Q
大学3年生
女性
「リース業界はやばい」と聞いたのですが理由が知りたいです。
就職活動でリース業界に興味を持っているのですが、この前リース業界のインターンシップに参加した先輩が「やばそうな所だった」と話していて、ネットでも「やめといたほうが良い」と言っている人もいたので、不安が大きくなってきてしまいました。
この「やばい」とは、将来性がない、営業が大変などといったことからきているのでしょうか? ネットにはさまざまな意見があって何が本当なのかわかりません。
なぜ「やばい」と言われるのか、その理由や実態について詳しく教えていただきたいです。リース業界の仕事内容や、働くうえでの大変な点、今後の展望について、専門的な視点からアドバイスをお願いいたします。
※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています
「やばい」には業界の構造が関係している! 裏側を理解しよう
リース業界が厳しいといわれる背景には、ビジネスモデルの変化と営業のプレッシャーがあります。
近年はモノ自体の価格が下がり、企業が購入しやすくなったことや、必要なときにだけ利用できる短期レンタルといった競合サービスが増えたことにより、従来のリース事業の収益性が低下傾向にあるのです。
顧客は法人が中心となり、決まれば金額は大きいものの、一件取るのが大変です。顧客獲得競争は非常に激しく、競合他社とのコンペになることも少なくありません。
厳しい一面もあるが専門性を磨けば活躍できる業界でもある
また、厳しい数字のノルマや、常に新規顧客を開拓し続けなければならないプレッシャーが常に大きいことも厳しいといわれる理由の一つです。この厳しさから離職率が高くなる企業も存在し、それが「やばい」といわれる理由でしょう。
この業界で活躍するためには、明確な志望動機に加え、簿記2級のような財務知識や、法人顧客と長期的な信頼関係を築く対人能力が不可欠です。これらのスキルを磨けば、十分に活躍の道は開けるでしょう。
景気に左右される業界! 営業担当の人柄勝負の一面も
「リース業界はやばい」という話を聞いて、不安になられているのですね。そのように言われる背景には、いくつかの業界特有の事情があると考えられます。
まず、リース業界は、企業の「設備投資」と密接に関連しているため、景気が悪化して企業が投資を控えると、リースの取り扱いが減少しやすいという、経済情勢に左右されやすい側面があるのです。
また、扱っているリース物件(商品)そのものでは他社と差別化を図るのが難しく、最終的には営業担当者の人間力や提案力といった「人」の力で勝負しなければならない厳しさがあります。これが「やばい」と言われる大変さの一因かもしれません。
コンサル能力を磨くことができるため成長の機会は多い業界である
しかし、この業界には大きなやりがいと将来性もあります。
単にモノを貸すだけでなく、顧客の資金繰りや経営課題全体を把握し、コンサルティング的な視点で最適な提案をおこなう高度なスキルが身に付くでしょう。また、物件の提供元(サプライヤー)と顧客との間に立って調整をおこなうため、交渉力も磨かれます。
節税対策の一環としても利用される仕組みであり、業界のニーズが簡単になくなることはないでしょう。ただし、差別化が難しい業界であるがゆえに企業の体力勝負になりやすく、業界再編(合併など)が起こりやすいのも事実です。
リースという金融知識に加え、経営的な視点も養える、チャレンジングな業界だととらえると良いでしょう。
リース業界に興味がある人は、次の記事もぜひ読んでみてください。リース業界のビジネスモデルや志望動機の作り方を解説しています。
こちらのQ&Aでも「リース業界はやめとけ」と言われているのは本当か? の質問にキャリアコンサルタントが回答しています。併せてチェックしてみてください。
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