エントリーする際に提出を求める企業が多いエントリーシート(ES)。「ESで見られているポイントがわからない」「書類選考をなかなか突破できない」など、ESに関する悩みを持つ人は多いでしょう。
ESは書類選考を突破するために大事な要素の一つ。採用担当者の視点を理解した内容に仕上げることで、選考を突破する確率を高められるのです。
この記事では、キャリアアドバイザーの渡部さん、秋田さん、田邉さんのアドバイスを交えつつ魅力的なESに仕上げるための方法やコツを解説します。企業へのエントリーを控えている人はぜひチェックしてくださいね。
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エントリーシート(ES)とは何かを把握し就活のスタートの失敗をなくそう
書類選考で落ちる原因の一つに挙げられるのが、「ESの提出を求める企業の意図を理解していない」というもの。「企業がESを通して確認したいポイント」をふまえて提出することが書類選考突破の秘訣ともいえます。
記事では、書類選考を通過するために欠かせない「就活におけるESの役割」を理解できるように詳しく説明します。
その後で、担当者が見ているポイント、魅力的なESを作成するコツを解説。ESはさまざまな業界や企業でチェックポイントが共通している傾向があるため、4つのコツで評価基準を満たせるようにします。
また、ESによくある項目の書き方や例文も紹介しているので、ESに記載する内容を考える際に役立ててくださいね。
ESを一度も書いたことがない人は、以下の記事で基本の書き方を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
エントリーシートの書き方完全版! 提出前の最終チェック項目も紹介
この記事では本選考のESの書き方を解説しています。インターンのESの書き方を知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
インターンシップのエントリーシートの書き方|通過率を上げる秘策
この記事は一般企業のESを想定して解説しています。公務員を目指す人は、以下の記事で公務員の面接に特化した書き方を解説しているので、併せて確認しましょう。
公務員を目指す理由が必ず伝わるエントリーシートの書き方|12例文
就活のESとは? 履歴書との違いを解説
ESとは、就活で企業にエントリーする際に必要とされる書類です。自分の魅力や入社意欲を伝えるスペースが大きく用意されています。ESを見ながら面接をおこなう採用担当者は多いため、回答に矛盾がないように記載内容を把握しておく必要があります。
一方で、履歴書はこれまでの経歴を伝えるための公的書類です。自己PRや入社意欲を伝える項目が用意されている履歴書もありますが、スペースは小さめです。二次面接や最終面接など選考の途中で必要になるケースもあります。
また、ESと履歴書の内容は重複しても問題ありませんが、ESの方がよりアピールするための書類という役割を持っているので、ただの経歴の羅列にならないようにしましょう。
ESは履歴書よりも、その人の考え方や経験を深く掘り下げる内容になるため、スペースも多く割かれています。
しかし、履歴書のような表面的な書き方で終わっている残念なケースが多々あるため、より具体的な内容を書くようにしてくださいね。
- 履歴書とESの内容は重複しても良いですか?
重複しない方が良い! もし同じ内容でも表現を工夫しよう
履歴書は基本的に、時系列でその人の経歴を知るための書類です。履歴書とESの2つを提出するのであれば、内容は重複しない方が良いと思います。
ESは「いかに自分をアピールするか」に重きを置いて作成しましょう。いくつもエピソードがない場合、内容が重複してもかまいません。
ただ、まったく同じ文面よりは、言葉や表現を変えてみるなど、ひと工夫加えて作成してみてください。同じ内容だとしても、一生懸命に作成した思いは伝わりますよ。
ESと履歴書の違いは以下の記事で詳細に解説しているので、参考にしてどちらも効果的にアピールした書類に仕上げましょう。
エントリーシートと履歴書の違いがわかる! おすすめのアピール方法も
自己PRが思いつかない人は
ChatGPTを活用して自己PRを完成させよう
自己PRはESや面接でよく聞かれる質問の一つ。
しかし、「自己PRが全然思いつかない......」「自己PRを考える時間がない......」対策が思うように進んでいない人も多いのではないでしょうか?
そこで活用してほしいのが、「Chat GPT 自己PR作成ツール」です。簡単な質問に答えるだけで、Chat GPTが選考で活用できる自己PRを自動で作成します。
自己PRが思いつかない人や、忙しくて自己PRを考える時間がない人は、まずはツールを使ってみることをおすすめします!
なぜ必要? 就活におけるESの役割とは
就活におけるESの役割とは
- 学生の基本情報を確認する
- 学生の熱意を把握する
- 面接でヒアリングする内容を定める
「ESは何のために提出しているのだろう」「ESにどんな役割があるのかわからない」という人もいるでしょう。ESを書類選考の判断材料として認識している人もいるかもしれません。
しかし、ESはそのほかの役割も兼ねています。ここからは就活におけるESの役割を紹介していきます。役割を把握することで、どんな内容を書くべきかイメージしやすくなりますよ。
学生の基本情報を確認する
ESは名前や生年月日、学歴などの基本情報を確認する役割をはたしています。趣味や特技の項目を用意している企業もありますが、それは、趣味や特技から性格や人となりがわかるケースもあるからです。
「どのような場所で学んできたのか」「普段は何をして過ごしているのか」などをチェックし、人柄を把握しようとしています。基本的な情報だからと手を抜かずに、人柄を伝えられるよう丁寧に記載しましょう。
学生の熱意を把握する
志望度の低い学生は内定を出しても入社しない可能性が高いため、入社意欲の確認は採用担当者にとっても非常に重要です。ESには志望動機を記載する項目もあり、学生の熱意も把握できます。
また、誤字脱字の有無やテンプレートを使いまわしていないかという点からも採用担当者は熱意をチェックしています。
その会社への熱意が伝わるように、企業の特徴を踏まえたうえで、自己PRや志望動機で自分の思いを伝えましょう。
面接でヒアリングする内容を定める
面接で質問する内容を決めるために、ESの提出を求めているケースもあります。ESの内容を参考に、どの部分を深掘りしたいか決めているのです。
面接当日に強みや学生時代に力を入れたことを聞いて、ヒアリング内容を決めるのは難しいでしょう。面接が終わった後に「聞いておくべきだった」と採用担当者が後悔するケースもあるかもしれません。
学生の情報を面接で十分に引き出せるように、事前にESで内容をチェックしているのです。
採用担当者は事前にESを読み込んでから面接に臨むため、面接中に手元のESを見ることは少ないです。
ESを読んでわからないことや、仕事に活かせそうな経験を事前にピックアップして質問することが多くなっています。
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自己PRは就活において必要です!
しかし、書こうしてもネタが思いつかなかったり、学業やアルバイトで忙しく手つかずの学生も多いのではないでしょうか?
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就活前に知っておくべき! ESから採用担当者が見ているポイントとは?
ESから採用担当者が見ているポイント
- 相手にわかりやすく伝える能力があるか
- 活躍できるポテンシャルはあるか
- 入社意欲は十分にあるか
書類選考を突破するためには、ESから採用担当者が見ているポイントを知っておく必要があります。これを把握することで、ESで伝えるべき内容がイメージしやすくなり、採用担当者にあなたの魅力が十分伝わる内容に仕上げることができます。
ビジネスの基本である「相手の立場で考える力」が欠けていると判断されてしまう恐れもあるため、十分に確認しておきましょう。
相手の立場で考える力についてはこちらで紹介しています。強みに持つ人は自己PRでアピールしてみましょう。
例文5選! 相手の立場に立って考える力を魅力的に伝える3ステップ
①相手にわかりやすく伝える能力があるか
多くの仕事で伝える力は必要になります。相手にわかりやすいように伝えられれば、仕事をスムーズに進められるからです。相手にうまく伝わらないと、ミスにつながったり、進行が遅れたりする恐れがあります。
限られた文字数でエピソードを紹介するESは、わかりやすく伝える力があるかどうか判断できます。
ESを作成した後は、当時の状況を知らない人が聞いても理解できるエピソードになっているか確認してくださいね。自分で判断できない場合は、家族や友人、大学のキャリアセンターの人に見てもらうと良いでしょう。
私が採用担当をしていたときに読みづらいと感じたESは、事柄などの説明が多すぎるものです。内容が細かくなり過ぎると文字数が多くなってしまい、読みづらくなってしまうのです。
多くを伝えたい気持ちはわかるのですが、一度読めば理解できるような「読みやすさ」を追求することを心掛けてください。
②活躍できるポテンシャルはあるか
新卒就活は学生の潜在能力を評価するポテンシャル採用を利用する企業が多くなっています。スキルは入社後にいくらでも伸ばせると考え、ポテンシャルを重視して採用しているのです。
採用担当者は現在のスキルだけではなく、「入社後に活躍できるポテンシャルはあるか」という視点で学生を見ています。
また、会社の雰囲気とマッチしているかもチェックしています。能力を持っていても社風と合っていなければ力を発揮しにくいからです。
「学生時代頑張ったことから得た学びは入社後にも活きるか」「業務に必要な能力と強みは似ているか」などを、ESから確認しています。したがって、企業の求める人材に合ったポテンシャルをアピールすると、書類選考を突破しやすくなります。
③入社意欲は十分にあるか
採用担当者は入社後、前向きに業務に取り組むやる気のある学生を採用したいと考えていて、志望度の高さも重視しています。
入社意欲は志望動機だけではなく、入社後の強みの活かし方などの記載からも把握できます。入社してからの姿をイメージするには、企業分析に時間をかける必要があるからです。
「ほかの企業でも同じことが言える」と思われる内容だと、採用担当者に熱意は伝わりません。企業ごとにオリジナルの文章を作成して入社意欲の高さをアピールしましょう。
- 熱意が伝わるESとそうでないESはどのような違いがありますか?
熱意が伝わるESでは具体的な経験が語られている
結論、熱意が伝わるESかどうかは「具体的な経験が書かれているかどうか」によって決まります。
たとえば、「カフェのアルバイトで試食会を企画して、店員の商品理解を深めて売り上げアップに貢献した」という学生からは、企画職への熱意を強く感じます。
一方で、「企画職について調べて魅力に感じました」という学生からは、企画職への熱意を感じづらいのです。
あなたが志望する理由となる経験をより具体的に伝えて、熱意をアピールしましょう。
就活を始める前に知っておきたい! 魅力的なESを作成するための4つのコツ
魅力的なESを作成するための4つのコツ
- 結論から記載する
- アピールするポイントを絞る
- エピソードは具体的に書く
- 未来に焦点を当てる
「ESに自信がなくて選考を突破できるかわからない」「魅力的なESを作成する方法を知りたい」など、ES作成に関する悩みを持つ人は多くいます。
採用担当者の目を引く魅力的なESを作成するには、コツを把握しておくことが大切です。今から紹介するコツを押さえた文章を作成すると、書類選考を突破する確率を高められますよ。
①結論から記載する
結論から書くのはESの基本です。前置きが長く最初に結論が書かれていないと、採用担当者は何を伝えたいかがわかりません。1回では内容を理解しきれず、2回以上読む必要があります。
しかし、企業には多くのESが届くため、そのような結論から書かれていないわかりづらい文章は最後まで読んでもらえない恐れもあります。
「私の強みは傾聴力です」「学生時代に力を入れたことは体育会野球部での活動です」のように、必ず結論から記載するようにしましょう。
②アピールするポイントを絞る
基本的にESに記載する内容は項目ごとに一つに絞りましょう。文字数が限られているESでいくつも要素を盛り込もうとすると、それぞれのエピソードを詳しく説明できないからです。
「私の強みは傾聴力と忍耐力です」と書いた場合、どちらのエピソードも中途半端になってしまいます。2つ目以降の強みは面接で聞かれるケースもあるので、ESでは自信のある1つを全力でアピールしましょう。
- アピールポイントが多いのでたくさん記入したいです……。
アピールポイントを絞ることであなた独自の強みをアピールできる
自分としてはアピールしたいことがたくさんあるかもしれませんが、誰もが持っているようなポイントをアピールしてもほかの応募者と差別化はできません。
アピールポイントは絞り込んで掘り下げるからこそ、より具体的になり、独自の強みになるのです。
強みとして自信を持って言えるポイントは、いわば就活の武器です。武器は磨き込んで使うとどんな場面でも有効なものになります。
広く浅くするよりも狭く深くすることを考えましょう。
アピールポイントの見つけ方はこちらの記事で解説しています。履歴書向けの記事ですが、ESの場合も参考になるので、アピールポイントが絞れない、見つけられない人はぜひチェックしてください。
厳選例文30選! 履歴書が映えるアピールポイントの書き方のコツ
③エピソードは具体的に書く
学生時代に力を入れたことや強みを裏付けるエピソードは、なるべく具体的に書いてください。行動した理由や実際の数字などが記載されていると、採用担当者がイメージしやすくなり、印象に残りやすく、ほかの学生と差別化できます。
エントリーする学生が多い企業では、学生時代に力を入れたことや強みが被る可能性が非常に高いです。
しかし、結論が同じだとしてもエピソードがまったく同じことはありません。数字や当時の心境などを盛り込んで、自分にしか書けない独自のエピソードに仕上げましょう。
④未来に焦点を当てる
「入社後にどのように貢献したいか」という将来のことを考えた視点も大切です。企業は入社後に活躍する人材を求めていて、未来に焦点を当てた文章があると、熱意をアピールできたり、採用担当者が相性の良さを確認できたりします。
将来の姿をイメージするには企業分析に時間をかける必要があるため、内容が的確だと選考への熱意が伝わるからです。また、学生のキャリアプランと企業の雰囲気やキャリアパスに大きな違いがないかもチェックできます。
強みをアピールした後は、どのように活かすのかを最後に記載しましょう。ただ、入社後の姿が企業でできる仕事とかけ離れていると逆効果です。業界研究や企業分析をおこなってからESを作成してくださいね。
入社後やりたいことに関する回答方法はこちらで紹介しています。どのように考えれば良いかわからない人はチェックしましょう。
例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?
業界研究や企業分析の方法についてはこちらの記事で紹介しています。まだおこなったことがない人は併せて確認してください。
業界研究
業界研究のやり方|業界全体を捉えたうえで気になる業界を研究しよう
企業研究
企業分析のやり方を完璧にマスターする3ステップ|よくある注意点も
- その会社でやりたいことが思いつきません。
企業研究を深めてその会社でのキャリアを考えてみよう
やりたいことが思いつかない理由として考えられるのは、企業研究が不足しているからだと思います。「何となく選んだ業界」「何となく選んだ職種」ではないでしょうか。
その会社の業務内容を詳しく理解し、経験を積んだ先にどのようなキャリアがあるのかという将来像を描けるようになるくらいまで、企業研究を進めてみてください。
そうすると、面接の場面で「志望動機」や「入社後どうなりたいか」を明確に伝えることができると思います。
企業研究を深めてやりたいことが描けるということは、自分の中にある軸にしたがって意思決定ができているということでもあります。
企業側の採用担当者としては、「意志決定ができている学生」として、とても魅力的に感じることでしょう。
減点を避ける! ESで注意すべきポイントとは?
ESで注意すべき3つのポイント
- 矛盾した内容を書かない
- 誤字脱字をしない
- 嘘をつかない
ESでは減点されないことが大事になります。内容がある程度まとまっていても、マイナスイメージを与える記述があると、次の選考に進める可能性は低いです。
ただ、減点対象が何かわからない人も多いでしょう。ここからはESで注意すべきポイントを解説します。減点を避けるために大事な項目を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
①矛盾した内容を書かない
ESは一貫性が大事です。内容が矛盾していると、自己分析不足や嘘だと判断されてしまう恐れがあるからです。
強みとして忍耐強さを挙げた一方で、弱みとして我慢できないことを挙げると明らかに矛盾しています。これはかなり極端な例ですが、ES内で矛盾しているケースがあります。
また、ESと面接でも回答には一貫性を持たせましょう。提出後にESを確認できなくなる企業もあるため、Wordなどに回答内容を保存しておくことをおすすめします。
これまで人事担当をしたり学生の支援をしてきた中で、ESの最初に結論を書くのは良いものの、経験を書いていくうちに違うテーマになってしまっているケースを数多く見てきました。
最初の結論と経験談、そして最後のまとめが、結論と根拠という整合したつながりになっているかどうか、全体を見直すことが重要です。
②誤字脱字をしない
誤字脱字には十分気をつけましょう。ESに誤字や脱字があると仕事でもケアレスミスが多い印象を与えてしまうからです。
また、入社意欲が低いと思われてしまう恐れもあります。ESを作成したら、必ず誤字や脱字がないかチェックしてください。エントリー数が多いと締切に追われやすいですが、確認する時間を確保するためにも、直前に焦ってESを仕上げるのはやめましょう。
こちらの記事では履歴書の誤字をがあった際の対処法を解説しています。ESの場合も参考になるのでぜひチェックしてください。
履歴書の誤字を見つけても焦らないで! 挽回できる方法を解説
③嘘をつかない
ESに記載する学生時代頑張ったことや強みなどのエピソードに自信がないと、話を盛りたくなるもの。
少しでも良いように見られたい気持ちはわかりますが、ESで嘘を書いてはいけません。特に資格の点数や合否で嘘をつくのは禁物です。何人もの選考をおこなっている採用担当者は嘘を見抜きます。
また、内定後に嘘が発覚すると内定取り消しになる恐れもあります。嘘で自分を大きく見せるのではなく、ありのままの自分で勝負しましょう。
ESで嘘をつくリスクについては、こちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
自分の魅力や強みを把握できていない場合は、こちらの記事で探し方をチェックしてみてください。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
- エピソードがありきたりなので、ほかの学生と差別化したいです。話を盛るぐらいなら大丈夫なのでしょうか?
話を盛ると選考落ちの危険も! 企業とのマッチングを伝えよう
学生によっては、実績がなくほかの学生と差をつけられないのではないかと不安になりますよね。
しかし、ESで大切なことは「ほかの学生との差別化」よりも「企業が求める人材であるとアピールすること」です。
ほかの学生と差別化ができていなくても、入社後に活躍することが企業に伝われば採用される可能性がありますよ。
一方で、話を盛ったことが面接でバレてしまうと、マイナスな印象になって選考落ちになる可能性が高くなります。きちんと企業分析をして、等身大の自分をアピールしましょう。
ESによくある項目の書き方を例文とともに解説!
企業によって内容にバラツキはあるものの、ESにはよくある項目があります。ただ、実際に書こうとすると手が止まってしまう人も多いでしょう。
スムーズにESを書けるように、よくある項目の書き方を解説します。志望動機や自己PR、ガクチカは例文も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
基本情報
基本情報
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 趣味
- 特技
上記の情報は記述が求められます。氏名のふりがなは「ふりがな」ならひらがな、「フリガナ」ならカタカナで書くようにしましょう。
また、住所も間違いないように番地まで記入してください。エントリー完了後に企業理解を深めるためのパンフレットを送付してくれる企業もあるからです。マンションの場合は部屋番号まで書いてくださいね。
電話番号とメールアドレスの記入も必須です。合格連絡がどちらかで届くケースがあるので、間違えないように気をつけましょう。
ESに書ける趣味や特技
- フットサル
- ゴルフ
- 釣り
- 読書
- カメラ
など
面接では趣味や特技から会話を始めるケースもあるため、話しやすい内容を記載してください。
趣味や特技の書き方は以下の記事で解説しているので、参考にしてみてくださいね。
例文60選|ESの趣味・特技欄で自分らしさをアピールするコツ
学歴
ESには学歴を記載する欄があります。特別な指定がなければ、高等学校と大学だけで十分ですが、中学校から記載を求められるケースもあります。
Webエントリーの場合は項目通りに記載してください。高等学校名と大学名のほか、高等学校卒業年月日や大学入学年月日、大学卒業年月日の記載が必要です。
紙のESの場合、以下のフォーマットが基本です。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
---|---|---|
学歴 | ||
2017 | 3 | 〇〇市立〇〇中学校 卒業 |
2017 | 4 | 〇〇県立〇〇高等学校 入学 |
2020 | 3 | 〇〇県立〇〇高等学校 卒業 |
2020 | 4 | 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 入学 |
2024 | 3 | 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 卒業見込み |
以上 |
紙のESの場合、中学校卒業から書くのが基本であり、中学校や高等学校は県立や市立の表記も必要になります。
学歴の詳しい書き方についてはこちらの記事で紹介しているので参考にしてみてください。留年や浪人、留学など、さまざまなケースに対応して記載例を解説しています。
最終学歴の書き方12パターン! 早見表で卒業年度が丸わかり
志望動機
志望度を重視するESでは、志望動機を書くスペースが用意されています。Webで提出する場合は指定文字数の8割以上、紙で提出する場合はスペースの8割以上は書くようにしましょう。
ボリュームが少ないと入社意欲が低いと判断されてしまう恐れがあるからです。志望動機の例文は以下の通りです。
志望動機の例文
私は人々の生活を支える金融業界で、幅広い層の顧客にかかわって規模の大きい仕事をしたいという想いから銀行を志望しています。貴行はメガバンクの中でも海外事業に力を入れており、留学で培った英語力を活かせると考えています。
また、日本経済の根幹である大規模な事業を支えられる観点から法人営業を志望しています。私は大学の体育会野球部の主将として、課題を改善してチームの強化に努めてきました。
入社後は自身の語学力と問題解決能力を活かして、顧客の課題を解決し、信頼される銀行員を目指してまいります。
企業はESの志望動機を通して、学生がその企業を志望している「思いの深さ」について、どの程度なのかを見ています。
抽象的な表現では、相手には刺さりません。志望するに至った経緯なども内容に取り入れると、より志望意欲の高さが伝わるので高い評価になると思います。
ESに志望動機を書く方法やコツはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしましょう。
例文12選|受かる志望動機をエントリーシートに書く4つのステップ
留学経験は自己PRでアピールすることもできます。以下の記事では自己PRで留学を無駄なく活かすコツをまとめているので参考にしてみてください。
自己PRで留学経験を無駄なく活かすコツ! 長期・短期別の7例文も
自己PR
自己PRでは強みをアピールしましょう。強みとともに根拠となるエピソードを盛り込みます。最後に強みを活かしてどのように貢献するかまで書くと、ほかの学生と差別化できます。
自己PRの例文
私の強みは臨機応変に対応できる力です。
塾でアルバイトしていた際、受験の3カ月前に1人の先生が退職し、新たな生徒を担当することになりました。受験まで3カ月と限られた時間の中でしたが、まずは急にこれまで担当してくれていた先生がいなくなったことによる学生の不安を解消することから取り組みました。
そして、同時並行してこれまでのテストや模試を参考に、生徒の苦手な部分を洗い出しました。苦手を改善するための問題を作成したり、過去問を抽出したりした結果、成績は私が担当する前と比べて大きく伸び、志望校の1つ上のレベルの高校に合格できました。
御社でも臨機応変に対応できる力を活かし、予測していない事態が発生したとしても冷静に対処して高い成果を残します。
企業はESの自己PRについて、学生時代に力を入れたことや志望動機と同じくらい重視して見ています。
書くときには企業についてきちんとリサーチして、企業が求める強みがあることをアピールできると、採用担当者が魅力を感じますよ。
採用担当者の印象に残る魅力的な自己PR作成方法は、こちらの記事で紹介しています。併せてチェックしてくださいね。
例文15選|エントリーシートの自己PRで人事を惹き込むコツを解説
学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)
学生時代に力を入れたことは、大学のエピソードを記入するのが無難です。大学よりも前のエピソードにすると、「大学では何も活動していなかったのではないか」「頑張った経験が少ないのではないか」と懸念される恐れがあるからです。
また、力を入れて取り組んだ結果、何を得たのかも合わせて書きましょう。結論→エピソード→得たことの順番にすると自然な流れになります。
学生時代に力を入れたことの例文
私はサッカー部で「東京都のリーグ1位」を目標に活動していました。リーグ戦ではチームの士気が下がり、なかなか勝ちを収められなくなることもありました。
そこで私はチームを分析し、競争意識の低下が課題だと推測し、主将とともに「日替わりで指定された部員がその日のMVPを発表する」活動を導入しました。すると、チーム内に競争意識が芽生えると同時に、MVP発表時だけではなくプレイ中にも仲間同士を褒め合うようになりました。
結果として目標には届きませんでしたが、入部以来最高の3位でリーグ戦を終えることができました。これは、互いを鼓舞する雰囲気ができたことで、チームが一つにまとまった結果だと思います。
サッカー部の活動を通して一つの目標に向かっていく難しさ、楽しさを学ぶことができました。それを教えてくれた仲間はかけがえのない宝物です。社会に出た後も、より良い組織づくりのために自ら考え、行動していくつもりです。
チームをまとめていく経験というものは、会社に入ってから必要とされる要素をとても多く含んでいます。
例文の「互いを鼓舞できて、それが成果にもつながっている」という内容はとても説得力があり、将来の可能性を期待させる内容になっていますね。
ガクチカの作成方法がわからない人は、こちらの記事を参考にしてみてください。
例文13選|誰でも「刺さるガクチカ」が完成する4ステップを解説
ガクチカの構成はこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にして組み立ててみましょう。
ガクチカの構成は7ステップで高評価を狙おう! 例文12選付き
就活を有利に進められるESを意識して自分の魅力を存分にアピールしよう
ESの書き方にはコツがあり、しっかり把握すれば書類選考を通過できるだけでなく、面接で成功するための布石を打つことができます。
採用担当者の印象に残る魅力的なESを作成するために、今回紹介したコツや注意点を各項目ごとに意識しながら書いて、書類選考突破を目指してくださいね。
アドバイザーコメント
秋田 拓也
プロフィールを見るESはすべての選考の始まり! 練り上げた内容にしよう
ESとは選考の「第一関門」です。ここを突破しないと、面接選考の土俵にすら上がれないのです。どれだけ「人となり」が素晴らしくても、それをアピールする土俵までたどり着けなければ、意味がありません。それだけ重要なものだと認識して作成しましょう。
中には「有名大学の学生はESのレベルが違う」と思う人もいるのではないですか。たしかにレベルの高いESを作成する学生もいますが、全員がそうではありません。私は人事担当を経験していたこともありましたが、学歴とESのレベルは関係ないと感じていました。
つまり、ESを作成するにあたってはたとえ経歴に自信がなくても諦めずに、読みやすくて内容の詰まったものにするように努めることが大切なのです。
相手に興味を持ってもらう内容にすることが何より重要
企業の採用担当者は数多くのESに目を通しています。「理解しづらい内容」や「独りよがりな内容」のESを読むのは疲れてしまうのが本音です。読み手のことを考える文にすることを心掛けるのが何より重要になります。
ESで取り上げる事柄の詳細を伝えたくなると思いますが、それは面接のときに伝えれば良いのです。まずは、興味を持たせる内容に特化してください。文章を読んだときに「一度会って話を聞いて見たい」と思わせる内容にしましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Takuya Akita〇人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当。To Be Myselfを起業後、企業内のキャリアコンサルティング、新卒・中途の就職をサポートしている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細