思い描いていた理想と現実のギャップで辞めてしまう人は結構多いです。このギャップによって受ける衝撃がリアリティショックと呼ばれます。私のもとにも、実際に「辞めました」と相談にいらっしゃる方がたくさんいます。

3カ月や半年、早い人ではゴールデンウィーク明けに辞めてしまいます。それぞれ辞める理由はさまざまです。

企業側に非があれば、遠慮はせず理由をはっきり伝えよう

会社側が、法律に則っていない雇用をしている場合があります。たとえば、社会保険を規定通りつけてもらえない、残業代が支払われないなどです。

このように会社側に非がある場合は、まったく気にする必要はありません。「とっとと辞めて、早く新しい会社を探しなさい」と助言します。

面接で「なぜ辞めたか」と聞かれたときに「自分にも悪いところがあった」と伝える必要もありません。一切の遠慮なく「法律に則っておらず困ったので辞めることになった」と本当の理由をはっきり伝えましょう。

マイナスに取られる可能性のある理由なら、まずは自己分析をおこなおう

質問者さんの場合は「人間関係の悩みが大きかった」ということなので、面接で「なぜ辞めましたか」と聞かれて「人間関係が……」と答えると、説明すればするほど面倒な話になる可能性が高いです。

面接官によっては「そんなことまで気にしちゃうのね」と受け取られてしまう心配があります。そのため、自分が思い描いていた理想は何だったのか、どんなふうに自分は働いていけると思っていたのか、ということをもう一度自己分析してください。

新卒で短期離職した場合でも、次の就職は皆さんほぼ全員していきます。「もうこれで二度と就職できない」と思う必要はありません。

自分の甘さと向き合い、次への意欲を伝えよう

実は私も新卒で入った会社は1年で離職しています。「大企業の本当に小さなネジの一つでしかない」ことに向き合った結果です。ビジョンがなかったことに後から気が付きました。

半年の離職だと異なる部分もあるとは思うものの、何にショックだったのか、何にびっくりしたのか、ということも含めて、「自分の考えが少し甘かったと思うのですが……」と話すのもおすすめです。

伝える際は、「そんなこと、会社入る前に考えなかったのか」と言われてしまわないかという視点で見てください。

まず「社会人になることをこうとらえていた。しかし少し甘かった」などと触れましょう。そして、「働くとはどういうことか」をもっとちゃんと考えて、次働くところではしっかり努めていきたい、と伝えてみるのがおすすめです。

短期離職だと、次の就職希望先から面接などで「なぜ辞めたのか」という疑問を持たれることがほとんどです。

短期離職をしてしまっても、ほかの会社への就職の可能性はあります。ただ、前職をなぜ短期間で退職したのかは必ず問われるため、回答の用意は必要です。

その際に、会社や他人のせいにするのは避けましょう。前職の批判は言うべきではありません。

「自身で就職活動をして入社したものの、○○が不足していたためにミスマッチを起こして辞めることになった。その点は自分としても、入社前の準備が足りなかったと思っている。今回は○○という準備をして臨み、貴社に入社できたら○○したいと考えている」と伝えてみましょう。

不足していた内容には、自己分析や企業研究などを挙げると良いです。そこを改善した、という意欲を示すようにしましょう。

自身の非は認めつつ、今回の準備内容と次に入社する会社でやりたいことを話すといった、前向きにとらえてもらえる回答をするのが良いです。

短期離職の理由を自己責任として改善策を具体的に示そう

短期離職者に対して、果たして定着できるのか、という疑念を企業は抱きます。その心配を払しょくする回答をしましょう。自責で辞めて、改善した結果、次の会社で○○したいといった前向きな言葉につなげるように心掛けてください。

成長意欲がない印象にならないよう、入社したらこういうことをやってみたいなど、将来に向けたことも含めて自分で話せる状況を作っておくことが大切です。