オンワード樫山はやばい? 給与が低い? 店舗が大量閉店? プロが実態を読み解く

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/fc-styling代表

    Mitsuki Tominaga〇ファッション業界にてスーパーバイザーや採用、お客様相談員を経て独立。大学生の就職支援や高校生向けキャリア講座、中途採用の転職支援事業など幅広い世代の就労支援に従事

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  • キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士

    Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は60000件超。30年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう

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  • 国家資格キャリアコンサルタント/国家検定2級キャリアコンサルティング技能士

    Yuichi Hirano〇主体的なキャリア形成にて代表取締役を務める。福商実務研修講座にて講師を担当するほか、人材サービス会社などで実践を重ねる。18年間で1万人以上の面談実績あり

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本企画について

「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。

日本を代表するアパレルメーカーであるオンワード樫山ですが、企業について調べると、「給与が低い」「店舗が閉店」といった情報から、「オンワード樫山はやばい」という噂をされているようです。

そこで、この記事ではやばいと言われる理由に迫ります。具体的なデータを提示しながら、正しい企業の実態を理解しましょう。さらに、就活のプロであるキャリアコンサルタントからも情報の読み解き方を伝授するので、併せて読んでみてください。

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1分でわかるオンワード樫山

オンワード樫山とは

1927年創業の老舗アパレル企業。紳士服や婦人服などの衣料品の企画・製造・販売を主事業とし、「生活文化企業」として新しいライフスタイルを提供し続ける。2007年の純粋持株会社体制への移行により、現在は株式会社オンワードホールディングスの中核企業としてアパレル関連事業を担う。

近年は環境に配慮したサステナブルなモノづくりや、適量生産を実現するオーダーメイドブランド「KASHIYAMA」の展開などにも注力。

会社名株式会社オンワード樫山
従業員数(単体)2,720名(2025年2月期)
本社所在地東京都中央区
おもな事業紳士服、婦人服、子供服、身の廻り品などの企画・製造・販売
売上高1,118億300万円(前年同期比3.9%増)(2025年2月期)
経常利益47億2,200万円(同21.9%減)(同期間)
企業HPhttps://www.onward.co.jp/
新卒採用HPhttps://www.onward.co.jp/recruit/
企業情報

「オンワード樫山がやばい」と言われる3つの理由|プロが読み解く

オンワード樫山がやばいと言われる理由を3つ紹介します。なぜそのような噂が立つのか、具体的な根拠を示しながら解説していきます。また、キャリアコンサルタントから専門的視点でのアドバイスも載せているので、参考にしながら読んでみてください。

①給与水準が低いから

オンワード樫山に対する口コミ等では、給与額が上がりにくいという意見を目にします。

年収自体は公表されていませんが、月給としては総合職と技術職が24万円、ファッションスタイリストが20万~24万円と設定されています(※1)

職種月給
総合職24万円(首都圏手当を含む)
技術職24万円(年俸制)
ファッションスタイリスト20万~24万円(勤務地により異なる)

日本企業の大学卒の平均初任給が24万8,300円(※2)であることから、確かに同社の給与額自体はそこまで高くないと読み取ることができます。

初任給自体は標準的ではあるものの、昇給幅や配属先によっての給与の上がり方には差が出る可能性があることを押さえておきましょう。

※1 オンワード樫山 募集要項
※2 厚労省 令和6年賃金構造基本統計調査

アドバイザーのリアル・アドバイス!体育会系の社風でも業務ごとに必要な力は異なる

キャリアコンサルタント/fc-styling代表

冨永 実希

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大手アパレルでは数少ないメンズブランドの展開が多く、役員にスポーツ経験者が多く体育会系の社風です。

現代では好き嫌いがあると思いますが、意欲重視、元気であること、失敗を恐れず挑戦する積極的な姿勢が評価される傾向にあります。

とはいえ、元気だけではビジネスは成り立ちません。営業部隊は売り上げという数値が必須であることはいうまでもありません。企画、デザイナーはより売れる商品づくり、生産部隊は粗利を重視することです。

主体性を持った挑戦姿勢で成長していこう

ここまではどの企業も同じと言えますが、受動的な姿勢ではなく、「やりたいです。やらせてください!」と積極的に提案をし、たとえ成果を上げられなくても、次回に向けて修正し、また挑戦していくことが大事です。

その姿勢が認められ、期待され、周囲のサポートを受けながら成長していくことが評価されます。

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②赤字で大量に店舗が閉店したから

オンワードグループ全体で2020年2月期より、グローバル事業構造改革の一環として、不採算店舗の撤退を進めました。また、新型コロナウイルスの影響により、外出自粛要請によって消費が減ったり、店舗の休業や時短営業があったことも影響していると推測されます(※1)。

急に店舗数が縮小したことで、経営面に不安を感じる人が多いのではないでしょうか。

しかし現在、同社はOMO型店舗へのシフトに取り組んでおり、オンラインストア上で取り寄せた商品を実際に店頭で試着することができるサービスなどを展開しています。単純に店舗を減らすだけでなく、時代に合わせて業態を変化させることで、戦略的に経営をおこなっているといえます。

OMO型店舗

OMO(Online Merges with Offline)型店舗の略で、実店舗とオンラインストアのメリットを融合させた店舗。

また、そういった取り組みの成果として、2021年2月期まで落ち込んでいた売り上げは、毎年右肩上がりの回復を見せています(※2)。

※1 オンワード樫山 有価証券報告書 2021年2月期
※2 オンワード樫山 有価証券報告書

プロのアドバイザーはこう分析!新たな取り組みによって会社は改善されている

キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士

瀧本博史

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コロナ禍の影響が落ち着いた現在、オンワードホールディングスは構造改革やOMO戦略の推進によって、足元では増収増益と業績の改善が進んでいると考えられます。

なかでも、実店舗とオンラインを組み合わせた「クリック&トライ」のようなサービスは、オンラインで見つけた商品を店舗で実際に試せる仕組みとして、利便性と安心感の両立に貢献しており、今後の成長を支える取り組みとして期待されます。

デジタルを駆使した企業価値の最大化を狙っている

こうした動きは、単なる「実店舗からオンラインへの移行」ではなく、デジタルを活用してリアル店舗の価値を高め、新しい購買体験を生み出そうとする姿勢の表れだと言えます。

したがって、表面的な「ECが強い」という説明にとどまらず、「デジタルでリアルの価値を最大化している」という本質に踏み込んで理解できると良いです。

③配属先によって環境に差があるから

オンワード樫山では、職種によって配属地が豊富に設けられています。そのため、配属先によっては店舗の様子や忙しさに差があるのではないかという意見が挙がってくるようです

確かに、総合職では移動や転勤はあることや、都心勤務を希望しても、地方への配属になる可能性もあります(※)。

職種勤務地異動・転勤の有無
総合職東京 札幌 仙台 名古屋 大阪 広島 福岡 などあり
技術職東京原則なし
ファッションスタイリスト東京 札幌 仙台 名古屋 大阪 広島 福岡(各エリア毎の採用 / 通勤圏内の店舗へ所属)原則なし

また、ファッションスタイリスト職では勤務により給与が異なり、月給としては20万~24万円(※)という差があることも、配属先によって環境に差があると言われる理由の一つだと考えられます。

オンワード樫山 募集要項

アドバイザーのリアル・アドバイス!配属先によって差があることは事実である

国家資格キャリアコンサルタント/国家検定2級キャリアコンサルティング技能士

平野 裕一

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オンワード樫山において、配属先による環境の差は顕著です。実際に同社を離れる選択をする人もいるほど、現場の格差は無視できない現実があります。

最も大きいのは配属されるブランドと店舗規模による差です。同社は「23区」や「自由区」など多種多様なブランドを展開しており、都心フラッグシップ店と地方百貨店のインショップでは、客層や単価、来店数が異なります。

これにより、個人の売上ノルマの達成難易度や、店舗の忙しさに差が生まれます。

環境差と自分のキャリアとの適性を照らし合わせよう

また、募集要項にある「勤務地による月給20万〜24万円の格差」や、総合職の「全国転勤に伴う生活の激変」、スタイリスト職の「通勤圏内での店舗異動による人間関係のリセット」も、働く環境を大きく左右します。

全国展開の巨大組織だからこそ、配属先次第でまったく別の会社に感じるほどのギャップが生じるのが特徴です。配属ガチャに振り回されず、その環境が自分の目指すキャリアにつながっているかを見極める視点が重要となってきます。

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噂から踏み込んで実態を把握しよう

オンワード樫山に対するネガティブな噂について、事実として確認できる部分もありましたが、そこから踏み込んで実態をとらえることが大事です。

たとえば、店舗が大量に閉店したという事実はありましたが、現状は売り上げを回復していることがわかりました。一つの物事にとらわれすぎず、正確な情報を多面的にとらえて、企業の真の姿を見極めましょう。

アドバイザーのリアル・アドバイス!会社の業績回復に向けた取り組みを実施している

キャリアコンサルタント/fc-styling代表

冨永 実希

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オンワード樫山のような大手アパレルのビジネスモデルは、現在変革期にあると言えます。かつて国内ブランドは百貨店の動員客に対し、販売し利益を上げていました。

ところが、百貨店の動員減少、郊外SCへターゲットを変更するも人口減少やファストファッションの台頭により、勢いは失われてきています。

しかしながら、ECサイトの立ち上げにより、回復傾向にあり、EC部隊は拡大傾向にあります。

実店舗の不採算店舗をスクラップすることはこれまでにもおこなわれてきているので、特段不安視することではないと思います。むしろ、会社を維持するために赤字を減らす目的で一気に閉店に踏み切りました。

自分自身の希望を明確にしてキャリアを思い描こう

これらの流れを把握したうえで、ブランド数の多い同社でやりたいことを明確化することを勧めます。

メンズ、レディース、キッズ、雑貨などファッションのカテゴリーを多数経験できる土壌で、自分がどうなりたいか、何をやりたいのかを具体的にしておきましょう。

たとえ、希望のブランドに配属されなくても、そこで学ぶことは多数あります。その後ブランドの枠を超えた異動のチャンスをうかがい、自身のキャリアを実現していくこともできるでしょう。

ただし、現在のブランドで成果を上げて評価を受けることが異動への近道です。一方で、キャリアビジョンを描いてないと浅く広く経験して何も得られないことも起こります。

大切なことは自分自身が、同社でのキャリアをどのように積み上げていきたいのかを考えておくことですね。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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