この記事のまとめ
- 自分にあった仕事がわからない人には2つの特徴がある
- 自分に合った仕事の見つけ方にはやってはいけないNGパターンがある
- 自分に合った仕事を見つけるためには4ステップが必要
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
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就活が始まると自分に合った仕事について考える機会が増えていきます。「自分に合った仕事ってなんだろう」「自分に合った仕事を見つけるにはどうしたら良いのだろう」という悩みの声が多くの学生から寄せられます。
自分に合った仕事がわからないまま就活を進めてしまうと、選考がうまくいかなくなるだけでなく、入社後のミスマッチの原因となり早期離職の危険性が高まってしまいます。就活のゴールは内定をもらうことではなく、入社後にいきいきと働くことということを念頭に置いて、自分に合った仕事を探していきましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの渡部さん、富岡さん、三好さんのアドバイスを交えつつ解説します。自分に合った仕事を見つけたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。
自分に合った仕事は価値観を整理して多角的な視野を持つことで見つかる!
自分に合った仕事がそもそもわからないという人や、なんとなく方向性は決まっているけど探し方がわからない人などさまざまな人がいるでしょう。まずは自分の価値観を棚卸しし、あらゆる角度から自分に合った仕事を探すことで満足度の高い結果を得られるようになりますよ。
記事では自分の選択を後悔しないためにも、自分に合った仕事を探す際にやってはいけない仕事の選び方を解説。そのうえで、簡単に自分に合った仕事を見つけるための4ステップを紹介します。
また時間がない人に向けて、さらに簡単に自分に合った仕事を見つける方法を具体例と併せて解説。あなたの将来を輝かしいものとするためにも、自分にピッタリと合った仕事を探していきましょう。
自分に合った良い仕事の見つけ方はこちらの記事でも解説しているので、参考にしてください。
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良い仕事とは何でしょうか。人によって良いと思える仕事はさまざまであり、自分に合う仕事を見極めることが大切です。この記事では、キャリアコンサルタントと、自分にとっての良い仕事を見つける方法を解説します。
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自分に合った仕事とは?
入社後にいきいきと働きたいが、自分に合った仕事がわからないと感じる人も少なくありません。一般的に学生は社会人経験がなく、「仕事」をどのように考えるべきか難しく感じることも多いもの。
自分に合った仕事とは、自分のモチベーションを高く保持して主体的に取り組める仕事です。自分の強みを活かすことができ、成果を出して、かつストレスがあまり溜まらない仕事が自分に合っているともいえます。
また、自分が「こうありたい」と思っている姿を実現することができる仕事も自分に合った仕事です。自分の理想に近づきやすくなるという好循環を作れる仕事を見つけられることは非常に幸せなことです。自分に合った仕事をどのように見つけるのかを押さえて、丁寧に実践していきましょう。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見るまずはそもそも「自分に合う」とは何かを考えてみよう
「自分に合った」という言葉にはいろいろな解釈が含まれています。まず、働いたことがない仕事に対して「合う」か「合わない」かはすぐにわかるのだろうか、またわかったとして、それがずっとそのまま変わらないものだろうか、と考えてみると「自分に合う」という概念にずいぶんと幅があるのがわかるでしょう。
少し言葉を足すと、「今の(未熟で経験も認識も浅い)自分に合う仕事」を探すのか、望ましく成長した「将来の自分に合う仕事」を探すのか、もしくはその2つが一致するものがもっとも自分に合った仕事といえます。もし、一致しない場合は「将来の自分に合う仕事」を大切にするべきです。
将来の目標が違えば「自分に合う」という意味も変わる
具体的には、「将来身につけたいスキルが身につく仕事」や、「将来から逆算して、今経験を積んでおきたい仕事」などになるでしょう。
私は13年間就活相談を受けてきましたが、実際の例で「30歳までに起業したいため、資金繰りを理解するため、つぶれそうな会社の経営者の傍で働きたい」という人が1人いました。非常に稀な例ですが、将来の目標が違えば「自分に合う」という意味が変わるという一例ではないかと思います。
自分に合った仕事がわからず、就職先の決め方で悩んでいる人もいるかもしれませんね。そんな人は、こちらの記事を参考にしましょう。
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自分に合った仕事がわからない人の特徴2パターン
自分に合った仕事がわからない人の特徴
- 自分の特性がわからない
- 仕事の特性がわからない
一口に自分に合った仕事がわからないといっても、「わからない」はさまざまです。自分はなにがわからないのかを押さえていきましょう。
まずは自分の「わからない」を明確にすることで、自分に合った仕事を探すための適切な方法が見えてきますよ。
①自分の特性がわからない
そもそも自分のやりたいことや自分の力を発揮できることがわからないと、自分に合った仕事を探すことはできません。
自分に合った仕事を探す前に、まずは自分のことを知らなければ仕事が自分に合っているのか合っていないのか判断できないでしょう。
自分の価値観や判断基準を把握できていないからこそ、自分に合った仕事がわからないという状態になっていますよ。
文系の働きやすい職業が気になる人は、以下の記事で人気企業も併せて確認してみてくださいね。
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自分の特性を考えるためには過去の経験をもとに、どんなときに「モチベーションがあがるか」「幸せを感じるか」「どんなことが好きで得意か」を考えてみてください。
逆に嫌いなこと・辛いこと・苦手なことから考えてみるのも良いでしょう。そこから自分の価値観や特性を見つけることができます。
②仕事の特性がわからない
自分のことは理解しているものの、どんな業界や企業があるのか整理できていないと自分に合った仕事はわからないといえます。
またなんとなく業界や企業を理解していたとしても、ほかと比較した際の特徴を正しく押さえられていないと、何を持って自分に合っているといえるのか判断できないでしょう。
「仕事」は、業界やビジネスモデル、対象となる顧客、一緒に働く人、働き方、得られる成果などさまざまなもので構成されています。
自分に合った仕事を探す際にやってはいけない仕事の選び方
やってはいけない仕事の選び方
- 「好き」という理由だけで決める
- 思い込みで決める
- 職種だけで決める
- 業務内容だけで決める
- 将来性を検討せずに決める
- 人の意見に流されて仕事を決める
いざ自分に合った仕事を探そうとしても、間違った選び方をしてしまうと後悔する原因となり得ます。
今から解説するやってはいけない仕事の選び方は、案外多くの学生がやりがちな選び方のため、自分はこの選び方をしようとしていないか確認してみてくださいね。
①「好き」という理由だけで決める
これまでの自分の関心から、「好き」という理由で仕事を選ぼうとする学生は多いものです。しかし、ただ「好き」という理由だけでは自分に合っている仕事だとは言えません。
たとえば、今までは趣味などで好きだと感じていたものの、仕事として取り組むことでその難しさや辛さと直面して途端に嫌いになってしまうこともあります。好きだからといって「得意」「適性がある」とは限りません。
また生活をするうえでお金は必ず必要であり、好きな仕事が必ずしも自分の希望の収入が得られるとも限りません。今は理想を描いて好きで仕事を選んだとしても、実際に働き始めた際に現実とのギャップに苦しむことになるかもしれませんよ。
「好きなことを仕事にしたい自分」と同時に、「それに反論する自分」も存在するのではないでしょうか。自分の中で対立する二人に、対話をさせてみましょう。
その結果「好き」を理由に選ぶことに後悔がない、と結論が出るのであればそれが今のあなたが選ぶ道です。
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②思い込みで決める
就活中は真偽が不明な噂を数多く耳にすることもあるでしょう。そんな裏付けのない情報を信じて、思い込みで仕事を選ぼうとしても自分に合った仕事は選べません。また自分の中にあるなんとなくのイメージで業界や企業の仕事を決めつけてしまうことも同様です。
思い込みで決める具体例
- 明るい社風という噂をよく聞くため決める
- 残業が少ない業界と聞いて各企業のことを調べずに決める
- 文系学生は地方配属にならないだろうと思って決める
確かな情報を調べずに思い込みで最初から絞って仕事を決めようとしたり、診断系のツールの結果だけで決めたり、「ホワイト企業だから」といったイメージだけの理由で仕事を決めてしまわないようにしましょう。
思い込みで決めてしまうと、実際に働き始めたときに悪いギャップが生じて後悔してしまいます。今は興味のない仕事でも今後自分に合っていると感じる可能性は大いにあるものですよ。
③職種だけで決める
自分が興味のある職種にこだわり、職種で仕事を決めれば自分に合った仕事を選べると思う人もいるかもしれませんね。しかし、職種だけにこだわったために実は自分に合っていない仕事を選ぶことになってしまうかもしれません。
分類上は同じ職種であっても、企業によって実際に従事する業務内容は異なることが多いです。業界や企業規模などによって、取り扱う商品やサービスはもちろん、対象顧客、職種に求められている役割には違いがあるものですよ。
同じ職種であっても業務内容が異なる例
-Webマーケターの場合-
- A社:企業向けに記事を執筆したり、編集をするコンテンツマーケティングをする業務
- B社:20代女性向けにネット広告を作成し、数値を分析する業務
- C社:40代男性向けにSNSアカウントを運用する業務
職種という大枠で捉えて、それぞれの企業に目を向けないと自分に合わない仕事を選んでしまうことにつながります。
④業務内容だけで決める
職種で選ぶと実際に従事する業務が企業によって異なるのであれば、業務内容で仕事を決めれば間違いないと考えるのも避けましょう。
もちろん詳しい業務内容を調べることは大切ですが、業務内容だけで仕事を選んでしまうとそのほかの条件が自分に合わないという危険性が高まります。
たとえば、一緒に働く人の雰囲気や、給与や休日などの待遇が自分の希望にまったく当てはまっていないと、いくら臨んでいた業務内容であっても仕事をすることが苦しく感じてしまうかもしれません。
事業が成長して職種の役割が変わることもあれば、業務内容が同じでも環境や扱うものが変わると同じ仕事ではなくなることもあります。
「何をやるか」だけで決めると、「誰と」「どうやって」などの大事な要素が見落とされることがあります。
⑤将来性を検討せずに決める
興味のある業界や企業を就職先の選択肢として選ぶことは間違いではありません。しかし、人によっては40年以上働く可能性のある職場であることを忘れてはいけません。
短期的な視点で、将来にわたって働いていけるかどうかや今後の成長イメージをなにも抱かないまま仕事を選んでしまわないようにしましょう。
将来性を検討せずに自分に合っている仕事だと感じても、将来的に縮小していく業界や自分自身にスキルの身に付かない企業では働くうちに大きなミスマッチや不満を抱く可能性があります。
- 自分の気になる業界が斜陽産業なんですが、この場合就職先の選択肢にしない方が良いのでしょうか?
選ぶ理由が明確にあり、社会的な流れを理解したうえで選ぶならば問題ない
斜陽産業と言われる業界に属する企業は、当事者として誰よりも危機感を感じています。
中には「生き残るための戦略」をさまざまに考え、新規事業を展開している企業もあります。斜陽産業というピンチをチャンスと捉え、時流に即した事業にシフトしていく企業もあるでしょう。
また、斜陽産業を選択肢にしない方が良いと考える学生は一定数いると考えられます。もしあなたがあえて希望するなら、競争相手は少なくなる可能性があるでしょう。
あなたはその業界のどのようなところが気になっているのでしょうか。選ぶ理由が明確にあり、社会的な流れを理解したうえで選ぶならば、何の問題もありません。自己分析と企業研究を進めましょう。
⑥人の意見に流されて仕事を決める
多くの学生にとって就活は初めての経験であり、わからないことだらけです。そのため不安を感じることも多く、社会人経験のある家族や先輩、知人などに相談することもあるでしょう。
相談すること自体は非常に良いことなのですが、周囲の意見によって「これが自分に合っている仕事だ」と思い込んだり、自分の考えが流されてしまわないようにしてください。
「良い仕事」や「働きやすい仕事」は人それぞれ異なります。周囲にとって自分に合っている仕事だとしても、あなたに合っている仕事とは限りません。
アドバイザーコメント
富岡 順子
プロフィールを見る人の意見に流されたり他人の意思で就職先を決めるのは避けよう
神戸大学が「所得や学歴より自己決定が人生の幸福度をあげる」という研究結果を発表しています。家族や友人の意見で仕事を選択をしてしまうと、その先失敗してしまったり、困難なことがあったときに人のせいにしてしまうことがあるでしょう。
一方自分で選択肢を吟味し自己決定することができると、たとえその先失敗したとしても、結果に対して責任を持ち、乗り越え、成長していくことができると言われています。
仕事をするのはあなた自身
自分に何が向いているかわからない、何がやりたいか迷っているときは周りの人も親切に「あなたは〇〇が向いている」とついついアドバイスをしがちです。
また家族の中には「あなたにはこの仕事をして欲しい」と思っている人もいるでしょう。しかし仕事をするのはあなた自身であり、あなたの人生です。迷いながらも自分なりの納得解を探し、選択するようにしてください。その先の人生がより幸せなものとなりますよ。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
自分に合った仕事を考える際の大前提
自分に合った仕事を考える際の大前提
- 完璧な会社があるとは限らない
- 長期的な視点を持つ
自分に合った仕事を探す際にやってはいけない選び方を押さえたところで、次は実際にどんな考えのもと仕事を選んでいくべきなのかを確認していきましょう。
ここでは自分に合った仕事を考える際の大前提を解説します。この大前提を知らないと後悔する仕事の選び方をしてしまう危険性が高まるため、必ず押さえていきましょう。
完璧な会社があるとは限らない
自分のすべての条件に完璧にマッチした仕事があれば、それは大変幸運なことです。しかし基本的には自分の理想をすべて叶える会社はほとんどないといっても良いでしょう。仮に完璧な会社があったとしても、そういった会社に自分が採用される実力がともなわなければなりません。
また企業はビジネスをおこなう中で変化を繰り返していきます。事業内容はもちろん、待遇などの制度、働く人や雰囲気なども多少は変わっていくものであり、今あなたが「この会社の仕事は完璧に合っている」と感じても将来的にはズレが生じる可能性もあります。
そのため完璧な会社を探し続けてしまうと、精神的にも時間的にも苦しい思いをしてしまうかもしれません。自分の希望をすべて満たす仕事を探すのではなく、「最低限この条件を満たしていれば、自分に合いそうだ」「この条件だけを満たしている仕事であれば頑張れそうだ」といった軸を明確にしましょう。
仕事は流動的な部分が多々あります。メンバーシップ型雇用をおこなう日本の企業は担当業務が変わることが当たり前です。
またVUCA(あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、想定外の事象が発生する将来予測が困難な状態)と言われる今の時代は、企業も時代の流れにともない求められることが変わってきます。
一緒に働く人もずっと同じとは限りません。何を持って完璧と捉えるかは人それぞれですが、同じ条件でずっと働くことはできないことを覚えておいてください。
長期的な視点を持つ
就職後は転職や退職をすることもありますが、就職をすると長年働き続ける人も多くいます。そのため今後自分はどうしたいのかなどといった視点を持ち、長期的に自分の人生を考えてどうなりたいのかをイメージすることが大切です。
現時点だけを見ると自分に合っている仕事だと感じても、1年後3年後を考えると合わなくなることが目に見えているかもしれません。
長期的な視点を持つ例
- いつかは結婚をして定住をしたいため転勤がないほうが良さそうだ
- いつかは子育てをしたいため子育て関連の制度が整っていない企業への就職は難しそうだ
- 3年後には転職をしたいためスキルが身に付き転職需要の高い業界が良さそうだ
10年後などかなり先の未来を細かく考える必要はあまりありませんが、自分や企業がこの先変化するかもしれないという長期的な視点を持ちましょう。
たとえば、企業の研修制度や福利厚生に魅力を感じていたとしてもそれが撤廃されることもありますよ。
アドバイザーコメント
三好 真代
プロフィールを見る人生の「ナビゲーションシステム」を機能させてみよう
人生を地図に見立ててみましょう。今周りに見えているすべてが、現在地です。人生では「ナビゲーションシステム」を機能させることが重要です。そのために必要な要素は以下の2つ。
①今自分がどこにいるのか(現在地)
②向かう先はどこか(目的地)
現在地と目的地が結ばれて初めて、進む方向がわかります。長期的視点を持つということは、ナビゲーションシステムにおける「目的地を設定する」ということです。目的地があるからこそ、選択する道の方向が合っているかどうかが確認できます。
「現在地」を確認し、長期的な視点である「目的地」を設定しよう
目的地にたどり着くためには、いくつかルートがあるものです。最短距離や渋滞回避、有料道路のほかAI判断でおすすめされたりもしますね。ルートや目的地はもちろん途中で変更できますが、始めにセットするルートがその後見る景色や選ぶ道に大きく影響することは間違いありません。「ファーストキャリア」として選ぶ仕事はそれだけ重要だということです。
今の自分がどうであるか「現在地」を確認し、どのようになりたいのかという長期的な視点「目的地」をもって納得感のある一歩を踏み出しましょう。
自分に合った仕事を見つけるための4ステップ
当たり前ですが、「自分に合った仕事」と一口にいっても、さまざまな基準があるため、なにが自分に合っているかは人それぞれ異なります。
自分に合っているとはどういうことなのかを考え、さらに業界や企業の特徴を押さえなければ自分に合った仕事を見つけることはできません。今から解説する4ステップを実践して、自分に合った仕事を見つけていきましょう。
①4つの観点で自己分析をおこないキャリア・ライフプランを考える
自己分析をおこなう4つの観点
- 好きなこと
- 得意なこと
- 苦手なこと
- やりたくないこと
まずは自分のことを知らなければ、何をもって自分に合った仕事といえるのかわからないですよね。仕事を選ぶ際には、好きなこと・得意なこと・苦手なこと・やりたくないことの4つの観点で多角的に自分を分析していきましょう。
そして、自分の特性を踏まえてキャリアプランとライフプランを考えていきましょう。「自分に合った仕事を選ぶのだからライフプランは関係ないのでは」と感じる人もいるかもしれませんが、仕事と私生活は切り離せない存在です。
たとえば私生活で結婚や妊娠・出産があれば、転勤になった際の暮らし方や仕事を休む必要があるのかを考えなければなりません。自分はどんな働き方をしたいのかキャリアプランとライフプランを重ねながら考えていくことで、より現実的な自分の将来のビジョンが見えてきますよ。
キャリアプランとライフプランの考え方
- 自己分析をもとに自分の興味関心や価値観を言語化する
- 自分の現状を理解する
- 自分の3年後・5年後・10年後の将来(仕事と生活)を考える
- 将来と現在をつなぐ道筋を作成する
白い紙を今の自分の心と見立てて、考えていることを図形(丸や三角や雲形など)で自由に表現してみましょう。仕事や重要な人たち、楽しみや悩み、などが現れるでしょうか。
紙そのものが「ライフ」を表します。職業キャリアはもちろん、ほかの要素との関係が「ライフ」の充実度にどのように影響するか、理解を深めてみてくださいね。
自己分析って何をするの?と疑問を抱いている人は以下の記事を参考にしてみてください。わかりやすいやり方と選考での活用法をまとめています。
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自己分析とは、自分に合う就活の軸を定めたり、自身の長所を活かした志望動機などを書くための準備工程です。この記事では自己分析のメリットや正しいやり方をキャリアコンサルタントとともに解説します。活用しやすいフレームワークも紹介するので、就活のはじめに自分を知り、納得のいく就活をおこないましょう。
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以下の記事では簡単7ステップで今すぐ自己分析ができる方法を解説しています。自己分析のやり方を詳しく押さえたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。
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入社後にやりたいことが思い描けない人に向けて、以下の記事で考え方のコツを解説しています。
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例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?
企業が入社後にやりたいことを質問するのは、就活生の希望を知りたい意向が強いためです。入社後にやりたいことを見つけるための方法やどうしても見つからなかったときの対処法をキャリアコンサルタントが解説します。
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企業選びをするにあたり、もっと自由に働きたい……と考える人もいると思います。以下の記事では自由でやりがいのある仕事をまとめているので参考にしてみてください。
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「自由な仕事に就きたい!」と思っても、理想の仕事を明確にイメージできる人はあまりいません。記事では、人によって感じ方が異なる「自由な仕事」をシーン別にキャリアコンサルタントとともに紹介します。自由な仕事を探すときの注意点も解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
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まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
①好きなこと
この記事の前半で「好き」という理由だけで仕事を選んではいけないと述べましたが、ほかの要素を加味したうえでは「好き」という感情は大切です。
どんなことが好きなのかをマインドマップをつかって洗い出してみましょう。マインドマップを用いれば、この後に解説する得意なこと・苦手なこと・やりたくないことも洗い出せるようになります。
マインドマップとは?
頭の中で考えていることを書き出すことで、記憶の整理や発想をしやすくするもの
マインドマップの作り方
- 無地の紙を用意する
- 中央にメインテーマを書く
- メインテーマの周辺にアイデアをキーワードで書く
- キーワードから、さらに関連するキーワードを書く
単に好きと感じることはもちろん、無我夢中で取り組んだ経験や価値を感じることをマインドマップで書き出してみましょう。そしてマインドマップで書き出した内容に対して「なぜ」を3回繰り返してみてください。
「なぜ」を繰り返すことによって、自分の根本にある価値観を探ることができるようになります。根本的な価値観を把握することによって、より効果的に今後自分がどのような行動をするべきか、どのような環境に身を置くべきかが理解しやすくなります。
つまり好きなことを「なぜ」と繰り返すことによって、自分が好きと感じることに共通する価値観が見えてきますよ。たとえば、「英語が好き」「部活が好き」は異なる経験ですが、なぜを繰り返したところ「成長が実感できるから」などと根本になる価値観が見えてきます。
好きなことを掘り下げる例
好きなこと:部活
目標達成する瞬間が気持ち良いから
↓なぜ気持ち良いのか
これまでの努力がむくわれる感じがするから
↓なぜ努力がむくわれると良いのか
数字で目に見える成果が出るとうれしいから
↓なぜうれしいのか
チームで笑顔になれるから
マインドマップの詳しい作り方や深掘りの方法はこちらの記事で解説しているので、併せて参考にしましょう。
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次の記事では、人を笑顔にする仕事について解説しています。マインドマップで深掘りをして、笑顔になることが好きだった人はぜひ読んでみてくださいね。
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②得意なこと
自分が得意なことがわかれば、成果を出しやすい仕事を選べるようになります。努力しなくても結果を出せた経験や他人よりも成果が出せること、自分の強みが活かせることが得意なことだといえます。
たとえば、好きなことを洗い出したのと同じようにマインドマップで得意なことを書き、「なぜ」を3回繰り返してみましょう。
得意なことになぜを繰り返すことで、自分の強みと強みを発揮できる場面が見えてきます。またどんなときに強みを手に入れたのかがわかることで、自分が成長できる環境も分析できるようになりますね。
得意なことを掘り下げる例
得意なこと:人とかかわること
人とかかわることが得意
↓なぜ得意といえるのか
初対面の人ともすぐ打ち解けられるから
↓なぜ初対面の人と打ち解けられるのか
相手の言いたいことを引き出す質問力と傾聴力があるから
↓なぜ質問力と傾聴力があるのか
アルバイトでテレフォンアポインターをしているから
③苦手なこと
人よりもうまくできないことや成果を出せないこと、なかなか上達しないことなどを考えてみましょう。自分が自信を持てないことは何かを考えてみてください。
また、自分が納得できないことなども苦手なことに含まれます。たとえば筋が通っていないことや自分が損をすることに対して、納得できないと不満を感じるのであればそれも苦手なことですよ。
苦手なことを掘り下げる例
苦手なこと:ルーチンワーク
ルーチンワークが苦手
↓なぜルーチンワークが苦手なのか
同じ作業を繰り返すだけだから
↓なぜ同じ作業を繰り返すのが苦手なのか
成長が感じられないから
↓なぜ成長が感じられないと嫌なのか
常に最高の自分でいたいから
④やりたくないこと
やりたくないことが仕事の大部分を占めていると、やりがいを感じられないばかりか苦痛ばかりを感じてしまうことになります。
やりたくないことには、得意だけどやりたくないという精神的にやりたくないことや、物理的にできないことも含みます。物理的にできない例としては、たとえばアレルギー体質で化学物質過敏症の人は、化学品を多く取り扱う化学メーカーの現場では働くことは避けたいと考えますよね。
やりたくないことを掘り下げる例
やりたくないこと:成長がないこと
成長がないこと
↓なぜ成長がないことがやりなくないのか
自分の価値が落ちていく感じがするため
↓なぜ自分の価値が落ちるのが嫌なのか
選択肢が狭まるため
↓なぜ選択肢が狭まると嫌なのか
自由に生きたいため
やりたくないことには、「リスクがある」「メリットがない」などの功利的な面と、「好きではない」という情緒的な面の両方があります。
功利的な面は明確な理由を書き出し、情緒的な面は、その原因や経験を探って妥当かどうかを考えましょう。
②さまざまな業界や職業を調べる
さまざまな業界や職業の調べ方
- 業界地図や就活四季報を見る
- 合同説明会に参加する
自分のことを理解したら次は仕事のことを理解していく必要があります。いくら自分のことを正しく理解していたとしても、仕事に関して理解が及んでいないと自分に合っているという判断ができません。
仕事と一口にいっても、業界や企業、職種などさまざまな要素で成り立っています。まずは視野を広げて幅広く仕事を探すためにも、あらゆる業界や職業を広く浅く調べていきましょう。
業界地図や就活四季報を見る
就活において業界は以下の8つに大別されますが、業界地図や就活四季報にはさらに細かく業界が分類されていて、より具体的に仕事についての理解を深められるためおすすめです。
おもな業界
- メーカー
- 商社
- 小売
- 金融
- サービス・インフラ
- 広告・出版・マスコミ
- ソフトウエア・通信
- 官公庁・公社・団体
業界地図では以下の点に注目してみてください。業界ごとの大まかな全体像や勢力図などが、一目でわかるように地図のようにマッピングしてあるため、幅広く業界を分析するのに役立ちます。
業界地図で見るべきポイント
- 業界の規模
- おもにどのような企業があるか
- 各業界に属する企業の売上など業績はどのようになっているか
- 企業同士の業務上の協力や提携関係(グループや系列会社など)や資本上の結びつきを持っているか
- 業界全体の今後の流れや動向
就活四季報は各企業の細かなデータが載っているため、気になる業界に属する企業を以下の点に着目して調べてみましょう。
エントリーや選考試験の情報、給与体系や福利厚生など、「その会社の選考を受けたらどうなるのか」「働いたらどうなるのか」ということを理解しやすくなっています。
就活四季報で見るべきポイント
- 会社のプロフィール(設立年や上場年、特色など)
- 企業業績(売上高、営業利益、経常利益、純利益、1株利益など)
- 選考フロー
- 過去の採用大学・人数
- 新卒3年後離職率
- 有給取得年平均日数
- 残業時間
- 給料面
自分に合った仕事を選ぶために、業界地図や就活四季報を見るときにおすすめなのが、働き方改革に対しての柔軟さのチェックです。
残業時間削減の取り組みや有給、育休取得率、女性の管理職比率が高い企業は業績も高くなる傾向があります。
多くの人にとって仕事は長く続けていくことになるため、ライフキャリアを含めて自分にあった仕事かどうかも検討することができます。
合同説明会に参加する
就活中は自己分析に業界分析、書類選考対策、筆記試験対策、面接対策などさまざまなやるべきことがあり忙しいものです。そのため、あまり興味のない企業を1社1社を丁寧に調べる余裕はないかもしれません。
効率的に複数業界の企業の説明を聞くために、合同説明会に参加してみましょう。合同説明会とは、さまざまな業界・業種の企業がブースを設けて会社や仕事の概要を説明する場です。
さまざまな業界や企業の話を一度に聞くことができ、なおかつ企業の人と直接話せるチャンスもあります。どんな雰囲気なのかをつかんで仕事への理解を深めることができますよ。また幅広い企業の話を聞くことで知らない企業と出会い、自分では想像もしなかった企業に魅力を感じるかもしれません。
仕事への理解を深めるには、まずは世の中の職種を理解することも大切です。こちらの記事で職種を網羅的に解説しているので、併せて参考にしましょう。
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職種の種類一覧を徹底解説! 業種・業界・職業との違いも押さえよう
就活の軸を決めるために、さまざまな職種の種類について理解を深めましょう。この記事では職種の種類を紹介するだけでなく、向いている職種の選び方をキャリアコンサルタントが解説します。自分のキャリアを明確にして職種を選択するカギにしてください。
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③自分の中で条件に優先順位をつける
仕事への条件の例
- 仕事内容
- マネジメント・評価
- 人間関係
- 職場環境
- 給与待遇
- 企業規模
- 将来性
完璧に自分の条件にマッチした仕事というものはそうそうありません。①で自己分析をして考え出したキャリアプランとライフプランを実現するための条件に、優先順位をつけていきましょう。
「高い給与が欲しい、残業はしたくない、転勤はしたくない、人間関係が良い職場が良い、フルリモートが良い」など自分の中で仕事に対する条件が多くなったときに「その条件が必要な理由が言えるかどうか」が大切となってきます。なぜこの条件が大切なのかを言語化したうえで、優先順位をつけてくださいね。
絶対にゆずれない条件やできればゆずりたくない条件、なくても良い条件、いらない条件などを整理しましょう。以下では仕事をおもに構成する7つの要素を解説していきます。自分はどの条件が大切だと感じるのか多角的な視野で考えてみてくださいね。
どの仕事を選ぶにしても「一長一短」があるものです。優先順位を明確にせずに仕事選びをしてしまうとその「一長一短」が他人軸になりがちともいえます。
自分にとっての「優先的条件」を持たないと、他者の見せ方・捉え方に振り回されてしまうことになりますよ。
仕事内容
仕事内容を考えるポイント
- 自分の得意・苦手に合った仕事内容か
- 前に進んでいる感覚や達成感は得られるか
- 自分のモチベーションタイプに合っているか
- 作業の内容にどのようなバリエーションがあるか
- どれだけ世の中の役に立ち貢献ができるか
仕事は週5日1日8時間以上働くことになります。もちろん、一緒に働く人の雰囲気なども大切になってくるとは思いますが、多くの時間は業務をすることになるでしょう。そのため、仕事内容があまりにも自分の希望からかけ離れていると自分に合った仕事だとはいえません。
自分の強みや能力、スキルが仕事に活かせるときや、自分の仕事に誇りを持てるとき、仕事を通じて成長を感じられるときなどに仕事に対する満足度が高まりやすいです。
仕事内容に対する満足度が高いと、成長意欲やモチベーションを高く持って仕事に取り組むことができ、生産性も高くなるため、仕事内容の適性は必ず確認しましょう。
マネジメント・評価
マネジメント・評価を考えるポイント
- なすべきことやビジョンは明確か
- 評価軸はハッキリしているか
- その仕事に裁量権はあるか
自分を適切にマネジメントする制度があると仕事に対する満足度は高まりやすいです。また評価においては、適正感を感じられている場合などは満足度が高まります。
企業のマネジメント制度の例
- 埋もれている「賞賛すべき行動」を可視化して、従業員同士の「賞賛と評価」を見える化している
- 一人ひとりが専門領域を持つことで誰もが頼られるチームを作っている
- チャレンジできる可能性を広げるために、1人が2つの部署に所属できる
- 現場スタッフとバックオフィススタッフの交流が盛んで、日頃の業務で感じることを徹底的に話し合える
マネジメントに関しては、裁量権がある方が自分好みなのか、適切な業務指示が下される方が自分好みなのかを考えることが必要です。自分にとってどんなマネジメントや評価があると最も早い成長が期待できるのか・成果を出せるか整理してみましょう。
また適切に評価されているという満足感や安心感を自分は必要としているのか考えてみましょう。自分はマネジメント・評価によって仕事に対するモチベーションがどれくらい左右されるのかが、優先順位をつけるための判断基準となります。
自分にとってどんなマネジメントや評価が合っているのか考える際には、「個人で動く仕事かチームで動く仕事か」「決まったことをやる仕事かそうでないか」の2つの軸で考えてみてください。
定型的な業務を堅実にやることが重視されるなら独自の工夫は評価されにくく、個人で動くやり方が自由な仕事なら裁量権も重要です。
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人間関係
人間関係を考えるポイント
- 企業理念・行動方針はどのようなものか
- 社風はどのようなものか
- 組織内に助けてくれる人はいそうか
- 風通しが良さそうか
前述したマネジメント・評価のほか、上司・先輩・同僚・部下との関係性が人間関係です。自分にとってコミュニケーションが取りづらい人が少ない、承認・賞賛の文化が根付いている、安心して自分の意見を発信できるなどといった環境では満足度が高まる傾向にあります。
自分は今まで周囲の人のおかげで頑張ってこれたという人は、仕事においても人間関係を重視した方が良いといえます。良好な人間関係が築けそうな環境であれば、仕事中も意見交換などが活発になるため仕事もこなしやすくなるでしょう。
ここで注意したいのが、就活の選考中にかかわった人と一緒に働くとは限らないということです。人事の数名が良かったから、OB・OG訪問をした1人が良かったからなど狭い考えで人間関係が良いと決めつけないようにしましょう。
- 仕事を選ぶにあたって人間関係を重視しています。どのようにすれば人間関係が良い会社だとわかるようになりますか?
直接社員と話す機会を増やし五感で感じ取ろう
インターンに参加したり、OB・OGと会うなどして、直接話す機会を増やしながら五感で感じ取りましょう。
「人間関係」は当事者の相互の関係で成立しているもので、会社ごとに形があるわけではありません。厳密にいえば「人間関係が良い会社」というのはなく、その人の良い人間関係が職場の中で築けている、という状態を言います。
同じ人でも相手が変われば接し方も変わるため、たとえばあるOBにとって「人間関係が良い(悪い)」と思える会社でも、あなたにとっては違うかもしれないのです。
最終的にはあなた次第のため、傍から見て会社がどうかと考えるよりも、自分がそこで人間関係を築けるかどうか、という見方をして判断してください。
職場環境
職場環境を考えるポイント
- きれいな空気や適切な温度管理など作業時の環境が整っているか
- オフィスはどこにあるか
- 食堂などはあるか
- リモートワークは可能か
- 作業スペースの広さ
- PCのスペックやネット環境
- 機器やツールの扱いやすさ
- トイレや洗面所など共有スペース
自分の価値観や生活スタイルに合った働き方をするために、自分にとって快適な環境で仕事ができる状態であると満足度は高まります。
最近ではリモートワークを取り入れている企業も増えており、働く場所や時間も多様化しています。そのため、自分にとって働きやすいのはリモートワークと出社のどちらなのか考えてみましょう。もしリモートワークが良いという場合は、仕事のONとOFFが切り替えやすいような働く環境が提供されていると、満足度が高まりやすいです。
とはいえ、働くにあたって職場環境がそこまで気にならないという人もいるかもしれません。そんな人にとっては職場環境という条件の優先順位を高くする必要はありません。
給与待遇
給与待遇を考えるポイント
- 月収
- ボーナス
- 昇給・昇進
- 家族手当
- 資格手当
- 交通費
- 福利厚生
- 転勤
- 休日
- 残業時間
- 研修制度
成果や労働時間、ポジションに応じた給与が支払われなければ仕事に対する不満感につながりかねません。また同業他社の給与と比較しても妥当であると感じることができるかどうかも重要なポイントになります。
ワークライフバランスを重視したい、とにかく高年収を狙いたい、丁寧な研修でスキルを身に付けたいなど人それぞれ求めるものは異なります。
また学生は見落としがちかもしれませんが、転勤がある企業であれば「自分は〇〇には転勤にならないだろう」と憶測で考えると後悔する原因となるかもしれません。
高年収を仕事探しの軸にしている人もいますよね。以下の記事では給料の高い仕事を紹介しています。
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給料が高い仕事TOP100|特徴から就活のコツまで徹底解説
就職先を選ぶにあたって、給与が高い仕事とは何か気になりますよね。この記事では、キャリアコンサルタントの解説を交えつつ、給料が高い仕事TOP100を紹介します。また給料が高いことのリスクも解説するので、自分に合っているかどうかの参考にしてください。
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企業規模
企業規模を考えるにあたって見ておくべきポイント
- 資本金
- 総資本額
- 従業員数
- 生産量
- 生産金額
- 出荷額または販売量
- 販売高
- 取扱高
なんとなく大企業が良い、中小企業が良いなどと思っていても定義を正しく理解していない人もいるかもしれませんね。実は「大企業」には、社会的な取り決めはありません。
業種 | 資本金 | 従業員数 | 小規模企業者 |
---|---|---|---|
製造業 建設業 運輸業 そのほかの業種 | 3億円以下 | 300人以下 | 20人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 | 5人以下 |
サービス業 | 5000万円以下 | 100人以下 | 5人以下 |
小売業 | 5000万円以下 | 50人以下 | 5人以下 |
※資本金と従業員数に関してはいずれかを満たしている場合
参考:中小企業基本法第2条第1項
大企業は中小企業基準法に定められた定義はないため、一般的には上記の中小企業以外の企業を指しています。中小企業の定義を裏返すと、以下に表すようになります。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
---|---|---|
製造業 建設業 運輸業 そのほかの業種 | 3億円以上 | 300人以上 |
卸売業 | 1億円以上 | 100人以上 |
サービス業 | 5000万円以上 | 100人以上 |
小売業 | 5000万円以上 | 50人以上 |
※資本金と従業員数に関してはどちらも満たしている場合
今は不透明な時代のため、大企業だから必ずしも安定しているというわけではありません。また中小企業であっても経営基盤がしっかりとしていて安定している企業もあります。
単に企業規模が大きい・小さいで考えるのではなく、実際の企業経営の状態はどうなのかといった視点で、決算報告書を読んだり企業説明会で質問するなどをして確認してみましょう。
企業経営の状態を知るにあたって見ておくべきポイント
- 売上高
- 営業利益
- 純利益
- 自己資本比率
- 固定比率
- 負債資本比率
- 従業員1人あたりの総資産
- 売上高利益率
- 資本回転率
- 企業規模が大きい企業と小さい企業で働くそれぞれのメリットってなにがあるのでしょうか?
企業規模が大きいと社会に与える影響が大きく、小さいと一貫して業務にかかわれることが多い
企業規模が大きいと取引額が大きくなり、社会に与える影響が大きいため、知名度も高くなってきます。
一方で企業規模が小さい場合は川上から川下まで一貫して業務にかかわれたり、それぞれの仕事のつながりや一体感を感じられたりします。
比較的裁量権が大きくなってくるので、自分で考えながら働くことが好きな人は、やりがいを感じることにもつながっていきます。
将来性
将来性を考えるポイント
- 業界全体が衰退期に入っていないか(斜陽産業ではないか)
- 数年間での会社の成長度合いはどうか
- 恒久的な人手不足や高離職率状態に陥っていないか
- 企業の時価総額はいくらか
- 中期経営計画で企業の目指す姿はどのようなものか
- 汎用性のあるスキルは身に付くか
入社をしたらある程度の期間勤めたいと考えたり、できるだけ長く勤めたいと考える人はこの将来性という条件の優先順位が高くなります。将来性があるとは、一般的に伸びしろのある業界や職業のことを指します。
業界であれば今後も拡大していく業界で、職業であれば需要が高くスキルが身に付き希少性が高い仕事が挙げられます。
業界の景気が良いかについてや社会的ニーズがあるかを考えてみましょう。上記で解説した業界地図には業界の今後の展望も記載されているため確認してみてくださいね。
中期経営計画や社長のメッセージを読むと今後のビジョンを理解することができます。
経済新聞などを読みながら業界全体と照らし合わせて企業の将来性を考えてみるといいでしょう。
また人材不足の問題に対して、女性、高齢者、障がい者といった多様な人が活躍している会社は将来性を図るポイントになりますよ。
- どの条件も自分の中で大切で、優先順位がなかなかつけられません。どうしたら良いですか?
ゆずれない条件を理由とともに具体的に書き出してみよう
上記7つの要素の解説を読んで、「どれも大切で優先順位がつけられない」という学生もいるでしょう。
その場合はそれぞれの要素について細分化し、ゆずれない条件を理由とともに具体的に書き出しましょう。一つの要素の中でも大切にしたい条件を並べてみることで、具体的に優先すべきことが見えてきますよ。
たとえば職場環境。以下のように、具体的に考えてみましょう。
・花粉症で仕事に集中できなくなるから花粉を避けられる環境が必要
・一人暮らしのため、栄養バランスが取れる食事が確保できる環境
・車の運転はしないため、交通の便が良い場所
書き出してみると、自分で対処できること、条件に入れなくても良さそうなもの、なども出てくるでしょう。
その条件が組織に求めるものとして妥当かどうかを客観的に考えて、優先条件を絞っていきましょう。
④気になった業界・企業への理解を深めて相違がないか確かめる
業界・企業への理解の深め方
- 企業HPを見る
- OB・OG訪問をする
- インターンシップに参加する
自己分析をしてさまざまな業界や企業を押さえて自分の中での条件に優先順位をつけられたら、ある程度自分に合っていると感じる仕事が絞れてきたかと思います。
しかし、これではまだ本当に自分に合った仕事だとはいえません。あくまでも自分で調べた結果から「自分に合っていそうだと感じる仕事」であり、実態とは異なるかもしれません。
自分に合っていると感じる仕事への理解を深めて、自分の認識と相違がないか確かめていきましょう。
「気になる業界が多すぎる……」と業界が絞れずに悩んでいる人は、こちらの記事で失敗しない絞り方を押さえましょう。
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業界の絞り方で就活失敗? 後悔しない絞り方7選と必須の準備を解説
就活で業界の絞り方を失敗しないためには事前準備が必須です。まずは就活で業界を絞るメリットデメリットを理解しましょう。この記事では業界の絞り方や注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。
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企業HPを見る
企業HPで見るべき項目
- 選考の時期
- 就活時の競争倍率
- 仕事内容
- 配属部署
- 給与
- 労働時間
- 転勤頻度
- 福利厚生
- 離職率
就活において気になる企業のHPをチェックするのは、企業研究の基本中の基本ともいえます。自分がイメージしている仕事と実際の仕事に相違がないのかは、まずは企業HPで確認してみてくださいね。
たとえば、社員紹介などのページで、具体的にどんな職種であればどんな仕事をするのかを確認できます。また、採用情報を見れば給与や転勤頻度、福利厚生なども最新の情報を知ることができますね。
OB・OG訪問をする
OB・OGを探す方法
- 大学のキャリアセンターで探す
- 社会人の先輩や知人に頼む
- 企業のホームページから応募する
- OB・OG訪問向けアプリを使用する
OB・OG訪問をするメリットは、人事担当者には聞けないような実際に働くうえでの情報を聞くことができることです。特に具体的な業務内容や残業時間など、人事に聞きづらい質問ができるでしょう。
また働く社員の雰囲気をマンツーマンで実感することができますね。たとえば企業について自分で調べた際には論理的で静かめな社風という印象を受けたものの、実際にOB・OGに会ったところガッツがあると感じるかもしれません。
もちろん数人のOB・OGでその企業のことを決めつけてはいけませんが、Webだけで調べたりするよりも企業の内部のことが理解しやすくなりますよ。
OB・OG訪問では相手への配慮が必要です。自分が受ける側だと想像すると、所属する学校、学部、部活、バイト、サークルなどについて「話せること」と「話しづらいこと」があるのではないでしょうか。
相手の立場を想像して「話せること」から本音を引き出すように心掛けましょう。
OB・OG訪問の準備方法がわからないという人は、以下の記事を参考にしてくださいね。OB・OG訪問の活用法もまとめています。
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OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
OB・OG訪問は社員のリアルな声を聞ける貴重な機会です。万全の準備をして最大限に活用しましょう。この記事ではOB・OG訪問の準備方法やマナーなどについてキャリアコンサルタントが解説します。OB・OG訪問を実施し、就活を成功させましょう。
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インターンシップに参加する
インターンに参加する時期
- 通年の長期インターン
- 夏に開催されるサマーインターン
- 秋に開催されるオータムインターン
- 冬に開催されるウィンターインターン
インターンには半年〜1年ほどの長期インターンと数日〜数週間の短期インターンがあります。自分に合った仕事を探すという意味では、1社で長くインターンに参加するよりも、複数社の短期インターンに参加することがおすすめです。
インターンに参加することで、企業説明会などで話を聞く以上にその業界や企業について理解することができます。その業界が一体どういったものなのか、その企業はどんな雰囲気で仕事をしているか、人間関係はどうかといったことをリアルに体験することができるでしょう。
また同時に自分を見つめ直す機会にもなります。たとえば自分が志望していた業界だけどあまり良くなかった、興味がない企業だったけど自分に合っていると感じたなどさまざまなギャップを感じるかもしれませんよ。こういった気付きを得ることでミスマッチを防ぎ、自分に合った仕事を見つけることができます。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る実際の商品やサービスを利用してみるのもおすすめ
気になった業界・企業への理解を深めて相違がないか確かめるためには、小売業などのように、お客としてその企業のサービスを使うことができるようならば、利用してみると働いている人や職場の雰囲気がわかります。
また、現場に入れなくともオフィスの様子などを外から見るだけでもいろいろわかることがあるかもしれません。OB・OG訪問もそうですが、人は手間や時間をかけて体験したこと、感情を動かしたことに関心を持ち、よく覚える傾向があります。
理解が浅い段階で自分に合うか合わないかを決めつけるのは危険
実際に行動して足を運ぶ、人と会うというのが理解を深めるコツです。理解が浅い段階で合うか合わないかを決めつけてしまうのは本当に就活の妨げになるので、くれぐれも気を付けてくださいね。
自分に合うかどうかを見るうえでは「納得」よりも「共感」の方が大事です。客観的な基準や条件で「良い会社」と理屈ではわかっていても、好きになれない会社とはなかなか「合う」と感じらません。そのため、創業からこれまでの社史や沿革を調べて共感できるポイントを探してみるのもおすすめです。理解が進めば進むほど会社の印象は変わっていくはずですよ。
時間がない人向け! 自分に合った仕事の簡単な見つけ方2選
自分に合った仕事の簡単な見つけ方
- 適職診断ツールを使う
- 大学のキャリアセンターやキャリアアドバイザーに相談する
上記で解説した自分に合った仕事を見つけるための4ステップをやる時間がないという人もいるかもしれませんね。今から時間がない人向けに、自分に合った仕事を見つける方法2選を解説します。
もちろん、この方法だけで完璧に自分に合った仕事を見つけることは難しいため、あくまでも自分に合った仕事の方向性をつかむという意識を持ってくださいね。
①適職診断ツールを使う
おすすめの適職診断ツール
適職診断ツールにはさまざま種類があります。上記で挙げた適職診断ツールでは少ないもので22問、多いもので162問の設問があり、自分の状況に合わせて診断をすることができます。
また適職診断ツールと併せて、自己分析ツールを用いて自分の価値観や強みなどを見える化することもおすすめです。
おすすめの自己分析ツール
- My analytics
36問の質問に答えるだけで強みと適職を簡単に診断できる - 16Personalities
60問の質問から自分の性格を8種類の性格タイプに分類することができる - エムグラム
108問の質問に答えることで自分を構成する8性格や4つの特異性が診断できる - ビッグ・ファイブ尺度
120問の質問から自分に対する「嘘」を見抜き、本当の性格を診断できる - VIA
120問の質問から自分を特徴づける強みを診断できる - エニアグラム
120問の質問から自分の性格構造のメカニズムが見えるようになる
自分に合った仕事の特徴と自分自身の特徴の両方を導き出すことで、簡単なもののより正確に自分に合った仕事を探すことができますよ。
- 正直適職診断ツールだけでは、自分に合った仕事を探すのが難しく感じます。診断ツールの結果を活かして、自分に合った仕事を探すにはどうしたら良いのでしょうか?
診断結果は考えるきっかけとして活用しよう
診断ツールの質問は簡素化されているため、ピンポイントで仕事を示してくれるものではありません。あくまでも、診断結果は考えるための足がかりとして活用しましょう。
なぜそういう結果が出たのかを繰り返して自問自答していく中で、自分にとって重要な体験や、経験を通じて養われた価値観、信念などに気づくことがあると思います。
普段意識していない重要なものに気づくことができれば、それに沿った仕事や会社を改めて見直してみるようにしてください。
顕在意識はいろいろな情報に影響されているため、出てきた結果には違和感があるかもしれません。しかし、まずは結果を受け止めて活用してみましょう。
②大学のキャリアセンターやキャリアアドバイザーに相談する
多くの学生にとって就活は初めての経験であり、わからないことだらけです。そのため自分だけでは気付けないこともあるのが当然ともいえます。
自分のことを正しく理解できたとしても、就活の進め方や業界・企業の情報はうまく集められないこともあるかもしれません。そんなときこそ、大学のキャリアセンターや就活のプロであるキャリアアドバイザーに相談してみましょう。
あなたに合った仕事を探すヒントがもらえるなど、効率的に探す方法を教えてもらえますよ。
何もわからず困っている人はもちろんですが、何事も一人で片づけてしまうような人、あまり他人に相談する習慣がない人も、一度は就活のプロを頼ることがおすすめです。
早いうちに違う視点が持てるとその後の進み方がまったく違います。
自分に合った仕事の探し方の具体例を紹介!
自分に合った仕事の探し方の具体例
- 体育会として部活に励んだAさんの場合
- 海外経験が豊富なBさんの場合
- アルバイトに打ち込んだCさんの場合
自分に合った仕事を実際に探そうとした際に、考え始めるのが難しいと感じることもあるかともいます。
そんな人のために、異なる経験を持つ3人の場合を例にして、具体的にどのように自分に合った仕事を探していくのか解説します。自分の経験と照らし合わせながら参考にしてください。
体育会として部活に励んだAさんの場合
体育会として部活に励んだAさんの場合
小学生のころからサッカーを続け、大学でも体育会サッカー部に所属
好きなこと
勝ち抜いて結果を出すこと
得意なこと
苦しいときも努力を続けること
苦手なこと
ルーチンワーク
やりたくないこと
成長しないこと
自分の中で条件
①成長性
②収入
③結果が目に見えること
Aさんは小学生のころから長年サッカーを続けてきていますね。忍耐力があり、結果を出すためには苦しいときやつらいときこそ努力を重ねることができる性格です。一方で、細かな作業やルーチンワークなど停滞感を感じるようなことを苦手としています。
特別にやりたいと感じる希望の仕事はなく、①成長性②収入③結果が目に見えることの3つの条件を大切にしています。そのため、この条件に合いそうな業界を調べたところ「不動産」「IT」「金融」の営業職を導き出しました。
実際にOB・OG訪問などを重ねる中で、今後希少価値が高くなりそうなIT業界のSaasの営業が自分に合っていると判断します。IT業界のSaas営業であれば、市場価値の高い人材になるため常に成長を続けることができるからです。
Saasとは?
Software as a Serviceの略語であり、インターネット環境があればデバイスや時間を問わずに使用できるクラウドサービス(ツール)のことを指す
世界的に見て人口増加が続いているため、食糧危機の問題が深刻になってきています。そんな中で昆虫食産業が大変注目されてきています。
環境負荷が少なくタンパク質を摂取できることもあり、2030年には世界市場が8000億になると言われています。
この虫食産業であれば、「①成長性②収入③結果が目に見えること」に当てはまるといえますね。
部活動で何を身に付けてきたのか考えることが難しい人は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
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例文10選|部活動で学んだことの回答で面接をリードするコツ
部活動で学んだことへの回答は、入社後の成長イメージを伝えることが重要です。部活動で学んだことを伝える構成や伝える際のコツを、例文を交えてキャリアコンサルタントと解説します。入社後を見据えた内容を伝えるカギにしてください。
記事を読む
海外経験が豊富なBさんの場合
海外経験が豊富なBさんの場合
中学生のころアメリカに短期ホームステイをしたことで海外への興味を強く持ち、高校時代はアメリカで過ごし、大学では日本の言語系の学部に進学し留学生とのコミュニケーションも積極的に取ってきた
好きなこと
新しい価値観に触れること
得意なこと
初対面の人とでも仲良くなれること
苦手なこと
細かい作業や細かなルールを守ること
やりたくないこと
形式ばった堅苦しいこと
自分の中で条件
①海外とかかわる
②人とかかわる
③新しいことに挑戦できる
Bさんは国際感覚が豊かで、人とかかわり新しい価値観に触れることを好む性格です。海外経験もあることから、語学力も堪能であり初対面の人とも積極的にコミュニケーションが取れることが強みです。一方で少し大雑把な面もあり、細かな作業などは苦手としています。
仕事としてやりたい業務内容は具体的に決まっていませんが、海外とかかわりたいという明確な思いがあります。そのほかにも人とかかわり、新しいことに挑戦できるなどの条件も挙げられます。このことから「商社」「物流」「プラント・エンジニアリング」の総合職を導き出しました。
実際にインターンに参加したところ、最初は商社が1番気になっていたのですが、自分の求める海外とかかわり新しいことに触れるといった意味合いではプラント・エンジニアリングの総合職が自分に合っている仕事だと判断しました。
「①海外とかかわる②人とかかわる」は、国籍問わず人材を採用している企業であれば、まさにグローバルな職場環境で働ける可能性が高いでしょう。
「③新しいことへの挑戦」は、リスクを取る体力がある大手企業や資金調達ができているベンチャー企業などが実現しやすいといえます。
アルバイトに打ち込んだCさんの場合
アルバイトに打ち込んだCさんの場合
小学生のころから高校生までは特にこれといった趣味もなく友人と遊んで過ごしてきたが、大学で始めたカフェでのアルバイトにハマり、バイトリーダーまで昇り詰める
好きなこと
周囲と協力をすること
得意なこと
気配り
苦手なこと
人に強くなにかを言うこと
やりたくないこと
人のためにならないこと
自分の中で条件
①人と協力できる環境
②明確なノルマなどがないこと
③世の中のためになること
Cさんは人と協力をすることや顧客に喜んでもらうことにやりがいを感じて、大学でアルバイトに力を入れました。周囲と円滑なコミュニケーションを取ることができ、周囲を引っ張っていくというよりも周囲とともに成長をするリーダーという性格です。温和な性格から、人に対して強く注意したりすることは苦手としています。
仕事というよりも働く環境を第一に重視していて、あまり過激な競争やノルマがあることは避けたいと考えています。また世のため人のためになるような仕事がしたいことから、「通信」「メーカー」「公社・団体」が自分に合っていると考えました。
実際に企業説明会やインターンに参加したところ、メーカーの中でもBtoBメーカーであれば営業ノルマもそこまでなく、社会貢献性も高いと気付きました。その結果、自分に合っている仕事は化学メーカーの営業だと判断しています。
BtoBとは?
BtoBとは「Business to Business」の略で、製造業者(メーカー)と卸売り、もしくは卸売りと小売の間での取引をおこない、モノやサービスを提供するビジネスモデル。「B2B」と表記されることもある。
どの会社も存続するだけで雇用や納税を通じて社会貢献しています。また、人と協力できるというのもあらゆる業界に共通しています。
しかし、より強く「①人と協力できる環境②明確なノルマなどがないこと③世の中のためになること」の3つを意識できる業界をあえて挙げるとしたら、医療福祉業や環境関連の製造業、保安業や公的サービス業などがありますね。
BtoB企業に興味を持った人はこちらの記事を参考にしてください。具体的な企業や探し方などを解説しています。
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BtoB企業とは? BtoCとの違いから企業の探し方まで徹底解説
BtoBとは顧客が法人のビジネスモデルです。BtoCとの相違点やBtoBの魅力を知りましょう。この記事ではBtoB企業の探し方や向いている人の特徴などをキャリアコンサルタントが解説します。
記事を読む
自分に合った仕事を見つけて入社後にいきいきと働こう!
ここまで解説してきたとおり、自分に合った仕事を見つけるためには自分と仕事のそれぞれの特性を正しく理解する必要があります。そして、多角的かつ長期的な視点を持って、自分に合うといえる仕事なのかを判断することが大切です。
就活は内定がゴールではなく、入社後にいきいきと自分らしく働くことです。自分に合った仕事を探せないと、就職後に悪いギャップが生まれ早期離職の原因ともなりえます。
今回解説した自分に合った仕事を見つけるための4ステップを参考に、自分らしい人生を歩めるような仕事を見つけてくださいね。
アドバイザーコメント
富岡 順子
プロフィールを見る自己理解と仕事理解を繰り返すことで自分に合った仕事が見つかる
世の中にはあまりにもたくさんの企業や仕事があるため、一体何が自分にあっているかわからなくなるのは当然です。
記事で解説してきたとおり、自己理解と仕事理解を繰り返していくことでたくさんある選択肢の中から自分軸で絞り込んでいくことができるようになります。まずは焦らず一歩一歩進めてみてくださいね。
前向きにチャレンジし続けることで偶然が人生のチャンスに変わる
一つ私の好きなキャリア理論を紹介します。アメリカの心理学者クランボルツ教授が発表した「計画的偶発性理論」というものです。これは人生の8割は偶然でできていて、偶然起こることを自らのチャンスに変えていくことが大切であり、これが計画的な偶発性であるといっています。
さらに、以下の特性を持っている人はこの計画的な偶発性が起こりやすいとされています。
・好奇心
・持続性
・柔軟性
・楽観性
・冒険心
自分に合った仕事を探していくことももちろん大切ですが、好奇心を持って努力し続け、しなやかに前向きにチャレンジしていくことでさまざまな偶然の出会いが人生のチャンスに変わります。合う仕事を探しながらもいろいろな仕事に自分が合っていく、自分自身が変化していく楽しさなんかも味わってもらえたらうれしいです。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Junko Tomioka〇南箕輪村のキャリア教育推進コーディネーターに就任後、独立。現在は地方中高生やベトナム人留学生の就活支援、企業内キャリアコンサル、地方就職のサポートをおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/atWill代表
Masayo Miyoshi〇幅広い領域においてキャリアコンサルティングの経験を積み、行政や企業向けのキャリア研修PG開発、講師業などにも携わる。対個人・対組織の支援を両輪でおこなっている
プロフィール詳細