面接の自己PRの伝え方|採用経験者が語る、強みへの説得力とは【例文付き】

この記事の執筆者 幅広い業界での経験とキャリア支援実績がある専門家が書き下ろしました
秋田 拓也
秋田 拓也
キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Takuya Akita〇人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当。To Be Myselfを起業後、企業内のキャリアコンサルティング、新卒・中途の就職をサポートしている。To Be Myself 代表。保有資格:国家資格キャリアコンサルタント/産業カウンセラー/キャリア・デベロップメント・アドバイザー 他多数。

自己PRで何をアピールすれば良いかを理解する

自己PRとは何か。

簡単に言うと「自分の強み」や「自分の売りは何か」を企業にアピールすることです。ポイントとなるのは、その強みが「応募先企業の職種や社内で活かされそうか」だといえます。

ただ、「活かされるかどうか」は未知数かつ不確実です。一方で、あなたの強みを企業が魅力に感じてくれれば、十分なアピールになります。したがって、無理に企業の求める人材に寄せた内容にする必要はありません

最も重要なのは、エピソードの内容からアピールしている強みが納得のいく形で伝わっているかどうかです。これまでES添削をしてきた経験から言うと、アピールする強みとエピソードが「一致していないケース」が多いのも事実です。これではアピールとして弱くなってしまいます。

本コラムのコンセプト

生成AIによる一般的な情報がすぐに手に入る時代。就活生や求職者にいま求められているのは、経験や体験に基づく血の通ったアドバイスではないか。そうした読者のニーズに応えるために、編集部がテーマを選定し、参画するキャリアコンサルタントらに寄稿いただくコラム企画を始めました。自身の経験や実アドバイスをベースに、綺麗事を一切排除した本音の就活対策をお届けします。

自己PRで強みとエピソードのミスマッチを防ぐには

自己PRの作成で多いのが、先に強みを考えてからエピソードの内容を合わせていくやり方です。しかし、これはミスマッチが発生しやすいやり方だと私は思っています。

先に強みを考えると、多くの場合「強み」は過剰にアピールされた表現になってしまいます。あるいは、複数の強みが混ざってアピールされる場合もあります。

そうすると、強みとエピソードのバランスが取れていない状態が発生してしまうのです。

強みとエピソードどちらを先行させるかで自己PRは変わる

読者の方のなかにも、強みとエピソードのバランスが取れていないと感じる人がいれば、まずはエピソード内容から読み取れる「一番の強み」を探してください。つまり、エピソード内容から強みを決めるやり方で作成するのです

そうすると強みとエピソードのミスマッチを防ぐことができ、納得のいく形で「強み」を企業側にアピールすることができます。

「強み」から「エピソード」を作成した、修正前の自己PR文

修正前:強みからエピソードを作成

私の強みは「気づける行動力」である。

私は○○大学病院で調剤事務としてアルバイトをおこなっている。

職場では、アルバイトの定着率が悪いことが大きな問題点となっている。そこで、私は、新しく入社したスタッフが仕事を覚えることができないことが原因であると考えた。

解決するために、改善するべき点をリストアップし店長に提出し、1カ月に1つ問題点を解決することを目標にサポートをおこなった。

おもなサポート内容は、新スタッフに必ず2人の現スタッフを付け業務を一緒にすることである

また、毎日「今日の目標」を立て、できたこと・できなかったことを一緒に振り返った。私も新スタッフができない仕事を把握することで今後の改善案を立てやすくなった。

改善をしたことで、12月現在では、誰1人離職することなく業務をおこなえている。

以上のことから問題点に気づき周りを巻き込んで解決できる行動力を貴社でも活かしていきたい。

「エピソード」から強みを作成した、修正後の自己PR文

修正後:エピソードから強みを作成

私の強みは「課題解決力」である。

1年生の時から大学病院で調剤事務としてアルバイトをおこなっている。

職場では、アルバイトの定着率が悪いことが大きな問題点となっていた。私は、新人スタッフが仕事を覚える難しさに原因があると考えた。

最初に改善するべき問題点をリストアップして店長に提案した。1カ月に1つの問題点を解決することを目標にサポートをおこなった。

主なサポート内容として、新人スタッフに2人の指導スタッフを付けることで、指導方法の偏りをなくすことを試みた

次に「今日の目標」を立て、できたこととできなかったことを一緒に振り返った。私も新人スタッフができない仕事を把握することで今後の改善案を立てやすくなった。

改善をしたことで、現在では、誰1人離職する事なく業務をおこなえている。

この経験から学んだ現状把握をおこない、周囲を巻き込んで課題を解決できる行動力を貴社でも活かしていきたい。

修正前と修正後では、どちらの「強み」が印象に残りますか?

どうでしょうか。修正後の強みは「課題解決力」というシンプルな強みでも、エピソード内容とマッチしていることで、とても強いアピールになっていると思います。

表現の面では、太字の箇所を追加修正しました。エピソード内容もできるだけ簡潔にして、余分なものを削っています。比較してみると、読みやすくなったと思いませんか。

修正前のように強みを二つ(気づける力・行動力)にすることやエピソードを二つ入れることは、強みをぼやけさせてしまいます。

修正後のようにシンプルでも、ひとつの強みをしっかりアピールするほうがインパクトのある自己PRになるのです

自己PRやガクチカは読み手の視点で作成することが重要

自己PRやガクチカを作成するにあたって最も重要なポイントは、読み手の視点になることです。

「いかに読みやすく理解しやすいか」「アピールポイントがエピソードから伝わってくるか」これらの要素を満たせば評価が高く、印象に残ります。

ESを作り慣れていない人に多いのが、詳しい状況説明や事柄が多くなり、長文になってしまうことです。読み手の身になって簡潔に伝えることを心掛けましょう。

私自身もそうでしたが、担当者はほかの業務も兼務しながら多くのESを読み込む必要があります。何度も読み返さないと理解できないESや印象に残らないESよりは、読みやすくて一度読むだけで理解できるようなESは、とても評価が高くなります

さらに気をつけてほしいのは「提出期限」です。ほとんどの学生は、提出期限のギリギリに提出をします。採用側の目線から言えば、期限日が近くなると大量のESが届くということです。担当者は、大量のESを急いで読み込むことになります。

流し読みになると内容も伝わらず、特にインパクトのないESは印象にも残りません。頑張って作成したESをしっかり読み込んでもらうには、できるだけ提出日よりも早く提出することをおすすめします。

面接での自己PRの評価について

企業は面接で自己PRを語らせて何を評価しているのでしょうか。私が評価していたポイントは「自信を持って強みをアピールできているか」です

これは、自己PRでアピールされる強みは、どれを取り上げても企業のなかでは何らかの形で活かされると思っているからこそです。

「行動力」「継続力」「集中力」「責任感」「課題解決力」「コミュニケーション力」「忍耐力」など、これらは「ポータブルスキル」と言われます。さまざまな業務や状況に応じて活かされ、さまざまな業種・職種で活かせる「共通のスキル」なのです。

そのため、そのなかで自分が一番だと思う「強み」に自信を持って、しっかりアピールすることが重要です。自信を持って伝えられない大きな原因は、自分自身がその強みを「本当に強みだと理解していないこと」にあると思います。

最後に

自己PRでは企業の求める人材に合わせてはいけない、とは言いません。しかし、自分の強みではないものをアピールすることは誠実ではありません。

ありのままの自分を知ってもらい、ありのままの自分を評価してもらう

評価してもらった企業こそが、あなたの居場所だと思います。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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