この記事のまとめ
- リース業界はビジネスモデルが複雑なため深い理解が必須
- 国内市場が伸び悩んでいるからこそ市場動向を理解することが重要
- リース業界の志望動機例文7選を就活のプロのコメントと併せて紹介
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
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リース業界は学生にとってなじみがない業界の1つです。会社名を聞いたことはあっても、どのようなビジネスモデルなのか、どのような取り組みをしているのかわからない人が多いのではないでしょうか。
しかし、学生になじみのない業界だからこそ、深く理解すればほかの学生に差を付けられる業界でもあります。
この記事では、キャリアアドバイザーの加藤さん、桑田さん、遠藤さんとともに、リース業界の志望動機の作り方を解説します。リース業界のビジネスモデルや志望動機を作成する前に確認しておきたいポイントなどを、解説するため、ぜひ参考にしてください。
リース業界は日常的な接点が少ないからこそ業界理解で差をつけよう!
リース業界の志望動機を書く際は、まずはビジネスモデルをしっかり理解し、どのような会社があるのかを把握することが重要です。
この記事ではまず、リース業界のビジネスモデルやリース取引の種類について詳しく解説していきます。志望動機を作成する前に、リース業界の全体像を把握しましょう。
次に、リース業界の最新動向や志望動機を書く前に確認すべき要素を詳細に解説します。リース業界の全体像だけでなく実際に働いた際のイメージを具体的に持つことで、志望動機を考える際に役立ちます。
最後に、志望動機を作る手順や実際の例文も紹介しているため、リース業界が気になっている人は志望動機を作る際の参考にしてください。
志望動機を作る前に確認! リース業界の基本情報
志望動機を作る前に確認! リース業界の基本情報
- リース業界のビジネスモデル
- リース取引のおもな種類
- リース会社のおもな3分類
志望動機を作る前に、まずはリース業界の基本情報を理解しておきましょう。
ここからはリース業界を受けるのであれば必ず押さえていきたいビジネスモデルや取引の種類、3つの分類について解説します。リース業界の全体像を理解するためにも、しっかり目を通してくださいね。
リース業界を受ける際は、リースとレンタルの違いや、どうしてリース業界が社会に必要なのかなどの基本情報をしっかりと押さえたうえで受けるようにしましょう。
受ける業界の基本情報を知らないで応募するということは、ほかの例で表すと「運転免許を持ってないのに車を買った」と同じようなことなので、前提として押さえておいてくださいね。
まずはあなたが受けない方がいい職業がわかります
リース業界のビジネスモデル
リースとは、リース会社が購入したサービス・設備などを、企業や個人に長期的に貸し出すサービスのことです。そのためリース業界のビジネスモデルとしては、リース会社が顧客に設備を貸し出し、その分のリース料を受け取って利益を得るというものになります。利用者は、大きな初期投資を抑えつつ、必要なサービスを利用できる点がメリットです。
リースは、対象となる商品を使う顧客、その商品を作るメーカーや販売会社、リース会社の3者間でおこなわれ、メーカーや販売会社とリース会社は売買契約を、顧客とリース会社はリース契約をそれぞれ結びます。
リースとレンタルの違い
「モノを借りる」という点が共通しているため、リースとレンタルの違いがわからないという人もいるかもしれません。しかし両者のビジネスモデルには大きな違いがあります。
リース | レンタル | |
---|---|---|
対象物 | 購入したものを貸し出す | 会社で保有している商品を貸し出す |
契約期間 | 長期的 | 短期的 |
中途解約 | 原則不可能 | 可能 |
保守・修繕 | 借り主(顧客)で実施 | レンタル会社で実施 |
契約終了後の対応 | 返却or延長 | 返却 |
費用 | 貸出物の価格×リース料金 | 設定された料金 |
リースは、商品の使用権を得る一定期間契約であり、商品の所有権は顧客にあります。一方、レンタルは商品の使用権を一時的に得ることができますが、レンタル期間終了後は商品を返却しなくてはなりません。
そのほかにも保守・修繕や費用に関しても大きな違いがあるため、顧客はどちらが合っているかを見極めながらサービスの選択をします。
レンタル、サブスクリプション、リカーリング、カーシェアリングのようなシェアリングサービスなどがあります。実際にはこれらは明確に区別されずに使われる場合もありますのでよく調べて理解しておきましょう。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選びましょう!適性が低い仕事だと、就職前に思い描いていたイメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクも。
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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
リース取引のおもな種類
リース取引は、おもに以下の2つに分かれます。
リース取引のおもな種類
- ファイナンス・リース
- オペレーティング・リース
2つの取引内容の違いを理解することで、リース業界でどのように活躍できるかを志望動機でイメージしやすくなります。さらに、リース業界に入社した後は企業のニーズに合わせた最適なリース形態を選択することができます。
はじめは理解するのが難しいかもしれませんが、何度も読み返したり、志望企業のサイトを読んだりすることで理解が深まるため、ぜひ細部まで確認してください。
ファイナンス・リース
ファイナンス・リースとは
リース会社が機械や設備などを購入し、企業や個人に貸し出す取引のこと。
ファイナンス・リース取引は、リース会社が購入したサービス料金とリース取引にかかる費用を、利用者がほとんどすべてリース料として回収できる仕組みです。ファイナンスリースは契約途中での解約が禁止されているだけでなく、故障や破損などの責任も、利用者が負担することになります。
一般的に「リース」は「ファイナンスリース」のことを指すため、リース取引の種類が無ければファイナンスリースのことだと理解しておくと良いでしょう。
ファイナンスリースは下記の2種類に分かれており、契約終了後の所有権が変わります。
ファイナンス・リースの種類
- 所有権移転ファイナンスリース:契約終了後、資産が借手のものになる
- 所有権移転外ファイナンスリース:契約終了後も、資産を返却する必要がある
オペレーティング・リース
オペレーティング・リース
オペレーティングリースとは、リース契約期間終了後の商品の残存価値(法定耐用年数が過ぎた後に残る資産価値)を差し引いて、リース料を決定する取引。
オペレーティング・リース取引は、ファイナンス・リース取引以外のリース取引のことを指し、使用後でも資産価値が見込める場合にのみ契約が成立します。
顧客側からすると、故障した際の費用の支払がなく、途中解約もできるのがメリットと言えるでしょう。また、ファイナンス・リースよりもリース料が抑えられる特徴があります。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
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リース会社のおもな3分類
リース会社のおもな3分類
- 独立系リース
- 銀行系リース
- 商社・金融系リース
リース会社はおもに3つに分類されます。同じリース会社でも特徴がまったく異なるため、違いを確認しておきましょう。特徴がわかりやすいように、それぞれの代表企業とともに解説します。自身が志望する企業がどこに当てはまるのかも考えながら読み進めてくださいね。
①独立系リース
独立系リースとは、銀行や商社とは関係性がなく、リース業をメイン事業としている企業のことです。独立系リース会社は自己資本を中心に事業を展開しており、自由度が高いサービスを展開しています。
独立系リースの代表企業としてオリックスが挙げられます。現在は世界30ヵ国で事業展開をしており、オリックス銀行やオリックス生命など、多角的な金融サービスを提供しています。昨今は農業や発電事業も手掛けており、金融事業だけでなく、事業投資部門の売上が伸びているのも特徴です。
②銀行系リース
銀行系リースは、銀行が親会社であるリース会社のことを指します。銀行系リースは、銀行が保有する豊富な資金力と信用力があるため、大型なリース契約にも対応可能です。たとえば、MRIや超音波診断装置などの医療機器や、産業用ロボットや印刷製本機械などの産業機械などがあります。
銀行系リースの代表企業に三菱HCキャピタルなどが挙げられます。三菱HCキャピタルは、三菱UFJリースと日立キャピタルが2021年4月に合併してできた会社であり、資金調達力や金融サービスに関する豊富な知識を持つのが強みとされています。
- 銀行系ということは、金融商材がメインになるのでしょうか?
銀行系だからといって金融商材がメインになるわけではない
銀行系リース会社とは、親会社が銀行であるリース会社のことです。そのため、取り扱う商材が金融商材がメインになるわけではありません。
リース会社は、顧客の代わりに対象物を購入し、顧客に貸し出します。したがって、親会社が銀行ということは、豊富な資金力を活用し、大型の対象物も購入しやすいというメリットもあります。
③商社・金融系リース
商社・金融系リースは、総合商社や総合商社に関連する旧財閥系の企業や銀行が共同出資してできたリース会社のことを指します。
商社が持つ多様な業界とのコネクションや、金融機関の豊富な資金力を活用することで、大規模なリース案件の取り扱いが可能となります。たとえば、航空機や船舶などの輸送・荷役関連機器や、ブルドーザやトラッククレーンなどの土木建設機械などです。
商社・金融系リースの代表企業として、東京センチュリーなどが挙げられます。東京センチュリーは、「東京センチュリーグループは、高い専門性と独自性を持つ金融・サービス企業として、事業の成長に挑戦するお客さまとともに、環境に配慮した循環型経済社会の実現に貢献します。」を経営理念とし、企業の中長期的な成長に貢献しています。
総合商社に興味がある人は以下の記事を参考にしてみてください。仕事内容から7大商社との違いまで詳しく解説しています。
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アドバイザーコメント
桒田 里絵
プロフィールを見るなぜリース業界を目指すのか深掘りして考えよう
学生になじみがない業界だからこそ、なぜこの業界に興味を持ったのか、さらに業界の中でもどういう特徴を持つ企業を目指したいのかを明確にすべきです。
経営状況の安定、雇用条件や福利厚生の良さなど、自身が働きやすそうという理由で志望したとすると、志望動機の作成には苦労するでしょう。その際は、このような優良企業はほかにもたくさんあるにもかかわらず、わざわざリース業界を目指す理由を自問自答し、他人が聞いても納得できる内容にまとめておくことが必要です。
変化し続けるリース業界でどう貢献していきたいのかを考えよう
リース業界を取り巻く状況は近年大きく変化しています。従来からリースが担ってきた顧客の経済的な課題に貢献する役割に加え、循環型社会に寄与するという社会的役割が増えつつあるからです。それにともない、これまで利用しなかった業種がリースを使うようになったり、異業種からリース業界への参入が増えたりといった現象が起きています。
単にモノを貸す会社という存在から、環境ビジネスの先頭を切る可能性もあるこの業界の魅力を自分なりに整理し、将来の展開にどう貢献したいかにポイントを見いだすと良いでしょう。
知っておくだけで差がつく! リース業界の最新動向
現在リース業界は、国内市場の売上が伸び悩むという課題に直面しています。そのため、海外進出する企業が増加しています。
まずは、リース業界がさらなる進化を遂げようとしていることを理解したうえで、入社後どのように活躍できるかを想像しましょう。そのイメージを志望動機に盛り込むことで、他の学生と差がつくはずです。
国内市場の売上は伸び悩んでいる
リース業界は、国内経済の停滞により国内市場の売上が伸び悩んでいます。公益社団法⼈リース事業協会のリース統計 (2022年度)によると、2022年度のリース取扱⾼は4兆3,106億円と、前年度より2.2%増加しましたが、長期的に見るとリース取扱⾼は下がっています。
国内においてリース業界における需要が頭打ちになっており、今後は競合他社同士での競争が激化すると予想されています。このように、売上が伸び悩む状況を打破するためには、新たなビジネスモデルの開発や海外市場への進出など、業界全体の取り組みが求められます。
海外進出する企業が増加
国内市場の売上が伸び悩んでいる中、リース業界が注力しているのが海外での事業展開です。東アジアを中心に、海外企業を買収をおこない、海外事業による売上を拡大させています。
実際に、三井住友ファイナンス&リースが米国や欧州、中国などの8ヵ国に拠点を広げています。リース業界にはないノウハウを持つ企業と組むことで、新たなビジネスモデルの展開や、現地の経済発展への貢献など、リース業界の可能性をさらに広げていくこととなるでしょう。
他業界への展開が拡大
リース業界はこれまでメインとしていた業界だけでなく、他業界へと展開していくことが考えられています。これまでは、不動産や航空機、エンジン、発電所の開発・運営など、多くの領域にリース取引を導入してきました。
具体的には、オリックスが2018年にNTI Connect,LLCを買収し、メンテナンスリースや法人金融、事業投資などに事業を展開しています。このように、他業界への展開が拡大することが、リース業界の新たなビジネスチャンスにつながるでしょう。
リース業界の新たなビジネス
- 法人金融
- 環境エネルギー
- 銀行・クレジット
- 不動産
- 輸送機器
リース会社も大きく分けて3分類あり、それぞれの強みや特徴は違いますが、シナジー効果(協力することで高い効果を得られる分野に、M&Aも含め今後展開していくでしょう。
サーキュラー・エコノミーが拡大
循環型社会を実現させるためにリース業界は必要不可欠な存在となっていますが、その中でも「サーキュラー・エコノミー」が重要視されています。
循環型社会とは
大量生産・大量消費・大量廃棄型から脱却し、環境への負荷をできる限り減らした社会のこと
サーキュラー・エコノミーとは
これまで不要とされていた製品を処分するのではなく、資源として有効活用すること
サーキュラー・エコノミーを拡大することで、廃棄物を減らすとともに、製造で発生する二酸化炭素やエネルギーの削減を実現することができます。さらに、シェアやレンタルなどの新たなサービス展開にも繋がる可能性があるため、リサイクルよりも注目されています。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る企業のニーズに応えるリース業界は今後も需要が見込まれる
設備投資として自社で工場、機械、車両などを購入してきた企業には、技術の発展するスピードの速さや世の中の変化に対応するために、できるだけ機動的に経営したいというニーズがあります。
リース業界はそういった企業のニーズに応えるビジネスモデルを基本にしており、今後も需要は続くと考えられます。
それに加えて、脱炭素などの環境関連、不動産や船舶、航空機など特別な商材やニーズに応えるビジネスも展開しています。
今後はコンサルティングなどの新しい分野へ事業を広げていく可能性も
今後は、顧客企業のさまざまなニーズや悩みに対してコンサルティングをおこないながら、最適なモノとお金の活かし方を提案していくことで、さらに事業の幅を広げることを各社が目指しています。
リース業界はサービスを売り切っておしまいではなく、顧客企業と長く深い付き合いを築いてきた実績があります。これまで扱ってきた商材や取引のあった業界とのかかわりも大切に守りながら、新しい分野に事業を広げていく可能性を探ることができる、面白い業界だと思います。
リース業界の志望動機を書く前に確認しておきたい3大要素
リース業界の志望動機を書く前に確認しておきたい3大要素
リース業界のビジネスモデルが理解できたところで、実際にどのような働き方ができるのかを把握しましょう。リース業界には4つの職種があり、職種によって業務範囲が大きく異なります。
リース業界の働き方を知ることで、入社後リース業界でどのように貢献したいのかが見えてくるでしょう。ほかの学生と差をつけるためにも、リース業界で働くイメージを志望動機に盛り込んでください。
①どんな職種でリース業界に貢献したいのか
リース業界には多様な職種があり、当然ですが職種ごとに仕事内容は大きく異なります。まずはリース業界の職種を理解し、入社後にはどのように貢献したいのかを明確にすることが重要です。
リース業界のおもな職種
- 営業
- 審査・法務
- 資産管理
志望動機に活かすためにも、リース業界のおもな職種を詳しく紹介します。
営業
営業は、リース業界の中核を担う重要なポジションであり、顧客との長期的な関係性を築く役割を担います。顧客は法人と個人どちらも存在し、それぞれに合わせた手法で提案する必要があります。
リース業界の営業には、主体的に課題解決をおこなうスキルと、顧客のニーズをスムーズに汲み取るヒアリング力が必要です。また、海外の企業や多くの業界とかかわる機会があるため、幅広い知識を身に付けられるのも特徴です。
リース会社へ入社後は、リース業界全体の知識を付けるために営業職として入社することがほとんどです。専門的な知識が必要な場面もありますが、リース業界で活躍するための土台となる知識が学べる仕事といえます。
リース会社は、顧客が必要な商材や設備をリース会社が購入し、長期間に渡り顧客に貸し出します。そのため、その商材や設備がなければ顧客は困るということです。
リース業界の営業職としての魅力の一つとして、業務を通じて顧客に長期的に貢献できることが挙げられるでしょう。
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審査・法務
審査・法務は、リース契約を締結する前に顧客の信用情報を評価し、支払遅延や支払い不能などのリスクを把握するための仕事です。審査の精度が不十分である場合、会社に大きな損失を与える可能性があるため、非常に重要な役割を担います。
また、契約内容の法的な適合性を確認し、正確な契約書作成や、問題が発生した際の対応も業務の一つです。企業の財務状況を的確に分析し判断する力など、高度なスキルが求められる職種です。
- 審査・法務の仕事に興味があるのですが、新卒でも就けるのでしょうか?
努力を積み重ねられる人であれば新卒でも不可能ではない
各企業の方針にもよると思いますが、不可能ではないでしょう。ただし、非常に責任が重く、専門知識を駆使する職務なので、学生時代に学んだ内容だけでは仕事になりません。
実務経験を積み重ねると同時に新しい知識の幅も広げる必要があるうえに、プライベートな時間に勉強する必要も出てくるかもしれません。
重圧もあるとは思いますが、学びが成果に直結する仕事でもあります。努力することに面白さを感じることができる人なら、十分期待できるのではないでしょうか。達成感や充実感も得られる魅力ある仕事だと思います。
資産管理
資産管理のおもな業務は、会社全体の資産を管理する仕事です。リース会社の資産となるリース物件や設備の価値を維持しながら、運用をおこない利益を上げています。
具体的には、リース契約が終了した後の製品の処理や、再利用するかの判断もおこないます。リース製品を適切に管理し、効率的に使用することが、資源の無駄遣いを防ぐことにつながります。
資産管理の判断により会社の状況が変わることがあるため、製品知識はもちろん、環境問題や資産に対する深い理解が求められます。審査・法務と同じように高度なスキルが求められるといえるでしょう。
経理
リース業界の経理は、給与や経費の計算をおこなうのはもちろん、リース契約における税務処理もおこないます。さらに、契約書の作成を担うこともあり、ほかの業界の経理職と比べて仕事の範囲が広いことも特徴です。
このように、経理はリース契約における税務処理全般を担当することになるため、事務処理能力だけでなく会計や経営、金融などの多角的な知識が求められます。また、今後はグローバルに展開していくため、海外の会計基準や税制についての知識も重要になるでしょう。
そもそも新卒で経理に就ける人は多くありません。新卒で経理職に就きたい人は、以下の記事を確認してください。
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学生の中には経理の仕事を志望する人も多いでしょう。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、会社のお金を管理する経理の具体的な仕事内容や経理職に必要なスキルなどについて解説します。経理職に新卒で就くために具体的なビジョンを描きましょう。
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②リース業界の働き方に自分が向いているのか
リース業界のおもな働き方
- 専門的な知識や経験が求められる傾向にある
- やり取りをする顧客によって残業時間が多くなることもある
- 海外企業も含めて多くの業界にかかわれる
リース業界は残業がなく、働きやすい環境が整っていると思う人もいるかもしれません。しかし、顧客との信頼関係を重要とするリース業界において、ワークライフバランスを取りにくい場合もあります。
リース業界の働き方を理解していないまま志望動機を書いてしまうと、採用担当者から「働き方を誤解している」と思われてしまう可能性があるだけでなく、入社後にミスマッチが生じてしまう可能性があります。そのため、志望動機を書く前に、リース業界の働き方が自分に合っているのかをしっかり確認しましょう。
専門的な知識や経験が求められる傾向にある
リース業界は、資産価値の評価やリスク管理、契約交渉などの専門的な知識が求められます。また、法規制の変動に対応した情報提供も重要な役割のひとつです。
さらに、リース会社は多くの業界にビジネスを展開しているため、幅広い知識が求められます。そのため、常に業界に対する知識を磨き、顧客との信頼関係を築く必要があります。
業界の動向はどんどん変わるため、常に最新の情報をキャッチアップできる人が向いているでしょう。
- 現段階で専門的な知識がなくても大丈夫でしょうか?
専門的な知識は必須ではないが身に付けていたほうが有利ではある
現段階で法務や税務の専門的な知識がなくても大丈夫ですが、基本的な法律の知識や考え方、簿記の知識などを身に付けているほうが、なぜ専門業務に興味があるのか説得力を持って伝えることができるうえに、スムーズに業務になじむことができます。
大学の授業やゼミの学びの中で、興味を持って一生懸命勉強したということが伝えられると良いですね。
やり取りをする顧客によって残業時間が多くなることもある
リース業界では、大型案件や複雑な契約を結ぶ際、契約内容を細部まで確認し、顧客のニーズに応じた提案をおこなう必要があります。複雑な事務処理や顧客対応などで、この一連のやり取りには多くの時間がかかることもあります。
しかし、顧客と円滑に契約を結ぶためには信頼関係が必要不可欠のため、時間外の勤務が発生したとしても、顧客を優先に仕事をしなくてはならないケースもあるでしょう。
そのため、やりとりをする顧客によっては残業時間が多くなってしまうことも考えられます。リース業界の残業時間が少ないと考えている人は、ある程度残業が発生することも理解しておきましょう。
リース業界の残業時間は少ないとはいえないかもしれません。
しかし重要なのは残業の多寡ではなく、残業の結果が何につながるかではないでしょうか。リースには顧客の信頼が最も大切であり、信頼は誠意のこもった対応に返ってきます。それを感じられる充実感はほかでは得がたいものでしょう。
海外企業も含めて多くの業界にかかわれる
リース業界は国内市場の売上が伸び悩んでいるため、海外企業とのM&Aが活発化しています。その結果、東南アジアを中心とした海外企業やさまざまな業界とのかかわりを持つことになりました。
海外企業とのやり取りをする際は、海外事業の知識だけでなく、語学力が求められる場合もあります。また、多くの業界と関わることで、様々なビジネスモデルを知ることができるのが特徴です。
リース業界はさまざまな業界との取引を通じてあらゆる知識を身に付けられる一方、常に市場の最新動向をいち早くキャッチアップする必要があります。常に知識をアップデートできる人や、学ぶのが好きな人には向いていますが、学習する意欲がない人には向いていないかもしれません。
以下の記事では、海外に行ける仕事を紹介しています。海外で働きたい人は以下の記事を確認してください。
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海外に行ける仕事29選! 就職の可能性を高める秘訣も公開
海外に行ける仕事は多くあります。海外でしたいことを明確にし、納得のキャリアをつかみましょう。キャリアコンサルタントと、海外に行ける仕事を紹介し、また海外に行ける仕事に就く方法を解説するので、ぜひ参考にしてください。
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③業界の特徴や仕事内容を具体的に理解できているか
リース業界は学生がかかわる機会が少ないだけでなく、ビジネスモデルが複雑であるため、仕事内容を理解するのには時間がかかります。
しかし、見方を変えれば、リース業界の仕事内容をしっかり理解しているだけでほかの学生と差がつくということです。リース業界に入社を考えている人は、業界の特徴や仕事内容を具体的に理解することから始めましょう。
リース業界における理解が甘いと思った人は、もう一度リース業界のビジネスモデルや仕事内容を復習してください。
顧客と長期的に信頼関係を築く必要がある
顧客との長期的な信頼関係を築くためには、顧客のニーズを深く理解し、それに対応したサービスを迅速に提供する必要があります。さらに顧客の要望に応えるためには、適切なヒアリング力と課題解決力も求められます。
リース契約は会社の経営に大きな影響を与えるため、誰から見ても信頼できる会社でなければなりません。そのために顧客との長期的な信頼関係を築き、顧客に役立つ情報を提案することが求められます。
企業の創業や新規事業をサポートする役割がある
リース業界は、大きな費用がかかる設備・機材をリースできるため、企業の新規事業の立ち上げをサポートする役割があります。リースを利用する企業は初期投資を抑えることができるため、スムーズにビジネスを創出できるのです。
リース業界は既存の事業をサポートするのはもちろん、新たなビジネスの立ち上げにもかかわれるため、他社ではかかわれないようなフェーズから事業サポートができるという大きなやりがいを感じられるでしょう。
リース会社の創業サポートは、例えばOA機器や機械装置などがイメージしやすいでしょう。リース業界でも銀行や信用金庫などからの融資と同じように、事業実績のない企業との取引では信用調査が難しいという側面があることも覚えておいてくださいね。
主体的に課題解決する姿勢が求められる
リース業界は、多様な業界の顧客ニーズを捉え、最適なサービスを提供する役割を担うため、各社の課題を理解し、適切な解決策を見つけ出す力が必要とされます。
特に創業や新規事業のサポートなど、企業の成長をダイレクトに支える役割を果たす場合は、一方的な提案ではなく、顧客の立場に立って課題を解決しなくてはなりません。
このような課題解決にはヒアリング力はもちろん、専門知識も重要です。不明点があれば上司を巻き込むなど、主体的に課題解決する力が求められます。
顧客のニーズをスムーズに汲み取るヒアリング力が必要
リース業界は、顧客のビジネスモデルや業績に合わせたサービスを提案する必要があるため、顧客のニーズをスムーズにくみ取るヒアリング力が欠かせません。
ヒアリング内容の認識が顧客とズレていたり、業界理解が浅かったりすると、迅速に顧客のニーズを満たすことはできないため、正確かつ最新の情報を常にヒアリングすることが求められます。
適切な情報収集をおこなうためにも、顧客との継続的なコミュニケーションを大切にし、常に情報提供してもらえる関係性作りが重要です。
アドバイザーコメント
加藤 賀子
プロフィールを見るリース業界で活躍するためにはスキルを身に付けられる土台が必要
前述の通りリース会社で活躍していくには、顧客の課題を深い部分まで引き出すヒアリング力・経営視点も取り入れた提案力・国内外の社会動向の把握・業界の知識・信頼して頂ける人間性や身なりなど、プロフェッショナルなビジネスパーソンとしての素養やスキルが必要です。
しかし、初めから完璧に必要な素養やスキルを身に付けている人は少ないでしょう。そのため、業務を遂行しながら必要なスキルを身に付けていくためにも、人の役に立つことが好きな人や困ってる人の助けになりたい人、他人のことを自分事のように考えられる人、知見や知識を増やして起業や経営に携わる役職を目指している人などが適していると考えます。
リース業界の仕事は大変ながらもやりがいのある仕事
適性が当てはまっている部分がある人は、大変ながらもやりがいを持って仕事に取り組んでいけば、必要なスキルを身に付けられるでしょう。
顧客との関係性もしっかりと構築し、自分と顧客と会社のためにさまざまなことにチャレンジしていける可能性も高いので、ぜひ挑戦してみてください。
リース業界の志望動機を作る手順を解説!
リース業界の志望動機を作る手順
リース業界は学生になじみのない業界です。だからこそ、リース業界を志望する理由をしっかり考えると、ほかの学生との差がつきます。
ここからは、リース業界の志望動機を作る手順を解説します。流れに沿って作成すれば、だれでも簡単に魅力的な志望動機が作成できるので、ぜひ参考にしてみてください。つまづく部分があれば、該当箇所に戻って理解を深めましょう。
①日常的にあまりなじみのないリース業界をなぜ志望するのかを明確にする
リース業界の志望理由で企業が重要視しているのは、リース業界との接点が薄くなじみがない学生が、なぜリース業界を志望するのかということです。そのため、質問の直接的な答えとして「リース業界を志望する理由」を最初に伝えるようにしましょう。
リース業界の魅力としては、幅広く専門的な知識を習得できることや新規事業のサポートができることなどが挙げられます。さらに、今後海外進出を拡大していく傾向にあるため、海外での事業展開に興味がある人は志望理由として伝えるのも良いでしょう。
リース業界の魅力の中でも、自分の経験が生かせそうな仕事内容を見つけ、志望動機につなげてみてください。
②各社新しい取り組みをする中でなぜその企業なのかを明確にする
リース業界にはさまざまな会社がありますが、その中でも「なぜその企業なのか」を明確にすることが重要です。
ほかの企業でも同じことが言える志望理由の場合、「うちの企業でなくてもい良いのでは?」と懸念されてしまう可能性があるため、ほかの企業との違いをしっかり理解しておきましょう。
また、現在リース業界各社が新しい取り組みをしている中で、なぜその企業でないといけないのかを言語化できるように準備しておくのが成功のカギです。リース業界の新しい取り組みとしては、海外進出やサーキュラー・エコノミーへの取り組みなどが挙げられます。
各社が同じような取り組みをしている中でも、その会社独自の取り組みがあれば、ピックアップして志望動機に盛り込むこともおすすめです。
また、今後の取り組みだけでなく企業理念や会社の風土も、その企業でならない理由につながります。さらに、その企業でなくてはならない理由を明確にしたら、根拠となるエピソードを交えて伝えるよう心掛けてください。根拠を伝えると志望理由に説得力が増しますよ。
独立系、銀行系といった特徴に加え、各企業の事業分野を調べ、得意分野や注力分野に着目してみましょう。経営統合の歴史がある企業は、沿革も調べてみると、どのように事業を広げてきたかがわかります。
③今後の動向を踏まえてどのように貢献したいのかをアピールする
最後に、今後の動向を踏まえて入社後どのように活躍したいかをアピールすることで、実際に働いている姿をイメージしてもらうことができます。
リース業界は今後、海外進出やサーキュラー・エコノミーの拡大に注力していく傾向にあります。このような市場動向も踏まえて、「海外で即戦力として働きたい」「循環型社会を実現し、環境への負担をできる限り低減させたい」など、前向きに活躍している姿をアピールしましょう。
市場動向を理解したうえで会社に貢献できることを伝えると、入社後に活躍する姿がよりいっそう伝わりやすくなります。具体的な貢献方法をアピールしたい人は、各企業のホームページから、力を入れて取り組む事業を隈なく確認しましょう。
志望動機の書き方の流れを詳しく知りたい人は、以下の記事を確認してください。
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例文9選|志望動機で企業理念への共感を伝えて唸らせる4ステップ
志望動機に企業理念を盛り込むときは、差別化と具体性が必須です。企業理念の志望動機のメリット・デメリットを理解しつつ、高評価を得られる志望動機を作成しましょう。この記事では、企業理念の志望動機で差別化する方法や具体性を盛り込むコツ、避けるべき注意点を、キャリアコンサルタントと解説します。すぐに使える例文も紹介していますよ。
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似た理由を参考にしよう! リース業界の志望動機の例文7選
似た理由を参考にしよう! リース業界の志望動機の例文7選
ここからは、リース業界の志望動機の例文を紹介します。リース業界のやりがい別・志望する企業の系統別に分けて紹介しているため、自身の志望理由に近い例文を参考にしてください。
どうしても自分で志望動機が考えられない人は、この例文を参考に、ご自身の経験やエピソードを肉付けしてみてくださいね。
リース業界のやりがい別の志望動機例文4選
ここからは、リース業界のやりがい別の志望動機の例文を紹介するため、自身がリース会社で感じられるやりがいと照らし合わせてください。
やりがいを志望動機に入れ込む場合は、志望企業に入社した後どのように活躍したいかを具体的に表現することで、採用担当者に熱意が伝わるので意識してみましょう。
例文①長期的に顧客と関係を築く仕事をしてみたい
例文①長期的に顧客と関係を築く仕事をしてみたい
私が貴社を志望するのは、既存顧客を大切にし、誠実な対応をしている姿勢に惹かれたからです。具体的には、事業領域を広げたり、海外進出をしたりと、新しい取り組みに力を入れている中でも、既存顧客に対しても常に対応の丁寧さを磨いている姿勢に魅力を感じました。
私は、大学のボランティア活動で地域の高齢者向けにパソコン教室を開催しました。最初はまったくパソコンの知識がない方もいらっしゃいましたが、みなさんのペースに合わせて丁寧に進めることで、最終的にはメールのやり取りやチャットアプリの使用までできるようになりました。
この経験から、相手の立場を理解し、そしてお互いを尊重することで信頼関係が生まれるのだと気が付きました。顧客との関係も同様であり、常に顧客のニーズを理解し、適切なサポートをすることが重要です。
貴社に入社したら、さまざまな業界の顧客と信頼関係を築き、気持ちよく仕事をできる関係性を継続したいです。
「長期的に」という点がポイントです。長く関係を続けるためには顧客の業績が安定して伸びていく必要があります。顧客の事業展開にまで踏み込んだ関係性を築けるよう、より深い信頼への発展も考慮してみてください。
例文②幅広い業界の企業と仕事がしてみたい
例文②幅広い業界の企業と仕事がしてみたい
幅広い業界と契約を交わしている貴社に惹かれ、志望いたしました。貴社は、リース業界のリーディングカンパニーとして確固たる地位を築いており、多岐にわたる企業や業種との取引実績があります。
私は、大学3年生のときさまざまな大学・人種の学生が集まる国際交流イベントの運営で、コーディネーターを担当しました。参加者一人ひとりの文化やバックグラウンドが異なることを理解し、それをイベントの強みとして押し出すことができたため、参加者が先入観を持たず、より多くの人との接点を持つ機会を作り出せたと考えています。
この経験から、異なる価値観を持っている人々を理解することは、自分自身の成長にもつながると気が付きました。さまざまな業界の企業とかかわっている貴社であれば、若手のうちから多様なニーズに対応する経験を積むことができる点にも魅力を感じています。
入社後はイベント運営を通して身に付けた相手を理解し良さを引き出せる力を活かして企業の実績に貢献したいと考えています。
さまざまな業界と関わり経験を積むことが自分の成長につながる、さまざまな相手の良さを引き出す力を活かすという展開ですね。
自分の強みがBtoBのビジネスの中でどのように活かせ、企業に貢献できるかを加えると良くなります。
例文③グローバルな仕事がしてみたい
例文③グローバルな仕事がしてみたい
私が貴社を志望する理由は、どの企業よりも海外展開に注力しており、多くの海外拠点で活躍されている点に惹かれたからです。
私は高校生の頃、進路について深く考え過ぎてしまうあまり、人と比べて落ち込んでしまうことがありました。そこで異文化に触れ新しい価値観を培いたいという好奇心から、台湾へ留学しました。
留学前から語学の勉強はしていましたが、現地の方とコミュニケーションを取ることでより言語力が磨かれました。そして何よりも現地の方の価値観に触れることが楽しく、最初は少し戸惑いましたが、その価値観が形成された文化や環境の違いを知ることで視野が広がった感覚も得られました。
リース業界は顧客と長期的な関係を結ぶことが前提となる仕事なので、海外の顧客の考え方やこだわりを理解したうえでより良い提案をしていく必要があります。
貴社に入社したら、貴社のサービスをより多くの方にお届けできるよう、語学力や広い視野で物事を考えられる力を活かしながら貴社の成長に貢献したいと考えています。
単に国内だけでなく、海外も含めたグローバルな仕事に就きたいという内容にならないようにしましょう。リース業界が海外に展開している理由は各社それぞれにあります。そのポイントをしっかりと理解したうえで作成していきましょう。
例文④専門知識を磨けるような業務がしたい
例文④専門知識を磨けるような業務がしたい
リース業界において確かな実績を持ち、常に革新的なサービスを提供している姿勢に魅力を感じ、貴社を志望しました。特に、貴社の「事業の領域拡大と新たな価値創造に挑戦し、循環型社会の実現に貢献する」というミッションに共感しました。
私は大学時代に経済学の授業で、循環型経済をテーマにグループワークをおこない、地域の資源を最適に活用し、経済成長と環境保護を両立させる戦略を模索しました。
具体的には、地域の企業や自治体と協力し、リースを活用した資産の再利用プログラムを提案しました。リースの利便性については授業で学んでいたつもりでしたが、実際に戦略に落とし込むとなると理解度がまるで足りず、万全に準備をして提案しても結果としては穴の多い提案となってしまいました。結果としては振るいませんでしたが、この経験からリース業界の奥深さに興味を持つようになりました。
元々、将来働くなら学び続けられるような仕事が良いと思っていたので、リース業界のような専門的な知識を学ぶことで企業の課題解決や企業の成長につながる仕事は、モチベーションを維持できるという観点で自分に合っていると感じています。そのうえ貴社は、年次に関係なくチャンスを与えられる社風であると伺ったので、この点も魅力に感じています。
貴社に入社したら、より多くの業界や企業の専門知識を学び、支援できる企業を増やしていきたいです。
大学時代に模索した戦略から、リース業界に興味を持ったとしていますが、当時不発だったならこれを諦めずに突き詰めてみたいとしても良いのではと感じました。
後半は自身の成長やチャンスに論点が移ってしまっているので、学生時代の経験を掘り下げた志望動機も考えてみても良いかもしれません。
志望する企業の系統別の志望動機3選
ここからは、志望企業の系統別に志望動機を紹介します。一口にリース会社といっても各社色が違うため、志望企業がどのような特徴なのかを把握することが重要です。
もし志望動機の例文を見てもリース業界の系統が理解しきれていない人は、再度詳しく業界研究をおこなってみると、その企業だけの価値が見えてくるでしょう。
例文⑤独立系リースへの志望動機
例文⑤独立系リースへの志望動機
私が貴社を志望する理由は、顧客に寄り添ったリースサービスの提供や、多様な業種・業界にサービスを提供している点に魅力を感じたためです。
貴社は、ほかのリース企業と比較して事業領域が広く、どんな業界にでも接点を持てる商材が揃っており、より多くの方のニーズに応えることができます。そのため、国内市場の売上が伸び悩む中、貴社の売上は伸び続けています。
私は大学3年生の時、Webマーケティングのインターンシップに参加し、さまざまな業界の顧客とかかわる機会をいただきました。業界や企業ごとに抱える課題や悩みは大きく異なっており、各社の悩みに対応するためのヒアリング能力や課題解決能力が鍛えられました。
貴社に入社したら、このような経験を活かし、さまざまな企業が抱える課題を丁寧にヒアリングし、適切な提案をすることで企業の成長に貢献したいと考えています。
独立系リースの志望動機でよくあるのは、「さまざまな業界とかかわれる」という表現です。かかわれることが自分にとってどのように魅力的なのか、経験をどのように活かしていきたいのかを具体的にイメージして書くようにしましょう。
例文⑥銀行系リースへの志望動機
例文⑥銀行系リースへの志望動機
長い歴史と企業の信頼性、資金調達力などによってリース業界で確かな実績を上げ続けている点に魅力を感じ、貴社を志望しました。
私は大学のボランティアサークルに所属しており、地域の子ども向けのイベントを開催したり、地域を活性化させるための企画をしたりと、たくさんの人達とかかわってきました。4年間サークルを続けていたため、地域の方々との長期的な信頼関係を築くことができ、より多くの人を巻き込んだイベントを開催することにも成功しました。
その結果、地域の人同士のつながりも強化し、新たな地域イベントも誕生しました。私はこの経験から、信頼関係を築くには長い時間と真摯に向き合う姿勢が必要なのだと感じました。
貴社も大手銀行の信頼性があるにもかかわらず、そこだけに頼らずに真摯に顧客と向き合い、長期的なサポートや新規事業の支援に注力されています。説明会の際のお話も丁寧で、顧客対応の徹底ぶりが感じられました。
貴社に入社したら、貴社の長い歴史に恥じぬような成果を出し、貴社にも多くの企業にも貢献したいと考えています。
どうして銀行系のリース会社を志望しているかということと、銀行系のリース業界の特徴を踏まえて志望動機を書くということがポイントです。
たとえば銀行系のリース業界の特徴として、銀行法の制約を回避しながら銀行の傘下というメリットを活かしていたり、顧客基盤の強さや資金調達の安定性などがあります。このような特徴と絡ませたうえで作成をしていきましょう。
例文⑦商社・金融系リースへの志望動機
例文⑦商社・金融系リースへの志望動機
柔軟な事業展開により顧客満足度が高いのはもちろん、事業投資や事業融資をおこなっている点に惹かれ、貴社を志望しました。貴社の強みはなんといってもスピード感だと考えています。OB・OG訪問でも先輩方にお話をうかがいましたが、新しい事業への取り組みを決断してからの早さは、競合他社と比較して最も優れていると感じています。
私は大学時代、所属しているゼミでホテル業界の集客についての改善策を考え、実行する課題に取り組みました。まずは市場調査や顧客へのインタビューを通じて課題を洗い出し、魅力が偏った人にしか伝わっていないことを分析しました。そこでほかのホテルがおこなっていないSNSの発信方法を考え、運用代行をさせてもらいました。そしてその結果、ホテルの他地域からの利用者も増加したという経験があります。
貴社に入社したらこのような経験を活かし、顧客のニーズをしっかり分析し、新しい取り組みに積極的に貢献したいと考えています。常にスピード感を持ち、売上を伸ばしていくことに貢献します。
商社・金融系リースは、商社の持つ幅広い業界へのコネクションと金融・ファイナンス系の豊富な資金力が魅力です。
調達の速さや大型案件をまとめる調整力など特徴をつかんだうえで言及し、自身の特性との相性の良さをアピールすることがポイントです。
提出前に確認! リース業界の志望動機を作った後のチェックポイント
リース業界の志望動機を作った後のチェックポイント
- リース業界のビジネスモデルを理解できているか
- どの企業でもできることを志望理由にしていないか
- 企業に入社するメリットが自分中心になっていないか
志望動機を作った後は、必ず時間をあけてから読み返しましょう。志望動機を考えているときは気付いていなくても、後から見直すと改善の余地が見つかる可能性があるからです。
ここからは、志望動機作成後の最終チェックポイントを解説します。当てはまる部分がないか確認してみてください。
リース業界のビジネスモデルを理解できているか
リース業界は学生にあまりなじみがなく、ビジネスモデルを理解するのが難しいと言われています。リース業界のビジネスモデルを理解していないと入社後の活躍イメージを持つことができず、そのまま提出した志望動機では採用担当者から高評価を得ることは難しいでしょう。
リース業界のビジネスモデルを深く理解しているだけでもほかの学生との差別化になるため、徹底した業界研究をおこなってください。
どの企業でもできることを志望理由にしていないか
どの企業にでも当てはまることを志望理由にしてしまうと、その会社を志望した理由が不明瞭になり、あなたの熱意は伝わりません。
志望企業に特化した志望理由を書くには、ビジネスモデルを理解するのはもちろん、各企業の特徴を理解することが重要です。志望企業だけがおこなう取り組みや展開している事業、ビジョンやミッション、経営理念を隈なく読み、その企業独自の強みを見つけてください。
企業独自の強みを見つけるには、インターンやOB・OG訪問などが有効的です。社風や普段の雰囲気も見えてくるため、積極的に参加しましょう。
インターンシップに参加する際は、事前の準備によって合否に影響が出る可能性もあります。詳しく知りたい人は以下の記事を確認してください。
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- その企業だけの特徴や魅力を読み取るのが難しいです………。企業を差別化しやすいポイントはありますか?
働いている人に直接話を聞いて理解を深めよう
その企業だけの特徴や魅力・他社との差別化を把握する一番の方法は、会社説明会に足を延ばし直接、話を聞くことです。そして疑問点や確認したい事項があれば、その場で質問をして、不明点を解消していきましょう。
「入社後に思っていたことと違った……」とならないためにも、インターネットなどだけで調べるのではなく、会社訪問やインターンも含め、直接情報を取っていくことが大切です。
企業に入社するメリットが自分中心になっていないか
採用担当者は、あなたが入社することで「会社でどのように活躍してくれるか」を志望動機を通して確認します。企業は単に成長させてくれる場ではなく、社会や会社に貢献をする場です。そのため、あなたの強みを活かして働くことで、会社にどのようなメリットがあるのかにフォーカスしましょう。
そのため「言語力を活かしたいから」「スキルを身に付けたいから」と自分中心になっている場合は、一度志望動機を考え直してみましょう。リース業界が抱える課題や今後の動向も交えつつ、志望企業で自分には何ができるのかを明確にしてみてください。
なじみが薄いリース業界だからこそ事業の特徴を押さえて志望動機を作成しよう
リース業界のビジネスモデルや会社の特徴を理解するのには時間を要するかもしれませんが、深く理解すればほかの学生と差がつきます。
普段なじみが薄いリース業界だからこそ、ただ業界研究をするだけでなく、志望企業や競合他社の特徴を徹底的に研究しましょう。各社のホームページには今後の展望や経営理念が詳しく記載されているため、自分に合っている会社や力を発揮できそうな会社を探してください。
リース業界は、しっかりと志望動機を考えれば選考突破を狙うことができます。今回紹介した対策を一つひとつ着手し、内定を勝ち取ってくださいね。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見るリース業界のビジネスへの理解を深めて志望動機を作成しよう
リース業界は学生にとってはなじみの薄い業界かもしれません。しかし、個人でカーリースを利用したり、ソフトウエアや音楽サービスのサブスクリプションサービスを利用したりしたことがあれば、「モノを持たずに利用する」というイメージができるのではないでしょうか。
そこから発想を広げ、リース会社各社のHPの「事業・サービス案内」「導入事例」を見ると、顧客企業のビジネスモデルにおいてリース会社がどのようにかかわっているのか、役立っているかが理解できます。
リース業界は中途入社も多く募集しています。新卒入社の採用ページだけでなく、中途入社の情報もチェックしてみると、入社後にどのようなスキルを身に付けて行けば良いかのイメージも持ちやすくなります。
自分の考えや貢献方法を整理して志望動機に織り込んでいこう
これらを踏まえ、志望動機の中にリース会社のどんなビジネスに自分がどのように興味を持っているか、営業や事務といった職種でどのように自分の強みを活かして働きたいかということを織り込んでいきましょう。
また、従来型のビジネスだけでなく、新しいことに挑戦していこうと各社が経営目標に掲げています。そういう気持ちのある人はぜひリース業界に挑戦してみてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
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