秘書検定は就職に活かせる! 取得メリットやアピール方法を徹底解説

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この記事にコメントしたアドバイザー

  • 岩﨑 千夏

    HR&Sパートナーズ代表/人事採用コンサルタント 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント SNS:X(旧Twitter)/ブログ

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  • 柴田 登子

    libero firm代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号16034907)/2級キャリアコンサルティング技能士(第21S17401472号)/公認心理師(登録番号:55348)/トーストマスターズインターナショナル日本語スピーチコンテスト全国1位(2013、2019年) SNS:Facebook

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  • 隈本 稔

    職りんく運営者 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号19041711)/性格応用心理士1級/キャリア・デベロップメント・アドバイザー SNS:Facebook

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この記事のまとめ

  • 秘書検定は社会人として基本的なスキルが出題されるため就職に役立つ
  • 秘書検定の内容は面接などの選考の場でも活かすことができる
  • 比較的取りやすい資格なので、アピール方法や面接の場では注意が必要
  • この記事を読んでいる人におすすめ

  • 自己分析ツール

    たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!

就活を有利に進めていくために資格の取得を目指す人は多くいますが、その中でも人気なのが秘書検定。

就活に向けて取得する学生も多い一方、秘書になりたいわけではないので実際にどのように活かすことができるのかわからなかったり、何級を目指して、どのように勉強を進めていけば良いか不安な人もいるのではないでしょうか。

この記事では、キャリアアドバイザーの岩﨑さん、柴田さん、隈本さんのアドバイスを交えつつ、これから秘書検定を取得したいと考える人向けに、取得のメリットや勉強方法、実際の問題について、解説していきます。

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秘書検定を取得すれば自信を持って就職活動を進められるようになる!

電話の応対方法やメールでの適切な文章、敬語といったビジネスマナーを習得できる秘書検定は、就活の面接などでも活かすことができます。また、独学での習得が可能なので、学生にも人気の資格となっています。

この記事では、まず秘書検定の概要について解説します。何級があり、合格率はどのくらいなのかなど、基本的な情報について押さえていきましょう。そのうえで、秘書検定の取得におすすめな人や取得のメリットについて解説していきます。取得を悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

加えて、独学での取得に向けて、おすすめの勉強方法や実際の問題も解説していきます。勉強時間の確保や勉強方法に悩んでいる人は参考にしてくださいね。

また、秘書検定は取得して終わりではありません。取得後、就活でアピールしていくためにもアピール方法や注意したい点について解説していきます。秘書検定を取得して、最大限に活かしていくためにも参考にしていきましょう。

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秘書検定とは?

秘書検定とは

社会に出て働く人が押さえておくべき基本的な常識が問われる検定

秘書検定は、基本的には秘書に求められるスキルを習得できる資格です。しかし、一般常識やビジネスマナーなど、社会人として一般的に求められる知識などがほとんどであることから、学生や社会人1年目の人など、秘書を志望しない人でも役立つ資格です。

まずは次で解説する試験概要や級位、合格率など、秘書検定に関する基本的なことを押さえていきましょう。

試験概要

秘書検定は、公益財団法人実務技能検定協会が実施する文部科学省が後援する資格です。

受検資格はなく、基本的に誰でも受検することができます。また、試験会場は全国各地にあります。資格によっては受検条件があったり、試験会場も主要都市にしかない場合があるので、多くの人が受けやすい資格であるといえます。

一方で、級位がいくつかあり、級位によっては受検料や試験時間、受検場所が異なります。

4つの級位に分かれる

秘書検定は「1級」「準1級」「2級」「3級」の4つの級位に分かれ、それぞれ試験時間や受検料、年間でおこなわれる実施回数が異なります

級位実施回数
3級・2級年3回(2月・6月・11月)
準1級・1級年2回(6月・11月)
実施回数
級位筆記試験の試験時間
3級120分
2級130分
準1級140分
1級150分
筆記試験の試験時間

3級・2級は年に3回おこなわれますが、準1級・1級は年間で受検できるチャンスは2回となっています。また、級位が上がるにつれて試験時間は長くなっていきます。

級位受検料
3級¥2,800
2級¥4,100
準1級¥5,300
1級¥6,500
準1・2級¥5,300
2・3級¥6,900
受検料

試験時間同様に受検料についても級位が上がるにつれて高くなりますが、受検に際し、2つの級まで併願することができるので、「2級と3級」「準1・2級」といったように、一度に受検すると費用を抑えることができますよ。

岩﨑 千夏

プロフィール

秘書検定は、複数の級を同時に受検することが可能です。はじめはおそらく3級から受検することになりますが、3級では就活のアピール材料としては弱いため、2級も併願するパターンになるかと思います。履歴書記載は2級以上の合格が理想ですね。

就活を意識しだしてからの受検となるとマナーを身につけるための受検者も多いことでしょう。

1級と準1級は実技試験がある

1級と準1級は試験時間が長いですが、この2つの級位に関しては筆記試験に合格すると二次試験があります。

二次試験では、面接試験がおこなわれ、振る舞いやしぐさ、言葉遣いなどビジネスマナーに関するロールプレイングをおこない、過程を審査されています。

「きちんとしているか」「丁寧であるか」「明るくイキイキしているか」などが評価され、合否が決まります

アドバイザーコメント

秘書検定も就活の面接も、第一印象が重要

就活で外せないのは面接試験ですね。何次面接であるか、企業のカラーや面接官のタイプなどでも異なるかと思いますが、秘書検定の実技試験と見られているポイントがある程度近しいと言えます。

新卒採用は「今どんなところで企業に利益をもたらすことができるか」ではなく「将来自社に貢献してくれる可能性が高いかどうか」という長期目線で見ているので、面接での所作や滲み出る人柄は合否に大きく影響します。

この所作や第一印象が好意的に受け取られるかどうかは、秘書検定と就活の面接の重なる部分ではないでしょうか。

逆に言えば、秘書検定で意識している部分をそのままスライドして就活にも活かせるということです。

秘書検定は本番で実力を発揮する練習になる

さらに、就活における面接では、模擬練習をおこなうことはできても、やはり本番の空気感、かかるプレッシャーは異なります。秘書検定によって何かしらの「本番」を経験しておくことは非常に有利に働くのではないかと思います。

これもある程度の難易度があってこそなので、準1級や1級を受検し、なおかつ合格するというレベルまでもってこれるのは誇りに思っていいことです。乗り越えることによって自信もつきます。

本番の緊張感の中で、明るい人柄であったり丁寧なふるまいを発揮することはどちらの試験でも必要なところなので、事前に経験できるのならポジティブにとらえましょう。

合格率

級位合格率
3級約71%
2級約60%
準1級約36%
1級約27%
合格率(2021年6月時点)

秘書検定に限らずですが、級位があがるにつれて合格率は下がります。普通自動車免許の合格率が75%と言われているので、それと比較すると3級や2級の難易度はそこまで高くないことが伺えます。

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就職に向けた秘書検定の取得がおすすめな人の特徴

先ほど解説したように秘書検定は秘書を目指す人以外にも、社会人として基本的なスキルを習得できることから、学生や社会人1年目が多く受検します。

特に学生の場合、資格を持っていることで「履歴書に書ける」といったメリットだけではなく、就活における選考での立ち回りにもプラスに作用します。まだ取得するか悩んでいる人は次で解説する内容を参考にしてみましょう。

社会人として働くことに不安がある人

社会人として働くことに対して不安がある人の多くは、「働くイメージが湧かない」「うまくやっていけるか不安」といった悩みを抱えているのではないでしょうか。

こういった不安のほとんどは社会人経験を積んでいないから起こるものですが、秘書検定は社会人としての基礎的なスキルや知識を習得することができるので、取得することで働くことをより明確にイメージできます

社会人に不安があることから就職したくないと感じる人も多くいます。次の記事では、「就職したくない」と感じる人向けに、対処法などを解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
就職したくないと悩むあなたへの解決案|悩みの原因と対処法を解説

面接での立ち回りに不安がある人

面接ではビジネスマナーなど、これまでの学生生活ではなじみのない立ち振る舞いや所作を求められます。面接で求められるビジネスマナーは主に次のようなものがあります。

面接で求められるビジネスマナー

  • 身だしなみ(服装、髪型)
  • 所作(お辞儀の角度、ドアの閉め方など)
  • 言葉遣い

柴田 登子

プロフィール

学校ではこれまで注意されることがなかった所作にも、社会人になると適切ではないと指摘されるものが多々あります。たとえば、学生は話すときに顔や髪を触ったり、ペンを回したりしがちですが、ビジネスの場では不適切です。

面接官も「学生だから仕方ない」という人ばかりではないので気をつけるようにしましょう。

これらはどこかで習うわけではないので、自分で調べたりするなどして、実践していますが、どこまで対策をするべきなのか基準点が曖昧です。

そのため、秘書検定の取得を通して、実際に求められるレベルまで把握することで面接においても自信を持って臨めるようになるのです

社会人と接する機会が少ないからこそ、面接は不安に感じてしまうこともあります。次の記事では、「面接が怖い」と感じてしまう人向けに対処方法などを解説しています。参考にしてみてください。
「面接が怖い」は誰しも同じ! 恐怖を克服する対策18選

面接で求められるマナーは対策の有無で評価に大きな影響を与えます。次の記事では、対面・Webのそれぞれで求められる面接のマナーについて解説しています。参考にしてみてください。
面接マナーを攻略! 不合格を避ける基本からWeb対策まで完全網羅

選考や入社後が不安な人必見! 就職における秘書検定取得のメリット

就活における秘書検定取得のメリット

先ほど解説したように、秘書検定は秘書を志望する人だけではなく、社会人として働くことに不安を抱えている人や面接などの就活に不安を抱えている人におすすめの資格です。

秘書検定取得によるメリットはさまざま存在しますが、大きくは「就活で活かすことができるスキル」と「入社後に活かすことができるスキル」の2つに分けられます。それぞれ次で詳しく解説するので参考にしてみてくださいね。

就活で活かせるスキル

履歴書やエントリーシート(ES)の資格欄に秘書検定の取得を記載し、アピールすることももちろんできますが、実際に面接の場で活かすことができるスキルもあります。

面接などの選考で好印象を与えることができる

秘書検定は「表情」「態度」「振る舞い」「言葉遣い」「話し方」といった人柄を構成する要素を通じて、相手に良い印象を与える方法について出題されています

たとえば、「相手が感じ良いと思える振る舞い方」や「相手に好印象を与える話し方」などが挙げられます。

面接では採用担当者や面接官などに対して、「良い印象」を与えることが不可欠です。そのため、面接などを通して、好印象を与えるために秘書検定で習得したことは活かすことができるのです。

面接では「メラビアンの法則」にあるように、振る舞いを含めた外見や声の調子で9割ほどの印象が決まってしまいます。第一印象が悪いと覆すのに苦労するので、マナーを習得して面接に臨むのは非常に有効です。

企業とのやり取りをスムーズにおこなうことができる

就活では、選考通過後のお礼や面接の日程変更などで、企業に対してメールや電話をする機会があります。これまでの家族や友人とのやり取りとは異なり、メールや電話にもマナーが存在します。

秘書検定では、ビジネスにおける電話の応対方法やメールの文章における適切な使い方などが出題されるため、取得を通してこれらを学ぶことができます。そして、学んだことを実際の就活でも活かすことができるというメリットがあるのです。

メールでのやり取りの内容や電話での応対は、選考での評価対象に含まれるのでしょうか?

岩﨑 千夏

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非常識な対応や失礼な態度は悪い評価をされる可能性大

全くないとは言えませんが、大きく加点・減点になるとは考えにくいです。

特に新卒採用で重視しているのは即戦力となるスキルや対応力ではなく、「明るさ、素直さ、愛嬌」などです。そのため、みなさんが思う以上にスキルは関係ありません。スキルが必要であれば、新卒ではなく中途を採用しますよね。

とはいっても、あまりに非常識な対応や失礼な態度は印象が悪くなるばかりでなく、人事の裁量でこれ以降の選考は受けさせられないという判断にもなりかねません。

秘書検定の上位級を取るかどうかではなく、最低限のマナーを身につけておくだけで十分かと思います。

合否通知への返信メールは返信の仕方によっては悪印象を与えてしまいます。次の記事では書類選考結果の返信メールについて、注意点や構成などを例文付きで解説しています。参考にしてみましょう。
返信次第で悪印象? 書類選考結果の返信メールを例文付きで解説

自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!

自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。

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入社後に活かせるスキル

秘書検定の問題は社会人として必要な常識やスキルについて、実際の業務を想定した形式で出題されます。

社会人に不安を抱える人は多くいるかと思いますが、秘書検定の取得を通して学習した内容は入社後に活用することができます。入社後に活かすことができるスキルは次が挙げられるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

文書や電話対応の技術が身に付く

大学のレポートでも形式や文書の書き方は決まりがあったりしますが、ビジネスの世界では少しのミスが売上などを左右することもあるので、適切な作成方法や作成術の習得は必須です

先ほど解説したように、ビジネスにおけるメールや電話での応対方法に加え、秘書検定では会議の議事録や営業などで使用する提案書など文書の適切な作成方法についての出題があります。

そのため、秘書検定の取得は正しい文書の作成術を学ぶことができるというメリットがあります。

岩﨑 千夏

プロフィール

会社の番号にかかってきた電話は新卒社員がとるというルールがある企業も少なくありません。クレームや同業者、問合せなど、用件はさまざまです。まさに会社の顔となるので、きちんとしたマナーを身につけていれば会社の印象もよくなります。

文書を作成する場面も数多く、前例のないものを起案することもあるかと思いますが、中身の前に書き方のルールに沿っていないものは読んでももらえないことがあるので、最低限のマナーやルールを身につけていることも必要ですね。

仕事を進める際の適切な対応が学べる

前提として、秘書検定は、名前の通り秘書としての能力が問われる試験です。

秘書の主な業務

  • 上司の身の回りの世話やメール・電話の応対
  • 来客の接遇
  • スケジュール管理
  • 書類・原稿作成など

そのため、秘書検定では上司が気持ちよく働くことができるように気を利かせた業務の進め方や効率的な業務の進め方、業務の優先度の立て方など、実際の業務を想定した問題が出題されます

また、一般的にビジネスの世界で当たり前とされている資格なので、秘書ではなくても入社後にもちろん活かすことができますよ。

仕事の進め方は、社会人になってから習得すればいいのかなと感じるのですが、学生のうちに仕事の進め方を学んでおくメリットは何があるのでしょうか?

柴田 登子

プロフィール

マルチタスクを効率よくこなすことができる

仕事の進め方を早めに身に付けておくと、学生のうちにも大きなメリットがあります。

たとえば、みなさんはこれから卒論に取り組みつつ、アルバイトや就職後の準備をするといった忙しい日々を迎えます。これらのマルチタスクを効率よくこなすために今のうちに仕事の進め方を身に付けておくとよいでしょう。

また、仕事の進め方はすぐに身につくわけではないので、今から少しずつ取り組んでおけば会社に入ってからスムーズに業務を進めることができます。

就職に有利な資格は秘書検定以外にもいくつか存在します。次の記事では、業界や状況別におすすめの資格を紹介しているので、ほかの資格も検討している人は参考にしてみましょう。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説

まずは秘書検定2級の取得を目指そう

秘書検定の級位は「1級」「準1級」「2級」「3級」の4つに分かれますが、就活で活かすのであれば、まずは2級の取得を目指していきましょう。

秘書検定は実際の業務を想定したケース問題が多くありますが、2級では3級よりも少し複雑な業務の場面設定がされています。そのため、社会人の受検が多いですが、同様に就活を意識した大学生も多く受検しています。

試験内容は筆記試験のみで年3回のチャンスがありますが、合格できるか不安な人や就活で活かすために受検するとなるとチャンスが限られている人は、3級との併願での受検も検討してみてくださいね。

秘書検定は独学で取得することができる

学生の皆さんは就活だけではなく、大学の授業やアルバイトなどやるべきことがたくさんある人も多いのではないでしょうか。

先ほど解説したように、秘書検定を就活で活かしていくためには2級の取得がおすすめですが、2級は合格率が約60%で、筆記試験のみなので独学での取得も十分に可能なレベルです。次で解説する勉強時間やおすすめの書籍を参考に、独学での取得を目指してみましょう。

独学の場合の勉強時間の目安

秘書検定2級の取得に必要な勉強時間は30〜50時間と言われています。そのため、1日1時間程度の勉強時間を確保できるのであれば、1ヶ月間の勉強期間で取得できます。

年に3回あるチャンスの中から就活でアピールすることを想定して、受検日を選択し、受検日から逆算して、1日あたりの勉強時間を考えてみましょう

確実に合格するためには資格予備校に通った方がいいのでしょうか?

準1級以上であれば予備校に通って確実に合格を目指そう

秘書検定の準1級以上を目指すならば、予備校に通う方がいいでしょう。

秘書検定は2級までは筆記試験のみですが、準1級からは面接試験があります。面接試験はロールプレイング形式なので、ただ単に知識があるだけでは対応が難しい面があります。

もちろん、2級でも就職活動の限られた時間内で確実に合格したいならば、予備校を選択するのもありです。

資格予備校に通うことで、試験対策を効率的にできるのはもちろん、自分以外の参加者との交流があるため、試験に対する意欲が湧きやすくなります。

独学におすすめの参考書

独学の場合は、参考書の選定が肝心です。

参考書の選定基準

  • わかりやすい
  • 基本的な内容が解説されている
  • 問題集とセットになっている
  • 問題集の解説が詳しく書いてある
  • 出版社・著者の信頼性が高い
  • 最終改訂が最新

基本的な解説がなされているかやわかりやすさは、第一に重視していきましょう

独学で資格の取得を進めていく中で、理解度を深めるために問題集を解くことがあります。そのため、問題集がセットになっている参考書を選定しましょう。理解度を深めるためにも解説の内容がわかりやすいものを選ぶのがおすすめですよ。

加えて、出版社・著者についてはAmazonなどに記載があるのでしっかりと確認して、信頼度や口コミ評価の高い著者や出版社の参考書を選定していきましょう。

また、ビジネスの世界における常識が時代に合わせて変化しています。それに合わせて、秘書検定の試験内容も常に変化しているので、参考書はなるべく最終改訂の新しいものを選定するようにしましょう。

秘書検定以外にも独学で取得できる取りやすい資格は存在します。次の記事では、取りやすい資格についていくつか解説したうえで選定方法や勉強方法について解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説

独学で秘書検定を取得する際の勉強方法

闇雲に勉強を進めても意味がありません。特に独学の場合、計画的に勉強を進めていく必要があります。

次では具体的な勉強の進め方について解説していくので、参考にしてみてください。

スケジュールを決める

資格取得に向けたスケジュールの立て方

受検日から逆算して、1日あたりどのくらいの勉強時間を確保する必要があるか考えてみましょう

たとえば、2月におこなわれる試験に対して、残りの日数が40日の場合、秘書検定2級の取得に必要な勉強時間は50時間と考えると1日あたり1.3〜1.5時間程度必要です。

また、1週間ごとに到達度を決めていきましょう。試験に合格することが目標だとした場合、最終目標のために今何をするべきかを明確にする必要があります。

短期的に到達目標を決めて取り組むことで、やるべきことが明確になり、モチベーションを保ちやすいというメリットがありますよ。

アドバイザーコメント

多忙な就活に備えて余裕のあるスケジュールを立てよう

資格試験のために問題集に取り組むときは、そのスケジュールをできるだけ詰め込んでおくようにしましょう。たとえば、問題集を3周やるぐらいが合格ラインだとすると、5周を予定しておくのです。

就職活動中は何かと忙しく、予期せぬアポイントがどんどん舞い込んでくるものです。合格ギリギリの予定を立ててしまっては、試験当日までに最低限の学習ができていないという事態に追い込まれるかもしれません。

ですから、初めから問題集をやり込む量を多めに取り、時間のある時に先食いできるようにしておくのです。そうすると、不意の予定で勉強できない日があって当初の予定を完遂できていなくても、試験当日までに問題集を3周こなせている、といった具合になります。

余裕を持ったスケジュールをこなすことで自信につながる

このようにしておけば直前に焦らずにすみますし、当初の予定通り問題集を5周こなせていれば、より合格も近くなります。「このぐらいやっておけば大丈夫」よりも多めの予定を立てて学習するようにしましょう。

ただし、余裕を持たせたスケジュールだからちょっとぐらいノルマがこなせていなくても大丈夫、などと考えず、あくまで予定通りこなしていくことが大切です。

あなたが受けない方がいい職業を確認して下さい

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

問題集や過去問などで多くの問題を解く

問題集や過去問は何冊も選ばずに、1冊を完璧にするようにしましょう。1回解いて終わりにするのではなく、何周も繰り返し解きましょう。何周もすることによって、知識を定着させることができます。

最低でも2周、可能であれば3周以上するのが良いです。1周目は通常通りに進め、2周目以降は苦手分野を中心に解いていくことがおすすめですよ。

アプリやサイトを活用する

就活や大学の授業、アルバイトなどと両立させて、効率的に学習を進めていくためにも隙間時間を活用していきましょう。隙間時間での勉強方法におすすめなのがアプリやサイトです。

アプリやサイトは時間や場所に捉われず、好きなタイミングで学習を進めることができます。そのため、電車での移動中や寝る前の30分といった時間でも勉強することができますよ。

秘書検定取得におすすめのアプリ

柴田 登子

プロフィール

効率良く勉強する方法として、覚えなければならない用語を目につきやすいように紙に書いて、トイレの壁に貼っておくのもおすすめです。

何気ない時間を過ごすときに視野に入れておくと、覚えにくかったことも無意識のうちに記憶することができます。なるべく大きくハッキリした文字で書くことがコツです。

秘書検定の問題例5選

秘書検定の問題例5選

  • 必要とされる資質
  • 職務知識
  • 一般知識
  • マナー・接遇
  • 技能

秘書検定は「必要とされる資質」「職務知識」「一般知識」と呼ばれる理論領域と「マナー・接遇」「技能」と呼ばれる実技領域から出題されます。それぞれの領域で60%以上の正答率が必要です。

次では、級位別で実際に出題された問題を抜粋して紹介していくので、現時点で自分がどのくらい回答できるか、試しに解いてみましょう。

①必要とされる資質

「必要とされる資質」とは、上司が効率よく働くことができるような秘書としての立ち回りや身だしなみ、クレーム対応などがあげられます

「必要とされる資質」の問題では実際の業務における場面を想定した質問がされます。次で紹介していくので参考にしてみてください。

3級レベルの問題

上司の携帯電話の番号を聞かれたら

秘書Aは上司の外出中に取引先からの電話を取った。上司に至急知らせたいことがあるので携帯電話の番号を教えてもらいたいというが、上司の番号は限られた関係者以外には教えないことになっている。

このような場合、秘書Aはどのように言うのが良いか。次の中から適当と思われるものを一つ選びなさい。

選択肢

  1. 「他の人には教えないと約束するのなら教える」という。
  2. 「内容によっては教えるので、詳しいことを聞かせてもらいたい」という。
  3. 「教えないことになっているので、上司が戻るまで待ってもらいたい」という。
  4. 「上司に連絡を取って電話するよう伝えるので、少し待ってもらえないか」という。
  5. 「上司の許可がないと教えられないことになっているので、了承してもらいたい」という。

回答

答え:

【解説】
上司の携帯電話の番号は関係者以外には教えないことになっているのだから、至急知らせたいことがあると言われても教えることはできません。そのため、このような場合は、上司から連絡をするようにAが仲介する④の対応が適当です。

2級レベルの問題

取引先からの苦情の対応

部長秘書Aは上司の出張中に、取引先のU氏からの電話を受けた。迷惑を被った仕事のことで直接部長と話したいと、かなり気分を害している様子である。上司の出社は明後日の予定である。

このような場合、上司は出張中といってから、どのように対応するのが良いか。次の中から適当と思われるものを一つ選びなさい。

選択肢

  1. 「出社は明後日の予定なので、明後日改めて電話をもらえないか」という。
  2. 「自分が出張中の上司に伝えるので、詳しく聞かせてもらえないか」という。
  3. 「課長なら事情がわかるかもしれないので、課長に電話を代わろうか」という。
  4. 「事情が事情なので、連絡先を教えるからそこへ電話してもらえないか」という。
  5. 「出張先に連絡をして、上司からU氏に電話するよう伝える。それで良いか」という。

回答

答え:

【解説】
取引先から迷惑を被ったことで直接話したいと言われたら、そのように取り持つのがこの場合のAの役目です。出張中の上司の都合もあろうが、このような対応は早くしないといけません。そのため、上司から電話するよう伝えるというのが適当です。

準1級レベルの問題

上司の帰社予定が変わったときは

秘書Aが朝出社すると、今日の昼ごろ出張から戻る予定の上司(部長)から、「飛行機の欠航で帰社が夕方になる」と電話があった。上司は今日、14時から部長会議、夜は業界団体の会合に出席する予定になっている。

次は、このときAがおこなった対処の仕方である。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。

選択肢

  1. 部長会議の担当部長の秘書に連絡し、事情を話して上司は欠席するのでよろしくと伝えた。
  2. 業界団体の会合には出席できそうなので、事務局に電話して、出張から帰ってすぐ出席すると伝えておいた。
  3. 不意に訪れた上司の友人に、上司は夕方に戻るがその後に予定が入っている、と事情を話して出直してくれるように頼んだ。
  4. 上司と打ち合わせがしたいといってきた上司の部下に、上司の帰社は夕方になり、その後に予定があるがどうするかとたずねた。
  5. 上司に相談したいことがあるので今日面談したいという取引先からの電話に、今日は立て込んでいるので難しいと思うといって承知してもらった。

回答

答え:

【解説】
上司の帰社予定が変わったのだから、それにともなって予定に変更が出れば対処が必要となります。業界団体の会合は、夜なので間に合うでしょう。遅れたり欠席したりすることになれば連絡が必要ですが、予定通りであれば連絡の必要はないので不適当です。

1級レベルの問題

上司の機嫌が悪いときの対処法

秘書Aは他部署の秘書Dから、近ごろ上司の機嫌が悪くて困っていると相談を持ち掛けられた。そのためDは、上司に伝えたいことも思うように伝えられないことがあるという。

このような場合、AはDにどのようなアドバイスをすれば良いか。箇条書きで四つ答えなさい。

回答

答え:

1.Dの方に、上司の機嫌を悪くする原因がないか振り返る。
2.伝えたいことをメモにして渡すのも一つの方法である。
3.上司の機嫌が悪いことを意識し過ぎないで、平常通りの態度で接するようにする。
4.上司が不機嫌になるのはどのようなときか、状況をつかむように努める。

②職務知識

職務知識とは、クレーム対応の方法や突発的な対応の方法など、物事のとらえ方や行動の仕方についてが出題されます。暗記学習ではなく、物事の捉え方を理解して臨む必要があります

職務知識も実際の業務における場面を想定した質問がされるので、繰り返し問題を解いて、出題の傾向をつかんでいきましょう。

2級レベルの問題

無言電話への対応の仕方

秘書Aが電話を取って名乗っても相手は何も言わず、「どちらさまですか」とたずねても無言のことがある。

このような場合、Aはどのようにすれば良いか。次の中から適当と思われるものを一つ選びなさい。

選択肢

  1. 人が代われば何か言うかもしれないので、近くの人に代わって出てもらうのが良い。
  2. 相手は何も言わないのだから、声が聞こえないので切らせてもらうといって切るのが良い。
  3. 相手はこちらの出方をうかがうような失礼なことをしているのだから、すぐに切って良い。
  4. 相手は携帯電話の電波の状態が悪いのかもしれないので、つながるまで気長に待つのが良い。
  5. 誰かとたずねても何も言わないのだから、それ以上は言わずに黙って少し待ってから切れば良い。

回答

答え:

【解説】
相手が何も言わないのは、電波の状態が悪いかいたずらなどが考えられます。いずれにしても切るほかないが、相手には聞こえているかもしれないので、②のように言って切るのが適当です。

2級レベルの問題

電子メールの適切な使い方

部長秘書Aが電子メールで連絡した例である。中から不適当と思われるものを一つ選ぶ。

選択肢

  1. 部員全員に、取引先の新任担当者の氏名などを連絡した。
  2. 社内の関係者に、上司が来週末出張することを連絡した。
  3. 部内定例会のメンバー全員に、次回の日時とテーマを連絡した。
  4. 終業時間を過ぎたが打ち合わせから戻ってこない上司に、先に退社すると連絡した。
  5. 少し前に傘を忘れて帰った客の携帯に電話をしたが、出なかったので携帯メールに連絡した。

回答

答え:

【解説】
このような内容は、上司が自席に戻ったときすぐにわかるように、メモに書いて残すなどが適切な連絡の仕方です。そのため、メールは開かなければわからないので④が不適当になります。

準1級レベルの問題

取引先へのあいさつ回り

秘書Aの上司が取締役に就任することが決まり、取引先にあいさつ回りをすることになった。

次はAが上司から、その準備をするように指示されておこなったことである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。

選択肢

  1. 新しい役職の名刺を、あいさつ回りに間に合うように急いで手配した。
  2. あいさつ回りをする取引先のリストを作り、運転手と相談してスケジュールを作成した。
  3. 社内の関係者と取引先に、上司のあいさつ回りの順番を連絡した。
  4. あいさつに行く取引先についての情報を、担当者から集めて整理し、上司に渡した。
  5. あいさつ回りで留守にするときの、業務代行者を上司に確認した。

回答

答え:

【解説】
あいさつ回りの順番は、こちらの事情で決めるものです。外部に連絡すれば、こちらの取引状況などの内部事情がわかってしまいます。社内の関係者に連絡するのは当然だが、取引先に連絡するなどは不適当です。

1級レベルの問題

上司の急な出張への対応

秘書Aは上司(営業部長)の外出中に、急に出張することになった上司の出張準備をしていた。そこへ他部署のK部長が訪ねてきた。上司が外出中というと、「営業部長はどこに出張するのか」と聞かれた。その出張は誰にも知らされていないはずだが、K部長は知っているようだ。

このような場合Aは、どのように対応すれば良いか。順を追って箇条書きで答えなさい。

選択肢

  1. 出張先について、詳しいことは知らされていないという。
  2. 上司を訪ねてきたことに対しては、用事があれば聞いておいて、上司が戻ったら伝える。または、上司に確認して返事をするという。
  3. 上司が戻ったら、K部長のことを伝えて対応する。
  4. 上司に、今後このようなことがあった場合には、どのように対応すれば良いか確認しておく。

解説

答え:
1.出張先について,詳しいことは知らされていないと言う。
2.上司を訪ねてきたことに対しては,用事があれば聞いておいて,上司が戻ったら伝える。または,上司に確認して返事をすると言う。
3.上司が戻ったら,K部長のことを伝えて対応する。
4.上司に,今後このようなことがあった場合には,どのように対応すればよいか確認しておく。  

【解説】
この場合、上司の出張についてK部長は知っているようだとしても、Aは知らないこととして対応するのが良いことになります。後は、外出中の上司を訪ねてきた他部署の部長に対する通常の対応を答えれば良いでしょう。

③一般知識

一般知識とは、経営用語や法律用語、財務用語、カタカナ用語などビジネスで用いられる用語などが出題されます。基本的に暗記問題となるので、英単語のように単語を覚えていきましょう。

3級レベルの問題

用語とその意味の正しい組み合わせ

次は用語とその意味(訳語)の組み合わせである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。

選択肢

  1. オフィシャル = 公式
  2. スタンダード = 標準
  3. デッドライン = 最前線
  4. イレギュラー = 不規則
  5. タイムアップ = 時間切れ

回答

答え:

【解説】
「デッドライン」とは、最終期限などのことです。

2級レベルの問題

正しい用語の説明

次は用語とその意味(訳語)の組み合わせである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。

選択肢

  1. 「知的財産」とは、企業の中で特に能力の高い人材のことである。
  2. 「上場会社」とは、株式が証券取引所で取引されている会社のことである。
  3. 「市場シェア」とは、市場において製品などの販売数量が占める割合のことである。
  4. 「ベンチャービジネス」とは、新分野で創造的、革新的な経営をおこなう企業のことである。
  5. 「金融緩和」とは、景気回復のために金利の引き下げや資金供給量の増加をおこなうことである。

回答

答え:

【解説】
「知的財産」とは、知的創作活動の成果として得られる特許、著作、商標、意匠などの無形で財産的価値のあるもののことです。

準1級レベルの問題

正しい用語の説明

次は用語とその意味(訳語)の組み合わせである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。

選択肢

  1. 「直接税」とは、納税者と税の負担者が同じ、たとえば所得税などのことである。
  2. 「可処分所得」とは、所得税を計算するとき課税対象とならない所得のことである。
  3. 「累進課税」とは、所得金額が大きくなるほど税率が高くなる課税方式のことである。
  4. 「確定申告」とは、その年に納めるべき所得税を計算して税務署に報告することである。
  5. 「源泉徴収」とは、給与などを支払うときその金額から所得税などを天引きすることである。

回答

答え:

【解説】
「可処分所得」とは、個人所得から税金や保険料などを差し引いた後の自由に使える所得のことです。

1級レベルの問題

ビジネス用語の説明

次の用語を簡単に説明しなさい。

①シナジー効果
②ニッチビジネス
③ステークホルダー
④イニシャルコスト

解答

答え:
①二つ以上のものが相互作用により効果を高めること。
②他の企業が進出していない分野の事業のこと。
③企業などに利害関係を持つ人や組織のこと。
④新規事業開始までに掛かる技術開発費や機械・設備の導入費などのこと。

④マナー・接遇

マナー・接遇とは、敬語の使い方や電話での話し方、接遇方法などのビジネスマナーに関する出題がなされます。実際に1人で口に出して練習するといったように、聴覚を使って練習していきましょう。

3級レベルの問題

正しい言葉遣いについて

次の「  」内は、山田部長秘書Aが来客に言ったことである。中から言葉遣いが不適当と思われるものを一つ選びなさい。

選択肢

  1. 行き先がどこなのかわからず迷っている客に 「どちらをお訪ねでしょうか」
  2. 上司との長い面談が終わって帰る客に 「お疲れさまでした。失礼します」
  3. 見知らぬ客に予約の有無をたずねるとき 「本日はご予約をいただいておりましたでしょうか」
  4. 上司の外出中に訪ねてきた客に 「山田は外出されていますが、いかがいたしましょうか」
  5. 上司をよく訪ねてくる客に 「いつも大変お世話になっておりまして、ありがとうございます」

回答

答え:

【解説】
「外出されて」は「外出して」の尊敬語です。この場合は、上司のことを来客に言うので不適当で、適切な言葉遣いは「外出いたして」などが挙げられます。

2級レベルの問題

祝儀袋の上書き

次は秘書Aが、水引が「ちょう結び」の祝儀袋に書いた上書きである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。

選択肢

  1. 御餞別
  2. 結婚御祝
  3. 築御祝
  4. 還暦御祝
  5. 御開業御祝

回答

答え:

【解説】
水引が「ちょう結び」の祝儀袋は、何度あっても良い祝いごとのときに使うものです。結婚は祝いごとだが、一度きりが良いので不適当です。結び切りの祝儀袋が良いということになります。

準1級レベルの問題

顔は覚えていても名前を思い出せない相手には

山田部長秘書A(田中)が自社の製品展示会の受付で来場者を見送っていたところ、その中の一人から、「また部長さんにお会いしたいと伝えてください」と言われた。Aはその人の顔は覚えているが名前を思い出せない。

このような場合、Aはどのように対応すれば良いか。次の中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。

選択肢

  1. 「山田に伝えるので、念のためご連絡先をお教えいただけますか」という。
  2. 「以前いただいたかもしれませんが、よろしければお名刺を頂戴できませんか」という。
  3. 「大変申し訳ございません。お名前を失念してしまいたのでお教えいただけませんか」という。
  4. 「山田に申し伝えますが、念のためお名前と前回はいつお目に掛かったかお教えいただけますか」という。
  5. 「かしこまりました。改めまして,私、山田の秘書の田中でございます」といって、自分の名刺を出し相手からも名刺をもらう。

回答

答え:

【解説】
顔は覚えていても名前がわからなければ上司に伝えることができません。そのため、念のためといって名前をたずねるのは良いですが、前回いつ会ったかまでたずねるのは余計なので不適当になります。

1級レベルの問題

忙しい時の誘いの断り方

秘書Aは、外出中の上司あての電話を受けた。上司の知人から、「たまには夕食でも一緒にどうか。都合はそちらに合わせる」という。Aがこのことを帰社した上司に伝えると、「支店のトラブルのことで今はそれどころではない。君から断っておいてくれないか」と言われた。

このような場合の断り方のポイントを、箇条書きで三つ答えなさい(「言葉遣い」に関すること以外)。

回答

答え:
①仕事が忙しいので今は時間がつくれないと断るが、トラブルのことは口外しない。
②誘ってくれたことへの礼やすまないということを、上司が言っていたこととして伝える。
③時間がつくれるようになったら、こちらから連絡するという。

⑤技能

ビジネスの場で使用する文書の形式や事務用品、オフィス環境の整備といった出題をされるのが技能です。技能も暗記科目となるので、一般知識同様に繰り返し問題を解いたりして、知識を定着させていきましょう

3級レベルの問題

適切なメールの件名

秘書Aの会社で創立記念式典をおこなった。それについてAは上司(総務部長)から、反省会をおこないたいので担当した人にメールで知らせるように指示された。

次は、このような場合のメールの件名である。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。

選択肢

  1. 創立記念式典の反省会について
  2. 創立記念式典の反省会について(連絡)
  3. 創立記念式典の反省会について(通知)
  4. 創立記念式典の反省会について(指示)
  5. 創立記念式典の反省会についてのお知らせ

回答

答え:

【解説】
メールの件名は、内容が一目でわかるようにするのが良いでしょう。この場合は、創立記念式典の反省会の開催を知らせるメールなので、Aが総務部長から指示されたことであっても、件名に「(指示)」とは書かないので不適当になります。

2級レベルの問題

時候のあいさつ

次は、社交文書などに用いる時候のあいさつの言葉である。下線部分の読み方と、一般的に用いる月を(  )内に答えなさい。

①歳晩の候
②初春の候
③盛夏の候

解答

答え:
①さいばん        12月
②はつはる・しょしゅん  1月
③せいか         7月

準1級レベルの問題

社交文書で使われる慣用表現

次の「  」内は、社交文書で使われる慣用表現である。中から下の(  )内の意味と違っていると思われるものを一つ選びなさい。

①「他事ながらご休心ください」 (私のことは気に掛けないでもらいたい)
②「詳細は拝眉の上,申し上げます」 (詳しくはよく考えてから話す)
③「本来ならば参上すべきところを」 (本当なら訪問しなければならないのに)
④「ご笑納くだされば幸甚に存じます」 (受け取ってくれるとありがたい)
⑤「もとより浅学非才の身ではございますが」 (もともと大した学識は持ち合わせていないが)

解答

答え:

【解説】
「拝眉の上」は、お会いしたときにという意味の慣用表現です。そのため、よく考えてからという意味ではないので②は不適当になります。

1級レベルの問題

上司の行動がスケジュール通りにいかないときは

上司の行動がスケジュール通りにいかないことがあるとすれば、それはどのようなときか。上司に原因があると想定したケースを二つ挙げなさい。また、スケジュール通りに行動してもらうにはどのようにすれば良いか。

想定したケースについての対応策をそれぞれ二つずつ答えなさい。

解答

答え:
①上司が予定を忘れたり、時間を気にしなかったりするとき。
a予定を都度、早めに念を押すようにする。
b予定が続いているときは、次の予定をメモして渡しておく。

②上司の体調がよくないとき。
a体調を確認して、負担が少なくなるようにスケジュールを組む。
b内容や前後の予定によっては、代理や延期などの調整を提案する。

【解説】
上司の行動がスケジュール通りにいかないときは、まず何が原因かを考え、それについて対応策を取る必要があります。ここでは、上司に原因があると想定する問いなので、それに対して、秘書としての対応策を具体的に答えることが適切でしょう。

問題抜粋
文部科学省後援 ビジネス系検定

就職に向けて秘書検定を取得した際の注意点

秘書検定は取得により社会人としての基礎知識を習得することができるので、入社後に活かせるだけではなく、面接でも活かすことができます。

ですが、資格保持をアピールする際は注意が必要です。資格取得により面接官からの期待値が高まったり、アピール方法によってはあまり印象を残すことができません。次で解説する方法を押さえて、適切なアピールをしていきましょう。

高い社会人基礎力が求められる

前述のように、秘書検定は社会人としての基礎的な知識やスキルを習得することができます。

そのため、面接官や採用担当者は「秘書検定を持っているから、ビジネスマナーなどは適切なのだろう」と考え、一つひとつの所作が当たり前にできると思われます。場合によっては、高いクオリティを求められることもあるでしょう。

ただ資格を持っているのではなく、資格を活かせていることをアピールできるように、面接対策はしっかりとおこないましょう。高いレベルは求められますが、しっかりとクリアできれば、採用担当者や面接官に良い印象を与え、周囲と差をつけることができますよ。

秘書検定を持っていることで、逆にマナーを意識し過ぎてしまうことがあります。面接はあくまでお互いのマッチ度を測る場であり、資格自体を評価されるわけではないので、相手の質問の意図を理解してしっかりと伝えることを意識しましょう。

面接対策をやりたいけど、やり方がわからないといった悩みは多くあります。次の記事では、面接練習の方法や注意点について解説しています。参考にしてみてくださいね。
効果絶大な面接練習|最短で内定に近づく状況別練習法を紹介

資格を持っていること自体は強いアピールにならない

秘書検定は資格取得のハードルが低いことから多くの学生が取得を目指しているため、資格を持っていること自体はあまりアピールにならない可能性があります。

前項で解説したように実際に面接の場で活かされているかもそうですが、資格をアピールする場合は、「取得した理由や背景」「取得までの努力の過程」という2点をアピールしていきましょう

具体的には次のようなものが挙げられます。

資格を取得した理由や背景

・社会人経験がないことからビジネスマナーをしっかりと習得したいと思い、取得した。
・入社後に必要なことを今のうちに押さえておきたかったので取得した。

自分が課題に感じていることを克服するために取得したといったように、なぜ自分が秘書検定を取得したのかを伝えていきましょう。

これをアピール材料にしない場合も、質問されることがあるので上記の観点から必ず面接までに言語化をおこなってください。

資格取得までの過程をアピールする際の例

・時間が限られていたため、合格から必要なことを逆算して洗い出して、スケジュールを1週間ごとに見直して進めていった。
・独学での学習だったので、同じ参考書をひたすら読み込んで完璧にしたり、移動時間にスマホを活用して勉強したりした。

資格取得までの過程をアピールする際は聞き手がイメージしやすいように具体的に伝えることがポイントです。置かれている状況に対して、工夫したことや意識したことを述べていきましょう。

アドバイザーコメント

面接では秘書検定が実際に役に立った経験を述べよう

秘書検定の資格をアピールする際は、あまり資格自体について強くアピールするのは避けましょう。面接時間は限られているので、特に資格取得の過程についてはあまり時間をかけないようにしましょう。

面接官は資格の取得という短期的な努力の過程よりも、「なぜその資格なのか」「資格を取ったことでどうなったのか」を知りたいと思っています。なぜなら、多くの資格の中から秘書検定を選んで取得にまで至った考え方が、実際に採用されて入社した後の行動イメージにつながるからです。

具体的な事例を述べられると良い

秘書検定を取得している多くの就活生が、面接で「社会人マナーを学ぶため」「入社後にも直接活かせるため」という答え方をします。面接官はこの答えに聞き飽きているので、実際に秘書検定で学んだことが役に立った具体的な事例を挙げるところまでをセットと考えておいてください。

そのため、秘書検定を取得したことによって実生活で活かせたことはもちろん、自分の強みをさらに伸ばせたことや、弱みを克服できたことなどを上手く関連付けながら重点的に説明しましょう。

秘書検定の自己PR例文3選

秘書検定はアピールする際に注意点がいくつかあります。次ではアピールしたい内容別に自己PRの例文を用意したので、参考にしてみてください。

①合格までの過程をアピールする場合

合格までの過程をアピールする場合

私の強みは、目標に対して逆算してやるべきことを明確にし、取り組んでいく「計画性」です。

私は大学3年生の時に秘書検定2級の取得を目指しました。通常1〜2ヶ月程度は必要な勉強時間に対して、試験まで残り3週間しかなく、勉強時間が限られていました。

そこで私はまずやるべきことを洗い出し、細かくスケジュールを作成し、1週間単位で到達度の目標を定めました。また、移動などのスキマ時間を活用して、学習を進めていった結果、合格することができました。

貴社に入社後は秘書検定資格で培った社会人としての効率の良い仕事の進め方や知識を活用しつつ、高い目標や難題に対してもやるべきことを明確にして、計画的に取り組んでいきます。

岩﨑 千夏

プロフィール

タスク管理や目標管理能力など長けている人だという印象を与えることができる例文ですね。

社会人になったときに「時間がない中で結果を出す」ことは求められることなので、再現性のあるやり方だと思います。

計画性の詳しい自己PR方法はこちらの記事で解説しているので、計画的に資格取得に励んだ経験をアピールしたい人は併せて参考にしてください。
例文10選|企業に刺さる「計画性」の自己PRは3ステップで完成!

②取得の背景をアピールする場合

取得の背景をアピールする場合

私の強みは現状に満足せず、常に上を目指していく「向上心」です。

私はアルバイトで、社会人や目上の人と話すことに苦手意識がありました。このままではいけないと思い、大学1年の冬に秘書検定の資格取得を目指しました。

この際に2級を取得することができたのですが、さらに上の資格を目指したいと思い、大学3年の春に1級を取得しました。

入社後も与えられた業務を全うすることはもちろんですが、現状に満足せず、常に向上心持って、高いレベルを目指していきます。

柴田 登子

プロフィール

自分の苦手なことをどう克服するか、取り組みやすい目標を立てて立ち向かう姿勢が伝えられています。

秘書検定の2級を取ったらひと安心、ではなくさらに1級を目指し「向上心」の強さをアピールできているのもよい点です。

③資格を活用した実績をアピールする場合

資格を活用した実績をアピールする場合

私の強みは「効率良く行動することができる」点です。

私は大学2年生の時にとある政治家の事務所でアルバイトをしていました。そこでは政治家の公設秘書のサポートをする役割だったのですが、公設秘書の方がスムーズに動くことができるように、先読みして必要な資料を事前に準備しておいたり、気持ちの良いコミュニケーションを心掛けました。

また、そこで必要なスキルを習得できると考え、秘書検定2級も取得しました。その結果、公設秘書の方からは「今までで一番仕事がやりやすい相手だった」といってもらうことができました。

私はこの経験から、入社後も常に相手の立場に立って物事を考え、効率よく行動し、貴社の利益に貢献していきます。

アルバイトの経験の中で自分が心がけて行動したことだけでなく、さらなるスキルアップのために資格を取得したという行動力がアピールできていると思います。

入社後に活躍できる点とも紐づいているので印象は良いでしょう。

秘書検定を取得し、社会人として必要なスキルを身に付けて選考を突破しよう!

一般的に資格の取得は就活でのアピール材料となることが多いですが、秘書検定は取得により、面接などの選考でも活かすことができる実践的なスキルを習得することができます。

そのため、学生にも人気の資格で難易度もそこまで高くないからこそ、資格取得をゴールにせず、しっかりと自分のスキルとして昇華させていく必要があります。

就活だけではなく社会人になっても活躍できるスキルを身につけるために、この記事で解説した勉強法やアピールの注意点を参考にして、秘書検定を取得してくださいね。

アドバイザーコメント

秘書検定を取得して得た経験を大切にしよう

秘書検定をはじめとするビジネス系の資格は入社後に直接役立つものが多く、採用する企業側からは社会人としての意識を持っていると評価されます。

秘書検定は2級以上がアピールできる最低ラインの資格なので、一般系な勉強時間は50時間とそれなりにかかりますが、就職活動から逆算して早めに取得しましょう。

秘書検定は、特に事務系就職を目指す就活生が取得している資格で、難易度が過度に高いものではないので取得者は多いと考えておきましょう。確実に合格を目指すならば、予備校を活用するなどの自己投資も必要です。

アピール材料としての取得は見抜かれる

就職活動でのアピール材料として秘書検定を取得する人も多く、面接官もその事を見抜いています。

就職活動という短期目線でなく「就職した後にどう活用できるか」についても考えたうえで、本当に必要かどうかは考えるようにしましょう。そうすることで、面接でもスムーズな受け答えができるようになります。

面接では秘書検定を取得したことをアピールするよりも、資格で学んだことが自分の成長にどうつながったのかを具体的に伝えることを意識してみてくださいね。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了
全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-220824001-02942)
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