
就活で7月に内定なしだと、なぜこんなに苦しいのか
7月に入っても内定がない。そうなると、多くの学生は一気に苦しくなります。
実際にキャリア支援の現場でも、この時期から相談の空気が変わってきます。春先までは「どう進めたら良いですか」という相談だったものが、7月になると「もう無理かも」「自分なんて」という声が聞こえてきます。
しかしその苦しさは、内定がないから起きるのでしょうか。
いいえ、そうではありません。
周りの友人が就活を終え始め、家族の間でも何か緊張感が漂い、大学の空気も少しずつ変わってくる。そうすると、人は必要以上に焦ります。本当は「まだ決まっていない」だけなのに、「自分だけ取り残されている」「社会から必要とされていない」と自分を追い込んでしまうのです。
だからこそ、ここは冷静に構えておきましょう。7月に内定がないのは、確かに楽な状況ではありません。でも、それは即座に「もう終わり」ということではありません。
問題は内定がないことそのものより、これからも同じやり方を続けてしまうことです。
本コラムのコンセプト
生成AIによる一般的な情報がすぐに手に入る時代。就活生や求職者にいま求められているのは、経験や体験に基づく血の通ったアドバイスではないか。そうした読者のニーズに応えるために、編集部がテーマを選定し、参画するキャリアコンサルタントらに寄稿いただくコラム企画を始めました。自身の経験や実アドバイスをベースに、綺麗事を一切排除した本音の就活対策をお届けします。
7月に内定なしになってしまうのはどうしてなのか
7月に内定なしになってしまう理由
この時期まで苦戦する理由を、うまくいかないと思い込んでいる本人は「自分に魅力や価値がないから」と考えがちです。
しかしそう決めつけられるほど、就職活動は単純ではありません。私が就活の現場でよく感じるのは、学生の能力不足よりやり方に関する問題です。
受からない原因を検証しないまま数だけこなしている
エントリーを増やし、エントリーシート(ES)を書いて面接を受ける。それ自体は素晴らしい努力です。しかし、毎回同じパターンで落ちているなら、必要なのは量ではなく内容の修正です。
ESで落ちるのか、一次面接で落ちるのか、最終で落ちるのかでも課題は違います。
ところが苦戦している学生ほど、その切り分けができていないので、適切な対策が立てられずにいるのです。
自己分析が浅い
内定がなかなか出ない人の多くは自己分析が足りないわけではありません。自分の経験をうまく意味づけできていない点に課題があるのです。
アルバイト、サークル、ゼミなどといった日常の積み重ねに、その人らしさは出ています。
しかし本人は、目立つ実績や派手な役職がないと「アピールできることがない」と思い込んでしまう。だから内容も遠慮がちになるので自己PRも志望動機も薄くなります。
企業選びの軸が曖昧
有名企業だから、親が知っている会社だから、周りも受けているから。その程度の理由で動いていると、面接で採用担当者には浅く感じられてしまいます。
イメージだけで志望先を選ぶと、企業に見透かされてしまうのです。
7月に内定なしの人が、まず持つべき視点
7月に内定がないと、「もっと頑張らなければ」と思いがちです。しかし、この時期に必要なのは気合いを足すことではありません。やり方を変えてみることです。
まずマインドセットとして意識してほしいのは、「内定がない」と「自分に価値がない」は別の話だということです。
就活はどうしても、自分そのものを評価されているような感覚になります。落ちると自分が否定されたように感じやすいのは当然です。しかし評価されているのはあなたの人格ではなく、その時点での伝わり方や相性、準備の精度でもあります。
私は7月時点で苦戦している学生の多くに、まずは気持ちを切り替えたほうが良いと伝えています。ここまで来たら、「そのうち受かるだろう」と流れに任せる段階ではありません。かといって「どこでも良いから決めよう」と投げ出してしまうのも避けるべきです。
必要なのは、自分を責めることではなく、現実を見て戦略を立て直すことです。
7月に内定なしの人が今すぐやるべき行動
7月に内定なしの人がやるべき行動
戦略を立て直すという視点に立って、7月に内定なしの人がやるべき行動を3つ挙げます。
これまでの選考の振り返り
選考のどこで落ちているのか。ここが曖昧なままでは、改善も曖昧になります。
ESなのか、グループディスカッションなのか、一次面接なのか、最終面接なのか。
「なんとなく全部ダメだった」ではなく、落ちた段階を確認し、そこでの自分の受け答えを振り返りましょう。
自己PRと志望動機の抜本的な見直し
いったんゼロベースで、「自分はどんな場面で力を発揮してきたのか」「なぜその企業なのか」を組み直してみましょう。
これまで作成したものの言い回しを多少変える程度では足りません。
私が思うに就活で苦戦する人ほど、経験はあるのにそれを言葉にできていません。だからこそ、みな自分自身を言語化さえすれば一気に面接の反応が変わるのです。
また、見直すときは必ず第三者の視点を入れておきましょう。キャリアセンターでも、エージェントでも、または身近な信頼できる大人でもかまいません。
一人で考えていては自分の話し方の癖や、伝わっていないポイントにはなかなか気づけないものです。就活は孤独に頑張らねばと思っている学生が多いのですが、苦戦しているときほど人を頼ってみてください。
行動を止めすぎない
疲れているなら少し休んで良い。ただ、長く止まりすぎると、不安は整理されるどころか膨らみます。
実際、休んでいる間に気持ちだけがどんどん沈んで、再開しにくくなる学生は少なくありません。
休むなら期限を決める。完全停止ではなく、小さくでも動きを残す。そのほうが立て直しやすいです。
7月に内定なしの人が気を付けるべきこと
7月に内定なしの人が気を付けるべきこと
7月に内定がない人がやらないほうが良いことを2つお伝えします。
焦って「どこでも良い」とならないようにする
7月になると、内定を持つこと自体が目的になりやすいです。しかしそれで入社先を雑に決めると、あとで苦しみます。
私は就職支援だけでなく、その後のキャリア相談も受けてきました。就活の焦りで入った会社が合わず、早期離職につながる人は現実にいます。
SNSや周囲の進捗を見すぎない
他者との比較は役に立つこともあるものの、この時期にやりすぎてしまうとたいていやる気を削がれ、落ち込む材料を増やすだけです。
他人の結果を見て焦る時間があるなら、自分のESを1枚見直したほうがまだ前に進めます。
(編集部追記)柴田さんのアドバイスを受けて自己PRや志望動機を見直したい人は以下の記事を参考にしてください。
自己PRは4つのステップで簡単に書ける! テンプレートと例文付き
志望動機が書けないときの対処法|就活のプロが実際に評価した志望動機とは?
7月に内定なしの人へ伝えたいこと
7月に内定がない。それはたしかにつらい現実です。だから焦るのも当然ですし、落ち込むのも自然です。
しかし、ここで本当に危ないのは、内定がないことそのものではありません。「自分はもうダメだ」と決めつけて、思考も行動も雑になったり、あるいは完全に止まってしまったりすることです。
就活はすごろくや徒競走ではありません。「早く上がったモノ勝ち」ではないのです。それよりも、納得して働ける場所にたどり着けるかどうかのほうがずっと重要です。そしてそのためには、今まで通りを続けるのではなく一度立ち止まって見直し、戦略を変える必要があります。
7月に内定なしでも、そこから決まる人はたくさんいます。実際、私は何人も見てきました。 その違いは、特別な才能があるかどうかではありません。自分を責めたり落ち込んだりする前に、柔軟にやり方を変えられたかどうかです。
だから今やるべきことは、未来を悲観することではなく、今日の動き方を変えることです。落ち込んでも良い。けれど、簡単にあきらめないでください。
秋以降に採用をおこなう企業も少なくないのですから、今から立て直す余地はいくらでもあるはずです。
(編集部追記)7月に内定なしの不安がまだ拭えない人は、同じ悩みを抱える大学4年生の相談を以下のリンクからチェックしてみてください。
就活生です。7月になっても内定なしなのはやばいですか?
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi




