この記事のまとめ
- 学校推薦は内定が出やすく、選考の一部が免除されるなどのメリットがある
- 選考の途中離脱や内定辞退、早期退職が難しいため、慎重に検討することが必要
- 学校推薦を利用しても落ちる可能性がある! しっかり対策しよう
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主に理系の就職方法として利用される「学校推薦」。学生が企業に就職する方法には「自由応募」と「学校推薦」の2種類がありますが、学校推薦は内定が出やすかったり、選考の一部が免除されたりするなどのメリットがあります。
しかし、「自分は学校推薦を利用できるのか」や「そもそも学校推薦がどんなものかわからない」という人もいるでしょう。
この記事ではキャリアアドバイザーの上原さん、谷所さん、渡部さんと一緒に学校推薦で就職する方法を解説します。最後まで読むと、自分は学校推薦を利用できるか、または利用するべきかどうかがわかるようになりますよ。
油断は禁物! 学校推薦で就職するなら慎重な判断と対策が必須
冒頭にもある通り、学校推薦を利用した就職活動は、内定が出やすかったり、選考の一部が免除されたりするなど、有利に進められるようになります。
しかし、学校推薦をもらえれば必ずしも就職できるわけではないため、油断は禁物。また、学校推薦を利用して内定をもらった場合、内定辞退や入社後の早期退職は難しいため、学校推薦を利用するべきかどうかを慎重に判断しなければいけないのです。
この記事では学校推薦の概要を説明した後に、企業視点での学校推薦を実施する理由、メリットやデメリット、おすすめな人・おすすめでない人の特徴などを解説します。記事後半では、学校推薦を利用して就職活動をおこなう人に向けて、落ちる原因や対策方法、注意点なども解説するので、最後まで読んで学校推薦を有効活用しましょう。
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まずは基本を確認しよう! 学校推薦とは?
学校推薦で就職するメリット・デメリットなどを解説する前に、学校推薦の基本情報を見ていきましょう。
まずは基本を把握しなければ、本当に利用するべきかどうかを適切に判断できなくなるので、よく確認してください。
学校推薦の定義
学校推薦とは、大学に寄せられた求人に大学または教授の推薦状を添えて応募する制度のことです。
応募するには推薦状が必要であるため、誰でも利用できるわけではありません。そして、大学内で学校推薦を誰が利用するかという選考がおこなわれるため、狭き門となっています。
特に専門職や研究職は採用枠が少ないため、学校推薦の利用を希望する場合は、その旨を早めに申し出る必要があります。なお、学校推薦を利用できる対象者の多くは修士からです。
学校推薦を利用する場合には、大学の学部学科でスケジュールの要領が示されるので、それに従って準備するようにしましょう。その後利用したいと思ったら、早めに就職担当教員にお願いしましょう。
自由応募との違い
「自由応募」とは、学生自身が企業の採用ページまたは就職サイトからエントリーする方法で、適性検査・書類選考・面接などの選考を受けて内定を目指します。
学校推薦と自由応募の違いをまとめると以下のようになります。
自由応募 | 学校推薦 | |
---|---|---|
応募方法 | 学生自身が企業の採用ページまたは 就職サイトからエントリー | 大学に寄せられた求人に大学または 教授の推薦状を添えて応募 |
選考内容 | 適性検査や書類選考、面接など、企業に設けられた選考を全て受ける | 選考の一部が免除される場合がある |
内定の出やすさ | 選考の内容で決まる | 大学または教授のお墨付きをもらっているため、内定が出やすい |
このように、自由応募と学校推薦では応募方法や選考内容、内定の出やすさなどが異なります。また、後ほど詳しく解説しますが、内定辞退や早期退職のしやすさにも違いがあります。
学校推薦のスケジュール
学校推薦を利用して就職活動する場合のスケジュールは、以下のようになります。
時期 | 就職活動の内容 |
---|---|
3年12月〜3月(修士は1年) | 学内での説明会、学内応募受付、学内選考 |
4年4月〜6月(修士は2年) | 企業での選考 |
4年6月頃(修士は2年) | 内定 |
近年は企業の選考時期が早まっている傾向があるため、上記のスケジュールよりも早く終了する可能性があります。自由応募も同様です。そのため、自由応募と並行する人は、早めの対策を心がけるようにしましょう。
学校推薦の合格率
学校推薦は大学や教授からお墨付きをもらっている学生が応募するため、合格率は高くなります。しかし、100%内定をもらえるわけではありません。就職活動時のマナーや態度、選考の内容によっては落ちる可能性もあります。
そして、企業によって学校推薦の捉え方が異なり、その捉え方によって合格率が変わります。
学校推薦の捉え方 | 合格率 |
---|---|
学校推薦を重要視している企業 | 内定をもらえる可能性が高い |
学校推薦で一部の選考が免除される企業 | 自由応募に比べて高いが、落ちる可能性も十分ある |
学校推薦が応募資格である企業 | 自由応募と同程度の合格率 |
とはいえ、全ての選考において油断は禁物です。学校推薦を利用する場合でも入念な対策が必要になります。学校推薦を利用する場合の対策方法は、記事の後半で解説します。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る学校推薦の合格率は企業のスタンスによって異なる
学校推薦を重視している企業であれば、9割近い合格率の企業もありますが、一部の試験を免除するなどそれほど重視していない企業であれば、合格率が下がります。学校推薦が応募資格の企業であれば、自由応募と変わらない合格率になります。
理系で教授の研究室から毎年推薦がおこなわれており、教授と企業の関係が強い場合は、合格率は高くなります。学校推薦全体で捉えれば、正確な数字はわからないものの6〜7割程度の合格率だと考えられます。
企業が毎年安定して優秀な学生を確保したいと考えている企業は、学校推薦を重視しており、学内・学科推薦をもらえば自由応募と比較して合格率は高くなります。一方、学校推薦を重視せず自由応募でも積極的に採用をおこなっている企業は、合格率は下がります。
まずはキャリアセンターやリクルーターに過去の合格率を聞いてみよう
学校推薦のこれまでの合格率について、キャリアセンターや企業のリクルーターに確認してみるのもいいでしょう。ただし、これまでの学校推薦の合格率が高いとしても、企業の採用方針が変わると100%合格するとは限らないので、気を緩めずしっかり企業研究や面接対策などをおこなう必要があります。
自分に合ったやり方を知ろう! 学校推薦の種類
ここまで、概要や自由応募との違いなど、学校推薦で就職することの基本的な情報を解説しました。もう一点、学校推薦の基本情報について知っておくべきことがあります。それは、学校推薦にはいくつか種類があることです。
ここからは、学校推薦の種類について解説します。それぞれ特徴が異なり、選考内容も変わるため、学校推薦の利用を検討している人は違いをしっかり把握するようにしましょう。
学内・学科推薦
学内・学科推薦は、企業から大学に寄せられた求人に対して、推薦状を添えて応募する方法です。学内・学科推薦にも、以下のようにいくつかパターンがあります。
学内・学科推薦のパターン
- 全学科を対象としている
- 学科や専攻が指定されている
上記のように2パターンがありますが、企業から学科や専攻が指定されているパターンがほとんどです。なぜなら、企業は学校推薦を活用して、すでに専門的な知識やスキルを身に付けている優秀な学生を採用したいからです。
そして、学内・学科推薦は、大学内で選考があることも特徴の一つ。希望すれば誰でも利用できるわけではないことには注意しましょう。
大学内選考の過程はほとんどオープンになっていません。特に教授推薦の場合は、企業側のオーダーに沿った学生と推薦が欲しい学生がマッチすれば直接声がかかります。普段の成績や言動、学習状況で信頼を得ていることが大事です。
教授推薦
教授推薦とは、企業とコネクションを持っている教授が、自身が優秀と判断した学生を企業に推薦する制度です。
教授推薦を利用するには、以下が前提となります。
教授推薦を利用するための前提
- 大学内に企業と強い関係性を持つ教授がいること
- 企業とコネクションを持つ教授と関係を築いていること
なお、教授が推薦できる企業は限られていたり、一つの企業に推薦できる学生の数が少なかったりするため、学内・学科推薦よりも狭き門となっています。
教授推薦の利用を検討している人は、大学3年生(修士1年)の冬前には教授に相談するようにしましょう。早めに相談することで、教授推薦を利用できる可能性を高められますよ。
- ゼミに所属しておらず、関係性の強い教授がいません。それでも教授推薦は利用できるでしょうか?
学部学科の就職担当の教員に相談してみよう
学校推薦を利用する大半の学生は理系なので、研究室に所属していると思います。学部学科の定めに従ってください。
ゼミに所属していない場合には、大学の学部学科に就職担当の教員が決められているので、就職担当の教員に相談してみましょう。
学校推薦の仕組みがよくわからない場合には、キャリアセンターで相談してみてください。独自に推薦してもらえると思います。
後付け推薦
後付け推薦は、自由応募で選考に参加した学生に、選考途中に推薦状の提出を求めることを指します。
学内・学科推薦や教授推薦は、そもそもエントリー窓口が異なるのに対して、後付け推薦は、一般選考と同様の企業の採用HPまたは就活サイトとなります。そのため、他の学校推薦で就職選考を受けるよりも、受けられる企業は幅広くなります。
また、企業側は、後付け推薦で学生に推薦状を提出させることで、選考の途中離脱や内定辞退を防ぐといった目的もあります。選考途中で推薦状の提出を求められた場合は、内定辞退が難しくなるなども考慮して、選考を続けるか検討しましょう。
後付け推薦かどうかは、過去に実績があれば大学のキャリアセンターで確認できます。また、リクルーターから確認する方法やインターネットで調べることもできます。
ただし、これまでと採用方針が変わることもあるので、これらは参考としてとらえたほうが良いでしょう。
企業が学校推薦で募集する理由は?
企業が学校推薦で学生を募集する理由は、大学または教授お墨付きの優秀な学生を採用するためです。
企業側は、育成のコストを削減するため、入社後に即戦力となる優秀な学生を採用したいと考えるのが当然です。しかし、自由応募の選考だけで即戦力となるかどうかを判断するのは難しいのが現実。そこで、信頼のある大学または教授が推薦する優秀な学生を確実に採用しようという目的があるのです。
また、学校推薦で優秀な学生を確実に採用して、他企業に入社するのを防ぐといった目的もあります。
学校推薦を取得している学生については、早期に確保するために通常よりも早いタイミングで選考を実施します。また、学校推薦の学生は内定を辞退することのハードルが高いので、企業側にとっては確実に内定者を確保できるメリットも大きいです。
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内定に有利かも! 学校推薦のメリット
学校推薦のメリット
- 自由応募よりも内定が出やすい
- 選考の一部が免除される
- 短期間で就職活動を終了できる
学校推薦を利用することには、就職活動を有利に進められるなど、さまざまなメリットがあります。
ここからは、学校推薦のメリットを解説します。学校推薦の利用を迷っている人は、判断材料として参考にしてください。
自由応募よりも内定が出やすい
学校推薦を利用すると、自由応募よりも内定が出やすくなります。なぜなら、学校推薦を利用できる学生は、企業が信頼関係を築いている大学または教授のお墨付きであり、優秀であるという前提情報があるためです。
また、企業が研究職や専門職を学校推薦で募集する場合、応募できるのは大学や教授がすでに専門的な知識やスキルを有していると判断した学生であるため、入社後の育成コストを削減できます。このように、学校推薦から応募した学生は、入社後に即戦力として活躍してもらい、育成コストも削減できるため、内定が出やすいのです。
内定に関する詳しい内容を知りたいという人は、こちらの記事を参考にしてみてください。
内定とは? 内々定との違いから承諾・辞退の連絡まで徹底解説
選考の一部が免除される
学校推薦を利用すると、自由応募の場合は受けなければいけない選考の一部が免除されることがあります。
免除される可能性がある選考はこちらです。
免除されることがある選考
- エントリーシート(ES)
- 一次選考
自由応募の場合、ESや一次選考で落ちる可能性は十分考えられます。その中で、これらの選考が免除された場合、自由応募よりも内定率が上がるでしょう。また、対策にかかる時間も削減できるため、大学・大学院での研究や他企業の選考対策に時間を費やせるようになります。
推薦で免除される選考は初期段階のものです。直接採否に影響する重要な選考の難易度が下がるわけではないので注意しましょう。
面接などでは逆に「推薦状があるのにこの程度か」とハードルが上がってしまう場合も無いとは言えません。
短期間で就職活動を終了できる
上記の「選考の一部が免除される」ことから、自由応募よりも短期間で就職活動を終了できる可能性があります。
一例ですが、自由応募と学校推薦、それぞれの就職活動の期間を比較すると以下のようになります。
選考内容 | 自由応募 | 学校推薦 |
---|---|---|
学内選考 | – | ◯ |
エントリー | ◯ | ◯ |
書類選考 | ◯ | – |
一次選考 | ◯ | – |
二次選考 | ◯ | ◯ |
学校推薦は学内選考があるものの、学内選考通過後は就職活動を短期間で終わらせることができます。そのため、短期間で内定をもらって、残りの学生生活を自分の好きなことに費やせるようになります。
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る学校推薦は一般より内定獲得が早い傾向にある
学校推薦を利用するということは、企業から内定をもらえた場合には「辞退しません」という強い意思表示を企業側に示すことになります。
企業側としては、学校推薦取得者は確実に入社してくれるものと考えるので、内定を出しやすくなります。また、選考プロセスが短縮されることが多いので、選考結果を早期に得ることできます。
そのため、万が一不合格になった場合でも他の企業に切り替えて就活を進めることができるので、効率よく就活を進めることができます。結果として早期に就活を終えられる可能性が高くなります。
精神的な負担が少ないのも大きなメリット
学校推薦は、就活を一般より早期に始めることができ、開始してから終了するまでの選考期間が短いことから、精神的な負担が大幅に軽減されることが大きなメリットといえます。
早めに就活を終了することができるので、卒業までの残りの期間で大学生活を満喫することができます。研究や勉強に打ち込んでも、バイトをしても良いでしょう。旅行に行ったり大学時代にしかできないことに打ち込んでみると良い経験になります。
実は苦労することもある? 学校推薦のデメリット
ここまで、学校推薦のメリットを紹介してきましたが、デメリットもあります。
ここからは、学校推薦を利用することのデメリットを解説します。実は苦労することもあるため、応募する前にしっかり把握しておきましょう。
内定辞退が難しくなる
学校推薦を利用すると、内定辞退が難しくなります。
学校推薦を利用することは、大学や教授の力を借りることを意味します。そして、企業側も学校推薦という特別枠を設け、選考の一部を免除したうえで採用しているのです。
学校推薦をもらいながら内定辞退をすると、次年度以降の企業からの推薦枠がなくなる可能性があり、学校や後輩に多大な迷惑をかけます。学校推薦は、企業と学校の信頼関係で築かれていることを理解したうえで、受けるべきか考えてください。
とはいえ、特別な理由があれば内定辞退することが可能です。一方で、特に理由なく内定辞退した場合は、企業からの大学の評価が下がり、次年度以降、学校推薦が利用不可になる可能性があることを理解しておきましょう。
学校推薦でも内定辞退ができる特別な理由として、結婚が決まり相手方の転勤の可能性が高くなった、事故や病気で働けなくなったなどが挙げられます。
ただし、虚偽の申告は結局ばれてしまい、あとあと学校や後輩に多大な迷惑をかけることになるので、絶対に避けてください。
内定を辞退する方法は、以下の記事で解説しています。内定を円満に辞退したい人はぜひ参考にしてみてください。
内定承諾後の辞退で大惨事? 断り例文付きで不安別の対処法を解説
早期退職が難しくなる
学校推薦を利用すると、内定辞退と同様に早期離職も難しくなります。なぜなら、就職後も大学の看板を背負っているからです。
厚生労働省の調査によると、令和2年度における新規大卒就職者の3年以内の離職率は31.2%と公表されています。このように、約3割の新入社員が「思っていたのと違う」や「他の仕事がやりたい」などの理由で、3年以内に離職しています。
このような事実がある中で、学校推薦を利用した人は早期離職がしにくい環境にあるのです。
学校推薦を利用できる人の特徴
「そもそもどんな人が学校推薦を利用できるの?」「自分は学校推薦を利用して就職できる?」と気になる人もいるのではないでしょうか。
ここからは、学校推薦を利用した就職活動ができる人の特徴を解説します。学校推薦を検討している人は、自分が当てはまるかどうかをチェックしましょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
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大学での成績・態度が良い学生
学校推薦を利用できるのは、日頃から大学の成績や態度が良い学生です。なぜなら、まずは学内での選考を通過する必要があるからです。
学校推薦での就職活動のフローは以下の通り。
選考内容 | 自由応募 | 学校推薦 |
---|---|---|
学内選考 | – | ◯ |
エントリー | ◯ | ◯ |
書類選考 | ◯ | – |
一次選考 | ◯ | – |
二次選考 | ◯ | ◯ |
自由応募は大学での成績は見られる可能性がありますが、その詳細や生活態度までは目が届きません。
一方で、学校推薦を利用する場合は、エントリーする前に学内選考があり、大学での成績や態度が見られます。大学や教授としては、態度が悪く、企業に迷惑をかける可能性がある学生は送りたくないと考えるでしょう。
このように、学校推薦を希望している人は、これまでの大学での成績や生活態度も見られていることを把握したうえで検討しましょう。
就活の際、企業が志望者のどんな成績を見るのか知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
「就活で成績は関係ない」は古い! どんな成績でも好印象を残す秘訣
自分が誰かを他人に紹介する立場で考えてみましょう。まず紹介者が相手に迷惑をかけてしまうのが最も困るので、学内選考では最低限教授や大学の信頼を損ねない人選をします。一定のスキルがあるうえで、意欲や誠実さなど人間性重視の人選になります。
専門性を身に付けている学生
すでに働くうえで必要な専門的な知識やスキルを身に付けている人は、学校推薦を利用しやすくなります。
そもそも、なぜ企業が大学に「学校推薦」という特別枠を設けるかを考えてみましょう。その理由は、自社で即戦力として活躍できる優秀な学生を採用するためです。そして、即戦力として活躍するためには、専門性が必要なのです。
たとえば、農業について専門性を持っている学生を採用したい企業があった場合、就活サイトを活用した自由応募で幅広く募集するよりも、農学部のある大学またはその教授に直接求人を出した方が確実に求めている学生を採用できるでしょう。
すでに専門性を身に付けており、それを仕事にしたいと考えている学生は学校推薦を利用するのがおすすめです。
- 入社後すぐに役立つほどの専門性を持っている自信がありません……。それでも学校推薦は利用できるでしょうか?
まずはキャリアセンターや教授に相談してみよう
就職したい企業の学校の推薦枠があり、企業が入社時に求めている専門性を満たしていないと考えているならば、キャリアセンターや教授に相談をしてみましょう。
どうしても就きたい仕事であれば、入社までに不足している知識やスキルといった専門性を高める方法もあります。企業が入社時に求めている専門性について確認したうえで、検討してみるといいでしょう。
学校推薦を活用するのがおすすめな人・おすすめでない人
学校推薦で就職活動をすることにはメリット・デメリットがあったり、利用できる人に共通する特徴があったりすると解説しました。これらを踏まえて、学校推薦を活用するのがおすすめな人とおすすめではない人がいます。
ここからは、学校推薦を活用するのがおすすめな人・おすすめでない人の特徴を解説します。誰もが学校推薦を利用するのがおすすめというわけではありません。最後まで読んで、自分が利用するべきかどうかを判断しましょう。
おすすめな人①就職したい企業が明確に決まっている人
就職したい企業が明確に決まっている人は学校推薦を利用するのがおすすめです。学校推薦を利用した場合、選考を途中離脱したり、内定を辞退したりするのは難しくなります。その中で、すでに就職したい企業が決まっており、学校推薦を利用してその企業の選考を受けられる人にとっては良い制度と言えるでしょう。
一方で、企業によって学校推薦を実施しているかどうかは異なります。就職したい企業が明確で、学校推薦を利用したいと考えている人は、大学または教授に早めに相談しましょう。
- 同じくらい志望度が高い企業が2つあります。1つは学校推薦の枠がありますが、もう一方はありません。この場合、学校推薦と自由応募のどちらにすべきでしょうか?
どちらに入社してもいいと割り切れるなら学校推薦を利用するのも手
入社できる会社は1社しかありません。同じくらいの志望度であれば、さらに企業研究を深めたり社員との面談にでかけたりして、納得いく1社を選択してその会社に応募します。
学校推薦を使用してしまうと、途中で他社がいいと思うようになっても変更することができず自由がきかなくなります。万一入社後に嫌なことがあった場合などに後悔の念が強くなりかねません。
ただし、どちらに入社してもいいと割り切れるなら、学校推薦を利用すると良いと思います。
おすすめな人②大学で学んだ専門知識・スキルを活かして仕事をしたい人
大学で学んだ専門知識・スキルを活かして仕事をしたい人は、学校推薦がおすすめです。
前述の通り、企業側は専門的な知識・スキルを保有した学生を採用することを学校推薦の目的としています。その中で、大学で学んだ専門知識・スキルを活かして仕事がしたい人は、企業の目的とマッチすると言えるでしょう。
専門知識・スキルを活かして仕事をしたい人は、まずは自分がどんな知識・スキルを保有していて、就職後どのように活かせるかを洗い出しましょう。そうすることで大学・教授側も推薦状を書きやすくなり、より理想的な就職を実現できる可能性が高まりますよ。
- 大学で学んだことが強みになると思う一方で、新しいチャレンジにも興味があります。この場合は学校推薦は辞めた方がいいのでしょうか? 学校推薦で入社すると部署移動などは難しくなりますか?
企業の要望をふまえて判断しよう
学内の担当者か教授に、企業側の要望を詳しく確認してみましょう。専門性が強く求められている場合、学んだことを活かしてほしいという企業側の期待が伺えるので、新しいことをしたい場合には不向きと考えられます。
一方で、企業側が専門性にこだわらずいろいろなチャレンジを期待している状況もあります。そのようなときはあらかじめ自分の指向性を伝えたうえで、学校推薦を活用しても良いと思います。
企業側の期待は一様ではなく、あなたの大学や学科の卒業生がおしなべて活躍しているような場合、専門性だけでなく基礎的な力についても「ここの学生なら間違いない」と考えて推薦を依頼してくる場合もあるので、思い込みで判断することなく、相手側の期待を考えて判断してください。
おすすめでない人①就職したい業界・企業が決まっていない人
志望業界や企業がわからないまま学校推薦で応募してしまうと、途中で新たに興味のある企業が生まれた場合、選考・内定辞退が難しくなります。仮に辞退できたとしても、大学や教授に迷惑をかけてしまうでしょう。
たしかに学校推薦は内定が出やすかったり、選考の一部が免除されたりして、有利に就職活動を進められます。しかし、希望する就職先が決まっていない人が学校推薦を利用するのは、自身の今後のキャリアや大学の後輩に悪影響を与えることになるのです。
そのため、就職したい業界・企業が決まっていない人は、自由応募で幅広く選考を受けて、視野を広げるのがおすすめです。
まだどの業界・職種で働きたいか明確になっていないという人は、こちらの記事を参考にして自己分析してみるのがおすすめです。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
就活で知っておいた方がいい業界を知りたい人は、こちらの記事を参考にして業界・企業選びしてみるのがおすすめです。
就職活動で役立つ業界一覧|仕事内容から動向まで各業界を徹底解説!
おすすめでない人②独立や起業を視野に入れて就職する人
近い将来、独立や起業を視野に入れて就職する人は学校推薦の利用をおすすめしません。なぜなら、学校推薦を利用した場合は早期での退職が難しいからです。
近年、独立や起業をするための勉強を目的に就職する人が増えています。しかし、このような目的の人が学校推薦を利用するのは得策とは言えません。
学校推薦を利用することは、就職後も大学の看板を背負っていると言えます。その状況で早期退職するのは、「あの大学の学生はしっかり働いてくれない」「もう学校推薦を受け付けるのはやめよう」と、大学側に迷惑をかけてしまう可能性があります。
このように、独立や起業を視野に入れた就職を希望する人は、自由応募から自身のキャリアに役立ちそうな企業を探しましょう。
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る学校推薦のデメリットもふまえて慎重に判断しよう
学校推薦を利用する際、どんなデメリットが生じるのかをよく理解しておくと判断がつきやすいと思います。
最大のデメリットは「内定を辞退できない」と考えた方がいいことです。学校推薦者が内定を辞退してしまうと、企業はその大学や学部学科には今後学校推薦枠を与えない可能性があります。
また大学のキャリアセンターに状況確認をし、推薦状を記載した教員は信用を失うこととなり、キャリアセンターと共に企業に謝罪せざるを得なくなります。また、大学や後輩に大きな迷惑をかけてしまうことになります。
どうしても入社したいと思える覚悟が必要となる
選考を続けていると、思いもよらない企業の良さに気づき、どうしてもその企業に入社したくなってしまうことはよくあることです。そうした場合には学校推薦は邪魔な存在でしかありません。いろいろなことを自由に考えることができる余地を奪ってしまいます。
志望企業が1社に決まっていてどうしても入社したいと思えるならば、学校推薦を利用して推薦のさまざまなメリットを活用してください。
気をつけよう! 学校推薦で落ちる4つの原因
学校推薦で落ちる4つの原因
- 仕事に対する意欲が感じられない
- 応募した企業に関する情報収集を怠っている
- 魅力的な自己PRができていない
- 基本的な受け答えができていない
自由応募よりも内定が出やすい学校推薦ですが、落ちる可能性も十分にあります。
ここからは、学校推薦で落ちる原因を4つ解説します。学校推薦の利用を前向きに検討している人は、応募する前によく確認しましょう。
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①仕事に対する意欲が感じられない
面接時に仕事に対する意欲を感じられない場合、学校推薦を利用しても落とされる可能性があります。なぜなら、学校推薦を受けられるほどの優秀な学生とはいえ、仕事に対して意欲がなければ活躍するのは難しく、育成にコストがかかってしまうからです。
企業側にとって、知識やスキルを育成することは可能ですが、意欲を出させるのは非常に難しいことです。そのため、いくら優秀でも意欲がない学生より、知識やスキルは劣るが意欲はある学生を採用する方が、活躍が期待できます。
学校推薦を利用する・しないにかかわらず、就職試験の際は仕事に対する意欲をアピールすることが重要です。
仕事に対する意欲が湧かない人は、まずはこちらの記事で自分に合った企業選びを実践してみましょう。
意欲が伝わる「企業選びの軸」の回答例50選|見つけ方も解説
- どうしても就職に対して意欲が湧かないため、選考の一部が免除される学校推薦を利用したいと考えています。書類選考や面接は無理してでも意欲をアピールするべきですか?
意欲が湧かないまま推薦を利用するのは避けよう
就職活動は決して入社がゴールではないので、仕事に意欲が湧かないのなら、おそらく入社してからも上手くいかないです。それならば選考を頑張ることに意味はないので、違う会社を探した方が良いです。また、学校もそんなあなたを推薦したくはないでしょう。
この問いに対しては、もっと根本的なことを考え直さなければなりません。なぜあなたは就職に意欲が湧かないのか、何に対してなら意欲が湧くのか、ということです。
意欲が湧くことを仕事につなげる、という発想をしましょう。どんな業界でもその周辺に仕事のタネはあります。仕事をする人がいるから趣味の世界や娯楽、芸術なども成り立っているのですよ。
②応募した企業に関する情報収集を怠っている
自由応募と同様に企業に関する情報収集は怠ってはいけません。入念にリサーチしたうえで就職先を決めなければ、ミスマッチや早期退職の原因となってしまうからです。
また、情報収集をはじめとする準備は入社後も必要なスキルです。このような準備を就職活動の段階で怠ると、社会人として基本的なことができていない印象につながります。
学校推薦を利用したからといって、選考基準が下がるとは思わない方が良いです。一般選考同様に、面接などに対しての十分な準備をする必要があります。選考結果によっては、不合格となる可能性は低くはありません。
面接に向けてどんな準備が必要かわからない人は、こちらの記事を確認しておきましょう。
面接の準備完全版|あなたを最大限に魅せる17の土台作り
③魅力的な自己PRができていない
学校推薦も自由応募と同様に、企業に魅力をアピールできるような自己PRを作成する必要があります。
学校推薦の場合、大学または教授に「この学生の〇〇という知識・スキルは、御社の仕事に活かせると考えたため推薦します」という推薦状を書いてもらいます。しかし、これはあくまでも学生の強みに信ぴょう性を持たせたり、後押ししたりする「推薦」状。採用してもらうには、まずは学生自身が自分の強みをアピールする必要があるのです。
魅力的な自己PRの作り方はこちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
例文15選|エントリーシートの自己PRで人事を惹き込むコツを解説
④基本的な受け答えができていない
面接の際、基本的な受け答えができていないと落とされる可能性が高まります。
企業は専門的な知識やスキルを保有しているだけでなく、最低限のコミュニケーションができる人材を採用したいと考えます。なぜなら、入社後は社内または社外とのコミュニケーションが必須で、能力の高さによって仕事のスムーズさが変わるからです。
面接時の受け答えに自信がない人は、「PREP法」を意識するのがおすすめです。
PREP法は、結論(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、結論の順番で話を展開するフレームワークで、ビジネスシーンで説明や提案をおこなうときにわかりやすく伝える基本的な方法です。
PREP法を活用して受け答えすることで、「結論は何か」がすぐにわかるため、人事にとっても聞き入れやすくなります。
他にも面接時のコツが知りたいという人は、こちらの記事を参考にしてください。
面接のコツ|通過率を飛躍的に上げる初心者必見の対策を解説
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る学校推薦で落ちてしまうケースは2パターンある
選考で落ちてしまう人の特徴は学校推薦かどうかにかかわらず共通なのですが、ここでは、学校推薦なのに落ちてしまうケースをお答えします。
➀推薦状と本人の印象との間に大きなギャップがある
答えられるべき質問に答えられない、書いてあることと方向性が違う、などの場合があります。
自由応募でも同じようなケースがありますが、企業側は、事前に推薦を得る過程でその内容を信頼していますから、整合性が取れていない場合のマイナスイメージは自由応募の学生より大きくなり、大学側への不信感も募ります。
➁企業へのリスペクトがない
稀なケースかもしれませんが、一部では、大学の方が企業よりも先をいっている場合があります。
たとえば学生が学会に何度も出ていたり、権威のある教授の下で最先端の研究をしているような分野がありますが、そういう学生が面接で優秀性をアピールし過ぎたり、事業活動を下に見るような発言をしたりすることで墓穴を掘ることがあります。
それらの先端研究を実用化したり、マネタイズしたりしているのは企業の地道な事業活動によるものですから、それを忘れてはなりません。少なくとも応募先企業に対してはリスペクトを持って臨んで欲しいと思います。
合格率アップ! 学校推薦の選考対策
学校推薦の選考対策
- 説明会に積極的に参加する
- 志望業界のインターンシップに参加する
- OB・OG訪問で会社に関する知識を深める
ここまで記事を読んで、学校推薦を利用した就職活動をしたいと考えた人もいるのではないでしょうか。前述の通り、学校推薦でも落ちる可能性は十分にあるため、しっかり対策しなければいけません。
ここからは、学校推薦の選考対策の方法を解説します。エントリーする前にしっかり対策して、万全な体制で選考に臨みましょう。
説明会に積極的に参加する
企業によっては、募集を開始する前に事前説明会を実施している場合があります。学校推薦での就職を志望している企業が説明会を実施している場合、積極的に参加することをおすすめします。
説明会では会社HPには載っていない情報や社風、実際に働く人の人柄などを把握できます。これらを知ることで、入社後のミスマッチを防げるようになるでしょう。また、事前説明会に参加した学生の方が、入社意欲をアピールしやすくなります。
なお、企業によっては就活生と面談を実施していることもあります。面談を受けることも説明会に参加するのと同様におすすめですよ。
説明会に参加する場合、バックレはNGです。説明会に参加する人はバックレのリスクと挽回法を確認しておきましょう。
説明会のバックレは企業にバレる? 選考へのリスクと挽回法を解説
また、Web説明会に参加する場合は事前の準備が欠かせません。参加するためのマニュアルを以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Web説明会参加マニュアル|服装やメール送信例まで完全網羅
志望業界のインターンシップに参加する
学校推薦の対策として、志望する業界・企業のインターンシップに参加するのがおすすめです。インターンでは実際に働けるため、入社後に「思っていたのと違う」というミスマッチを防げます。
また、多くのインターンは入社後に活躍できるかどうかを評価しています。そのため、志望する企業のインターンに参加できた場合は、姿勢や発言回数・内容、役回りなどを配慮し、入社後に即戦力として活躍できることをアピールしましょう。学校推薦時の選考に良い影響を与える可能性があります。
「インターンに参加してみたい」と思った人は、この記事を読むことで、応募から選考までのスケジュールを確認できますよ。
インターンはいつから参加? 応募から選考までのスケジュールを解説
また、インターンに参加するには、選考を勝ち抜く必要があります。選考を突破できるようになるエントリシートの書き方を以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
インターンシップ参加を掴むエントリーシートの書き方|例文あり
インターンでは、企業が求めている人材について、あらかじめ求人情報やリクルーター、キャリアセンターなどから情報を得たうえで、関連するスキルや姿勢などを意識してアピールすると良いでしょう。たとえば事務処理能力を評価する企業であれば、積極的にPCスキルをアピールしてください。
OB・OG訪問で会社に関する知識を深める
OB・OG訪問も学校推薦の対策に役立ちます。OB・OG訪問では実際に働いている社員の声を聞けるため、会社に関してより知識を深められます。また、事前説明会以上に社風や社員の人柄も知ることができ、入社後のミスマッチを防げるでしょう。
OB・OG訪問する企業は以下の方法で探せます。
OB・OG訪問をする企業の探し方
- 大学の先輩に聞く
- 大学のキャリアセンターを利用する
- OB・OG訪問専用のサイトを活用する
- 説明会などで知り合った企業に直接連絡を取る
- SNSでOB・OGを探して連絡を取る
- エージェントに紹介してもらう
上記の方法で企業を探して知識をより深め、学校推薦の対策をおこないましょう。
OB・OG訪問時にどんなことを聞けば良いかわからないという人は、こちらの記事を参考にしてください。
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る学校推薦の対策を始めるなら以下の2点を意識しよう
➀企業側の人材ニーズを見極めて臨もう
企業から見ると、自由応募の場合、学生の基本情報から専門分野、志向性まで一から確認しなければならないのに比べ、学校推薦の場合はそれらの初期情報を大学が確認し、一定の信頼性を保証していることになるため、手間もコストも省ける有効な手段となっています。
ところが、その情報が間違っていたり、信頼性が損なわれることがあれば、企業にとってのやり直しの手間は自由応募よりも負担が大きく、期待が損なわれることでお互いの悪影響も後々まで続きます。
せっかく事前にすり合わせる時間があるのですから、指導教授や学内担当者との連携をしっかり取って、企業が求める要素を把握し、自分の行きたい方向性もしっかり伝えておきましょう。
➁誠実に取り組もう
推薦を受けるという事は、推薦した人や大学の信頼も背負っているということを忘れてはなりません。小手先のテクニックや選考を通るための短期的な損得よりも、長期的に信頼を裏切らないことをまず考えてください。これは仕事に就いてからも重要な姿勢です。
チェック必須! 学校推薦を利用する際の4つの注意点
学校推薦の注意点
- そもそも企業から学校推薦をもらえない学校がある
- 自由応募と並行して就職活動を進める必要がある
- 文系の場合は学校推薦を実施している大学が少ない
- 学校推薦で応募できるのは1社のみ
学校推薦で就職活動をおこなう際、いくつか注意するべきことがあります。
ここからは、学校推薦を利用する際の注意点を5つ解説します。確実に内定をもらうためにも、必ずチェックしましょう。
①そもそも企業から学校推薦をもらえない学校がある
そもそも企業から学校推薦の募集枠をもらえない大学・学科があることには注意しましょう。募集枠がない場合、前述の「学校推薦を利用できる人」や「学校推薦がおすすめな人」に当てはまっていても学校推薦を利用できません。
しかし、企業から学校推薦の募集がかかっていない大学でも、学校推薦を利用できる可能性はあります。学校推薦の募集枠がない場合は、以下の対処法を試してみましょう。
学校推薦がない場合の対処法
- 大学の就活センターに問い合わせる
- 志望企業の人事に連絡して学校推薦が使えないか問い合わせる
上記を実施しても学校推薦が使えない場合は、自由応募からエントリーする必要があります。
②自由応募と並行して就職活動を進める必要がある
学校推薦を利用する人も、自由応募と並行して就職活動を進めるようにしましょう。なぜなら、学校推薦を利用しても落ちる可能性があるからです。
近年、自由応募での就職活動は早期化が進んでいます。そのため、学校推薦で落ちてしまった場合、その後に再度就職活動を始めると、エントリーできる企業が限られてしまうのです。
就職活動の時期は、大学での研究・授業も大詰めであるため忙しくなります。しかし、忙しい中でも万が一のことを考えて、自由応募でもエントリーしておきましょう。
自由応募の就活をどのように進めていくべきかわからない人は、こちらの記事がおすすめです。就活の進め方を一から解説しています。
就活のやり方は? 内定を勝ち取るために必要なすべてを徹底解説!
- 自由応募と学校推薦を並行する場合、自由応募では何社くらい応募するのが良いのでしょうか?
合格率に応じて自由応募の企業数を増やそう
これまでの学校推薦での合格率をキャリアセンターなどで確認をしたうえで、自由応募を並行すると良いでしょう。
学校推薦を重視している企業であれば内定をもらえる可能性が高いので、自由応募の企業は数社で問題ないですが、合格率がそれほど高くない企業であれば、学校推薦でも落ちる可能性があるので、自由応募でも積極的に応募すべきです。
応募資格として学校推薦を条件としている企業は、自由応募と合格率はあまり変わらないので、チャンスを逃さない意味でも可能な限り応募しましょう。
あくまでも学校推薦で応募した企業を優先させよう
学校推薦と自由応募を並行する場合、優先度を高くするべきは学校推薦で応募した企業です。前述の通り、学校推薦は大学や教授、企業などさまざまな人の力を借りて就職することになります。この状況で自由応募でエントリーした企業を優先するとトラブルになる可能性もあるでしょう。
学校推薦と自由応募は時期が一緒であるため、面接の日程がかぶることも考えられます。そのような場合は、学校推薦で応募した企業を優先しましょう。
③文系の場合は学校推薦を実施している大学が少ない
学校推薦は理系だけのものでなく、文系も利用可能です。しかし、文系の場合はそもそも学校推薦を実施している大学が少ないことには注意しましょう。
文系の学校推薦が少ない理由は、推薦を実施する企業はすでに専門的な知識・スキルを保有しており、入社後に即戦力となる学生を採用したいからです。そして、即戦力になる専門性を保有しているのは理系が多いのが事実。そのため、文系の学校推薦が少ないのです。
文系は、地域の企業や大学または教授と強い関係性を築いている企業の学校推薦は利用可能です。希望する人は、大学の就活センターまたは教授に早めに相談しましょう。
文系が就ける職業一覧を以下の記事で解説しているので、文系の人はぜひ参考にしてみてください。
文系の職業一覧|見落としがちな職業と希望の就職を叶えるコツを伝授
文系の場合、学校単位の推薦はほぼ聞いたことがないですが、指導教授が特定の分野で知名度が高く、企業と信頼関係がある場合なども稀にあるようです。個別で知っているのは地方の金融機関ですが、決して多いとは言えません。
④学校推薦で応募できるのは1社のみ
学校推薦で応募できるのは基本的に1社のみで、何社も応募できるわけではありません。学校推薦で複数の企業に応募すると、選考の途中離脱や内定辞退が必要になり、大学や教授に迷惑をかけることになります。
そのため、学校推薦を利用する際は「内定が出やすいから」「選考が楽だから」という理由だけで考えず、理想のキャリアを描けるかどうかを慎重に考えるようにしましょう。
学校推薦を利用する場合は、あらかじめ長期的なキャリアプランまで考えておきましょう。詳しい考え方はこちらの記事で解説しています。
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう
活用するべきか慎重に確認! しっかり対策して学校推薦で内定を掴み取ろう
学校推薦を活用した就職活動は、内定が出やすかったり、選考の一部が免除されたりするなどメリットがあります。一方で、選考の途中離脱や内定辞退が難しいなどのデメリットもあると解説しました。
学校推薦はメリット・デメリットをよく確認して利用するべきかを判断することが大事です。そのうえで利用したいと考えた人は、しっかり対策して学校推薦で内定を掴み取りましょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る学校推薦はメリット・デメリットを理解して慎重に判断しよう
志望企業が明確な人や学校で学んだ専門知識を活かしたい人は、学校推薦について調べてみる必要があります。志望企業が学校推薦を実施している場合は、学校推薦の特徴やメリット、デメリットを理解したうえで活用するといいでしょう。
学校推薦の中で、学内・学科推薦は、通常学内選考がおこなわれて選考を通過した人を推薦する制度であり、教授推薦は、教授と関係のある企業へ推薦状を添えて推薦する制度です。
後付け推薦は、企業が選考辞退や内定辞退を防ぐために、選考中や内定をもらう段階で通常求められます。学校推薦は、自由応募と比較をして内定が出やすく、後付け推薦以外は選考の一部が免除されるなどのメリットがあります。
一方で、学校推薦のデメリットは、選考途中の離脱や内定辞退、早期退職をおこなうと、今後推薦枠がなくなる可能性があり、学校や後輩に迷惑がかかることを認識しておくべきです。
学校推薦をもらっても企業研究や選考対策は万全におこなおう
学校推薦による合格率は企業により異なり、学校推薦を重視している企業であれば合格率は高いものの、それほど重視していない企業であれば合格率は下がります。
学校推薦を利用しても落ちる可能性があるので、学校推薦をもらったからといって安心せず、しっかり企業研究や面接対策をおこないましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
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