を維持し、スムーズに復職するために重要です。
休職中の連絡頻度は、初期段階では1カ月に1回を目安とし、負担を最小限に抑えることが重要です。
体調が良くなれば、徐々に2週間に1回など頻度を増やしてみてください。次回の連絡日は事前に決めておき、不安を和らげるようにしましょう。
復帰するために医師の診断書を用意する
傷病休職の場合、復職するには医師の診断書が必要になります。この診断書は、職場復帰可能な状態であることを客観的に示し、あなたと会社の双方にとって、安心して復職を進めるための重要な資料です。
診断書には、現在の健康状態や職場復帰が可能であるという医師の判断、必要であれば就業上の配慮事項などが記載されます。会社によっては、独自の診断書フォーマットを用意している場合もあるため、あらかじめ人事部門に確認しておくとスムーズに手続きを進めやすくなります。
なお、診断書の準備は復職前の面談が決まった時点で余裕を持って始めるのがおすすめです。主治医に相談し、現在の状態や復職後の注意点などについて話し合ったうえで、診断書を用意しましょう。
復帰した後のプランを職場に確認する
スムーズな復職を実現するためには、業務内容・勤務時間・配属先などの復帰後のプランについて事前に話し合っておくことが重要です。
また、復帰後のサポート体制についても確認しておくと安心です。定期的な面談の機会や、業務上の配慮事項などについて、具体的に話し合っておきましょう。なお、自身の状況によっては、リハビリ勤務から始めることも選択肢の一つです。
リハビリ出勤
休職期間中に短時間勤務を始めて、徐々に通常勤務に移行する制度。試し出勤や慣らし勤務とも呼ばれる
リハビリ出勤をすることで徐々に職場環境に慣れていけるため、復帰後のストレス軽減が期待できます。
ただし、リハビリ出勤中は労務義務が発生しないため、基本的には給与が出ません。自身が業務をおこなって自社に貢献することではなく、おもに職場復帰ができるかを判断することが目的なので、いきなり職場に復帰して仕事をすることが不安な人に最適です。
休職のデメリットを理解したうえで理想を実現できる行動を選択しよう
休職には心身の回復や新たな視点でのキャリア見直しなど、さまざまなメリットがある一方で、収入の減少や人事評価への影響といったデメリットもあります。これらを十分に理解したうえで、自分にとって最適な選択をすることが重要です。
記事では休職のメリット・デメリットから復職に向けて取り組むべきことまで詳しく解説しました。これらを参考に自身の状況や目標に照らし合わせて休職の判断をしましょう。休職を決める前に、復職後のプランや職場との連携方法をしっかり確認し、スムーズな復帰に向けて準備を進めることも大切です。
一方、休職以外の選択肢として、担当業務の変更や残業時間の短縮など、働き方の見直しを上司や人事部門と相談することも挙げられます。最終的には、自身の健康と将来のキャリアを見据えて、最善の選択をすることが重要です。周囲のサポートを得ながら、自分らしい働き方を実現できるよう行動しましょう。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る心身の違和感に気付いたら早めの対処を心掛けよう
健康は一度損ねてしまうと回復がとても難しいものです。身体の不調はもちろんですが、心の不調に関してはさらに問題が複雑になります。
今休職するとキャリア形成に影響する、評価が下がる、みんなに迷惑をかける、などと躊躇している間に症状はどんどんひどくなり、そうなると仕事の質にも影響し、パフォーマンスは大きく下がってしまいます。
また、心の健康が損なわれているときはできるだけ早めに手を打っておかなければ、気付いたときには心だけでなく身体にも大きな影響を与えてしまう場合があります。
そうなると完治が難しくなったり、治療に長期間を要したりもするため、主治医などから休職を勧められた場合はできるだけそれを受け入れたほうが良いと考えます。
中長期視点でキャリアを見て休職するかどうか判断することが大切
キャリア形成や人生設計は「現状」だけを切り取って考えるものではなく、中長期的に計画していかなければなりません。
この数カ月の休職を躊躇してしまったがために、キャリア全体を大幅に見直したり、仕事を辞めなければならなくなったりするという事態を発生させないように休むのも仕事のうちと割り切って、休職することを受け入れるのもキャリア形成の方策の一つですよ。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/むらや社労士事務所代表
Yoko Muraya〇上場企業を含む民間企業での人事・採用経験約30年。就職支援や転職相談に従事し多くの求職者を支え、セミナー講師も務める。社労士の専門知識を活かし温かい雰囲気で各人に寄り添う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
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