この記事のまとめ
- 大学院中退からでも就職を成功させることは十分に可能
- 大学院中退者は5ステップに沿って就活を進めていこう
- 大学院を中退した理由は面接の頻出質問! 回答を考えておこう
- 適職診断
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この記事を読んでいる人に
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「大学院を中退したら就職で不利になるのではないか」という悩みを抱えている人もいるでしょう。また、すでに大学院を中退して、「これからどのように就活を進めれば良いかわからない……」という人もいるかもしれません。
しかし、大学院を中退しても、理想の企業から内定をもらって就職に成功している人は大勢います。自分の行動次第でいくらでも逆転は可能なので、前向きに就活を進めていってくださいね。
この記事では、キャリアアドバイザーの谷所さん、田邉さん、鈴木さんのアドバイスを交えつつ、大学院中退から就職する方法を解説していきます。就職を成功させたい人は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
行動次第! 大学院中退からでも理想の企業への就職は十分に狙える
せっかく大学院に進学しても、何かしらの理由で中退する人は多くいます。この記事を読んでいる人の中には、すでに大学院を中退した人もいれば、中退しようか悩んでいる人もいるでしょう。
結論から言うと、大学院中退からでも就職に成功することは可能です。しかしそのためには、中退した後に1日でも早く就活を始めることが重要になります。
この記事では、始めに大学院中退者の実態を解説したうえで、大学院を中退するデメリットやメリットを解説します。大学院を中退しようか迷っている人は、これらを参考に考えてみてくださいね。
そのうえで、大学院中退者が就職するまでの5ステップを解説します。すでに大学院を中退している人はこれらのステップを踏まえて就活を進めていきましょう。
大学院中退者の実態とは?
実際に大学院中退者はどのくらいの割合でいて、どのような理由で中退するのでしょうか。
ここでは、大学院を中退する人の割合とその理由を解説していきます。データの客観的な情報から、大学中退者の実態を把握していきましょう。
大学院を中退する人の割合
文部科学省が公表している、令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果についてによると、大学院修士課程の中退率は2.6%で、博士課程での中退率は3.49%とあります。
大学院修士課程の中退率は低く、学位が上がるほど、中退率も上がっていることがわかります。
大学院を中退する人の理由
同じく文部科学省による、経済的理由による学生などの中途退学の状況に関する実態把握・分析等および学生などに対する経済的支援の在り方に関する調査研究によると、大学院を中退する理由は以下のようになります。
順位 | 大学院中退の理由 | 割合 |
---|---|---|
第1位 | 就職 | 18.23% |
第2位 | 転学 | 17.65% |
第3位 | 学業不振 | 15.53% |
第4位 | 一身上の都合 | 13.33% |
第5位 | 経済的理由 | 9.93% |
大学院を中退する理由は人によってさまざまですが、上位にある「就職」や「転学」といった理由は、大学院進学後に「研究分野に興味が持てなくなった」や「他のやりたいことができた」といった理由が多いと推測されます。
また、第4位の一身上の都合には、自身の病気や、家族の介護などのやむを得ない理由も含まれていると考えられます。
大学院を中退する理由は、大学院で勉強を継続していく意義や目的が見出せず、経済的にも負担が大きいことが多いように感じます。
そのほかには、研究内容が難しいことや、人間関係が上手くいかないなどの理由で中退する人も多いでしょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る大学院を中退すると応募できる求人数が減る
大学院を中退しようかどうか悩む理由に、就職や就活への影響が挙げられるのではないでしょうか。結論を言うと、大学院を中退すると既卒扱いになってしまうため、新卒求人に応募することができず求人数が減ってしまう可能性があります。
ただし、最近では既卒であっても、3年以内であれば新卒と同じ扱いをする企業も増えています。さらに、第二新卒として応募できる企業もあるため、急激に求人数が減ってしまうことは考えにくいですよ。
中退する前に志望企業が既卒の採用をおこなっているか確認しよう
しかし、企業によっては新卒採用を重視しているため、既卒になるとエントリーができないこともあります。自分が志望する業界や企業が、既卒であってもエントリーができるかどうか、第二新卒の採用をおこなっているかどうかをきちんと確認しましょう。
大学院を中退した際の就活・就職後の3つのデメリット
大学院を中退した際の就活・就職後の3つのデメリット
- 大学院や教授からの推薦がもらえなくなる
- 既卒扱いとなり新卒よりも応募できる企業が少なくなる
- 就職時に院卒の給与よりも低くなる
現時点で、大学院を中退するか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。せっかく大学院に進学しても、あまり深く考えずに中退してしまうと後悔につながってしまいます。
ここでは、大学院を中退した際の就活・就職後の3つのデメリットを解説します。大学院を中退するデメリットを知ったうえで、中退するかどうかを考えてくださいね。
①大学院や教授からの推薦がもらえなくなる
大学院生は、教授からの推薦で就職活動を進めるケースが多くあります。特に理系では、同じ研究室のOB・OGからの紹介で就職する人も珍しくありません。
大学院を中退してしまうと、教授からの推薦やOB・OGからの紹介というルートでの就職ができなくなってしまうのが大きなデメリットです。
大学院中退者は教授からの推薦に頼らずに、自力で就活を進めなければいけなくなります。
学校推薦について詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
学校推薦で就職する際の落とし穴とは? 利用メリットや注意点を解説
②既卒扱いとなり新卒よりも応募できる企業が少なくなる
そもそも、大学院を中退してしまうと、新卒ではなく既卒扱いになってしまうので注意が必要です。
大学院を中退したら、基本的に転職サイトの中途採用枠から、「既卒・第二新卒歓迎」という求人や「未経験OK」といった条件の企業に応募することになります。
新卒採用では、スキルや技術がなくても採用する「ポテンシャル採用」を取り入れる企業が多くあります。対して、中途採用枠の応募条件は企業によって異なるため、既卒は新卒と比べてエントリーできる企業の数が減ってしまうのです。
ただし既卒3年以内なら新卒枠で応募できる企業もある
厚生労働省の青少年雇用機会確保指針によると、厚生労働大臣が各企業に対して、既卒でも大学卒業後3年以内であれば新卒として応募できるように協力を仰ぎました。
そのため、大学卒業後3年以内なら既卒でも新卒採用枠にエントリーすることが可能になりました。したがって、既卒になっても理想の企業への新卒入社は十分に狙えます。
ただし、すべての企業が大学卒業後3年以内の既卒を新卒として採用するとは限らないため、エントリーする前に募集要項をしっかりと確認する必要があります。
- 大学院を中退した人は、既卒枠と新卒枠のどちらで就活すべきでしょうか?
既卒枠で就活を進める方が無難
大学院を中退した人は、既卒枠で就職をすべきでしょう。新卒採用の新卒枠は、現役の新卒者が対象であり、通常大学院中退は該当しません。
ただし大学卒業後3年以内であれば、新卒採用の求人募集で既卒としてエントリーできる企業があるので、確認をしてみましょう。
また既卒者でも応募できる中途採用の求人では、実務経験がなくてもポテンシャルを重視した採用をおこなっています。
以下の記事で、既卒の就活を成功させる方法を解説しています。こちらも併せて確認してくださいね。
既卒の就活を確実に成功させる5箇条! ストレスなく進める秘訣
③就職時に院卒の給与よりも低くなる
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査結果の概況によると、学部卒の平均初任給が23万9700円で、院卒の平均初任給が27万4000円であることがわかります。
初任給だけで比較するなら大学院を卒業して就職した方が、学部卒の人の初任給よりも多い給与をもらうことができますね。大学院を中退してしまうと、院卒で就職する場合にもらえる給与よりも低くなってしまうというデメリットがあります。
また、内閣府経済社会総合研究所が2014年に発表した大学院卒の賃金プレミアムによると、大学院卒の男性の生涯年収が3億4009万円なのに対して、学部卒の男性の生涯年収は2億9163万円とあります。一方で、大学院卒の女性の生涯年収が3億1019万円なのに対して、学部卒の女性の生涯年収は2億6685万円とあります。
性別にかかわらず、院卒と学部卒では生涯年収に4000万円もの差が出てしまうことがわかります。
- 大学院を中退すると、普通の学部卒で就職した人よりも生涯年収は低くなりますか?
大学院中退が理由で学部卒よりも生涯年収が低くなることはない
ここまでの説明を見ると、大学院に通学していた期間があるのに「学部卒よりも生涯年収が低くなるのでは」と不安になりますよね。しかし、大学院を中退したことが理由で生涯年収が低くなることはありません。
大学院で専門的に勉強していたことが評価されて、学部卒よりも良い条件で就職できることも多いです。そのため、生涯年収だけを気にして中退するかどうかを判断せず、自分が納得して選択できるキャリアかどうかを考えましょう。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
大学院を中退した際の就活・就職後の2つのメリット
大学院を中退した際の就活・就職後の2つのメリット
- 他の分野への就職がしやすくなる
- 社会に出る時期が早まる分キャリアを積める
前の章で大学院を中退した際の就活・就職後のデメリットを解説しました。しかし、大学院を中退しても就活や就職後にメリットをもたらすケースもあります。
ここでは、大学院を中退した際の就活・就職後の2つのメリットを解説します。現時点で大学院を中退するか悩んでいる人は、メリットも参考にしたうえで、中退するかどうか考えてみましょう。
①他の分野への就職がしやすくなる
大学院に進学すると、進学した分野への就職で有利になったり、ほかの分野でも一定の評価を得やすくなったりします。
ただし、まれにほかの分野への就職が難しくなるケースもあります。なぜなら、「大学院に進学する=専門を極める」と考える企業もいるからです。
そのため、大学院で学んでいる分野とは異なる分野に就職したい場合は、大学院を中退した理由を「どうしても◯◯の分野に進みたいと思い、大学院中退という決断をいたしました」などと伝えることで志望意欲の高さをアピールできます。
②社会に出る時期が早まる分キャリアを積める
大学院は基本的に、修士課程で2年、博士課程に進む場合はそれに加えて3年かかります。
そのため、修士課程・博士課程にかかわらず、大学院に進学した人は学部卒の人よりも就職の時期が遅くなってしまいます。
ほかにやりたいことが明確であれば、大学院を中退すれば社会に出る時期が早まるため、その分キャリアを積むことが可能になります。
学費の負担を減らせることも、大学院を中退するメリットです。大学や大学院ではお金を払って学ぶため、アルバイトをしたり奨学金を借りたりしなければなりません。
しかし、就職すれば働きながら学べるため、学費の負担を減らせるだけでなく収入を得られることが魅力ですね。
早めの行動が成功の鍵! 大学院中退者が就職するまでの5ステップ
ここでは、大学院中退者が就職するまでの5ステップを解説します。この5ステップの流れに沿って行動することで、大学院中退からでも理想の企業へ就職することが可能になります。
「大学院を中退したらどうやって就活を進めれば良いかわからない……」という人は、ぜひ参考にしてくださいね。
①中退後は1日でも早く就活を始める
前述したように、大学院を中退すると新卒ではなく既卒の扱いになるので要注意です。
既卒で履歴書の空白期間が長くなればなるほど、「この人は働く意思がないのか」という懸念を持たれてしまうリスクが高まって就活で不利になります。そのため、大学院を中退したら空白期間を伸ばさないためにも、1日でも早く就活にかかわる行動を起こすことが大切です。
まずは、自己分析やナビサイトのチェックなど、手軽にできる就活から始めていきましょう。
大学院を中退して空白期間が長引けば長引くほど、何もしていないととらえられてしまい、就職活動において不利な状況に陥る可能性が高まります。
そのため、1日でも早く就活をおこなうことが重要になります。
②自己分析で就職の軸を明確にする
企業にエントリーする前に、自分自身をしっかりと分析して就活の軸を明確にしておきましょう。
就活の軸を明確にすることで、就職したい業界や職種だけでなく、理想の職場環境が見えてくるため、入社後のミスマッチや早期退職を防ぐことにもつながります。
自己分析には、自分史やマインドマップ、モチベーショングラフや自己分析ツールなど、さまざまなやり方があります。以下の記事は新卒向けの記事ですが、自己分析のやり方は既卒も同じなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
以下の記事では、「自分の就活の軸がわからない……」という人向けに就活の軸90選を解説しています。新卒向けの記事ですが、就活の軸の考え方は既卒も同じなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
③やりたい仕事を明確にする
大学院中退は企業側にネガティブに映ることが多いからこそ、やりたい仕事は明確にしましょう。やりたい仕事を明確にすることで、大学院を中退した理由を「この仕事をどうしてもやりたかったから」とポジティブに話すことができます。
また、やりたいことを明確にしておかないと、やみくもにエントリーすることにつながり、就職後にミスマッチを起こす恐れがあります。だからこそ、企業にエントリーし始める前にやりたい仕事を明確にしておくことが大切です。
「やりたいことわからない……」と悩んでいる人は、以下の記事をチェックしてみてください。
やりたいことがわからない人必見! 隠れた本心を見つける思考・行動
自分に合った仕事を探す具体的な方法は、以下の記事で解説しています。やりたい仕事が明確でない人は、こちらを参考に考えてみましょう。
自分に合った仕事を簡単4ステップで発見! 後悔しない方法を解説
④大学院中退者でも応募できる求人を探す
この記事の前半で、大学院を中退した人は既卒扱いになると解説しました。そのため、求人を探す際は、既卒・第二新卒向けの就職サイトを利用しましょう。
多くの求人が掲載されていて、大学中退者におすすめのナビサイトは以下の既卒・第二新卒向けのサイトになるので、参考にしてみてくださいね。
また、前述しましたが、大学を卒業してから3年以内なら新卒としてエントリーすることも可能なので、該当する人は新卒向けの求人を探しても良いでしょう。以下の就職サイトであれば多くの求人が掲載されているのでおすすめです。
既卒や第二新卒向けに積極的に人材紹介をおこなっているマイナビジョブ20‘SやJAICなど就職エージェントは、求人紹介だけでなく、書類作成や面接対策などのサポートも受けられるのでおすすめです。
⑤大学院中退者ならではの選考対策をする
大学院中退者ならではの選考対策
- 履歴書などの書類対策をする
- 面接で大学院中退者がよく聞かれる質問の対策をする
求人を探すことと並行して、応募書類の作成や面接対策も進めていきましょう。
志望企業の内定を獲得するためにも、エントリーする前にしっかりと選考対策をしておいてくださいね。
履歴書などの書類対策をする
大学院中退者は既卒枠で受ける場合も新卒枠で受ける場合も、企業にエントリーする際に履歴書の提出が必要になります。エントリーする企業を見つけたら、履歴書作成の準備をしてください。
履歴書の書き方にはルールやマナーがあるため、細心の注意を払いながら作成しましょう。
履歴書の書き方は、既卒も新卒も基本的に同じです。以下の記事で履歴書の書き方を解説しているので、詳しく知りたい人はこちらを確認してみてください。
新卒用履歴書の書き方完全版|よくある失敗や受け渡しのマナーも解説
また、以下の記事では、職歴がない人向けの応募書類の書き方を紹介しています。大学院を中退した人は職歴がない人が多数だと思うので、ぜひこちらも参考にしてくださいね。
職歴なしでも就職できる! ビハインドを脱却して成功を収める方法
大学院中退者といっても、人によって履歴書へどのように書くのかが異なるため注意しましょう。
修士課程で中退した人は「◯◯学修士課程 中途退学」と記載し、博士課程で中退した人は「◯◯学博士課程 中途退学」、終業年限内に博士号を取らずに大学院を辞めた人は「単位取得満期退学」と記載してください。
面接で大学院中退者がよく聞かれる質問の対策をする
履歴書などの書類対策と並行して、頻出質問の回答を考えましょう。事前に回答内容を準備しておけば、安心して面接に臨むことができます。
自己紹介、志望動機、自己PRなどはどの面接でも共通して聞かれますが、大学院で勉強していたことや、大学院を中退した理由、この先のキャリアプランなども必ず聞かれるので、どのように回答するかじっくり考えましょう。
キャリアプランの回答方法は後述しているので、どうやって回答すれば良いかわからない人はぜひ参考にしてみてくださいね。
大学院中退者が面接でよく聞かれる質問の例
- 自己紹介
- 志望動機
- 自己PR
- 大学院で勉強したこと
- 大学院を中退した理由
- キャリアプラン
面接でよく聞かれる質問は以下の記事でもまとめています。これから面接対策を始める人は、必ず目を通しておきましょう。以下の記事は新卒向けの記事ですが、面接で頻出の質問は既卒も同じなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
就活の面接の質問70選! 完全攻略できる準備や回答方法を解説
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る大学院中退者が就活を進める際は4つのポイントを押さえよう
①企業が求める人材を読み取る
求人情報などから企業が求める職務能力、適性、人物像などをしっかり読み取り、マッチングしている人材について考えてみましょう。
②発揮できる能力を明確にする
大学院で学んだ知識や語学力など、応募企業で活かせる能力を強みとして考えてみてください。
新卒採用とは違い、未経験であっても短期間で戦力になるような実践力を問われることがあるので、発揮できる能力としてアピールできる材料を明確にしましょう。応募企業で活かせる資格であれば、取得に向けて勉強をスタートするのもおすすめです。
③中退理由をポジティブに転換する
ほぼ間違いなく問われる中退理由について、たとえば「学業に興味がなくなった」というのが本心でも、そのまま伝えればネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。「勉強をすることで、ビジネスにより興味が湧いた」など、ポジティブな中退理由を考えてみましょう。
④就職サポートを受ける
既卒者の就職支援を積極的におこなっている就職エージェントでは、書類作成や面接対策などの就職サポートをおこなっていることがあるので、サポートを受けてみるのも良いでしょう。
就活がスムーズになる! 大学院中退者におすすめの就職支援サービス
大学院中退者におすすめの就職支援サービス
- 就職エージェント
- ハローワーク
- 職業訓練校
大学院を中退した人は、周りに同じ境遇の人が少なく、就活の進め方や相談先がわからなくなってしまう人も多いでしょう。
ここでは、大学院中退者におすすめの就職支援サービスを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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①就職エージェント
大学院を中退した人は1人で就活を進めてしまうと、間違った進め方に気づけないので、就職エージェントに相談しながら就活を進めることをおすすめします。
就職エージェントは企業の紹介をしてくれるだけでなく、自己分析や書類の添削、面接練習など、就活を幅広くサポートしてくれます。「大学院中退からの就活のやり方がわからない……」という人はぜひ就職エージェントを活用しましょう。
エージェントサービスはさまざまな種類がありますが、中でも大学院中退者が該当する既卒に特化したキャリアパーク就職エージェントがおすすめです。内定獲得するまで個別の担当より幅広いサポートを受けられます。
②ハローワーク
大学院中退者が就活を進めるなら、35歳未満の若者向けのわかものハローワーク・わかもの支援コーナーを活用することをおすすめします。
担当者が一人ひとりに合った就職に向けた支援プランを作成し、早期に就職できるようなサポートを受けることができます。
企業紹介や書類添削、面接対策だけでなく、採用された職場で長く働くための職場定着支援を受けられるのも利用する大きな魅力です。
就職エージェントを利用するメリットは、ヒアリング内容をもとにマッチング度の高い企業を紹介してもらえる点です。デメリットは、求人数の制限があるので倍率が高い点です。
一方でハローワークは、無料で就職相談ができる点がメリットです。デメリットは、求職者の多さから長時間の相談が望めない点になります。
③職業訓練校
大学院を中退して別の分野に就職しようとしても、「スキルや経験がないから就職できないのではないか」と悩む人もいるのではないかと思います。そのような人は、国が支援している職業訓練校に通うことを検討してみましょう。
職業訓練校では、スクールに通うとお金がかかってしまうようなWEBデザインやプログラミングなどのスキルを無料で身に付けることができます。
職業訓練校は、地域によって申し込みの流れや受けられるプログラムが異なるので、近くのハローワークに足を運んで確認してみてくださいね。
職業訓練校で受けられるプログラムの例
- PC事務スキル
- WEBデザイン
- プログラミング
- 簿記会計
- 介護
- 調理
- 農業
※地域によって異なります
面接時に聞かれる! 大学院中退者が考えておくべき3つの回答
面接時に聞かれる! 大学院中退者が考えておくべき3つの回答
- 大学院で学んだこと
- 大学院を中退した理由
- これからのキャリアプラン
面接では、志望動機や自己PRに加えて、大学院中退者だからこそ面接で聞かれやすい質問があります。これらの質問をとっさに聞かれても答えられるように、回答内容をそれぞれ考えておきましょう。
ここでは、大学院中退者が考えておくべき3つの回答を解説していきます。事前にしっかりと対策して、面接に備えましょう。
①大学院で学んだこと
大学院で学んだことは面接時に聞かれる可能性が高いので、面接官に簡潔に伝わるように回答内容を準備する必要があります。
また、「大学院でどのようなことを勉強したのか」ということに加えて、「なぜ大学院に進学したのか」や「大学院に進学したことでどのような知識や学びを得たのか」も併せて振り返りましょう。
大学院で学んだことの回答例
私は〇〇大学大学院の国文学研究科の修士課程に在籍しておりました。院では源氏物語を中心に平安時代の文学を学んでおりました。大学院では大学で学んでいた源氏物語をより深く研究するだけでなく、平安の文化や歴史の研究もおこないました。
もし、応募企業の仕事とまったく関係ない内容を大学院で学んでいた場合は、「なぜ中退してまでその仕事をやりたいのか」を志望動機でしっかりと伝えてくださいね。
応募企業の仕事とまったく関係がない内容だと、採用につながる理由を見出せないため注意してください。
関連性があまりなくても、たとえば法律知識、マーケティング、ITスキルなど、応募企業で活かせる内容であれば採用担当者は興味を持つでしょう。
②大学院を中退した理由
大学院中退という事実だけだと、「何か大きな問題を起こしたのではないか」「計画性のない人物なのではないか」などとネガティブな印象を与えてしまう可能性も0ではありません。そのため、企業側は大学院を中退した理由を質問することで、「この応募者を採用しても懸念がないか」を判断しようとします。
大学院を中退した理由は、嘘をつかずに正直に伝えましょう。嘘をつくと面接官に見抜かれて評価が下がる恐れもあるので注意してください。
「大学院を中退した理由をどのように伝えよう……」と悩んでいる人は、次の章で大学院を中退した理由の回答例5選を紹介するので参考にしてみてくださいね。
③これからのキャリアプラン
企業側は面接でキャリアプランを質問することで、「これから先の将来をどのように見すえているのか」を確認することに加えて、「大学院を中退した理由がただ飽きたからなのではないか」「しっかりしたプランはあるのか」を確かめようとしています。
また、キャリアプランを聞くことで「入社後にどのようなことに挑戦したいのか」「仕事を通じてどのように成長したいのか」が明確になるので、面接官は応募者が将来を見すえたうえで自社を志望しているかも判断しようとします。
これからのキャリアプランの回答例
まずは、御社のBtoB営業で売り上げトップを目指したいと思います。そして、30歳までには御社の管理職を目指したいと考えています。
ゆくゆくは、OG訪問をさせていただいた御社の〇〇さんのようなビジネスパーソンになりたいと思います。
大学院を中退した分、早く御社で営業の経験を積みたいと考えています。キャリアプランの実現に向けて人一倍努力し、御社の売り上げ向上に寄与します。
以下の記事では、面接でキャリアプランを伝える際のコツを解説しています。以下の記事は新卒向けの記事ですが、面接でのキャリアプランの伝え方は既卒も同じなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
例文14選|面接で聞かれるキャリアプランを効果的に伝えるコツ4選
キャリアプランを話す時、大学院中退の理由と挑戦したいことが矛盾しないように注意しましょう。
たとえば、中退理由が「さまざまなことにチャレンジしたい」で、プランを「◯◯について専門的に学びたい」と答えると矛盾が生じ、マイナス評価になってしまいます。
理由別! 面接時に大学院を中退した理由を伝える回答例5選
理由別! 面接時に大学院を中退した理由を伝える回答例5選
大学院を中退した人は、面接時に必ずと言っていいほど中退理由を聞かれます。
「大学院を中退した=忍耐力がない」と捉える採用担当者も少なくないので、面接の中退理由をしっかりと答えられないと、採用の懸念を持たれてしまう恐れがあります。そのため、面接を受ける前に回答をしっかり準備しましょう。
ここでは、大学院を中退した理由を伝える際の回答例5選を紹介します。大学院中退の理由をどのように話そうか悩んでいる人は、ぜひ例文の内容を参考にしてみてくださいね。
①精神的な理由で中退したケース
①精神的な理由で中退したケース
大学院では応用生物学について学び、バイオテクノロジーに関する研究に没頭する日々を送っていました。
学費も工面しなくてはならないため、毎日アルバイトにも励んでいましたが、体調管理が疎かになってしまい、体調を崩して退学しました。
半年間静養し現在体調は万全であり、仕事に支障をきたすことはありません。
静養中に、今後の進路について考え、大学や大学院で学んだ皮膚科学や細胞生物学の知識を活かして、誰かの背中を押すような化粧品を開発したいと考えるようになりました。私も化粧をすることにより、自分に自信を持つことができるためです。
入社後は自己管理を徹底しつつ、大学や大学院で学んだ知識を活かして有効性と安全性の高い化粧品を開発したいと考えています。
上記の例文は、体調管理ができるようになった過程が明確で良いですね。
より良くするためには、入社後に自分のできることをもう少し具体的にしましょう。
②人間関係が理由で中退したケース
②人間関係が理由で中退したケース
大学院では研究室に所属していましたが、研究に対する意見の食い違いから人間関係がうまくいかず、大学院に通うのがつらくなってしまったため、最終的には退学しました。
食品栄養学を研究する目的を持って大学院で勉強していたにもかかわらず、中退することになってしまい深く反省しています。
この件で良好な人間関係を構築するためには、報告連絡相談をこまめにし、認識合わせをしておくことが重要であると学びました。
今回の失敗で学んだことを御社でも活かし、顧客やチームメンバーと緻密にコミュニケーションを取りながら開発を進め、人々の生活を健康で豊かにする効果的かつ新しい製品を作り出したいと考えています。
上記の例文は、失敗から学んだことを業務で活かしていこうとする姿勢があって好感が持てる内容です。
しかし人間関係が中退理由だと、「自社でも同様の問題が起きるのではないか」と思われかねません。「ビジネスにより興味を持った」など別の理由に置き変えても良いでしょう。
③ほかにやりたいことが見つかって中退したケース
③ほかにやりたいことが見つかって中退したケース
大学院では英語の仕組みや情報伝達の役割について学び、将来は語学の研究者になることを目指していました。
しかしアメリカ留学の際に訪れた幼稚園で、自由に考え発言し議論を展開する子どもたちの姿を見て、日本の子どもたちを海外で通用する人材に育てる仕事がしたいと考えるようになりました。
最初は英会話スクールでのアルバイトを通して子どもたちとかかわっていましたが、次第に一刻も早く子どもたちを育てる仕組み作りをしたいと考えるようになり退学しました。
日本の画一的な教育から脱し、海外で実践されている幼児教育をいち早く取り入れて新しい保育施設を作り上げる御社でなら、私の目指す子どもの意志や意見を尊重しながら、集団の中で自分を表現する力を身に付ける教育ができると考えています。
自分の原体験と企業の志望理由が一致している素晴らしい例文ですね。
ただし、1文が長いため、人によっては理解しづらいと感じるかもしれません。1文は長くても80字以内で収めましょう。80字より長くなるときには2文以上に分けてくださいね。
④学業不振が理由で中退したケース
④学業不振が理由で中退したケース
大学院ではマーケティングについて研究していましたが、仲間と始めたSNSでのレシピ発信に熱中しすぎてしまい、「大学院での研究活動よりも力を入れたい」と思うようになってしまったため、退学しました。
大学院での研究とSNS運用の活動を両立させられなかったことは、自分の努力や管理能力が足りなかったと反省しています。
SNS運用を通して、ユーザーの心に寄り添い何が求められているのかを分析したり、自分の知識をもとに工夫を凝らしたりして発信し、誰かに喜んでもらうことにやりがいを感じました。
御社に入社後は、大学院やSNS運用で学んだことを活かしてデータの分析や顧客のマーケティングに携わり、料理のプラットフォームを通して人々の生活を豊かにすることに貢献したいと考えています。
上記の例文は、「SNS運用を企業に入社して活かしたい」と明確に述べられている点が良いですね。
より良くするためには、入社後にどのような成果を出したいかまで述べましょう。
⑤経済的な理由で中退したケース
⑤経済的な理由で中退したケース
司法試験合格を目指し法科大学院で学んでいましたが、経済的な理由で中退しました。
当初はアルバイトで学費を稼ぎながら学ぶことも考えましたが、困っている人を助けたいという思いは、弁護士でなくてもかなえられると考え、経済的に家族を支えるためにも大学院を中退して社会に出ることを決めました。
大学院で勉強を続けられなかったことに対して、悔しい気持ちもありますが、就職すると決めたからには、社会人として責任を持って仕事に励みたいと考えています。
御社に入社後は、新しいサービスを広める営業職として、ITの技術を困っている人に届けることで社会の役に立ちたいです。
経済的な理由で大学院を中退した場合、面接時に「中退は自己都合である」という理由を正直に伝えることが大切です。
中退したことからも学びは必ずあると思います。その点も伝えるようにしてくださいね。
大学院中退=不利ではない! 中退後は1日でも早く就活を始めて逆転しよう
さまざまな事情によって、大学院を中退する人は多くいます。その中には、「大学院を中退したら就職で不利になるのではないか……」と悩む人もいるでしょう。
しかし、大学院を中退したからといって就職で不利になるとは限りません。中退後すぐに就活を始めれば、逆転することは十分に可能です。すでに大学院を中退した人や、これから中退しようとしている人は、この記事を参考にしながら1日でも早く就活を始めてくださいね。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る大学院を中退する前にどんな仕事に就きたいかをしっかりと考えよう
大学院を中退した人や大学院の中退を検討している人は、「自分自身がどのようなキャリアを積みたいのか」「自分自身の今までの経験をどのように活かすことができるのか」といったポイントから就職活動に向き合うと良いでしょう。
特に中退は結果であり、就職活動においては決して不利になるものではありません。今の自分に自信を持って就職活動に取り組んでください。その場合、深く自己理解をしておくことが重要です。自分を理解することによって、自己肯定感も増すだけでなく、本当に就きたい仕事についても向き合うことができますよ。
就活をする際は就職エージェントやキャリアコンサルタントの力も借りよう
また、中退を意識している人については、就職エージェントやキャリアコンサルタントのような第3者に就職活動について寄り添ってアドバイスをしてくれる機関を活用することも一つの手段ですよ。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
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