仕事に限らず、ものごとの上達スピードは個人によって大きく異なるという大前提をまず意識してください。

現在、上司や先輩から丁寧に仕事を教えてもらえているということは、上司や先輩はあなたの成長スピードが遅くても一人前になってほしいのでしょう。

あなたは現在の仕事に就かれてから、どれくらいの期間が経過しましたか。

もしそれが3年を超えるようであれば、現在のあなたの仕事はあなたに不向きだと言えるかもしれません。ただし、仮にこれが半年～1年程度であったとしたら、「なかなか成果が出ない」と気に病むのは、あまりにも早すぎます。

その場合は、まず決して焦らず、あなたの教育係である上司や先輩にこちらから質問をしていくなどして、じっくりと自分の実力を身に付けてください。

今の職場で実力を蓄えステップアップしよう！

将来実際に転職を決断するとしても、今の職場で身に付けた能力や経験が必ず生きていきます。

今の仕事で結果を出せないからと慌てて転職するのではなく、現在の職場で働きながら実力を蓄えて、ステップアップのために転職ができるように努力するという意識を持ってください。

仕事についていけず、「自分は能力が足りていない」と悩むのは、決して特別なことではありません。特に新しい環境や慣れない業務に取り組む際、最初は難しくて分からないことだらけなのは当然であり、仕方のないことです。

これを単なる「努力不足」と責めるのではなく、成長過程における「経験不足」の状態であると冷静に捉える必要があります。 仕事への不安を感じたときは、まず「何を身につけるべきか」を明確にすることから始めましょう。

自分一人で抱え込まず、依頼主や上司、あるいは斜め上の先輩や優秀な同期などに、「今の自分に何が足りないか」を直接聞いてみるのも有効なアプローチです。

わからないことを一つずつ解消し、小さな実績を積み重ねていくことで、徐々に仕事に慣れていくステップの途中にいるのだと考えてください。

ギャップを埋める過程を一生の武器にしよう

また、能力不足を感じるからといって、安易に転職という手段を選ぶのはあまりおすすめできません。どの会社に移ったとしても、最初の時期が大変であることに変わりはないからです。

むしろ、若いうちから簡単にこなせる仕事ばかりをしていては、自身の能力開発には繋がりません。

大切なのは、理想と現実のギャップに直面したときに「どうやってその差を埋めていくか」を学ぶことです。自分で努力すべき点を見極めると同時に、周囲に助けや助言を求める力を養うことは、キャリアを築く上で一生モノのスキルになります。

やりたいことが他にあって前向きに環境を変えたい場合は別ですが、単に「ついていけない」という理由だけで諦めるのではなく、まずは「ギャップを埋めるプロセス」そのものを経験として積み上げていきましょう。