既卒の就活を確実に成功させる5箇条! ストレスなく進める秘訣

既卒の就活を確実に成功させる5箇条! ストレスなく進める秘訣のサムネイル

この記事にコメントしたアドバイザー

  • 隈本 稔

    職りんく運営者 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号19041711)/性格応用心理士1級/キャリア・デベロップメント・アドバイザー SNS:Facebook

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  • 鈴木 洵市

    ブルーバード合同会社代表取締役 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号21041822) SNS:Instagram/Facebook

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  • 木村 千恵子

    Koyori キャリアワールド代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号16050754)/キャリア・デベロップメント・アドバイザー SNS:X(旧Twitter)/Facebook

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この記事のまとめ

  • 既卒の就活は新卒とは異なる悩みや難しさがある
  • 5箇条を意識して取り組めば既卒の就活で成功を収められる
  • 既卒の就活の進め方を5ステップに分けて徹底解説

既卒の就活を進めるにあたり、不安を抱える人は多いと思います。「既卒の就活はどのように進めれば良いのだろう」「全然うまくいかないけどどうすれば良いのかな」など、これから既卒として就活する人も、すでに始めている人も、悩むことがあるのではないでしょうか。

既卒の就活は大変なことも多いですが、諦める必要はまったくありません。一つずつ丁寧に対策していけば、必ず成功を収めることができますよ。

記事では、キャリアアドバイザーの隈本さん、鈴木さん、木村さんと、既卒の就活を進めるためのコツを解説していきます。ポイントを押さえ、笑顔で就活を終えられるよう頑張っていきましょう。

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目次

既卒の就活は大変? スムーズに進めるためのやり方を解説

皆さんの中には、既卒の就活が大変そうだと感じたり、もしくは実際に進めてみてつらいと思う人もいるかもしれません。たしかに大変な面もありますが、それらを乗り越えスムーズに進めるコツがあります。

記事では、まず既卒の就活でありがちな悩みを解説します。そのうえで、それを解決するための、既卒が就活で心掛けたい5箇条を説明します。さらに、それを実践するための既卒の就活の進め方を5ステップに分けて解説するので、これに沿って就活をおこないましょう。

既卒がよく聞かれる質問例と回答例文も紹介するので、参考にしつつ面接練習をおこない、選考を突破しましょう。

新卒の就活に失敗してしまいました。既卒はもう人生終わりなんじゃないかと思って不安です……。

木村 千恵子

プロフィール

自分とじっくり向き合えると前向きにとらえよう

日本では「新卒」と「既卒」を区別する傾向がありますが、海外では学校を卒業する時期も年に1度だけではなく、それぞれ自分の考えや都合によって、卒業後すぐに就職せず、自分に合った仕事をゆっくり探しながらキャリアの糸口を探る人も多くいます。

真剣に就職活動をした結果、新卒で就職先が決まらなかったとしたら確かに残念ですが、だからといってそれで人生が終わったわけではありません。

社会人人生は長いので、最初に仕事を始めるタイミングが少し遅れたとしても、後で振り返ってみればほんの少しの差にすぎません。

むしろ、その経験を通して自分自身と向き合う時間を得たと前向きにとらえて、既卒を積極的に採用している企業を探しましょう。

「既卒=人生終わり」ではありません。既卒で就活に悩んでいる人は、ぜひこちらの記事を読んでみてくださいね。
既卒=人生終了じゃない! 既卒就活を成功させる人生逆転法とは

また、既卒2年目の人はこちらの記事も併せて読むと、就活の進め方の理解が深まります。
既卒2年目でも逆転勝利! あなたにぴったりな企業に会う方法を伝授

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

そもそも既卒とは

既卒新卒第二新卒フリーター
大学を卒業しているしていないしているしている
就業経験なしなしあり(3年以内)問わない
既卒・新卒・第二新卒・フリーターの特徴と違い

そもそも、自分が既卒に該当するのかわからないという人もいますよね。そこで、まずは既卒とは何なのか、その特徴を理解しましょう。

既卒を明確に定義するものはありませんが、厚生労働省の労働経済動向調査(令和4年8月)の概況によれば、「学校卒業後すぐに就職する人以外(35歳未満)で、勤務経験の有無は問わない」とされています。

ただし、多くの場合は勤務経験がない人を指します。

既卒の定義はこちらの記事でさらに詳しく解説しているので、理解が曖昧な人は確認しておきましょう。
既卒とは? 新卒・中途との違いや就活の必勝法を徹底解説

新卒との違い

新卒とは、新規卒業者の略で、その年に大学を新しく卒業する人のことを言います。つまり、大学4年生や大学院2年生のことです。就活の場面では、大学在学中に就活をしている人を指します

日本は「新卒一括採用」と言われ、毎年決まった期間で新卒を対象に企業が求人をおこなう制度が取り入れられており、従来はエントリーできる企業が限られている傾向にありました。ただ、近年では既卒を新卒扱いする企業も増えています。詳細は後述します。

第二新卒との違い

第二新卒とは、一般的には正社員として新卒で入社した会社を3年以内に辞めた人のことを指します。短期間であっても就業経験があれば、第二新卒に該当します。

第二新卒と既卒では、第二新卒の方が有利に感じる人もいるかもしれませんが、実は状況はどちらもあまり変わりません。

選考倍率が高い企業であったり、ハイレベルなスキルが求められる企業での就業経験があれば、ポテンシャルが見込まれることはあります。しかし、既卒も第二新卒も仕事のスキルがあるわけではないため、一般的にはどちらが有利になるということはないのです。

企業によって採用基準が異なるので捉え方はさまざまですが、既卒、第二新卒どちらであっても大きく選考に影響するわけではありません。あくまで、その人の性格や仕事に対して求めている価値観、自社とのマッチ度を中心に判断します。

フリーターとの違い

フリーターという言葉もありますが、フリーターとは、すでに大学を卒業しており、アルバイトやパートとして働いている人のことをいいます

既卒でフリーターの人もいれば、第二新卒でフリーターの人もいます。新卒で正社員として就職した企業をすぐに退職し、アルバイトをしている人は第二新卒のフリーターとなります。

正社員は、就業時間や仕事内容などに拘束がありますが、フリーターはそのような拘束を受けることなく自由に働く就業スタイルとなっています。

既卒の就活状況

既卒の就活状況

  • 既卒を新卒として受け入れる企業は約70%
  • 既卒に内定が出る割合は約40%

既卒に該当するとわかった人は、早速既卒に合ったやり方で就活を進めていきましょう。

就活を進めるにあたり重要なのは、まず既卒の就活状況を理解することです。「既卒の就活は厳しいんだろうな」と悲観してしまっている人もいるかもしれませんが、案外門戸が広いことがわかるのではないでしょうか。

ここからは、既卒の就活状況をデータを用いて解説するので、客観的に現実を捉えましょう。

既卒を新卒として受け入れる企業は約70%

厚生労働省の労働経済動向調査(2022年8月)の概況によると、既卒が新卒として応募することができる企業の割合は約70%となっています。

新卒一括採用とは言われますが、多くの企業が既卒にも門戸を広げているのです。

厚生労働省は、青少年雇用機会確保指針を改正し、既卒3年目までを新卒とみなすよう企業に通達しました。その結果、多くの企業が既卒も新卒と同じように迎え入れようとしています。

事情があって新卒として就活できなかった人がいる可能性があることや、企業の人材不足などから、既卒も新卒として受け入れる企業が多いと考えられます

大手企業では既卒が新卒として受けられないところも多いのではないでしょうか?

鈴木 洵市

プロフィール

大手企業では既卒が受け入れられにくい現状はある

たしかに大手企業の採用の場合、新卒採用でその年の採用枠が埋まってしまうことも多いです。

これは、新卒で就職活動をおこなう学生が大手企業を志望する場合が多いことから、既卒まで採用枠が回ってこないという、需要と供給のバランスから起こっていることです。

新卒として受け入れられなくとも、既卒採用枠がある企業は、多様な学生を受け入れたいと考えている場合と、人材不足である場合の2パターンの理由があります。

既卒が大手を狙う方法や、既卒を受け入れている大手企業はこちらの記事で紹介しているので、参考にしてください。
既卒で大手就職は可能? 成功に必須の対策と採用している企業一覧

既卒だと就活は不利になる……と不安に思っている人もいると思います。近年では優秀な人材を確保するためや、学生の状況に臨機応変に対応するために通年採用を実施する企業があります。以下の記事では通年採用を行っている企業の探し方や内定獲得のコツをまとめているので参考にしてみてください。
通年採用企業57社を業界別で紹介! 探し方や内定獲得のコツも解説

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

既卒に内定が出る割合は約40%

「エントリーできたとしても、実際に内定をもらえるケースは少ないのでは?」と感じる人もいるかもしれません。しかし、厚生労働省の労働経済動向調査(2022年8月)の概況によると、応募した人の中の約40%と、半数近い人が内定を獲得しています。

新卒の方が内定を取得しやすいことは確かですが、既卒も諦めなければ内定を得ることは可能なのです。そのため、新卒以上にしっかりと対策をして就活に臨みましょう。

既卒が新卒採用を受けるメリットやデメリット、中途採用との違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてくださいね。
新卒はいつまで? 企業における定義や実態をデータをもとに徹底解説!

企業はどう見てる? 既卒に対する印象

企業はどう見てる? 既卒に対する印象

  • ポジティブな印象①貴重な若手人材である
  • ポジティブな印象②すぐに入社してもらえる
  • ネガティブな印象①人柄に懸念がある可能性がある
  • ネガティブな印象②仕事への熱意が低い可能性がある

「既卒の人に対して、白い目で見る企業もあるのではないだろうか……」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。

確かに、ネガティブな印象を持っているケースがあることも事実です。しかし、それはしっかりと対策することで払拭することができますよ。

ここからは既卒に対する企業の印象を、ポジティブ面、ネガティブ面に分けて解説するので、ポジティブな印象は強調し、ネガティブな印象は払拭できるようチェックしていきましょう。

ポジティブな印象①貴重な若手人材である

昨今では、少子高齢化の影響で、若手人材が不足している傾向にあります。また、若手人材は大手企業に集中してしまうこともあり、特に中小企業では若手人材を欲しているため、既卒であっても歓迎する企業は多くあります。

若手は、吸収が早かったり、柔軟性があったりと、これから仕事を覚えてもらうには重宝される存在です。また、体力があるため、肉体的な労働が多い介護業界やサービス業界などでは特に歓迎されやすいです。

ポジティブな印象②すぐに入社してもらえる

同じ若手であっても、新卒や第二新卒よりも早く入社してくれるというのも魅力的に映ります。新卒であれば、入社を4月まで待たなければなりません。また第二新卒であれば、今勤めている会社を退職するまで、場合によっては数か月待つ必要があります。

しかし既卒であれば、特別な事情がない限りすぐに入社してもらうことができるため、特に人手不足の企業にとっては、ありがたい存在です

アドバイザーコメント

入社する可能性の高い既卒は、ポジティブな印象を与える

企業側としては、やはり「すぐに入社してもらえる」という点にはポジティブな印象を持ちます。

新卒採用の場合は、入社までの期間が長いのはもちろんですが、ほかの企業に内定をもらっている際に内定辞退を受ける可能性も高くなります。

特に人材が不足している中小企業では、内定辞退を受けると新たな採用活動をしなければならない負担が大きいです。そのため、新卒に比べて入社してくれる可能性が高い既卒の方が好まれる場合があります。

既卒にはマッチ度が高い人材という期待も高まる

また、既卒は新卒に比べて、自社とのマッチ度が高いと期待されることもあります。当然その人の性格や既卒として過ごしていた経緯によりますが、既卒は就職活動やプライベートな活動などで挫折を経験していることが多い傾向にありますよね。

そのため、挫折を通して自分のことを深く内省しながら自己分析をおこない、そこから見出した自身の価値観をもとに企業選定をしている人も多いです。

新卒よりも悩み抜きながら企業を選んでくることから、入社してからのマッチ度が新卒よりも高く、やる気のある人だという印象を持たれるでしょう。

ネガティブな印象①人柄に懸念がある可能性がある

企業が採用基準で重視する項目上位5位

既卒ということでネガティブな印象を持たれることもあります。まず、「人柄に問題があるから新卒の就活で上手くいかなかったのではないか」と思われるケースです。

たとえば「働くための基本的なスキルがないのではないか」「就活を頑張れなかったのではないか」と思われることがあります。

就職みらい研究所の就職白書によると、企業が採用基準で最も重視する項目は人柄となっているため、人柄の懸念はしっかりと払拭する必要があるのです

人柄のマイナスイメージを払拭する方法は後述するので、ぜひチェックしてくださいね。

既卒になった明確な理由があれば問題ない

そもそも既卒になった明確な理由があれば、人柄に懸念を持たれることも少ないです。たとえば「親族の介護で就活できなかった」「経済的な事情でアルバイトに専念していた」「公務員試験を受けていた」「何かのプロを目指していた」などです。

個人的な事情を企業に話すことに抵抗があるかもしれませんが、理由がなければ「努力不足だったのかな」などと思われかねないため、選考でしっかりと伝える必要があります

ネガティブな印象②仕事への熱意が低い可能性がある

企業が採用基準で重視する項目上位5位(熱意)

企業側から、「仕事への熱意が低いから新卒で就職しなかったのではないか」と思われることもあります。

就職みらい研究所の就職白書によると、企業が採用基準で重視する項目の2位が熱意となっており、人柄同様、熱意への懸念もしっかりと払拭することが既卒の就活のポイントです

鈴木 洵市

プロフィール

企業が既卒に抱きがちなネガティブな印象としては、継続力がない人材ではないか? というものです。「新卒での就職活動を途中であきらめてしまったのでは」と思う面接官も少なからずいます。

就職したくないと感じる人は、併せてこちらの記事をチェックすると、就職以外の道や、就職に前向きになれる方法を知ることができますよ。
就職したくないと悩むあなたへの解決案|悩みの原因と対処法を解説

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

既卒の就活でありがちな7つの悩み

既卒の就活でありがちな7つの悩み

  • 既卒者としての活動の仕方がわからない
  • 既卒を募集している企業がわからない
  • 既卒の募集が少ない
  • 一緒に就活を進める仲間がいないため進捗がわからない
  • 既卒として就活している理由を答えられない
  • 劣等感を感じやすい
  • 誰に相談して良いのかわからない

既卒の就活での悩みには、一定の傾向があります。ここからは、既卒の就活でありがちな7つの悩みを解決します。

既卒の就活はつらいものだと感じる人もいるかもしれませんが、反対にいうと、つらいと感じやすいポイントを押さえて解消すれば、スムーズに進めることができるのです。

ここで解説する悩みをチェックし、それを解消するためにどう行動すれば良いのか考えていきましょう。

①既卒者としての活動の仕方がわからない

多いのは、既卒として就活をどう進めれば良いのかわからないという悩みです。企業へのエントリー数や、応募できる企業の見つけ方、就活を進めるペースなど、既卒者としての就活のやり方がわからないというケースが挙げられます

やるべきことがわかっていればモチベーションが上がりやすいものの、そもそも何をすれば良いのかわからなければ、やる気が起きず、やがて焦ったりさらに引け目を感じたりとどんどんストレスが溜まりますよね。

そこで、この記事の後半では、就活の進め方を5ステップに分けて解説しているので、それを参考にしつつ進めてみてくださいね。

就活に焦ってしまいつらい人は、こちらの記事を参考にすると、必要以上に自分を責めず進めることができますよ。
就活は焦る必要まったくなし! 内定にぐっと近づく5つの考え方

②既卒を募集している企業がわからない

「既卒が新卒として応募できる企業があることは理解したが、どこに応募すれば良いのかわからない」と悩む人もいるのではないでしょうか。新卒のときはほぼすべての企業がエントリー可能であるにもかかわらず、既卒はエントリー可否がよくわからないため苦戦しますよね。

募集要項に「既卒可」などと書いてあればまだ良いものの、まったく案内がなく、企業に問い合わせなければいけないケースもあります

応募できる企業がわからないと、そこから先就活を進めることはできません。そこで、この記事の後半では、既卒が応募できる企業を探す方法を解説しているので、ぜひチェックしてください。

③既卒の募集が少ない

既卒が応募できる企業を探している中で、既卒の募集が少ないと感じ悩む人もいます。既卒を新卒として受け入れる企業は約70%あると解説しましたが、既卒も募集していることを企業ホームページ(HP)などで公開していない会社もあるため、既卒の募集が少ないと感じる人は多いです。

エントリーできる企業が少ないと、人によっては「既卒は社会に必要とされない存在なのでは……」と思いつめてしまうこともありますよね。しかし、既卒を受け入れる企業は多いので、安心してください

記事後半で解説する、既卒が応募できる企業を探す方法を参考にして、良い企業に出会えるよう頑張っていきましょう。

④一緒に就活を進める仲間がいないため進捗がわからない

新卒の就活は、一緒に就活を進めるほかの新卒がいるため、簡単に情報交換をすることができますよね。

しかし既卒では、一緒に就活を進められる仲間がぐっと減るため、情報交換する機会も少なく、自分が遅れているのか、良いペースなのかを把握しにくく悩む人は多いです

記事後半で、周囲の情報を得つつ就活をする方法を解説するので、必要以上に焦ったり、反対に遅れを取ったりしないようぜひチェックしてください。

⑤既卒として就活している理由を答えられない

既卒の人が悩みやすいのは、「なぜ既卒として就活をしているのですか」という質問です。「新卒の就活がうまくいかなかったから」といった事情は答えにくく、つらい思いをしてしまいますよね。

しかし、素直に答えて問題ありません。失敗は誰にでもあることであり、重要なのは、失敗をどう克服したかです。既卒として就活している理由は正直に回答し、そのうえでそれを克服するための行動を起こしていることなどを伝えられれば、マイナスイメージを払拭することができます

記事後半で、既卒の人が聞かれやすいものの回答しづらい質問に対する答え方を解説しているので、チェックして選考に備えましょう。

⑥劣等感を感じやすい

意識しておきたい就活のゴール

「多くの人は新卒で就職しているのに自分はダメな存在だ」と劣等感を感じてしまう既卒の人も多くいます。自分の状況を周囲と比較してしまい、遅れを取っている自分を責めてしまうのです。

しかし、就活のゴールは内定を得ることではなく、自分にマッチする企業に出会うことです。そのため、新卒なのか、既卒で入社したのかは、長い目で見れば大きな問題ではありません。

ついネガティブ思考になりがちですが、自信を持って、前向きに臨んでいきましょう。

木村 千恵子

プロフィール

私たちはつい他人を比べてしまいますが、比べるのなら自分の過去です。それでも他人と比べて劣等感を感じたら、「既卒になったおかげで真剣に自己と向き合えた。そんな自分を必要としてくれる企業とこれから出会うんだ」と自分に言い聞かせましょう。

「周囲に比べて就活がうまくいかない……」と悩む人は、こちらの記事を参考にするとスムーズに進みやすくなりますよ。
就活がうまくいかないあなたへの処方箋|今すぐできる対策を徹底解説

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

⑦誰に相談して良いのかわからない

「既卒の就活は誰に相談すれば良いのだろう」「悩みを理解してくれる人がいるのだろうか」と、相談先がわからずつらい思いをする人も多いです。

しかし、相談せず1人で進めようとすると、ストレスを抱えやすくなったり、思いつめてしまったりすることもあるため、周囲に頼ることが大切です

記事後半で、既卒の就活について相談できるおすすめの人やサービスについて解説しているので、チェックして就活を進めていきましょう。

アドバイザーコメント

相談できる相手やサポートしてもらえる相手は重要

既卒者が抱きがちな悩みについては、「既卒者としての活動の仕方がわからない」という点です。これが一番多い悩みであり、悩みの根本であるように思います。

既卒者は、新卒者と比較すると圧倒的に就職活動の情報量が少ないですよね。気軽に相談できる友人はすでに就職していて、相談に乗る時間も取れないことも多いでしょう。

孤立してしまうと不安が大きくなるため相談先を見つけよう

そのためどうしても孤立してしまいがちになり、悩みも増えます。この状況を打破するためには、やはり相談できる相手、サポートしてもらえる相手の存在が重要になります。

このような不安は、どのような状況においても誰にでも起こります。自分ではわからないこと、解消できないことに不安を覚えるものですからね。相談できる相手をつくることが必要です。

良い相談相手がいない場合は、就職エージェントなどを利用することをおすすめします。

就活でストレスを感じるときは、こちらの記事を参考にすると解消することができますよ。
就活のストレス解消法57選|悩みを根源から断ち切り楽に進める方法

既卒の就活を乗り越える重要な5箇条

既卒の就活を乗り越える重要な5箇条

  • 就活のプロに相談しながら進める
  • 企業研究を念入りにやり熱意を見せる
  • 自己分析でアピールポイントを見つけ出す
  • 就活にかける時間を多くとる
  • スキルや資格を取得し強みを持つ

ここまで解説したように、既卒はネガティブな印象を抱かれることがあったり、悩んだりすることがあります。反対に言えば、これらを一つひとつ解決できれば、既卒の就活はスムーズに進めることができますよ。

ここからは、既卒の就活で欠かせない重要な5箇条を解説します。これによりネガティブな部分を払拭しストレスを少なくして進めることができるため、しっかりと心得て就活を進めましょう。

①就活のプロに相談しながら進める

既卒の就活は、一緒に就活を進める仲間が少ないことから、つい1人で進めてしまいがちです。そんなときは、キャリアアドバイザーなど就活のプロに相談しながら進めましょう。

プロに相談することで、以下のメリットがあります。

既卒が就活のプロに相談するメリット

  1. 就活の進め方がわかる
  2. 既卒を募集している企業を教えてもらえる
  3. 選考対策を手伝ってもらえる
  4. 進捗が良いのか・悪いのかがわかる
  5. 既卒として就活している理由を答えられるようになる
  6. 前向きな言葉をかけてもらい精神的な支えになる
  7. 悩みの相談先ができる

キャリアアドバイザーに相談しながら進めることで、既卒の就活のほぼすべてのネガティブな部分を払拭することができます

就職・転職エージェントに登録することで、キャリアアドバイザーがつき、就活のサポートをしてもらうことができます。

ほかにも、就活の相談ができる人やサービスはこちらの記事で解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
就活の相談先14選! 良い決断ができる相談相手の選び方も解説

②企業研究を念入りにやり熱意を見せる

企業研究を面倒に思う人もいるかもしれませんが、念入りにおこなうことで、入社後の企業とのミスマッチを防げたり、その企業に対する熱意を見せることができるため、しっかりと取り組むことが大切です。

企業研究で調べるべきこと

  • 企業理念、設立年度、資本金、本社・事業所の所在地などの基本情報
  • 商品やサービスなどの事業内容
  • 同業界での位置づけや他社と比較した強み
  • 経営者の考え方
  • 人事・教育、休暇・休業、福利厚生などの企業の制度
  • 今後の動向
  • 社風

特に、既卒は就業意欲低いと思われることがあるため、深い企業研究で熱意を見せることは重要なのです

多くの情報は企業HPで調べることができます。加えて、説明会に行ったり、OB・OG訪問をおこなったり、インターンに参加することで、社員からより詳しい話を聞くことができます。

また、社風などは企業HPを見てもわからないため、実際に社員に会って、社員の雰囲気などを見ることがおすすめです。

OB・OG訪問のやり方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。良い情報を引き出す質問例70選も掲載しています。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅

既卒向けのインターンの参加方法や企業の選び方はこちらの記事で詳しく解説しているので、インターンへの参加を検討している人は併せて参考にしましょう。
既卒インターンは企業選びが肝! メリットや注意点などを徹底解説

社風を知ることで、志望動機として伝えることも可能です。社風の志望動機の作り方はこちらの記事を見るとわかりやすいです。
「社風の志望動機」は注意が必要! 例文付きで受かるコツを伝授

企業研究をやるのがどうしても面倒です。簡単にできる方法はありますか?

企業に求めるものに優先順位をつけて調べよう

企業について何もかもを調べると効率が落ちるので、まずは自分が企業に対して求めることを優先的に調べて、マッチ度が高いと思った候補を絞って、そこから深く掘り下げて調査しましょう。

企業研究が面倒に感じてしまうのは、調べる焦点が絞れていないというのも理由の一つです。自己分析で、ある程度自分の性格や企業に対して求めているもの、興味のある業界・業種を考えていないと、やみくもに調べることになります。

まずは、自己分析で軸となる仕事に求める価値観を明確にすることが、企業研究を少しでも楽に進める秘訣です。

③自己分析でアピールポイントを見つけ出す

就活は自分を売り込む場であり、自分のことを深く理解していなければうまくアピールできません。そこで、自己分析をしっかりとおこなうことが大切です。

既卒の人は、人柄に懸念を持たれることがあると解説しました。そこで、自己分析によって自身のアピールポイントを見つけ出し、魅力的な人柄をしっかり伝え、その懸念を払拭しましょう

アピールポイントは以下の方法で探すことができます。

アピールポイントの見つけ方

  1. 過去の活動を振り返り、他者に褒められたこと、成果を出したことなどから強みをいくつか見つける
  2. 企業が求める人材像を企業HPなどで調べる
  3. 企業が求める人材像とマッチする強みを見つけ出す

アドバイザーコメント

自分と深く向き合う時間がある既卒は自己分析を徹底することが大切

「既卒者」としての就職活動では、自分自身の価値観や仕事についての考え方をより深く考え理解したうえで、戦略を立てる必要があります。

社会人人生全体から見れば新卒入社と既卒入社の違いはさほどではないのですが、同じポテンシャル採用を前提としてはいても、企業の採用担当者の視点では、既卒者に対してはより厳しい評価をされる傾向があります。

再度自己分析をして新しい軸を見つけ出そう

ただし、それは「既卒者」が劣っているからという意味ではなく、企業は「既卒者」に対しては、「新卒者」よりも自分自身とより深く向き合う時間を持てているはずだという認識があるからです。

既卒が再度自己分析を深めて自分自身をよく理解すれば、それまでには気づくことができなかった自分の価値観や興味の方向性、逆に違和感を持つ分野に気づき、新しい就活の軸が見つかる可能性があります。

その軸と企業の事業の方向性に共通点があれば、それをアピールポイントにつなげることができるかもしれません。

アピールポイントが見つかる自己分析の方法は、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

「自己分析しても短所ばかり見つかり長所がわからない……」という人は、こちらの記事を参考にすると長所を見つけられますよ。
言い換え例35選|短所を長所に変える方法と選考への役立て方を解説

④就活にかける時間を多くとる

既卒の就活では、内定を得られる確率が約40%と、半数近くの数値となっていますが、それでも新卒よりは厳しい戦いになってしまいます。そのため、成功確率を上げるために、多くの行動を起こすことが大切です

たとえば10社受ける人よりも、20社受ける人の方が、母数が増えるので内定を得られる企業数も増えますよね。

もちろん、ただ行動を起こすだけでは内定を得ることはできません。受ける企業の分、しっかりと対策をおこなうことが大切です。可能性を広げるために、多くの企業を受け、その分時間をかけていきましょう。

「内定がどうしてもとれずつらい……」という人は、こちらの記事を参考にすると、内定を取るコツがわかります。
内定をとれない人の8つの特徴と対策|今からやるべき行動を解説

⑤スキルや資格を取得し強みを持つ

日本では、ポテンシャル採用と呼ばれ、今はスキルなどがなくても、入社後活躍できる見込みがあれば採用するケースが多いです。

しかし、既卒の皆さんは少しでも新卒と差をつけることが大切です。そこで、ビジネスに活かせるスキルや資格を取得しておくと、「即戦力になる」「仕事に前向きだな」と良い印象につながり差別化することができます。

鈴木 洵市

プロフィール

既卒は、就職をしたい企業で必要な資格を取得したり、スキルを磨くことが重要なポイントになります。卒業後何もしていないわけではなくとも、そう思われてしまうことがあるため、そのイメージを払拭することができます。

就職に活きる資格はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説

理系の人は、こちらの記事を参考に資格を取得してみましょう。
理系向けの資格28選|「就活で有利になるの?」企業の本音も大公開

既卒の就活の進め方5ステップ

既卒の就活の進め方5ステップ

  • 就活のスケジュールを定める
  • 自己分析をしっかりとおこなう
  • 幅広く企業の情報を収集する
  • 時期を見定めてエントリーする
  • 想定される質問の面接練習をする

既卒の就活で重要な5箇条を把握したうえで、ここからは、それを実行するための就活の進め方を解説します。

「どのように就活を進めれば良いのかわからない」という人も多いと思いますが、ここから解説する内容を参考に、順番に取り組んでいけば成功をつかむことができますよ。

①就活のスケジュールを定める

既卒が新卒として活動するスケジュール
既卒が中途採用に応募するスケジュール

いつまでに何をやれば良いのかを整理するために、まずは就活のスケジュールを定めます。新卒として応募するならば、なるべく早く情報収集や企業研究、自己分析をスタートさせましょう。3月の情報解禁後、順次エントリーする必要があるので、それまでにおこなうと良いです。

そして、一般的には6月から選考開始となるため、それまでにWEBテスト対策や書類選考の対策をおこなわなければなりません

また、同時に中途採用としての応募も進める必要があります。こちらは基本的には約3か月程度で進めることをおすすめします。

まずは、関心のある企業を幅広く調べ、その企業にアピールすべきことを見つけるために自己分析をします。それと同時に、エントリー締め切りに間に合うように応募をおこない、面接練習をしつつ面接に控えます。

新卒として応募する際の就活のやり方は、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
就活のやり方は? 内定を勝ち取るために必要なすべてを徹底解説!

WEBテストの対策方法は、こちらの記事で説明しているので、勉強法をチェックしてみましょう。
WEBテスト対策完全版|効率重視で準備する方法を徹底解説

できるだけ早く就活を始めることが大切

特段事情がないのであれば、できるだけ早く就活を始めることが大切です。若ければ若い人材ほど重宝される傾向にあるため、一番若い、まさに今から就活を始めましょう

「既卒3年目までは若手とみなされるのでは」と思う人もいるかもしれませんが、無意味にブランクを空けてしまうと、どんどん不利になってしまいます。

早く就活を始めることで、多くの企業に出会えるメリットもあるため、特段事情がなければ今すぐにでも就活を始めるスケジュールを組みましょう。

既卒は採用スケジュールが新卒と異なることも多いです。企業によっては新卒採用が終わってから本格的に既卒の採用活動を始めることがあるため、希望企業の採用スケジュールをまず確認してから早めの行動を心掛けましょう。

②自己分析をしっかりとおこなう

新卒の就活での反省点として、「自分を企業に上手く売り込めなかった」「どんな仕事を選べば良いのかわからず就活を進められなかった」と感じている人は多いのではないでしょうか。これらの課題は、深く自己理解をすることで解決できます。

すでに新卒のときに自己分析をした人もいるかもしれませんが、既卒になった経験を踏まえ、より深く自分を理解することができるかもしれません

ここからは、既卒が自己分析で特に見つけておくべき内容を解説するので、参考にして自分自身がどんな人間なのかを理解していきましょう。

卒業後の経験による成長や気づき

たとえばアルバイトやインターンなど、卒業後の活動で「アルバイトリーダーを任され、マネジメント力がついた」「インターンで営業職につき、初対面の人とのコミュニケーション力がついた」などの成長や気づいたことがあったのではないでしょうか。

新卒のときに就活がうまくいかなかったとしても、「新卒の就活のときはアピールできる強みがなく、卒業後に成長して強みを得た」ということが伝われば、企業側は「努力できる人材」「成長できるポテンシャルがある」と評価するケースが多いです

そのため、卒業後の活動を思い出し、以下について洗い出してみましょう。

振り返るべき卒業後の経験

  • できるようになったこと
  • 褒められるようになったこと
  • 苦手意識がなくなったこと

アルバイト経験は自己PRにも効果的です。こちらの記事では、アルバイトの自己PRの作り方を解説しているので、アルバイトを頑張ってきた人はぜひ参考にしてください。
例文10選|アルバイト経験の自己PR必勝法を企業目線で解説

既卒になった理由

面接でよく聞かれるのは、「なぜこのタイミングで就活しているのですか」という質問です。

特別な事情がなく既卒になった場合は言いづらい内容かもしれませんが、失敗は誰にでもあることであり、そこから改善していること、成長していることを伝えられれば問題ありません

たとえば以下のように、既卒になった理由と、それに対する行動を明確にしておくと良いです。

既卒になった理由とそれに対する行動を整理する例

・周囲が就活を始めている時にまったく動き出せず、スタートが遅れてしまった
→既卒の就活ではできるだけ早く行動するよう意識していることを伝える

・書類の添削や面接練習をすることなく選考に臨んでしまった
→既卒の就活ではキャリアアドバイザーに添削してもらったり、面接練習をして選考に臨んでいることを伝える

鈴木 洵市

プロフィール

既卒になった理由を聞く企業の意図としては、既卒になった経緯として、環境的な問題があったのか、それとも自分の意思によるものなのかを確認する場合が多いです。

強み・弱み

就活でよく聞かれる質問として「あなたの強み・弱みはなんですか」というものがあります。企業に貢献できるのかや、企業にマッチする性格なのかを知ろうとしているのです

強みは、企業が求める人材像にマッチしている内容を答えることが大切です。幼少期から遡り、他者から褒められた経験や、成果を残したことから自身の強みを見つけ出しましょう。そのうえで、企業にマッチするものを見つけましょう。

たとえば企業が「失敗を厭わない人材」を求めているのであれば、「どんなことにも果敢に挑戦できる」強みをアピールすると良いですね。

弱みは、企業で仕事をするうえで大きく支障ができないものを伝えると良いです。たとえば営業職志望で「短所は慎重すぎるところです」と伝えてしまうと、行動力が大切な営業職では懸念されてしまうことがあります。

長所・短所が見つけられない人は、こちらの記事で見つけ方を解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
「長所と短所がわからない」の脱出方法10選|例文や伝え方も紹介

好きなこと・得意なこと

既卒の人の中には、「そもそも就きたい仕事が見つからない」という人もいるのではないでしょうか。そういった場合は、どの企業にエントリーすべきかもわからなくなりますよね。

そこで、特に自分に合う企業を見つけるために大切なのが、自身の好きなことと得意なことの共通点を見つけることです。たとえば「創作料理が好き」で、「人を楽しませることが得意」なのであれば、人を楽しませるためにコンテンツなどを作り出すクリエイティブな仕事が合っていますね。

好きなことは「義務がなくても自ら進んでおこなえること」、得意なことは「努力しなくても成果を出しやすいもの、他者からよく褒められるもの」ともいえます。こちらも幼少期から遡り、該当するものがないか探してみましょう。

入社後やりたいこと

企業が求めているのは、「自社で活躍できる人材」です。そのため、入社後何をやりたいのか、どのように貢献するのかを明確にし、それが企業とマッチしていると「一緒に働きたい人材だ」と良い評価を得やすくなります。

まずは、企業HPに掲載されている、中期経営計画などで、企業の今後の動向を確認しましょう。そのうえで、それに貢献できることを整理できると良いです。たとえば企業が今後海外企業とのM&Aに注力するのであれば、「英語力を活かして企業の海外進出に貢献したい」などと伝えられると良いですね。

また、新卒では総合職として、職種を問わない採用をするケースが多いですが、中途採用では職種別採用をすることが多くあります。つまり、職種や部門を限定して応募しているため、中途採用で応募する場合は、「事務職として社内の業務を円滑に回すサポートをしたい」などと、応募先の部署の仕事内容に沿った具体的なアピールができると良いです

「入社後やりたいことが見つからない……」という人は、こちらの記事を参考にして考えてみてくださいね。
例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?

事務職を志望する人は、こちらの記事を参考にしましょう。仕事内容について理解でき、かつ志望動機の書き方がわかります。
例文20選|事務職の志望動機を職種別・業界別に徹底解説

③幅広く企業の情報を収集する

既卒の就活で苦労するのは、「どの企業にエントリーすれば良いのかわからない」「そもそもエントリーできる企業が見つからない」という点だと解説しましたが、いくつかの手段を使うことで、その問題は解決することができます

ここからは、既卒がエントリーできる企業の情報を収集する方法を解説します。ここで解説する内容を参考に幅広く企業を見て、自分に合う企業を探しましょう。

自分に合った仕事がわからないという人は、こちらの記事も併せてチェックするとスムーズに見つけることができますよ。
自分に合った仕事を簡単4ステップで発見! 後悔しない方法を解説

①新卒・既卒の就活サイトを見る

最も簡単に企業の情報を収集できるのは、新卒・既卒の就活サイトを見ることです。「既卒」「未経験可」と条件を設定することで、エントリーできる企業を見つけられます

以下のサイトでは、求人の数も多く、探しやすいため、ぜひ利用してみてくださいね。

おすすめの新卒向け就活サイト

リクナビ2024

詳細な条件を設定して企業を探すことができる。会員限定機能を使うことで、企業選びの傾向を分析し志向に合いそうな企業がピックアップされる

マイナビ2024

検索条件を絞る際に人気業界や職種が明示されているため、検索しやすい。業種も細かく設定できるため希望に合った求人を探せる

おすすめの既卒向け就活サイト

マイナビジョブ20’s

会社や求人の特徴を細かく設定して調べることができる。未経験の、20代の若手社会人を求めている企業のみをピックアップしており企業選びしやすい

リクナビNEXT

「既卒」「未経験可」などと条件を設定すればエントリーできる、中途採用できる企業をピックアップしている。人気の企業ランキングなどもありエントリー時の参考になる

新着求人があったり、求人情報が更新されることもあるため、こまめにチェックすることが大切です。

就職・転職サイトに載っている企業の量が多すぎて、どれを見れば良いのかわかりません。

自己分析をしたうえで、譲れない条件で絞って検索しよう

就職・転職サイトでは、希望条件に合わせて企業情報を絞り込む機能があります。自己分析によってある程度見出した業界や業種、給料、勤務地などの複数の希望条件を選択して、表示される企業数を絞り込んでいくことから始めましょう。

条件が多いほど企業数は少なくなるので、あまりにも検索結果の数が少な過ぎたら、条件を減らしていくようにしましょう。

キーワードを入力して絞り込めるサイトも多いので、「既卒」と入力して既卒採用の可能性が高い企業に絞り込むという方法もあります。

②ハローワークで相談する

皆さんの中には、「ハローワーク」という言葉を聞いたことがある人は多いかもしれません。ハローワークとは、「国民に安定した雇用機会を確保すること」を目的として、国が設置する行政機関です。その中の新卒応援ハローワークを利用すると、新卒向けの求人を幅広く紹介してもらうことができます。

また、新卒応援ハローワークでは、臨床心理士などが巡回相談をおこなっているため、精神的につらいと感じたときも相談することができます。

ただ、ハローワークには「空求人」と呼ばれる、人材を募集するつもりがない企業であったり、労働環境が良くない企業が掲載されていることも多くあります。

そのため、就職・転職エージェントや就活サイトで企業を調べたがぴんとこず、視野を広げたい場合に相談しに行くと良いですね

③就職・転職エージェントを利用する

最もおすすめなのが、就職・転職エージェントを利用する方法です。エージェントに登録すると、就活のプロであるキャリアアドバイザーがつきます。そのうえで、自身に合う企業を選んでもらうことができるため、自分で企業を探す手間を省くことができるのです。

自分では探しにくい優良企業を教えてもらえることもあり、効率的な企業探しができます

エージェントは企業紹介だけでなく、選考対策など就活のサポートもするため、就活スタートから終わりまで、キャリアアドバイザーに相談することで不安なく進めましょう。

おすすめの就職エージェント

新卒向け:キャリアパーク! 就職エージェント

年間1,000名以上に面談をおこなうアドバイザーが、通過率を上げるための選考対策を伝授する。優良企業のみを中心に紹介する

既卒向け:キャリアパーク! For20’s

専任のアドバイザーが1対1で対話しつつ就活を進めることができる。最短1週間のスピード内定が可能。就活がまったくわからない人でも基本から教わることができる

鈴木 洵市

プロフィール

就職・転職エージェントのメリットとしては、プロに依頼することで自分自身ではわからない点の解決をしてくれたり、自分で見つけられない就職先を紹介してくれるという点があげられます。

ただデメリットとして、就職活動がお任せになってしまうことで自己理解を深めずに就職をしてしまう可能性があるので注意してください。

④企業HPを見る

既卒の応募可否は企業HPの募集要項にも掲載されていることが多いです。既卒が応募可能な場合、以下のような文言が載せられています。

新卒として応募できる募集要項の文言の例

2022年4月1日に専門学校・短大・大学・大学院に在籍し、2023年3月末に卒業(修了)予定の方、および、職歴の有無にかかわらず、入社日(2023年4月1日)時点で29歳以下(雇用対策法3号のイに基づく)の方。

気になる企業があれば、企業HPで応募可否をチェックしましょう。ただ、既卒も応募可能であるにもかかわらず、それを公開していない求人も多いです。そのため、どうしても行きたいと感じる企業があり、既卒の応募可否を記載していなければ、企業に直接問い合わせましょう

企業に直接問い合わせるのは断られるのが怖くて不安です……。

木村 千恵子

プロフィール

その企業への強い思いがあるなら怖がらず問い合わせよう

企業のHPで確認して記載がない場合、それでもどうしても応募可否を確認したいと思うということは、何らかの理由でその企業に対する興味が強いのかもしれませんね。もしそうならば、ぜひ積極的に自分から直接問い合わせてみましょう。

ただし、事務的に問い合わせるのではなく、志望の意思と熱意が伝わるような言葉で伝えるのがポイントです。

「断られたらどうしよう」という不安は誰にでも生じるものです。だからこそ、そこで行動を起こせるかどうかが重要です。勇気を出して、直接問い合わせる文面を作成してみてください。

文章に自信が持てない場合は、自分で作った文面をキャリアアドバイザーに見てもらい、アドバイスをもらって準備するのも良いでしょう。

エントリーする業界がなかなか決まらない……という人は、こちらの記事をチェックしてくださいね。業界の絞り方がわかります。
業界の絞り方で就活失敗? 後悔しない絞り方7選と必須の準備を解説

就活をスムーズに進めやすいエントリー数については、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
就活のエントリー数で間違うと悲惨! あなたに合った選び方を解説

④時期を見定めてエントリーする

応募する企業が決まったら、できるだけすぐにエントリーしましょう。ただ、時期によっては選考の通過率や、応募可能な企業の数が異なります。そのため、余裕があれば時期を見定めてエントリーすることが大切です。

ここからは、時期別にエントリー状況を解説します。ただ、こちらは中途採用として応募する際のエントリー時期の解説です。

新卒として応募する場合は、記事のこちらで解説の通り、3月の情報解禁後、4月をピークにエントリー締切が到来するので注意しましょう。

4~6月のエントリー状況

4~6月の状況

  • 4月に入社した新卒の教育・研修をしている企業が多い
  • 新卒の早期離職に備え、中途採用を始める企業がある
  • 在職者は期初のため忙しく、ライバルとなる第二新卒などの転職者がやや少ない

4~6月は期初となるため、会社では人事異動や業務の担当変更などがおこなわれます。そのため、引継ぎや整理などで忙しい社会人が多く、ライバルとなる第二新卒は、転職に向けて動きにくい時期です。よって、求人が出ていれば躊躇せず応募することが大切です

ただ、そもそもの求人数も少ない傾向にあるため、今後もっと自分に合う企業が出現する可能性があることは考慮しておきましょう。

7~9月のエントリー状況

7~9月の状況

  • 新卒採用や研修などが落ち着き、中途採用を検討する企業が増える
  • 夏季休暇やお盆休みなどで、採用選考に時間がかかることがある
  • 新卒者の内定辞退に備えて既卒の採用に積極的になる企業もある

期初の業務が落ち着き、また新卒の採用活動も一区切りすることから、7~9月は既卒向けの求人が増える時期です。さまざまな倍率の企業が集うため、可能性を広げるならこの時期にエントリーするのがおすすめです

ただ、8月は社員が長期休暇に入る時期です。そのため、エントリーしても企業から連絡がくるのが遅いこともあるので注意しましょう。

10~12月のエントリー状況

10~12月の状況

  • 年内に採用活動を終えようとする企業が多い
  • 年末年始は採用活動が停止することが一般的
  • 退職者が増える傾向にある

年内に採用活動を終えようとする企業は多く、新卒が集まっていなければ既卒に対する募集を増やすことがあります。また、年末まで勤めて退職する人も多く、その退職者数をもとに求人を増やすこともあります。

つまり、この時期も求人が増えやすくなるため、毎日就活・転職サイトを見たり、キャリアアドバイザーにおすすめの企業を聞いたりして、企業の募集をチェックすることが大切です

1~3月のエントリー状況

1~3月の状況

  • 1~3月にエントリーすると4月入社・もしくはその直前での入社になる
  • 内定をもらっていない学生のラストスパートの時期
  • 既卒向け求人が増えやすい

1~3月は既卒向け求人が最も増えやすく、自分に合う企業に出会える可能性が高いといえます。1~3月にエントリーすれば、4月入社になることも多く、新卒や異動者と一緒に業務の研修を受けられることが多いです。

また、あえて4月以前の入社を目指すことで、新卒よりも早めに業務に慣れるのも良いですね。

ただ、3月後半以降は、締め作業や引継ぎ準備などで忙しくなる企業が多いため、採用活動が鈍くなる傾向にあります。そのため、1月~3月頭を狙って応募することがおすすめです。

アドバイザーコメント

退職者の多い9~11月と新卒の補充がおこなわれる1~2月がおすすめ

既卒の採用は、即戦力としての中途採用というよりも、退職者の人員補充や新卒社員が予定ほど確保できなかった場合におこなわれる傾向にあります。

前提として、企業の中途採用の選考期間は1人についておおよそ「2週間〜1ヶ月」です。そのため、エントリーする際にはその期間から逆算しておこないましょう。

まず、退職者の人員補充のための採用活動については、9月〜11月末に積極的におこなわれることが多いので、9月や10月、遅くとも11月初頭には確実にエントリーをしておくことをおすすめします。

基本的に中途採用は枠が新卒よりも少ないのでハードルが高いですが、この期間は退職者数の変化により採用者数も変わるため、一度で諦めずに集中的にエントリーすべき期間です。

就職・転職サイトに載っていない企業はいつでもエントリーしよう

新卒社員と同じタイミングでの入社に向けた追加採用は、やはり1月〜2月におこなわれることが多いので、1月の年末年始明けから2月初頭までにはエントリーを完了させておくことをおすすめします。

就職サイトや転職サイトに掲載されているような企業の場合は、上記のようなエントリースケジュールがいいでしょう。

しかし、そういったサイトに記載されていない企業については、基本的に通年でいつでも採用活動をしています。繁忙期の期末や年末年始以外ならば、事前連絡をしたうえで指示通りにエントリーしましょう。

⑤想定される質問の面接練習をする

既卒の就活で大切なのは面接にしっかり備えることです。面接練習をして想定される質問にスムーズに回答できるようにしましょう。

既卒が苦労しやすい点として「既卒として就活している理由を答えられない」ことがあると解説しました。そのような答えにくい質問も、しっかりと準備することで、新卒よりも良い印象を残すことも可能です。

ここからは、既卒によくある質問と、その回答例を紹介するので、参考にして面接練習をしてみてくださいね。

面接練習の方法は、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしましょう。
効果絶大な面接練習|最短で内定に近づく状況別練習法を紹介

面接に備えて準備する方法は、こちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてくださいね。
面接の準備完全版|あなたを最大限に魅せる17の土台作り

例①なぜ既卒になったのか

既卒の人が必ずといっていいほど聞かれるのが、「なぜ既卒になったのか」という質問です。新卒の就活で失敗してしまったのか、新卒で就職できなかったやむを得ない事情があったのかを知ろうとしています

「家族の介護」「金銭的な事情」「留学をしていた」など、やむを得ない事情が合った場合は、それを正直に伝えましょう。新卒の就活で失敗してしまった人は答えづらいかもしれませんが、失敗は誰にでもあることなので、素直に答えて大丈夫です。

ただ、「新卒の就活で失敗したから」のみではマイナスな印象にとどまってしまうため、「そこからどう行動しているか」まで併せて伝えましょう。そうすることで、新卒のときには至らなかったものの、今は成長しているのだということをアピールできます。

「なぜ既卒になったのか」の質問に対する回答例

私が既卒になった理由は、新卒の就活が上手くいかなかったためです。

新卒のときは、部活動に専念していたため、就活をスタートさせたのは4年生の10月と、動き出しが遅くなってしまいました。そのため、応募できる企業も少なく、内定を獲得することはできたものの納得がいかず既卒になりました。

今は、その反省を踏まえ、早めの行動を心掛けています。たとえば、既卒で就活をすることが決まった翌日に合同説明会の日程を調べたり、翌月には何社かピックアップしてOB・OG訪問をするなどの行動をしました。

鈴木 洵市

プロフィール

この例文は、自分がなぜ既卒で就職活動をしているかを正直に話していて、好印象を持ちやすい内容です。特に、失敗から学んだ反省点についても改善していることを表現できていて、既卒採用では評価を得られやすいと思います。

例②空白期間に何をしていたのか

既卒になった理由と併せてよく聞かれるのが、空白期間に何をしていたかです。たとえば、アルバイトやインターンなど、取り組んでいたことを伝えて、それを通して成長していることを伝えられると良いです

ただ、特段何もしていなかったという人もいると思います。その場合も、それを素直に伝えることが大切です。そのうえで、今は反省し、心機一転就活に熱心に取り組んでいることを伝えられると良いですね。

「空白期間に何をしていたのか」の質問に対する回答例

これまでの期間は、学生時代から続けている飲食店のアルバイトに取り組んでいました。

調理や接客に加え、半年前からアルバイトリーダーとなり、アルバイトの教育やシフトの管理をおこなっていました。新人アルバイトの立場に立ち、わからないことや不安なことを解消するという意識を持って取り組み、相手の立場に立ってコミュニケーションをする力が身についたと自負しています。

木村 千恵子

プロフィール

自身の成長をアピールできていて良いですね。

ただ、「~をする力が身に付いたと自負しています」が美辞麗句に聞こえてしまう可能性があります。そのような力が身についたことで、どのような成果を上げられたかまで、具体例を伝えられるとより良いですね。

例③なぜこのタイミングで就活しようと思ったのか

特に、空白期間が長い人の場合は、「なぜこのタイミングで就活をしようと思ったのか」と聞かれることもあります。新卒では就職せず、なぜ今正社員になろうとしているのかを伝える必要があります

まずは正社員の特徴を押さえたうえで、「新卒ではわからなかったが、既卒になった今、正社員として働きたいと感じた」といったように伝えると良いですね。

正社員の特徴

  • スキルが身につきやすい
  • 雇用が安定する
  • 責任が大きい

また、既卒の人は「熱意が低いのでは」と思われることがあると解説しました。そこで、そのイメージを払拭するために、今は就業意欲を高く持っていることを伝えられるとより良いです。

「なぜこのタイミングで就活しようと思ったのか」に対する回答例

正社員として就職することで、雇用が安定し、家族を安心させることができると考えたためです。

新卒のときは自由な生き方をしたいと考え、あまり就活に身が入っておりませんでした。しかし、昨年父が病気を患ってしまい、「私がしっかりしなくては」と感じました。そこで、正社員として働き経済的な安定を確保したいと感じ、このタイミングで就活をしています。

​​自分が既卒になってしまった理由や、その考えが大きく変わったきっかけがわかりやすく、企業側に最初に伝える理由としては良いかと思います。

経済的安定という理由だけかという点については確実に質問されるので、相手を納得させる志望動機の準備も必要です。

例④挫折をどう乗り越えたのか

既卒の人は、新卒のときに「内定をもらえなかった」「満足のいく結果を出すことができなかった」などと、挫折経験がある人も多いと思います。選考では、「挫折経験はありますか?」と聞かれることもあるため、それについて新卒での就活の挫折を伝えることは効果的です

挫折の乗り越え方に、人柄が表れやすいです。既卒は人柄に懸念を持たれやすいと解説しましたが、「挫折経験をどう捉え、どう乗り越え、何を学んだのか」を明確に伝えることで、魅力的な人柄をアピールすることができますよ。

「挫折をどう乗り越えたのか」の質問に対する回答例

私の挫折経験は、新卒の就活です。もともとデベロッパーを志望しており、5社受けましたが、どれも通過できませんでした。ほかの業界を受けることもしていなかったため、持ち駒0になり、ショックを受けその後は就活をする気が起きず、既卒になりました。

その際の反省点としては、「憧れ」だけで受けており、深い企業研究をしたり、自分とのマッチ度を考えることができていなかったのだと考えています。そのため、現在は改めて自己分析をおこない、金融業界への適性があると感じ、企業研究も丹念におこなっています。

先日、金融業界の1社から内定をいただき、自分の考え方は間違っていなかったのだと感じました。この経験から、就活においては、企業と自身の相互理解を深めることが重要なのだと学びました。

社会人になってからも、対顧客業務などでは同じことが言えると考えるため、この学びを活かして御社に貢献したいです。

木村 千恵子

プロフィール

新卒での就活経験の学びをもとに内定を得た結果は説得力があって良いですね。注意したい点としては、受けている会社とは別の会社から内定をもらったことを伝える場合、あくまでも第一志望は、今受けている企業であることを明確に伝えることです。

挫折経験を聞かれた際の効果的な伝え方は、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
例文7選! 挫折経験をESや面接で魅力的にアピールする方法を伝授

例⑤在学中に力を入れた活動は何か

新卒でよく聞かれる質問として「学生時代に力を入れた活動はなんですか(ガクチカ)」がありますが、既卒も同様に聞かれることがあります。

「新卒の就活でガクチカを伝えて上手くいかなかったら、同じエピソードを伝えて良いのかわからない」と感じる人もいるかもしれませんが、伝える内容を工夫すれば問題ありません。

ガクチカで重要なのは、企業での再現性があるエピソードを伝えることです。たとえば営業職を受けるなら、営業職で必要な行動力や課題解決力を伝えると良いです。

「在学中に力を入れた活動は何か」の質問に対する回答例

私が在学中に力を入れたのは、50名規模のダンスサークルの活動です。初心者からダンスを始めたため、付いていくのが大変で、輪を乱さないようにするのが精一杯でした。

しかし、サークル以外にも、ダンススクールに通い個別に練習をしたり、自主練を週3回以上することで、実力をつけることができました。最後の卒業ステージでは、一部の振付を任せてもらい、サークル仲間からは「未経験者でも活躍できることを示すロールモデルになっている」と言われました。

OB・OG訪問をさせていただいた際に、〇〇様から「自社で活躍できるのはコツコツ努力できる人」と伺いました。ダンスサークルでコツコツと取り組み実力を付け、周囲にも信頼してもらえた経験を踏まえ、御社で活躍できるのではないかと考えています。

サークルの規模や活動内容、サークル外での努力などの具体性が盛り込まれており、その経験を活かせることまで伝えられていていいと思います。もう少し、他のメンバーとのかかわり合いを感じられるエピソードがあるとさらに良いでしょう。

学生時代力を入れたことの考え方は、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
例文13選|誰でも「刺さるガクチカ」が完成する4ステップを解説

既卒が就活を進める注意点

既卒が就活を進める注意点

  • 履歴書・職務経歴書の使い方に注意
  • ネガティブ発言に注意

既卒が就活を進める際に、ついやりがちな失敗があります。そこで、ここからは既卒が就活を進めるうえで絶対に気を付けたい注意点について解説します。

せっかくしっかりと準備をしても、ここで解説する注意ができていなかったことでネガティブな印象を持たれてしまうということのないように、しっかりと確認していきましょう。

履歴書・職務経歴書の使い方に注意

まず、学生時代から使っている履歴書を使用してしまう人がいますが、使い回しをしている印象を残してしまうため、新たに購入しましょう。コンビニエンスストアや書店、文具店、インターネットなどで購入できます。

また、履歴書の経歴欄で、卒業後の期間で取り組んでいたことも書きましょう。たとえばアルバイトであれば、「〇〇株式会社入社(アルバイト)」と書くと良いです。それだけでも十分ですが、業務内容を具体的に書くことで、よりイメージしやすくなり、スキルのアピールにもなります。

既卒の履歴書の経歴欄の例

また、中途採用で応募する場合、職務経歴書が必要になるケースがほとんどです。「正式な職務なんてない……」と、「特になし」などと書いてしまう人もいますが、それではせっかくのアピールの機会を逃してしまうこととなります。

既卒の場合は、履歴書同様アルバイトやインターンの経験をアピールしましょう。書き方は以下のイラストと例を参考にしてくださいね。

既卒の職務経歴書の書き方

既卒の職務経歴書の例

・職務要約
大学卒業後、〇〇株式会社のハンバーガーチェーン店△△△△・〇〇店にて、在学中から4年半アルバイトを経験しました。基本的には接客や調理、清掃をおこない、現在はアルバイトリーダーとして、ほかのアルバイトの教育もおこなっています。

・職務経歴
〇〇株式会社 2021年4月~現在
事業内容:飲食
資本金:〇〇百万円 売上高:〇〇百万円(2021年)従業員数:〇〇名 雇用形態:アルバイト

【職務内容】
期間
2019年4月~現在

業務内容
店舗運営のための以下業務をおこないました。
・開閉店作業
・接客対応
・調理
・電話対応
・清掃
・レジ精算

期間
2021年9月~現在
上記業務に加え、アルバイトリーダーとしてポジションが上がり、以下の業務もおこなっています。
・アルバイトの接客・調理トレーニング
・材料の発注や管理

・保有資格
普通自動車第一種運転免許(20XX年XX月)
簿記2級(20XX年XX月)

・自己PR
私の強みは相手の立場に立ったコミュニケーション力です。

特に接客では、顧客に「この店にまた行きたい」と思ってもらえるよう、温かい雰囲気づくりをするための雑談や、注文の品に合わせたおすすめセットなどを紹介するなど、丁寧な対応を心掛けました。

また、アルバイトリーダーとしても、個々のアルバイトに不安や疑問を解消できるよう、相手の立場に立って一つひとつ向き合うコミュニケーションをしてきました。

顧客からは「あなたに会うために来ている」と言われたり、社員からは「良い雰囲気づくりをしてくれてありがとう」と感謝いただいたこともあります。相手の立場に立ったコミュニケーション力で御社に貢献させていただきたいです。

・実績・成果
アルバイトリーダーとなってから、アルバイトのシフト管理をおこない、計画力が身につきました。

アルバイト経験を職務経歴書に書く方法は、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
アルバイト経験を職務経歴書に書く方法|すぐ書けるフォーマット付き

ネガティブ発言に注意

既卒であることに引け目を感じ、ついネガティブ発言をしてしまう人がいます。

特に「自己PRをしてください」と言われた際に、「他の人に比べれば大したことではないのかもしれませんが」などと消極的な発言をしてしまうことがあります。

また、長所を聞かれた際に「長所は慎重なところです。ただ、慎重すぎて新卒の就活は失敗してしまいました」などとマイナスな部分を伝えてしまう人もいます。

謙虚とも取れるかもしれませんが、アピールの場である就活に謙虚さは不要です。自信を持って伝えることでアピールの内容に説得力も出るため、「長所は慎重なところです。よく考えてから行動するため、リスクヘッジすることが得意です」などと、堂々と伝えましょう。

鈴木 洵市

プロフィール

既卒者の履歴書・職務経歴書の書き方のコツとしては、新卒者よりも転職に近い内容で書くことがポイントになります。「自分は就職したら企業でこれができる」という面を押し出して、活躍するイメージを持たせるよう作り上げるのがポイントです。

自己PRの考え方や伝え方は、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
例文12選|面接必勝の自己PRはエピソードが最重要!

既卒の就活は5箇条を徹底すれば大丈夫! 諦めずに進めて成功をつかもう

既卒の就活は不安に思う人もいるかもしれませんが、5箇条を徹底してネガティブな部分を払拭しつつ進めれば、自分に合う企業に出会うことができます。

つらいことも多いですが、適宜就活のプロに相談しながら進めて、諦めないことが大切です。一歩ずつ歩みを進めればいつか必ず成功すると信じ、5ステップで就活を進めていきましょう。

アドバイザーコメント

既卒は貴重な若手人材! 必要以上に引け目を感じる必要はない

新卒社員として入社できず、既卒となったことで就職に対して不安な気持ちを持つ人は少なくありません。業界や企業のこれまでの採用の慣習によって、新卒採用を重視する企業も確かにありますが、既卒だから不利というようなことはなくなってきています。

既卒としての強みの一つに、いつでも入社可能というものがあり、人手不足の企業や転職などによって人材の流動性が高い業界にとっては、既卒人材は第二新卒の若手人材と同じほど貴重な存在です。そのため、不安になるのではなく、ある程度の自信を持って就職活動に臨みましょう。

モチベーションを保つ工夫をして諦めず就活を進めよう

過度に厳しくないとはいえ、もちろん就職活動を継続的におこなっていかなければ、就職意欲が減ったり空白期間が伸びることによって、就職が遠ざかったりしてしまうという事態に陥ります。

新卒採用とは異なる期間での活動になることも少なくないので、気持ちを維持するのは難しいかもしれません。しかし、今一度、記事の内容を参考に自己分析をしっかりおこなって、定期的に企業に応募しながら活動の意欲を高めることを意識してみてください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了
全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-220824001-02942)
国家資格キャリアコンサルタント

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