
「高校生あるある」がネットで大きく話題になり、いまやさまざまなメディアで大人気のお笑いコンビ・土佐兄弟に就活についてを尋ねる連載企画。
第二回目となる本記事では、土佐兄弟の誕生ストーリーやどのように道を歩んできたのかを伺いつつ、そこから見えた「就活でも使える心構え」を紐解いていきます。
※本記事は連載記事です。続編が公開され次第リンク先に飛べるようになります。
・1記事目「「就活あるある」の土佐兄弟が「就活こそアドリブするな」と語ったワケ」
・3記事目(5/11~公開予定)
・4記事目(5/18~公開予定)
| ▼土佐兄弟プロフィール ワタナベエンターテインメント所属。兄・卓也と弟・ゆうきの実の兄弟で結成されたお笑いコンビ。「あるあるネタ」はSNSで大きく話題となり、TikTokでの総再生回数は12億回超え、YouTube登録者数は46万人を誇るなど、若者から絶大な支持を集めている 公式HP(ワタナベエンターテインメント) SNS:YouTube(土佐兄弟の青春チャンネル) / YouTube(土佐兄弟の日常) SNS(卓也):X(旧Twitter) / Instagram / TikTok SNS(ゆうき):X(旧Twitter) / Instagram / TikTok |
【特別インタビュー企画】
「あの人」に聞く未来の“出会い方”社会という広い海へ漕ぎ出す就職活動。
地図も決まった航路もないなかで、
どうやって自分の進むべき道を決断すればいいのでしょうか。
必要なのは、誰かが作った正解ではなく、自分が納得して進むための「羅針盤」。
本企画では、自分だけの羅針盤をもって
オリジナルの道を歩む人たちにインタビュー。
迷いながらも進み続けた人生ストーリーから、
明日からの就活がちょっと楽しみになるヒントをお届けします。
「あるあるネタ」は子供のころから生まれていた

──「土佐兄弟」は実の兄弟で結成されたお笑いコンビですが、お二人はどんな幼少期を過ごされてきたのでしょうか。
卓也)まず、ゆうきは3歳で口笛をマスターしてるんですよ。やばくないですか?
ゆうき)まあ、普通だと思いますけどね。
卓也)天才ぶんなって(笑)。まあでも、とにかく「器用なヤツ」って印象でした。何事もすぐにこなしちゃうというか。
ゆうき)理由になるかわからないですけど、人の動きとかはめっちゃ見てる子供だったと思います。人がやってることとか、話し方とかをとにかく見まくってて。口笛もそれで勝手に見て、勝手に吹き始めたんだと思います。

卓也)今も昔も、ゆうきは「観察力」がとにかくすごいんですよ。「え、そんなとこまで見てんの?」ってくらい見てる。「○○先生ってこんなしゃべり方だよね」みたいなのを、家で無限にやってる。
つまり、小学校低学年のときからもう「あるあるネタ」やってたし、それで7つ上の中学に通ってる兄貴を笑わせてたってことですからね。小さいころから笑いのセンスもピカイチでした。
「いつの間にか目立ってるヤツ」な兄
──卓也さんへの印象はどうでしたか?
ゆうき)学校で「あの卓也の弟かあ! 楽しみにしてるぞ」って先生から声をかけられてました。それでもうわかりますよね。
いわゆる「いつの間にか目立ってるヤツ」だったと思います。真面目だけど、面白いことを言って周りを明るくしてるというか。
家で二人で話しているときもめっちゃおもしろかったし、家でも学校でも卓也は「おもろいヤツ」って印象ですね。
卓也)お互いがお互いのことを「おもろいヤツ」として認め合ってたわけです。自分で言うのもなんですが。

退職の決め手は命がけのドロップキック
──おもしろさで認め合う二人。お笑いの道はすでに視野に入っていたのでしょうか?
卓也)「お笑い芸人になりたい」という思いは頭のどこかにずっとあったんですが、それは「いつかなれたら良いな」という、まさにテレビの向こう側の話でした。
「芸人になりたい」という憧れを抱えたまま迎えた新卒就活では、近しいエンタメ業界などを視野に入れてスタートしたもののなかなか難しくて、最終的に保険会社の営業職として就職しました。
ゆうき)昔から卓也は盛り上げ役なイメージもあったし、ちゃんと就職したことには結構驚きました。「あ、俺のお兄ちゃんも普通に就職するんだ」みたいな。
それで現実に引き戻されて、自分も現実を見ないといけなくなって焦ったというか。そのときは勉強にも全然身が入ってなくて、なりたい将来像なんてのもまったくなかったから、なんだか目が覚めちゃった気持ちでしたね。
「当たり所が悪ければ死んでいた」

──保険営業からどのような経緯で芸人の道に進むことになるのでしょうか。
卓也)いや~、これね、実は決定的な瞬間があるんですよ。聞きたいですか?
ゆうき)(聞き飽きた顔で)溜めるほどのことじゃないって。やめろって。
卓也)社会人3年目のある夜のことです。会社のBBQに参加していて、腹一杯食べて、もうずいぶん楽しくなってきたころ、偶然仲の良い同期を見つけたんです。それで飛び蹴りしようと思って。
ゆうき)なんで?
卓也)面白いと思ったんだよね。ふざけて軽く小突くみたいなイメージで。それで助走を付けて思いっきり飛んだんです。
そしたら驚いた顔で避けられて。顔面から着地して歯を4本折る重傷を負いました。そのとき、「人間いつ死ぬかわからないし、本当にやりたいことをやろう」と思って、芸人になろうって決めたんです。
ゆうき)「電車で芸人オーディションの広告に出会った」とかもっとドラマチックなきっかけであれよ。飛び蹴りて。
卓也)まあカッコよくはないよね(笑)。でも、かつてないほど死に近づいたことで「これからの人生のどこかで絶対後悔する」って予感した。まさしくターニングポイントだったね。

──ちなみに、その飛び蹴りは片足だったのか両足だったのか、聞いても良いですか?
ゆうき)どこに食いついてるんですか。
卓也)両足です。「アメトーーク!」で宮迫さんが蛍原さんにしたドロップキックをイメージしてもらえたら。
ゆうき)こっちは自慢げだし。
1センチの差で拾った命。翌日出した退職届
卓也)実際病院に行ってみたら「当たり所が少しでもずれてたら死んでた」と言われました。1センチ程度のズレのおかげで4本の歯で済んだと考えれば幸運でしたね。
やりたいことをやる、そう覚悟を決めてからの行動は早くて、翌日には退職届を提出しました。高校生のころからぼんやりと描いていた「お笑い芸人への道」は、こうして夢から目標に変わったわけです。
ゆうき)かっこよく言ってますけど、勝手にドロップキックして勝手に歯を折っただけですからね。

根拠がなくてもやりたいならやっちゃえば?
──退職後はどうされたんでしょうか?
卓也)ワタナベコメディスクールに入りました。相方を探さないといけなくて、一番面白いヤツは誰かと考えたら、やっぱりゆうきが浮かんだんですね。迷うことなくすぐに連絡しました。
ゆうき)12月のずいぶん冷える夜でした。突然卓也から電話がかかってきて「ワタナベコメディスクールに受かったから一緒にやらないか」と言われました。
「受けないか」ではなく「受かった」と事後の連絡にも驚きましたけど、ぶっちゃけ意外ではありませんでした。むしろ「ようやくか」というか。だから嬉しくて。迷うことなく「YES」の返事をしました。
──兄弟でコンビを組むことに、お互い何の違和感もなかったんですね。
ゆうき)あとは「ももクロ」が大好きだったんで、芸人やってたら会えるかも、と思って返事をしたのもあります(笑)。
まあでも、それも建前だったのかな。兄に芸人やろうぜって言われて、それに熱く返事することへの照れ隠しというか。
卓也)ちなみにこの「ももクロに会えるかも」という夢は、共演という形で実現してます。
「俺らなら大丈夫でしょ」

──ついに始まった「土佐兄弟」。下積み時代はどのように過ごされたのでしょうか。
ゆうき)「お笑い芸人の下積み時代」と聞くとつらいイメージがあると思うんですが、別につらくはなかったんですよね。
卓也)お互いに「おもろいヤツ」と認めている同士でコンビを組んでいるわけなので、「コイツとなら大丈夫だ、売れる」と、明るい未来を予感できていたんです。
もちろん大変な仕事もありますし、こんな生活が続くとキツイな、と思う瞬間もありましたが、それでも「俺らなら大丈夫だろ」と根拠のない自信に満ち溢れていました。
歩む道を選ぶときに「これでいいのか」と不安になってしまうことは多々あるけど、あえて根拠なく明るい予感を信じ切ってみる。すると、進むべき道がシンプルになって意外とうまくいくんじゃないかなと思います。
予感を信じて全部やる
ゆうき)卓也は社会人経験があるから、「何年以内にこの番組に出る」とかすごく戦略を立ててくれてたんですね。それに向けて猛烈に動いていたから、俺ら大丈夫なのかなって不安になるスキマもなかったのかも。
身だしなみにも厳しくて、「小汚い格好のヤツは笑えない」って(笑)。だから5人くらいしか見てないステージでも、二人してドーラン塗りたくったテカテカの顔で立ってましたからね。
卓也)あれはやりすぎた(笑)。でもそれくらい信じ切ってやり込みまくったおかげで行きたかった場所に今いるわけで。根拠がそろうまで待っていたら僕たちはここにいなかったでしょうし。
予感に従って動き出した後は、その予感を現実にするために動きまくることも大切なんだと思います。それが信じるための根拠にもなっていくので。
「見てくれている人」は必ずいる

卓也)就活のインタビューを受けると決めてからずっと思っていたんですけど、「就活」と「番組のオーディション」ってめっちゃ似てます。どちらも経験した今だからこそ強く思いますね。
ゆうき)就活もこんなに大変なんだ。
卓也)渾身のネタを準備して、めちゃくちゃ緊張して臨んで、結果的に否定されて落ち込んで。やっと進んだ会社に最終面接で落とされるとかマジでキツイよ。何社も落ちてると段々「自分って駄目なんだ」って思えてくるし。
ゆうき)人格否定されてるみたいな?
卓也)そう。本当はただのマッチングの話なのにね。そうしてつらい場面を経験し続けていると、段々やる気もなくなってきてさ。誰かに評価され続けることは大人だって苦しいじゃんか。社会と初めて接する就活生からしたら、めちゃくちゃしんどいよね。
ただ、それでも続けていけば必ずどこかで「君、良いね」と興味を持ってくれる担当者や会社に出会える。それもまた番組のオーディションと一緒なんだよね。
ゆうき)確かに心当たりあるわ。しかもさ、そういう人に見つけてもらったときって大概その後の企画もうまくいくよね。
卓也)そう。どこかで必ず自分を求めてくれる人がいるから、一回の「不合格」に過剰に反応しなくていい。
「見てくれている人は必ずどこかにいる」って根拠がなくても信じて、その人に出会いに行くために行動し続けることが、就活でも大切なんじゃないかと思います。

取材・執筆・撮影:小林駿平
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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