この記事のまとめ
- 留学経験の自己PRには学生がやりがちなミスがある
- 4つのポイントを確認して自己PRに留学経験をうまく活かそう
- 長期留学・短期留学の自己PR例文を合わせて7つ紹介
自己PRの題材として、留学経験を使いたいと考える学生は多いものです。異国の慣れない環境の中で生活することや、外国語だけで授業を受けたり人間関係を築いたりすることを通して、身に付く力はさまざまにありますよね。
留学経験を自己PRに活かせるのは事実ですが、そこには学生が陥りがちなミスや勘違いがあります。アピールするポイントを間違えるとせっかくの自己PRも企業に響かなくなってしまうため、作成の際は注意が必要です。
この記事ではキャリアコンサルタントの杉原さん、小西さん、遠藤さんとともに留学経験から自己PRを作成するコツを解説します。最後に留学期間別の例文も7つ紹介するので、ぜひ参考にして選考通過につながる自己PRを作成してくださいね。
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自己PRは留学に「行った」だけでは不十分! 切り口を工夫しよう
留学経験そのものがアピールになると考える人もいるかもしれませんが、実は留学に行っただけでは自己PRとして不十分です。ありきたりな内容になったり、強みがうまく伝わらなかったりするため、留学経験を自己PRに活かすなら切り口を工夫する必要があります。
記事の前半では、まず留学経験を自己PRに活かせる2つのパターンを解説し、学生がやりがちなミスも紹介します。留学をアピールにつなげる際の方向性を理解して、完成像をイメージできるようになりましょう。
後半では説得力のある自己PRを作るために、留学経験を振り返る4つのポイントと打ち出せる強みを紹介します。ぜひ参考にして、自身の経験からアピールできる力を的確に捉えましょう。
最後に留学期間別の自己PRも紹介するので、留学経験を無駄なく自己PRに活用し、選考突破につなげましょう。
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留学経験はどう自己PRにつなげる? 2つの活かし方
留学経験をアピールしたいと思っても、そもそも自己PRにどのようにつなげれば良いのかわからない人もきっといますよね。
ここではまず留学経験を自己PRに活かす際の2つのパターンを紹介します。留学について漠然と捉えている状態から、アピール方法を明確にイメージできる状態になりましょう。
留学経験をガクチカで活かしたい場合は、以下の記事もあわせて確認してみてください。作成のためのステップについても詳しく解説しています。
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留学経験のガクチカを攻略! 知らないと損をする書き方と例文20選
留学は今の時代珍しくないため、ガクチカを作成するにはほかのはほかの学生と差別化することが大切です。今回はガクチカで留学を効果的にアピールするコツや具体的な対策をキャリアコンサルタントとともに解説。今すぐ使える例文20選も紹介します。
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①留学を通して培った力をアピールする
海外での生活の中では、思い通りにいかないことや孤独を感じて落ち込む経験など、壁にぶつかることも多々あったでしょう。その困難を乗り越える過程で、人それぞれ学びがあったり、自分自身の成長を感じることもあるはずです。
そこで培った力や磨かれた部分は、留学したからこそアピールできる強みになります。特に留学期間が1年、2年などと長い場合は説得力も増すため、留学生活の中で獲得した力を自己PRとして打ち出すことができますよ。
長期留学をした学生は、住み慣れた土地を離れ、異なる文化や価値観の人とともに学び、生活してきた経験があるため、たくましさや粘り強さ、柔軟性などがある人という印象を持ちます。
一方で、長期留学では語学力向上以外で何を目的としていたのかも気になる部分です。
②留学前後の取り組みで強みが表れた部分をアピールする
留学経験を自己PRに使おうと思うと、留学そのものについてアピールしなければならないと考える人もいるかもしれません。しかし実は、留学前後の取り組みに焦点を当てて自己PRを作ることも可能です。
たとえば留学費用を用意するためにアルバイトを頑張った、交換留学生に選ばれるために語学の勉強に力を入れたなど、留学前の努力にも自分らしさや強みが表れた場面があるはずです。
一方で留学中に感じた悔しさをバネに帰国後により勉強を頑張った、自分の足りない部分に気付いて新たな取り組みをするようになったなど、留学をしたからこそ、その後の生活に変化が出た人もきっといますよね。その場合も、留学後の行動から自分の強みを見つけてアピールすることができます。
特に留学期間が半年以下など短い場合は、「その短期間で本当に力が付いたのだろうか」と疑問に感じる面接官もいるため、留学を通して培った力を考えるよりも、留学前後の取り組みを活かして自己PRを作成するのがおすすめです。
- 留学期間が短すぎたり大きな成果もなかったりする場合は、自己PRにしない方が良いのでしょうか?
他者との比較ではなく当初の目標に対してどう成長できたかを考えよう
あなた自身は留学を終えて、どのように感じていますか?
1カ月の短期留学でも、当初掲げていた目標が達成できた、自分なりに成長が感じられた、また何らかの強みを発揮することができたと思えれば、アピールは可能です。
成果の大きさをほかの学生と比べるのではなく、自分にとって留学がどういうものだったかを振り返ってみてください。
もし日本にいるときと違いを感じられなかったら、無理に留学を自己PRの題材に選ばなくても良いでしょう。
近年はオンライン留学という形式も増えてきました。オンライン留学のアピールのコツは以下のQ&Aでキャリアコンサルタントが解説しているので、ぜひ参考にしてください。
就活支援のプロに聞く! 留学の自己PRはどんな企業におすすめ?
留学経験は自己PRにつなげることができますが、実はその評価は業界や企業によって異なります。業務内容によっては英語力が当たり前に求められたり、海外経験のある人が珍しくなかったりするため、それだけでは評価の対象にならないこともあるからです。
では、どのような企業なら自己PRの題材として留学経験が適しているのでしょうか。ここでは採用面接にかかわった経験を持ち、大学でのキャリアカウンセリングにも10年以上携わってきたキャリアコンサルタントの遠藤さんに、留学経験のアピールがおすすめの企業の特徴を聞きました。
自分の志望企業の場合はどんなアピールをすべきか、ぜひ参考にして考えてみてくださいね。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る留学からどんな力を得たかによって活かせる仕事を考えてみよう
留学経験はあらゆる角度からアピールポイントを切り出すことができるため、伝え方によってはさまざまな業界・企業で良い評価を得ることができます。
「留学によって語学力が向上した」「ほかの国の人とコミュニケーションを取ることに自信が付いた」という経験をした人は、メーカーや商社など、海外赴任の可能性がある企業や海外とのやり取りがある企業で活躍しそうな印象です。
「留学で多様な価値観に触れ、視野が広がったり、自分以外の考え方も柔軟に受け止められたりするようになった」という人は、新しいことを生み出す企画や開発などの職種、顧客それぞれの思いを受け止め提案する営業の仕事で活躍できるでしょう。
留学経験から仕事全般に必要な力をアピールすることもできる
「留学先で言葉が通じず苦労したが、必死で勉強をして教授や同級生に話しかけ、コミュニケーションできるようになった」「日本人が周りにいない環境で積極的にアクティビティに参加し、交流の輪を広げた」というタイプの人も見受けます。
こうした学生からは、物事をやり遂げようとする気持ちの強さ、粘り強さ、負けず嫌いなところ、ありとあらゆる努力ができる力、チャレンジ精神といった強みを感じます。
これは業種・業界にかかわらず、仕事をするうえで必要な力といえるため、幅広い企業にアピールできますよ。
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失敗を避けるためにもまず確認! 留学経験の自己PRでよくあるNG
志望企業への留学経験のアピール方法がつかめたと思いますが、いざ留学経験の自己PRを作成する前に、学生がやりがちなミスも確認しておきましょう。
最初にどんな自己PRが評価されにくいのかを把握することで、もったいないミスを避けられます。ここでは留学経験の自己PRでよくあるNG例を2つ解説するので、必ず事前にチェックしてくださいね。
語学力そのものをアピールしている
留学を通じて語学力が大幅に伸びたという人はたくさんいるでしょう。しかしだからといって、その語学力をアピールしても自己PRとしてはあまり評価されません。
もちろん努力が必要なことですが、海外生活で語学力が伸びるのはどちらかというと当たり前のことであり、そこをアピールしても「それはそうだよね」「ほかに何か能動的な取り組みはしていないの?」と感じる採用担当者が多いのが実情です。
また語学力は自己PRというよりも特技などのスキルに当てはまるため、もしアピールするなら特技として伝えるか、自己PRで「向上心」などほかの強みを打ち出して、その根拠や例として語学力が伸びたことを交えるのがおすすめです。
特技欄で企業の目を引くコツはこちらの記事で解説しています。語学力を特技としてアピールする場合はぜひ参考にしてください。
履歴書の特技で人事の興味を惹く書き方|ない場合の対処法も解説
語学力を磨いた「向上心」を選考でアピールするなら、こちらの記事がおすすめです。向上心の自己PRで差を付ける方法を例文付きで解説しています。
例文12選|向上心の自己PRでアピール必須の3要素と注意点
- 語学力を伸ばすために留学したのですが、その場合でもアピールするポイントは変えた方が良いのでしょうか?
語学力に加えてどう成長したかという前後のストーリーも伝えよう
留学しても語学力が向上しない人もいます。実際に伸びたのであれば、説得力を持たせた説明を盛り込んでアピールした方が良いでしょう。
たとえば、留学前後のTOEICやTOEFLのスコア遷移、英検取得歴など、数字を盛り込んでアピールしてみてください。
ただし、語学力向上を全面的にアピールするのは避けた方が無難かもしれません。
留学するに至った思いを簡単に紹介し、現地における苦労をいかにして乗り越え、その結果、語学力のみならずどのような強みを得られたか。これらを一つのストーリーとして語ると、聞いている方は引き込まれること必至です。
選考で英語力をアピールしたい人はこちらの記事もおすすめです。英語面接の対策まで解説しています。
自己PRで英語力を最大限アピールするには? 英語面接対策も解説
留学の体験談をメインにしている
留学で得た強みや成長したことをアピールしようとするあまり、自己PRで留学の体験談ばかり語ってしまう学生もいます。しかし企業が知りたいのは応募者が持っている強みであり、それをもとに自社でどう活躍できるかです。留学のエピソードを知りたいわけではないため注意しましょう。
また「文化の違いを学んだ」「外国人の友人ができた」なども留学経験の自己PRとして伝えがちな内容ですが、これらもただの体験談や当たり前の成果として捉えられやすいため、避けるのが無難です。
そのため、自己PRで留学中のエピソードを伝える際は、あくまでも強みを発揮した過程や身に付いた力の根拠として伝え、エピソードをメインにしないことが大切です。
自己PRを考える際は、留学を「自分を成長させてくれた一つのきっかけ」という位置付けに留めることがポイント。
実社会に出てから自分の強みや能力はどのように活きるのか、さらにいえば、どれだけ企業の役に立てるかというのが選考で問われる点です。
この視点に立って、自己PRを立案・構成しましょう。
留学経験から自己PRを作る前に整理したい4つのポイント

ここからは留学経験の自己PRを作成するための準備として、留学経験について事前に整理したい4つのポイントを解説します。
いきなり自己PRを作ろうとしても、アピールすべき強みをうまく見つけられなかったり、良いエピソードが浮かばなかったりする人も多くいます。事前の準備を深めることで自分らしく説得力のある自己PRを作成できるので、4つのポイントを順に振り返りましょう。
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①留学前:目的や実現するために取り組んだこと
振り返りで見逃しがちなのが、留学前の取り組みについてです。
留学は学校の必修プログラムなどでない限り、多くの学生は自分で申し込んで実行していますよね。したがってそこには、「なぜ留学しようと思ったのか」「なんのために留学したかったのか」というきっかけや目的、また実現するためにどんな行動をしたのかという取り組みがあるはずです。
留学の目的の例
- その国・地域の文化や社会に興味があり、より深く学ぶため
- 困難な環境に身を置いて自分を大きく成長させるため
- 語学力を磨いて学問や将来に活かすため
実現するために取り組んだことの例
- TOEFLやIELTSなどの語学試験で目標スコアを目指した
- 交換留学生などの選抜に選ばれるために勉強したり作文を書いたりした
- 留学費用を用意するためにアルバイトに力を入れた
上記のような項目を整理することで、留学の目的は達成できたのかという振り返りができ、達成するために努力したことについてアピールもできます。
また留学を実現するために取り組んだことには目標達成能力や成長意欲などが表れるため、ここに焦点を当てて自己PRを作ることも可能です。アピールポイントを探すためにも、留学前の行動を丁寧に振り返ってみてください。
- 授業の一環でショートステイに参加した場合、留学経験としてアピールになりますか?
目的を持って参加して学びを得ていれば問題ない
目的は何だったのでしょうか。「授業の一環」だと消極的な印象は否めませんが、「次の留学に備える」「英語漬けになる」といった自分なりの目的があれば、行動力・積極性・主体性などが伝わり、十分アピールできます。
また当初は目的がなかったとしても、ショートステイを経験して学びや自己成長があれば、それは自分が意識して行動した結果であり、「授業の一環」かどうかは気にしなくても良いのです。
きっかけが何であろうと、大切なのはそこで何をしたか。留学は簡単にできるものではないため、これを一つのチャンスと捉え、そのチャンスを活かそうと積極的に行動したことをアピールできれば大丈夫です。
②留学中:ぶつかった壁や課題をどう乗り越えたのか
留学中に注力したことや留学中の困難にどう対処したのかは、留学経験を通じて培った力の大きなヒントとなる部分であり、自己PRを作成するために特に重要なポイントです。
留学では文化や慣習の違いに戸惑ったり、意思疎通ができずに苦しい思いをしたりと、壁にぶつかることが多々ありますよね。そうした経験を思い出し、自分がどう考え・どう乗り越えたかを書き出していきましょう。
壁を乗り越えた経験を振り返る例
発音が悪いことをからかわれて悔しい思いをした
→ネイティブの友人と話すたびに発音が間違っていたら指導してもらった。また失敗を恐れるべきではないと考え、堂々と話すのを意識することで、次第にからかわれなくなった。
ほかにも留学中に能動的に取り組んだことがあれば、なぜ取り組んだのか、どのように実行したのかなど詳細を書き出しましょう。先述のとおり、留学の体験談だけでは自己PRとして評価されにくく、留学生活の中で能動的に行動したことに強みが表れるからです。
能動的な取り組みを振り返る例
留学先のテニス部に参加した
→参加するだけでなくレギュラーになることを目標にし、練習の結果、日本人留学生として初めて大会に出場した。どんな環境でも言い訳せず、高みを目指す力が身に付いた。
上記のように留学中の主体的な行動を振り返り、そこからどんな強みをアピールできるか考えてみてください。
- 留学中に壁にぶつかった経験が特になく、課外活動などの主体的な取り組みもしていません……。
大げさでなくて良い! 留学を通して気付いたことや頑張ったことを伝えよう
留学中に、必ずしも挫折や苦しい経験をしている必要はありません。
海外で勉強したいと決意し、丁寧な準備に始まり現地でもやるべきことをしっかりやり、課題や試験をやり遂げたということであれば、留学経験として十分です。
これを自己PRで使いたいのであれば、その経験を通じて改めて感じたことや、楽しみながら頑張ったことについて伝えてみてください。
③留学後:経験を通じて学んだことや成長した部分
これまで振り返ってきた留学の目的や留学中の取り組みを踏まえて、留学前後で自分がどのように変化したかも忘れずに整理しましょう。留学を経てどんなことに気付き、何を学んだか、どのように成長したかなどを以下のように書き出します。
留学後に得たことの例
- 客観的に物事を考える力が付き、ニュースや歴史などをグローバルな視点で捉え直すようになった
- 積極的なコミュニケーション能力が身に付き、リスクを恐れずに行動するようになった
- 自分の実力のなさを自覚して、語学だけでなく幅広く勉強するようになった
このように書き出すことで、留学経験から培った強みを明確にすることができ、自己PRで打ち出す力を自然と見つけることができますよ。
留学は「学び」が主体です。異文化との出会いや現地の人との触れ合いなら、普通の海外旅行でもできますよね。
そのため留学のエピソードや感想を話すだけで、成果や得た力について触れていない自己PRの場合、企業側は観光旅行に行っただけのように感じてしまいます。
学習の目的、目標レベル、到達結果があってはじめて、海外での学びといえるのではないでしょうか。
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作った自己PRは選考で活用できるものになっているので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。
④今後:その強みを志望企業にどう活かせそうか
準備としてもう一つ考えておきたいのが、留学で得た強みを志望企業でどう活かせるのかという部分です。
この視点が抜けていると、せっかくアピールしても「それが自社でどう役立つのだろう?」とあなたを採用するメリットがうまく伝わらない自己PRになってしまうため、必ず整理しておきましょう。
入社後に強みをどう活かせるかを考えるには、まず企業が求める能力や人物像を把握する必要があります。企業のホームページ(HP)や採用情報を確認して、どのような人材を求めているか、どのような人たちが活躍しているかを分析することが大切です。
企業にどう活かせるかを考える例
求める人物像「主体性を持って行動できる革新的な人材」
→留学中の取り組みの中から、主体的な行動やアイデアを出して新しいアクションを起こした経験を中心に選んでアピールする
上記のように、留学経験からアピールできる強みの中で企業にマッチするものは何かを考えましょう。ここがずれていると、良いエピソードでもミスマッチの印象になってしまうため、忘れずに調べてくださいね。
アドバイザーコメント
杉原 美佐子
プロフィールを見る留学経験を自己PRにするなら旅行や遊びとの差が重要!
自己PRに留学経験を使う場合、「遊学」にならないように注意しましょう。
見聞を広げることは大切なので、遊学も大いに意義がありますが、自己PRで語るとなると、やはり企業目線に落とし込む必要があります。
留学の成果が「なんとなく見識が広がった」では、海外旅行と変わらなくなってしまうからです。
留学前後のストーリーをPDCAに当てはめて整理してみよう
そのためには、留学に「行く前・最中・行った後」で振り返ってみましょう。PDCAサイクル(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善)に当てはめるのがおすすめです。
まず、留学のきっかけや目的を明らかにします。これは目標設定に該当します。次に、実際に留学するにあたりどのような準備をしたのかを振り返りましょう。これは計画性や行動力につながります。
現地ではどのような苦労や挫折がありましたか。それにどのように対処し、努力したのでしょうか。こうした部分からは、諦めない心やレジリエンス(回復力)の強さを示すことができます。
最後に留学の成果です。留学後の行動や考え方の変化を伝えてください。留学を経験して新しい目標はできたか、この経験をどのように活かすのか、さらに自分を成長させるにはどうするかなどです。これらは向上心を表します。
このようにPDCAサイクルを留学経験に応用して、企業に響く自己PRを作ってみてください。
自己PRで押し出す力を探そう! 留学で身に付きやすい5つの強み
自己PRで押し出す力を探そう! 留学で身に付きやすい5つの強み
留学経験について振り返る中で、自分のアピールポイントが見つかった人もいれば、まだ悩んでいる人もいるかもしれません。
そこで、ここでは留学で身に付きやすい力として特徴的な5つの強みを紹介します。ぜひ目を通して、自分に当てはまるものがあるかチェックしてみてください。
①コミュニケーション能力
留学するとゼロから人間関係を築くことになりますが、留学生だからといって特別扱いされるわけではないですよね。そのため自分からコミュニケーションを図らないと、交友関係は広がりません。
それも外国語で意思疎通しなければならず、日本人同士の会話のように何となくで通じたり意図を汲み取ってくれたりすることもないため、自分の考えをはっきりと伝える必要があります。
したがって、留学先の部活動やアルバイトなどで自分から人間関係を築いた経験や、知り合った人と仲を深めるために工夫した経験などがある人は、その高いコミュニケーション能力をアピールしてみましょう。
留学で身に付くコミュニケーション能力は、「バックグラウンドの異なる人と意思疎通できる」というのがポイントになります。
授業中のディスカッションや、お互いの文化について語り合うといったことが抵抗感なくできていれば、アピールしてみましょう。
コミュニケーション能力の自己PRはほかの学生とも被りやすいため、アピールする際は差別化が必要です。こちらの記事でポイントと12例文を紹介しているので参考にしてください。
例文12選| コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説
留学先で誰とでも仲良くなる力が身に付いた人は、こちらの記事もおすすめです。言い換え表現や例文を紹介しています。
「誰とでも仲良くできる」の言い換え13選|自己PR例文付き
コミュニケーション能力のタイプによっては、人間関係構築力ともいえます。こちらのQ&Aでキャリアコンサルタントがアピールのコツを解説しているので、参考にしましょう。
②積極的な行動力
現地の人に交じってアルバイトをする、現地の学生と一緒に部活動などの課外活動をする、また留学先から足を延ばしてほかの国にも旅行に行くなど、「留学中にしかできない活動」はたくさんあります。
大きな活動でなくても、日本に興味がある人と交流するコミュニティに参加したり、日本語を教えたりと、日本人であることを活かした取り組みをする人もいるでしょう。
このように留学期間を無駄にせず、能動的にさまざまなことに取り組んだ人は、積極的な行動力が培われているはずです。自己PRでも強みとして説得力を持って伝えられますよ。
行動力をアピールする際は、言い換え表現を使うことでさらに差別化できます。こちらの記事では6つの表現を紹介しているのでぜひチェックしてみましょう。
自己PRの「行動力」は6つの言い換えで差別化できる! 例文30選
積極的な行動力はチャレンジ精神ともいえます。こちらの記事でチャレンジ精神のアピール方法を解説しているので、併せて確認してみてください。
例文22選|チャレンジ精神の自己PRは4つのポイントで敵なし!
こちらのQ&Aでは、キャリアコンサルタントが「積極性」の自己PRを作るコツを解説しています。積極的な行動力を伝えたい人はぜひ参考にしましょう。
③新しい環境に適応する力
留学中は日本と異なる環境で過ごすことになり、言葉だけでなく文化や生活様式の違いにも適応していく必要があります。
またホストファミリーのもとにホームステイをしたり、大学の寮にルームメイトとともに住んだりなど、異なるバックグラウンドの人と生活をともにする中で、違いを感じたり戸惑ったりすることもあるでしょう。
しかしそれでも「留学に来たのだから」と違う価値観を受けいれようとしたり、自分から歩み寄って学ぼうとしたりと、適応するために努力をした人も多いはずです。
こうしたまったく新しい環境に適応する力も、留学経験で身に付く強みといえます。思い当たる人は自己PRの題材にするのも一つの手です。
適応力がある人は、臨機応変に対応する力や柔軟性もあるかもしれません。自己PRでうまくアピールするコツはそれぞれ以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
臨機応変に対応する力
例文8選|臨機応変に対応する力の自己PRで印象に残す4ステップ
柔軟性
13例文|柔軟性の自己PRで理解必須の注意点と伝え方のコツ
近年では問題となっているものの、日本企業では今のところ転勤が当然視されています。そのため新しい土地に行き、新たな人たちに囲まれた環境で仕事に臨むにあたって、適応力は大いに役立つでしょう。
転勤に限らず、部署異動においても、異なる環境に溶け込む力はあなたを助けてくれるはずです。
「転勤には抵抗がある……」という人もいますよね。こちらのQ&Aではキャリアコンサルタントが転勤のない仕事について解説しているため併せて参考にしてみてください。
④状況突破力・課題解決力
留学先では言葉の壁を感じても何とかコミュニケーションを取ろうと模索したり、授業や課題の量に付いていけないときは友人に協力を頼んだり、時間を割いて自習したりと、異国の地だからこそ乗り越えないといけない壁がたくさんあるものです。
中には日本のように役所や窓口での手続きがスムーズにいかず、重要な書類がもらえない、学校や寮で自分の受け入れがまだ整っていなかったなど、思わぬトラブルに見舞われた人もいるかもしれません。
このような留学ならではの壁にぶつかるたびにそれらを乗り越えた経験からは、課題解決力や状況突破力といった力も身に付きます。留学中のトラブルに試行錯誤して対処した経験がある人は、こうした力も強みとしてアピールしてみましょう。
問題解決能力をアピールしたい人はこちらの記事もおすすめです。自己PRの例文付きで、就活全体に活かすコツを解説しています。
自己PR例文付き|問題解決能力を鍛えるコツと就活でのアピール方法
⑤忍耐力・根性
留学中は自分の言いたいことをうまく表現できずにもどかしさを感じたり、会話や授業に付いていけずに落ち込んだりと、つい逃げ出したくなるような場面もあるかもしれません。
しかしそこでも踏ん張って勉強を続け、留学の目標を達成しようとする人には忍耐力や根性といった力が身に付きます。
留学中に心が折れそうになる時期もあったが、気を持ち直して頑張ったという経験がある人は、自己PRでその粘り強さをアピールするのもおすすめです。
忍耐力・根性をアピールするには、我慢の仕方ややり過ごし方がポイント。
特に語学力は一朝一夕で上達しません。ただ続けたのではなく、何があっても努力し続けたとアピールできると良いですね。
投げ出さずに目標に向かって努力し続ける姿は、忍耐力や根性があると受け取られます。
忍耐力を自己PRで効果的にアピールするコツは、こちらの記事で詳しく解説しています。差別化するためにもぜひ確認してみましょう。
例文17選! 「忍耐力」の自己PRで企業に最大限アピールするコツ
忍耐力や根性は粘り強い性格ともいえます。こちらの記事で自己PRの注意点と11例文を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
例文11選|粘り強い性格の自己PRで知らないと損する注意点
3段階で伝わる! 自己PRで留学をアピールする構成
3段階で伝わる! 自己PRで留学をアピールする構成
- アピールポイントが留学経験で培った力だという結論
- 強みの根拠となる留学にまつわるエピソード
- 留学経験をもとに磨いた力を活かす抱負
自己PRは、内容さえきちんと準備していれば自由に述べて良いわけではありません。思い付いた順に伝えると要点をつかめない内容になってしまう可能性があるので、事前に最適な構成を理解しておきましょう。
ここでは留学経験の自己PRを作る際に、アピールしたいことを端的に伝えられる3段階の構成を解説します。ぜひステップに沿って組み立てて、強みが効果的に伝わる自己PRを作成してください。
自己PRの構成についてはこちらの記事で詳しく解説しています。選考でより自分の印象を残すポイントがわかるので、併せてチェックしてみましょう。
自己PRの構成作成ガイド|PREP・STAR法を使う作成法を伝授
①アピールポイントが留学経験で培った力だという結論
自己PRの冒頭では、自分の強みやアピールポイントは何なのかという結論を先に伝えます。
結論から先に伝えることで自分の強みを採用担当者に印象付けるとともに、何について話を展開するのかというテーマを示すことができるため、よりアピール内容を理解してもらいやすくなるのです。
「私のアピールポイントは企画力です」「私は、留学で培った企画力が強みだと考えます」というように、端的に示しましょう。
自己PRは書き出しを工夫することでさらに差別化できます。こちらの記事でポイントを解説しているのでチェックしてみてください。
自己PRは書き出しで命運が決まる! 人事を惹き込むコツを大解剖
②強みの根拠となる留学にまつわるエピソード
アピールポイントを述べた後は、その根拠となる留学にまつわるエピソードを展開します。この時、エピソードの部分が長くなるなどうまくまとめられない場合は、以下の順番で整理することがポイントです。
エピソードの組み立て方
- エピソードの概要
どこにどれくらい留学したときの話なのか。そこで取り組んだことや目標にしていたこと、ぶつかった壁など概要を述べる - 具体的な行動
そのテーマについて、自分がどう考えてどんな行動を取ったのかなどアピールポイントの根拠となるエピソードを述べる - 取り組みの結果
その行動の結果どうなったのか、結果や成果を述べる。感想だけではなく、できるだけ他者の発言内容や数字など客観的な事実を用いて説得力を持たせる
特に「単なる体験談ではなく自ら主体的に取り組んだエピソードか?」「客観的に見て評価できる結果か?」などは見過ごしやすい点であり、かつ企業が自己PRを評価する際に大切な要素となる部分です。それぞれのポイントをしっかり押さえましょう。
エピソードを組み立てる例
・エピソードの概要
大学3年次にカナダに1年間留学していた際、留学中に何か学校や地域に貢献したいと思っていた私は、学内でフリーマーケットを開催することを考えました。
・具体的な行動
SNSを使って拡散したりビラを配ったりしましたが、なかなか出店者が集まらなかったため、フリーマーケットに付加価値を付けようと思い、学内のバンドやダンスサークルなども招待すること、自分たちでフード販売をすること、売上金の一部を回収して地域のボランティア団体に寄付することを新たに決定しました。
・取り組みの結果
そこで再度告知をおこなったところ、無事に100人近い出店者が集まり、当日は学生だけでなく地域の人も来てくださる想像以上の賑わいになりました。
自己PRでやりがちなミスとして、エピソードの背景事情から成果まで一通り述べているものの、肝心の「その強みをどう発揮したのか」という部分が抜けている、またはアピールしたい強みと合っていないことがあります。
エピソードは根拠や裏付けのためのものなので、読み手が納得する構成を心掛けましょう。
③留学経験をもとに磨いた力を活かす抱負
アピールポイントの根拠となるエピソードを述べたら、最後はその留学経験から得た力を今後にどのように活かすかを伝えて自己PRを締めます。繰り返しになりますが、企業はアピールした強みを自社でどのように活かせるのかを見ているからです。
抱負の例
この経験を通じて、どうしたらより多くの人に喜んでもらえるかを考えることで企画の魅力が増すことを学びました。培った企画力を活かして、入社後も現状に満足せず、さらに良いアイデアはないかと常に考える人材として活躍してまいります。
企業について調べた内容や求める人物像などの情報を参考に、上記のように強みをどう活かしたいかという抱負を伝えましょう。入社後の姿をアピールすることで、より魅力的な自己PRになり、企業で活躍したいという熱意もアピールできますよ。
自己PRの締め方は工夫すればさらに強みを印象付けられます。気になる人はこちらの記事でコツを確認しておきましょう。
自己PRの締め方が決まる3大要素を解説! 強みが届くコツも伝授
- 留学で得た力を入社後の抱負につなげるのが難しいです……。企業が求める強みと多少ずれていても良いのでしょうか?
留学を一連のストーリーとして振り返ると気付きがあるかも
もう一度原点に立ち返って、「どうして留学しようと思ったのか」「留学中に何をしたのか」「帰国直後に感じたこと」などを書き出してみてはいかがでしょうか。
留学で得た力を最初に思い浮かべるのではなく、一連の経験を「点」ではなく「線」として、さらには「面」として捉え直してみれば、これまで考えもしなかった強みや力が浮き彫りになると思います。
そのうえで、やはり「つなげるのが難しい」となれば、やや突き放した言い方になってしまいますが、留学した話はサラッと語って、企業が求める別の強みと、その強みを得た経験を探した方が良いかもしれません。
自分自身で、企業の求める強みとずれているということが認識できているのであれば、そのこと自体も強みの一つですよ。
うまく自己PRがまとまらない人は、こちらの記事もおすすめです。より詳しい自己PRの書き方をテンプレート付きで解説しています。
自己PRは4つのステップで簡単に書ける! テンプレートと例文付き
履歴書に自己PRを書く際の基本マナーや注意点も、おさらいしておくと安心です。こちらの記事が参考になるのでぜひ活用してください。
新卒用履歴書の自己PRを書く極意|例文28選を強み・職種別で紹介
長期留学を題材にした自己PR例文! 強み別に5つ紹介
長期留学を題材にした自己PR例文! 強み別に5つ紹介
留学経験をもとに自己PRを組み立てられた人もいれば、まだアピール内容に自信のない人や、より良い表現がないか悩んでいる人もいるかもしれません。
ここでは長期留学を題材にした自己PR例文を、アピールする強み別に5つ紹介します。それぞれエピソードも異なり、キャリアコンサルタントによるアドバイスも付いているので、ぜひ参考にして自己PRを磨き上げましょう。
面接で自己PRを回答する際のポイントは、こちらの記事で詳しく解説しています。12例文付きなので併せて参考にしてみてください。
面接官を惹きつける自己PRの答え方|例文12選
例文①コミュニケーション能力をアピール
例文①コミュニケーション能力をアピール
私のアピールポイントは、主体的に人間関係を築くことができるコミュニケーション能力です。
私は大学2年生のときに1年間休学し、カナダに留学しました。その際、自身のコミュニケーション能力を発揮して、現地で数多くの友達を作ることができました。
特に印象に残っている出来事は、語学学校の入学初日です。当時の私は英語があまり話せない状況でした。しかし、英語が話せないからと消極的になるのはもったいないと思い、動作や表情、少しの英語、日本語を活用して、最大限自分を表現しながらコミュニケーションを取りに行きました。
その結果、「君はおもしろい。今まで見たことがない」と言ってもらえて、すぐにクラスになじむことができました。
貴社に入社後はこの積極的なコミュニケーション能力を活かして、取引先と深い関係を築き、顧客の課題解決と貴社の売り上げに貢献したいと考えております。
コミュニケーション能力をアピールする際に注意が必要な点として、相手の懐にぐいぐい飛び込んでいくような突破力に基づいたコミュニケーション能力を好む人もいれば、そうした姿勢を好まない、あるいは苦手に感じる人や組織もいることです。
その点について、志望企業で求められるコミュニケーション能力はどのタイプか十分見極めて、アピール時に配慮する必要があるでしょう。
例文②積極的な行動力をアピール
例文②積極的な行動力をアピール
私のアピールポイントは、どんな状況でも自ら積極的に行動できることです。
積極性を発揮した出来事はいくつかあり、たとえば留学や日本一周、サークルの立ち上げ、起業、インターンシップへの参加、学生団体の立ち上げなどを経験しています。
その中でも特に積極性を発揮できたのが、大学3年生のときのメキシコへの留学です。当初は一切英語が話せなかったのですが、留学は小さい頃からの夢で、いつかかなえたいと考えていました。そして「今を逃すともう留学はできないかもしれない」と思い、思いきって留学することを決心しました。
実際に留学してみて、言語の壁は感じましたが、間違うことを恐れずに自分から声を掛けることを意識し、日本語を教えるボランティアに参加したり、サッカーサークルに入ったりして多くの友人を作ることができました。どんな状況でも動じない強さが身に付き、とても良い経験になったと思います。
貴社に入社後も行動力が必要な場面があると思います。その際も、積極性を発揮して成長する機会を作ると同時に、貴社の売り上げに貢献したいと考えております。
例文③新しい環境に適応する力をアピール
例文③新しい環境に適応する力をアピール
私のアピールポイントは、新しい環境や異なる考えも受け入れることができる適応力です。この力は、特に大学3年生のときの1年間のスペイン留学で発揮されました。
スペインが特に日本と異なるのがコミュニケーションスタイルです。自分の意見をはっきりと言う文化があり、当初は自己主張が強すぎるように見えて抵抗がありました。
最初は緊張していたこともあり、ホームステイ先の家庭でも当たり障りのない受け答えばかりしていましたが、あるときホストマザーから「私たちはあなたの考えていることを知りたい」と言われ、自分がせっかくのコミュニケーションの機会を無駄にしていたことに気付きました。
それからは自分の考えを伝えるのは相手のためだと捉えるようになり、できるだけ意思表示をするように心掛けました。学校でも「間違っても良いから意見する」ことを意識し、積極的に質問したり話しかけたりした結果、クラスメイトとも仲良くなり、休日にはいろいろな場所に連れていってもらう仲になりました。
このような適応力を活かして、貴社に入社後もできるだけ早く業務になじみ、新規の顧客とも臆せず関係を築けるよう努めてまいります。
適応力は柔軟性のことでもあり、周囲に迎合することとは違うため注意する必要があります。
何が違うかといえば、自分を押し殺しているかどうかです。受け身なのではなく、譲れるところ・譲れないところが明確になっていると良いでしょう。
例文④状況突破力・課題解決力をアピール
例文④状況突破力・課題解決力をアピール
私のアピールポイントは、どんな課題でも解決しようとやり切ることです。この課題解決能力は、特に留学した際に発揮されました。
大学2年生のときに1年間休学し、アメリカに留学しました。日本にいたときからオンライン英会話をしていたため、英語に困ることはありませんでしたが、小さな価値観の違いには苦労しました。
具体的には、感情が揺れ動く瞬間の違いです。日本人とアメリカ人では笑うポイントや怒りを感じるポイントなど、感情が変化するタイミングに大きな違いがあり、留学当初はこのようなことを知らなかったため、コミュニケーションに苦労しました。
この課題を解決するために、とにかくたくさんのアメリカのテレビ番組を観ることにしました。出演者のどのような言葉に観客が笑うのかなどを分析したことで、アメリカ人の感情が変化するタイミングを少しつかむことができました。
その後は、覚えたジョークをできるだけ言ってみたり、相手の表情に注目して声のトーンを変えたりした結果、アメリカ人の会話の感覚になじんでいき、スムーズにコミュニケーションを取ることができるようになりました。
こうした強みをもとに、貴社に入社後も、課題に対して適切な手段を考え、一つずつ実行することで諦めずに解決し、目標に貢献していきたいと思います。
例文⑤忍耐力・根性をアピール
例文⑤忍耐力・根性をアピール
私のアピールポイントは、どんな状況でも挫けない根性です。大学3年生のとき1年間留学したフィリピンで、特にこの強みを発揮しました。
英語学習を目的に留学をしたかったのですが、金銭面の問題もあり、当時は物価が安かったフィリピンを選びました。しかし、留学先の街や宿泊先はとてもきれいとは言えない環境でした。それに加えて日本人が少ない学校を選んだため、ストレスや孤独でつい部屋に引きこもりたくなることが何度もありました。
しかし、英語を習得するという目的を達成するために、日本の家族や友人とは連絡しないこと・休日も寮の友人を誘って必ず英語を話すことを決めて、最後までやり抜きました。
その結果、環境にもすぐ慣れただけでなく、英語でコミュニケーションを取ることが楽しくなり、最初は5段階中2番目のクラスだったのが、最後の学期は最上級のクラスに入ることができました。
貴社に入社後も、営業職として成果を出すには多くの困難が待ち受けていると思います。しかし、この壁にぶつかっても楽しむ方法を見つけて乗り越える強さを発揮して、貴社に貢献したいと考えています。
長期留学であれば、語学力は目的ではなくツールと捉えられます。
何を勉強したのか、それは日本で学ぶのと何が違うのか、学業以外にも力を入れた活動はどのようなことか、周囲とどうかかわったのかなど。
こうした点について掘り下げて質問されるため、用意しておきましょう。
短期でも大丈夫! ショートステイを題材にした自己PR例文2選
繰り返しになりますが、短期留学の場合は留学経験そのものについてアピールすると、「そんな短期間で力が身に付くだろうか?」と疑問を持たれてしまう可能性が高いです。
そのため期間が短い場合は、留学前の取り組みや留学後の変化といった切り口で自己PRを作成しましょう。ここではショートステイを題材にした自己PR例文を2つ紹介するので、アピール方法の参考にしてください。
例文①留学前の取り組みからアピール
例文①留学前の取り組みからアピール
私のアピールポイントは、やると決めたことを必ず達成する実行力です。
大学では必ず留学したいと思っていたのですが、留学費用を工面するのが想像以上に難しく、夏の長期休暇を使ってホテルで住み込みのアルバイトをすることに決めました。
アルバイト先はマネージャーが非常に厳しい人で、初日から「帰れ」と怒られたり仕事を教えてもらえなかったりと大変な環境でしたが、わずかなことでもメモして暗記したり、先輩をまねして接客に活かしたりと食らいついていった結果、最後は期間延長を頼まれるほど認められて終えることができました。
留学費用も用意でき、2年生のときにアメリカに3カ月留学しました。このプログラムを選んだのは、最後にスピーチコンテストがあり、勉強の成果として1位を取りたいと思ったからです。
帰国子女のライバルもいる中、ネイティブの友人にマンツーマンで指導してもらうなど努力した結果、無事に15人中1位を取ることができました。
この経験から得た、目標に向けた行動力を活かして、貴社に入社後も困難に負けず、積極的な挑戦をしていきたいと思います。
話の流れがスムーズで、しっかり成果も出していて、わかりやすくまとまっている例文です。見据えた目標に向かって、地道に努力を積み重ねた様子がにじみ出ています。
努力を具体的に語っている点は、ほかの人もまねできるでしょう。
実行力の自己PRを作る秘訣はこちらの記事でも解説しています。差別化のコツ付きなのでぜひ参考にしてください。
厳選10例文! 実行力の自己PRで簡単に差別化できる3要素
例文②留学後の取り組みからアピール
例文②留学後の取り組みからアピール
私は常に向上心を持っていることが強みだと考えます。
大学2年生で中国に短期留学に行った際、中国人や海外からの留学生などとたくさん交流し、海外の学生のレベルの高さを目の当たりにしました。自分は外国語ができるだけで満足していて、井の中の蛙だったと気付く経験でした。
そこで帰国後は外国語の勉強だけでなく、文学や経済、歴史などそれまで深く勉強してこなかった分野についてもさまざまな本を読むようになりました。
語学に加えて何か強みが必要だとも思ったため、独学でプログラミングの勉強を始め、まずはITパスポートを取得しました。現在は基礎情報技術者の資格も勉強中です。
このように、現状に満足せずに常に成長しようとする力が強みです。この向上心をもとに入社後も絶えず努力を続けて実力を高めていき、トップレベルで活躍する人材になりたいと思います。
海外の学生は、具体的に何のレベルが高かったのでしょうか。その後は自己啓発に努めていますが、文学、経済、歴史の知識はどの程度深まりましたか。
また、なぜITに興味を持ったのかも気になる点です。「強み=IT」と何となく捉えているのであれば、やや短絡的な感じがするため、深掘り質問では説明できるように注意しましょう。
向上心の自己PRで差別化するにはこちらの記事がおすすめです。アピール時の注意点と12例文付きなので、ぜひ併せて参考にしてください。
例文12選|向上心の自己PRでアピール必須の3要素と注意点
留学経験の自己PRは客観的な根拠を打ち出して選考通過につなげよう
留学経験から自己PRを作る方法を解説しました。留学はアピールしやすいように見えて、実はエピソードを述べるだけでは評価されにくい題材です。まずは解説したNGポイントをしっかりと理解して、企業に響かせるコツを押さえましょう。
また留学のエピソードを伝える際も、自分の強みを印象付けるにはコツがあります。留学を特別なものと捉えすぎずに、アピールポイントの根拠となるエピソードをわかりやすくまとめる、客観的な事実などの根拠を含めるといった、自己PRの基本を押さえることが重要です。
最後に紹介した7つの例文も参考にして、ぜひ留学経験から魅力的な自己PRを作成し、選考で高評価を獲得してくださいね。
アドバイザーコメント
小西 一禎
プロフィールを見る留学したからこそ得られた経験が必ずあるはず
世界的に見ても突出して治安が良く、公共交通機関は時間通りに運行され、食事もおいしく、あらゆる点で暮らしやすい日本。
この地を飛び出し、それも短期間の旅行ではなく、国外で生活したという経験は、必ず何かしらのプラスになり、あなた自身を成長させてくれたはずです。
新型コロナウイルス感染症や円安などさまざまな外的要因はありますが、日本人の目線が海外に向きにくくなっている現在だからこそ、留学したことを通じて、かけがえのない日々を過ごしたことと思います。
自己PRでは留学前後の自分の変化を捉えてアピールしよう
ただし、留学したという経験だけを声高に伝えても、企業には響かないのも現実です。力を入れて語れば語るほど、面接官は引いてしまう恐れもあります。
特別視したい気持ちは心の中に留めて、留学を経て獲得した能力やスキル、強みを冷静に強調することがポイントです。
その際、エピソードを具体的かつ端的にわかりやすく伝えたうえで、留学前の自分と留学後の自分がいかに変わったのかということを考えてみてください。
変化した点こそ、間違いなく留学で獲得した強みであり、自己PRの有力な素材になり得ます。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
プロフィール詳細ジャーナリスト/キャリアコンサルタント
Kazuyoshi Konishi〇大手メディア政治記者を経て、配偶者の海外転勤に伴いキャリアを一時中断。現在は大学院でキャリア形成を研究する一方、プロの文章力を活かし各メディアで幅広く記事を執筆。
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士
Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている
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