都築電気はやばい? 「挑戦しづらい」「残業が多い」などの噂をプロと紐解く

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  • キャリアコンサルタント / システムエンジニア

    Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている

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  • 国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー

    Yukio Minami○理系大学院修了後、SEとして医療系システムに従事。私立高校に転職後は進路指導やキャリア教育に携わり、カウンセリングなどを通して生徒一人ひとりに合わせた支援をおこなっている

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  • キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士

    Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている

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本企画について

「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。

「若手が挑戦しやすい風土ではない」
「部署によっては残業が多い」

都築電気を検討するなかで良からぬ評判を見聞きし、不安になる人もいるのではないでしょうか。ただし、そのような評判は偏見や単なるイメージが原因であるケースも多くあります。

この記事では、都築電気を検討している人たちに向けて、「やばい」「やめとけ」といわれる理由と、企業の実態、入社の判断基準について、プロの意見を交えながら解説します。

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1分でわかる都築電気

都築電気とは

1932年の会社設立で、今年5月に創業94周年を迎えた老舗のICT企業。1958年に富士通との特約店契約により汎用コンピューターの販売開始。

オンラインバンキングやOA(オフィスオートメーション)需要拡大の追い風を受け、1988年に売上高500億円、1996年に売上高1,000億円を突破。

ITバブル崩壊後の2000年代は成長力を失うも、2010年代半ばから経営改革を進めIT投資やDX需要の広がりで再成長期に入る。2020年東証一部上場。

会社名都築電気(TSUZUKI DENKI CO.,LTD.)
従業員数(連結)2,061人(2025年3月現在)
本社所在地東京都港区
おもな事業SI(システム・インテグレーション)とNI(ネットワーク・インテグレーション)の両分野でビジネス展開する二刀流が特徴とされる。2024年に電子デバイス事業を売却。コア事業に経営資源を集中しICTのピュアプレーヤーとなる。現在はソフトウエア開発やネットワーク構築といったITインフラ事業、システムの保守・運用事業、幅広い業界・業務に対する課題解決のソリューションを提供する企画提案事業などを展開。
売上高(連結)982億6,300万円(前年同期比21.2%減)(2025年3月現在)
純利益(連結)47億6,400万円(同13.0%減)(同期間)
企業HPhttps://www.tsuzuki.co.jp
採用HPhttps://www.tsuzuki.co.jp/recruit/newgraduate
企業情報

「都築電気はやばい」と言われる5つの理由|プロが読み解く

「都築電気はやばい」といわれる理由を客観的なデータから紐解きます。キャリアコンサルタントが読み方も解説するので、対象企業が自身とマッチするのかを考えながら読み進めてください。

①若手が挑戦しやすい企業風土ではないから

都築電気の口コミを見ると、「挑戦しづらい雰囲気がある」と評価するものもあります。実際に同社の若手社員対象の社内アンケートの結果として「挑戦することに若手が少し戸惑いをもっている」ことや「失敗してはいけないという想いが強い」ようだとの報告もあります(※1)。

これに対して経営者が「チャレンジしにくい環境になっているのであれば反省しなければいけません。社員の皆さんのチャレンジを支援する方法についてさらに検討していきます」と答えるやりとりも見受けられます(※1)。

若手が挑戦しづらいか否かは、受け止め方に個人差がありそうですが、全体的な働きやすさの指標の一つである離職率は、この5年間の推移は1%台から4%台です。一般労働者の全国平均は11.5%(※2)で、一般的には一桁台で低いと言われているので、都築電気の離職率は低く、トータルに見れば働きやすい職場環境だと評価することができます。

都築電気の離職率推移

※1 同社HP 「TSUZUKI REPORT2024」
※2 厚労省 令和6年雇用動向調査結果

アドバイザーのリアル・アドバイス!離職率のブレはトレンドや経営戦略が影響している

国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー

南 幸雄

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結論から伝えると、この数値の動きには「IT業界共通の人材流動化」と、同社が変革期に入ったことによる「健康的な代謝」、その両方が映っているように私は感じます。

情報通信業全体の離職率は約12%(厚労省・雇用動向調査)です。それと比べれば、都築電気の離職率は依然として低い状態にあります。

2020年前後の微増は、コロナ禍によるDX需要の急拡大で、業界全体の人材獲得競争が加速した影響が大きいでしょう。

数字は単体で判断せずに裏側まで読み解こう

私自身がキャリア相談で大切にしているのは「自立」という視点です。若いうちは外の世界へ挑戦したい気持ちが芽生えるのは自然なことです。

同社が年功序列から自律的な成長へ舵を切る中で、自らキャリアを描き直す人が出てきたとすれば、それはむしろ組織が変化に応えられている証だとも言えます。

ネットの「やばい」という言葉に揺れる気持ちは、よくわかります。しかし、数字は文脈を抜きにすると一人歩きしてしまうものです。

1%が2%になったという事実そのものより、なぜそう動いたのか、同社が今どんな局面にあるのか、その背景まで含めてとらえてほしいと思います。

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➁良くも悪くも古い企業体質だから

2032年には創業100周年を迎える老舗企業のため、企業体質も古いという先入観を持つ人がいてもおかしくはありませんが、一般論で考えて変化の速いIT業界で古い企業体質のままで生き抜いていくことは難しいかもしれません。

そのうえで「古いとされる」理由を探ってみると、場合によっては50年、60年にわたって取引を維持している顧客企業があるだけに、そうした関係性のなかで培われた慣習などが、新たに入社した人に古さを感じさせているのかもしれません。

しかし、古さが一概に悪いとはいえません。2000年代には不況を理由に従業員を減らす同業他社が多かったなかで、都築電気は終身雇用とはいわないまでも、社員重視の共同体経営により従業員数を大きく変えなかったことが現在評価されています(※3)。

退職金制度を含む福利厚生の充実ぶりや、18.5年という勤続年数(※4)の長さからうかがえる安定感は老舗企業らしい良さといえます。

※3 同社HP 企業分析レポート(2024年2月21日)
※4 同社HP 有価証券報告書(2025年3月期)

プロのアドバイザーはこう分析!都築電気はインフラの歴史を支えてきた企業だった

キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士

杉原 美佐子

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現在はDXやAIを駆使するSIerですが、都築電気の出発点は電話交換設備と電話機の販売施工です。

日本に電話がほとんどなかった1932年に設立され、日本の電話の普及とともに発展してきました。つまりこの企業は、いわゆる独立系のIT企業とは一線を画す存在です。

電話が唯一の通信手段だった時代、電話をつなぐことは誰もができる技術ではなく、当時の技術者の執念とプライドは相当なものだったはずです。

そうしたインフラを支える使命感に駆られた人が集まった企業と考えれば、平均勤続年数が約20年であっても不思議ではないでしょう。

時代に合わせて変化を遂げた企業である

こうした専門分野から発展した会社は、専門性を磨ける環境がある一方で、老舗企業となった今、母体が大きくなり組織として小回りが利きにくい部分も出てきていると思います。

時代とともに通信技術が大きく進歩し、インターネットの普及、通信速度の飛躍的な向上、そこから「つなぐ」から「つないだ先の課題解決」へと同社は業態を変化させています。柔軟性がこの企業の神髄ではないでしょうか。

➂部署によっては長時間労働が当たり前だから

都築電気では2016年頃までは「一部に『健康診断や健康に時間を使うより仕事!』の風潮があり、また、水曜早帰りデーなど働き方改革に分類される施策は形骸化し、浸透していませんでした」(※5)としており、「長時間労働が当たり前と考える社員が多くいる風潮」(※5)だったと認めています。

結果的に2016年度の平均総実労働時間は2,064時間で、情報通信業の1,933時間を上回り、総実労働時間が5%ほど多い傾向が2013年から続いていました(※5)。

その反省に立ち2017年に健康経営統括室を発足し、総実労働時間の5%削減を目指し、2019年には7.26%削減を達成しています(※5)。

それでも現在の月平均残業時間は33.2時間(※6)です。情報通信業の平均である16.5時間(※7)の約2倍のため、残業は多いほうだと言わざるを得ません

※5 同社HP サステナビリティ・健康経営
※6 同社HP 「TSUZUKI REPORT2025」
※7 厚生労働省 毎月勤労統計令和7年

プロのアドバイザーならこうアドバイス!残業時間は改善傾向にあるが依然として忙しくはある

キャリアコンサルタント / システムエンジニア

小峰 一朗

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都築電気の長時間労働対策は、一定の改善成果が出ている点では評価できると思います。

実際、かつては長時間労働が当たり前という風潮があり、総実労働時間も業界水準を上回っていたようですが、健康経営統括室の設置以降、削減目標を掲げて実際に改善を進めてきた経緯があります。

その意味では、問題を放置せず、自社の課題を認識し、是正に取り組んできた会社であるとも言えるでしょう。

ただし、現時点でも月平均残業時間は33.2時間と、情報通信業の平均を大きく上回っており、「もう十分に改善された」とまでは言いにくいのも事実です。

したがって評価としては、改善の方向には進んでいるが、安心できる水準とはまだ言えない、というのが実態に近いかもしれません。

現場で働く姿を明確にイメージできるようにしよう

特にSIerは部署や案件で差が出やすいので、全社平均だけでなく、自分が配属されうる部門の働き方まで確認して判断することが大切です。

数字の改善だけでなく、現場で無理なく続けられる状態になっているかまで個別に確認してみると良いですね。

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④評価制度に納得感がないから

「実力主義でなく年功序列だ」「上司の主観的評価が納得いかない」など、評価制度への社員の不平不満は企業にとって珍しいものではありません

都築電気もそうした問題意識を持っており、「社員それぞれが目標のために自ら行動し、イキイキとチャレンジできる環境の整備、頑張った人が報われる制度の実現を目指して」人事制度の見直しを進めているとのことです(※8)。

具体的には2025年10月に社長直轄の人事制度改革室を設置し、評価や退職金の制度まで含めた抜本的な改革をおこなう計画です(※8)。

※8 同社HP 「TSUZUKI REPORT2025」

プロのアドバイザーはこう分析!若手のうちから実力を評価してくれる企業である

国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー

南 幸雄

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人事制度改革で特に注目していただきたいのは、「年功序列からの脱却」がどこまで本気で進むか、その実態です。象徴的なのが、若手の成長スピードを評価に直結させる早期戦力化手当の導入です。

これは年次ではなく実力を評価軸に据えようとする、IT業界でもかなり踏み込んだ一手だと感じます。

私自身、SE時代に「もっと早く評価されてもいいはずなのに」と感じる場面がありました。

新しい技術を学ぶ時間というのは、しばしば孤独なものです。だからこそ、その努力が早い段階で形になる仕組みは、若いエンジニアにとって確かな動機付けになるはずです。

同社が掲げる「自ら考え動く集団」への変革は、どこへ行っても通用するスキルを若いうちから身につけてほしいという、企業からの誠実なメッセージにも読み取れます。

実際に社員と接して現場のリアルを体感しよう

ただ、制度の本気度は文字情報だけでは見えにくい部分もあります。

ぜひ説明会に足を運び、社員の方と直接対話してみてください。その語り口や表情から伝わる温度感を、自身の身体で感じる。その実感こそが、納得して一歩を踏み出すための、何よりの拠り所になるはずです。

⑤給料の水準が高いから

都築電気の社員平均年収は943万1,000円(※9)で、同業他社のなかでも高いほうで、良い意味でやばいといえます

平均年収の高さは社員の平均年齢が高いことも一因ですが、それでも900万円台は恵まれた水準といえるでしょう。

社名平均年齢平均勤続年数平均年収
オービック35.9歳13.0年1,103万円
(2025年3月現在)
都築電気43.2歳18.5年943万円
(2025年3月現在)
TKC40.3歳17.1年921万円
(2025年9月現在)
NSD39.5歳15.3年717万円
(2025年3月現在)
DTS39.6歳15.0年644万円
(2025年3月現在)
同業他社との年収比較

また、若手の給与水準も引き上げており、2024年には2025年度新卒採用者への初任給3万円増額を発表し、大学卒の初任給を25万500円から28万500円にしました(※9)。

同時に早期戦力化手当(初年度3万円、2年目2万円)を支給(※10)することとし、給与面で大手SIer、NIerに劣らない水準にしています(※11)。

※9 同社HPニュース
※10 同社採用HP・募集要項
※11 同社HP 「TSUZUKI REPORT2025」

プロのアドバイザーはこう分析!早期戦力化手当で社員の早期成長を後押しする

キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士

杉原 美佐子

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早期戦力化手当とは、恐らく従来の年功序列や終身雇用を打破し、早く一人前の技術者になることを期待した、いわゆる実力主義・成果報酬の応用だと思います。

一般的な資格手当や住宅手当とは違い、成長のスピードを評価の対象にするかなり珍しい試みです。

ここから考えられるのは、ITの急激な進化や会社の事業変革に、スピード感を持って応えてほしいという企業の強い期待です。

つまり、自分のペースでのんびり育つのではなく、組織が求める速度で成長できる人材を欲しているということです。

スキルが給与に直結する環境で成長を目指そう

年収も同業他社の中で高い水準にありますが、IT業界では技術力(実力)が報酬に直結します。技術力が高いということは代わりが利かないということであり、高収入になるのは自然なことです。

社員の平均年齢が高い現状も踏まえれば、若手に一日も早く先輩たちと肩を並べる技術者になってほしいという会社の切なる願いが、この手当には込められている気がします。

あなたが受けないほうがいい職業を知っておこう

就活を成功させるためには、自分に合う職業・合わない職業を早めに知ることが不可欠です。しかし、それがわからずに悩む人も多いでしょう。

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早いうちに自分に合う職業・合わない職業を知って、就活を成功させましょう。

課題に対する会社の改善策の成果を見てみよう

都築電気に関する気になる噂については、過去の事実を含めて一定の根拠がありました。会社側もそれらの課題にはすでに気付いており、改善のために行動を起こしています。

その成果がどこまで出ているのかは、今後さらに情報収集していくことを勧めます。

アドバイザーからワンポイントアドバイス既存の強みを活かしながら工夫した経営をしている

キャリアコンサルタント / システムエンジニア

小峰 一朗

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都築電気の将来性を考えるうえで、老舗ゆえ顧客企業が固定化していることは、たしかに注意して見ておきたい点です。

長年の取引先が多い企業は、安定した受注基盤を持てる反面、特定顧客への依存が強いと、市場環境や取引先方針の変化を受けやすくなるからです。

ただ、都築電気は近年、電子デバイス事業を売却してICT分野に経営資源を集中させるなど、事業の選択と集中を進めています。

これは、従来の延長線上にとどまらず、今後の成長領域へシフトしていく動きとして見ることもできます。加えて、SIとNIの両輪を持ち、保守運用や提案まで広く手掛けている点も、単なる既存顧客依存だけではない強みです。

将来性にも目を向けて企業を見極めよう

したがって、将来性を悲観しすぎる必要はありませんが、今後は既存顧客との安定取引を維持しつつ、新しい領域や新規顧客をどこまで広げられるかが重要な視点になるでしょう。

就活生としては、過去の安定感だけでなく、これから何で伸びようとしている会社なのかを見ることも大切ですね。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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