本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
ダイフクは世界でも高い売り上げを誇る1937年創業の老舗メーカーです。しかし、企業について調べると、「保守的で年功序列」「繁忙期は激務」といったネガティブな噂もされているようです。
そこで、本当に「ダイフクはやばい」企業なのか、客観的なデータを用いて紐解いていきます。数多くの企業を見てきたキャリアコンサルタントからも、企業を見極めるポイントについて解説しているので、一緒に企業の実態に迫りましょう。
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1分でわかるダイフク
ダイフクとは
マテリアルハンドリング(モノを動かす技術)システム・機器の総合メーカー。おもに「保管」「搬送」「仕分け・ピッキング」の技術を核として、一般製造業・流通業向け、半導体・液晶生産ライン向け、自動車生産ライン向け、空港向けの自動手荷物搬送システムなどを幅広く展開。
同分野で世界トップクラスの売り上げを誇るグローバル企業であり、洗車機や電子機器事業も手掛ける。
| 会社名 | 株式会社ダイフク(Daifuku Co., Ltd.) |
| 従業員数(単体) | 11,417人(2025年12月31日現在) |
| 本社所在地 | 大阪市西淀川区 |
| おもな事業 | 物流システムに関するコンサルティングとエンジニアリングおよび設計・製造・据付・サービスなど ・搬送システム ・保管システム ・仕分け・ピッキングシステム ・制御システム ・物流機器 その他事業(洗車機、電子機器) |
| 売上高 | 6,607億2,400万円(前年同期比17.3%増)(2025年12月期) |
| 経常利益 | 1,046億4,900万円(同40.5%増)(同期間) |
| 企業HP | https://www.daifuku.com/jp/ |
| 新卒採用HP | https://www.daifuku.com/jp/employment/ |
「ダイフクがやばい」と言われる4つの理由|プロが読み解く
「ダイフクがやばい」と言われる4つの理由
ダイフクがやばいと言われるおもな理由を4つにまとめています。なぜやばいという話がされているのか根拠を把握したうえで、キャリアコンサルタントからの解説も参考にしながら、企業への理解を深めていきましょう。
①保守的で年功序列の社風だから
2026年で創業89年を迎える老舗企業のため、変化のない環境や、今でも年功序列という風土があると思われている可能性があります。
保守的という社風について、同社は「日新(ひにあらた)」という社是を掲げており、たゆまぬ挑戦と変革を続けることが基本姿勢として求められるようです(※1)。そのため、比較的変化を恐れない傾向のほうが強いと見て取れます。
また、年功序列という意見については、2023年4月に新たな人事処遇制度が導入され、役割・成果をベースとした貢献による処遇を評価の軸とすることが発表されています(※2)。また、管理職適任者への積極的なキャリア採用(※1)も実施しており、年齢や勤続年数だけで判断されない仕組みづくりが進んでいるようです。
※1 ダイフク 有価証券報告書 2022年3月期
※2 ダイフク 有価証券報告書 2024年3月期
アドバイザーのリアル・アドバイス!大手企業でも安定志向の人だけが合っているわけではない
ダイフクに向いている人というのは、しっかりと安定した企業基盤に魅力を感じつつも、実際の仕事では変化や挑戦を前向きに受け止められる人だと思います。
老舗企業というと、落ち着いた環境や古めかしい風土をイメージする就活生も多いのですが、同社は社是として変革を掲げ、人事制度上も役割変化や成果を重視する方向へ見直しが図られています。
そのため、「安定している会社で、あまり変化や挑戦のない状態で働きたい」という人には、思っていたよりもギャップを感じるかもしれません。
安定した土台の上で自主性を発揮しよう
一方で、安定志向の人には向いていないというわけでもないと思われます。
大切なのは、安定した基盤のうえでしっかりと腰を据えながら、自分なりに改善や挑戦に取り組む気持ちがあるかどうかだと思います。
守られた環境を期待する人より、堅実さを土台にしながら一歩ずつ前に進める人のほうが、ダイフクでは力を発揮しやすいと考えられます。
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②繁忙期の残業が長くて激務だから
ダイフクは、大型の倉庫や工場に向けてシステムを導入する仕事を担っています。そこで、顧客先が稼働していない土日や祝日、夜間などに作業をすることもあります。実際に、2013年度の有価証券報告書では、年始や連休工事の受注が活発だった時期があると述べられています(※1)。
受注が集中する時期や、緊急での対応が必要になるときには、確かに激務と感じる瞬間があると言えるかもしれません。
ただ、企業側も同時期に働き方改革を本格始動させています。2017年に始まった改革によって、2025年までに月平均残業時間は約31%減少、有給休暇取得率は約38%以上も増やすことができたと報告しています(※2)。
※1 ダイフク 有価証券報告書 平成25年3月期
※2 ダイフク 職場環境
プロのアドバイザーはこう分析!ダイフクでは一時的に激務となる瞬間が3つある
ダイフクで激務と呼ばれる瞬間は大きく分けて3つあり、大型案件の納期前・立ち上げ期間・トラブル対応時です。
ダイフクは物流センターや工場の自動搬送設備を受注生産で提供しており、大型案件では納期が厳格に決まっていることから、変更や追加などあると残業が増えるリスクが高まります。
また、トラブル発生時においては、緊急対応が必要となり、これに激務と感じる社員は少なくありません。
一概に激務とせずに繫閑の差を理解しておこう
ダイフクで激務と呼ばれやすいのは、設備が納期までに完成させる責任が集中するタイミングです。
一方で常に長時間労働が続くわけではなく、「プロジェクトの山場は忙しいが、落ち着く時期との差が大きい会社」と理解しておくと、実態に近いでしょう。
③将来性がわからないから
ダイフクについて調べてみると、将来性について懸念する声が挙がっているようです。
同社は右肩上がりに業績を積み上げており、2025年12月期には過去最高となる6,607億2,400万円(※)の売り上げを記録しています。また、2030年には1兆円の連結売上を計上することを目指しており、さらなる成長の実現を描いているようです。

さらに、「先端技術・新規事業開発の加速」「グローバル成長戦略の加速」「利益体質の強化」(※)の3つの課題について取り組みを強化していくことで、高い目標の達成を目指しているため、決して将来性が「やばい」とは言い切れないでしょう。
ダイフクが取り組む3つの課題
- ①先端技術・新規事業開発の加速
AIやロボティクスなどをシステムに組み込むための開発を加速。研究開発拠点を増設し、AI・DX人材育成、M&A・産学連携を通じたオープンイノベーションにも注力。 - ②グローバル成長戦略の加速
さらなる海外市場のシェア拡大のため、アメリカで約2倍、インドで約4倍の生産能力の増強を図る。 - ③利益体質の強化
モノづくりにおけるコストダウン、高付加価値提案による採算性向上、現場の効率化や3Dシミュレーションを活用した管理強化を継続実施。
プロのアドバイザーはこう分析!地政学や世界情勢の影響を受けやすい企業と言える
海外売上高比率が高くグローバルに展開する企業である以上、地政学リスクや為替変動、各国の通商政策といった世界情勢の影響を一定程度受ける事実は想定しておく必要があります。
日本経済新聞などの直近の報道によると、足元では生成AI向けの半導体投資や自動化が進む空港向け需要が牽引し、2026年1〜3月期の連結純利益は前年同期比16%増と好調に推移しています。
中東情勢などの影響も現時点では限定的と報じられていますが、マテハン設備は顧客の投資計画に直結するため、世界的な景気後退が起きれば受注が停滞するリスクはあると考えられます。
多角的な経営で安定性を保とうとしている
また、同社はさらなる成長に向けて北米やインドでの生産能力増強、欧州企業の買収による子会社化など投資を加速させています。
世界情勢の不確実性は常にあるものの、特定の地域や業界に依存しないよう地域・事業の多角化を進めることで、経営の安定化とリスク分散を図っている構造を理解すると良いでしょう。
あなたが受けないほうがいい職業を診断しましょう
就活を進めていると、自分に合う職業がわからず悩んでしまうことも多いでしょう。
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自分の適職や適さない職業を理解して、自信を持って就活を進めましょう。
④離職率が高いから
口コミサイト等では、ダイフクでの離職率の高さを指摘する声が挙がっているようです。
グループ全体の離職率は2.87%(2025年度)(※1)と、製造業界の平均8.80%(※2)を下回っています。また、平均勤続年数も14.7年(※3)となっており、同業界の平均14.9年(※4)と大きな差はないことから、離職する人が多いとは断言できません。
もちろん、早期に辞めていく人も一定数はいると思いますが、企業について深く理解したうえで、自分自身との相性が良ければ、安定して長く働ける会社であると見ることができるでしょう。
※1 ダイフク ESGデータ
※2 厚労省 令和6年雇用動向調査結果の概況
※3 ダイフク 有価証券報告書 2025年12月期
※4 厚労省 令和6年賃金構造基本統計調査の概況
プロのアドバイザーはこう分析!入社前後のギャップが早期離職につながりやすい
ダイフクで早期離職する人は、数値だけを見るとそれほど多くはないものの、入社前に抱いていたイメージと実際の仕事とのギャップを大きいと感じる人が、辞めやすいと考えられます。
たとえば、「老舗メーカーだから落ち着いて働けそう」と見て入社したものの、実際には顧客先の稼働に合わせた夜間や休日対応、繁忙期の負荷、現場との細かな調整が想像以上に多く、働き方の厳しさに戸惑うケースが考えられます。
また、安定志向が強く、変化や挑戦よりも整った環境を求める人にとっては、同社が掲げる変革や成果重視の方向性と合わないと感じることもあるかと思います。
入社前に実態を理解してミスマッチを防ごう
逆に言えば、仕事の波や現場対応を含めた実務のリアルを理解したうえで、自分はその環境でも前向きに働けるかどうかを見極めて入社した人は、長く働きやすい会社だとも言えるでしょう。
噂の真偽と事実から読み取れることを見極めよう
ダイフクには社風や離職率、将来性といった噂とは異なる部分もありながら、仕事によっては激務となる瞬間もあるという事実と取れる部分もありました。
事実ではないものを把握することと、事実から読み取れることを考えるといった読み解き方を意識して、企業の実態をとらえていきましょう。
プロのアドバイザーならこうアドバイス!メーカー志望は要注意? 技術をつけたい思いだけでは足りない
ダイフクは良い会社ですが、メーカーだと思うと、思っていたことと違ったとイメージとの差が生じる可能性があります。
ダイフクは製造業というよりも、巨大な物流システムや自動化設備を顧客ごとに設計・導入するプロジェクト会社の側面が強いからです。
就活生のなかには、開発がしたいと思う人がいるかと思いますが、その要素もありつつ、実際には顧客との調整が多く「技術だけやりたい人」よりも「技術を使って顧客の課題を解決したい人」のほうが向いています。
また職種によってですが、出張も多く、疲労を感じる場面が多くなる可能性があります。
条件だけでなく働き方への納得感を考えよう
ダイフクは比較的、メーカーの中では高待遇と言われることが多いですが、就職活動では「年収が高いから入る」という考え方は危険です。
給与ではなく、その働き方を自分が楽しめるかを考えることが重要です。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi






3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Koji Tanii〇大手メーカーで設計、品質管理に従事。キャリアチェンジののち、高校・大学の就職講師として活動。障がい者の就職や恋と仕事の両立を実現させるコンサルティングなど幅広い支援をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント / システムエンジニア
Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/国際コーチング連盟(ICF)ACC
Atsushi Ikarashi〇欧州系日本法人の代表取締役。新卒で日本企業に5年、東南アジア現地法人に12年勤務し、帰国後外資企業に就職。経営者視点でキャリア形成の支援をする。MBA(海外)取得済
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