この記事のまとめ
- 上場とは証券取引所に株式を公開し、自由に取引ができること
- 上場企業・非上場企業で違った働き魅力・大変さがある
- 企業選びは上場・非上場にとらわれず、軸と合致しているかで判断しよう
- 適職診断
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誰もが聞いたことがあると思われる「上場企業」。「大手で安定してそうだから」という理由で、就職を目指す人も多いのではないでしょうか。
しかし、上場企業とはどういった企業なのか、非上場企業とどのような違いがあるのかについて理解している人は少ないと思います。企業選びに失敗しないために、上場企業・非上場企業は何が違うのか、働く人にとってどういった違いがあるのかを理解しましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの加藤さん、高尾さん、村谷さんのアドバイスを交えつつ、上場企業・非上場企業の違いや、上場企業の見つけ方・調べ方について解説します。自分に合った働き方はどちらかという点に留意して、企業選びの参考にしてください。
上場・非上場の違いは社員の働き方にも大きく関係している
上場・非上場の違いは企業側だけの問題ではなく、働く側にも大きく関係しています。企業が上場することで得られるメリット・デメリットは、働く側にとっての魅力や大変さに直結するものが多いのです。
「上場企業だから安心だろう」という安易な考えで企業を選んでしまうと、入社後のミスマッチにつながってしまう可能性があります。
この記事では、まず上場とは何なのか、上場企業と非上場企業それぞれの強みやリスクを解説します。上場・非上場の違いを正しく理解しましょう。
後半では、働く人にとっての魅力や大変さについて比較するので、自分の希望している働き方にはどちらが適しているのかを考えてみてください。最後に上場企業の調べ方も解説するので、この記事を参考にして自身に合った企業を見つけられるようになりましょう。
そもそも「上場」とは? 上場企業・非上場企業の意味を正しく理解しよう
そもそも「上場」とは? 上場企業・非上場企業の意味を正しく理解しよう
- 上場の意味
- 非上場企業との違い
- 株式会社との違い
まずは、「上場」の意味について詳しく解説していきます。上場についての理解が深まれば、上場企業・非上場企業の意味を正しく理解することができ、それぞれの違いについても把握できるようになります。
また、上場と聞くと株の売買の印象が強いため、株式会社のことを上場企業と勘違いしてしまう人も多いかもしれません。しかし、株式会社と上場企業はまったく別の意味をもっているので、この点についても詳しく解説していきます。
上場/非上場の意味や違いを理解していると、会社の経営の仕方などもそれぞれ違うことが見えてきます。
そうすると、応募先企業が上場しているか/していないかだけでなく、「上場している/していないからこの会社はこういう状態にある」という視点で応募先企業を理解することができます。
上場の意味
「上場」とは、企業が発行する株式などが証券取引所(株式市場)に公開され、自由に取引できることを意味します。
上場するには証券取引所が設ける株主数・時価総額・純資産などの基準を満たし、証券取引所の厳しい審査をクリアしなければなりません。この基準や審査項目は上場する証券取引所・市場の種類によって異なります。
上場すると、発行した株式が公の場で取引可能となり、企業や投資家など、誰でも証券会社を経由することで売買することができるようになります。
このように株式を上場している企業を上場企業と言い、日本取引所グループによると2024年7月時点で日本では約3,900社が東京証券取引所に上場しています。
上場企業とはつまり大企業だととらえている人もいるかもれませんが、両者の定義は異なります。こちらの記事で大企業の意味や中小企業との違いを理解しましょう。
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非上場企業との違い
非上場企業とは、株式の発行はしているものの証券取引所に公開していない企業のことを言います。上場企業とは違い、一般投資家、機関投資家など誰でも株式を売買することはできないのです。
非上場企業の場合、経営層や親会社・関連会社などが株式のほとんどを保有する大株主となっていることが多く、一般の人が売買できないようになっています。
上場企業は投資家の投資判断のため、財務内容などさまざまな株価に影響する情報の開示を義務付けられているのに対し、非上場企業はそのような義務は負わない点も違いとして挙げられます。
株式会社との違い
株式会社と上場企業の違いについて理解するために、まず株式会社の仕組みについて理解しましょう。
株式会社とは、資金調達をおこなうために株式を発行する会社のことです。株式とは、企業が資金調達のため発行する証券のことで、出資した人や企業に対しての証明書のような役割を持っています。
この株式は、上場されて証券取引所で公に売買できる上場株式、上場されてなく自由に売買できない非上場株式の2種類に分けられます。この2種類の株式のうち、上場株式を発行している企業を上場企業と言います。
つまり、株式を発行している企業は上場・非上場企業含めてすべて株式会社にあたりますが、その中で上場株式を発行している会社のみが上場企業と位置づけられます。日本国内の株式会社数が約270万社ある中で、上場企業はわずか0.1%となっています。
- 難しくてよくわかりません…。上場と非上場の違いについて、就活では何を押さえれば良いのでしょうか?
自分のやりたいことを明確にしてから上場・非上場を比べよう
最初のうちは、上場・非上場のことは気にしなくても良いと思います。やりたい仕事や条件に合う仕事を自分の軸で選んだうえで、その会社がどちらなのかを研究するのが望ましいです。
上場企業の場合、情報開示や法令順守などが課せられていて、規模感もそれなりに大きな会社が多いです。非上場の場合は自由度が高いため、経営者の方向性が経営に反映されやすく、スピード感を持った仕事ができる可能性があります。
上場・非上場にはそれぞれのメリットがあります。就活では、自分の将来のキャリアやライフスタイルにどのようにマッチするかを考え、企業の選択をおこなうことが重要です。
上場の中にも種類がある! 主要の3種を押さえておこう
上場の中にも種類がある! 主要の3種を押さえておこう
- プライム市場
- スタンダード市場
- グロース市場
日本国内の多くの企業が上場している東京証券取引所は、「プライム」、「スタンダード」、「グロース」の3つの市場区分に分類されていて、それぞれ新規上場・上場維持するための条件に違いがあります。
以前は「東証一部」、「東証二部」、「マザーズ」、「JASDAQ」の4つに分けられていましたが、2022年4月4日より現在の3つの市場に再編されています。
証券取引所は東京以外にも、名古屋・福岡・札幌の3箇所にありますが、ここでは多くの企業の株式が上場されている東京証券取引所の3つの市場について、上場の基準など詳しく解説していきます。
プライム市場
プライム市場とは、市場区分の中でも最上位の市場を指し、「多くの機関投資家の投資対象となりうる企業の株式が上場する市場」がコンセプトとなっています。そのため、上場基準はほかの市場に比べ最も厳しくなっているのです。おもに以下のような上場基準が設けられています。
プライム市場のおもな審査基準
- 株主数:800人以上
- 流通株式:時価総額100億円以上
- 時価総額:250億円以上
- 純資産:連結純資産50億円以上
- 利益額:最近2年の利益額25円以上
このような厳しい審査基準を満たしていることから、プライム市場に上場している企業は事業規模が大きく収益が安定している企業だと言うことができます。日本取引所グループによると2024年7月31日時点で1,644社がプライム市場に上場しています。
- よく求人で「東証プライム上場」という文言を見ますが、そんなにすごいことなのですか?
上場企業は厳正な審査を突破した希少な存在
日本の企業数のうち、プライム・スタンダード・グロース市場を合わせた上場企業の割合は、0.09%しかありません。それだけでもすごいことですが、プライム企業だけで見ると、全体の企業数の0.04%とさらに少なくなります。
上場するには、財務面や企業経営の健全性・ガバナンス面などから厳しい審査を受けなくてはならないので、すごいことと言えるでしょう。
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スタンダード市場
スタンダード市場がコンセプトとしている投資対象は一般投資家です。機関投資家を投資対象としているプライム市場と比較して、上場審査の基準が低いのが特徴です。
おもな上場の審査基準は以下のとおりです。プライム市場の審査基準と比較してみてください。
スタンダード市場のおもな審査基準
- 株主数:400人以上
- 流通株式:時価総額10億円以上
- 純資産:連結純資産の額が正であること
- 利益額:最近1年の利益額1億円以上
上記のように、プライム市場ほど審査基準は厳しくありませんが、規模や流通株式の時価総額は十分高い基準となっています。実際に、誰もが知っているような有名企業の多くもスタンダード市場に上場しているのです。日本取引所グループによると2024年7月31日時点で1,604社がスタンダード市場に上場しています。
株主数、流通株式、時価総額、純資産、利益額のどの要件が欠けてもプライム市場に上場することはできません。
一方で、スタンダード市場はプライムほどではありませんが、安定した財政状態や収益基盤を備えている企業であると言えます。
グロース市場
グロース市場は、高い成長性が期待できるベンチャー企業やスタートアップ企業などが上場する市場となっています。
成長のために資金が必要な企業が資金調達をしやすくするため、ほかの市場に比べ上場の審査基準が低いのが特徴です。
グロース市場のおもな審査基準
- 株主数:150人以上
- 流通株式:時価総額5億円以上
- 事業継続年数:1カ年以前から株式会社として継続的に事業活動
ほか2つの市場の審査基準では、事業継続年数は3カ年となっていますが、グロース市場では1カ年以前となっているためベンチャー企業・スタートアップ企業も上場しやすく、資金調達の機会が得られる市場となっているのです。日本取引所グループによると2024年7月31日時点で591社がグロース市場に上場しています。
ベンチャー企業やスタートアップ企業がグロース市場上場を目指す理由はさまざまですが、「資金調達のしやすさ」「企業の信用力向上」「社員のモチベーション向上」「事業の安定性確保」「市場での評価を受けること」などが考えられます。
上場によって広範な投資家から資金を集め、透明性やガバナンスを高め、成長のためのフィードバックを得ることで、企業の成長を加速できることが最大のメリットです。
ベンチャー企業を目指すなら、特徴や求められる人物像を把握しておく必要があります。以下の記事ではベンチャー企業についてまとめているので参考にしてみてください。
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目的を理解しよう! 企業が上場する4つのメリット
目的を理解しよう! 企業が上場する4つのメリット
- 信頼度が上がる
- 資金調達がしやすい
- 健全な経営体制が構築される
- 優秀な人材が集まりやすい
ここまでで、上場の意味や非上場企業との違いについての理解は深まったと思います。ここからは、企業はなぜ上場するのか、上場するとどのようなメリットがあるのかについて解説していきます。
企業が上場すると得られるメリットは上記の4点が挙げられます。企業側から見たメリットですが、その企業で働く社員にも関係してくることなので、しっかりと理解し、企業選びの参考にしてくださいね。
①信頼度が上がる
上場している企業は厳しい上場の審査基準をクリアしているため、経営が安定している企業だと捉えられ、信頼度が上がります。
信頼度が上がると、商品やサービスの売り上げが増加する傾向にあります。たとえば、何かを購入や利用する際に、それが聞いたことのない会社の商品だと少し不安になってしまいますよね。しかし、聞いたことのある、知っている会社の商品ならば抵抗はないはずです。
企業間における場合でも、上場していると安心できる企業だという印象を持たれるため、自社の商品やサービスが売れやすくなり、事業の拡大につながることもあるのです。
②資金調達がしやすい
企業が上場すると、機関投資家や一般投資家など多くの人に自社の株式を購入してもらうことが可能になり、経営のための資金調達が容易におこなえるようになります。さらに、株式は発行しても返済する必要がないので、企業にとって最善の資金調達方法といえます。
非上場企業では、広範の投資家からの資金集めが難しいため、金融機関からの融資がおもな資金調達法となります。この場合、利子付きの返済義務が発生してしまいます。さらには、財務状況によっては融資を受けられず経営に支障をきたすことまであるのです。
一方、上場している企業は社会的信用が高くなるので、金融機関からの融資を受けやすくなります。株式売買による資金集め以外でも、非上場企業に比べ資金調達が容易であると言えるのです。
③健全な経営体制が構築される
企業が新規上場・上場維持するためには厳しい審査基準を満たす必要があり、監査も厳しくおこなわれます。
審査内容は、株主数や時価総額などの形式要件以外にも、企業の継続性、収益や経営の健全性から内部管理体制の有効性なども含まれるのです。上場の審査以外でも投資家の目を気にする必要があるため、上場企業は経営体勢を常に見直し改善に取り組みます。
上記の2点から、企業はコンプライアンスの遵守やコーポレートガバナンス、社内体制の強化などを積極的におこなう必要があり、その結果、健全な経営体制が構築されることにつながります。
上場のための監査では、財務情報などの内容に虚偽や不正がおこなわれていないか、法律的に違反などをしていないかなどがチェックされています。
また、上場企業は株主から「良い会社だ」と思ってもらうためのことに積極的に取り組んでいく必要がある立場なので、そういった環境要因でも健全な経営体制の構築が進みます。
④優秀な人材が集まりやすい
上場すると企業の知名度、社会的信用が高くなるため、入社希望者が多くなり優秀な人材が集まりやすくなるメリットがあります。
特に新卒の就活生にとって、企業の知名度は重要な判断基準になるため、多くの応募が期待できます。また、大手企業で働きたい、安定している企業で働きたいと思う学生も多く、上場企業には多くの応募が集まる傾向にあります。
転職市場においても、十分なスキル・実績を持った転職希望者が、待遇や条件の向上を求め上場企業などの大手企業に応募するケースも多くあるのです。また、福利厚生が充実している、規模の大きな仕事ができるなどの点も入社希望者が増える要因となっています。
上場することにより社会的な信用を得られるという点が大きいですね。融資や採用という点でも有利になるので、全体的に事業の運営がしやすくなる企業が多いでしょう。
上場企業が気になる人の中には、良い会社に入りたいという人も多いかもしれません。こちらの記事で良い会社の特徴や見つけ方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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上場にはリスクもついてくる! 企業が上場する3つのデメリットとは
上場にはリスクもついてくる! 企業が上場する3つのデメリットとは
- 上場だけでなく以降も維持にコストがかかる
- 経営・社会的責任が大きくなる
- 買収されてしまう可能性がある
上場することで得られるメリットは数多くありますが、同時にデメリットも存在します。
デメリットもしっかり把握することで上場についての知識が深まり、企業選びの際に正しい判断ができるようになるのです。
記事では、上記の3点のデメリットについて解説していきます。
①上場だけでなく以降も維持にコストがかかる
企業が新規上場するためには新規上場料として多額の費用を支払う必要があります。
さらに、上場後も、上場を維持するために審査料として毎年費用を支払わなければなりません。新規上場料・上場審査にかかる費用は以下のようになっています。
市場区分 | 新規上場料 | 上場審査料 |
---|---|---|
プライム市場 | 1,500万円 | 400万円 |
スタンダード市場 | 800万円 | 300万円 |
グロース市場 | 100万円 | 200万円 |
この費用以外にも、証券会社や監査法人などに対しても多くの費用を支払う必要があるのです。
②経営・社会的責任が大きくなる
上場企業はさまざまな人が株主となるため、非上場企業に比べ株主の利益を守る責任が強くなってしまう点がデメリットといえます。
経営不振などにより株価が暴落すると、場合によっては経営責任を追求されることまであるのです。株主の利益に配慮した形で経営をおこなったり、ときには株主の要望を受け入れなければならないなど、経営方針に一定の制限を受けてしまうこともあります。
また、上場企業は財務・事業内容などの開示をしなければならず、何か問題を起こしてしまった場合には、世間から多くの注目を集めるなど社会的責任が大きくなるといったデメリットもあるのです。
上場企業では、ひとつの不正やインシデントが大きな影響をもたらします。
たとえば2015年には東芝の会計不祥事がありました。東芝が長年にわたり利益を水増ししていたことが発覚した事件です。株価の急落や経営陣の辞任、社会的信用の失墜などが起こり、多くの株主や顧客、取引先に深刻な影響を与えました。
この事例を通じて、上場企業の透明性と信頼性の重要性が理解できるのではないでしょうか。
③買収されてしまう可能性がある
上場すると、株式の売買が自由となるため、競合企業や投資ファンドによって大量の株を買い占められ、会社を買収されてしまうリスクが発生します。
企業の最高の意思決定機関である株主総会では、保有している株式数によって議決権が与えられます。実際には3分の2以上の株式を保有する場合は特別決議を単独で可決でき、過半数を保有していると普通決議を単独で可決できるようになっています。
普通決議では決算の承認や取締約・監査役の専任など、特別決議では会社の憲法とも呼ばれる定款の変更や取締約の専任・解任などが決議次項になります。
つまり、株式の過半数を取得されてしまうと、買収された形になり、経営権は奪われてしまうのです。
買収されることによるメリットとして、買収先の会社とのシナジー効果が発揮され、ワンランク上の会社への成長・発展が出来ることです。
デメリットもあります。買収されることによって会社の経営体制が変わるため、働きにくい会社になったと感じる人も出てくるでしょう。優秀な人材が辞めていくというリスクがあるということです。
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あえて上場しない非上場企業もある! 企業の意図をプロの視点から解説
上場企業の規模の大きさや安定性、メリットを認識すると「就職するなら上場企業が良い」と思ってしまう人もいるでしょう。しかし、非上場企業の中にも上場の審査基準をクリアしているが、あえて上場しない企業も存在しているのです。ここでは高尾さんに、あえて上場しない企業の意図を聞いていきます。
アドバイザーコメント
高尾 有沙
プロフィールを見る上場しないことで柔軟な経営を目指す企業も多くある
ここまで読んで、上場が企業にとってひとつの大きなゴールである、という認識を持った人もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、上場は必ずしも「目指すべきゴール」というわけではないことは知っておくべきです。
事実、大企業・有名企業でも上場していない企業は少なくありません。多くの学生が知っている企業で言えば、たとえば大手飲料メーカーのサントリーホールディングスや、菓子メーカーのロッテホールディングス、主要な新聞社の一つである朝日新聞社などは非上場企業です。
上場しないことで、「自由な経営ができる」、「買収など外部からの干渉を避けられる」、「財務状況を公開しなくて済む」といったメリットを取っているのです。
上場しているかどうかだけでは企業の強みは図れない
非上場企業は資本調達の柔軟性を持ち、経営情報の開示義務が少ないため、競争優位性を保つうえでは有利に働くこともあります。また、家族経営の維持や社員のエンゲージメント向上も上場しない理由になりえます。
このように、非上場という選択は、必ずしも規模や業績に劣ることを意味するわけではありません。むしろ独自の強みを活かし、長期的成長を目指すための戦略にもなるのです。
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実際どんな企業がある? 上場・非上場の売上高ランキングを見てみよう
あえて上場しない非上場企業があり、非上場企業の中には上場の基準をクリアしている企業もあることは理解できましたね。同じ非上場企業でも、事業規模や経営の安定性は企業によって大きく違うのです。
それでは、実際に上場・非上場企業の売上規模はどのようになっているのか、売上高順のランキング形式でみていきましょう。
順位 | 会社名 | 売上高(億円) | 決算年月 |
---|---|---|---|
1 | トヨタ | 450,953 | 2024/03 |
2 | ホンダ | 204,288 | 2024/03 |
3 | 三菱商事 | 195,676 | 2024/03 |
4 | 伊藤忠商事 | 140,299 | 2024/03 |
5 | ENEOSホールディングス | 138,566 | 2024/03 |
順位 | 会社名 | 売上高(億円) | 決算年月 |
---|---|---|---|
1 | ENEOS | 61,827 | 2021/03 |
2 | NTTドコモ | 47,252 | 2021/03 |
3 | 東京電力エナジーパートナー | 46,743 | 2021/03 |
4 | 日本郵便 | 38,376 | 2021/03 |
5 | サントリーホールディングス | 23,676 | 2020/12 |
非上場企業の売上高ランキングは、10位以降にもイオンリテールやコスモ石油、ヤマト運輸、電通などの耳にすることも多い有名企業がランクインしていて、いずれも売上高は1兆を超えています。
JPX日本取引所グループの最近のIPO企業の規模比較(2023年のIPO企業)2023年度によると2023年のプライム市場に上場している企業の売上高の中央値は1,759億円、スタンダード市場では71億円、グロース市場では25億円とされています。
上記のランキングや、各市場の売上高の中央値を見ると、非上場企業の中にも市場規模、知名度などで上場企業に劣らない企業があることは明確ですね。企業を選ぶ際は、上場・非上場にとらわれすぎないことが重要なのです。
上場企業は、規制遵守や情報開示のための業務が多く、非上場企業に比べて責任が大きくなります。求められるスキルや業務内容が異なるため、自分のキャリアプランに合った選択をすることが重要です。
キャリアプランは企業選びに必要になるだけでなく、実際に面接でも問われることがあります。こちらの記事でキャリアプランの描き方を確認しておきましょう。
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キャリアプランは面接官が重視する質問の1つ。回答をしっかりと考えることで、入社後のミスマッチを避けられるだけでなく、自分がやりたい業務に配属される可能性が高くなります。この記事では、面接でキャリアプランについて聞かれた際の正しい答え方について、キャリアコンサルタントのアドバイスを交えつつ解説します。
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上場企業に対して、経営が安定している、収入が高そう、労働環境が良さそうなど多くの良い印象を持っている人が多いでしょう。実際にそのような傾向にありますが、ほかにも多くの働く魅力があります。
ここからは上場企業で働く魅力5つについて詳しく解説していきます。魅力が自分の希望している働き方や労働環境と合っているかに注目しながら、企業選びの参考にしてください。
①会社の規模が大きく安定している
上場企業は、上場の審査基準に設けられている売上高や時価総額、利益額などの厳しい基準をクリアしていて、企業の継続性や収益性についても認められている企業です。また、コーポレートガバナンス・内部管理体制も機能していると評価を受けています。
つまり、上場企業は高水準の売上高・収益を維持し、継続性がある事業内容を展開しています。社内の管理体制も万全におこなわれ経営が安定している企業は、倒産などのリスクは少ないと考えられます。
会社の将来性に不安を抱えたくないと考える人は多いものです。安定して、継続的に働ける点は、労働者にとって大きな魅力となります。
②社会的信用度が高くなる
上場企業は、厳しい上場の基準をクリアしている点や、知名度が高い点などから社会的信用度が高くなります。実際に、株式会社の中で上場を果たしている企業は約0.1%ほどと、いかに上場が容易ではないかは明らかです。
その結果、上場企業に勤めている人は収入が高く安定している、会社が倒産するリスクが少なく収入がゼロになる可能性が低いと評価される傾向にあります。
こうして社会的信用度が高くなると、クレジットカードや各種ローンなどの審査に通りやすくなるのです。特に、車や住宅など金額の大きなものを購入する際のローンは、審査が厳しく高い信用度が求められます。
③大きなプロジェクトに挑戦しやすい
上場している企業は事業規模が大きいため、大きな金額・多くの人が動くプロジェクトや、国や地域から依頼を受けるプロジェクトなどにかかわる機会が多いといった魅力があります。
また、事業規模だけではなく企業の信用度が求められることも多い点から、上場企業では大きなプロジェクトに挑戦しやすいと言えるでしょう。
大きなプロジェクトに挑戦すると、組織の中での自分の在り方や、人に協力してもらうための言動など、多くの学びや経験を得ることにつながります。スキルアップできるばかりではなく、評価される実績ができキャリアアップにもつながるかもしれません。
「大きなプロジェクトに挑戦しやすい」という魅力は、事業規模が大きく、多様な分野で大規模なプロジェクトを手掛ける大手総合商社、インフラ関連企業、大手メーカー、IT企業、大手金融機関などで特に実感しやすいでしょう。
代表例として、三菱商事やトヨタ自動車、楽天グループなどが挙げられます。国内外の重要なプロジェクトに参加した際には、幅広い経験や最新技術、国際的な視野を身につけることが可能です。
上述されている業界は、どれも選考の難易度が高いです。興味がある人は以下の記事も確認して、早めに業界研究を進めておきましょう。
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④福利厚生の充実や高い収入が期待できる
一概には言えませんが、上場企業では住宅補助や子育て支援などの福利厚生が充実していて、収入も高くなる傾向にあります。
これは、上場企業は厳しい上場基準をクリアできる安定した経営基盤を持っている企業が多いことに起因します。経営が安定していない企業では、人件費は抑えられ福利厚生は充実していないことが多いのです。
さらに、昨今の働き方改革や社員の待遇改善が注目されているなか、メディアや社会の目が大手企業中心に向けられることも追い風になっているでしょう。福利厚生の充実や収入は、生活に大きくかかわるため企業選びの重要な要素になってきますね。
福利厚生を重視する人は、こちらの記事で実際の企業例も見てみましょう。注意点も解説しています。
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⑤転職する際に有利になりやすい
上場企業からの転職は、採用に有利にはたらく場合があります。上場企業には優秀な人材が集まりやすいため、「上場企業で働いていたなら優秀な人材だろう」といった印象を持たれることが多いからです。
さらに、大手である上場企業で習得したノウハウやスキルを、自社の社員・現場に共有してくれるのでは、と期待を持たれ採用されるケースも考えられます。
また、上場企業ではコンプライアンスや規程などに対する管理が厳しくおこなわれていることが多いため、上場企業からの転職者に対して入社後にそれらの教育をする必要がない点も採用に有利にはたらくことがあるのです。
職種によっては、上場によって社会的信頼を得た会社ならではの案件にたずさわった経験が有利に働く場合もあります。
しかし一番大事なのは応募先が求めている経験や人間性にいかにマッチしてるかです。上場企業に在籍したことが必ずしも転職に有利になるとは言いがたいです。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
上場企業特有の働く大変さも把握しよう
上場企業特有の働く大変さも把握しよう
- 社内規程・コンプライアンスなど管理が厳しい傾向にある
- 業務の自由度・裁量が小さくなりがち
上場企業で働く魅力は多くありますが、上場企業ならではの大変さもあります。
上場企業で働きたいと思っている人は特に、大変さを理解したうえで企業を選ぶようにしましょう。ここでは特に注意したい2つの点を解説します。
社内規程・コンプライアンスなど管理が厳しい傾向にある
上場の審査基準には、企業の健全性やコーポレートガバナンス、内部体制の有効性なども含まれます。そのため、社員に対して社内規程やコンプライアンスなどの管理は厳しくなり働き方に制限がかかる傾向にあります。
申請書類や報告書など必要な書類が多く、間接業務に時間が取られてしまうことも少なくありません。
細かなルールを覚えさせられたり、厳しく管理されたりするのが苦手な人にとっては、大きなストレスになってしまうことも考えられます。
業務の自由度・裁量が小さくなりがち
企業の規模・経営的・社会的責任が大きくなるにつれ、個人の自由度や裁量は小さくなってしまう傾向にあります。
上場企業は、良くも悪くも企業の規模が大きいため、多数の社員・管理者が存在します。また、業務内容ごとに部門が細分化された、縦割りの組織体系が多い傾向にあります。複数の部署・部門があると一人ひとりの業務範囲や権限は区切られるため、自由度・裁量は制限されることが多くなってしまいます。
さらには、社内の上司や管理者でだけではなく株主の意向にも考慮する必要があるため、自分のアイディアや意向を簡単に実行することはより難しくなります。自由に裁量権や発言権を持って働きたいという人は、上場企業のこの点に注意が必要です。
- 上場・非上場に優劣がないことはわかりましたが、上場企業はどのような人におすすめなのでしょうか?
組織の安定性や業務規模の大きさを求める人におすすめ
上場企業は、経営基盤が強く、長期的な雇用と収入が期待でき、社会的信用度も高いため、転職や独立時に有利です。よって、企業に安定性や信用度を求める人におすすめです。
家庭を持つ人や中長期的なキャリアをじっくり一社で作っていきたい人、福利厚生を重視する人にもフィットするでしょう。
また、大規模なプロジェクトに挑戦するチャンスがあることから、成長の機会を求める人にも合う可能性が高いです。
ただし、上場企業で働くにあたって、管理体制の厳しさやチームでの協力が前提となることは押さえておきましょう。こういった環境で力を発揮できる人には特に理想的な職場であるとも言えます。
非上場企業で働くことにもメリットがある!
非上場企業で働くことにもメリットがある!
- 外部からの干渉を受けないため方針が明確でぶれにくい
- 意見が通りやすい
- 会社が上場すると大きな利益を得られる可能性がある
働くメリットは上場企業に限ったものではありません。非上場企業ならではの働くメリットややりがいがあるのです。
人によっては、非上場企業で働くメリットややりがいの方が自分の希望する働き方や環境に合致する場合もあるでしょう。
ここからは非上場企業で働く3つのメリットについて詳しく解説していくので、こちらも企業選びの参考にしてくださいね。
①外部からの干渉を受けないため方針が明確でぶれにくい
非上場企業は、経営方針を株主に配慮することなく決定できるので、方針が明確でぶれにくい点がメリットです。経営者の決定のみで事業・業務がおこなえるため、スピード感がある点も大きなメリットと言えます。
上場企業の場合、経営方針を株主の利益に配慮する必要があります。そのため、一度社内で経営方針を打ち出しても、必要に応じて修正したり、株主からの要望を聞き入れ、方針を急に転換せざるを得なかったりすることもあります。
非上場企業は株主の干渉を受けないため、一貫した方針のもと長期的に業務に取り組むことができるのです。
②意見が通りやすい
非上場企業は、上場企業に比べ社員数が多くなく管理者との距離も近いことが多くあります。さらに、株主の意向を気にする必要もないため、自分の意見が通りやすいといったメリットがあります。
自分の意見が通ることは働くうえで大きなモチベーションとなります。人によっては誰かに決められたことばかりしていると、窮屈に感じ、やる気の低下につながってしまうこともあるでしょう。
また、自分の意見が通りやすい環境では成果の向上や業務の効率化に対して常に考える癖がついたり、能動的に働いたりと良い面が数多くあるのです。
上場企業は、株主の意向を無視することはできません。大手家具会社の大株主の意向が、経営陣の交代や経営方針の大幅な変更をもたらした事例がありました。
この一件は、株主利益と企業の長期的価値創造のバランスを取ることの重要性も浮き彫りにしました。
③会社が上場すると大きな利益を得られる可能性がある
非上場企業の株式は、経営者や従業員が保有している場合が多くあります。非上場時に購入した自社の株を、会社が上場し株式が値上がりしたタイミングで売却すると購入時との差額を利益として得ることができます。
企業の中にはストックオプション制度を取り入れているところもあります。ストックオプションとは、会社が取締役や従業員などに特定の金額(権利行使価格)で株式の購入権利を与えるものです。株価が上がった際に、権利を行使して権利行使価格で株式を取得し、時価で売却します。そうすると、権利行使価格と時価の差額が利益として得られるのです。
非上場企業が上場すると、株価が短期間で大幅に上昇することがあり、自社株を保有している従業員にとっては大きな利益が得られる可能性があると言えます。
自身のビジネスマンとしての成長やキャリアアップを目的とするのであれば、上場を狙う企業への就活もおすすめできます。
上場準備を進めている企業は成長意欲が高く、成長過程にある企業で働くことは、自身のキャリアにおいて貴重な経験となるからです。
一方、ストックオプション目当ての就活は、ギャンブル性が高いことからも一概にはすすめられません。また、上場を目指す企業での勤務は多忙になる可能性もあります。
以上を踏まえ、自分のキャリア目標や働き方に合致しているかを慎重に判断しましょう。
実際に調べてみよう! 上場企業の見つけ方・調べ方は?
実際に調べてみよう! 上場企業の見つけ方・調べ方は?
- 会社のホームページで確認する
- 証券会社のWebサイトで検索する
- 新聞の株式欄を確認する
上場企業で働く魅力が自分の希望する働き方に合致し、上場企業に就職したいと思った人もいると思います。
また、応募しようと思っている企業が上場しているかどうか気になった人もいるのではないでしょうか。
ここからは、上場企業の見つけ方・調べ方について解説していきます。3つの方法で、簡単かつ短時間で調べられるので、ぜひ試してみてくださいね。
会社のホームページで確認する
応募を検討している企業が上場しているかどうか調べるには、その会社のホームページ(HP)で確認する方法がおすすめです。
会社のHPにアクセスし、企業情報・会社情報のところから沿革を見ましょう。上場している会社の場合は、会社のHP内の企業情報・沿革などに「〇〇年上場」と記載されていることが多いです。
会社のほかの情報も一度に見ることができるので、効率的に調べることができます。HP上で確認できなかった場合は、そこで判断せずほかの方法で調べて確認するようにしましょう。
証券会社のWebサイトで検索する
こちらも特定の企業が上場しているかどうかを調べる際に有効な方法です。
Yahoo!ファイナンスなどの証券会社のHPにアクセスすると、ほとんどのサイトでは検索窓が出てくるので、そこに調べたい会社名を入力します。
該当する会社が検索結果で出てくれば、その企業は上場企業、出てこなければ非上場企業と判断することができます。
新聞の株式欄を確認する
新聞の株式欄には上場企業一覧の情報が載っているので、上場企業を調べたいときに確認するのが良いでしょう。
掲載は業種別にまとまっているので、自分の興味のある業種の上場企業だけを効率的に調べることもできます。
上場している市場名も記載されているので、各市場の上場基準を把握しておけば、ある程度の企業規模も把握することができますよ。
上場している会社がすべて同じ状況にあるとは限りません。公開市場がどこなのか、経営年数はどの程度なのか、成長段階にある企業なのかなど、会社によって状態も特徴もさまざまです。
一くくりにしないように注意しましょう。
企業について調べる際は、上場か非上場かという点だけでなく、ほかにもチェックすべきポイントがあります。こちらの記事でやり方をマスターしましょう。
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最後に忘れずに! 上場・非上場の違いだけで企業を選ぶのは危険
ここまで上場企業・非上場企業の特徴を解説してきましたが、就活では上場か・非上場かという観点だけを意識すれば良いわけではありません。
上場・非上場企業で働くメリットはそれぞれありますが、社風や労働環境、待遇、福利厚生などは企業ごとで異なるため、一括りにはできないのです。
また当然、業界や職種などの仕事内容も考える必要があります。企業選びの際は「自分が社会にどう貢献したいのか」「仕事をとおして何を提供したいのか」という中身の部分をまず固めるのが重要であり、上場・非上場といった枠組みはあくまでその実現手段の一要素ととらえましょう。
しっかりと企業の情報を調べ、自分の軸と照らし合わせる作業をおこなうことが大切です。
具体的にどのように自分の軸を作れば良いのかわからない人もいますよね。こちらの記事で企業選びの軸の作り方を解説しているので、併せて参考にしてみてください。
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上場/非上場の違いを理解しながら就活をおこなうことで、さまざまなメリットがあります。
まず、その会社が将来的にどのようになりたいのかがわかるようになります。自分の希望する働き方や職場環境をかなえられるのかを想像する助けにもなるでしょう。
さらに、企業分析の際にもこの知識は活用できます。上場企業は財務状況や経営方針を公開しているため、そこから企業の健全性や成長性を判断することが可能です。
非上場企業は、公式ウェブサイトや業界レポート、口コミサイトなどを活用して情報を収集し、自力で企業の実態を把握することが必要となります。
企業選びにおいては、上場・非上場の違いだけで判断するのではなく、複数の視点から総合的に評価することが重要です。この違いを理解することで、自分のキャリアビジョンに合った企業を選ぶことにつながるでしょう。
上場・非上場企業の違いを理解して自分に合った働き方を選択しよう!
上場企業は規模が大きく経営が安定している、社会的信用度が高いといったメリットがありますが、非上場企業の中にもそのような企業が多くあることは把握できたと思います。
企業を選ぶ重要なポイントは、上場しているかどうかではなく、自分に合った働き方ができるかどうかです。そのためには、自分の就きたい仕事は何なのか、将来どうなりたいのか、働く際に重要としている項目は何なのかなどの、企業選びの軸に合っているかどうかを判断しましょう。
企業選びの軸を整理したうえで、この記事を参考に上場企業・非上場企業のどちらが自分に合った働き方ができるのかを考えてみてください。
アドバイザーコメント
村谷 洋子
プロフィールを見る大切なのは自分が望む働き方をできる環境を探すこと
上場企業は情報開示や法令順守の観点から安定感があり、福利厚生が充実していることが多いです。一方、非上場企業は自由度が高い分、経営者のビジョンが反映されやすく、スピード感のある環境が特徴です。
ただし、上場企業だから必ずしも安心というわけではありません。上場企業も株の売買により買収されるリスクがあり、確実性はありません。逆に、これから上場を目指している勢いのある非上場企業を選ぶのも一つの戦略です。こうした企業で働くことで、一緒に成長を実感できるかもしれません。
つまり、上場企業と非上場企業の違いに悩んでいる人や、どちらに入るべきか考えている人が最も大切にすべきことは、自分がどのような働き方をしたいのか、どんな環境が自分に合っているのかを理解することです。自己分析をしっかりおこない、自分のキャリアについて丁寧に考えてください。
上場/非上場にこだわり過ぎずに広い視野で就活を進めよう
上場か非上場かだけで企業を絞るのは選択肢を狭めることになるので、広い視野で就職活動を進めることをおすすめします。
自分の将来のキャリアやライフスタイルにどのようにマッチするかを考え、多くの選択肢を検討することで、最適な企業を見つけることができるでしょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上
プロフィール詳細キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/むらや社労士事務所代表
Yoko Muraya〇上場企業を含む民間企業での人事・採用経験約20年。就職支援や転職相談に従事し多くの求職者を支え、セミナー講師も務める。社労士の専門知識を活かし温かい雰囲気で各人に寄り添う
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