この記事のまとめ
- 「どんな歯科衛生士になりたいか」の回答は手順にしたがうことで作成できる
- 医院側の質問の目的・意図に沿った回答を心掛けよう
- 例文を参考にして自分なりの「どんな歯科衛生士になりたいか」の回答を作成しよう
- 適職診断
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この記事を読んでいる人に
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歯科衛生士として就職するには面接は避けて通れません。そして、歯科衛生士の面接では「どんな歯科衛生士になりたいか」という質問をされるケースが多くあります。
しかし、「どんな歯科衛生士になりたいか」という質問に関して、「なぜそのような質問をするのだろう」や「どんな回答をするべきかわからない」など、疑問や不安を持つ人もいるでしょう。
この記事では、キャリアコンサルタントの若林さん、久野さん、杉原さんと一緒に、面接で「どんな歯科衛生士になりたいか」と質問する目的や、回答方法などを例文付きで解説します。歯科衛生士を目指し、面接対策に取り組んでいる人は参考にしてください。
「どんな歯科衛生士になりたいか」は医院側の目的に沿った回答をしよう
面接官が「どんな歯科衛生士になりたいか」と質問するには必ず目的や意図があります。まずは医院側の目的・意図を理解し、それに沿った回答をすると高評価を得られる可能性が高まります。
しかし、「具体的にどんな目的や意図があるかわからない」「目的や意図に沿った回答とはどのようなものか」など、疑問が残る人もいますよね。
この記事では、最初に面接官が「どんな歯科衛生士になりたいか」と質問する目的や意図を解説します。まずは質問の概要をつかみましょう。
そして、記事後半で面接官の目的・意図に沿った回答の例文やNG回答例文、独自の回答を考える手順などを解説します。例文を確認したうえで回答の作り方を把握できるため、自分なりの回答が考えやすくなりますよ。
面接官が「どんな歯科衛生士になりたいか」を質問する目的・意図
面接官が「どんな歯科衛生士になりたいか」を質問する目的・意図
- 応募者の考えと医院の理念・風土が合うかを確認するため
- 応募者のキャリアプランを知るため
- 入職後も継続的に学習する意欲があるか確認するため
- 歯科衛生士に関する理解度を測るため
前述のとおり、面接官が「どんな歯科衛生士になりたいか」と質問することには目的や意図があり、それに沿った内容にできれば高評価を得られる確率も高くなります。
ここからは、面接官が「どんな歯科衛生士になりたいか」と質問する目的・意図を解説します。的外れな回答を避けるためにも事前にしっかりと把握しておきましょう。
応募者の考えと医院の理念・風土が合うかを確認するため
「どんな歯科衛生士になりたいか」と質問して、応募者と医院側の目指す方向性が一致するかどうか確かめるという目的があります。
応募者と医院の両方が満足のいく関係を築くには、目指す方向性が同じでなければいけません。別々の目標に向かっている場合、そもそも考え方や価値観が合わず、意見がぶつかり合う可能性があるからです。
そのため、応募する前に、各医院の理念や風土などは必ず調べましょう。そして、自分と同じような考え方を持っている医院に応募することが大切です。
なお、志望動機を作成する際も理念や風土を確かめたうえで作成する必要があります。理念・風土に合った志望動機の作り方がわからない人は、以下の記事を参考にしてください。
例文9選|志望動機で企業理念への共感を伝えて唸らせる4ステップ
「社風の志望動機」は注意が必要! 例文付きで受かるコツを伝授
応募者のキャリアプランを知るため
「どんな歯科衛生士になりたいか」に対する回答は、将来のキャリアプランと同じような意味を持ちます。そして、医院によっては実現できるキャリアプランと、実現できないキャリアプランがあります。
たとえば、独立支援をおこなっていない医院で「将来は独立したい」と伝えた場合、「独立支援をおこなっていないから、すぐに辞められて採用するメリットがないかもしれない」など、マイナスのイメージを持たれる可能性があるでしょう。
そのため、「どんな歯科衛生士になりたいか」に対する回答は、その医院で実現できることから考えましょう。医院やすでに働いている人の特徴をよく理解して、キャリアプランを描くことが大切です。
キャリアプランの作り方がわからない人は、以下の記事を参考にしてください。就活のプロがキャリアプランの作り方を解説しています。
キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!
入職後も継続的に学習する意欲があるか確認するため
「どんな歯科衛生士になりたいか」という質問には、応募者に熱意があるかどうかを見る目的もあります。
高い志を持っている人は、それを目指すために情熱やモチベーションを維持し、学習を続けなければいけません。一方で、すぐに実現できそうな歯科衛生士像を描いている場合、「すぐに熱意がなくなるのではないか」「成長するための学習をしなくなるのではないか」などと思われる可能性があります。
熱意や意欲をアピールするためにも、高い志をアピールできる回答にすることが大切です。
- 歯科衛生士として特にやりたいことや志がありません。このような場合、面接でどのように伝えるのが良いのでしょうか。
まずは改めて歯科衛生士を目指したきっかけを振り返ってみよう
数ある職業の中で、歯科衛生士を選んだのはやはり理由があると思います。「手に職がつくから一生働ける」や「人の役に立つことがしたい」など、なんとなくでも意識があるからこそ、国家資格が必要で一生懸命に勉強しないといけない道を選んでいます。
そこを突き詰められれば良いのですが、それが難しくやりたいことがない場合は、「丁寧な作業を心掛けている」「細かな仕事が得意である」「きれい好き」など、歯科衛生士にとって必要な資質を備えているから自分には向いているということをアピールしてみてはいかがでしょうか。
手に職がつく仕事がしたいと考えている人は以下の記事を参考にしてみてください。選び方が仕事の選び方を詳しく解説しています。
手に職がつく仕事76選! なりたい姿に合った選び方をプロが解説
歯科衛生士に関する理解度を測るため
「どんな歯科衛生士になりたいか」という質問には、歯科衛生士の仕事内容や特徴などを理解できているかどうかを測る目的もあります。
「先頭に立って歯の手術をしたい」など、歯科衛生士の仕事内容の範囲を超えたことを伝えた場合、「この人は歯科衛生士に関して理解度が低い」とマイナスの印象を持たれる可能性があります。
的を射た回答をするためにも、面接対策の前に、再度歯科衛生士の仕事内容や特徴を確認してみるのがおすすめです。
アドバイザーコメント
久野 永理
プロフィールを見る学校で習得したスキル以外のことを知ろうとしている
面接の質問には、必ず目的や意図があります。それをわかっていないと面接の緊張から戸惑ったり、的外れの答えをしてしまいます。そうならないためにも、大筋の目的や意図を考えるのは大切です。
前述にあるような4つの目的・意図のほかに、応募者の性格・人柄や今後どのように活躍してくれるのか、働いてくれるのかを知りたいと思っています。歯科衛生士としての知識や技能は学校で習得しているので、それ以外の情報を知りたいということです。
「どのように患者と向き合い貢献したいのか」を自分の言葉で伝えよう
歯科衛生士は歯科医師の補助をするだけでなく、患者への口腔から全身の健康づくりの支援をしていく役割となります。自身の強みを活かして医院でどのように活躍してくれるのか、どんな思いで仕事と患者と向き合っていくのかなどを伝えられると良いですね。
また、自身が面接官となり質問する立場になったと想定し、その質問から何を知りたいかを考えてみることもおすすめです。
テーマ別! 「どんな歯科衛生士になりたいか」の回答例文10選
「どんな歯科衛生士になりたいか」の回答例文
面接官が「どんな歯科衛生士になりたいか」と聞く目的・意図を把握しても、具体的にどう回答すれば良いかわからない人もいるでしょう。にもかかわらず、回答を完全オリジナルでゼロから考えるのは非効率かもしれませんね。例文を見て、それを自分なりにアレンジして効率的に作成していきましょう。
ここからは、「どんな歯科衛生士になりたいか」の回答例文をテーマ別で10選紹介します。自分と似た考えの例文を見つけ、回答を考える際の参考にしてください。
①予防を重点的に指導する
「予防を重点的に指導する」の例文
私は予防を重点的に指導する歯科衛生士になりたいと考えています。
このような考えを持つようになった背景には自身の経験があります。私は幼少期は虫歯が多く、歯医者には毎年のように通っていました。
治療は痛くて行きたくないと思っていたのですが、あるとき、歯科衛生士の方が私でもわかるように予防の大切さと予防の方法を教えてくれました。その日から予防に力を入れるようになり、虫歯にまったくならないようになりました。
このように、歯科衛生士の方に予防について指導してもらったことで、今でも健康的な歯を維持できています。私が担当した患者には予防の大切さをその人に合った形で指導し、かつ定期検診の重要性も説明したいです。多くの人が歯の健康に対して意識を高く持つようになるよう努めてまいります。
体験談が具体的で、自分がどのように予防指導をしたいかも書かれているので、とても良いと思います。ただ、若干抽象的なので、高齢者への説明の仕方、幼児への接し方などの具体例があるとさらに良くなりますよ。
②患者の不安を払拭する
「患者の不安を払拭する」の例文
私は患者の不安を払拭できるような歯科衛生士になりたいと考えています。
このような考えを持つようになった背景には、妹の歯の治療に付き添った際の経験が挙げられます。
私には10歳離れた妹がいます。両親は共働きなため、私が高校や専門学校に通っている期間は、下校後に妹を歯医者に連れて行っていました。
妹は歯医者が嫌いです。いつも泣きながら治療を受けているのですが、あるとき、まったく泣かず、むしろ笑顔で待合室に帰ってきたことがあります。後日、治療の様子を隣で見せてもらったことがあるのですが、歯科衛生士の方の声がけが素晴らしく、妹を一切不安にさせないように言葉を投げかけていました。
このような経験から、私も子どもをはじめとする患者の不安を払拭できるような歯科衛生士になり、スムーズに治療ができるようサポートしたいと考えています。
流れ自体はとても良い文章だと思います。歯科衛生士がどのような声かけをしていたのか、具体的な内容があればもっと良くなりますよ。学生でも多いのですが、「連れてって」などの「い抜き」や、「10個歳の離れた」などの誤った言葉遣いには注意しましょう。
③最新の知識を学び続ける
「最新の知識を学び続ける」の例文
私は最新の技術を学び続ける歯科衛生士になりたいと考えています。
このような考えを持つようになった背景には、専門学校で最新技術を学んだ経験が挙げられます。
専門学校の授業の一環で、近い将来に導入予定の最新機器に触れられることがありました。現在は歯科衛生士の方が時間をかけておこなっていることも、その最新機器はボタン一つで瞬時に完了させていました。
このような経験から、最新の技術や知識を学ぶことで、歯科衛生士として本当にやるべきことだけに集中できると思いました。患者や先生への価値提供をし続けるためにも、最新の知識や技術を学び続ける歯科衛生士になりたいと考えています。
専門学校でさまざまな授業に興味を持ち学んできた様子がわかる文章ですね。知識も技術も日進月歩で変わっていきます。これからも学び続け医院で活躍したいと意欲的な気持ちが伝わってきます。
④患者とのコミュニケーションを大事にする
「患者とのコミュニケーションを大事にする」の例文
私は患者とのコミュニケーションを大事にする歯科衛生士になりたいと考えています。
このような考えに至った背景には、私自身の歯医者での体験があります。
高校生のとき、急に虫歯が増え始め、月に2回以上は歯医者に通っていた時期がありました。「痛い」という印象が強かったため、最初は通うのが嫌だったのですが、ある歯科衛生士の方が担当してくれるようになってからは、歯医者に通うのが楽しくなりました。
その歯科衛生士の方は、私と友達のようにコミュニケーションを取ってくれて、歯医者に通うのが楽しくなりました。そして、その方は当時歯の治療について何もわからない私でもわかるように説明してくれたため、納得感を持って治療することができました。
このように、患者とのコミュニケーションを大事にして、歯医者への抵抗感をなくせるように努めてまいります。
この体験は、治療について患者の抵抗感を減らし納得できるように説明する大切さを示唆できていますね。友達のようなコミュニケーションが主にならないように、説明責任の重要性をもう少し詳しくしてみるとさらに良くなるでしょう。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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⑤子どもが楽しく通えるような環境をつくる
「子どもが楽しく通えるような環境をつくる」の例文
私は子どもでも楽しく通えるような環境を作れる歯科衛生士になりたいと考えています。
このような考えを持った背景には、母から聞いた話があります。
私が幼少期の頃、定期検診も含めて、3ヶ月に1回は歯医者に通っていました。母が歯医者選びをする際に重要視していたことは、私が楽しく通えるかどうかだったそうです。
振り返ってみると、私が通っていた歯医者は待合室に遊具が設置してあり、治療中も歯科衛生士の方が楽しく会話してくれました。このように、子どもが楽しめる環境は、子どもだけでなく保護者にとっても嬉しく、歯医者選びの一つの基準になると思います。
私も、子どもが楽しく通えるような環境を作るために、提案したり、私自身が実践したりして、貢献したいと考えています。
どんな歯科衛生士になりたいかがわかりやすく、とても好印象です。自分の意見も込められているうえに、働いた姿もイメージしやすくなっていて、とても良い例文だと思います。ただし、歯科業界で働く人は「歯医者」ではなく「歯科医院」と述べるのが一般的ですので、そちらに合わせましょう。
⑥同僚と協力し合える
「同僚と協力し合える」の例文
私は同僚と業務の分担や知識の共有などをして協力し合える歯科衛生士になりたいと考えています。
このような考えを持つようになった背景には、専門学校での実習があります。
専門学校の授業の一環で、歯科衛生士としての職業体験実習をしたことがあります。実習では実際の現場に出て仕事を体験したのですが、知識の少なさと業務スピードの遅さから一人の無力さを実感しました。
そのため、同じタイミングで実習を受けていた人に教えてもらったり、業務を手伝ってもらったりしたのですが、一人でやっていたとき以上に、正確かつ素早く仕事ができるようになりました。
このように、同僚と協力し合うことで患者にとっても質の高い治療を受けられるようになると思います。
この経験から、実際に就職後も同僚と協力し合うことが必須とわかりました。歯科衛生士として、自分の成果ではなく、患者の健康を第一に考えて協力し合いたいと考えています。
学校の職業体験実習を通じてできなかったことができるようになったということから、成長がみえる例文ですね。また、これから医院の中でのコミュニケーションやこれからどのように仕事に取り組んでいきたいのかが伝わってきます。
⑦患者への指導を熱心に取り組む
「患者への指導を熱心に取り組む」の例文
私は患者への指導に熱心に取り組む歯科衛生士になりたいと考えています。
このような考えを持つようになった背景には、私が歯医者で歯科衛生士の方に怒られた経験が挙げられます。
私は中学生の頃、歯磨きを疎かにしていたことが原因で虫歯がありました。しかし、虫歯の治療に行っても歯磨きは疎かにしたままで、また別の箇所に虫歯が出るということを繰り返していました。
このような状況が続いているとき、歯科衛生士の方に「もっと自分を大事にしなさい」と怒られたことがあります。その歯科衛生士の方は、歯が健康であることのメリット、虫歯の危険性などを熱心に指導してくれました。
「歯磨きをしっかりとしなさい」ということではなく、自分を大切にしてほしいという思いがとても嬉しかったのを今でも覚えています。この出来事から、しっかり予防に取り組むようになり、虫歯が大きく減りました。
私もこの歯科衛生士の方のように熱心に指導して、一人でも多くの人が歯に対する意識を高められるようにしたいと考えています。
このケースは、怒られたことがうまく行動改善につながった事例です。「熱心=患者を怒る」にならないように注意しましょう。歯磨きが面倒な人の気持ちに共感しながら優しい言葉をかけるなど、指導場面を取り入れてみてください。
⑧口腔衛生向上の取り組みから地域全体に貢献する
「口腔衛生向上の取り組みから地域全体に貢献する」の例文
私は口腔衛生向上の取り組みから地域全体に貢献する歯科衛生士になりたいと考えています。
小学生の頃、学校内で歯の定期健診がありました。その際、健診の前後に口腔衛生向上のための取り組みについて歯科衛生士の方から指導を受けていたのですが、指導のおかげでここまで虫歯がほとんどなく過ごすことができました。
目の前の患者を第一に考えることはもちろんですが、地域全体にも目を向け、〇〇市全体が歯に対する意識を高められるように取り組んでいきたいと考えています。
いわゆる歯科医院が学校の定期健診などをおこなうのは、当番制の市町村が多く、歯科医院の業務としては一般的ではありません。保健所、保健センターへの就職を希望するなら、こうした例文は相手に刺さると思うので、志望先によってはとても良い例文だと思います。
⑨患者を第一に考えられる
「患者を第一に考えられる」の例文
私は患者を第一に考えられる歯科衛生士になりたいと考えています。
このような考えを持つようになった背景には、専門学校時代に先生から「自分がやりたいことを押し付けていないか」と注意された経験が挙げられます。
専門学校の授業の一環で、実践に近い形で実習する機会がありました。私は習ったことや身に付けた知識・技術を発揮したいと思い、自分がやりたいことをやろうとしていました。
しかし、この考えがすぐに見透かされ、先生に「患者を第一に考えよう」と注意されたことがあります。
この言葉でハッとして、「患者を第一に考え、意見を尊重しなければならない」と考えを改められました。今後は、患者の言葉や表情、症状を注意深く分析し、患者を第一に考えた治療を提供できるように努めてまいります。
自身の弱みの部分を伝えるだけでなく、しっかりと具体的な改善方法もあることで、マイナスをプラスに変えていく良い伝え方です。また、今後の患者との接し方もあり活躍してくれる姿が伝わります。
⑩専門性が高い
「専門性が高い」の例文
私は歯に関する専門性が高い歯科衛生士になりたいと考えています。
私の母も歯科衛生士として働いています。私も歯科衛生士を目指しているため、わからないことがあった際には母に聞くことが多々あるのですが、どんな質問でも的確な回答をしてくれます。
そして、母の職場を見学させてもらったことがあるのですが、そこでも母は頼りにされており、改めて憧れを持ちました。
このような経験から、私も歯に関する専門性を高め、医院内や患者の方々に頼りにされる存在になりたいと思いました。
「高めたい専門性は何か」をより具体的に伝えられるとさらに良くなります。将来、認定歯科衛生士を目指すのであればその計画を、障がいのある人や嚥下など特定分野を極めたいなら目指す分野とその理由を伝えましょう。
避けよう! 「どんな歯科衛生士になりたいか」のNG回答例文4選
「どんな歯科衛生士になりたいか」のNG回答例文
- 「特にありません」と回答する
- 仕事に対して否定的な態度を取る
- 歯科衛生士の仕事内容・働き方を理解できていない
- 歯科衛生士や応募先の興味が薄い
「どんな歯科衛生士になりたいか」と質問された際、ある回答をするとマイナスのイメージを持たれる可能性が高まります。NGな回答は事前に把握しておき、避けて回答することが大切です。
ここからは、「どんな歯科衛生士になりたいか」の質問に対するNG回答例文を4つ紹介します。良いイメージを持ってもらうためにも、NG例文を把握しておきましょう。
NG例文①「特にありません」と回答する
「どんな歯科衛生士になりたいか」という質問に対して、「特にありません」と回答するのは絶対に避けましょう。歯科衛生士として働くための熱意やモチベーションがないと、マイナスのイメージを持たれてしまいます。
とはいえ、まだどんな歯科衛生士になりたいか見当がつかない人もいるでしょう。そのような人は、憧れの歯科衛生士を見つけ、その人のどのような部分に憧れるか言語化すると、なりたい歯科衛生士像が見つかりますよ。
- なりたい歯科衛生士像もなく、憧れの先輩もいません。どのようにしたら回答内容を考えられるでしょうか。
「自分が患者だったらどんな歯科衛生士に治療をしてもらいたいか」を考えてみよう
理想や憧れの歯科衛生士がいたら考えやすいかもしれませんね。しかし、見つからないという人は過去に歯科医院に通院したときのことを思い出してみましょう。また、歯科衛生士ではなく、患者として逆の立場で考えてみてはいかがでしょうか。
こんな声掛けしてもらえたらいいな、こんな対応してくれたら嬉しいななど見つかるはずです。そこから、自身はどんな歯科衛生士になりたいのか考えてみてください。
NG例文②仕事に対して否定的な態度を取る
「仕事に対して否定的な態度を取る」のNG回答例
私はできる限り作業の効率性を高められる歯科衛生士になりたいと考えています。
歯科衛生士の仕事には無駄な部分が多いと思います。実習で実際に職業体験してみましたが、「なぜこれをやらなければいけないのだろう」や「私がする必要があるのか」と疑問に思うことが多々ありました。
そのため、私は本当に必要なことだけに取り組み、無駄だと感じることはおこなわず、作業効率を極めていきたいと考えています。
上記の例文のように、前提や常識を疑うのは良い姿勢です。しかし、仕事を否定的に捉えるのは良いイメージは持たれないでしょう。仕事を任せても嫌々やったり、与えられたことしかできなかったりするのではないかと思われてしまいます。
歯科衛生士を目指すなら、歯科衛生士の仕事を肯定的に捉えられなければ向いていないとも言えます。歯科衛生士の仕事を肯定的に捉え、そのうえで改善策を提案するのが良いでしょう。
NG例文③歯科衛生士の仕事内容・働き方を理解できていない
「歯科衛生士の仕事内容・働き方を理解できていない」のNG回答例
私は受付業務に徹した歯科衛生士になりたいと考えています。
このような考えを持った背景には、幼少期の経験があります。私がよく通っていた歯医者では、毎回同じ人が受付をしていました。その人は私に優しく話しかけてくれて、その人と話すのを楽しみにしていました。
受付の態度によって子どもの歯医者への通いやすさは変わると思います。そのため、受付業務に徹して、誰もが通いやすい歯医者にしたいと考えています。
上記の例文の場合、歯科衛生士が受付業務も担当する歯科医院もあるでしょう。しかし、受付業務がすべてということはほとんどありません。歯科医師のサポートをしたり、歯の健康指導をしたりするのが歯科衛生士の仕事です。
このように、歯科衛生士としての仕事内容や働き方を理解できていないと、「歯科衛生士に向いていないのではないか」や「学習意欲が低いのではないか」など、印象を下げてしまいます。
面接対策をする前に、歯科衛生士の仕事内容や働き方など、基本的なことを再度押さえておくことが大切です。
NG例文④歯科衛生士や応募先の興味が薄い
「歯科衛生士や応募先の興味が薄い」のNG回答例
私は言われたことをきちんとこなせる歯科衛生士になりたいです。
私自身、歯科衛生士としての目標は特にありません。ただ、専門学校でせっかく知識や技術を身に付けたので、歯科衛生士として働きたいと考えています。
歯科衛生士や応募先への興味が薄い回答をすると、「歯科衛生士として働く必要がないのではないか」「当院で採用する意味が見いだせない」など、マイナスのイメージを持たれる可能性が高くなります。
また、興味が薄いことは成長意欲が低いことも表します。
自分が興味を持てる歯科衛生士としての仕事内容や働き方を見つけ、それをアピールすると高評価につながりますよ。
「福利厚生が良い」「自宅から近く、通勤が楽だから」など、歯科衛生士でなくても当てはまったり、環境面だけにスポットを当てたりしたものも避けましょう。環境や待遇だけにフォーカスした内容は、「うちで働く必要がない」と捉えられてしまいがちです。
「どんな歯科衛生士になりたいか」の回答を考えるための手順
ここまで「どんな歯科衛生士になりたいか」の回答例文を紹介してきましたが、「自分なりの回答の考え方がわからない」と悩む人もいるでしょう。回答はある手順を踏むことで考えられるようになります。
ここからは、「どんな歯科衛生士になりたいか」の回答を考える手順を解説します。自分なりの回答を考えられず悩んでいる人は参考にしてください。
①これまでどんな考え・価値観を持って学習してきたかを振り返る
最初に、歯科衛生士を目指す過程で、自分がどんな考え方や価値観を持って学習してきたかを振り返りましょう。目標や理想は自分の考えや価値観の延長線上にあります。
たとえば、学習の過程で「患者の痛みをできる限り減らしたい」と考えた人は、「患者を第一に考えられる歯科衛生士」や「患者が歯医者を好きになってくれるような環境を作れる歯科衛生士」などの理想像が設定できます。
一方で、「作業をできる限り効率化して患者と接する時間を増やしたい」と考えた人は、「最新技術を学び続ける歯科衛生士」や「患者とのコミュニケーションに重きを置いた歯科衛生士」などの理想像が設定できるでしょう。
このように、考えや価値観によって「どんな歯科衛生士になりたいか」が大きく変わります。適切な理想像を掲げるためにも、まずはどんな考え・価値観で学習してきたかを振り返りましょう。
②歯科衛生士の仕事内容や応募先の特徴をリサーチする
次は、歯科衛生士の仕事内容や応募先の特徴を調べましょう。
「授業の中で歯科衛生士について勉強しているから、改めて調べる必要がない」と思う人もいるかもしれません。ただ、選考を受けるにあたって、歯科衛生士の仕事内容や応募先の特徴は理解しているのが前提となり、理解していない場合は大きく評価が下がる可能性もあるのです。
確実に評価を保つためにも、改めて歯科衛生士の仕事内容や応募先の特徴を調べておくことをおすすめします。
なお、応募先の特徴はホームページ(HP)や採用ページを見たり、職場見学をして先輩から直接聞いたりすることで調べられますよ。
学校によっては先生方が応募先の医院のことをよく知っている場合もあります。自身で求人検索した医院も、先生に一度聞いてみるのも一つのリサーチ方法ですよ。
③歯科衛生士としての短期・長期の目標を設定する
歯科衛生士の仕事内容や応募先の特徴を調べたら、応募先で歯科衛生士としてどうなりたいかという目標を設定しましょう。後ほど、ここで設定した目標を言い換えることで、「どんな歯科衛生士になりたいか」の回答を作れるようになります。
目標は人それぞれですが、選考対策中においては、応募先で実現可能な目標を設定してアピールするのがおすすめです。応募先で実現不可能な目標を伝えると「当院である必要がない」と思われる可能性が高くなってしまいます。
なお、目標を設定する際は、短期と長期の両方を設定するのがおすすめです。長期的な目標だけを設定すると、その果てしなさに逆にモチベーションが下がってしまいます。一方で、短期的な目標だけを設定すると、「どんな歯科衛生士になりたいか」の回答の規模が小さくなり、面接官に「努力し続ける意欲がないのではないか」と思われる可能性があります。
このように、「どんな歯科衛生士になりたいか」を言語化するためにも、歯科衛生士としての短期・長期の目標を設定しましょう。
④設定した目標が「どんな歯科衛生士か」を言語化する
前述のとおり、設定した目標を言い換えることで「どんな歯科衛生士になりたいか」を言語化することができます。最後に、目標をもとにして「どんな歯科衛生士になりたいか」の回答を作成しましょう。
目標が具体的であるほど、「どんな歯科衛生士になりたいか」を言語化しやすくなります。つまり、目標設定がカギとなるということ。「目標を設定したけど、どんな歯科衛生士になりたいかを言語化できない」と悩む人は、目標を見直してみるのがおすすめです。
- 明確な目標はあるのですが、「どんな歯科衛生士になりたいか」と質問されるとどう回答して良いかわからなくなります…。どのようにしたら、目標をもとに質問の回答が作れるようになりますか。
紙に書き出してみると整理されるはず
明確な目標があるなら、まずその内容を書き出してみてください。次に、なぜそう思うのか、自分の考えや具体的なエピソードを書いてみましょう。
それらがそろったら、相手が読みやすいように、まずは結論(目標)を書き、次になぜそう思ったのかとまとめを書くとすっきりとわかりやすい回答ができると思いますよ。
「診療補助のとき、どのような動きをすると歯科医師は助かるのか」のように、歯科医師の立場に立って考えてみることもおすすめです。また、小規模の歯科医院だと人間関係も大切です。歯科医師を助け、チームとしてできることに着目してみてください。
就活のプロが解説! 「どんな歯科衛生士になりたいか」のベストな回答とは?
「どんな歯科衛生士になりたいか」の質問に対する回答を作れたけど、これでいいのか不安に感じている人もいるでしょう。
就活のプロであるキャリアコンサルタントの若林さんに、「どんな歯科衛生士になりたいか」のベストな回答とその作り方を聞いてみました。自分の回答に不安がある人は、回答を見比べて改善していきましょう。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見るまずは患者や歯科医院目線で求められる歯科衛生士の姿を考えよう
歯科衛生士の約9割は、歯科医院に就職します。そのため、まずは一般的な歯科医院に就職を希望する場合の回答を考えていきましょう。
まず大切なのは、自分がどうなりたいのかではなく、患者や歯科医院にとってどんな歯科衛生士になりたいかです。似ているようですが、主が自分であるか、他者であるかによって相手に与える印象は大きく変わります。
以下の2つの例文を見てみてください。
「口腔指導が得意なので、口腔指導で活躍できる歯科衛生士になりたい」
「口腔指導を通して、予防歯科の大切さを患者さんに伝えたい」
前者は自分が主体となっていて自己中心的な印象を残しますが、後者は患者に寄り添った回答になり、好印象を与えられます。
チームとしてどのように貢献できるかという点にも目を向けてみよう
歯科医院は、歯科医師・歯科衛生士・受付・歯科技工士などがチームとなって治療を進めていきます。どういう歯科衛生士になりたいかを考えるときに、こうしたチームプレイはとても重要です。
そうした点に目を向けた「歯科医師がスムーズに診療できるような歯科衛生士になりたい」といった回答も、模範回答としてアリだと思います。
当たり前だと思われるかもしれませんが、「歯科衛生士としての業務範囲に沿った内容にすること」を忘れずに、「どんな歯科衛生士になりたいか」の回答を用意することが大切です。混同しがちな「精密印象」と「対合印象」など、回答内容が歯科衛生士としての業務を逸脱しないように気を付けましょう。
「どんな歯科衛生士になりたいか」の例文から独自の回答を考えよう
歯科衛生士の選考では、「どんな歯科衛生士になりたいか」と質問される可能性があるため、自分なりの回答を用意しておかなければいけません。ただ、ゼロから回答を作るのは非効率。例文を参考にして自分なりの回答を作るのがおすすめです。
この記事では、面接官が「どんな歯科衛生士になりたいか」と質問する目的や回答の作り方、例文を解説してきました。ぜひこの記事を参考にして、面接官から高評価を得られる回答を作成し、面接を突破しましょう。
アドバイザーコメント
杉原 美佐子
プロフィールを見る患者と歯科医師の立場から「良いと思われる歯科衛生士の姿」を考えてみよう
患者の立場であれば、マスク越しでも笑顔になっている、明るい声でハキハキ喋って言っていることが聞き取りやすい、タオルを顔にかける際も丁寧、顎がだるくならないようにこまめに唾をバキュームしてくれるなどが、わかりやすい「良いと思われる歯科衛生士の姿」なのではないかと思います。歯科衛生士の技術も大事ですが、患者接遇を重視するでしょう。
一方、歯科医師や経営者としての立場だと、治療や経営方針を理解している、礼儀や気遣いがあり先輩や同僚とうまくやれる素直さがある、そして真面目に一生懸命働く歯科衛生士を望むでしょう。
また、患者対応もうまくやって欲しいと考えます。患者には、年齢・性別だけでなく多種多様な人がいます。中には強い言葉で話す人もいるでしょう。そうしたときであってもきちんと患者に向き合える強さが求められます。
医療従事者の立場になることを忘れずにしよう
そして一番大事なのは、医療従事者の立場としてです。歯科衛生士である以前に医療従事者としてのミッションを考えてみましょう。
歯科衛生士の仕事をどのくらい真剣に考えているか自分に問いかけてみてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修
プロフィール詳細キャリアコンサルタント
Eri Kuno〇キャリアコンサルタントとしてこれまで学生への就職セミナーや就活相談、企業における従業員へのキャリア支援などをおこなう。現在はおもに求職者の就職支援やカウンセリングに従事
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士
Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている
プロフィール詳細