この記事のまとめ
- TOEICは就職活動を有利に進めるなら欠かせないアイテムとなりつつある
- 状況別に就職で必要なスコアを取ることが大切
- TOEICのスコアに自信がなくても就職活動を難なく進める方法もある
- ChatGPT 自己PR作成ツール
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就職活動に役立てるため、TOEICを受けようとしている人も多いのではないでしょうか。中でも「そもそもTOEICって就職に必要なのかな」「どれくらいのスコアが求められるのだろう」と疑問に思う人もいると思います。
実は、TOEICのスコアを持っていないと、それだけで不利になることがあります。企業がTOEICのスコアをどれほど見ているのか、特にどのような場面で必要になるのかを理解し、しっかりと取得しておくことが大切です。
記事では、キャリアアドバイザーの木村さん、柴田さん、渡部さんと、TOEICを就職に活かすためのアドバイスをしていくので、ぜひ参考にしてくださいね。
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TOEICのスコアは就職のためのマストアイテムとなりつつある
「就職後英語を使いたいわけではないし、TOEICを受けていなくても就職できるのでは?」と考えている人もいるかもしれませんね。しかしたとえ英語を使わなくても、TOEICのスコアを重視する企業はかなり増えていて、今や就職のためのマストアイテムといえる状況にあります。
記事では、まず就職活動においてTOEICをどれほど見られるのか解説していきます。ここでTOEICの重要性を理解しましょう。そのうえで、特にTOEICを重視する企業や職種の特徴を説明するので、受ける予定のある選考がないか確認してくださいね。
さらに、就職活動で活かすために目指すべきレベルとその勉強法も解説します。TOEICは企業へのエントリー締切日の2か月前まで受けられるので、余裕がある人はしっかりと勉強しアピールになるスコアを獲得しましょう。
「どうしても英語が苦手」「TOEICを受けたこともなく受ける余裕もない」という人もいますよね。その場合のTOEICの影響が低い就活の進め方も解説するので、参考にしてください。
TOEIC以外にも、就活における英語力の重要性はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
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TOEIC以外の資格も就職に活かすことができます。有利な資格はこちらの記事で解説しているので、併せて確認してくださいね。
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理系の学生に有利な資格はこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。
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そもそもTOEICとは
TOEICとは
英語によるコミュニケーション能力や、英語でビジネスをする能力を検定するための試験であり、評価はスコア形式でおこなわれる。満点は990点となっている
TOEICの特徴
- 平均点
580~620点程度 - L&R形式の試験時間・問題数
リスニング:約45分間・100問
リーディング:約75分間・100問
TOEICとは、英語を母国語としない人を対象にした英語力を測る試験であり、主にビジネス英語の力を問われるものです。
種類は「TOEIC Listening & Reading(L&R) Test」「TOEIC Speaking & Writing」「TOEIC Speaking」の3つに分かれていますが、就職活動で見られるのは、主に「TOEIC Listening & Reading Test」のスコアです。
なお、資格の有効期限がないのも特徴です。ただ、企業によっては「取得後〇年以内のスコアを提出してください」と期限を個別に設定しているところもあります。
TOEICのスコア | レベル |
---|---|
860点~ | ネイティブレベルの十分なコミュニケーションができる。 |
730点~855点 | どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている。 |
470点~725点 | 日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる。 |
220点~465点 | 通常会話で最低限のコミュニケーションができる。 |
~215点 | コミュニケーションができるまでに至っていない。 |
就職活動を有利に進めるならTOEICはほぼマストアイテム
新卒の就職活動はポテンシャル採用と言われ、持っている資格やスキルが重視されるケースは少ないです。ただ、それでもTOEICのスコアは重視する企業が増えており、今やほぼマストアイテムといっても過言ではありません。
以下より、TOEICの就職活動における立ち位置をデータを用いて解説するので、しっかりチェックして実状を捉えましょう。
選考でTOEICの結果を見ている企業は50%以上
国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の英語活用実態調査2019(企業・団体)によると、TOEICのスコアを新卒採用で見ている企業の割合は約49%となっており、つまり半数程度の企業が見ていることがわかります。
同じ調査により、TOEIC L&Rテストで新入社員に求めるスコアの平均は535点とされているため、500点以下にある学生は不利になることがあると考えられます。
英語力を重要視している企業は80%以上
「就活でTOEICのスコアを見る企業は半数しかいないのだから、就職活動でマストアイテムといえるほどではないのでは?」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、同じ英語活用実態調査2019(企業・団体)を見ると、今後のビジネスパーソンに重要な知識やスキルとして英語力を挙げている企業は全体の約83%と、最も必要なスキルと認識されています。
今後、多くの企業が社員の英語教育に力を入れるようになる見込みがあるといえます。そこで、すでにTOEICでハイスコアを取得していれば、英語力が担保されている人材として目を引き、就活で有利になりやすいと考えられます。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見るTOEICは汎用性が高く就活を進めるうえでおすすめの資格
就職活動に際し、自分がこれまで努力をしてきたことを、少しでもアピールしたいものですよね。資格取得は努力のうえに成り立つものであり、企業から高く評価もされますが、どの資格を取れば内定により近づくのかは業種や職種によって異なります。
ある業種でアピールできる資格もほかの業界では見向きもされない、などということもありえるため、何を取得すべきなのかを吟味しなければなりません。
しかし、TOEICであればほぼどの業種でも認知・活用されているため、就職活動において評価を受けやすいといえます。グローバル化が進む企業だけでなく、TOEIC対策のために学んだことが役立つ機会は増える一方です。
入社後もさまざまな場面で役立つ
たとえば、一定基準以上のスコアを満たすことが社内での昇進やプロジェクト参加への要件になっていることもあり、高スコアを取っておくと入社後にもさまざまな恩恵が受けられます。
また、スコアによってレベルを示すものなので、合格しなければ努力をアピールできないということがありません。学生のうちにぜひ高スコアをマークしておくことをおすすめします。
TOEICのスコアを特に重視する企業や職種の特徴
TOEICのスコアを特に重視する企業や職種の特徴
- 業務で英語が必要になるケースがある
- 外国人を雇用しているなどグローバル感覚を必要とする
TOEICのスコアを一定以上持っていれば就職活動が有利になりやすいと解説しましたが、中には必須条件として見ている企業もあります。
たとえば、募集要項に「TOEIC〇点以上」と設定されていたり、そうでなくてもハイスコアを持っている学生がほとんどで、スコアが悪かったり、TOEICを受けたことがなかったりすると目立ってしまうケースです。
ここからは、TOEICのスコアを特に重視する企業や職種の特徴を解説するので、ここで紹介する選考を受けようとしている人は、しっかりと準備しましょう。
業務で英語が必要になるケースがある
外資系企業や、仕事で海外との取引があったり、海外からの顧客に接するなど、業務で英語が必要なケースではTOEICのスコアが重視されます。具体的には以下のケースです。
業務の対象が英語となる職種
- 英語保育士
- 英会話スクール講師
- 中学校・高校の英語教師
- 語学系専門学校の講師
- 英文速記者(会議やインタビュー中の英会話を文章で記録する)
- 通訳者・翻訳家
- 英文事務(海外の企業との電話やメールの対応、英文の資料作成など、英語を用いた事務をおこなう)
- 英語の出版物をとりあつかう企業の企画職や営業職
業務上英語が必要となる職種
- パイロット
- 客室乗務員
- ツアーコンダクター
- 海外投資部門などの海外企業と取引する職種
- 海外取引のある法務
- ホテルの受付
- メーカーの管理・技術職
業務上英語が必要となる企業
- 外資系企業
- 国際機関
業務上英語が必要となる業界
- 商社業界
- メーカー業界
- マスコミ業界
- IT業界
- 金融業界
これらの選考では、募集要項に「TOEIC〇点以上」などと具体的なスコアが設定されている場合が多く、希望するのであればしっかりと確認し、エントリーまでにスコアを取っておく必要があります。
ただ、募集要項などに設定されていない場合は、入社までに必要なスコアを取れれば良いとされていることもあります。しかしその場合も、就活の時点でTOEICで良いスコアを持っていると「業務に前向きだ」「すでに信頼できる語学スキルがある」と企業側が良い評価をするケースがあります。
英語をコミュニケーションの手段として使う企業の場合、スコアの基準に加えて、異文化や多様な背景を持つ人との交流経験や、予測不能な事態に対する英語での適応力が見られることがあります。
TOEICのスコアに加えて、それらをアピールできると良いですね。
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外国人を雇用しているなどグローバル感覚を必要とする
業務で英語を使わなくてもTOEICのスコアを重視する企業があります。具体的には、外国人を雇用しているなどで、グローバル感覚を持って業務に携わる必要がある企業です。たとえばパナソニックやファーストリテイリングは外国人の新卒採用が半数を超えています。
メーカーや小売業でも、業種を超えて商社のような動きをする企業が増えてきており、海外との取引や外国人雇用が増えていることから、TOEICのスコアが重視される傾向にあります。
そのような企業では、世界中の人に愛される商品やサービスを開発し届けるために、社員一人ひとりがグローバル感覚を持つことを求められるのです。
グローバルな価値観や感覚はTOEICの勉強を通しても身につきます。たとえば長文読解やリスニングでは、海外の文化や背景を踏まえた問題が出題されるためです。グローバル感覚の理解度を測る1つの方法としてTOEICのスコアを見ている企業があります。
就職活動で企業がTOEICを見る4つの理由
就職活動で企業がTOEICを見る4つの理由
- 英語力やグローバル感覚が必要なため
- 英語試験の中で特に高い認知度があるため
- スコア形式でありレベルが詳細にわかるため
- ビジネスにおける英語力を測ることができるため
英語力を測るために、ほかの英語試験ではなく、あえてTOEICを指定する企業は多くありますが、それはなぜでしょうか。
ここからは、企業がTOEICのスコアを見る理由を4つに分けて解説するので、TOEICを受ける重要性を理解し、目的意識を持って準備しましょう。
①英語力やグローバル感覚が必要なため
英語力やグローバル感覚を必要とする企業や職種では、TOEICのスコアを1つの採用基準としてみるケースが多くあります。
特に、英語そのものを取り扱ったり、英語でのやり取りが必ず発生する職種では、英語力がなければ仕事にならないため、英語力を測る必要があります。
この場合、募集要項に「TOEICのスコア〇点以上」と書かれていたり、企業ホームページ(HP)に「入社までにTOEIC〇点を取得する必要がある」と書かれていることがあります。
②英語試験の中で特に高い認知度があるため
TOEICは英語試験の中でも特に認知度が高く、ほかにもTOEFLやIELTS、英語検定などさまざまな英語試験がありますが、その中でも数百万人程差をつけてTOEICの受検者数が最も多くなっています。
高い認知度がある試験であれば、学生にもなじみがあり、すでに受検したことがある人も多いでしょう。そのスコアを利用できれば、学生にとっても選考に応募するハードルが下がるため、英語試験の中でもTOEICのスコアを見る企業が多くなっています。
③スコア形式でありレベルが詳細にわかるため
英語検定などでは合格、不合格で結果が出ますが、TOEICは990点を満点としたスコアで結果が表示されるため、英語のレベルが詳細にわかります。
あくまでも目安ですが、たとえば英検2級はTOEICの540点~640点レベルと言われています。TOEICのスコアで見ると大きく差が開きますが、英検では同じ2級とみなされ、英語力を細かく把握しにくくなっています。
特に英語を使って仕事をする企業であれば、「想定よりも英語ができない人を採用してしまった」などの採用リスクは痛手となるため、採用時にTOEICのスコアを見て詳細に英語力を把握していると考えられます。
④ビジネスにおける英語力を測ることができるため
TOEICはビジネスにおける英語力を測る問題が多いです。たとえばビジネスメールの読解やオフィスシーンでの会話のリスニングなどが出題されます。
対して英語検定では、日常会話をメインとする出題内容となっています。またTOEFLやIELTSは留学や移住のために必要な英語力を測るものとなっています。
企業が採用したいのは、入社後活躍できる人材です。英語力があったとしても、ビジネスに活かせなければ意味がないため、ビジネスにおける英語力を測ることができるTOEICのスコアを重視していると考えられます。
- すでにTOEFLのスコアを持っていますが、TOEICを受け直した方が良いのでしょうか。日系企業を受ける予定で、募集要項にTOEICのスコアの指定はありません。
指定がなければ受け直す必要はない
TOEFLスコアはTOEICに置き換えると何点ぐらいになるのか、それを確認できるスコア換算表はさまざまな機関が提供しています。
つまり、企業の採用担当はTOEICスコアを持っていなくてもおおよその語学レベルを測ることができるといえます。したがって、指定がなければTOEICを急いで受けなくても問題はありません。
しかし、入社してからのさまざまな語学によるレベル分けはTOEICを用いることが多く、入社してすぐにTOEICの社内受検を実施する会社もあります。学生のうちから受検して、TOEICの問題傾向に慣れておくことをおすすめします。
就職活動でTOEICを取得する3つのメリット
就職活動でTOEICを取得する3つのメリット
- 向上心や勤勉さをアピールできる
- グローバルに活躍できる人材であることをアピールできる
- 管理職候補として見てもらえることがある
ここまでの解説で、英語力やグローバルな価値観を持っていることを確認するためにTOEICが重視されることが理解できたと思います。しかし、TOEICのスコアを取得してアピールできるのは、それだけではありません。
ここからは、就職活動でTOEICを取得する3つのメリットを解説します。特に、「就職活動でアピールできることがない……」と考えている人は、ここで説明する内容を参考に自己PRやガクチカを作成してみましょう。
自己PRの作り方や伝え方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
エントリーシート(ES)での伝え方
例文15選|エントリーシートの自己PRで人事を惹き込むコツを解説
面接での伝え方
例文12選|面接必勝の自己PRはエピソードが最重要!
ガクチカの作り方はこちらの記事で例文13選とともに解説しているので、チェックしてみましょう。
関連記事
例文13選|誰でも「刺さるガクチカ」が完成する4ステップを解説
ガクチカは企業での再現性があるエピソードを伝えることが重要です。ガクチカの作成ステップや高評価を得るポイント、NGパターンをキャリアコンサルタントと解説します。再現性が伝わるガクチカを作成し、内定を掴み取りましょう。
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①向上心や勤勉さをアピールできる
TOEICでハイスコアを目指すなら、まず目標スコアを設定し、それに向かって試行錯誤しながら勉強を進めていくことになりますよね。TOEICのスコアを通して、英語力をつけようとする向上心や、勤勉さをアピールできます。
仕事においても、向上心を持って勤勉に取り組むことを求められることが多いです。たとえば営業職では、高い目標を目指し、達成するための努力をおこなうことが求められます。
どのような仕事でも、基本的に向上心または勤勉さは求められる傾向にあるため、TOEICのスコアを持っておくとアピールになります。具体的には「英語を使う仕事に挑戦したいと考え、500点から730点を取得するために、毎日2時間確保して勉強し2か月で730点を取得することができた」などと伝えると向上心や勤勉さをアピールできますね。
新入社員にとって向上心や勤勉さは業界を問わず必要ですが、特に専門知識を多く要する法律系の職種や、保険、金融業界では、特定の職務に就くために高難度の知識が必要な場合があり、向上心や勤勉さが有利に働く可能性がありますよ。
営業職に関心がある人の中には、「営業に挑戦したいけれど向いてないかもしれない……」と悩む人もいるかもしれません。こちらの記事では、営業職の適性をチェックする方法を解説しているので参考にしてくださいね。
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営業に向いてない人の16の特徴|不向きな人におすすめの道も解説
営業向いていないと十分な検討をせずに決めつけることは危険です。まずは営業職の理解を深めましょう。この記事では営業に向いていない傾向のある人の特徴16選や、おすすめの道をキャリアコンサルタントが解説します。
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②グローバルに活躍できる人材であることをアピールできる
現在海外展開をおこなっている企業は多く、また、現状していなくても今後海外への進出を狙っている企業もあります。そこで、多くの企業でグローバルに活躍できる人材を求められる傾向があり、今後はますますその風潮が強まることが見込まれます。
入社時は海外との取引や海外駐在の予定がなくても、異動であったり、新事業への展開などで海外に携わる機会があることは十分ありえます。
企業の中期経営計画を確認し、そこで企業が海外に携わる事業をおこなっているのか、今後おこなう予定があるのかを見てみましょう。もしそうであれば、TOEICのスコアをアピールすることでグローバルに活躍できる人材という印象を残すことができ、アピールになります。中期経営計画は企業HPに掲載されていますよ。
③管理職候補として見てもらえることがある
TOEICのスコアは、企業での昇進の条件になっていることも多いです。そのため、すでにハイスコアを取得している人は、将来の管理職候補としてのアピールにもつながります。
管理職になればその分待遇がアップするなど、入社後のメリットもあります。もちろんTOEICがハイスコアであるだけで管理職候補に確実になれるわけではありませんが、候補になる可能性を高める有力なアピール材料となります。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見るほんの数十点の差で印象がまったく異なるケースに注意
TOEICでハイスコアを取っていても、英語そのものを事業にしている企業と、英語を使って仕事をしている企業とでは若干印象は変わるかもしれません。
たとえば取引や海外とのやりとりで英語を使う仕事の場合、900点と990点の差はそれほどありませんが、語学教育など、英語そのものが事業である場合は、900点取れるなら990点取って欲しいと思うでしょう。満点というのは訴求のインパクトがまったく違います。
一定以上の語学力があれば業務への理解度をより重視されることも
私の場合は業務提携先の海外ブランドとの取引のため、TOEIC900点クラスの人を何人も採用してきましたが、一定レベル(880点くらい)以上になると語学力よりも仕事内容の深い理解の方が重要になります。
原価交渉や知財の扱いなど細かな部分では伝え方も重要で、900点を越えるレベルの人でも、現場の責任者(帰国子女で商社の海外勤務を経た役員クラス)からは何度もダメ出しされていました。
ただ、そうは言っても、そもそもその現場に立てるというのは、TOEICである程度の語学力と有能さが認められているからです。即戦力であるかどうかは別ですが、英語を本業で使うスキルを備えた学生という評価はできます。
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就職活動で必要なTOEICのレベル
就職活動で必要なTOEICのレベル
- 企業が求める基本的なレベルは600点以上
- 英語力のアピールになるのは730点以上
就職活動に備えてTOEICを勉強するなら、しっかりと就職活動で求められるTOEICのレベルを把握し、それを目標に学習することが大切です。
ここからは、実際に就職活動で求められるTOEICのレベルを解説します。一般的に求められるレベルと、企業や職種の特徴別に求められるレベル、それぞれを解説するので、就職活動の状況に合わせて参考にし、目標を定めましょう。
履歴書を書く際にTOEICでどのくらいの点数を取っていた場合から書けばいいか悩む人もいるはずです。企業によっても評価される点数は異なるため、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
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履歴書に書けるTOEICの最低点は? 書き方がわかる例文付き
TOEICのスコアを何点から履歴書に書けるか把握しておくことは、就活で重要なポイントです。この記事では、履歴書でアピールできるTOEICのスコアの基準や正しい書き方について、キャリアコンサルタントの視点にもとづき解説します。
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①企業が求める基本的なレベルは600点以上
TOEICの平均スコアが600点前後となっていることから、就職活動では、基本的なレベルとして600点以上が求められることが多いです。そのため、少なくともその点数以上の取得を目指して勉強することが大切です。
ただ、600点以下であっても、470点以上あるのであれば、履歴書にスコアを書いた方が良いです。470点~725点は、「日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができるレベル」とされているためです。
何も書かないと、英語への学習意欲のアピールの機会を失ってしまうので、自信がなくても470点以上あればスコアは書きましょう。
600点以下で高スコアをマークできていない人は、今後それを伸ばそうとする意欲を見せると良いです。
「最終的に800点を目指している」「そのためにこうした学習をおこなっている」「次回は〇月に受検予定である」とTOEICを通して積極的に語学力を身に付けようとしていることをアピールしましょう。
英語を使う職種や企業では730点以上
基本的には600点以上が必要とされますが、英語を使う職種や企業では、最低限730点以上を求められることが多いです。具体的には以下のスコアです。
業務の対象が英語となる職種
- 英語教師(小学校・中学校・高校)ー785点程度~
- 通訳ーボーダーを設定している企業は少ないものの、目安は900点程度~
- 英語の教材や新聞などを取り扱う企業ー書籍編集者であれば800点程度~
業務上英語が必須となる職種
- パイロットー730点程度~
- 客室乗務員ー600点程度~
- ツアーコンダクター600点程度~
- 海外投資部門などの海外企業と取引する職種ー600点程度~
- 海外取引のある法務ー800点程度~
業務上英語が必須となる企業
- 外資系企業ー730点程度~
- 国際機関ー800点程度~
600点程度のものもありますが、英語を使う仕事の多くが730点以上を求めています。730点以上あれば、「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」レベルとみなされ、英語を使う仕事もこなすことができるだろうと考えられるためです。
上記では採用時の必須スコアとせず、入社までや、入社後数年までに取得していれば良いとしていることが多いです。しかし、たとえば以下の企業では、エントリー時にハイレベルの英語力を要件としているので気を付けてくださいね。
英語を採用条件としている企業の例(2025卒)
- 武田薬品「研究職」ービジネスレベル。TOEIC700点程度(以上)が望ましい
- ソフトバンク「事業開発」ービジネスレベルの英語力
- 三菱東京UFJ銀行総合職「グローバル」ーネイティブレベル
専門的分野で英語を使う職種や企業では900点以上
専門的な職種で英語を使う場合は、専門用語を英語で伝えなければならなかったり、法律や論文などの難解な英語の文章を読まなければならなかったりと、かなりハイレベルな英語力を求められることになります。この場合、基本的にTOEICのスコアは900点以上を求められます。
特に外資系企業では専門知識を用い英語で交渉するケースが多いです。
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②英語力のアピールになるのは730点以上
最低限求められるレベルは600点以上と解説しましたが、英語力のアピールになるのは、実務で英語が使えるとみなされる730点以上となります。
特に製造業や商社などは、海外とやり取りすることが多く、730点以上あればアピールになりやすいです。
アピールの方法としては、履歴書にスコアを書くことに加え、たとえばガクチカでTOEICのスコアを取得したプロセスをアピールしたり、自己PRでTOEICの勉強で培った強みをアピールすると良いです。具体的な方法は後述します。
TOEIC730点以上を持つ学生は、日常的に英語が必要な場面で問題なく対応してくれるだろう、という印象です。接客や電話応対、英文資料の扱いなど、現場の仕事で英語が出てくる場面では居てくれるとありがたいと考えます。
こちらのQ&AでもTOEICのスコアについてキャリアコンサルタントが回答しています。併せて参考にしてみてください。
就職活動で必要なレベルを目指すためのTOEIC勉強法
目指すべきスコアがわかったところで、ここからは、目指すスコアを取るための勉強方法を解説します。ほかの学生に引けを取らないように、または一歩リードできるように、チェックして計画的に勉強してくださいね。
スコア別に勉強法を解説していきます。
600点以上を目指す場合
まずは600点以上を目指す場合です。600点は、企業が求める基本的な英語のレベルとして設定されており、最低限取得していたい点数です。
ここからは、600点を取るための具体的な目標と、それに対する勉強法に分けて解説するので参考にしてくださいね。
600点を取るための目標
600点を取るための目標
- 正答率:60%(L&R合計120/200程度)
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)によると、TOEIC600点は、「身近な話題や個人的に関心のある話題についていけるレべル」とされており、約60%の正答率で取得することができます。
L&R形式はリスニング、リーディングがそれぞれ100問ずつで合わせて200問あるため、合計120問正解すれば600点を取得できます。傾斜などはないため、リスニング、リーディングのどちらで何点取得しても合計で120問以上正解すれば問題ありません。
リーディングは75分なので、1問1分かけて、その中で60問は確実に取れるようになることをおすすめします。リスニングは音声に従って進めるものとなるので、自分で時間配分を考える必要はありませんが、リスニングも同様に60問正解できるようにする必要があります。
600点を取るための勉強法
必要な勉強時間(550点の人の場合)
- 約200時間
TOEICのリーディングは、part5「短文穴埋め問題」、part6「長文穴埋め問題」、part7「長文読解」で構成されており、特に長文に苦手意識を持ちpart6、7に苦戦する人が多いのではないでしょうか。
長文に苦手意識がある人は、まず基本的な単語を覚えること、そして文法を理解することです。600点を取るために習得が必要な単語数は5,000語程度となります。600点を目指す人用の単語帳が販売されているので、それを用いて勉強しましょう。
おすすめの単語帳はキクタンTOEIC L&Rテスト SCORE600です。聞きながら覚えられる仕組みになっているため、就活の隙間時間を活用して勉強できます。
基本的な単語の意味と、それを構成する文法がわかれば、基本的な文章は読めるようになります。6割取れば良いので基本を押さえ、簡単な文章を素早く読み、概要をつかむことを意識しましょう。
730点以上を目指す場合
英語が得意であるとアピールできるのは、TOEIC730点からであり、また英語を使う職種や企業では730点以上が基本として求められると解説しました。
730点の壁を超えるために、具体的な目標と、それに対する勉強法を解説するので、英語力をアピールしたい、英語を使う職種や企業の選考を受けたいという人は、しっかり確認してトライしてくださいね。
730点を取るための目標
730点を取るための目標
- 正答率:約78%(L&R合計155/200程度)
TOEIC730点は、「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」レベルとされています。身近な問題やなじみのある話でなくても、理解しコミュニケーションができるレベルです。
TOEICを730点以上取得している人は、入社後英語でのコミュニケーションなど、実務で使うことが求められることが多いため、特にリスニングで高得点を取れると良いです。
リスニングのポイントとしては、英文を一言一句聞き取れるようになる必要があります。
730点を取るための勉強法
必要な勉強時間(600点の人の場合)
- 約200時間
730点を取得するためには、リスニング力を鍛える必要があります。そのために効果的なのはディクテーションです。
ディクテーションとは
聞いた英語を一語一句書き取るトレーニング
書くという行為は脳を活性化させるため、聞き間違えた単語を認識し、正しい単語をインプットしやすくなります。TED Talksや参考書のリスニングCDを使い、すべて正しく聞き取れるようになるまで聞いては書くことを繰り返しましょう。
また、英会話も効果的です。ディクテーションはインプットになりますが、英会話でアウトプットすることでより定着し、かつ実用的な英語力をつけることができます。オンラインで、24時間利用できるネイティブキャンプがおすすめです。
加えて、730点を取得するために必要な単語数は7000語程度といわれているので、その単語数が収録されている単語帳も見て併せて勉強すると効果的です。
おすすめの単語帳はTOEICテスト 全パート単語対策です。各パート別に頻出単語と例文がまとめられており、実際に出題される内容をイメージしつつ学習できます。
730点以上のスコアを取るためには、リスニングとスピーキングの点数を上げる必要があります。その両方の力をつけるには、毎日5分でも良いので集中してシャドウイングを繰り返し練習し、英語の音とリズムに徹底的に慣れるのがおすすめです。
800点以上を目指す場合
国際機関や、海外取引のある法務などを目指すなら、最低でも800点は取得したいところです。また、外資系企業では最低730点、800点以上でアピールになるケースが多いです。
ここからは、800点を目指すための具体的な目標と勉強法を解説するので、上記を受けようと考えている人はぜひチェックしてくださいね。
800点を取るための目標
800点を取るための目標
- 正答率:約85%(L&R合計170/200程度)
TOEIC800点以上は、「ネイティブレベルの十分なコミュニケーションができる」レベルとされています。
リスニングでは、日常会話はほぼ完璧に理解し、ラジオやTVなどでは専門的な内容以外は聞き取れ、ビジネスの会話も話の趣旨や詳細が理解できることが求められます。
リーディングでは、洋書や英字新聞などを趣旨を推測しながら読め、かつビジネスメールや英文資料の内容をおおむね理解できるレベルとなっています。
800点に到達するためには、とにかく基礎を完璧にする必要があります。たとえば単語では「考えれば意味がわかる」ではなく、瞬時に意味が思い浮かぶといった状態が必要です。
800点を取るための勉強法
必要な勉強時間(730点の人の場合)
- 約270時間
まず基礎を固めるため、単語を徹底的に覚えましょう。800点を取得するために必要な単語の数は8500語と言われており、見ただけで瞬時に意味が理解できるようになるまで、単語帳を使って、繰り返し見て覚えましょう。
また、苦手な部分を減らすことも大切です。正答率85%を取らなければ800点には届かないため、リーディング、リスニングともに苦手分野をなくしすべて満点を目指し解く必要があります。過去問や問題集を繰り返し解き、すべての正答率が上がるまで訓練しましょう。
おすすめは、世界一わかりやすいTOEIC L&Rテスト総合模試2[800点突破レベル] を繰り返すことです。公式問題集よりも全体的に難易度高く作られており、これがすべてスピーディーに解ければ800点を取得するための準備ができますよ。
加えて、シャドーイングもおすすめです。シャドーイングをすることで、英語を英語のまま理解できるようになる、つまり瞬時に読解する力がつきます。音声を聞き、音声を忠実に真似し、スムーズに読めるようになるまで繰り返し練習しましょう。
シャドーイング
英語の音声を聞きながら、自分の声をかぶせて読む練習法
800点以上になると長期記憶を使うことが重要です。じっくり一つひとつ勉強するよりも、日常生活の中に英語を取り入れる工夫をすると良いです。
一定期間を通じて、日常的に英語を使い、自然に復習している状態を作りましょう。誰かに教えるなどのアウトプットも有効です。
900点以上を目指す場合
専門職として英語を使って仕事をしたり、通訳など英語そのものを使う仕事は、TOEIC900点以上の英語力が必要です。
ここからは900点を取るための具体的な目標と、それを達成するための勉強法を解説します。すでに英語力に自信がある人も多いかもしれませんが、改めて不足しているところがないか確認してみましょう。
ただ、採用条件として設定されていることは少ないこと、800点以上でも十分なアピールになることから、900点以上を目指しTOEICの勉強に時間を割きすぎて、結果的に就職活動に支障が出てしまうということは避けましょう。
900点を取るための目標
900点を取るための目標
- 正答率:約95%(L&R合計183/200程度)
TOEIC900点を取得すると、国際的に活躍可能なビジネスパーソンとしてみられることとなります。
900点を取るためには、不正解の問題はリスニング、リーディング合わせて15問以内に収めなければなりません。
すでに800点を取得している人は、基本的な英語力はついているため、あとはケアレスミスと時間管理を徹底し、時間内にすべて自信を持って解く必要があります。リーディングもリスニングも徹底して苦手をなくす必要があります。
900点を目指す勉強法
必要な勉強時間(800点の人の場合)
- 約300時間
TOEIC900点に必要な単語の数は10,000語以上と言われており、まずはそれらを徹底して覚えましょう。すでに800点を取得している人は、新たに1,500語インプットする必要があるということです。
また、900点以上取得するのであればとにかくミスが許されません。ケアレスミスをしないように、2時間集中できる力をつけられるよう、模擬試験や過去問を繰り返し解いて慣れておきましょう。模擬試験や過去問はTOEICの参考書や問題集などに収録されています。
まずTOEIC(R) L&R TEST 900点攻略完全パッケージなど、参考書で一通り900点を取るための攻略法を学習し、公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8で繰り返し模擬試験形式で問題を解くことがおすすめですよ。
また、TOEICにはいわゆるひっかけ問題があります。そういったものにも惑わされないように、何度も過去問などを解いて問題に慣れましょう。ひっかけ問題には以下のようなものがあります。
ひっかけ問題の例(リスニング)
A:男性 B:女性
A:Excuse me, is Smith here? I heard she is here when I call earlier.
(すみません、スミスさんはここにいらっしゃいますか? 先ほどお電話をしたら、こちらにいらっしゃると伺いました。)
B:She went out to lunch some time ago.
(彼女は先ほど昼食に出かけました。)
A:Do you know when she’ll be back?
(いつお戻りかわかりますか? )
B:I’m sorry, I don’t know. Do you know her telephone number? If you don’t know, I will ask her coworker where she is.
(すみません、わかりません。彼女の携帯電話番号をご存じですか? ご存じでないなら、彼女の同僚にどこにおこなったのかを聞いてみます。)
Question:
What do you think man will do next?
(この後男性はどうすると考えられるか。)
こういった会話に対して、問題と選択肢が次のようになっていたりします。
A:He will get her cellphone number.
(携帯電話の番号を彼女から聞く)
B:He will ask Smith’s coworker where she is.
(スミスの同僚にスミスがどこにおこなったのかをたずねる)
C:He will call.
(電話をかける)
D:He will go to lunch with her.
(彼女と昼食に行く)
回答:C
これは選択肢AやBへのひっかけ問題です。
質問の”man”とはAさんのことです。選択肢Aでは「Aさんがスミスの携帯電話の番号を教えてもらう」ということになります。
しかし、会話文では、BさんがAさんにスミスの携帯電話番号を知っているかとたずねている」のみで、教えるとは言っていないため不適切です。
選択肢Bは、Bさんが提案していることなので、Aさんの次の行動としては適していません。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見るスキマ時間を活用しTOEICに慣れる工夫をしよう
TOEICはひたすら「問題に慣れる」のがコツです。たとえ英語力が充分にあっても出題傾向を把握していなければ、高得点をマークするのは難しいテストになります。忙しい就職活動のさなかに効果的に学習を進めたければ、机に向かって勉強するよりも「スキマ時間を活用する」のがおススメです。
多様な英語の発音に慣れるよう常に英語に触れよう
TOEICにはリスニング問題があります。そこでは英語はアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5か国の発音が用いられています。これまで耳にしていなければ誰でも戸惑ってしまうでしょう。
そのため、市販されている、あるいはYouTubeなどネットで提供されている教材をたくさん聞いておくと良いです。
これを移動中の電車の中や大学での休憩時間など「スキマ時間」におこなうのです。ほんの10分、15分の積み重ねを1日の中で何度も繰り返すとかなりのまとまった時間が確保できます。
ライティングの対策についても、スマホでさまざまな学習アプリが提供されています。アプリであれば、スキマ時間にゲーム感覚でいつでも取り出してやってみることができますよね。お気に入りのアプリを探してぜひ試してみてください。
プロセスもアピールになる! TOEIC取得をガクチカなどで伝える構成
プロセスもアピールになる! TOEIC取得をガクチカなどで伝える構成
- TOEICを受けた経緯や目標スコアを決めた理由を伝える
- 目標スコア獲得までの努力や工夫を伝える
- TOEICで培った英語力を仕事で活かす方法を伝える
TOEICを取得することで英語力やグローバルな価値観があることを伝えられると解説しましたが、実はスコアを獲得する過程も就活でのアピールに使うことができます。
ここからは、TOEICの取得を学生時代力を入れたこと(ガクチカ)などで伝える構成を解説します。ガクチカで伝えるエピソードが見つからず悩んでいる人も多いと思いますが、TOEICに挑戦したことがあるのであればぜひここで解説する内容を参考にアピールしてみましょう。
- 結果として目標としていたスコアに届かなかった場合もガクチカなどでアピールして良いのでしょうか。
問題ないが、ほかのエピソードを使うことがおすすめ
努力して行動した結果ならアピールしても構いません。
ただ、結果があまりにも目標とかけ離れているとしたら、やり方を間違えているか、言うほどは努力していないのだな、と思われるだけなので、諸刃の剣となるリスクも念頭においてください。
基本的には、ほかに頑張ったことがあるのならばそちらを使った方が良いと思います。
TOEICの点数というのは仕事に直結するようなエピソードにはならないので、ガクチカのメインに使うにはそもそも弱く、しかも目標に届かなかったというのはあまりPRにならないためです。
よほど高い目標で、ぎりぎり届かなかった、という場合なら何とか使えるくらいですね。
①TOEICを受けた経緯や目標スコアを決めた理由を伝える
ガクチカなどで伝える場合、まずは、そもそもなぜTOEICを受けようと思ったのか、そのスコアを目指そうとしたのか、理由を明確にしましょう。
「就職活動で希望する企業に入るために必要になると考えた」でもかまいません。そう伝えると、計画的に物事に備えられることをアピールできます。また、「将来は海外で働きたいと考えて英語力をつけようと思った」であれば、業務に前向きな姿勢を伝えられます。
TOEICを受けた経緯や目標スコアを決めた理由を伝えることで、モチベーションの対象や、人柄のアピールをすることができます。
②目標スコア獲得までの努力や工夫を伝える
そして目標スコアを獲得するまでにどのような努力や工夫をしたのか、スコア達成に至るまでの経緯を伝えましょう。
目標に向かって挑戦したプロセスを伝えることで、入社後仕事に一生懸命励む様子をイメージしてもらうことができます。たとえば「研究で忙しい毎日であったが、1日2時間必ずTOEICの勉強時間を作り計画的に勉強した」旨を伝えれば、忙しくても自律心を持って目標を達成する様子が浮かびますね。
目標スコア獲得の本来の目的は、英語をコミュニケーションの手段として活かすことです。
「努力して達成できた」に加えて、「スコアの向上とともに友人との英語のディスカッションに自信が持てるようになった」などの自分の変化も合わせて伝えるとより効果的なアピールになります。
留学経験をアピールしたいと考えている人もいるかもしれません。企業を惹きつけるコツをこちらの記事で解説しているので、ぜひ併せて確認してみましょう。
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③TOEICで培った英語力を仕事で活かす方法を伝える
ただ英語力をつけたというエピソードでは、企業側は、入社後活躍できる人材なのかがわからず、選考を通過させるまでの判断はできません。そこで、最後にTOEICで培った英語力を仕事でどう活かすかを伝えます。
たとえば「TOEICで800点を取得したことにより、ビジネスレベルの英語力をつけられたため、将来は海外企業とのM&Aなど、英語での交渉が必要になる場面に携わりたい」などと伝えると、入社後のイメージが鮮明になりますよね。
「採用するメリットがある」ということを念押しで伝えるために、TOEICで培った英語力を活かして企業にどう貢献するか伝えましょう。
ガクチカでTOEICに臨んだプロセスを伝える例文
ここまでの説明では、具体的にどのような文章を作成すれば良いのかイメージが湧かない人も多いと思います。
そこで、以下の通りガクチカでTOEICに臨んだプロセスを伝える例文を紹介するので、参考にしてガクチカを作ってみましょう。
ガクチカでTOEICに臨んだプロセスを伝える例文
私が学生時代力を入れたことは、英語の学習です。
大学の授業で日本に来ている留学生と交流する機会があったのですが、彼らと会話するうちに価値観の多様さに刺激を受け、彼らともっと理解し合って会話したいと、その授業を受けた大学2年生の秋から英語学習に力を入れました。
当時私はTOEICの点数は500点でしたが、彼らとスムーズに会話するため、どんな状況でも適切なコミュニケーションができるレベルとされている730点を目指しました。
部活動もしていましたが、夜練習の後の2時間は必ず英語を勉強すると決め、ディクテーションでインプットをし、オンライン英会話でアウトプットするというサイクルで学習しました。その結果、2か月で730点を取得することができ、さらに勉強を続け今は860点を取得しています。
TOEICは海外の文化をベースに話が展開されることも多く、英語力だけでなく海外の文化を学習することができました。身に付けたこれらの力を活かし、多国籍採用をされている御社で、社員の方とチームワークを発揮しながら、世界中の人に愛される商品開発に貢献したいです。
このガクチカは学習に至った動機、学習のプロセス、結果という3点に主眼を置いているので、成長性や行動力といった基本的なスキルのPRができていて、仕事への取り組みを期待できますね。
TOEICの点数のみでなく、このようなアピールができると良いです。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見るTOEICはあくまで目標のための手段と捉えてアピールすることが大切
TOEICを受検し続けているとよく陥ってしまうのが「高スコアを叩き出す」のが目的になってしまうことです。もちろんそれをモチベーションとして学習しても良いのですが、それを就職活動の面接の場で「ガクチカ」の主軸として伝えるのは避けたほうが良いです。
というのも、TOEICとは語学力のレベルを計測するものであり、資格試験と違って、合格したからこの業務ができるようになるというものではないのです。
キャリアを見据えてTOEICを取得したことを伝えよう
何らかの活動で高い語学力が必要な場合に、自分の語学力がそれに見合ったものであることを数値で示す、それがTOEICの役割です。
つまりTOEICはプロセスであって結果ではないのです。使い道も決まっていないのに高得点ゲットだけを目指して勉強しているだけならば、資格やステータスに左右される人だと捉えられ、充分なキャリアプランができていないのではと疑われてしまいます。
ガクチカでは「仕事として〇〇をやりたいのでそのためにTOEICを受けた」という内容を主軸として延べ、TOEICはゴールに到達するための努力や手段のうちの1つとして位置づける程度にとどめておくと良いでしょう。
自信がなくても大丈夫! 就活でのTOEICの影響が低いケース
ここまで読んで、「英語力に自信がないから就職活動は上手くいかないかも……」と不安になった人もいるかもしれません。しかし、大丈夫です。TOEICの影響が低いケースもあるため、英語力に自信がない、入社後も英語を使いたくないという人はそのケースも視野に入れて就活を進めましょう。
ここからは就活でのTOEICの影響が低いケースを解説するので、企業や職種選びの参考にしてください。
国内事業のみおこなっている企業を受ける
たとえばベンチャー企業や中小企業は、まず国内での事業の成功に注力するために、海外進出は予定していないケースが多いです。
また、ガスや電力業界などのインフラでは、海外からの収益に頼ってしまうと、国際情勢が不安定になった際に、国内の企業や家庭への供給が不安定になるリスクがあるため、国内事業にとどめているところが多くあります。
そのような国内事業のみおこなっている企業では、入社後英語を使ったり、海外の価値観を知る必要性が低いため、TOEICの点数を見ることもほとんどありません。
ただ、今は国内事業のみをおこなっていても、今後海外進出をする可能性もあるため、念のため企業の中期経営計画で今後の企業の方向性を確認しておきましょう。
専門知識を重視する企業や職種を受ける
経理部門や法務部門などの専門的な部署では、英語力よりも専門知識を重視することが多いです。そのため、TOEICの点数が低かったり、TOEICを受けたことがなくてもマイナスイメージにはつながりにくいです。
ただ、英語を使いたくないという理由で専門知識を重視する企業や職種を受けるのは少し危険です。専門知識を重視する企業は、入社後その知識を極めていく必要があるため、その知識に関心を持っていないと入社後苦痛に感じてしまうかもしれません。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見るTOEICに自信がなくてもまったく影響が出ないことも多い
社会のグローバル化が進んでいるのは事実ですが、英語力を必要としない仕事もまだたくさんあります。
履歴書に必ずTOEICのスコアを書かなくてはならないわけでもありません。自信がない人は募集要件に語学やTOEICの記載のない求人を中心に活動することになるでしょうが、語学以上にその企業にマッチする要素があれば、気にせず応募してみるのも良いかもしれません。
ほかにアピールできることがあれば気にしすぎず就活を進めよう
語学力は後天的に身につけることができるスキルの1つであるため、入社後に気長に英語に取り組んでも良いのです。あまり考えすぎずに、PRの要素の1つにすぎないと考えましょう。
別の角度から1つ伝えると、すでにかなり性能の良い同時翻訳アプリやソフトが出ているので、語学力は近い将来不要になるかもしれません。
さらに、仕事ができて高いポジションに就いたのであれば通訳を雇うという方法もあります。苦手ならできる人に頼めば良いのです。あまりネガティブに考えないようにしましょう。
就職活動におけるTOEICに関する3つの留意点
就職活動におけるTOEICに関する3つの留意点
- 企業のエントリーの2か月前に申し込む
- アピールする際は「話す力」「聞く力」があることを伝える
- TOEICのスコアはあくまでコミュニケーションツールと捉えて伝える
就職活動を有利に進めるなら多くのケースでTOEICが役立ちます。しかし、ある点に気を付けなければアピールにならなかったり、有効活用することが難しくなってしまいます。
ここからは、就職活動でTOEICを活かすために注意すべきことを解説するので、チェックしつつ受検や勉強をおこない、また就職活動でのアピールに使ってくださいね。
①企業のエントリーの2、3か月前に申し込む
TOEICのスコアを就職活動で活かすには、当然ですが企業にエントリーする前にスコアを持っている必要があります。
TOEICの結果が出るまでには、受検日から約1か月かかります。さらにTOEICの申し込みは、受検日の1か月半~2か月前までで締め切られてしまいます。
そのため、TOEICの申し込みは企業にエントリーする2、3か月前におこなう必要があります。TOEICの公式サイトに詳しいスケジュールが掲載されているので、チェックしてくださいね。
TOEICを受検する日程も含め、就活はしっかりと計画立てておこなうことが大切です。計画を含め、就職活動の全般的なやり方についてはこちらの記事で解説しているので、参考にしてください。
関連記事
就活のやり方は? 内定を勝ち取るために必要なすべてを徹底解説!
就活はやるべきことが多数あるので、やり方を押さえて効率的に進めることが重要です。就活における事前準備や選考対策、入社先選択などのやり方をキャリアコンサルタントが解説します。就活のやり方をしっかり押さえて内定を獲得しましょう。
記事を読む
2回以上受けられるスケジュールを組むことがおすすめ
TOEICは1回目よりも2回目、2回目よりも3回目とスコアが上がりやすいです。解けば解くほどTOEICの問題形式や解き方に慣れるためです。そのため、よりハイスコアを狙うためには2回以上受けることがおすすめです。
2回以上受けられるスケジュールの余裕がない人は、できるだけ過去問を多く解き、形式に慣れるようにしてくださいね。過去の問題集は書店やインターネットで入手できるのでチェックしてみましょう。
②アピールする際は「話す力」「聞く力」があることを伝える
TOEICでハイスコアを取り就活でアピールすると、入社後も英語力を活かして活躍することを求められることが多いです。特に仕事で求められるのは、コミュニケーションをする力、つまり英語で話す力、聞く力となっています。
TOEICの一般的な形式はListening & Reading Testですが、就活の際は、併せてSpeakingの力もあることをアピールすると効果的です。
たとえばTOEIC Speaking Testも受けたり、TOEICで勉強した英語力を活かして英語でコミュニケーションをした経験をアピールすることをおすすめします。
英語を「話す力」と「聞く力」を実践的に磨く方法はいろいろありますが、たとえばToastmastersなどのクラブに参加することもおすすめです。
スピーチコンテストやディベートなどに挑戦してみるのも良いですね。
③TOEICのスコアはあくまでコミュニケーションツールと捉えて伝える
英語とは、コミュニケーションのための1つのツールです。そのため、特に外資系企業や国際機関などでは、英語力があるというだけではアピールにはなりにくいです。
「英語力を活かして企業で何をしたいのか」「TOEICの勉強を通して学んだ海外の価値観を仕事でどう活かすのか」を明確にして伝えると良いです。たとえば「TOEIC〇点の英語力を活かして世界中に愛される商品の開発に携わりたいです」と伝えましょう。
TOEICは最低でも600点以上を取得し、就職の選択肢を広げ勝ち進もう
就職活動を有利に進めるなら、TOEICを受けておくと安心です。最低でも、基本的な英語力の証明として600点以上のスコアがあると良いです。
中には「TOEIC〇点以上取得」とスコアを募集要項に設定している企業もあります。
TOEICのスコアを持っておくことで就職先の選択肢が広がるので、納得のいくキャリアを見つけるためにもスコアを獲得し、就職活動を有利に進めましょう。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見るTOEICのスコアを取得すると就職後に有効活用できる
インターネットやSNSの活用が当たり前になっている現代は、就職の際に英語とは無縁の企業に入社したつもりでも、ある日突然外資系企業に買収されたり、経営方針が変わり海外企業との取引を始めたり、海外進出の担当部署に異動になったりする可能性も十分に考えられます。
語学力は一朝一夕には上達しないため、世界の公用語である英語のコミュニケーション能力を養っておくことは、将来無駄にはなりません。
TOEICを活かしてしたいことに主眼を置いてアピールしよう
ただし、TOEICで仮に満点が取れたとしても、だからといって誰もがネイティブと同じように流暢に話ができるわけではありません。
逆に、スコア自体は800点前後だったとしても、英語によるコミュニケーションで業務を有効に進められる人もいます。
つまり、TOEICのスコアはあくまでも目安です。
大切なのは、英語をコミュニケーションの手段として何をしたいのか。そして、その目標となるキャリアビジョンを実現するために、どの程度のスコアが最低限必要なのかを知り、自分の現在地との差分を測るという意味で、TOEICを就活に活用してくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役
Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細