まず、大学受験などであればまだしも、就職希望先に「滑り止め」という表現を使ってしまうのは、ご自身のためにやめたほうが良いと感じました。

あなたは自分が「滑り止め」とみなした企業に渋々勤務している自分を、具体的に想像したことはありますか？ また、「滑り止め」にされた企業があなたをどのような目で評価するか、考えたことはありますか？

このような考え方を持ったままだと、後日に自分にとって非常に不愉快な状況に陥る可能性が高いです。

ご縁のあった企業で成長する発想が将来の選択肢を広げる

学校受験と就活で圧倒的に異なる点の一つとして、「就活の場合、敗者復活戦＝転職が非常に容易」ということが挙げられます。

仮に第一志望でない企業に「ご縁があった」としても、その企業で経験と実績を積み、それらを自分の資本として、改めて第一志望の企業にチャレンジすることは、近年はむしろ一般的であると言えます。

なお、「滑り止め」の代わりに、「ご縁があった」という言葉を使うことをおすすめします。

仮に「ご縁をいただきやすい企業」を探すのであれば、自分のビジネスマンとしての力を鍛えることができそうな業種・企業を考えていくべきでしょう。

「良い滑り止め企業を見つける」という考え方を、「ご縁があった企業で社会人としての実力を身に着け、その後に改めて身の振り方を考える」という方向に転換してみてください。

そのほうがきっと、あなたの人生は楽しいものになるはずです。

まず大前提として、就職活動は高校受験や大学受験とは異なり、企業と大学の偏差値は紐付いていません。高校の偏差値と大学の難易度が紐付いている感覚かもしれませんが、企業と大学にそのような明確な相関はありません。

そのため、「MARCH だからこのレベルの企業が現実的」といった指標は存在しません。

「滑り止め」という考え方自体が、就職活動にはふさわしくないと私は考えています。

「絶対に譲れない条件」を明確にすることが大事！

ここでは「納得して働ける企業の見つけ方」としてお話しします。

まず、ご自身が企業に求める条件をすべて書き出してください。たとえば、「成長できる環境」「給与はいくら以上」「転勤の有無」などです。

次に、それらに優先順位をつけ、そのなかで「これだけは絶対に譲れない」という条件を3つほど明確に決めてください。

この「絶対に譲れない条件」が満たされている企業であれば、たとえほかの条件が理想通りでなくても、納得できる企業になる可能性が高いです。

逆に、この核心部分に目をつぶってほかの条件で選んでしまうと、後悔につながりやすくなります。