本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
サイバーエージェントはABEMAや人気ゲームなどで知られるIT企業です。IT企業を志望する人で同社が気になる人もいると思いますが、「激務」や「顔採用」といった情報から、「やばい」と噂されていることもあるようです。
企業に対する噂は本当なのか、IT企業での経験があるキャリアコンサルタントとともに解説します。正しい情報の読み解き方に注目しながら、企業の実態を理解する参考にしてみてください。
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1分でわかるサイバーエージェント
サイバーエージェントとは
「21世紀を代表する会社を創る」をビジョンに掲げ、1998年の創業以来、インターネットを事業領域として成長を続けている企業。市場の変化に柔軟に適応する「変化対応力」を最大の強みとする。現在はおもに「メディア&IP事業」「インターネット広告事業」「ゲーム事業」の3本柱で事業を展開。
| 会社名 | 株式会社サイバーエージェント(CyberAgent, Inc.) |
| 従業員数(連結) | 8,150人(2025年9月期) |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区 |
| おもな事業 | ・メディア&IP事業 ・インターネット広告事業 ・ゲーム事業 ・投資育成事業 |
| 売上高 | 8,740億3,000万円(前年同期比9.1%増)(2025年9月期) |
| 経常利益 | 717億4,300万円(同80.7%増)(同期間) |
| 企業HP | https://www.cyberagent.co.jp/ |
| 新卒採用HP | https://www.cyberagent.co.jp/careers/ |
「サイバーエージェントがやばい」と言われる4つの理由|プロが読み解く
「サイバーエージェントがやばい」と言われる4つの理由
サイバーエージェントがやばいと言われる理由について紹介していきます。企業に対する評判が本当に正しいものなのか、また、どのように情報を受け取るべきか、キャリアコンサルタントの解説をもとに整理してみてください。
①長時間労働で激務だから
サイバーエージェントの平均残業時間は31.0時間(※1)とされており、情報通信業界の平均16.6時間(※2)を2倍近く上回っています。また、月給制の場合、固定残業代が80.0時間(※1)となっていることから、激務という懸念を抱かれている可能性があります。
しかし、同社は独自開発したアプリによって、月間20万件にもおよぶ社内の予定調整にかかる社員の負担を軽減しています。さらに、未経験でもアプリ開発・運用ができるプラットフォームを活用して、月間10,500時間の業務削減も可能になったようです(※3)。
業務における効率化は図られているようですが、業界内では一定忙しくなる傾向にあると言えるでしょう。また、ビジネス職とエンジニア職では繁忙期も異なることが予想されるため、自分の希望職種の詳細をOB・OG訪問などで確認してみましょう。
※1 厚労省 毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報
※2 サイバーエージェント 新卒採用募集概要
※3 サイバーエージェント 2025統合報告レポート サステナビリティ
アドバイザーのリアル・アドバイス!サイバーエージェントが激務と言い切れない理由
サイバーエージェントを一律に激務の会社と断定するのは適切ではありません。採用概要の平均残業時間は月31時間で、一定の忙しさを考える材料にはなります。
ただし、月給制職種の「固定残業代の相当時間80時間」は賃金計算上の設定であり、実際に毎月80時間残業していることを示す数字ではありません。また、厚生労働省の業界平均とは集計対象や定義が異なるため、単純比較にも注意が必要です。
AI(人工知能)を活用した個別業務の削減実績は公表されていますが、それだけで社員全体の労働時間や心理的負担まで軽減したとは判断できません。
労働の負荷は職場や繁忙期などで変わる! 企業に確認をしておこう
IT企業で過重労働対策に携わった経験からも、負荷は職種、部署、案件の納期、繁忙期で変わると考えます。
OB・OG訪問では、希望部署の残業時間の幅、休日・夜間対応、繁忙期、仕事量を調整する仕組みまで具体的に確認し、自分が継続できる働き方かを見極める必要があります。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
自分に合う職業・合わない職業を知ることは、就活において非常に重要です。しかし、見つけるのが難しいという人も多いでしょう。
そんな人におすすめしたいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、自分の強みや性格に合った職業がわかります。
今すぐ診断を受けて、自分に合う職業・合わない職業をチェックしてみましょう。
②顔採用があると言われているから
インターネット上では、サイバーエージェントはビジュアルの良い人が採用されているという意見が見受けられます。ただし、企業の公式サイトではそのような旨は述べられていません。
また、入社してからも社員の属性にとらわれず、成果を適切に評価することで、十分な報酬を還元することも掲げており、決して見た目が評価を左右する要素ではないことがわかります。
同社は若手社員が多く、若手を抜擢する文化があるため、年齢の若い人やバイタリティの高い人が目に映りやすいことが考えられます。そのため、ビジュアルの良い人でないといけないわけではなく、印象の良い人が目立ちやすいととらえることもできます。
※ サイバーエージェント 2025統合報告レポート 社外取締役インタビュー
アドバイザーからワンポイントアドバイス顔採用は誤解! 表に出ている社員の印象だけではわからない
「顔が良い人でないと採用されない」ということは原則ありません。
同社はWeb広告や「ABEMA」といったメディア事業、ゲーム事業を展開しています。そのため、社内イベントや採用メディアに露出する社員の印象が華やかになりやすく、そうした噂が一人歩きしているのが実情です。
選考では内面が見られる! 清潔感や印象面も気にしておこう
採用選考で重視されているのはルックスではなく、成果への執着心・変化を楽しめる柔軟性・カルチャー(チームワークや素直さ)へのマッチ度といった内面的な要素です。
強いて言えば、身だしなみの清潔感や、面接官とハキハキ対話できる印象の良さ(明るさ)は多少なりとも評価につながりますが、これはどのIT大手でも共通して求められるビジネスパーソンとしての基本マナーです。
見た目への先入観で挑戦を諦める必要はまったくありません。
③抜擢文化があり若手の裁量権が高いから
サイバーエージェントは会社全体で若手を抜擢する文化が根づいています。
具体例として、YMCA(※1)という将来の役員や事業責任者になる素質がある社員を育成するカリキュラムがあります。数千人の従業員の中で、20代社員の才能が埋もれないように発掘することを目的としています。
同社の社外取締役も、会社の成長スピードの速さを支えているものの一つとして、新人のときから社員が主体性を持って仕事に取り組んで、成果を上げる環境があることを述べています(※2)。そのため、若手でも挑戦する機会を後押ししてくれる社風だと言えます。
実際に社員の年齢区分を見ても、20代の社員が全体の33.2%を占めており(※3)、社員の平均年齢も33.8歳(※4)と、情報通信業界の平均40.3歳(※5)よりも若いことがわかります。
※1 サイバーエージェント 全社若手社員から次世代経営幹部候補を選抜 U30の育成プログラムについて
※2 サイバーエージェント 2025統合報告レポート 社外取締役インタビュー
※3 サイバーエージェント 従業員データ
※4 サイバーエージェント 有価証券報告書 2025年9月期
※5 厚労省 令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況
アドバイザーのリアル・アドバイス!若手が活躍する企業で確認すべき本当のポイント
若手が多いこと自体をマイナスと考える必要はありません。確認したいのは、若手への抜擢と育成・支援が釣り合っているかです。
経験の浅い段階で大きな責任を担う環境では、成長が加速する一方、成果への焦りや周囲との比較が負担になることがあります。
また、管理職の育成経験に差があると、仕事の任せ方や失敗後のフォローが部署ごとに異なる可能性もあります。
同社の連結データでは20代が33.2%、平均年齢は34.6歳です。ただし、この数字だけで組織の成熟度や働きやすさは判断できません。
若手比率よりも周囲のサポート体制を見極めよう
人材育成に携わった経験からは、若手比率より、上司や先輩の支援力、知識の継承、相談経路や相談のしやすさといった点の実効性を見ることが重要だと考えます。
選考やOB・OG訪問では、入社後の育成期間、裁量の範囲、評価基準、業務がうまくいかないときの支援、異動の機会や頻度を確認し、自分が安心して挑戦できる環境かを見極めましょう。
あなたが受けないほうがいい職業を診断しましょう
就活を進めていると、自分に合う職業がわからず悩んでしまうことも多いでしょう。
そんな時は「適職診断」がおすすめです。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強みや性格、価値観を分析して適職や適さない職業を特定してくれます。
自分の適職や適さない職業を理解して、自信を持って就活を進めましょう。
④離職率が高いから
確かに2002年度は30.0%(※1)と、当時の日本の平均離職率16.6%(※2)を大きく上回る結果となっていました。しかし、高かった離職率は2025年度には9.1%(※1)まで改善されており、社員が辞めにくい環境になったと言えます。
| 年度 | 2002年 | ~ | 2020年 | 2025年 |
| 離職率 | 30% | ~ | 12% | 9% |
同社は2003年に役員合宿を開催し、「挑戦と安心」をセットで提供できる取り組みを拡充させることを決定しました(※3)。そこで、人材のやる気と能力を最大限に引き出すことに成功したことで、離職率が改善されたとされています。
ただし、平均勤続年数は6.2年(※1)と、情報通信業界の12.3年(※4)の半分ほどとなっているため、比較的短期間で働く人が多いことは押さえておきましょう。
※1 サイバーエージェント 従業員データ
※2 厚労省 平成14年雇用動向調査結果の概況
※3 サイバーエージェント 2025統合報告レポート トップメッセージ
※4 厚労省 令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況
プロのアドバイザーはこう分析!早期離職を引き起こす重いプレッシャーや不安定なモチベーション
早期離職が起きる背景には、いくつかの環境が影響しています。
特に影響しているのは成果とスピード感に圧力を感じてしまうことではないでしょうか。若手のうちから大きな裁量が与えられる反面、高い成果とスピード感が求められるため、自走できないとプレッシャーに感じやすい点があります。
さらに、成長を重視するあまり業務量が多くなりがちで、ワークライフバランスとの乖離に悩む人もいます。また、多岐にわたる事業のなかで希望と異なる部署へ配属され、モチベーションを保てなくなる人も少なくありません。
明るい早期離職もある! 会社の特徴から向き不向きが出やすい
一方で、数年で実績を積み、起業やスタートアップへ挑戦するポジティブなステップアップとしての早期離職が多いのも特徴です。
裁量権と成長機会が大きいからこそ、個人の価値観や社風との向き不向きが顕著に現れることが早期離職のおもな要因と言えます。
企業の実態を正しく理解して適性を判断しよう
サイバーエージェントに関する噂を紐解くことで、激務の要因となり得る労働環境や、顔採用という噂の真偽など、企業の実態を客観的に把握できました。
企業のイメージがわかった段階で、自分自身の性格や希望する働き方などと照らし合わせて、適性についても考えることで、納得のいく企業選びに役立ててください。
アドバイザーのリアル・アドバイス!イメージだけではわからないシビアな裏側を把握しておこう
サイバーエージェントへの入社を検討する人が特に注意しておくべきは、華やかなイメージの裏にあるスピード感と徹底した成果主義です。
同社は「21世紀を代表する会社を創る」を掲げ、事業の立ち上げも撤退判断も非常にスピーディーです。
新卒1〜2年目から子会社社長や事業責任者に抜擢されるチャンスがある反面、目標達成に向けた泥臭いプロセスや数値責任がシビアに求められます。年俸500万円を超える高い初任給も、その期待と責任の裏返しと言えます。
社員に求められる要素に対する適性や覚悟を見直そう
入社後のギャップを防ぐためには、キラキラした社風の表面だけを見て判断するのは避けましょう。
「決まったマニュアルがない環境で、自ら仕事を作り出して成果を追求できるか」「目まぐるしい変化を成長の機会として楽しめるか」といった、自身の適性と覚悟を社員との対話や面接などを通じてしっかり見つめ直すことが大切です。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi






3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/両立支援コーディネーター
Shiho Kasumi〇人事ビジネスパートナー、人事コンサルタントとして企業や官公庁の採用活動を支援。採用戦略の設計や面接プロセスの構築などをおこないながら、採用のプロとして内定者フォローにも携わる
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Hiroshi Sakai〇大手ICT企業で人事部長・人材開発部長として採用・育成・制度・労務を統括。面接は5,000人超。国家資格キャリアコンサルタントとして就労支援・研修講師も担当。
プロフィール詳細