この記事のまとめ
- ESの研究内容は企業が聞きたいことを記載する
- ESの研究内容に記載すべき事柄にはテンプレートがある
- 分野ごとの研究内容の例を参考にESを作り込もう
大学・大学院で研究をおこなってきた学生が就職活動の際に悩むのが、エントリーシート(ES)にどの程度詳しく研究内容を書くかではないでしょうか。
時間をかけて取り組んだ研究なので、面接官に詳しく知ってもらいたいという気持ちもあるものの、専門用語が多くなりすぎたら相手に伝わらないですし、詳しく伝えようとすればするほど文章が長くなってしまい、悩んでいるかもしれません。
実は大学・大学院で取り組んできた研究内容をESにまとめる際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
この記事では、キャリアアドバイザーの板谷さん、隈本さん、谷猪さんと一緒に、大学・大学院で取り組んだ研究内容を簡潔に面接官に伝える際のポイントについて解説していきます。この記事を最後まで読んで、時間をかけて取り組んだ研究の魅力が、短い文章でも最大限に伝わるよう一緒に作っていきましょう。
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ESの研究内容はポイントを押さえたら怖くない!
就職活動の際、大学・大学院で取り組んだ研究内容について記載するようESで求められる場面があるかもしれません。
ESはその企業の面接を受けられるかどうかを左右する重要な書類なので、極力自分がこれまで取り組んできた研究の魅力を面接官に知ってもらいたいですよね。
でもESには文字数制限がある場合も多く、自分が取り組んできた研究内容をすべて書ききれない場合も多いのではないでしょうか。
しかしESに研究内容を記載する場合、あるポイントを押さえておくことでこれまで取り組んできた研究の魅力を最大限に伝えられます。
この記事の前半では、企業がどうしてESで研究内容を書くよう求めているのかを押さえ、ESの研究内容には何を書くべきかを解説します。
後半では、これまで取り組んできた研究内容をESでしっかり伝えられる構成や注意点を紹介し、キャリアアドバイザーが素晴らしいと感じたESの例文も紹介します。
この記事を最後まで読んで、これまで取り組んできた研究内容が十分に伝わるESを一緒に作っていきましょう。
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企業がESで研究内容を聞いてくる意図を把握しよう!
ESは自分が書きたいことではなく、企業が知りたいことを書くことが重要です。そのため、企業がどのような意図でESに研究内容を記載するよう求めているかを把握しておくことは重要です。
実は、企業はただ単にあなたがどんな研究をしていたかを知りたいというだけではありません。ESに研究内容を記載させるのには、もう少し深い意図があります。
それでは具体的にどのような意図があるのでしょうか。
学生時代に学業面で取り組んだことを知りたいから
企業はあなたが取り組んでいた研究内容にも興味はありますが、研究内容となるとその学問のなかでもかなり専門的になってしまいます。
企業はピンポイントな内容を知りたいというよりも、あなたがどのような学術領域に興味を持って研究をおこなっていたのかを知りたいと感じています。
そのため、ESで研究内容を書く際には、専門的すぎる内容ではなくもう少し広くどのような学術領域で研究をおこなっていたのかを記載する方が良いです。
その学生が興味をもって研究していた内容を知りたいから
ESに研究内容を記載させる意図として、研究内容を通して就活生が何に興味を持っているのかを知りたいからという意図もあります。
たとえば栄養学の研究をおこなっていた就活生がいたとします。研究内容としては生体内の代謝についての細かな研究でしたが、どうしてその研究に興味を持ったかというと、自分がスポーツをしていて、栄養面でパフォーマンスを高めたかった、という背景があったとします。
こうした背景を聞くと、栄養自体にも興味を持ってはいますが、その先に運動のパフォーマンスを上げるということにより興味を持っていることがわかります。
このように、その研究を通して何を達成したかったのか、どういったきっかけでその研究に興味を持ったのかを知ることで、その人が本当にやりたいことやその人の人柄が見えてきます。
企業はこうした部分を見たいという意図で、ESで研究内容を記載するよう求めてきます。
研究を通して何を学んだかを知りたいから
研究を通して何を学んだのかも、企業が知りたいと感じているポイントです。学術的な知識という意味ではなく、研究を通して人としてどのように成長したのかを企業は知りたいと考えています。
これから社会人として仕事をしていくうえで、人間として成長していかなければならない場面に直面することが多くなります。そのときに自分をどう変化させられるのかで、その人が成長できるかどうかが分かれます。
研究を通して人として成長した経験があれば、社会人になってからも成長できる人材だとポテンシャルを感じてもらえます。
そのため、学術的に学んだことではなく、研究を通して人としてどう成長したのかに重きを置いてESを書きましょう。
なかなか学んだことが浮かばないという人は、研究に限らず大学生活で学んだことに広げてみるのもありです。こちらの記事では大学時代に学んだことを見つける3つのステップを紹介しているので、併せて参考にしてください。
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面接官の目を引く! ESの研究内容に書くべき内容を解説!
ESの研究内容に書くべき内容
ESで研究内容を書く際には、必ず記載しておかなければならない項目があります。これらを飛ばしてしまうと、どのような研究をおこなってきたのか、その過程で何を学んだのかが伝わらなくなります。
逆に押さえておくべき項目がわかっていると、その項目を一つずつ埋めていけばESが完成するので、しっかり頭に入れておきたいです。
それではESの研究内容にはどのような項目を記載すれば良いのでしょうか。
研究テーマ
最初に研究テーマを記載しましょう。研究テーマは本のタイトルのような役割をはたしており、その研究を一言で表したもので、一目見て相手にどんなことに取り組んだのかが伝わるものです。
研究テーマを記載する際には、面接官が見てわかる言葉を選ぶよう注意しましょう。どうしても専門用語を使わなければならない場合もありますが、極力専門用語は避け、その分野に詳しくない面接官でもわかるような言葉で研究テーマを書きましょう。
研究テーマはその先にどんなことが記載されているのかをある程度推測するもので、読み手の理解を助けるものにもなりますし、その内容の続きを見るかどうかの判断材料にもなるため、力を入れて考えましょう。
実施した取り組み
続いて実施した取り組みについて記載しましょう。どのような実験をおこなったのかを、面接官がイメージできるよう書きましょう。
実際にどんなことに取り組んだのかを記載することで、どの程度研究を熱心におこなったのかどのくらい時間をかけて実験に取り組んだのかを伝えられます。
研究にそれだけの情熱をかけられるということは、仕事にも同じくらいの熱量で取り組める人なのではないかという印象を与えられるため、実施した取り組みについては長くなたらない程度で、しっかりと記載しましょう。
研究の成果や実績
研究をおこなったことでどのような成果が出たのかを記載しましょう。それにより社会にどのように貢献したのかも記載できるとベターです。
また学会発表や論文投稿などの実績もあれば記載しましょう。学会で発表するということはポスターやスライドを作成し、大勢の前で発表した経験があることを示します。
また論文を投稿したということは、入念にリサーチをおこない、自分が取り組んだ研究内容と結果をわかりやすくまとめ、それが認められたという証拠です。
学会発表や論文投稿をおこなった実績は、それだけの能力があることを示すことになるため、積極的に記載しましょう。
- 研究活動でESの研究内容に書けるほどの業績を残せませんでした。その場合どのようなことをESにの研究内容に書けば良いでしょうか?
業績ではなく研究を通して得たことを書こう
ESでは、必ずしも研究内容の業績についてを聞かれているわけではありません。研究内容を通してどのような人物なのかを伝えることを意識しましょう。
具体的にはまず、どのような研究に取り組んだのか、研究の目的や背景を伝えましょう。次に研究の取り組みを記載します。
最後に、満足のいく業績は残せなかったとしても、研究を通して得られた何らかの学びはあるはずなので、研究を通して学んだことや自分自身の成長について記載しましょう。
今後の展開として、将来への活用についても言及できると良いですね。
研究を通して学んだこと
研究を通して学んだことは、企業が聞きたいと考えていることの一つです。ここでは学問的な知識を得たという内容ではなく、人としてどう成長したのかを記載しましょう。
たとえば実績の初期は使用する薬品を間違えることが多かったが、間違いを少なくするため、都度実験手順を確認するようにしてミスを減らした、というように、スキル面ではなく性格面や人としての成長を記載しましょう。
こうした成長は就職した後の仕事でも活かされます。先ほどの例だと、この人は仕事でもミスが生じないよう入念にチェックしてくれそう、もしほかに間違いがあってもそれを認めて正してくれそう、という印象を与えられます。
今後の展開について
ESの研究内容では研究結果を示して終了ではなく、その研究がその後どのように発展していくのかについても言及しましょう。
企業としては、研究のその後自体に興味があるのではなく、あなたがその研究に対してどれだけ真摯に向き合っているかを見ています。
今後の展開を考えられているということは、さらに研究を深めていきたい、それだけ研究に熱心に向き合っている、という証拠です。
その姿勢は仕事にも表れてきます。研究の今後の展開をしっかり記載することで、仕事でも先を見すえて取り組んでくれそうだという印象を与えられます。
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要チェック! ESに研究内容を書く際の4つのポイント
ESに研究内容を書く際の4つのポイント
- 簡潔にわかりやすくまとめる
- 研究で工夫した点・学んだ点を記載する
- 実績や第三者の評価を入れる
- 実際の業務に活かせることを書く
ESに研究内容を記載するように求められて実際に書いていると、どうしても長くなりすぎてしまい、何を伝えたいのかを見失ってしまうことも多くありますよね。
その状態だと面接官もただ長い文章を読まされるだけで、結局何も印象に残らないということが起こってしまいます。
そのため、ESの研究内容はポイントを押さえて書くことがとても大切です。研究内容を記載する際に押さえておきたい4つのポイントについて解説していきます。
①簡潔にわかりやすくまとめる
相手に伝えたいことを伝えるために、ESの研究内容は簡潔にわかりやすくまとめましょう。まずはESの研究内容を通して、面接官に伝えたいことを明確にしましょう。
企業は研究内容を知りたいわけではありません。そのため、研究内容を詳しく記載するのではなく、その過程で何を学んできたのか、どんな成果をあげたのか、どんな工夫をしてきたのか、という部分を最も伝えるように意識しましょう。
このように、どの部分に最も力を入れたらいいかを明確にしたうえで文章を書けると、必要な部分と不要な部分が見えてきて、伝えたいことが簡潔にまとまります。
②研究で工夫した点・学んだ点を記載する
企業は研究を通してどのような学びがあったのかを特に知りたいと考えています。このポイントは必ず外さないよう押さえておきましょう。
記載したいのは、学術的にどのような知識をつけたかではなく、研究を通して人としてどのように成長したかです。
難しいテーマかもしれませんが、研究をする前と研究をした後の自分、あるいは大学に入学する前の自分と今の自分を比較して変わった点を書き出してみましょう。
変わった点はどうして変わったのかを、研究とつなげながら記載することで、研究で学んだ点を伝えられます。
- 教授に言われるがままテーマが決まったため、工夫や学んだことを書くのが難しいです。似た境遇にある就活生へのアドバイスがあれば教えていただきたいです。
研究を通して乗り越えてきたことを洗い出してみよう
教授から与えられたテーマでも、研究を進めるなかで自分なりに工夫した点などを振り返れば、アピール材料は見つかります。
まず、研究でおこなった作業やプロセスのなかで工夫した点を探してみましょう。
たとえば、データ分析手順の効率化や、課題解決のために新しい手法を試した経験など、論文調査で解決策を見つけたことなど、具体的なエピソードとともにピックアップします。
また、研究に際して困難に直面した場面を思い出し、どう乗り越えたのかを整理すれば、課題解決能力や粘り強さをアピールする材料にできます。
さらに、論理的思考やタスク管理能力、柔軟性など、業務遂行に必要なスキルに着目して経験を深掘りしてみましょう。
③実績や第三者の評価を入れる
研究を通して得られた実績なども記載しましょう。実績や評価は、その研究内容がどの程度優れていたのかを客観的に判断する材料になります。
やはり研究で大きな実績を残せたとなると、企業に就職してからも業績を上げてくれるのではないかという期待が強まります。
たとえば学会発表で優秀賞を受賞した、論文を投稿した、有名な教授に研究が引用された、といった実績があれば積極的に記載しましょう。
④実際の業務に活かせることを書く
企業は就職してからあなたがどのように働いてくれるかを最も知りたいと考えています。研究で業績を上げたことをアピールするのも大切ですが、その実績や研究をおこなう過程で学んできたことをどのように企業で活かしてくれるのかをしっかり記載しましょう。
研究内容自体を企業で活かすことは難しいため、研究でどのようなことを学んだのかを書き出し、それをどのようにその企業の業務に活かせそうかを考えて記載しましょう。
ESをより魅力的に見せるためにはほかにもいくつか押さえておきたいポイントがあります。研究内容に限らずESをより魅力的に見せるために押さえておきたいポイントについては、併せてこちらも参考にしてください。
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- 他の就活生のサポートをするなかで、研究から学んだことにはどんなことを書いている就活生が多いですか?
自分の強みやアピールしたいこととつなげて書こう
大学の研究ではさまざまなスキルや経験をすることでしょう。
研究から学んだこととして、よく就活生が挙げてていることは、研究を通じて、複雑な問題に対して論理的に考え、解決してきたということ、コミュニケーションを取り、自己表現や議論力を高めて円滑なコミュニケーションを取る力を身に付けたこと、プロジェクトを管理する能力を身に付けたことを挙げる人がなどが多いです。
自分の強みを十分にアピールし、自信を持って就職活動をおこなうことが重要になります。
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これはNG! ESに研究内容を書く際に注意したいポイント
ESに研究内容を書く際に注意したいポイント
- 専門用語は極力使わない
- わかりづらい表現は避ける
- 研究の詳細や背景までは述べなくても良い
ESの研究内容は企業が知りたいことを的確に記載することが求められます。研究内容を詳しく記載するよりも、その研究を通して何を学んだかにフォーカスすることが大切です。
そのほかにも、ESで研究内容を記載する際には、注意しておきたいポイントがあります。ここを意識できていないと、せっかく書いた研究内容も相手に伝わりづらいものになってしまいます。
それではESに研究内容を記載するときには、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。
専門用語は極力使わない
まずは、専門用語は極力使用しないよう意識しましょう。研究をしていたらその分野の専門用語は当たり前のように使うかもしれませんが、専門分野外の人からすると意味がまったく通じない場合もあります。
面接官は研究者ではないため、専門用語を使ったとしても面接官には伝わりません。そのため、専門用語は極力避けてください。
場合によってはどうしても専門用語を使わなければならないこともあると思います。その場合は注釈を入れるなどして、誰でもその用語を理解できるように配慮しましょう。
わかりづらい表現は避ける
わかりづらい表現は避けるよう意識してください。たとえば二重否定や主語の省略、指示語の多用、比喩表現などの表現が挙げられます。
こうした表現は読み手が一瞬どういう意味かを考えなければならず、ストレスを与えてしまいます。場合によっては間違った意味でとらえられてしまう場合もあります。
自分が意図したことを正確に伝えるためにも、わかりづらい表現は避けて文章を作りましょう。
そもそも一般人にとって、専門分野の研究は前提について理解していないことも多いです。
丁寧に、前提がどのようなことなのかを言語化したうえで、研究ではどのようなことをおこなっているか記載することでわかりやすくなります。
研究の詳細や背景までは述べなくても良い
論文とは違い、ESの研究内容では、研究の詳細や背景までは述べなくても良いです。企業はその研究の背景を知りたいわけではなく、あなたがその研究を通して何を学んだのかを最も知りたいと考えています。
それにもかかわらず研究の詳細ばかり書いていると、自分の書きたいことを書いているだけになってしまい、相手の意図にまったく応えていない状態になってしまいます。
相手が聞きたいと考えていることは何かを優先的に考え、そのニーズを満たすようにESの企業内容を書くよう心掛けましょう。
- 教授から研究内容をしっかり書くようフィードバックをもらった就活生は、ESの研究内容をどう修正しているのでしょうか?
わかりやすく具体的に修正しよう
フィードバックをもらった就活生は、修正する際に研究内容を具体的に書くことが多いです。
研究目的や方法、結果を詳細に書き、自身の貢献や考察を明確に示すことで、よりプロフェッショナルな印象を与えることができます。
また研究内容をわかりやすく説明するために、専門用語を避けて、誰でも理解できるような表現を心掛けることも重要です。
ESに悩んでいる就活生は
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・内定者のESを参考にしたい
・大手志望で就活準備をしている
使い回しOK! ESで研究内容を書く際のおすすめ構成
ESの研究内容は、企業が聞きたいと考えていることを理解したうえで書く必要があります。ここまでで企業がESの研究内容に何を求めているのか、何に注意して書かなければならないかは見えてきたかもしれません。
しかしいざ書こうと思っても、何から書き始めたら良いかわからず、手が止まってしまうこともあるのではないでしょうか。
実はESの研究内容を書く際には、企業が求めていることを網羅しながら文章を作れる構成があります。この構成に沿って文章を作れると面接官から好印象を持ってもらえます。
それではどのような構成にしたがって文章を作れば良いのでしょうか。
結論
まずは結論から述べましょう。この研究をおこないどのような結果が得られたのか、何を学んだのかを冒頭に記載しましょう。
企業は研究内容の結果よりも、その研究を通して何を学んだのかを知りたいと考えています。研究内容の結論も大切ですが、研究から学んだこと、その学びを企業でどう活かせるか、をメインに結論を述べましょう。
理由
続いて、その結論に至った理由を記載しましょう。つまり、どうしてその研究から学びがあったのか、どうしてその学びを企業で活かせると考えているのかを記載しましょう。
理由は論理的に正しいことが大切です。飛躍した理由になっていると、本当に仕事でも学んだことを活かせるのだろうかと不信感を与えてしまいます。
自分でも見直し、ほかの人にも見てもらい論理展開がおかしくないか確認しましょう。
具体例
理由の部分では抽象的な内容を記載することが多いですが、その理由を補強するための具体例を続いて記載しましょう。
具体例には、自分の体験談などを記載することになりますが、こうした実体験があるとよりリアリティを伝えられ、本当に学んだことがあるのだと理由や結論部分を補強できます。
具体例は長くなる傾向がありますが、必要な情報だけを記載して簡潔に述べるよう心掛けましょう。
わかりやすい例として、「リチウム電池の高効率化に取り組み、電極材料の組成最適化によって充放電効率の◯%向上に成功しました。この過程で、データ分析や試行錯誤を通じて課題解決力と継続的な改善意識を培いました」といったものがあります。
学んだこと
結論と同じ内容になる場合も多いですが、研究を通して学んだことを再度記載しましょう。ここで再度面接官に伝えたいことを印象付けます。
ここは企業が最も聞きたいことなので、2回伝えても大丈夫です。具体例などを挟むため、面接官は結局何を伝えたかったのかを忘れてしまう可能性もあるため、再度学んだことを伝えましょう。
ただし最初に結論部分で述べたことと変わってしまっては文章がおかしくなってしまうため、冒頭と同じことを繰り返し述べるようにしてください。
今後取り組むこと
学んだことの部分は少し抽象的ですが、その学びを今後企業でどのように活かせるのかを、企業の業務内容などとつなげながら具体的に記載しましょう。
業務内容とつなげることで、しっかり企業研究をおこなっているということを伝えることができますし、面接官にも自分を採用した際にどう活躍するのかをアピールできます。
またここでは、研究面において今後取り組むことも書きましょう。研究面についても記載することで、研究に真摯に向き合う姿勢を伝えられます。
その姿勢が企業に伝わると、仕事にも真剣に取り組んでくれそうだという良い印象を与えられます。
研究内容はこう書く! ESを書く際の例文を紹介!
ESを書く際の例文
- 栄養系
- 量子力学系
- 有機化学系
- 情報処理系
ESの研究内容を記載する構成を紹介してきましたが、具体例があるとよりわかりやすいかもしれません。
また研究内容はそれぞれの分野ごとに異なるため、自分の分野ではどのようなことを記載したら良いのかわからず迷っているかもしれません。
そんな人に向けて、続いて分野別にESの研究内容の例文を紹介していきます。自分の分野に近い例文を参考にして、ESの研究内容を完成させましょう。
栄養系
まずは栄養系のESの研究内容について紹介します。
栄養系のESの研究内容例
私はビタミンCの摂取量とストレス軽減効果の関係について研究しました。共同研究であったため、他者と協力する大切さを学びました。
実験中、測定機器のエラーが発生し、研究が滞った時期がありました。その際、ほかのメンバーに協力を仰ぎ原因を探り、機器の操作方法を改善するアイデアを出し合うことで問題を解決しました。この経験を通じて、チームで課題に向き合う姿勢が自然と身に付きました。
私は研究活動を通して、協調性を学びました。研究で得たこの学びを活かし、貴社の製品開発プロジェクトにおいても、協力する姿勢を忘れずメンバーとともに成果を追求していきます。
具体的にどのように研究内容を工夫したのかが示されている点が良いですね。またその過程で学んだことを企業でも活かそうとしている姿勢も見られて好印象を与えられる研究内容になっています。
量子力学系
続いて量子力学系のESの研究内容について紹介します。
量子力学系のESの研究内容例
私は量子ドットの特性を利用したエネルギー効率向上に関する研究をおこない、成果を得るために粘り強く取り組む姿勢を身に付けました。
新しい領域であったため、先行研究が少なく、試行錯誤の連続で何度も測定に失敗しましたが、失敗を繰り返すなかで徐々に成功確率の高い方法を見つけ、最終的にはデータの取得に成功しました。
具体的には、量子を測定する機器の精度が低いためになかなか検出できずにデータを測定できませんでしたが、他分野の先行研究も読みうまくいっている方法を取り入れることで、データの取得が可能になりました。
こうした経験から、目標を達成するために試行錯誤し、粘り強く取り組むことの大切さを実感しました。
御社の研究開発部門でも、不可能を可能にする姿勢を忘れず、新たな技術開発に貢献したいと考えています。
量子力学と聞くと難しそうな分野に聞こえますが、特に難しい専門用語も使われておらず読みやすい文章になっています。実験で工夫したことも記載されていますが、面接官でも簡単に想像できる内容で書かれていますね。
有機化学系
続いて有機化学系のESの研究内容について紹介します。
有機化学系のESの研究内容例
私は新しい有機触媒の開発の研究をおこないました。その経験から、失敗を恐れず挑戦し、失敗から学びとる姿勢を学びました。
触媒を設計するには、何度も実験を繰り返し試行錯誤する必要があります。いつになったら成功するかわからないなかでも、何度も繰り返し実験をおこなうことで、徐々に失敗すること自体が怖くなくなってきました。
そこから先は、良い意味で失敗するのが当たり前という気持ちで実験に臨むことができました。失敗から学んだことを次の実験でも活かすということを繰り返し、ついに効率的にある成分を合成できる触媒の開発に成功しました。
こうした経験から、失敗することは悪いことではなく、そこから学びを得て次につなげることが大切であることを学びました。御社でもこの姿勢を忘れず、新規プロジェクトに携わり革新的な技術の開発に貢献したいと考えています。
失敗するのは悪いことではなく、そこから何かを学び取ることが大切だ、という明確な主張が伝わってきますね。
特に実際におこなってきた実験内容が詳しく記載されているため、この学びが強調されています。
情報処理系
最後に情報処理系のESの研究内容を紹介します。
情報処理系のESの研究内容例
私はAIを活用した画像認識精度向上の研究をおこないました。そこで、成果を他者にわかりやすく伝えるスキルを身に付けました。
AIは比較的新しい研究領域です。学会発表を通して、私たちが基本的なことだと思っていることも理解されていないということに気づきました。
そこで一度自分のなかの常識を外し、中学生でも理解できるレベルにまでかみ砕いてスライドを作成しました。
そして臨んだ次の学会発表では、他分野の教授からもわかりやすい説明だったという評価をいただき、その学会でも奨励賞を受賞しました。
研究活動を通して得た、他人の目線に立ち、わかりやすく伝えるというスキルを活かし、御社でも自分目線ではなく相手に伝えるためにはどう話すのが良いかを考えコミュニケーションを取り、チームとして円滑に結果を残せるよう貢献したと考えています。
こちらは間接的に学会発表も複数回おこなった実績があるのだということが面接官に伝わる内容になっています。
また一度の学会発表のなかでも学びを得て次に活かす姿勢が見られるので、とても好印象を与える研究内容になっています。
ES提出までに研究が始まらない場合はこんな工夫をしよう!
就職活動は早いと大学3年生の春から始まる人もいます。しかしこの時期ではまだ研究が始まっていないという場合も少なくありません。
研究が始まっていなければ、ESの面接内容に書くことが何もなく困ってしまいますよね。しかしそうした場合でも企業から研究内容を書くよう求められていれば、空欄で提出するわけにはいきません。
それではまだ研究が始まっていない段階で、ESの研究内容を記載するよう求められた場合はどうすれば良いのでしょうか。
現段階で取り組む予定のものを書く
まずは、現段階で取り組む予定のものを記載しましょう。研究室の配属が決まっている場合、これまでの先輩がどんな研究をおこなってきたのかを見ると、自分がどんな研究をおこなうことになるのかがわかります。
また配属先が決まっていれば、教授に就職活動のESで研究内容を記載するよう求められたと相談するのもありです。教授に教えてもらった内容を記載して、企業に提出しましょう。
まだ配属が決まっていない場合は、まだ研究室の配属が決まっていない旨を記載し、自分が希望する研究室でどんな研究をしたいかを記載しましょう。
研究内容を記載するように求める企業は一定数あります。企業自体がESの研究に興味を持っていることもあり、その領域に関する知識や意欲を持っている人材を求めている場合があります。
その研究を通して学びたいことを書く
企業は研究内容を知りたいわけではなく、その研究を通して何を学んだかを知りたいと考えています。そのため、研究内容にこだわるのではなく、研究を通して学びたいことをしっかり記載しましょう。
まずは学びたいことを考え、その後にどんな研究をするとその学びを得られるか、という順番で考えると書きやすいです。
分野がまだ決まっていない場合は、自分が学びたいことを得られそうな分野で研究内容を記載すると良いです。
- 多くの就活生を見るなかで、まだ研究をしていないけどESに研究内容を書いた就活生の事例があれば、何を書いているのか教えていただきたいです。
興味を持った理由や今後取り組みたいことを書こう
まだ研究をしていない場合は、これから取り組みたい研究テーマやそのテーマに対して興味を持った理由についてを書いています。
また、その研究テーマに取り組むためにどのような分野のゼミに入ったかということや、ゼミのなかでの取り組み、研究テーマからどのようなことを学びたいかなどについてを書いています。
また、ゼミや卒論が必修ではなく、特にゼミや卒論などの研究に携わる予定のない学生は、印象に残った授業をテーマにそのなかでの学びなどを書いていました。
リサーチをしていればそのことを書く
研究までおこなってはいないものの、研究テーマの大枠は決まっていてリサーチを実施している段階の場合は、その旨を記載しましょう。
今後どのような研究をおこなう予定かを記載したうえで、その研究テーマを通して学びたいこと、人としてどう成長したいかも記載しましょう。
また現段階でどのような結果が得られているのか、どんな展開を想定しているのかも記載できると、研究に対して真剣に向き合う姿勢も示せます。
ESを提出する前にやるべき研究内容のチェック方法
ESの研究内容を記載した後は、面接官にしっかり伝わる内容になっているかを見返してから提出しましょう。
せっかく時間をかけて研究内容を作り込んだとしても、面接官に伝わらなかったら非常にもったいないです。
ESの研究内容を見返す際には、どんなことを意識し、どのようにチェックすれば良いのでしょうか。
まずは自分で読み返す
まずは自分で書いた内容を振り返ってみましょう。わかりづらい部分はないか、専門用語は多すぎないか、前述した構成に沿って書かれているか、誤字脱字はないか、などをチェックしましょう。
自分で読み返す際は、文章を書いてすぐに読み返すのではなく、1日空けてから読み返しましょう。文章を書いた直後は間違いがないだろうと思って読み返すため、違和感がある部分に気づきません。
しかし時間を置いてから読むことで、この部分は伝わりづらい、ここの表現は別のものの方が良い、という部分が出てきます。
まずは自分で書いた文章を読み返して、違和感がなく簡潔な文章に仕上げましょう。
研究室の教授に読んでもらう
自分で読み返して修正した文章を、続いて教授にも読んでもらいましょう。教授は研究内容に関してより詳しくフィードバックをしてくれます。
また教授はこれまで研究室から就活生を輩出している実績もあるため、就職活動に関しても有用なアドバイスをもらえます。
師事している教授がいる場合は教授に読んでもらった方が良いですが、もしまだ研究室に配属されていない場合は、親や友人に読んでもらい、自分では気づかないミスを見つけてもらいましょう。
- キャリアアドバイザーから見て、研究室の教授にESの研究内容を添削してもらう際にフィードバックをもらった方が良いことがあれば教えてください。
企業が求めている人材であることを魅力的にアピールできているかをチェック
まず、自分の研究がどんな意味を持ち、どのように役立つのかがわかりやすく書かれているかをチェックしてもらいましょう。
採用担当者はその分野の専門家ではないことが多いので、難しい言葉を使いすぎず、簡潔に説明することが大切です。
次に、研究でどんな成果を出したのかが具体的に伝わるか、その成果が研究の目的とつながっているかのフィードバックももらいましょう。
また、研究を通じて学んだことや身に付けたスキルが、企業でどう役立つのかをしっかり書けているかを見てもらいましょう。
最後に、全体として研究の魅力がしっかり伝わるか、さらに良くするためのアドバイスがないかを聞くと、完成度の高いESになります。
ESでの研究内容はポイントを押さえて何をやってきたか理解してもらおう!
この記事では、ESの研究内容では企業は一体何を評価しているのか、また研究内容には何を書けば良いのかを解説してきました。
企業はESの研究内容を通して、その人が人間的にどのように成長してきたのか、その経験をどう企業の業務に活かしてくれるのかを知りたいと考えています。
ESは、自分の書きたいことではなく企業が求めていることを書くことが重要です。そのため、こうした企業の意図を踏まえたうえで、ESの研究内容を書くように意識しましょう。
ESの研究内容を書く際に意識したい構成や注意点、分野別の例文も紹介してきました。これらを意識することで、面接官に魅力的に映るESを作成できます。
この記事で紹介してきたことを参考に、面接官が魅力的に感じるESの研究内容を作りましょう。
アドバイザーコメント
谷猪 幸司
プロフィールを見る熱量を持って取り組んだことをアピールしよう
まず大切なのは自分の興味や情熱を追求することです。研究するには複雑で専門的で難しいため、その分野に真剣に向き合うことが重要です。
自分の興味や研究テーマをしっかりと見つけ、そのテーマについて情熱を持ち続けることが成功への第一歩です。
そのなかで、常に自分の研究内容を磨き上げる努力を惜しまないことが重要です。新しい知識や技術を積極的に取り入れ、ほかの研究者とのコミュニケーションを大切にすることで、より高いレベルの研究成果を得ることができるでしょう。
それができてこそESに深みのある内容を記載することができます。
また、コミュニケーション力は、採用担当者が最も重要視している力になります。ぜひ研究する際に身に付けたコミュニケーション力もアピールしてください。
研究も就活も諦めないことが大切
最後に、困難な時期や挫折に直面した際には、諦めずに自分の目標に向かって努力を続けてください。
困難を乗り越えた先には必ず成功が待っています。ESに研究内容を書いている皆さんには、自信を持って前に進んでほしいと思います。ぜひ頑張ってください!
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Koji Tanii〇大手メーカーで設計、品質管理に従事。キャリアチェンジののち、高校・大学の就職講師として活動。障がい者の就職や恋と仕事の両立を実現させるコンサルティングなど幅広い支援をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
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